JPH0832623B2 - ステロイドリポソ−ム - Google Patents
ステロイドリポソ−ムInfo
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- JPH0832623B2 JPH0832623B2 JP60502090A JP50209085A JPH0832623B2 JP H0832623 B2 JPH0832623 B2 JP H0832623B2 JP 60502090 A JP60502090 A JP 60502090A JP 50209085 A JP50209085 A JP 50209085A JP H0832623 B2 JPH0832623 B2 JP H0832623B2
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Description
【発明の詳細な説明】 1.発明の分野 本発明は、二重層を形成し得るステロールの有機酸誘
導体の塩形態から成るリポソーム中への化合物の捕捉に
ついての方法および組成物に関するものである。
導体の塩形態から成るリポソーム中への化合物の捕捉に
ついての方法および組成物に関するものである。
有機酸の塩形態などのような親水性部が付着される、
例えばコレステロールあるいは他の脂質のなどのような
ステロールが、マルチラメラベシクル[multilamellar
vesicle]またはスモールユニラメラベシクル[small u
nilamellar vesicle]の懸濁液の調製に用いられ得る。
本発明のステロールリポソームは、有機溶媒を用いてあ
るいは用いずに調製され得る。これらのベシクル(小胞
体)は、水溶性化合物、部分水溶性化合物および水不溶
性化合物を捕捉し得る。
例えばコレステロールあるいは他の脂質のなどのような
ステロールが、マルチラメラベシクル[multilamellar
vesicle]またはスモールユニラメラベシクル[small u
nilamellar vesicle]の懸濁液の調製に用いられ得る。
本発明のステロールリポソームは、有機溶媒を用いてあ
るいは用いずに調製され得る。これらのベシクル(小胞
体)は、水溶性化合物、部分水溶性化合物および水不溶
性化合物を捕捉し得る。
本明細書中において述べられるステロールベシクル
は、生体内に[in vivo]投与され得る生物学的に活性
な化合物ないしは薬学的な化合物の捕捉に特に有用であ
る。あるいはまた、本発明のステロールリポソームは、
生体外的に[in vitro]に用いられる得る。例えば、
本明細書中に述べられるコレステロールヘミサクシネー
トリポソームは、生体外において二価カチオン依存検定
システムに用いられ得る。
は、生体内に[in vivo]投与され得る生物学的に活性
な化合物ないしは薬学的な化合物の捕捉に特に有用であ
る。あるいはまた、本発明のステロールリポソームは、
生体外的に[in vitro]に用いられる得る。例えば、
本明細書中に述べられるコレステロールヘミサクシネー
トリポソームは、生体外において二価カチオン依存検定
システムに用いられ得る。
2.発明の背景 2.1 リポソーム リポソームは内包された水性相を含有する完全に閉鎖
された二重層膜である。リポソームは、種々のマルチラ
メラベシクル(水性相によって互いに離された同中心的
な膜二重層群によって特徴づけられるタマネギ状構造)
またはユニラメラベシクル(単一の膜二重層を有す
る。)である。
された二重層膜である。リポソームは、種々のマルチラ
メラベシクル(水性相によって互いに離された同中心的
な膜二重層群によって特徴づけられるタマネギ状構造)
またはユニラメラベシクル(単一の膜二重層を有す
る。)である。
リポソーム調製の2つのパラメータは、ベシクル径と
脂質濃度の作用である。(1)脂質の与えられた量によ
って囲まれた容積として定義される、捕捉容量は、全脂
質のモル当り(mol-1)の捕捉リットルの単位として表
わされる。捕捉容量は、ベシクルの脂質組成および媒質
のイオン組成によってもまた影響されるリポソームの半
径に依存する。(2)二重層によって隔離された水性成
分の画分として定義される、内包能は、パーセンテージ
として表わされる。内包能は、脂質濃度に直接比例し、
より多くの脂質が存在する場合、より多くの溶質がリポ
ソーム中へと隔離され得る。(ディーマーとアスター、
1983年、リポソームプレパレーション:メソッズ アン
ド メカニズムス、リポソーム中、エム.オストロ編、
マルセル デッカー イン コーポレーテッド、ニュー
ヨーク、第27〜51頁[Deamer and Uster,1983,Liposome
Preparation:Methods and Mechanism,in Liposomes,e
d.M.Ostro,Marcel Dekker,Inc.,NY,pp.27-51]を参照の
こと。) リポソーム調製に関する独自な方法(バングハムら、
1965年、ジャーナル オブ モレキュール バイオロジ
ー 13:238-252[Bangham et.al.,J.Mol.Biol.13:238-2
52])は、有機溶媒中にリン脂質を懸濁させ、そして次
に反応容器中にリン脂質の粘稠な沈澱物を残して乾燥す
るまで蒸発させることを含むものであった。次に水性相
の適当な量が添加され、混合物が「膨張」し、そしてマ
ルチラメラベシクル(以下MLVと呼称する。)から成る
生成リポソームが、機械的手段により分散させられた。
生成した膜二重層の構造は、脂質の疎水性(非極性)
「テール」が二重層の中心へ向って配向し、一方親水性
(極性)「ヘッド」が水性相へ向って配向したようなも
のとなっている。この技法は、パパハジョプーロスとミ
ラー[Papahadjopoulos and Miller](1967年、バイオ
チミカ エト バイオフィズィカ アクタ 135:624-63
8[1967,Biochim.Biophys.Acta.135:624-638])によっ
て述べられた微小な音波処理されたユニラメラベシクル
(以下SUVと呼称する。)の発展の基礎となった。しか
しながら、MLVとSUVの双方ともモデルシステムとして限
定を有していた。
脂質濃度の作用である。(1)脂質の与えられた量によ
って囲まれた容積として定義される、捕捉容量は、全脂
質のモル当り(mol-1)の捕捉リットルの単位として表
わされる。捕捉容量は、ベシクルの脂質組成および媒質
のイオン組成によってもまた影響されるリポソームの半
径に依存する。(2)二重層によって隔離された水性成
分の画分として定義される、内包能は、パーセンテージ
として表わされる。内包能は、脂質濃度に直接比例し、
より多くの脂質が存在する場合、より多くの溶質がリポ
ソーム中へと隔離され得る。(ディーマーとアスター、
1983年、リポソームプレパレーション:メソッズ アン
ド メカニズムス、リポソーム中、エム.オストロ編、
マルセル デッカー イン コーポレーテッド、ニュー
ヨーク、第27〜51頁[Deamer and Uster,1983,Liposome
Preparation:Methods and Mechanism,in Liposomes,e
d.M.Ostro,Marcel Dekker,Inc.,NY,pp.27-51]を参照の
こと。) リポソーム調製に関する独自な方法(バングハムら、
1965年、ジャーナル オブ モレキュール バイオロジ
ー 13:238-252[Bangham et.al.,J.Mol.Biol.13:238-2
52])は、有機溶媒中にリン脂質を懸濁させ、そして次
に反応容器中にリン脂質の粘稠な沈澱物を残して乾燥す
るまで蒸発させることを含むものであった。次に水性相
の適当な量が添加され、混合物が「膨張」し、そしてマ
ルチラメラベシクル(以下MLVと呼称する。)から成る
生成リポソームが、機械的手段により分散させられた。
生成した膜二重層の構造は、脂質の疎水性(非極性)
「テール」が二重層の中心へ向って配向し、一方親水性
(極性)「ヘッド」が水性相へ向って配向したようなも
のとなっている。この技法は、パパハジョプーロスとミ
ラー[Papahadjopoulos and Miller](1967年、バイオ
チミカ エト バイオフィズィカ アクタ 135:624-63
8[1967,Biochim.Biophys.Acta.135:624-638])によっ
て述べられた微小な音波処理されたユニラメラベシクル
(以下SUVと呼称する。)の発展の基礎となった。しか
しながら、MLVとSUVの双方ともモデルシステムとして限
定を有していた。
捕捉容量ないしは内包能を増大させる試みにおいて、
リン脂質二重層からなるリポソームの調製に関するいく
つかの方法が発展してきてはいるが、すべての方法は、
有機溶媒の使用を必要としている。これらのいくつかの
方法を以下に簡単に記す。
リン脂質二重層からなるリポソームの調製に関するいく
つかの方法が発展してきてはいるが、すべての方法は、
有機溶媒の使用を必要としている。これらのいくつかの
方法を以下に簡単に記す。
内包能を増加させるための努力は、リポソーム前駆体
ないしミセル、すなわち、極性ヘッド基が水性相に指向
するように配向された脂質分子の単一層によって囲繞さ
れた水性相を含むベシクルを最初に形成することを包含
するものである。リポソーム前駆体は、内包されるべき
水性溶液を有機溶媒中の極性脂質の溶液中へ添加し、そ
して音波処理することで形成される。このリポソーム前
駆体は、次に、過剰の脂質の存在下第二の水性相中へ乳
化させられ、そして蒸発させられる。脂質二重層によっ
て内包された水性相から成る、生成リポソームは水性相
中に分散させられる(エム、シュナイダー[M.Schneide
r]に対して1980年9月23日に発行された米国特許第4,2
24,179号を参照のこと。)。
ないしミセル、すなわち、極性ヘッド基が水性相に指向
するように配向された脂質分子の単一層によって囲繞さ
れた水性相を含むベシクルを最初に形成することを包含
するものである。リポソーム前駆体は、内包されるべき
水性溶液を有機溶媒中の極性脂質の溶液中へ添加し、そ
して音波処理することで形成される。このリポソーム前
駆体は、次に、過剰の脂質の存在下第二の水性相中へ乳
化させられ、そして蒸発させられる。脂質二重層によっ
て内包された水性相から成る、生成リポソームは水性相
中に分散させられる(エム、シュナイダー[M.Schneide
r]に対して1980年9月23日に発行された米国特許第4,2
24,179号を参照のこと。)。
内包能を最大化させるための他の試みにおいて、パパ
ハジョプロース(1980年11月25日発行の米国特許第4,23
5,871号)は、反転相蒸発ベシクル[reverse-phase eva
poration vesicle](以下、REVと呼称する。)として
もまた知られているオリゴラメラ脂質ベシクルを形成す
るための「反転相蒸発方法[reverse-phase evaporatio
n process]」を述べている。この方法によると、内包
されるべき水性物質は、有機溶媒中の極性脂質混合物へ
と添加される。次に均質な油−中−水[water-in-oil]
型エマルジョンが形成され、そしてゲルが形成されるま
で有機溶媒が蒸発させられる。ゲルは次に、水性媒体中
のゲル様混合物を分散させることにより、懸濁液へ転化
される。生成されたREVは、多くのユニラメラベシクル
(ラージユニラメラベシクル、LUV)と、大きな内的水
性空間を有するわずか二、三の同中心的二重層によって
特徴ずけられるわずかのオリゴラメラベシクルから成
る。
ハジョプロース(1980年11月25日発行の米国特許第4,23
5,871号)は、反転相蒸発ベシクル[reverse-phase eva
poration vesicle](以下、REVと呼称する。)として
もまた知られているオリゴラメラ脂質ベシクルを形成す
るための「反転相蒸発方法[reverse-phase evaporatio
n process]」を述べている。この方法によると、内包
されるべき水性物質は、有機溶媒中の極性脂質混合物へ
と添加される。次に均質な油−中−水[water-in-oil]
型エマルジョンが形成され、そしてゲルが形成されるま
で有機溶媒が蒸発させられる。ゲルは次に、水性媒体中
のゲル様混合物を分散させることにより、懸濁液へ転化
される。生成されたREVは、多くのユニラメラベシクル
(ラージユニラメラベシクル、LUV)と、大きな内的水
性空間を有するわずか二、三の同中心的二重層によって
特徴ずけられるわずかのオリゴラメラベシクルから成
る。
薬剤供給系へのリポソームの使用の可能性に関して、
多くの記載がなされている。例えば、イゥ−ヤァ ラー
マンとエリザベス エイ.セルニー[Yeuh-Erh Rahman
and Elizabeth A.Cerny]に対して1976年11月23日に発
行された米国特許第3,993,754号や、バリー ディー.
シェアーズ[Barry D.Sears]に対して1979年3月20日
に発行された米国特許第4,145,410号を参照されたい。
リポソーム薬剤供給系においては、医薬は、リポソーム
形成の間に捕捉され、そして次に治療されるべき患者へ
と投与される。この医薬は、水にあるいは非極性溶媒に
可溶である。このような記述の代表的なものは、パパハ
ジョプーロスとソズカ[Szoka]に対して1980年11月25
日発行された米国特許第4,235,871号およびエム.シュ
ナイダーに対して1980年9月23日に発行された米国特許
第4,224,179号である。生体内に使用するリポソームを
調製する場合、(1)リポソームの調製の間の有機溶媒
を使用する必要性をなくすこと、および(2)捕捉物質
のより大きな容量と濃度が、一服用量当りに供給される
ことが可能となるよう、内包能および捕捉容量を最大化
することが、有利となるであろう。
多くの記載がなされている。例えば、イゥ−ヤァ ラー
マンとエリザベス エイ.セルニー[Yeuh-Erh Rahman
and Elizabeth A.Cerny]に対して1976年11月23日に発
行された米国特許第3,993,754号や、バリー ディー.
シェアーズ[Barry D.Sears]に対して1979年3月20日
に発行された米国特許第4,145,410号を参照されたい。
リポソーム薬剤供給系においては、医薬は、リポソーム
形成の間に捕捉され、そして次に治療されるべき患者へ
と投与される。この医薬は、水にあるいは非極性溶媒に
可溶である。このような記述の代表的なものは、パパハ
ジョプーロスとソズカ[Szoka]に対して1980年11月25
日発行された米国特許第4,235,871号およびエム.シュ
ナイダーに対して1980年9月23日に発行された米国特許
第4,224,179号である。生体内に使用するリポソームを
調製する場合、(1)リポソームの調製の間の有機溶媒
を使用する必要性をなくすこと、および(2)捕捉物質
のより大きな容量と濃度が、一服用量当りに供給される
ことが可能となるよう、内包能および捕捉容量を最大化
することが、有利となるであろう。
2.2 水溶性ステロール 種々のステロールとそれらの水溶性誘導体が、化粧
用、薬学用および診断学用の目的のために用いられてい
る。水溶性ステロールとしては例えば、分枝脂肪酸コレ
ステロールエステル、ステロールエステルおよびPEG−
植物ステロールが化粧用調製品において使用されている
(欧州特許出願第28,456号、米国特許第4,393,044号な
らびにシュライダー、ドラッグ アンド コスメティッ
ク インダストリー、1983年9月第33頁および1983年10
月第46頁[Schrader,Drug and Cosmetic Industry,Sept
ember 1983、p.33 and October 1983,p.46])。ザッカ
ーとキューン[Thakkar and Kuehn](1969年、ジャー
ナル オブ ファラマシューティカル サイエンス58
(7):850-852[1969,J.Pharm,Sci.58(7):850-85
2)は、1〜5%濃度のステロイド非イオン性界面活性
剤、特に、エトキシ化コレステロール(すなわち、、PE
G−コレステロール)の水性溶液を用いてのステロイド
ホルモンの安定化を開示している。しかしながら、生体
内での可溶化ステロイドホルモンの有効性あるいは利用
は示されていない。いくつかの水溶性コレステロールが
調製されそして生物学的流体中のコレステロール値の測
定に間する水溶性標準として用いられている(米国特許
第3,859,047号、米国特許第4,040,784号、米国特許第4,
042,330号、米国特許第4,183,847号、米国特許第4,189,
400号および米国特許第4,224,229号)。シニツズキーら
[Shinitzky et.al.](1979年、プロスィーデング オ
ブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンスィ
ズ オブ ザ ユナイテット ステート オブ アメリ
カ 76:5313〜5316[1979,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:
5313〜5316])は低濃度のコレステロールおよびコレス
テリルヘミサクシネートを含有する組成培地媒体中に腫
瘍細胞を培養した。細胞膜内へのコレステロールまたは
コレステリルヘミサクシネートの取込みは、膜流動性を
減少し、そして膜−脂質ミクロビスコシティーを増加し
た。
用、薬学用および診断学用の目的のために用いられてい
る。水溶性ステロールとしては例えば、分枝脂肪酸コレ
ステロールエステル、ステロールエステルおよびPEG−
植物ステロールが化粧用調製品において使用されている
(欧州特許出願第28,456号、米国特許第4,393,044号な
らびにシュライダー、ドラッグ アンド コスメティッ
ク インダストリー、1983年9月第33頁および1983年10
月第46頁[Schrader,Drug and Cosmetic Industry,Sept
ember 1983、p.33 and October 1983,p.46])。ザッカ
ーとキューン[Thakkar and Kuehn](1969年、ジャー
ナル オブ ファラマシューティカル サイエンス58
(7):850-852[1969,J.Pharm,Sci.58(7):850-85
2)は、1〜5%濃度のステロイド非イオン性界面活性
剤、特に、エトキシ化コレステロール(すなわち、、PE
G−コレステロール)の水性溶液を用いてのステロイド
ホルモンの安定化を開示している。しかしながら、生体
内での可溶化ステロイドホルモンの有効性あるいは利用
は示されていない。いくつかの水溶性コレステロールが
調製されそして生物学的流体中のコレステロール値の測
定に間する水溶性標準として用いられている(米国特許
第3,859,047号、米国特許第4,040,784号、米国特許第4,
042,330号、米国特許第4,183,847号、米国特許第4,189,
400号および米国特許第4,224,229号)。シニツズキーら
[Shinitzky et.al.](1979年、プロスィーデング オ
ブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンスィ
ズ オブ ザ ユナイテット ステート オブ アメリ
カ 76:5313〜5316[1979,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:
5313〜5316])は低濃度のコレステロールおよびコレス
テリルヘミサクシネートを含有する組成培地媒体中に腫
瘍細胞を培養した。細胞膜内へのコレステロールまたは
コレステリルヘミサクシネートの取込みは、膜流動性を
減少し、そして膜−脂質ミクロビスコシティーを増加し
た。
コレステロールおよびその他のステロールはまた、脂
質二重層の物理的特性を変えるためにリン脂質リポソー
ム膜内へ取込まされている。例えば、最近の抜粋におい
て、エレンズら[Ellens et.al.](1984年、バイオフ
ィジィックス ジャーナル 45:70a[1984,Biophys.J.4
5:70a])はホスファチジルエタノールアミンおよびコ
レステリルヘミサクシネートから成る脂質ベシクルの安
定性におけるH+の効果について論議している。事実、ブ
ロッカホフとラムサミー[Brockerhoff and Ramsammy]
(1982年、バイオチミカ エト バイオフィズィカ ア
クタ 691:227〜232[1982,Biochim.Biophys.Acta.])
は、二重層が完全にコレステロールから成るもので構成
され得、安定化する親水性アンカーが供給されることを
与えられ得ることを報告している。マルチラメラおよび
ユニラメラコレステロールリポソームは上述した周知の
方法において、有機溶媒中に分散されたコレステロール
誘導体(すなわち、コレステロール ホスフォコリン、
コレステロール−ポリエチレングリコール、またはコレ
ステロール−SO4)を乾燥するまで蒸発させ、反応容器
中に沈澱した脂質フィルムを残すことで調製された。こ
の脂質フィルムはマクロチップを有する超音波ホモジナ
イザーを用いて2ml水下で音波処理された。マルチラメ
ラベシクルの形成には10分間の音波処理が必要とされ、
一方スモールユニラメラベシクルの形成には4時間の音
波処理が必要とされた。マルチラメラリポソームの生成
懸濁液は乳白色で、一方ユニラメラリポソームの懸濁液
は透明であった。
質二重層の物理的特性を変えるためにリン脂質リポソー
ム膜内へ取込まされている。例えば、最近の抜粋におい
て、エレンズら[Ellens et.al.](1984年、バイオフ
ィジィックス ジャーナル 45:70a[1984,Biophys.J.4
5:70a])はホスファチジルエタノールアミンおよびコ
レステリルヘミサクシネートから成る脂質ベシクルの安
定性におけるH+の効果について論議している。事実、ブ
ロッカホフとラムサミー[Brockerhoff and Ramsammy]
(1982年、バイオチミカ エト バイオフィズィカ ア
クタ 691:227〜232[1982,Biochim.Biophys.Acta.])
は、二重層が完全にコレステロールから成るもので構成
され得、安定化する親水性アンカーが供給されることを
与えられ得ることを報告している。マルチラメラおよび
ユニラメラコレステロールリポソームは上述した周知の
方法において、有機溶媒中に分散されたコレステロール
誘導体(すなわち、コレステロール ホスフォコリン、
コレステロール−ポリエチレングリコール、またはコレ
ステロール−SO4)を乾燥するまで蒸発させ、反応容器
中に沈澱した脂質フィルムを残すことで調製された。こ
の脂質フィルムはマクロチップを有する超音波ホモジナ
イザーを用いて2ml水下で音波処理された。マルチラメ
ラベシクルの形成には10分間の音波処理が必要とされ、
一方スモールユニラメラベシクルの形成には4時間の音
波処理が必要とされた。マルチラメラリポソームの生成
懸濁液は乳白色で、一方ユニラメラリポソームの懸濁液
は透明であった。
しかしながら、水溶性の活性物質のより高い服用量の
投与を提供するためおよび水不溶性の活性物質の投与を
容易とするために生体内投与に適したステロールベシク
ルへ生物学的活性物質を有効に捕捉する能力は、これま
でに明らかとはされていない。
投与を提供するためおよび水不溶性の活性物質の投与を
容易とするために生体内投与に適したステロールベシク
ルへ生物学的活性物質を有効に捕捉する能力は、これま
でに明らかとはされていない。
3.発明の概要 本発明は、リポソーム中への種々の化合物の捕捉、お
よびステロールの有機酸誘導体の塩形態からなる二重層
に関する方法および組成物を包含するものである。化合
物の捕捉は、本明細書において、リポソームの水性成分
中への水溶性化合物の捕捉またはステロール二重層中で
の水不溶性化合物の捕捉として定義される。本発明のス
テロールリポソームは、捕捉した化合物の生体内投与に
特に有用であり、この場合、ステロールの有機酸誘導体
の生体適合性塩形態がリポソームの調製に用いられるべ
きである。実際、生体内投与に関して、ステロールの有
機酸誘導体のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
塩(トリス−塩)形態がベシクル二重層構成成分として
特に有用である。
よびステロールの有機酸誘導体の塩形態からなる二重層
に関する方法および組成物を包含するものである。化合
物の捕捉は、本明細書において、リポソームの水性成分
中への水溶性化合物の捕捉またはステロール二重層中で
の水不溶性化合物の捕捉として定義される。本発明のス
テロールリポソームは、捕捉した化合物の生体内投与に
特に有用であり、この場合、ステロールの有機酸誘導体
の生体適合性塩形態がリポソームの調製に用いられるべ
きである。実際、生体内投与に関して、ステロールの有
機酸誘導体のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
塩(トリス−塩)形態がベシクル二重層構成成分として
特に有用である。
ステロールベシクルを調製する方法は、水性緩衝溶液
に、水性成分を捕捉する完全に閉塞された二重層を形成
するのに十分な量の、閉塞二重層を形成し得るステロー
ルの有機酸誘導体の塩形態を添加することを包含するも
のである。マルチラメラベシクルの懸濁液はこの混合物
を振盪することによって形成される。水性緩衝溶液が溶
液中に該塩の対イオンをも含んでいるとすると、ベシク
ルの形成は促進される。さらにまた、ステロールの有機
酸誘導体の解離化塩形態が中性pHで負に帯電されるとす
ると、水性緩衝溶液は本質的に二価または多価アニオン
が存在しないものとされるべきである。懸濁液へのエネ
ルギーの適用、例えば音波処理またはフレンチ加圧セル
(フレンチプレス[French Press])を通してのもしく
は適当な孔径を有する多孔性フィルターを通してのベシ
クルの押出しは、マルチラメラステロールベシクルをユ
ニラメラベシクルへと転化させるであろう。本発明のス
テロールベシクル中へ水溶性化合物、部分水溶性化合物
または水不溶性化合物を捕捉させるためには、いくつか
のアプローチが可能である。ステロール二重層中へ分配
されるもの(例えば、水不溶性化合物)または水溶性化
合物のいずれであっても、ベシクル形成の間にこの物質
をベシクル中に捕捉するために、ベシクル形成以前に水
性相へ添加することができる。あるいはまた、水溶性ま
たは脂質溶性である化合物は、ベシクルが形成された後
に、ステロールベシクルの懸濁液に添加されることがで
き、この場合、化合物はステロール二重層中に分配され
る。他の実施態様において、水溶性化合物およびステロ
ールの有機酸誘導体の塩形態は、この双方を可溶とする
(相互可溶とする)ために有機溶媒へ添加することがで
きる。有機溶媒は、次に、水不溶性化合物とステロール
誘導体の均質な分配物を含有するフィルムを残して蒸発
される。水不溶性化合物を捕捉するステロールリポソー
ムは、水性緩衝溶液がフィルムへ振盪しながら添加され
た時に形成される。
に、水性成分を捕捉する完全に閉塞された二重層を形成
するのに十分な量の、閉塞二重層を形成し得るステロー
ルの有機酸誘導体の塩形態を添加することを包含するも
のである。マルチラメラベシクルの懸濁液はこの混合物
を振盪することによって形成される。水性緩衝溶液が溶
液中に該塩の対イオンをも含んでいるとすると、ベシク
ルの形成は促進される。さらにまた、ステロールの有機
酸誘導体の解離化塩形態が中性pHで負に帯電されるとす
ると、水性緩衝溶液は本質的に二価または多価アニオン
が存在しないものとされるべきである。懸濁液へのエネ
ルギーの適用、例えば音波処理またはフレンチ加圧セル
(フレンチプレス[French Press])を通してのもしく
は適当な孔径を有する多孔性フィルターを通してのベシ
クルの押出しは、マルチラメラステロールベシクルをユ
ニラメラベシクルへと転化させるであろう。本発明のス
テロールベシクル中へ水溶性化合物、部分水溶性化合物
または水不溶性化合物を捕捉させるためには、いくつか
のアプローチが可能である。ステロール二重層中へ分配
されるもの(例えば、水不溶性化合物)または水溶性化
合物のいずれであっても、ベシクル形成の間にこの物質
をベシクル中に捕捉するために、ベシクル形成以前に水
性相へ添加することができる。あるいはまた、水溶性ま
たは脂質溶性である化合物は、ベシクルが形成された後
に、ステロールベシクルの懸濁液に添加されることがで
き、この場合、化合物はステロール二重層中に分配され
る。他の実施態様において、水溶性化合物およびステロ
ールの有機酸誘導体の塩形態は、この双方を可溶とする
(相互可溶とする)ために有機溶媒へ添加することがで
きる。有機溶媒は、次に、水不溶性化合物とステロール
誘導体の均質な分配物を含有するフィルムを残して蒸発
される。水不溶性化合物を捕捉するステロールリポソー
ムは、水性緩衝溶液がフィルムへ振盪しながら添加され
た時に形成される。
本発明のステロールリポソームは、水不溶性の生物学
的活性物質または水中にわずかに溶ける生物学的活性物
質を捕捉するのに用いられる場合に、特に有利である。
これは、水不溶性薬剤の生体内投与を可能とし、そして
さらに、これは、服用量:容量比の変化を許容するゆえ
に、高濃度の水不溶性化合物の生体内投与を可能とする
ものである。本発明のステロールベシクルは、水溶性の
生物学的活性物質を捕捉するのに用いられる場合にも同
様の利点を提供する。さらに、本発明のステロールベシ
クルは生体外的な診断学的検定法において用いられ得
る。
的活性物質または水中にわずかに溶ける生物学的活性物
質を捕捉するのに用いられる場合に、特に有利である。
これは、水不溶性薬剤の生体内投与を可能とし、そして
さらに、これは、服用量:容量比の変化を許容するゆえ
に、高濃度の水不溶性化合物の生体内投与を可能とする
ものである。本発明のステロールベシクルは、水溶性の
生物学的活性物質を捕捉するのに用いられる場合にも同
様の利点を提供する。さらに、本発明のステロールベシ
クルは生体外的な診断学的検定法において用いられ得
る。
本発明は、いくつかの利点を提供する、すなわちステ
ロールベシクルは、 (1)容易にかつ迅速に形成される、 (2)リン脂質−MLVと比較して高い内包能を有する、 (3)その調製に有機溶媒の使用を必要としない(本発
明のステロールベシクルは有機溶媒を用いても調製する
ことはできるが)、そして (4)生体内に投与された場合、解放されそして新陳代
謝される生物学的に活性なあるいは薬学的な物質を捕捉
することができる。生体内での捕捉物質の運命は、投与
の様式に依存する。
ロールベシクルは、 (1)容易にかつ迅速に形成される、 (2)リン脂質−MLVと比較して高い内包能を有する、 (3)その調製に有機溶媒の使用を必要としない(本発
明のステロールベシクルは有機溶媒を用いても調製する
ことはできるが)、そして (4)生体内に投与された場合、解放されそして新陳代
謝される生物学的に活性なあるいは薬学的な物質を捕捉
することができる。生体内での捕捉物質の運命は、投与
の様式に依存する。
4.図面の簡単な説明 第1図は、捕捉された溶質(クロム)とマルチラメラ
リポソームを調製するのに用いられたコレステロールヘ
ミサクシネートの濃度との逆比例関係をグラフ的に示す
ものである。
リポソームを調製するのに用いられたコレステロールヘ
ミサクシネートの濃度との逆比例関係をグラフ的に示す
ものである。
第2図は、4つの異なるCHS-MLV(コレステロールヘ
ミサクシネート−マルチラメラベシクル)調製物に関し
て得られたX線回折パターンを表わすものである。
ミサクシネート−マルチラメラベシクル)調製物に関し
て得られたX線回折パターンを表わすものである。
第3図は、CHS−マルチラメラベシクルおよびEPC−マ
ルチラメラベシクル(卵ホスファチジルコリン−マルチ
ラメラベシクル)に関する電子スピン共鳴データを表わ
すものである。
ルチラメラベシクル(卵ホスファチジルコリン−マルチ
ラメラベシクル)に関する電子スピン共鳴データを表わ
すものである。
第4図は、種々の緊張力の水性緩衝溶液中でのコレス
テロールヘミサクシネートリポソームおよび卵ホスファ
ジルコリンリポソームの膨脹特性を示すものである。
テロールヘミサクシネートリポソームおよび卵ホスファ
ジルコリンリポソームの膨脹特性を示すものである。
第5図は、筋内的に投与された際において、コレステ
ロールヘミサクシネートリポソーム中に捕捉されたイン
ドメタシンの関節膨脹減少における効果をグラフ的に説
明するものである。
ロールヘミサクシネートリポソーム中に捕捉されたイン
ドメタシンの関節膨脹減少における効果をグラフ的に説
明するものである。
第6図は、マウスに静脈内的にCHS-SUVに内包されな
いで(遊離)あるいは内包されて投与された14C−ジア
ゼパムの臓器分布を示すものである。
いで(遊離)あるいは内包されて投与された14C−ジア
ゼパムの臓器分布を示すものである。
第7図A,BおよびC図はマウスに静脈内的にCHS-MLVに
内包されて(第7A図)またはEPC-SPLVに内包されて(第
7B図)あるいは内包されないで(第7C図)投与された51
Crの臓器分布を示すものである。
内包されて(第7A図)またはEPC-SPLVに内包されて(第
7B図)あるいは内包されないで(第7C図)投与された51
Crの臓器分布を示すものである。
5.発明の詳細な説明 本発明は、リポソーム中への水溶性、部分水溶性もし
くは水不溶性化合物の捕捉、該二重層、あるいは閉塞し
た二重層を形成し得るステロールの有機酸誘導体の塩形
態よりなるものに関する方法および組成物を述べるもの
である。従って、本発明のステロールリポソームは、
(1)水性成分中に水溶性化合物を捕捉する、あるいは
(2)ステロール二重層中へと分配する水不溶性化合物
を捕捉する、あるいはまた(3)水溶性化合物と水不溶
性化合物の双方を1つのリポソーム調製物中へ捕捉する
ように調製され得る。
くは水不溶性化合物の捕捉、該二重層、あるいは閉塞し
た二重層を形成し得るステロールの有機酸誘導体の塩形
態よりなるものに関する方法および組成物を述べるもの
である。従って、本発明のステロールリポソームは、
(1)水性成分中に水溶性化合物を捕捉する、あるいは
(2)ステロール二重層中へと分配する水不溶性化合物
を捕捉する、あるいはまた(3)水溶性化合物と水不溶
性化合物の双方を1つのリポソーム調製物中へ捕捉する
ように調製され得る。
水性溶液中で完全に閉鎖された二重層(すなわちリポ
ソーム)を形成し得るステロールの有機酸誘導体の任意
の塩形態が本発明の実施において用いられ得る。ステロ
ールの有機酸誘導体の特定の塩形態の好適性は、水溶性
化合物が外部環境と接触してないために、水溶性化合物
を捕捉するそれの能力に依存する。
ソーム)を形成し得るステロールの有機酸誘導体の任意
の塩形態が本発明の実施において用いられ得る。ステロ
ールの有機酸誘導体の特定の塩形態の好適性は、水溶性
化合物が外部環境と接触してないために、水溶性化合物
を捕捉するそれの能力に依存する。
任意のリポソームの水性成分中での捕捉が生じたこと
を明確に測定するために、以下の基準が確立されている
(セサとウェイシュマン、1970年ジャーナル オブ バ
イオロジー アンド ケミストリー 245:3295[Sessa
and Weissman,1970,J.Biol.Chem.245:3295]を参照のこ
と。):(a)これらは、ゲル濾過によって検定された
際に捕捉された化合物のない透明な懸濁液でなければな
らない、(b)これらは、最外殻のベシクル二重層と捕
捉した化合物との間の疎水性相互作用または荷電−荷電
相互作用が、このことが分子ふるいによるリポソームか
らの遊離化合物の分離を達成することを不首尾なものと
し、それによって見せかけの捕捉ないしは内包能を不自
然に増加させるために、あるべきではない。この可能性
を消去するために、あらかじめ形成されたリポソームの
懸濁液へと添加された水溶性化合物があらかじめ形成さ
れたリポソームと相互に溶出しないことを示すべきであ
る。(c)洗浄剤あるいは他の膜摂動剤の使用によるゲ
ル濾過されたリポソームの破裂は、リポソームピークと
一致する位置から遊離分子と相互溶離する位置への捕捉
された分子のゲル濾過パターンにおけるシフトを誘導す
るものでなければならない。
を明確に測定するために、以下の基準が確立されている
(セサとウェイシュマン、1970年ジャーナル オブ バ
イオロジー アンド ケミストリー 245:3295[Sessa
and Weissman,1970,J.Biol.Chem.245:3295]を参照のこ
と。):(a)これらは、ゲル濾過によって検定された
際に捕捉された化合物のない透明な懸濁液でなければな
らない、(b)これらは、最外殻のベシクル二重層と捕
捉した化合物との間の疎水性相互作用または荷電−荷電
相互作用が、このことが分子ふるいによるリポソームか
らの遊離化合物の分離を達成することを不首尾なものと
し、それによって見せかけの捕捉ないしは内包能を不自
然に増加させるために、あるべきではない。この可能性
を消去するために、あらかじめ形成されたリポソームの
懸濁液へと添加された水溶性化合物があらかじめ形成さ
れたリポソームと相互に溶出しないことを示すべきであ
る。(c)洗浄剤あるいは他の膜摂動剤の使用によるゲ
ル濾過されたリポソームの破裂は、リポソームピークと
一致する位置から遊離分子と相互溶離する位置への捕捉
された分子のゲル濾過パターンにおけるシフトを誘導す
るものでなければならない。
一般に、有機酸の付着により変性され得る任意のステ
ロールが、本発明の実施において用いられ得る。例えば
このようなステロールとしては、コレステロール、ビタ
ミンD、植物ステロール類(シトステロール、カンペス
テロール、スチグマステロールおよび同様のものが含ま
れるが、何らこれらに限定されるものではない。)、ス
テロイドホルモン類および同様のものが含まれるが、も
ちろんこれらに限定されるものではない。
ロールが、本発明の実施において用いられ得る。例えば
このようなステロールとしては、コレステロール、ビタ
ミンD、植物ステロール類(シトステロール、カンペス
テロール、スチグマステロールおよび同様のものが含ま
れるが、何らこれらに限定されるものではない。)、ス
テロイドホルモン類および同様のものが含まれるが、も
ちろんこれらに限定されるものではない。
ステロールを誘導体化するのに用いられ得る有機酸
は、カルボン酸類、ジカルボン酸類、ポリカルボン酸
類、ヒドロキシ酸類、アミノ酸類およびポリアミノ酸類
を含むが、もちろんこれらに限定されるものではない。
塩形態は有機酸の水溶解性を高めるゆえに、任意の有機
酸がステロールを誘導体化するために用いられ得る。し
かしながら、有機酸部分自身が水溶性である場合には、
ある利点が得られる。このような水溶性有機酸部分は、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸および同様のものな
どのような水溶性脂肪族カルボン酸類(注:炭素数4個
までの酸は水と混和する、炭素数5個の遊離酸は部分的
に溶解し、より長い鎖を有する遊離酸は実質的に不溶性
となる。)、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、マレイン酸および同様のものなどの
ような水溶性脂肪族ジカルボン酸類(注:より短い鎖の
ものは、水中で幾分かより溶解する。水中での溶解性の
ボーダラインは炭素数6ないし7で起こる。)、そして
ヘミメリチン酸,トリメシン酸、サクシンイミドおよび
同様のものなどのような水不溶性芳香族ジカルボン酸
類、ポリカルボン酸類、グリコール酸、乳酸、マンデル
酸、グリセリン酸、リンゴ酸、洒石酸、クエン酸および
同様のものなどのような水溶性ヒドロキシ酸(注:カル
ボニル基の第α位の炭素に付着した分枝鎖を有するα−
ヒドロキシ酸は加水分解をより受けにくく、そしてそれ
ゆえ、本発明の実施において有利である。)、ならびに
任意のアミノ酸類およびポリアミノ酸類が含まれるが、
もちろんこれらに限定されるわけではない。
は、カルボン酸類、ジカルボン酸類、ポリカルボン酸
類、ヒドロキシ酸類、アミノ酸類およびポリアミノ酸類
を含むが、もちろんこれらに限定されるものではない。
塩形態は有機酸の水溶解性を高めるゆえに、任意の有機
酸がステロールを誘導体化するために用いられ得る。し
かしながら、有機酸部分自身が水溶性である場合には、
ある利点が得られる。このような水溶性有機酸部分は、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸および同様のものな
どのような水溶性脂肪族カルボン酸類(注:炭素数4個
までの酸は水と混和する、炭素数5個の遊離酸は部分的
に溶解し、より長い鎖を有する遊離酸は実質的に不溶性
となる。)、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、マレイン酸および同様のものなどの
ような水溶性脂肪族ジカルボン酸類(注:より短い鎖の
ものは、水中で幾分かより溶解する。水中での溶解性の
ボーダラインは炭素数6ないし7で起こる。)、そして
ヘミメリチン酸,トリメシン酸、サクシンイミドおよび
同様のものなどのような水不溶性芳香族ジカルボン酸
類、ポリカルボン酸類、グリコール酸、乳酸、マンデル
酸、グリセリン酸、リンゴ酸、洒石酸、クエン酸および
同様のものなどのような水溶性ヒドロキシ酸(注:カル
ボニル基の第α位の炭素に付着した分枝鎖を有するα−
ヒドロキシ酸は加水分解をより受けにくく、そしてそれ
ゆえ、本発明の実施において有利である。)、ならびに
任意のアミノ酸類およびポリアミノ酸類が含まれるが、
もちろんこれらに限定されるわけではない。
有機酸は、周知な方法(例えば米国特許第3,859,047
号、米国特許第4,040,784号、米国特許第4,042,330号、
米国特許第4,183,847号、米国特許第4,189,400号を参照
のこと。)を用いてエステルまたはエーテル結合を介し
てステロールの水酸基へと結合されることができる。誘
導体化ステロールの塩形態はステロールの有機酸誘導体
と塩の対イオン(例えば、塩の有機塩基)の双方を適当
な揮発性溶媒中に溶解し、そして該溶媒を蒸発あるいは
同様の技法により除去し、ステロールの有機酸誘導体の
塩形態からなる残留物を残すことにより調製され得る。
用いられ得る対イオンとしては、トリス([tris]トリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、2−アミノ−
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノエタ
ノール、ビス−トリスプロパン、トリエタノールアミン
および同様なものが含まれ(もちろんこれらに限定され
るわけではない。)、相応する塩が形成される。実際、
ミコナゾール遊離塩基および同様のものなどのようなイ
オン化可能な生物学的活性剤の遊離塩基が対イオンとし
て用いられ得る。
号、米国特許第4,040,784号、米国特許第4,042,330号、
米国特許第4,183,847号、米国特許第4,189,400号を参照
のこと。)を用いてエステルまたはエーテル結合を介し
てステロールの水酸基へと結合されることができる。誘
導体化ステロールの塩形態はステロールの有機酸誘導体
と塩の対イオン(例えば、塩の有機塩基)の双方を適当
な揮発性溶媒中に溶解し、そして該溶媒を蒸発あるいは
同様の技法により除去し、ステロールの有機酸誘導体の
塩形態からなる残留物を残すことにより調製され得る。
用いられ得る対イオンとしては、トリス([tris]トリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、2−アミノ−
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノエタ
ノール、ビス−トリスプロパン、トリエタノールアミン
および同様なものが含まれ(もちろんこれらに限定され
るわけではない。)、相応する塩が形成される。実際、
ミコナゾール遊離塩基および同様のものなどのようなイ
オン化可能な生物学的活性剤の遊離塩基が対イオンとし
て用いられ得る。
本発明のステロールリポソームは、二重層を形成し得
るステロールの有機酸誘導体の塩形態を、該誘導体化ス
テロールがベシクル(すなわち、捕捉した水性成分を含
有する完全に閉鎖した二重層)を形成するのに十分な量
存在するように、水性相へ添加することにより調製され
得る。この調製物は、次にマルチラメラステロールベシ
クルの乳白色の懸濁液が形成されるまで振盪される。好
ましい実施態様においては、水性相は、ベシクル形成を
促進するように溶液中に該塩を含むべきである。さらに
また、ステロールの有機酸誘導体の解離塩形態が中性pH
で負に荷電されている場合には、水性緩衝溶液は本質的
に多価カチオンの存在しないものでなければならない。
同様に、有機酸誘導体の解離塩形態が中性pHにおいて正
に荷電されている場合には、水性緩衝溶液は、本質的に
多価アニオンの存在しないものでなければならない。
るステロールの有機酸誘導体の塩形態を、該誘導体化ス
テロールがベシクル(すなわち、捕捉した水性成分を含
有する完全に閉鎖した二重層)を形成するのに十分な量
存在するように、水性相へ添加することにより調製され
得る。この調製物は、次にマルチラメラステロールベシ
クルの乳白色の懸濁液が形成されるまで振盪される。好
ましい実施態様においては、水性相は、ベシクル形成を
促進するように溶液中に該塩を含むべきである。さらに
また、ステロールの有機酸誘導体の解離塩形態が中性pH
で負に荷電されている場合には、水性緩衝溶液は本質的
に多価カチオンの存在しないものでなければならない。
同様に、有機酸誘導体の解離塩形態が中性pHにおいて正
に荷電されている場合には、水性緩衝溶液は、本質的に
多価アニオンの存在しないものでなければならない。
マルチラメラベシクル形成に関する報告された方法
(例えば、ブロッカホフとラムサミー、1982年、バイオ
チミカ エト バイオフィズィカ アクタ 691:227〜2
32[Brockerhoff and Ramsanny,1982,Biochim.Biophis.
Acta.691:227-232]のリン脂質ベシクルまたはコレステ
ロールリポソーム)との完全な差異として、本発明のス
テロールマルチラメラベシクルの形成に関する方法は、
有機溶媒の使用を必要としない。さらにまた、ブロッカ
ホフとラムサミーの方法(上記)とは異なり、ステロー
ルマルチラメラベシクルを形成するために音波処理は必
ずしも必要ではない。事実、本発明のステロールマルチ
ラメラベシクルの乳白色の懸濁液の音波処理、あるいは
後の音波処理を伴なうフレンチプレス(エスエルエム−
アミンコ[SLM-Aminco]、アラバマ、イリノイ州)の使
用は、マルチラメラステロールベシクルの乳白色の懸濁
液をユニラメラステロールベシクルの透明な懸濁液へと
転化するために用いられる。同様に直径100nmに等しい
あるいはこれ以下の孔径を有するフィルターを通しての
中間圧でのマルチラメラステロールベシクルの多段階押
出しは、ユニラメラステロールベシクルを得るために用
いることが可能である。この押出し技法は、関連により
本明細書中に組入れられる「ユニラメラベシクル調製の
ための押出し技法[Extrusion Technique for producin
g Unilamellar Vesicles]」に関するキューリスら[Cu
llis et al.]によって1984年6月20日に出願された同
時係属出願一連番号第622,690号中に詳細に述べられて
いる。
(例えば、ブロッカホフとラムサミー、1982年、バイオ
チミカ エト バイオフィズィカ アクタ 691:227〜2
32[Brockerhoff and Ramsanny,1982,Biochim.Biophis.
Acta.691:227-232]のリン脂質ベシクルまたはコレステ
ロールリポソーム)との完全な差異として、本発明のス
テロールマルチラメラベシクルの形成に関する方法は、
有機溶媒の使用を必要としない。さらにまた、ブロッカ
ホフとラムサミーの方法(上記)とは異なり、ステロー
ルマルチラメラベシクルを形成するために音波処理は必
ずしも必要ではない。事実、本発明のステロールマルチ
ラメラベシクルの乳白色の懸濁液の音波処理、あるいは
後の音波処理を伴なうフレンチプレス(エスエルエム−
アミンコ[SLM-Aminco]、アラバマ、イリノイ州)の使
用は、マルチラメラステロールベシクルの乳白色の懸濁
液をユニラメラステロールベシクルの透明な懸濁液へと
転化するために用いられる。同様に直径100nmに等しい
あるいはこれ以下の孔径を有するフィルターを通しての
中間圧でのマルチラメラステロールベシクルの多段階押
出しは、ユニラメラステロールベシクルを得るために用
いることが可能である。この押出し技法は、関連により
本明細書中に組入れられる「ユニラメラベシクル調製の
ための押出し技法[Extrusion Technique for producin
g Unilamellar Vesicles]」に関するキューリスら[Cu
llis et al.]によって1984年6月20日に出願された同
時係属出願一連番号第622,690号中に詳細に述べられて
いる。
先に説明したようにステロールの任意の有機酸誘導体
のトリス−塩形態は、本発明の実施において有効に用い
られる。例をあげると、例えばステロールヘミサクシネ
ートまたはステロールヘミサクシネート類の混合物など
のような、ステロールヘミジカルボン酸のトリス−塩形
態は、生体内に投与されるステロイドリポソームのベシ
クル二重層を形成するのに特に有用である。例えば、コ
レステロールヘミサクシネートを用いた場合、2.5〜70
μmolの、トリス−塩形態が、トリス−HCl[Tris-HCl]
(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン ハイドロ
クロライド)を含有する2.0mlの水性緩衝溶液へベシク
ルを形成するように添加される。この場合、水性緩衝溶
液は本質的に二価または多価カチオンの存在しないもの
でなければならない。
のトリス−塩形態は、本発明の実施において有効に用い
られる。例をあげると、例えばステロールヘミサクシネ
ートまたはステロールヘミサクシネート類の混合物など
のような、ステロールヘミジカルボン酸のトリス−塩形
態は、生体内に投与されるステロイドリポソームのベシ
クル二重層を形成するのに特に有用である。例えば、コ
レステロールヘミサクシネートを用いた場合、2.5〜70
μmolの、トリス−塩形態が、トリス−HCl[Tris-HCl]
(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン ハイドロ
クロライド)を含有する2.0mlの水性緩衝溶液へベシク
ルを形成するように添加される。この場合、水性緩衝溶
液は本質的に二価または多価カチオンの存在しないもの
でなければならない。
本発明によると、水溶性化合物、水不溶性化合物ある
いはわずかに可溶な化合物の、ステロールの有機酸誘導
体の塩形態から構成されるリポソーム中への捕捉は、い
くつかの方法によって達成されることができる。
いはわずかに可溶な化合物の、ステロールの有機酸誘導
体の塩形態から構成されるリポソーム中への捕捉は、い
くつかの方法によって達成されることができる。
(1)水不溶性化合物は、ステロールの有機酸誘導体
の適当な塩形態を用いて上記したようにして調製された
ステロールリポソーム(マルチラメラステロールベシク
ルまたはユニラメラステロールベシクルのいずれか)の
懸濁液へ添加されることができる。該化合物は、ステロ
ール二重層中へ分配されるゆえ、リポソーム中へ捕捉さ
れる。この実施態様は通常以下のように実行される。す
なわち、水不溶性化合物は適当な有機溶媒中に溶解さ
れ、続いてフィルムすなわち該化合物の残留物を残して
蒸発される。そして、予め形成されたステロールリポソ
ームの水性懸濁液が該残留物へ添加された際、該残留物
はステロールリポソームの二重層中に捕捉される。好ま
しい実施態様においては、ユニラメラステロールベシク
ルが用いられるべきである。マルチラメラステロールベ
シクルが用いられた場合には、水不溶性化合物はリポソ
ームの最外殻の二重層中に捕捉され、不変化の最内殻の
二重層を残すこととなり、ステロール成分の不必要な使
用という結果に終るためである。
の適当な塩形態を用いて上記したようにして調製された
ステロールリポソーム(マルチラメラステロールベシク
ルまたはユニラメラステロールベシクルのいずれか)の
懸濁液へ添加されることができる。該化合物は、ステロ
ール二重層中へ分配されるゆえ、リポソーム中へ捕捉さ
れる。この実施態様は通常以下のように実行される。す
なわち、水不溶性化合物は適当な有機溶媒中に溶解さ
れ、続いてフィルムすなわち該化合物の残留物を残して
蒸発される。そして、予め形成されたステロールリポソ
ームの水性懸濁液が該残留物へ添加された際、該残留物
はステロールリポソームの二重層中に捕捉される。好ま
しい実施態様においては、ユニラメラステロールベシク
ルが用いられるべきである。マルチラメラステロールベ
シクルが用いられた場合には、水不溶性化合物はリポソ
ームの最外殻の二重層中に捕捉され、不変化の最内殻の
二重層を残すこととなり、ステロール成分の不必要な使
用という結果に終るためである。
(2)水不溶性化合物とステロールの有機酸誘導体の
塩形態は双方とも有機溶媒中に共に溶解されることがで
き、続いて、水不溶性化合物とステロール誘導体との均
質な分配物からなるフィルムを残して蒸発される。捕捉
した化合物を含有するマルチラメラステロールベシクル
の懸濁液は、フィルムに振盪を行ないながら加えられる
水性相を用いて形成される。このマルチラメラベシクル
は前記したようにユニラメラベシクルに転化されること
ができる。
塩形態は双方とも有機溶媒中に共に溶解されることがで
き、続いて、水不溶性化合物とステロール誘導体との均
質な分配物からなるフィルムを残して蒸発される。捕捉
した化合物を含有するマルチラメラステロールベシクル
の懸濁液は、フィルムに振盪を行ないながら加えられる
水性相を用いて形成される。このマルチラメラベシクル
は前記したようにユニラメラベシクルに転化されること
ができる。
(3)水溶性化合物または水不溶性化合物は、ステロ
ールベシクルの調製において用いられる水性相中に該化
合物を添加することで、ステロールリポソーム中に捕捉
されることができる。すなわち、該化合物は、水性相
に、ステロールの有機酸誘導体の塩形態を添加する前に
または同時に添加され得る。この場合、水不溶性化合物
は、ベシクル形成の間にこれが二重層中へ分配された際
に捕捉されたものとなり、一方水溶性化合物は、ベシク
ル形成の間にステロールベシクルの水性成分中に捕捉さ
れたものとなる。いずれの場合も、マルチラメラベシク
ルは前記したようにしてユニラメラベシクルに転化され
ることができる。
ールベシクルの調製において用いられる水性相中に該化
合物を添加することで、ステロールリポソーム中に捕捉
されることができる。すなわち、該化合物は、水性相
に、ステロールの有機酸誘導体の塩形態を添加する前に
または同時に添加され得る。この場合、水不溶性化合物
は、ベシクル形成の間にこれが二重層中へ分配された際
に捕捉されたものとなり、一方水溶性化合物は、ベシク
ル形成の間にステロールベシクルの水性成分中に捕捉さ
れたものとなる。いずれの場合も、マルチラメラベシク
ルは前記したようにしてユニラメラベシクルに転化され
ることができる。
(4)もし生物学的活性物質が、イオン化され得るも
のである場合、生物学的活性物質の遊離塩基は、ステロ
ールの有機酸誘導体の塩形態を調製するための対イオン
として用いられ得る。ステロールリポソームは、ステロ
ールの有機酸誘導体の生物学的活性物質−塩形態を用い
て、本明細書において前述した任意の方法によって調製
され得る。例えば、抗真菌性化合物であるミコナゾール
の遊離塩基は、本発明のこの実施態様において塩誘導体
を形成するために用いられ得る。
のである場合、生物学的活性物質の遊離塩基は、ステロ
ールの有機酸誘導体の塩形態を調製するための対イオン
として用いられ得る。ステロールリポソームは、ステロ
ールの有機酸誘導体の生物学的活性物質−塩形態を用い
て、本明細書において前述した任意の方法によって調製
され得る。例えば、抗真菌性化合物であるミコナゾール
の遊離塩基は、本発明のこの実施態様において塩誘導体
を形成するために用いられ得る。
以上述べた4つの方法のいずれかを用いることで、水
溶性化合物および水不溶性化合物の双方が1つのステロ
ールリポソーム調製物中に捕捉され得る。
溶性化合物および水不溶性化合物の双方が1つのステロ
ールリポソーム調製物中に捕捉され得る。
本発明のステロールベシクルを用いての水不溶性化合
物の捕捉に関して上記された方法によれば、いったん二
重層中へ水不溶性化合物が分配すれば、ベシクルを損な
わずにとどめておく必要はない。実際、ひとたび化合物
が二重層中へ分配すると、ベシクルは、水性の捕捉した
化合物の漏出ないしは解放を導きながら攪乱ないしは崩
壊されることが考えられうる。このような「漏れやす
い」ベシクルは捕捉した水不溶性化合物を供給するのに
は用いることができるが、、水溶性物質の内包ないし供
給には用いるべきではない。
物の捕捉に関して上記された方法によれば、いったん二
重層中へ水不溶性化合物が分配すれば、ベシクルを損な
わずにとどめておく必要はない。実際、ひとたび化合物
が二重層中へ分配すると、ベシクルは、水性の捕捉した
化合物の漏出ないしは解放を導きながら攪乱ないしは崩
壊されることが考えられうる。このような「漏れやす
い」ベシクルは捕捉した水不溶性化合物を供給するのに
は用いることができるが、、水溶性物質の内包ないし供
給には用いるべきではない。
本発明の一実施態様によると、ステロールリポソーム
は、コレステロールヘミサクシネートのトリス−塩形態
を用いて以下のようにして調製される:コレステロール
ヘミサクシネートのトリス−塩形態4.5〜200mgが0.01M
トリス−HCl、0.14M NaClを含有する水性緩衝溶液1ml当
りに添加される。混合物は振盪されそしてコレステロー
ルヘミサクシネートマルチラメラベシクルの乳白色懸濁
液が形成される。ベシクルは遠心分離によってペレット
化され、そして水性緩衝溶液を用いて繰返し洗浄され
る。コレステロールヘミサクシネートマルチラメラベシ
クル(CHS-MLV)の懸濁液はコレステロールヘミサクシ
ネートユニラメラベシクル(CHS-SUV)を形成するため
に、音波処理(例えば浴型音波処理器)され得る。ある
いはまた、CHS-MLVは、40000psiでフレンチ圧力ふるい
(フレンチプレス)を濾過させられる。もしくはCHS-ML
Vは300〜400paで2つの100nmヌクレオポア[Nucleopor
e](商標名)フィルターを通過させられて、CHS-SUVを
形成する。コレステロールヘミサクシネートベシクル
(MLVかSUVのいずれか)は2価のカチオンの存在下にお
いて不安定である、すなわち、2価のカチオンにさらす
ことで、捕捉した水性成分および水溶性化合物を解放す
る。これゆえ、ベシクルの調製においてあるいは貯蔵の
間に用いられる水性媒体は、本質的に2価のカチオンの
存在しないものであるべきである。
は、コレステロールヘミサクシネートのトリス−塩形態
を用いて以下のようにして調製される:コレステロール
ヘミサクシネートのトリス−塩形態4.5〜200mgが0.01M
トリス−HCl、0.14M NaClを含有する水性緩衝溶液1ml当
りに添加される。混合物は振盪されそしてコレステロー
ルヘミサクシネートマルチラメラベシクルの乳白色懸濁
液が形成される。ベシクルは遠心分離によってペレット
化され、そして水性緩衝溶液を用いて繰返し洗浄され
る。コレステロールヘミサクシネートマルチラメラベシ
クル(CHS-MLV)の懸濁液はコレステロールヘミサクシ
ネートユニラメラベシクル(CHS-SUV)を形成するため
に、音波処理(例えば浴型音波処理器)され得る。ある
いはまた、CHS-MLVは、40000psiでフレンチ圧力ふるい
(フレンチプレス)を濾過させられる。もしくはCHS-ML
Vは300〜400paで2つの100nmヌクレオポア[Nucleopor
e](商標名)フィルターを通過させられて、CHS-SUVを
形成する。コレステロールヘミサクシネートベシクル
(MLVかSUVのいずれか)は2価のカチオンの存在下にお
いて不安定である、すなわち、2価のカチオンにさらす
ことで、捕捉した水性成分および水溶性化合物を解放す
る。これゆえ、ベシクルの調製においてあるいは貯蔵の
間に用いられる水性媒体は、本質的に2価のカチオンの
存在しないものであるべきである。
本発明の方法により捕捉される化合物は、種々の用途
に用いられる。例えば、化合物が生物学的活性物質であ
る場合、ステロールリポゾームに捕捉された化合物は、
生体内に投与され得る。これは、通常、水溶液中に不溶
またはほとんど溶けない生物学的活性物質の生体内投与
を容易にする。ステロールの有機酸誘導体の塩形態から
構成されたリポソーム中への捕捉は、より高い服用量:
容量比でこのような不溶性化合物の投与を容易なものに
しうる。実際、本発明のステロールベシクルは、該ベシ
クルが生体内供給のための1ないしそれ以上の生物学的
活性物質を捕捉するのに用いられ得るゆえ、生体内で特
に有利に使用される。さらにまた、本発明のベシクル
は、これらが有機溶媒を用いることなく調製され得るゆ
え、生体内に使用された際に、従来の脂質ベシクルない
しはリポソーム以上の利点を与える。捕捉した作用物質
の生体内での運命は、投与の経路または様式に依存す
る。例えばステロールリポソームに捕捉された作用物質
が静脈内的に投与された場合、作用物質の生体内クリア
ランスは、捕捉されていない作用物質のもの、またはリ
ン脂質から構成された従来のリポソーム(すなわち、ML
V、SUV、REV、LUV)中に捕捉された作用物質のものとは
異なる経路を伴う。一方、ステロールリポソームに捕捉
された作用物質の筋内投与は、該作用物質の生体内にお
ける持続された解放をもたらす。
に用いられる。例えば、化合物が生物学的活性物質であ
る場合、ステロールリポゾームに捕捉された化合物は、
生体内に投与され得る。これは、通常、水溶液中に不溶
またはほとんど溶けない生物学的活性物質の生体内投与
を容易にする。ステロールの有機酸誘導体の塩形態から
構成されたリポソーム中への捕捉は、より高い服用量:
容量比でこのような不溶性化合物の投与を容易なものに
しうる。実際、本発明のステロールベシクルは、該ベシ
クルが生体内供給のための1ないしそれ以上の生物学的
活性物質を捕捉するのに用いられ得るゆえ、生体内で特
に有利に使用される。さらにまた、本発明のベシクル
は、これらが有機溶媒を用いることなく調製され得るゆ
え、生体内に使用された際に、従来の脂質ベシクルない
しはリポソーム以上の利点を与える。捕捉した作用物質
の生体内での運命は、投与の経路または様式に依存す
る。例えばステロールリポソームに捕捉された作用物質
が静脈内的に投与された場合、作用物質の生体内クリア
ランスは、捕捉されていない作用物質のもの、またはリ
ン脂質から構成された従来のリポソーム(すなわち、ML
V、SUV、REV、LUV)中に捕捉された作用物質のものとは
異なる経路を伴う。一方、ステロールリポソームに捕捉
された作用物質の筋内投与は、該作用物質の生体内にお
ける持続された解放をもたらす。
実質的に任意の生物学的活性物質が、本発明のステロ
ールリポソーム中へ捕捉されることができる。このよう
な作用物質としては、例えば抗細菌性物質、抗ウィルス
性物質、抗真菌性物質、抗寄生虫性物質、抗腫瘍性物
質、抗代謝剤、ポリペプチド、ペプチド、タンパク、毒
素、酵素、ホルモン、神経伝達物質、糖タンパク、リポ
タンパク、免疫グロブリン、イムノモジュレーター、血
管拡張剤、染料、放射線標識、放射線不透過性化合物、
螢光化合物、受容体結合分子、抗炎症剤、抗緑内障剤、
散瞳性化合物、局所麻酔剤、麻薬、ビタミン、核酸、ポ
リヌクレオチドなどが含まれるが、もちろんこれらに限
定されるものではない。同時的な2ないしそれ以上の化
合物の捕捉は、このような化合物が相捕的なあるいは相
乗的な効果をもたらす場合に特に望ましい。
ールリポソーム中へ捕捉されることができる。このよう
な作用物質としては、例えば抗細菌性物質、抗ウィルス
性物質、抗真菌性物質、抗寄生虫性物質、抗腫瘍性物
質、抗代謝剤、ポリペプチド、ペプチド、タンパク、毒
素、酵素、ホルモン、神経伝達物質、糖タンパク、リポ
タンパク、免疫グロブリン、イムノモジュレーター、血
管拡張剤、染料、放射線標識、放射線不透過性化合物、
螢光化合物、受容体結合分子、抗炎症剤、抗緑内障剤、
散瞳性化合物、局所麻酔剤、麻薬、ビタミン、核酸、ポ
リヌクレオチドなどが含まれるが、もちろんこれらに限
定されるものではない。同時的な2ないしそれ以上の化
合物の捕捉は、このような化合物が相捕的なあるいは相
乗的な効果をもたらす場合に特に望ましい。
ステロールリポソームに捕捉された作用物質は、接種
もしくは注射(例えば、静脈内的、腹腔内的、筋内的、
皮下的、耳内的、関節内的、乳房内的および同様なも
の)、局所適用(例をあげると、例えば眼、皮膚などの
ような部位上に、耳内に、あるいは創傷および火傷など
のような苦難の上に)、および上皮または粘膜皮膚上張
(例えば鼻の、口内の、腟の、直腸の、胃腸の粘膜な
ど)を通じての吸収などのような(もちろんこれに限定
されるわけではない。)任意の好ましい経路によって生
体内に投与される。
もしくは注射(例えば、静脈内的、腹腔内的、筋内的、
皮下的、耳内的、関節内的、乳房内的および同様なも
の)、局所適用(例をあげると、例えば眼、皮膚などの
ような部位上に、耳内に、あるいは創傷および火傷など
のような苦難の上に)、および上皮または粘膜皮膚上張
(例えば鼻の、口内の、腟の、直腸の、胃腸の粘膜な
ど)を通じての吸収などのような(もちろんこれに限定
されるわけではない。)任意の好ましい経路によって生
体内に投与される。
これらの使用の他の例において、ステロールリポソー
ムに捕捉された化合物は、他の脂質のベシクルないしリ
ポソーム、ゲル、オイル、エマルジョンおよび同様のも
のなど(もちろんこれらに限定されるわけではない。)
のような物質の広い区域の中へ取込まれ得る。例えば、
捕捉化合物を有するステロールリポソームの懸濁液は、
任意の種類のリポソーム調製物(例えば、リン脂質のML
V,SUV,LUV,REVなど)における成分である水性相に添加
される。これは、化合物のリン脂質リポソーム中へ捕捉
をなさせる。
ムに捕捉された化合物は、他の脂質のベシクルないしリ
ポソーム、ゲル、オイル、エマルジョンおよび同様のも
のなど(もちろんこれらに限定されるわけではない。)
のような物質の広い区域の中へ取込まれ得る。例えば、
捕捉化合物を有するステロールリポソームの懸濁液は、
任意の種類のリポソーム調製物(例えば、リン脂質のML
V,SUV,LUV,REVなど)における成分である水性相に添加
される。これは、化合物のリン脂質リポソーム中へ捕捉
をなさせる。
調製物の特別の特性に依存する、他の使用は、当業者
によって想像され得るものである。例えばこれらの二価
カチオン感応性ゆえに、本発明のコレステロールヘミサ
クシネートリポソームは、二価カチオンに対して感応性
の指示染料を捕捉することで調製されることができ、生
体外における比色的な診断学的検定法における使用に関
して感応性となる。
によって想像され得るものである。例えばこれらの二価
カチオン感応性ゆえに、本発明のコレステロールヘミサ
クシネートリポソームは、二価カチオンに対して感応性
の指示染料を捕捉することで調製されることができ、生
体外における比色的な診断学的検定法における使用に関
して感応性となる。
以下の実施例は、説明の目的のために与えられるもの
であり、本発明の範囲を限定するものではない。
であり、本発明の範囲を限定するものではない。
6.実施例:水溶性化合物を捕捉するコレステロールヘミ
サクシネート リポソーム 以下の文節は、アルセナゾIII、イヌリンまたはクロ
ムを捕捉するコレステロールヘミサクシネートリポソー
ムの調製を述べるものである。内包能および捕捉容量な
どのようなパラメーターが評価される。コレステロール
ベシクルのカルシウム依存不安定性が表示される。
サクシネート リポソーム 以下の文節は、アルセナゾIII、イヌリンまたはクロ
ムを捕捉するコレステロールヘミサクシネートリポソー
ムの調製を述べるものである。内包能および捕捉容量な
どのようなパラメーターが評価される。コレステロール
ベシクルのカルシウム依存不安定性が表示される。
コレステロールヘミサクシネートベシクルの冷凍エッ
チング電子顕微鏡法、X線回折法および電子スピン共鳴
法がまた述べられる。
チング電子顕微鏡法、X線回折法および電子スピン共鳴
法がまた述べられる。
6.1.コレステロールヘミサクシネートの種々の塩形態を
用いて調製されたリポソーム 以下の文節は、コレステロールヘミサクシネートの種
々の塩形態を用いてのCHSリポソームの調製を述べるも
のである。
用いて調製されたリポソーム 以下の文節は、コレステロールヘミサクシネートの種
々の塩形態を用いてのCHSリポソームの調製を述べるも
のである。
コレステロールヘミサクシネートのトリス−塩形態
(以下トリス−塩CHSと呼称する。)を含むすべての実
施例において、トリス−塩CHSは、シグマバイオケミカ
ルズ、セントルイス、ミズーリー州[Sigma Biochemica
ls,St.Louis,MO]から購入され、精製されずに用いられ
たか、あるいは以下のようにして合成されたもののいず
れかであった。トリス塩基の3.3モル溶液30mlが、エー
テル中のコレステロールヒドロゲン サクシネート(ア
イシーエス、クリーブランド、オハイオ州[INC、Cleve
land,Ohio])の67Mモル溶液1.5リットルに添加され
た。得られた溶液は、しめった残留物となるまで回転蒸
発されそして12時間凍結乾燥された。得られたトリス−
塩CHSは、酢酸エチルから3度再結晶化された。残留酢
酸エチルは減圧下(0.1mmHg)56℃に加熱することによ
って除去された。
(以下トリス−塩CHSと呼称する。)を含むすべての実
施例において、トリス−塩CHSは、シグマバイオケミカ
ルズ、セントルイス、ミズーリー州[Sigma Biochemica
ls,St.Louis,MO]から購入され、精製されずに用いられ
たか、あるいは以下のようにして合成されたもののいず
れかであった。トリス塩基の3.3モル溶液30mlが、エー
テル中のコレステロールヒドロゲン サクシネート(ア
イシーエス、クリーブランド、オハイオ州[INC、Cleve
land,Ohio])の67Mモル溶液1.5リットルに添加され
た。得られた溶液は、しめった残留物となるまで回転蒸
発されそして12時間凍結乾燥された。得られたトリス−
塩CHSは、酢酸エチルから3度再結晶化された。残留酢
酸エチルは減圧下(0.1mmHg)56℃に加熱することによ
って除去された。
6.1.1 トリス−塩コレステロールヘミサクシネート−M
LV トリス−塩CHS(54mg)が0.01M トリス−HCl(pH7.
3)、0.14M NaCl中のアルセナゾIII(4.5mM,最終濃度)
の溶液1mlに添加された。CHS-MLVの乳白色の懸濁液が機
械的振盪によって形成された。このCHS-MLVは10,000×
gで15分間遠心分離されて、ペレット化され、そして得
られたペレットは0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14M Na
Clの10mlを用いて3度洗浄された。得られたペレット
は、アルセナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈していた。
LV トリス−塩CHS(54mg)が0.01M トリス−HCl(pH7.
3)、0.14M NaCl中のアルセナゾIII(4.5mM,最終濃度)
の溶液1mlに添加された。CHS-MLVの乳白色の懸濁液が機
械的振盪によって形成された。このCHS-MLVは10,000×
gで15分間遠心分離されて、ペレット化され、そして得
られたペレットは0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14M Na
Clの10mlを用いて3度洗浄された。得られたペレット
は、アルセナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈していた。
6.1.2.2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール
コレステロール ヘミサクシネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)の2−アミ
ノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩が0.01M 2−
アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール−HCl(pH
7.3)、0.07M KCl,0.07M NaCl中のアルセナゾIII(4.5m
M、最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLVの懸濁
液はガラス製ビーズを用いての旋回混合によって、形成
された。このCHS-MLVは10,000×gで15分間遠心分離さ
れて、ペレット化され、そして得られたペレットは第6.
1.1節で述べた様にして3度洗浄された。得られたペレ
ットは、アルセナゾIIIの捕捉を色示していた。
コレステロール ヘミサクシネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)の2−アミ
ノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩が0.01M 2−
アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール−HCl(pH
7.3)、0.07M KCl,0.07M NaCl中のアルセナゾIII(4.5m
M、最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLVの懸濁
液はガラス製ビーズを用いての旋回混合によって、形成
された。このCHS-MLVは10,000×gで15分間遠心分離さ
れて、ペレット化され、そして得られたペレットは第6.
1.1節で述べた様にして3度洗浄された。得られたペレ
ットは、アルセナゾIIIの捕捉を色示していた。
6.1.3 2−アミノエタノールコレステロールヘミサク
シネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)の2−アミ
ノエタノール塩が0.01M 2−アミノエタノール−HCl(pH
7.3),0.07M KCl,0.07M NaCl中のアルセナゾIII(4.5m
M,最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLVの懸濁液
はガラス製ビーズを用いての旋回混合によって形成され
た。このCHS-MLVは10,000×gで15分間遠心分離され
て、ペレット化され、そして得られたペレットは、第6.
1.1節において述べる様にして3度洗浄された。得られ
たペレットは、アルセナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈し
ていた。
シネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)の2−アミ
ノエタノール塩が0.01M 2−アミノエタノール−HCl(pH
7.3),0.07M KCl,0.07M NaCl中のアルセナゾIII(4.5m
M,最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLVの懸濁液
はガラス製ビーズを用いての旋回混合によって形成され
た。このCHS-MLVは10,000×gで15分間遠心分離され
て、ペレット化され、そして得られたペレットは、第6.
1.1節において述べる様にして3度洗浄された。得られ
たペレットは、アルセナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈し
ていた。
6.1.4 ビス−トリス−プロパンコレステロールヘミサ
クシネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)のビス−ト
リス−プロパン塩が0.01Mビス−トリス−プロパン−HCl
(pH7.3),0.07M KCl,0.07M NaCl中のアルセナゾIII
(4.5mM,最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLVの
懸濁液はガラス製ビーズを用いての旋回混合によって形
成された。このCHS-MLVは10,000×gで15分間遠心分離
されて、ペレット化され、そして得られたペレットは第
6.1.1節において述べる様にして3度洗浄された。得ら
れたペレットは、アルセナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈
していた。
クシネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)のビス−ト
リス−プロパン塩が0.01Mビス−トリス−プロパン−HCl
(pH7.3),0.07M KCl,0.07M NaCl中のアルセナゾIII
(4.5mM,最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLVの
懸濁液はガラス製ビーズを用いての旋回混合によって形
成された。このCHS-MLVは10,000×gで15分間遠心分離
されて、ペレット化され、そして得られたペレットは第
6.1.1節において述べる様にして3度洗浄された。得ら
れたペレットは、アルセナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈
していた。
6.1.5 トリエタノールアミン コレステロールヘミサ
クシネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)のトリエタ
ノールアミン塩が、0.01Mトリエタノールアミン−HCl
(pH7.3)、0.07M KCl、0.07M NaCl中のアルセナゾIII
(4.5mM、最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLV
の懸濁液は10,000×gで15分間遠心分離され、ペレット
化され、そして得られたペレットは第6.1.1節に述べる
様にして3度洗浄された。得られたペレットは、アルセ
ナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈していた。
クシネート−MLV コレステロールヘミサクシネート(50mg)のトリエタ
ノールアミン塩が、0.01Mトリエタノールアミン−HCl
(pH7.3)、0.07M KCl、0.07M NaCl中のアルセナゾIII
(4.5mM、最終濃度)の溶液1mlへ添加された。CHS-MLV
の懸濁液は10,000×gで15分間遠心分離され、ペレット
化され、そして得られたペレットは第6.1.1節に述べる
様にして3度洗浄された。得られたペレットは、アルセ
ナゾIIIの捕捉を示す赤色を呈していた。
6.1.6 ミコナゾールコレステロールヘミサクシネート
−MLV ミコナゾールの遊離塩基が以下のようにして調製され
た。すなわち、NaOHの水溶液がエーテル中のミコナゾー
ル−ニトレートの懸濁液中へ滴定された。エーテル相
は、採取され、そしてエーテルは、ミコナゾール遊離塩
からなるオイルを残して蒸発される。該オイルは次にコ
レステロールヒドロゲンサクシネートを含有するエタノ
ールへ添加された。エタノールは、ミコナゾールコレス
テロールヘミサクシネートの塩形態からなるフィルムを
残して蒸発される。次に、該フィルムに食塩水が添加さ
れる。延長的な旋回混合の後に、ベシクルが溶液中に観
察された。
−MLV ミコナゾールの遊離塩基が以下のようにして調製され
た。すなわち、NaOHの水溶液がエーテル中のミコナゾー
ル−ニトレートの懸濁液中へ滴定された。エーテル相
は、採取され、そしてエーテルは、ミコナゾール遊離塩
からなるオイルを残して蒸発される。該オイルは次にコ
レステロールヒドロゲンサクシネートを含有するエタノ
ールへ添加された。エタノールは、ミコナゾールコレス
テロールヘミサクシネートの塩形態からなるフィルムを
残して蒸発される。次に、該フィルムに食塩水が添加さ
れる。延長的な旋回混合の後に、ベシクルが溶液中に観
察された。
6.1.7 音波処理により調製されたコレステロールヘミ
サクシネート−SUV アルセナゾIIIを用いない以外は、第6.1.1節、第6.1.
2節、第6.1.3節、第6.1.4節、および第6.1.5節述べたも
のと同様にして、CHS-MLVが調製された。それぞれのベ
シクルの最終ペレットは、それが調製された緩衝溶液の
2ml中へ再懸濁され、そして乳白色の懸濁液が透明とな
り、CHS-MLVのCHS-SUVへの転化を示すまで浴型音波処理
器において音波処理された。
サクシネート−SUV アルセナゾIIIを用いない以外は、第6.1.1節、第6.1.
2節、第6.1.3節、第6.1.4節、および第6.1.5節述べたも
のと同様にして、CHS-MLVが調製された。それぞれのベ
シクルの最終ペレットは、それが調製された緩衝溶液の
2ml中へ再懸濁され、そして乳白色の懸濁液が透明とな
り、CHS-MLVのCHS-SUVへの転化を示すまで浴型音波処理
器において音波処理された。
6.1.8 押出し技法により調製されたコレステロールヘ
ミサクシネート−SUV CHSが、100mg/mlの濃度で、10mMヘペス[HEPES]、15
0mM NaCl(pH7.5)中へ分散させられた。この物質は、3
0nmヌクレオポア フィルターを通して10回押出され、C
HS-SUVを得た。
ミサクシネート−SUV CHSが、100mg/mlの濃度で、10mMヘペス[HEPES]、15
0mM NaCl(pH7.5)中へ分散させられた。この物質は、3
0nmヌクレオポア フィルターを通して10回押出され、C
HS-SUVを得た。
6.2 コレステロールヘミサクシネートMLV中へのイヌリ
ンの捕捉 捕捉される作用物質として3H−イヌリンを取込んだコ
レステロール ヘミサクシネート マルチラメラ ベシ
クル(CHS-MLV)は、以下の様にして調製された。3H−
イヌリン(1.0mCi/ml、ニューイングランド ヌクレア
[New England Nuclear]、ボストン、マサーチュセッ
ツ州)は、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl
2ml中へ溶解された。次にトリス−塩CHS 40mgが該溶液
へ添加され、そして得られた混合物は振盪により機械的
に分散された。マルチラメラベシクル形成を示す乳白色
の懸濁液が形成された。この懸濁液は、2時間静置さ
れ、この時間経過時に懸濁液は0.01M トリス−HCl(pH
7.3)、0.14M NaClを用いて最終濃度の10mlへと希釈さ
れた。1つの10μlアリコット([aliquot],分割
物)の放射能は、該アリコットをシンチレーション流体
(オムニフルア[Ommiflour](ニューイングランド
ヌクレア、ボストン、マサチューセッツ州)40g、トル
エン6l、エチレングリコールモノエチルエーテル4l)10
ml中に添加し、そして0.400にウィンドウをセットして
ベックマンL6800リクイド シンチレーションカウンタ
ー[Beckman L6800 liquid scintilation counter]を
用いて放射能測定をすることにより、24,625cpm/10μl
であると測定された。1分間あたりのカウント数(cp
m)における放射能はケンチング補正のH#方法[the H
# method of quench correction]を適用することに
よって1分間あたりの崩壊に変換された(ホロック、デ
ィーエル ザ ナンバー コンセプト、ベックマン イ
ンストルメンツ、1977[Horrock,D.L.The Number Conce
pt,Beckman Instruments,1977])。このCHS-MLVは次に
10,000×gで15分間遠心分離されてペレット化された。
得られたペレットは該ペレットを0.01Mトリス−HCl(pH
7.3)、0.14M NaCl 10ml中に再懸濁させ、そして10,000
×gで15分間遠心分離して再ペレット化することによっ
て3度洗浄された。ベシクルの洗浄されたペレットは、
最終容量10mlとなるように0.01Mトリス−HCl(pH7.
3)、0.14 NaCl中へ再懸濁された。10μlアリコットの
放射能は3,442cpm/10μlであると測定された。それゆ
え、最初の3H−イヌリンの全体の14%がCHS-MLV中に捕
捉された。
ンの捕捉 捕捉される作用物質として3H−イヌリンを取込んだコ
レステロール ヘミサクシネート マルチラメラ ベシ
クル(CHS-MLV)は、以下の様にして調製された。3H−
イヌリン(1.0mCi/ml、ニューイングランド ヌクレア
[New England Nuclear]、ボストン、マサーチュセッ
ツ州)は、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl
2ml中へ溶解された。次にトリス−塩CHS 40mgが該溶液
へ添加され、そして得られた混合物は振盪により機械的
に分散された。マルチラメラベシクル形成を示す乳白色
の懸濁液が形成された。この懸濁液は、2時間静置さ
れ、この時間経過時に懸濁液は0.01M トリス−HCl(pH
7.3)、0.14M NaClを用いて最終濃度の10mlへと希釈さ
れた。1つの10μlアリコット([aliquot],分割
物)の放射能は、該アリコットをシンチレーション流体
(オムニフルア[Ommiflour](ニューイングランド
ヌクレア、ボストン、マサチューセッツ州)40g、トル
エン6l、エチレングリコールモノエチルエーテル4l)10
ml中に添加し、そして0.400にウィンドウをセットして
ベックマンL6800リクイド シンチレーションカウンタ
ー[Beckman L6800 liquid scintilation counter]を
用いて放射能測定をすることにより、24,625cpm/10μl
であると測定された。1分間あたりのカウント数(cp
m)における放射能はケンチング補正のH#方法[the H
# method of quench correction]を適用することに
よって1分間あたりの崩壊に変換された(ホロック、デ
ィーエル ザ ナンバー コンセプト、ベックマン イ
ンストルメンツ、1977[Horrock,D.L.The Number Conce
pt,Beckman Instruments,1977])。このCHS-MLVは次に
10,000×gで15分間遠心分離されてペレット化された。
得られたペレットは該ペレットを0.01Mトリス−HCl(pH
7.3)、0.14M NaCl 10ml中に再懸濁させ、そして10,000
×gで15分間遠心分離して再ペレット化することによっ
て3度洗浄された。ベシクルの洗浄されたペレットは、
最終容量10mlとなるように0.01Mトリス−HCl(pH7.
3)、0.14 NaCl中へ再懸濁された。10μlアリコットの
放射能は3,442cpm/10μlであると測定された。それゆ
え、最初の3H−イヌリンの全体の14%がCHS-MLV中に捕
捉された。
6.2.1 コレステロール ヘミサクシネート−MLVおよび
卵ホスファチジルコリン−MLVにおけるイヌリン内包能 コレステロール ヘミサクシネートの変動濃度からな
るMLV中に捕捉されたイヌリンの内包能が、卵ホスファ
チジルコリンの変動濃度からなるMLV中に捕捉されたイ
ヌリンの内包能と比較された。(注.任意のリポゾーム
に関する内包能は、二重層によって隔離された水性成分
の画分と定義され、そしてそれはパーセンテージで表わ
される。上記第2.1節参照のこと。) 卵ホスファチジルコリン(EPC)またはトリス−塩CHS
のいずれかで構成されるマルチラメラベシクルは、内包
能を比較するために全く同じ処方を用いて調製された。
従って3H−イヌリン(217.0mCi/mg)5μlを有する。
0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝溶液2.0
ml中の40、80、160、320もしくは400mgの濃度のトリス
−塩CHSが旋回混合され、そして2時間放置され、捕捉
された化合物として3H−イヌリンを有するCHS-MLVが形
成された。0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl
緩衝溶液の追加的な3mlが該懸濁液に添加され、懸濁液
は室温下1晩放置された。次に、0.01M トリス−HCl
(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝溶液約3.0mlが全容量を10ml
までにするために添加された。
卵ホスファチジルコリン−MLVにおけるイヌリン内包能 コレステロール ヘミサクシネートの変動濃度からな
るMLV中に捕捉されたイヌリンの内包能が、卵ホスファ
チジルコリンの変動濃度からなるMLV中に捕捉されたイ
ヌリンの内包能と比較された。(注.任意のリポゾーム
に関する内包能は、二重層によって隔離された水性成分
の画分と定義され、そしてそれはパーセンテージで表わ
される。上記第2.1節参照のこと。) 卵ホスファチジルコリン(EPC)またはトリス−塩CHS
のいずれかで構成されるマルチラメラベシクルは、内包
能を比較するために全く同じ処方を用いて調製された。
従って3H−イヌリン(217.0mCi/mg)5μlを有する。
0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝溶液2.0
ml中の40、80、160、320もしくは400mgの濃度のトリス
−塩CHSが旋回混合され、そして2時間放置され、捕捉
された化合物として3H−イヌリンを有するCHS-MLVが形
成された。0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl
緩衝溶液の追加的な3mlが該懸濁液に添加され、懸濁液
は室温下1晩放置された。次に、0.01M トリス−HCl
(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝溶液約3.0mlが全容量を10ml
までにするために添加された。
卵ホスファチジルコリン(アバンティ、バーミンガ
ム、アラバマ州[Avanti,Birmingham,AL])から構成さ
れるマルチラメラベシクル(EPC-MLV)は以下の処方に
より調製された。40、80、160、320もしくは400mg/mlの
EPCが、このリン脂質を完全に溶解するのに十分な量の
クロロホルム中に懸濁された。クロロホルムは乾燥する
まで蒸発され、試験管にワックス状の沈澱物が残され
た。次に3H−イヌリン(217.0mCi/mg)5μgを有する
0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝溶液2.0
mlが添加され、この混合物は「膨脹」させられ、得られ
たEPC-MLVは延長された旋回混合により分散させられ
た。追加的な0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaC
l緩衝溶液3mlが該懸濁液に添加され、懸濁液は室温下一
晩放置された。次に0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.1
4M NaCl緩衝溶液を用いて、全容量を10mlとした。
ム、アラバマ州[Avanti,Birmingham,AL])から構成さ
れるマルチラメラベシクル(EPC-MLV)は以下の処方に
より調製された。40、80、160、320もしくは400mg/mlの
EPCが、このリン脂質を完全に溶解するのに十分な量の
クロロホルム中に懸濁された。クロロホルムは乾燥する
まで蒸発され、試験管にワックス状の沈澱物が残され
た。次に3H−イヌリン(217.0mCi/mg)5μgを有する
0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝溶液2.0
mlが添加され、この混合物は「膨脹」させられ、得られ
たEPC-MLVは延長された旋回混合により分散させられ
た。追加的な0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaC
l緩衝溶液3mlが該懸濁液に添加され、懸濁液は室温下一
晩放置された。次に0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.1
4M NaCl緩衝溶液を用いて、全容量を10mlとした。
CHS-MVSおよびEPC-MLVによる3H−イヌリン内包能が以
下のようにして測定された。成分のそれぞれ最初の混合
物の20μlにおける放射能が、前記したようにシンチレ
ーションカウンティングによって計測された。形成の
後、リポソームは、懸濁液を10,000×gで10〜20分間遠
心分離することによってペレット化され、それぞれのペ
レットは、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl
緩衝溶液10ml中で4度洗浄され、そして最終容量10mlの
0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14NaCl緩衝溶液へ再懸濁
された。この最終的に洗浄されたサンプルの20μlアリ
コットの放射能が測定された。この最終的なサンプルに
おいて計測された最初の放射能の分数が、脂質ベシクル
中に捕捉された3H−イヌリンを表わした。
下のようにして測定された。成分のそれぞれ最初の混合
物の20μlにおける放射能が、前記したようにシンチレ
ーションカウンティングによって計測された。形成の
後、リポソームは、懸濁液を10,000×gで10〜20分間遠
心分離することによってペレット化され、それぞれのペ
レットは、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl
緩衝溶液10ml中で4度洗浄され、そして最終容量10mlの
0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14NaCl緩衝溶液へ再懸濁
された。この最終的に洗浄されたサンプルの20μlアリ
コットの放射能が測定された。この最終的なサンプルに
おいて計測された最初の放射能の分数が、脂質ベシクル
中に捕捉された3H−イヌリンを表わした。
第1表に示すように、内包能における増加は、CHS濃
度における増加に比例しているが、より重要なことは20
〜200mg/mlCHSを用いて調製されたCHS-MLVは、同濃度の
リン脂質を用いて調製されたEPC-MLVのものよりも、よ
り高いイヌリン内包能を示したことである。
度における増加に比例しているが、より重要なことは20
〜200mg/mlCHSを用いて調製されたCHS-MLVは、同濃度の
リン脂質を用いて調製されたEPC-MLVのものよりも、よ
り高いイヌリン内包能を示したことである。
CHS-MLVの内包能が、水性緩衝溶液中でCHSが遊離3H−
イヌリンと接触した時間の量によって影響されるか否か
を測定するために、CHS-MLVが以下のようにして調製さ
れた。トリス−塩CHS80mgあるいは30mgが3H−イヌリン
(217mCi/mg比放射能)10μlを含有する0.01Mトリス−
HCl、0.14M NaCl緩衝溶液20ml中に旋回混合され、これ
によりそれぞれ40mg/mlおよび150mg/mlCHSの濃度を用い
たCHS-MLVを形成した。
イヌリンと接触した時間の量によって影響されるか否か
を測定するために、CHS-MLVが以下のようにして調製さ
れた。トリス−塩CHS80mgあるいは30mgが3H−イヌリン
(217mCi/mg比放射能)10μlを含有する0.01Mトリス−
HCl、0.14M NaCl緩衝溶液20ml中に旋回混合され、これ
によりそれぞれ40mg/mlおよび150mg/mlCHSの濃度を用い
たCHS-MLVを形成した。
2つの脂質濃度のそれぞれ5つのサンプルが調製さ
れ、CHS-MLV懸濁液は、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、
0.14M NaCl緩衝溶液2.0ml中で室温下放置された。以下
の時間間隔、すなわち0、15、30、60および120分で、
サンプルは同じ緩衝溶液を用いて10ml容量とされた。そ
れぞれのサンプルの最初の10μlアリコットは、前記し
たようなシンチレーションカウンティングのために取り
除かれた。サンプルは次に10,000×gで10分間遠心分離
され、それぞれのペレットは緩衝溶液10ml中で4度洗浄
された。最終的なペレットは最終容量10mlへと緩衝溶液
中へ懸濁され、それぞれの最終的サンプル10μlアリコ
ットの放射能が、それぞれの時間点での最初のサンプル
の放射能と比較された。この結果は、試験された脂質の
いずれの濃度においても5つの時間点に関する内包能に
おける顕著な違いが全くなかったことを示すものであっ
た。これは、調製物に対して添加された最初の3H−イヌ
リンの約12%もしくは20%の捕捉は、それぞれCHS40mg/
mlもしくは150mg/mlでの接触時間に関係なく起ることを
示している。これは、卵ホスファチジルコリンを用いて
調製された従来のMLVとは異なり、「膨脹時間」は、CHS
-MLVの調製においては不必要であることを示すものであ
る。
れ、CHS-MLV懸濁液は、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、
0.14M NaCl緩衝溶液2.0ml中で室温下放置された。以下
の時間間隔、すなわち0、15、30、60および120分で、
サンプルは同じ緩衝溶液を用いて10ml容量とされた。そ
れぞれのサンプルの最初の10μlアリコットは、前記し
たようなシンチレーションカウンティングのために取り
除かれた。サンプルは次に10,000×gで10分間遠心分離
され、それぞれのペレットは緩衝溶液10ml中で4度洗浄
された。最終的なペレットは最終容量10mlへと緩衝溶液
中へ懸濁され、それぞれの最終的サンプル10μlアリコ
ットの放射能が、それぞれの時間点での最初のサンプル
の放射能と比較された。この結果は、試験された脂質の
いずれの濃度においても5つの時間点に関する内包能に
おける顕著な違いが全くなかったことを示すものであっ
た。これは、調製物に対して添加された最初の3H−イヌ
リンの約12%もしくは20%の捕捉は、それぞれCHS40mg/
mlもしくは150mg/mlでの接触時間に関係なく起ることを
示している。これは、卵ホスファチジルコリンを用いて
調製された従来のMLVとは異なり、「膨脹時間」は、CHS
-MLVの調製においては不必要であることを示すものであ
る。
6.3 コレステロールヘミサクシネート−SUVにおけるイ
ヌリンの捕捉 捕捉された作用物質として3H−イヌリンを含有するコ
レステロールヘミサクシネートから構成されたスモール
ユニメラベシクル(CHS-SUV)は次のようにして調製さ
れた。1.0mCi/ml 3H−イヌリン(ニューイングランド
ヌクレア、ボストン、マサチューセッツ州)の100μl
が、トリス−塩CHS100mgあるいは200mgのいずれかが添
加される0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl2.5
ml溶解された。ガラス製ビーズを用いての旋回混合の
後、混合物は、ビーズからピペット中へ吸収され、そし
て透明となるまで、すなわち約2時間、音波処理され
た。懸濁液の透明化は、CHS-MLVのスモールユニラメラ
ベシクルへの転化を示す。CHS-SUV懸濁液中のCHSの最終
濃度はそれぞれ40mg/mlおよび80mg/mlであった。
ヌリンの捕捉 捕捉された作用物質として3H−イヌリンを含有するコ
レステロールヘミサクシネートから構成されたスモール
ユニメラベシクル(CHS-SUV)は次のようにして調製さ
れた。1.0mCi/ml 3H−イヌリン(ニューイングランド
ヌクレア、ボストン、マサチューセッツ州)の100μl
が、トリス−塩CHS100mgあるいは200mgのいずれかが添
加される0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl2.5
ml溶解された。ガラス製ビーズを用いての旋回混合の
後、混合物は、ビーズからピペット中へ吸収され、そし
て透明となるまで、すなわち約2時間、音波処理され
た。懸濁液の透明化は、CHS-MLVのスモールユニラメラ
ベシクルへの転化を示す。CHS-SUV懸濁液中のCHSの最終
濃度はそれぞれ40mg/mlおよび80mg/mlであった。
イヌリン捕捉を明らかとするために(上記第5節参
照)、CHS-SUVは、以下のようなゲル濾過により未捕捉
のイヌリンから分離された。それぞれのリポソーム懸濁
液は、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝
溶液で平衡化され校正された、分子量40,000〜15,000,0
00ドルトンの操作範囲を有するバイオ−ゲル A-15m[B
io-Gel A-15m]100〜200メッシュアガロースカラム(バ
イオ−レッド ラボラトリーズ[Bio-Red Laboratorie
s]、リッチモンド、カリフォルニア州)に別々に適用
された。次にカラムから溶出された1ml分画は採取され
そしてそれぞれの分画の10μlアリコットの放射能が、
前記したようにして測定された。隔離されたイヌリンの
存在しない透明な分離物がゲル濾過によって得られ、こ
れゆえCHS-SUV中へのイヌリンの捕捉が示された。この
分析は、イヌリンの約1%がCHS-SUV中に捕捉されたこ
とを示していた。
照)、CHS-SUVは、以下のようなゲル濾過により未捕捉
のイヌリンから分離された。それぞれのリポソーム懸濁
液は、0.01M トリス−HCl(pH7.3)、0.14M NaCl緩衝
溶液で平衡化され校正された、分子量40,000〜15,000,0
00ドルトンの操作範囲を有するバイオ−ゲル A-15m[B
io-Gel A-15m]100〜200メッシュアガロースカラム(バ
イオ−レッド ラボラトリーズ[Bio-Red Laboratorie
s]、リッチモンド、カリフォルニア州)に別々に適用
された。次にカラムから溶出された1ml分画は採取され
そしてそれぞれの分画の10μlアリコットの放射能が、
前記したようにして測定された。隔離されたイヌリンの
存在しない透明な分離物がゲル濾過によって得られ、こ
れゆえCHS-SUV中へのイヌリンの捕捉が示された。この
分析は、イヌリンの約1%がCHS-SUV中に捕捉されたこ
とを示していた。
6.4 コレステロールヘミサクシネートMLV中へのクロム
の捕捉 捕捉された作用物質として51Crを取込むコレステロー
ルヘミサクシネート マルチラメラベシクルは、以下の
ようにして調製された。トリス塩CHS 15.0μmol、40.0
μmol、65.8μmol、100.0μmol、175.0μmol、263.2μm
ol、526.4μmolもしくは658.0μmolが51Cr(ニューイン
グランド ヌクレア、ボストン、マサチューセッツ州)
の痕跡量を含有する、0.01M トリス−HCl、0.14M NaC
l、pH7.35mlへ添加され、そして室温下で2時間放置さ
れ、捕捉したCrを含有するCHS-MLVの懸濁液が得られ
た。
の捕捉 捕捉された作用物質として51Crを取込むコレステロー
ルヘミサクシネート マルチラメラベシクルは、以下の
ようにして調製された。トリス塩CHS 15.0μmol、40.0
μmol、65.8μmol、100.0μmol、175.0μmol、263.2μm
ol、526.4μmolもしくは658.0μmolが51Cr(ニューイン
グランド ヌクレア、ボストン、マサチューセッツ州)
の痕跡量を含有する、0.01M トリス−HCl、0.14M NaC
l、pH7.35mlへ添加され、そして室温下で2時間放置さ
れ、捕捉したCrを含有するCHS-MLVの懸濁液が得られ
た。
6.4.1 コレステロールヘミサクシネート−MLV中へのク
ロムの内包能 第6.4節において調製されたCHS-MLVの内包能を測定す
るために、それぞれの調製物のサンプルが蒸溜水中で3
度煮沸された透析バッグ(トーマス サイエンティフィ
ス[Thomas Scientific]、カタログ番号第3787-D22
号、12,000ドルトンの分子量除去)中へピペットにより
入れられた。透析バッグ中のサンプルは、ガンマカウン
ター(ティーエムアナリテック[Tm Analytic]、モデ
ル番号第1191号)にて最初に計測された。サンプルは次
に、1:150よりも大きい保持物:透析物比において同じ
0.01Mトリス−HCl、0.14M NaCl、pH7.3緩衝溶液に対し
てそれぞれ20時間透析された。透析物は最初の6時間に
おいては2時間毎に満たされた。内包能は、残存した最
初のカウントのパーセンテージを計算することにより決
定された。
ロムの内包能 第6.4節において調製されたCHS-MLVの内包能を測定す
るために、それぞれの調製物のサンプルが蒸溜水中で3
度煮沸された透析バッグ(トーマス サイエンティフィ
ス[Thomas Scientific]、カタログ番号第3787-D22
号、12,000ドルトンの分子量除去)中へピペットにより
入れられた。透析バッグ中のサンプルは、ガンマカウン
ター(ティーエムアナリテック[Tm Analytic]、モデ
ル番号第1191号)にて最初に計測された。サンプルは次
に、1:150よりも大きい保持物:透析物比において同じ
0.01Mトリス−HCl、0.14M NaCl、pH7.3緩衝溶液に対し
てそれぞれ20時間透析された。透析物は最初の6時間に
おいては2時間毎に満たされた。内包能は、残存した最
初のカウントのパーセンテージを計算することにより決
定された。
第2表に示すように、内包能における増加は、CHS濃
度の増加に比例するものである。
度の増加に比例するものである。
第6.4.1節において述べるようにして調製されたCHSベ
シクルの捕捉容量が、次の計算式、 を用いて捕捉容量を計算することによって、それぞれの
コレステロールヘミサクシネートの濃度に関して測定さ
れた。第1図に図示された結果は、トリス−塩CHSの濃
度が増加するに従いより少ないクロム/モル(脂質)が
捕捉された。ゆえに、内包能における増加は、脂質濃度
における増加に比例しているが、捕捉容量は、脂質濃度
の増加に従い減少する。1つの点当りの試みの回数は、
それぞれの点の横のカッコ内に示す。
シクルの捕捉容量が、次の計算式、 を用いて捕捉容量を計算することによって、それぞれの
コレステロールヘミサクシネートの濃度に関して測定さ
れた。第1図に図示された結果は、トリス−塩CHSの濃
度が増加するに従いより少ないクロム/モル(脂質)が
捕捉された。ゆえに、内包能における増加は、脂質濃度
における増加に比例しているが、捕捉容量は、脂質濃度
の増加に従い減少する。1つの点当りの試みの回数は、
それぞれの点の横のカッコ内に示す。
6.5 コレステロールヘミサクシネートリポソームの超
微細構造 イヌリンが用いられない以外は第6.1.節において述べ
るようにしてコレステロールヘミサクシネーのトリス−
塩を用いて調製された、CHS-MLVおよびCHS-SUVのサンプ
ルが、凍結エッチング電子顕微鏡(凍結エッチング法に
関しては、プフェニンガーら、1975年、ジャーナル オ
ブ セル バイオロジーズ65:15〜28[Pfenninger et a
l,1975,J.Cell Biol.65:15-28]を参照のこと。)のた
めに調製された。
微細構造 イヌリンが用いられない以外は第6.1.節において述べ
るようにしてコレステロールヘミサクシネーのトリス−
塩を用いて調製された、CHS-MLVおよびCHS-SUVのサンプ
ルが、凍結エッチング電子顕微鏡(凍結エッチング法に
関しては、プフェニンガーら、1975年、ジャーナル オ
ブ セル バイオロジーズ65:15〜28[Pfenninger et a
l,1975,J.Cell Biol.65:15-28]を参照のこと。)のた
めに調製された。
CHS-MLV凍結エッチング化調製物の電子顕微鏡は、少
なくとも1つのラメラによって結合された不連続単位、
すなわちリポソームないしは脂質ベシクルを見せるもの
であった。直径800〜10,000nmの範囲にわたる、CHS-MLV
の大きさのかなりの不均質性があった。
なくとも1つのラメラによって結合された不連続単位、
すなわちリポソームないしは脂質ベシクルを見せるもの
であった。直径800〜10,000nmの範囲にわたる、CHS-MLV
の大きさのかなりの不均質性があった。
より大きなベシクルは、1つのあるいは2、3の外核
ラメラを有するもの、および多くのラメラを有するもの
などを含むいくつかの分類に類別され得るものであっ
た。より大きなベシクルの多くは、水性画室を示し得
る、木目のような外観を内部に有する実質的な空間を有
していた。多くの例において、小さなベシクルあるいは
小さなベシクルの群は、より大きなベシクルの内側には
っきりして、幾分か遊離したもので、時々は4もしくは
5層の深さであった。
ラメラを有するもの、および多くのラメラを有するもの
などを含むいくつかの分類に類別され得るものであっ
た。より大きなベシクルの多くは、水性画室を示し得
る、木目のような外観を内部に有する実質的な空間を有
していた。多くの例において、小さなベシクルあるいは
小さなベシクルの群は、より大きなベシクルの内側には
っきりして、幾分か遊離したもので、時々は4もしくは
5層の深さであった。
このはっきりした「隠蔽[nesting]」は負に帯電し
たリン脂質を用いて調製された従来のリポソームにおい
て普通に観察されるものである。
たリン脂質を用いて調製された従来のリポソームにおい
て普通に観察されるものである。
随時的に、密接に並べられたラメラのゾーンが観察さ
れることができた。これらは従来のリン脂質MLVのラメ
ラとすべての点において同様のものであった。
れることができた。これらは従来のリン脂質MLVのラメ
ラとすべての点において同様のものであった。
調べられた音波処理されたサンプルはまた、50nm〜50
0nmの範囲の多くの微小な球状体を含んでいた。これら
のベシクルはリン脂質MLVの音波処理により調製されたS
UVに多分匹敵する。より微小なCHS−ベシクルは裂くこ
とができないので内部またはこれらの成分ラメラの構造
を識別することは不可能であった。
0nmの範囲の多くの微小な球状体を含んでいた。これら
のベシクルはリン脂質MLVの音波処理により調製されたS
UVに多分匹敵する。より微小なCHS−ベシクルは裂くこ
とができないので内部またはこれらの成分ラメラの構造
を識別することは不可能であった。
30nmフィルターを通過して押出された(10回)、平均
直径約65nmを有するCHSベシクルが観察された。これれ
はフレンチプレス法により調製された極端に小さい(平
均直径約25nmまたはそれ以下)CHSベシクルと対比され
る。
直径約65nmを有するCHSベシクルが観察された。これれ
はフレンチプレス法により調製された極端に小さい(平
均直径約25nmまたはそれ以下)CHSベシクルと対比され
る。
6.6 コレステロールヘミサクシネートのX線回折分析 種々のCHS-MLV調製物のX線回折が、他のもの(グル
ーナー、エス.エム、1977年、物理学博士論文、プリン
ストンユニバーシティ、プリンストン ニュージャージ
ー州 09540 アメリカ合衆国[Gruner,S.M.,1977,phDt
hesis,Princeton University,Princeton NJ 09540 US
A];レイノルズ、ゼオ.ティー.,ミリック、ジェイ.
アール.およびグルーナー、エス.エム.、1978年、リ
バイズド サイエンティフィックインストラクションズ
49:1241〜1249[Reynolds,Geo.T.Milch,J.R.and Grun
er,S.M.,1978,Rev.Sci.Instr.49:1241-1249];テルコ
ック、シー.ピー.ティー.、バリー、エム.ビー.、
ファーレン、エス.ビー.、キューリス、ピー.アー
ル.およびグルーナー、エス.エム.、1984年、バイオ
ケミカリー、23:2696〜2703[Tilcock,C.P.T.,Bally,M.
B.,Farren,S.B.,Cullis,P.R.and Gruner,S.M.,1984,Bio
chem,23:2696-2703])に述べられた2次元画像−増幅
X線検知装置を用いて行なわれた。X線反復間隔は±0.
5Åとして表わされた。CHS分散液は、エポキシの栓によ
り密封された1.5mmのガラス製X線キャピラリー中に保
たれた。標本はゆっくりとまたは活発に水和された。ゆ
っくりとした水和に関しては、緩衝溶液は、シリンジを
介してX線キャピラリーの底部における乾燥CHS上へ積
み重ねられた。このキャピラリーは次に、脂質水ペース
トからの空気泡を消すためにテーブルトップ遠心機中で
しばらく遠心分離された。キャピラリーは、次に密封さ
れそして5℃で少なくとも4時間平衡化された。活発な
水和は、乾燥CHSを緩衝溶液および2個のガラス製混合
ビーズと試験管中にて渦動することによって行なわれ
た。1つのアリコットが次にX線キャピラリーへと移さ
れた。
ーナー、エス.エム、1977年、物理学博士論文、プリン
ストンユニバーシティ、プリンストン ニュージャージ
ー州 09540 アメリカ合衆国[Gruner,S.M.,1977,phDt
hesis,Princeton University,Princeton NJ 09540 US
A];レイノルズ、ゼオ.ティー.,ミリック、ジェイ.
アール.およびグルーナー、エス.エム.、1978年、リ
バイズド サイエンティフィックインストラクションズ
49:1241〜1249[Reynolds,Geo.T.Milch,J.R.and Grun
er,S.M.,1978,Rev.Sci.Instr.49:1241-1249];テルコ
ック、シー.ピー.ティー.、バリー、エム.ビー.、
ファーレン、エス.ビー.、キューリス、ピー.アー
ル.およびグルーナー、エス.エム.、1984年、バイオ
ケミカリー、23:2696〜2703[Tilcock,C.P.T.,Bally,M.
B.,Farren,S.B.,Cullis,P.R.and Gruner,S.M.,1984,Bio
chem,23:2696-2703])に述べられた2次元画像−増幅
X線検知装置を用いて行なわれた。X線反復間隔は±0.
5Åとして表わされた。CHS分散液は、エポキシの栓によ
り密封された1.5mmのガラス製X線キャピラリー中に保
たれた。標本はゆっくりとまたは活発に水和された。ゆ
っくりとした水和に関しては、緩衝溶液は、シリンジを
介してX線キャピラリーの底部における乾燥CHS上へ積
み重ねられた。このキャピラリーは次に、脂質水ペース
トからの空気泡を消すためにテーブルトップ遠心機中で
しばらく遠心分離された。キャピラリーは、次に密封さ
れそして5℃で少なくとも4時間平衡化された。活発な
水和は、乾燥CHSを緩衝溶液および2個のガラス製混合
ビーズと試験管中にて渦動することによって行なわれ
た。1つのアリコットが次にX線キャピラリーへと移さ
れた。
X線回析は、水和されたCHSがマルチラメラ構造を形
成していることを示した。第2a図および第2b図は、それ
ぞれ68.9重量%および59.1重量%のCHSから成るゆっく
りと水和された標本から得られた低角度回折を示す。回
折の最高4つまでの均等な間隔を保たれた秩序置換[or
der]は視認でき、それぞれ68.1Åおよび79.8Å、反
復、のマルチラメラ配列で一致していた。この秩序置換
はシャープでかつよく分析されており、格子がほとんど
無秩序置換[disorder]を含んでいないことを示してい
た。これらの濃縮されたCHS標本は、視認出来る過剰な
緩衝溶液を有しない均一なペースト様外観を有し、水性
含量の増加に従って反復間隔が増加する事実と一致す
る。極めて高い水性濃度においては、ゆっくりと水和さ
れたCHS標本は、水和された脂質の頂部上に過剰な緩衝
溶液の明らかに視認できる溜りを示す。こういうサンプ
ル(全重量の20.2%CHS)からの回折は第2c図に示され
る。より高角度の回折ピークの広がることは、格子にお
ける少なからぬ無秩序置換を暗示するものである。回折
における無秩序置換は限定的な格子割当を困難とする
が、第2c図において示されたように、ラメラ適合がなさ
れると、反復は約86Åであり、脂質二重層間の広い水性
空間を暗示するものであった。
成していることを示した。第2a図および第2b図は、それ
ぞれ68.9重量%および59.1重量%のCHSから成るゆっく
りと水和された標本から得られた低角度回折を示す。回
折の最高4つまでの均等な間隔を保たれた秩序置換[or
der]は視認でき、それぞれ68.1Åおよび79.8Å、反
復、のマルチラメラ配列で一致していた。この秩序置換
はシャープでかつよく分析されており、格子がほとんど
無秩序置換[disorder]を含んでいないことを示してい
た。これらの濃縮されたCHS標本は、視認出来る過剰な
緩衝溶液を有しない均一なペースト様外観を有し、水性
含量の増加に従って反復間隔が増加する事実と一致す
る。極めて高い水性濃度においては、ゆっくりと水和さ
れたCHS標本は、水和された脂質の頂部上に過剰な緩衝
溶液の明らかに視認できる溜りを示す。こういうサンプ
ル(全重量の20.2%CHS)からの回折は第2c図に示され
る。より高角度の回折ピークの広がることは、格子にお
ける少なからぬ無秩序置換を暗示するものである。回折
における無秩序置換は限定的な格子割当を困難とする
が、第2c図において示されたように、ラメラ適合がなさ
れると、反復は約86Åであり、脂質二重層間の広い水性
空間を暗示するものであった。
ゆっくりした水和を用いる代わりに、20.7%CHS標本
が、乾燥脂質を緩衝溶液と旋回的に混合することによっ
て調製される場合、得られる標本は、均一な乳白色の外
観を有していた。第2d図に示すように、低角度回折は、
鋭く限定された格子のほとんど形跡を有しない散乱の広
いバンドを示すものであった。同様の回折特色が、ラメ
ラ間の水性幅が広く変化したマルチラメラ系から期待で
きる。希釈CHS分散液のX線回折は、ラメラ間力が弱い
マルチラメラ系から発生するものとして、最も矛盾なく
解釈される。例えば希釈卵ホスファチジルコン分散液な
どのような、他の脂質系においては、X線回折パターン
は、重量的にほとんど脂質である鋭く限定されたラメラ
格子を示す(ランド、1981年、アニュアル リヴュー
オブ バイオフィジックス アンド バイオエンジニア
リング 10:217〜314[Rand,1981,Annu.Rev.Biophys.Bi
oeng.10:217-314])。この明確な格子反復は、脂質層
分離の関数である格子電位におけるかなり鋭い極小の結
果である。電位対距離曲線が浅いくぼみしか有していな
い場合には、弱いラメラ間力および少なからぬ格子無秩
序置換を予想するものである。これはCHSベシクルでの
場合であるらしい。
が、乾燥脂質を緩衝溶液と旋回的に混合することによっ
て調製される場合、得られる標本は、均一な乳白色の外
観を有していた。第2d図に示すように、低角度回折は、
鋭く限定された格子のほとんど形跡を有しない散乱の広
いバンドを示すものであった。同様の回折特色が、ラメ
ラ間の水性幅が広く変化したマルチラメラ系から期待で
きる。希釈CHS分散液のX線回折は、ラメラ間力が弱い
マルチラメラ系から発生するものとして、最も矛盾なく
解釈される。例えば希釈卵ホスファチジルコン分散液な
どのような、他の脂質系においては、X線回折パターン
は、重量的にほとんど脂質である鋭く限定されたラメラ
格子を示す(ランド、1981年、アニュアル リヴュー
オブ バイオフィジックス アンド バイオエンジニア
リング 10:217〜314[Rand,1981,Annu.Rev.Biophys.Bi
oeng.10:217-314])。この明確な格子反復は、脂質層
分離の関数である格子電位におけるかなり鋭い極小の結
果である。電位対距離曲線が浅いくぼみしか有していな
い場合には、弱いラメラ間力および少なからぬ格子無秩
序置換を予想するものである。これはCHSベシクルでの
場合であるらしい。
第2d図の標本は、第2a図の68.1Å反復に比較される、
約86Å反復を有している。このことは、過剰の緩衝溶液
の存在下において、CHSリポソームが脂質に対する水の
高い割合を有していることを示す。同様の結果が、他の
帯電脂質系において観察できる(ランド,1981年,上
記)。
約86Å反復を有している。このことは、過剰の緩衝溶液
の存在下において、CHSリポソームが脂質に対する水の
高い割合を有していることを示す。同様の結果が、他の
帯電脂質系において観察できる(ランド,1981年,上
記)。
6.7.コレステロールヘミサクシネート リポソームの電
子スピン共鳴分析 卵ホスファチジルコリン(アバンティ ポーラ リピ
ッズ[Avanti Polar Lipidsp]、バーミンガム、アラバ
マ州)から調製されたマルチラメラベシクルはスピン標
識化され、そして本質的には前記したようにして調製さ
れた、同様にスピン標識化されたトリス−塩CHS-MLVと
比較された。EPC-MLVの場合には、5、7、9、10、12
または16ドキシルステアレート(モレキュラープローブ
ス[Molecular Probes]、ジャンクション シティ、オ
レゴン州)の1モルパーセントが、クロロホルム中の脂
質40mgに添加され、そして得られた溶液は回転蒸発によ
って薄いフィルムとなるまで乾燥された。次にトリス−
HCl緩衝溶液2mlが、このフィルムが完全に懸濁されるま
で渦動することによりフィルムを水和するために用いら
れた。得られたEPC-MLVは分光学の前に2度洗浄され
た。
子スピン共鳴分析 卵ホスファチジルコリン(アバンティ ポーラ リピ
ッズ[Avanti Polar Lipidsp]、バーミンガム、アラバ
マ州)から調製されたマルチラメラベシクルはスピン標
識化され、そして本質的には前記したようにして調製さ
れた、同様にスピン標識化されたトリス−塩CHS-MLVと
比較された。EPC-MLVの場合には、5、7、9、10、12
または16ドキシルステアレート(モレキュラープローブ
ス[Molecular Probes]、ジャンクション シティ、オ
レゴン州)の1モルパーセントが、クロロホルム中の脂
質40mgに添加され、そして得られた溶液は回転蒸発によ
って薄いフィルムとなるまで乾燥された。次にトリス−
HCl緩衝溶液2mlが、このフィルムが完全に懸濁されるま
で渦動することによりフィルムを水和するために用いら
れた。得られたEPC-MLVは分光学の前に2度洗浄され
た。
CHS-MLVの場合には、エタノール中の適当なスピン標
識が、試験管側面に薄いフィルムを形成するまで乾燥さ
れ、そしてここにトリス−塩CHS粉末40mgおよびトリス
−HCl緩衝溶液2mlが添加された。この懸濁液は渦動さ
れ、そして得られたリポソームは2度洗浄された。すべ
ての電子スピン共鳴実験は、アイビーエムインストルメ
ンツ ER100D ESR スペクトロメーター[IBM Instrume
nts ER100D ESR spectromter]を用いて行なわれた。秩
序パラメーター[order parameter](S)は、他のも
の(グリッフィスとジスト、スピン ラベリング、ベル
リナー、エル.ジョイ(編)、アカデミック プレス、
ニューヨーク、1976年中[Griffith and Just in、Spin
Labelling、Berliner、L.J(ed.)、Academic Press、
N.Y.1976)に述べられるようにして算定された。
識が、試験管側面に薄いフィルムを形成するまで乾燥さ
れ、そしてここにトリス−塩CHS粉末40mgおよびトリス
−HCl緩衝溶液2mlが添加された。この懸濁液は渦動さ
れ、そして得られたリポソームは2度洗浄された。すべ
ての電子スピン共鳴実験は、アイビーエムインストルメ
ンツ ER100D ESR スペクトロメーター[IBM Instrume
nts ER100D ESR spectromter]を用いて行なわれた。秩
序パラメーター[order parameter](S)は、他のも
の(グリッフィスとジスト、スピン ラベリング、ベル
リナー、エル.ジョイ(編)、アカデミック プレス、
ニューヨーク、1976年中[Griffith and Just in、Spin
Labelling、Berliner、L.J(ed.)、Academic Press、
N.Y.1976)に述べられるようにして算定された。
第3図は、5、6、7、9、10、12または16ドキルス
テアレートでこれらの調製物をスピン標識化することに
よって測定されるCHS-MLVおよびEPC-MLVの秩序パラメー
ター特性を示す。
テアレートでこれらの調製物をスピン標識化することに
よって測定されるCHS-MLVおよびEPC-MLVの秩序パラメー
ター特性を示す。
EPC二重層に関しては、すでに報告されているよう
に、二重層中への炭素数の増加に伴い、秩序パラメータ
ーが減少する。CHS二重層の超分子構造は、顕著に異な
るものである。すなわち、EPC二重層よりもCHS二重層が
劇的により剛直であるのみならず、CHS系は50番から90
番の炭素の位においてある増加を活発に示し、以前に報
告されているものとは全く異なる物理的および化学的二
重層構造を示すものである。
に、二重層中への炭素数の増加に伴い、秩序パラメータ
ーが減少する。CHS二重層の超分子構造は、顕著に異な
るものである。すなわち、EPC二重層よりもCHS二重層が
劇的により剛直であるのみならず、CHS系は50番から90
番の炭素の位においてある増加を活発に示し、以前に報
告されているものとは全く異なる物理的および化学的二
重層構造を示すものである。
6.8 コレステロールヘミサクシネートリポソームの等
張膨脹 以下の一連の実験において、コレステロールヘミサク
シネートおよびリン脂質のマルチラメラベシクルの等張
膨脹挙動が比較された。
張膨脹 以下の一連の実験において、コレステロールヘミサク
シネートおよびリン脂質のマルチラメラベシクルの等張
膨脹挙動が比較された。
(1)CHS-MLVは、0.01Mトリス−HCl,0.1M KCl緩衝溶
液2.0ml中のトリス−塩CHS40mgを用いて第6.1節におい
て述べたようして調製された。(2)EPC-MLVは、0.01M
トリス−HCl,0.1M KCl緩衝溶液2.0ml中のEPC51.8mgを用
いて第6.2.1節において述べたようにして調製された。
液2.0ml中のトリス−塩CHS40mgを用いて第6.1節におい
て述べたようして調製された。(2)EPC-MLVは、0.01M
トリス−HCl,0.1M KCl緩衝溶液2.0ml中のEPC51.8mgを用
いて第6.2.1節において述べたようにして調製された。
(3)EPCおよび卵ホスファチジン酸(EPA)から構成
される脂質二重層を有するマルチラメラベシクルが、0.
01Mトリス−HCl,0.1M KCl緩衝溶液二2.0ml中のEPC41.1m
gおよびEPA9.79mgを用いて、EPC-MLV調製に関して第6.
2.1節において述べられた方法を用いて調製された。得
られたMLV(EPC:EPA-MLV)は、それぞれが8:2のモル比
のEPC:EPAで構成されていた。
される脂質二重層を有するマルチラメラベシクルが、0.
01Mトリス−HCl,0.1M KCl緩衝溶液二2.0ml中のEPC41.1m
gおよびEPA9.79mgを用いて、EPC-MLV調製に関して第6.
2.1節において述べられた方法を用いて調製された。得
られたMLV(EPC:EPA-MLV)は、それぞれが8:2のモル比
のEPC:EPAで構成されていた。
旋回混合の後、MLVのそれぞれの懸濁液(すなわち、C
HS-MLV,EPC-MLVおよびEPC:EPA-MLV)が調製に用いられ
た緩衝溶液中で2時間室温下に放置された。それぞれの
リポソーム調製物の20μlアリコットが、次に、0.055M
から0.5Mまでの範囲の濃度のKClを含む0.01Mトリス−HC
l緩衝溶液の連続群1.0mlへ添加された。1.5時間の平衡
化の後、550nmの波長でのサンプルの吸光度を計測する
ことにより光散乱が測定された。
HS-MLV,EPC-MLVおよびEPC:EPA-MLV)が調製に用いられ
た緩衝溶液中で2時間室温下に放置された。それぞれの
リポソーム調製物の20μlアリコットが、次に、0.055M
から0.5Mまでの範囲の濃度のKClを含む0.01Mトリス−HC
l緩衝溶液の連続群1.0mlへ添加された。1.5時間の平衡
化の後、550nmの波長でのサンプルの吸光度を計測する
ことにより光散乱が測定された。
結果はベシクルがさらされる媒体のKCl濃度の逆数に
対して吸光度がプロットされるものである第4図に図示
される。増加した吸光度は、脂質ベシクルの膨脹を示
す。曲線BおよびDは、予期したように、リン脂質MLV
(すなわちEPC-MLVおよびEPC:EPA-MLV)が理想浸透圧計
であるようにふるまったことを示す。しかしながら曲線
Cは、CHS-MLVが閉鎖したベシクル構造としてふるまう
が、これらは、低張および高張媒体においては非理想的
挙動を示すことを示唆している。第4図に示した、この
挙動はブロッカホフとラムサミー(1982年、バイオチミ
カ エト バイオフィジカ アクタ 691:227〜232[19
82,Biochi.Biophis.Acta.691:227-232])のコレステロ
ールリポソームにおいて観察されるものとは全く異なる
ものである。
対して吸光度がプロットされるものである第4図に図示
される。増加した吸光度は、脂質ベシクルの膨脹を示
す。曲線BおよびDは、予期したように、リン脂質MLV
(すなわちEPC-MLVおよびEPC:EPA-MLV)が理想浸透圧計
であるようにふるまったことを示す。しかしながら曲線
Cは、CHS-MLVが閉鎖したベシクル構造としてふるまう
が、これらは、低張および高張媒体においては非理想的
挙動を示すことを示唆している。第4図に示した、この
挙動はブロッカホフとラムサミー(1982年、バイオチミ
カ エト バイオフィジカ アクタ 691:227〜232[19
82,Biochi.Biophis.Acta.691:227-232])のコレステロ
ールリポソームにおいて観察されるものとは全く異なる
ものである。
7.実施例:難溶性化合物を捕捉するコレステロールヘミ
サクシネートリポソーム 水にわずかに溶解する化合物のCHS−リポソーム中へ
の捕捉が、ウシ成長ホルモン、インスリンおよびチロシ
ンに関して実証された。
サクシネートリポソーム 水にわずかに溶解する化合物のCHS−リポソーム中へ
の捕捉が、ウシ成長ホルモン、インスリンおよびチロシ
ンに関して実証された。
7.1 コレステロールヘミサクシネート−SUV中に捕捉さ
れたウシ成長ホルモン 約191のアミノ酸の単鎖から成る単純タンパクであ
る、ウシ成長ホルモン(BGH)は、部分水溶性である。
通常溶解度は、pH8.0で1〜1.5mg/mlである。BGHは、ク
ロロホルムのような有機溶媒中に沈澱する。
れたウシ成長ホルモン 約191のアミノ酸の単鎖から成る単純タンパクであ
る、ウシ成長ホルモン(BGH)は、部分水溶性である。
通常溶解度は、pH8.0で1〜1.5mg/mlである。BGHは、ク
ロロホルムのような有機溶媒中に沈澱する。
CHS-MLVは、0.01Mトリス−HCl(pH7.4),0.14M NaCl
緩衝溶液1.0ml中のトリス−塩CHS27mgを用いて第6,2節
において述べるようにして調製された。CHS-MLV調製物
は、音波処理化CHS-MLVを形成するために、透明となる
まで音波処理され、そして次にBGH(エリ リリー ア
ンド カンパニー[Eli Lilly & Co.]、インディア
ナポリス、インディアナ州)5,10,15,25,30または166mg
のいずれかが、音波処理化CHS-MLV懸濁液の別々のアリ
コットへ加えられた。懸濁液は、延長的に旋回混合さ
れ、CHS-SUV二重層中へのタンパクの分配を起こした。
音波処理化CHS-SUV懸濁液は、1日、2日および21日に
沈澱物の存在に関して目視的に観察された。沈澱物は観
察されず、室温下で21日間試験されたすべての濃度でウ
シ成長ホルモンはCHSリポソーム中に捕捉されたままで
あったことを示した。
緩衝溶液1.0ml中のトリス−塩CHS27mgを用いて第6,2節
において述べるようにして調製された。CHS-MLV調製物
は、音波処理化CHS-MLVを形成するために、透明となる
まで音波処理され、そして次にBGH(エリ リリー ア
ンド カンパニー[Eli Lilly & Co.]、インディア
ナポリス、インディアナ州)5,10,15,25,30または166mg
のいずれかが、音波処理化CHS-MLV懸濁液の別々のアリ
コットへ加えられた。懸濁液は、延長的に旋回混合さ
れ、CHS-SUV二重層中へのタンパクの分配を起こした。
音波処理化CHS-SUV懸濁液は、1日、2日および21日に
沈澱物の存在に関して目視的に観察された。沈澱物は観
察されず、室温下で21日間試験されたすべての濃度でウ
シ成長ホルモンはCHSリポソーム中に捕捉されたままで
あったことを示した。
7.2 コレステロールヘミサクシネート−SUV中に捕捉さ
れたインスリン 亜鉛−インスリン(ポリペプチドホルモンの1つであ
る。)は、希釈酸またはアルカリに容易に溶解するが、
pH4.5〜7.0の水性相に実質的に不溶である。実際、マク
ロ集塊を形成するインスリン溶液の傾向は、長期間イン
スリン供給系の発達において障害であった。
れたインスリン 亜鉛−インスリン(ポリペプチドホルモンの1つであ
る。)は、希釈酸またはアルカリに容易に溶解するが、
pH4.5〜7.0の水性相に実質的に不溶である。実際、マク
ロ集塊を形成するインスリン溶液の傾向は、長期間イン
スリン供給系の発達において障害であった。
CHS-MLVは、0.01Mトリス−HCl(pH7.4)、0.14M NaCl
緩衝溶液1.0ml中のトリス−塩CHS27mgを用いて、第6.2
節に述べるようにして調製された。CHS-MLV調製物は、
音波処理化CHS-SUVを形成するために透明となるまで音
波処理され、そして亜鉛−インスリン粉末(ウシ膵臓イ
ンスリン,シグマケミカルカンパニー,セントルイス,
ミズーリー州[Bovine Pancreatic Insulin,Sigma Chem
ical Co,St.Louis,MO])が47mgに至るまで、CHS-SUV懸
濁液へ添加された。懸濁液は、延長的に旋回混合され、
インスリンのCHS-SUV中への分配を起こした。音波処理
化CHS-SUVは、1日、2日および21日に沈澱物の存在に
関して目視的に観察された。沈澱物は観察されず、室温
下で少なくとも21日間、5mg/mlの濃度でインスリンは捕
捉されたままであったことを示した。
緩衝溶液1.0ml中のトリス−塩CHS27mgを用いて、第6.2
節に述べるようにして調製された。CHS-MLV調製物は、
音波処理化CHS-SUVを形成するために透明となるまで音
波処理され、そして亜鉛−インスリン粉末(ウシ膵臓イ
ンスリン,シグマケミカルカンパニー,セントルイス,
ミズーリー州[Bovine Pancreatic Insulin,Sigma Chem
ical Co,St.Louis,MO])が47mgに至るまで、CHS-SUV懸
濁液へ添加された。懸濁液は、延長的に旋回混合され、
インスリンのCHS-SUV中への分配を起こした。音波処理
化CHS-SUVは、1日、2日および21日に沈澱物の存在に
関して目視的に観察された。沈澱物は観察されず、室温
下で少なくとも21日間、5mg/mlの濃度でインスリンは捕
捉されたままであったことを示した。
7.3 コレステロールヘミサクシネート−SUV中に捕捉さ
れたチロシン チロシンは、水に25℃で5mg/ml溶解してそして低級ア
ルコール類、エステル類およびケトン類、塩素化炭化水
素ならびにエーテルにもまた可溶である抗生物質であ
る。
れたチロシン チロシンは、水に25℃で5mg/ml溶解してそして低級ア
ルコール類、エステル類およびケトン類、塩素化炭化水
素ならびにエーテルにもまた可溶である抗生物質であ
る。
スモールユニラメラベシクルは以下のように調製され
た。チロシン−塩基(エリ リリー アンドカンパニ
ー,インディアナポリス、インディアナ州)100mgおよ
びトリス−塩CHS200mgが、リン酸緩衝化食塩水(pH7.
4)4ml中にて旋回混合された。得られたCHS-MLVの乳白
色懸濁液は、プローブチップ音波処理器[probe tip so
nicator]を用いて15分間音波処理された(予防処置と
して、氷浴が、混合物の温度を低下させつづけるように
試験管のまわりに配置された。)。混合物は、次に1時
間45分の間、浴型音波処理器中へ移された。
た。チロシン−塩基(エリ リリー アンドカンパニ
ー,インディアナポリス、インディアナ州)100mgおよ
びトリス−塩CHS200mgが、リン酸緩衝化食塩水(pH7.
4)4ml中にて旋回混合された。得られたCHS-MLVの乳白
色懸濁液は、プローブチップ音波処理器[probe tip so
nicator]を用いて15分間音波処理された(予防処置と
して、氷浴が、混合物の温度を低下させつづけるように
試験管のまわりに配置された。)。混合物は、次に1時
間45分の間、浴型音波処理器中へ移された。
2時間の音波処理期間の後、チロシンを捕捉したCHS-
SUVが、10,000×gで10分間の懸濁液の遠心分離によっ
て小さなペレットと乳白光を発する上澄みを形成するこ
とによって懸濁液から分離された。上澄み中の音波処理
化CHS-SUVはチロシン−塩基((エリ リリー アンド
カンパニー,インディアナポリス,インディアナ州)
100mgを水の同容量に添加した懸濁液と目視的に比較さ
れた。チロシン−塩基の懸濁液においては沈澱物が形成
されたが、CHS-SUVチロシン調製物においては沈澱物は
形成されなかった。これゆえチロシンは少なくとも48時
間捕捉されたままであった。
SUVが、10,000×gで10分間の懸濁液の遠心分離によっ
て小さなペレットと乳白光を発する上澄みを形成するこ
とによって懸濁液から分離された。上澄み中の音波処理
化CHS-SUVはチロシン−塩基((エリ リリー アンド
カンパニー,インディアナポリス,インディアナ州)
100mgを水の同容量に添加した懸濁液と目視的に比較さ
れた。チロシン−塩基の懸濁液においては沈澱物が形成
されたが、CHS-SUVチロシン調製物においては沈澱物は
形成されなかった。これゆえチロシンは少なくとも48時
間捕捉されたままであった。
8.実施例:脂質溶性化合物の捕捉へのコレステロールヘ
ミサクシネートの使用 脂質に対して可溶である生物学的活性物質の捕捉が、
インドメタシンおよびジアゼパムに関して実証された。
ミサクシネートの使用 脂質に対して可溶である生物学的活性物質の捕捉が、
インドメタシンおよびジアゼパムに関して実証された。
8.1 コレステロールヘミサクシネート−MLV中に捕捉さ
れたインドメタシン プロスタグランジン阻止剤の1つである、インドメタ
シンの遊離酸は、エタノール,エーテル,アセトンおよ
びひまし油に可溶である。
れたインドメタシン プロスタグランジン阻止剤の1つである、インドメタ
シンの遊離酸は、エタノール,エーテル,アセトンおよ
びひまし油に可溶である。
生物学的活性剤としてインドメタシンの変化する量を
取込むCHS-MLVは、以下のようにして調製された。丸底
フラスコ中に、トリス−塩CHS27mg,インドメタシン1〜
5mgおよび14C−インドメタシン(22.0mCi/mmol,ニュー
イングランド ヌクレア,ボストン,マサチューセッツ
州)10μlが混ぜ合せられた。すべての成分を溶解する
のに十分な量のメタノールが添加された。混合物は次
に、容器上に薄いフィルムを形成させるために回転蒸発
され、そしてすべてのメタノールの除去を保証するため
に一晩真空乾燥された。次にCHS-MLVが、それぞれのフ
ラスコに0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14M NaCl緩衝溶
液1.0mlを添加することにより形成された。懸濁液は、
ガラス製ビーズを用いて旋回混合され、そして2時間静
置された。
取込むCHS-MLVは、以下のようにして調製された。丸底
フラスコ中に、トリス−塩CHS27mg,インドメタシン1〜
5mgおよび14C−インドメタシン(22.0mCi/mmol,ニュー
イングランド ヌクレア,ボストン,マサチューセッツ
州)10μlが混ぜ合せられた。すべての成分を溶解する
のに十分な量のメタノールが添加された。混合物は次
に、容器上に薄いフィルムを形成させるために回転蒸発
され、そしてすべてのメタノールの除去を保証するため
に一晩真空乾燥された。次にCHS-MLVが、それぞれのフ
ラスコに0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14M NaCl緩衝溶
液1.0mlを添加することにより形成された。懸濁液は、
ガラス製ビーズを用いて旋回混合され、そして2時間静
置された。
2時間の後、CHSS-MLV中に捕捉されたインドメタシンの
相対量が次のようにして測定された。0.01Mトリス−HCl
(pH7.3),0.14M NaCl緩衝溶液9.0mlがそれぞれのサン
プルへ添加され、そして混合物は、10,000×gで10〜20
分間遠心分離された。得られたペレットは、0.01Mトリ
ス−HCl(pH7.3)、,0.14M NaCl緩衝溶液10ml中で3度
洗浄され、そして最終容量1.0mlの0.01Mトリス−HCl(p
H7.3),0.14M NaCl緩衝溶液中へ懸濁された。「標準」
は、最初の混合物中に放射線標識化インドメタシンのみ
を添加する(すなわち、インドメタシン1〜5mgは、CHS
-MLV標準調製から除外された。)以外はサンプルと同様
の方法で調製された。それぞれのサンプルからの濾過さ
れた20μlアリコット中に含まれる放射能がシンチレー
ション流体10ml中でカウントされた。「標準」のインド
メタシンの種々の濃度を含むサンプルとの比較は、捕捉
されたインドメタシンのパーセンテージの決定をなさせ
るものであった。結果は第3表に表わされる。
相対量が次のようにして測定された。0.01Mトリス−HCl
(pH7.3),0.14M NaCl緩衝溶液9.0mlがそれぞれのサン
プルへ添加され、そして混合物は、10,000×gで10〜20
分間遠心分離された。得られたペレットは、0.01Mトリ
ス−HCl(pH7.3)、,0.14M NaCl緩衝溶液10ml中で3度
洗浄され、そして最終容量1.0mlの0.01Mトリス−HCl(p
H7.3),0.14M NaCl緩衝溶液中へ懸濁された。「標準」
は、最初の混合物中に放射線標識化インドメタシンのみ
を添加する(すなわち、インドメタシン1〜5mgは、CHS
-MLV標準調製から除外された。)以外はサンプルと同様
の方法で調製された。それぞれのサンプルからの濾過さ
れた20μlアリコット中に含まれる放射能がシンチレー
ション流体10ml中でカウントされた。「標準」のインド
メタシンの種々の濃度を含むサンプルとの比較は、捕捉
されたインドメタシンのパーセンテージの決定をなさせ
るものであった。結果は第3表に表わされる。
結果は、最高78%までのインドメタシンがCHS-MLV中
に捕捉され得ることを示している。
に捕捉され得ることを示している。
8.1.2 インドメタシンを含有するコレステロールヘミ
サクシネートベシクルの微細構造 捕捉されたインドメタシンが膜ベシクルを変化させる
ものであるか否かを調べるために、インドメタシンの存
在下調製されたCHS-MLV(第8.1.1節参照のこと。)が前
述したようにして凍結エッチング電子顕微鏡に関して調
査分析された。凍結エッチング電子顕微鏡において、低
拡大条件下、「空の[empty]」CHS-MLVは、含有された
インドメタシンを有するCHS-MLVと区別がつかなかっ
た。すなわち、このものが、このものあるいは他のもの
に対して独特であるとして識別できる明らかな特色がな
かった。しかしながら、高拡大条件下では、インドメタ
シンを含有するCHS-MLVの「二重層」は検知できる。イ
ンドメタシンは水不溶性薬剤でありかつエタノール,エ
ーテル,アセトン,および他の非極性溶媒に可溶である
ので、脂質の存在において、インドメタシンは水から隔
離されるように配置されるであろう。電子顕微鏡によっ
て観察された二重層の調査は、二重層の厚さは、交差破
砕において変わることかを示していた。これは、インド
メタシンが、実際に二重層の脂質部位に分配され、これ
によって付加的な厚みと非常に不均一な配列を与えるら
しいことを提唱するものてであった。すなわち、厚さ
は、1つの二重層が破砕ラインに沿って追跡された際に
変化した。この結果は、薬剤が二重層の脂質部位に隔離
されるような溶解性を有するそれらの薬剤におそらく固
有のものである。
サクシネートベシクルの微細構造 捕捉されたインドメタシンが膜ベシクルを変化させる
ものであるか否かを調べるために、インドメタシンの存
在下調製されたCHS-MLV(第8.1.1節参照のこと。)が前
述したようにして凍結エッチング電子顕微鏡に関して調
査分析された。凍結エッチング電子顕微鏡において、低
拡大条件下、「空の[empty]」CHS-MLVは、含有された
インドメタシンを有するCHS-MLVと区別がつかなかっ
た。すなわち、このものが、このものあるいは他のもの
に対して独特であるとして識別できる明らかな特色がな
かった。しかしながら、高拡大条件下では、インドメタ
シンを含有するCHS-MLVの「二重層」は検知できる。イ
ンドメタシンは水不溶性薬剤でありかつエタノール,エ
ーテル,アセトン,および他の非極性溶媒に可溶である
ので、脂質の存在において、インドメタシンは水から隔
離されるように配置されるであろう。電子顕微鏡によっ
て観察された二重層の調査は、二重層の厚さは、交差破
砕において変わることかを示していた。これは、インド
メタシンが、実際に二重層の脂質部位に分配され、これ
によって付加的な厚みと非常に不均一な配列を与えるら
しいことを提唱するものてであった。すなわち、厚さ
は、1つの二重層が破砕ラインに沿って追跡された際に
変化した。この結果は、薬剤が二重層の脂質部位に隔離
されるような溶解性を有するそれらの薬剤におそらく固
有のものである。
8.2 コレステロールヘミサクシネート−SUV中に捕捉さ
れたジアゼパム 鎮静剤またはトランキライザーの1つであるジアゼパ
ム(すなわち、ヴァリアム[Valium])は、クロロホル
ム,ベンゼン,アセトンおよびアルコールに可溶である
が、水にはほんのわずか溶解するにすぎない。
れたジアゼパム 鎮静剤またはトランキライザーの1つであるジアゼパ
ム(すなわち、ヴァリアム[Valium])は、クロロホル
ム,ベンゼン,アセトンおよびアルコールに可溶である
が、水にはほんのわずか溶解するにすぎない。
ジアゼパムを取込むCHS-SUVは、次のようにして調製
された。ジアゼパム2,3,4または5mgが3H−ジアゼパム
(76.7Ci/mmol,ニューイングランドヌクレア,ボスト
ン,マサチューセッツ州)5μlを含んでいる試験管へ
添加された。該薬剤を溶解するのに十分な量のメタノー
ル(最大2mlのメタノール)がそれぞれの試験管に加え
られた。混合物は次に薄いフィルムになるまで回転蒸発
され、そしてすべてのメタノールの除去を保証するため
に一晩真空下で乾燥された。乾燥フィルムは音波処理化
CHS-SUV(CHS50,100,または200mg/mlを用いて以下に述
べるようにして調製された。)の懸濁液1ml中に再懸濁
液され、ガラス製ビーズを用いて旋回混合し、そして0.
22μmミリポア[Millipore]フィルター(ミリポアコ
ーポレーション[Millipore Corp.],ニューヨーク,
ニューヨーク州)を用いて濾過された。
された。ジアゼパム2,3,4または5mgが3H−ジアゼパム
(76.7Ci/mmol,ニューイングランドヌクレア,ボスト
ン,マサチューセッツ州)5μlを含んでいる試験管へ
添加された。該薬剤を溶解するのに十分な量のメタノー
ル(最大2mlのメタノール)がそれぞれの試験管に加え
られた。混合物は次に薄いフィルムになるまで回転蒸発
され、そしてすべてのメタノールの除去を保証するため
に一晩真空下で乾燥された。乾燥フィルムは音波処理化
CHS-SUV(CHS50,100,または200mg/mlを用いて以下に述
べるようにして調製された。)の懸濁液1ml中に再懸濁
液され、ガラス製ビーズを用いて旋回混合し、そして0.
22μmミリポア[Millipore]フィルター(ミリポアコ
ーポレーション[Millipore Corp.],ニューヨーク,
ニューヨーク州)を用いて濾過された。
CHS-SUVは以下の処方に基づき調製された。トリス−
塩CHS50,100または200mgが0.01Mトリス−HCl(pH7.3),
0.14M NaCl緩衝溶液1.0mlと旋回混合された。プローブ
音波処理器を用いて、混合物は、550nmの波長で計測し
た約0.40の光学密度(すなわち「透明な」溶液)となる
まで音波処理され、そして次に音波処理器のプローブの
先端からとれたかもしれないチタンを除去するために1,
000×gで遠心分離された。CHS-SUVの懸濁液は次に試験
管からデカンテーションされた。
塩CHS50,100または200mgが0.01Mトリス−HCl(pH7.3),
0.14M NaCl緩衝溶液1.0mlと旋回混合された。プローブ
音波処理器を用いて、混合物は、550nmの波長で計測し
た約0.40の光学密度(すなわち「透明な」溶液)となる
まで音波処理され、そして次に音波処理器のプローブの
先端からとれたかもしれないチタンを除去するために1,
000×gで遠心分離された。CHS-SUVの懸濁液は次に試験
管からデカンテーションされた。
音波処理化CHS-SUVによって捕捉され得たジアゼパム
の相対量は、サンプルの「標準」調製物との比較によっ
て測定された。「標準」調製物は、、放射線標準化ジア
ゼパムのみを添加する(すなわち、ジアゼパム2〜5mg
はCHS-SUV標準調製からは除外された。)以外はサンプ
ルと同様の方法において調製された。いずれの場合にお
いても、濾過された懸濁液の10μlアリコット中に含ま
れる放射能はシンチレーション流体10ml中でカウントさ
れた。結果は第4表に示される。
の相対量は、サンプルの「標準」調製物との比較によっ
て測定された。「標準」調製物は、、放射線標準化ジア
ゼパムのみを添加する(すなわち、ジアゼパム2〜5mg
はCHS-SUV標準調製からは除外された。)以外はサンプ
ルと同様の方法において調製された。いずれの場合にお
いても、濾過された懸濁液の10μlアリコット中に含ま
れる放射能はシンチレーション流体10ml中でカウントさ
れた。結果は第4表に示される。
結果は、CHS100mg/mlおよび200mg/mlは、用いられた
ジアゼパムの最高濃度である100%を捕捉することを示
すものである。CHS100mg/mlおよび200mg/mlは共に十分
にジアゼパムを捕捉するゆえ、100mg/mlがジアゼパムの
捕捉に関するCHSのより理想的な濃度である。
ジアゼパムの最高濃度である100%を捕捉することを示
すものである。CHS100mg/mlおよび200mg/mlは共に十分
にジアゼパムを捕捉するゆえ、100mg/mlがジアゼパムの
捕捉に関するCHSのより理想的な濃度である。
9.実施例:血清中のアミノグリコシド濃度を測定するた
めのコレステロールヘミサクシネートリポソームの使用 かなりの低濃度のCHS−ベシクル(1μg/mgCHS未満)
がリン酸緩衝化食塩水(PBS)中の懸濁液から赤血球細
胞(RBC)を強く凝集したこのが観察された。CHS−ベシ
クルはCa++および他のカチオン、例えばアミノグリコシ
ド抗生物質類などにより沈澱されるので、CHS−ベシク
ルは、 (a)CHS−ベシクルの固定量が沈澱される抗生物質
を含む血清の希釈度を測定し、そして (b)抗生物質含有血清への添加の後に沈澱されてい
ない残存する遊離ベシクルの濃度を赤血球凝集滴定によ
り測定する、 ことで血清中のアミノグリコシド抗生物質の濃度を測定
することに用いられ得る。
めのコレステロールヘミサクシネートリポソームの使用 かなりの低濃度のCHS−ベシクル(1μg/mgCHS未満)
がリン酸緩衝化食塩水(PBS)中の懸濁液から赤血球細
胞(RBC)を強く凝集したこのが観察された。CHS−ベシ
クルはCa++および他のカチオン、例えばアミノグリコシ
ド抗生物質類などにより沈澱されるので、CHS−ベシク
ルは、 (a)CHS−ベシクルの固定量が沈澱される抗生物質
を含む血清の希釈度を測定し、そして (b)抗生物質含有血清への添加の後に沈澱されてい
ない残存する遊離ベシクルの濃度を赤血球凝集滴定によ
り測定する、 ことで血清中のアミノグリコシド抗生物質の濃度を測定
することに用いられ得る。
いずれの立場においても、抗生物質の正確な量は抗生
物質の既知濃度から導き出された標準曲線での比較を行
なうことにより得られうる。基礎実験は以下に述べられ
る。
物質の既知濃度から導き出された標準曲線での比較を行
なうことにより得られうる。基礎実験は以下に述べられ
る。
すなわち、PBS中の硫酸ゲンタマイシン(1mg/ml)24
μlが血清中に連続的に希釈された(すなわち、血清の
25μlアリコット)。次に0.01M トリス−HCl(pH7.
3)、0.14M NaCl緩衝溶液中で25mg/mlの濃度で、pH7.4
でトリス−塩CHSを音波処理することによって調製され
たCHS−ユニラメラベシクルの24μlアリコットがそれ
ぞれのサンプルに添加された。
μlが血清中に連続的に希釈された(すなわち、血清の
25μlアリコット)。次に0.01M トリス−HCl(pH7.
3)、0.14M NaCl緩衝溶液中で25mg/mlの濃度で、pH7.4
でトリス−塩CHSを音波処理することによって調製され
たCHS−ユニラメラベシクルの24μlアリコットがそれ
ぞれのサンプルに添加された。
室温で10分間経過の後、それぞれの混合物の混濁度が
記録された。50μgあるいはそれ以上のゲンタマイシン
を含む混合物のみが、視認できる沈澱を示し、CHSベシ
クルがゲンタマイシンと相互作用したことを示した。
記録された。50μgあるいはそれ以上のゲンタマイシン
を含む混合物のみが、視認できる沈澱を示し、CHSベシ
クルがゲンタマイシンと相互作用したことを示した。
次に沈澱した物質は、ペレット化されそして上澄み液
は、ニワトリ赤血球細胞を用いての赤血球凝集によるCH
S-SUVの濃度を測定するために用いられた。赤血球凝集
検定は、96U型ミクロウェルプレート[96U-shaped micr
owell plate]中でPBS50μlにベシクル懸濁液を連続的
に希釈し、そして次にPBS中の0.5%RBC40μlをそれぞ
れのくぼみに加えることにより行なわれた。4℃で60分
間経過の後、赤血球凝集は反転鏡を用いて観察された。
比較対象(CHSベシクルの存在しないRBC)は全く赤血球
凝集を示さなかった。予備実験において濁りを起こした
ものを除いた、CHSを含むすべてのサンプルはRBCを強く
赤血球凝集した。この結果は、CHSのみを含む比較対照
の懸濁液と比較して、かなり少量のベシクルが赤血球凝
集に有効であるために、CHSベシクルがゲンタマイシン
と相互作用したことを示すものであった。
は、ニワトリ赤血球細胞を用いての赤血球凝集によるCH
S-SUVの濃度を測定するために用いられた。赤血球凝集
検定は、96U型ミクロウェルプレート[96U-shaped micr
owell plate]中でPBS50μlにベシクル懸濁液を連続的
に希釈し、そして次にPBS中の0.5%RBC40μlをそれぞ
れのくぼみに加えることにより行なわれた。4℃で60分
間経過の後、赤血球凝集は反転鏡を用いて観察された。
比較対象(CHSベシクルの存在しないRBC)は全く赤血球
凝集を示さなかった。予備実験において濁りを起こした
ものを除いた、CHSを含むすべてのサンプルはRBCを強く
赤血球凝集した。この結果は、CHSのみを含む比較対照
の懸濁液と比較して、かなり少量のベシクルが赤血球凝
集に有効であるために、CHSベシクルがゲンタマイシン
と相互作用したことを示すものであった。
10,実施例:コレステロールヘミサクシネートリポソー
ムの生体内投与 以下の分節は、本発明のコレステロールヘミサクシネ
ートリポソームを用いての生物学的活性物質の生体内投
与に関する方法および組成物を述べるものである。
ムの生体内投与 以下の分節は、本発明のコレステロールヘミサクシネ
ートリポソームを用いての生物学的活性物質の生体内投
与に関する方法および組成物を述べるものである。
捕捉された生物学的活性物質の医学的効果が測定さ
れ、そして選択された臓器での薬剤分布が適当なもので
追跡された。
れ、そして選択された臓器での薬剤分布が適当なもので
追跡された。
10,1 コレステロールヘミサクシネートリポソーム中に
捕捉されたインドメタシンを用いての関節炎の治療 雄の白色ニュージランドウサギ(2〜2.5Kg)が、フ
ロイント完全アジュバンド中で乳化された20mg/mlウシ
血清アルブミン(BSA)(マイルズ ラボラトリーズ[M
iles Laboratories],エルクハート,インディアナ
州)1mlを用いて2週間間隔で2回皮内に免疫された。
第3週目に、ウサギは関節炎を起こさせるために右膝関
節中へ食塩水1.0ml中BSA10mlの単回関節内注射を受け
た。左膝関節は比較対照として取扱われた。関節の直径
は、0.01mm精度のフォウラー[fowler]ダイアル式カリ
パスを用いて計測された。BSAを注入された関節は膨脹
し、そして代表的には比較対照関節よりも3〜4mm大き
く計測された。第4週目において、ウサギは、関節炎を
起こさせるために、食塩水中のBSAの別の関節内注射を
受けた。
捕捉されたインドメタシンを用いての関節炎の治療 雄の白色ニュージランドウサギ(2〜2.5Kg)が、フ
ロイント完全アジュバンド中で乳化された20mg/mlウシ
血清アルブミン(BSA)(マイルズ ラボラトリーズ[M
iles Laboratories],エルクハート,インディアナ
州)1mlを用いて2週間間隔で2回皮内に免疫された。
第3週目に、ウサギは関節炎を起こさせるために右膝関
節中へ食塩水1.0ml中BSA10mlの単回関節内注射を受け
た。左膝関節は比較対照として取扱われた。関節の直径
は、0.01mm精度のフォウラー[fowler]ダイアル式カリ
パスを用いて計測された。BSAを注入された関節は膨脹
し、そして代表的には比較対照関節よりも3〜4mm大き
く計測された。第4週目において、ウサギは、関節炎を
起こさせるために、食塩水中のBSAの別の関節内注射を
受けた。
CHS270.0mgおよびインドメタシン10mgを用いて第8,1
節において述べられたようにして、CHS-MLVが調製さ
れ、インドメタシンの最終濃度1.0mg/mlを得た。炎症誘
導の3日間後、BSAを注入された動物はCHS-ベシクル中
に捕捉されたインドメタシン1mg/mlの単回関節内注射を
受けた(全投与量1mg/動物)。関節膨脹は他の10日間計
測された。
節において述べられたようにして、CHS-MLVが調製さ
れ、インドメタシンの最終濃度1.0mg/mlを得た。炎症誘
導の3日間後、BSAを注入された動物はCHS-ベシクル中
に捕捉されたインドメタシン1mg/mlの単回関節内注射を
受けた(全投与量1mg/動物)。関節膨脹は他の10日間計
測された。
第5図にグラフ的に図示された結果は、CHS-MLV中に
捕捉されたインドメタシンは関節内投与された際に関節
膨脹を減少させることに有効であることを示す。
捕捉されたインドメタシンは関節内投与された際に関節
膨脹を減少させることに有効であることを示す。
10,2 コレステロールヘミサクシネートSUV中に捕捉さ
れたジアゼパムの生体内投与 マウスは、第8,2節において述べたようにして調製さ
れたCHS-SUV中に捕捉されたジアゼパムの500μg/Kg(体
重)を静脈内にあるいは筋内に接種された。該ジアゼパ
ムは、捕捉された薬剤の活性の保持を示すものであるマ
ウスにおける鎮静効果(マウスは接種後に睡眠におちい
る。)を有していた。
れたジアゼパムの生体内投与 マウスは、第8,2節において述べたようにして調製さ
れたCHS-SUV中に捕捉されたジアゼパムの500μg/Kg(体
重)を静脈内にあるいは筋内に接種された。該ジアゼパ
ムは、捕捉された薬剤の活性の保持を示すものであるマ
ウスにおける鎮静効果(マウスは接種後に睡眠におちい
る。)を有していた。
10,2,1 静脈内接種後の臓器分布 捕捉されたジアゼパムを含有するCHS-SUVは、第8.2節
において述べられるようにして調製された。浴型音波処
理器における音波処理の後、550nmの波長で計測された
懸濁液の吸光度は0.370であった。次にCHS-SUV懸濁液の
44.2μlアリコットが、14C−ジアゼパム(比活性は、
エタノール中の100μCi/mlとして供給された181μCi/mg
に等しい。)の40μCiが窒素条件下乾燥されたものであ
るガラス製試験管中へ添加された。5分間の旋回混合の
後、0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14M NaCl緩衝溶液1.
282mlが該溶液中へ添加され、ジアゼパム0.167mg/μl
のマウスに対する治療学的投与量を生じる、懸濁液の30
倍希釈物を得た。
において述べられるようにして調製された。浴型音波処
理器における音波処理の後、550nmの波長で計測された
懸濁液の吸光度は0.370であった。次にCHS-SUV懸濁液の
44.2μlアリコットが、14C−ジアゼパム(比活性は、
エタノール中の100μCi/mlとして供給された181μCi/mg
に等しい。)の40μCiが窒素条件下乾燥されたものであ
るガラス製試験管中へ添加された。5分間の旋回混合の
後、0.01Mトリス−HCl(pH7.3),0.14M NaCl緩衝溶液1.
282mlが該溶液中へ添加され、ジアゼパム0.167mg/μl
のマウスに対する治療学的投与量を生じる、懸濁液の30
倍希釈物を得た。
CHS-SUV-14C−ジアゼパム懸濁液の0.1mlアリコットが
意識のある拘束された35mgスイスウェブスター[Swiss-
Webster]マウスの尾静脈中へ注射された。比較対照マ
ウスは、等価投与量の捕捉されていない14C−ジアゼパ
ムを同様に接種された。注入後1,2または5時間目に、
マウスは脊髄脱臼により犠牲とされそして内蔵(腎臓,
肺,脾臓,肝臓,腸,脳,心臓,膵臓および脂肪)およ
び血液サンプルが除去された。臓器は計量されそしてそ
れぞれの小さなサンプル(20〜40μg)がマイムとコー
ベルグ[Mahim and Kohberg]の方法(1966年,アナリ
ティカル バイオケミカリー16:500[1966,Analytical
Biochem,16:500])によって消化されそして脱色され
た。サンプルは次に、化学ルミネッセンスが放射能計測
前に静まることをなさせるために、5日間暗順応され
た。
意識のある拘束された35mgスイスウェブスター[Swiss-
Webster]マウスの尾静脈中へ注射された。比較対照マ
ウスは、等価投与量の捕捉されていない14C−ジアゼパ
ムを同様に接種された。注入後1,2または5時間目に、
マウスは脊髄脱臼により犠牲とされそして内蔵(腎臓,
肺,脾臓,肝臓,腸,脳,心臓,膵臓および脂肪)およ
び血液サンプルが除去された。臓器は計量されそしてそ
れぞれの小さなサンプル(20〜40μg)がマイムとコー
ベルグ[Mahim and Kohberg]の方法(1966年,アナリ
ティカル バイオケミカリー16:500[1966,Analytical
Biochem,16:500])によって消化されそして脱色され
た。サンプルは次に、化学ルミネッセンスが放射能計測
前に静まることをなさせるために、5日間暗順応され
た。
この実験の結果は第6図に示される。CHS-SUVに捕捉
されたジアゼパムを接種されたマウスにおいては、薬剤
は、脾臓中には蓄積しておらず、CHS-SUV中に捕捉され
たジアゼパムは、リン脂質リソームに捕捉された薬剤が
静脈内的に生体内投与された際と同様の挙動をしないこ
とを示している。
されたジアゼパムを接種されたマウスにおいては、薬剤
は、脾臓中には蓄積しておらず、CHS-SUV中に捕捉され
たジアゼパムは、リン脂質リソームに捕捉された薬剤が
静脈内的に生体内投与された際と同様の挙動をしないこ
とを示している。
10.3 コレステロールヘミサクシネート−MLV中に捕捉
されたクロムの生体内投与 CHSベシクルが、生体内投与された際に、そのまま残
存するか否かを測定するために、遊離水性標識の臓器分
布が、CHSベシクル中に捕捉された水性標識の臓器分布
と比較して、マウスへの静脈内注射の後に測定された。
このために、捕捉されていない51クロム(51Cr),CHS-M
LV中に捕捉された51Crおよびリン脂質ベシクル中に捕捉
されたCr51の臓器分配が比較された。追随する処方は次
の通りである。
されたクロムの生体内投与 CHSベシクルが、生体内投与された際に、そのまま残
存するか否かを測定するために、遊離水性標識の臓器分
布が、CHSベシクル中に捕捉された水性標識の臓器分布
と比較して、マウスへの静脈内注射の後に測定された。
このために、捕捉されていない51クロム(51Cr),CHS-M
LV中に捕捉された51Crおよびリン脂質ベシクル中に捕捉
されたCr51の臓器分配が比較された。追随する処方は次
の通りである。
(a)捕捉されていない51C 51Crは殺菌0.9%食塩水中
の51CrO2 --(ニューイングランドヌクレア,ニュート
ン,マサチューセッツ州)として供給される。51Cr注射
剤は、0.9%食塩水中の51Cr100μlを0.01Mトリス−HC
l,pH7.3,0.14NaCl,5%デキストロースを用いて最終容量
1.5mlへ希釈することで調製された。雄の40gスイスウェ
ブスターマウスス16匹がそれぞれ尾静脈を介して0.1ml
(約700,000cpm)の静脈内注射を受けた。
の51CrO2 --(ニューイングランドヌクレア,ニュート
ン,マサチューセッツ州)として供給される。51Cr注射
剤は、0.9%食塩水中の51Cr100μlを0.01Mトリス−HC
l,pH7.3,0.14NaCl,5%デキストロースを用いて最終容量
1.5mlへ希釈することで調製された。雄の40gスイスウェ
ブスターマウスス16匹がそれぞれ尾静脈を介して0.1ml
(約700,000cpm)の静脈内注射を受けた。
(b)CHS-MLV中の51Crは、極微量の51Cr(殺菌0.9%食
塩水中の51CrO2 --)を含有する0.01MトリスHCl,pH7.3,
0.14M NaCl,5%デキストロース中に、乾燥トリス−塩CH
S粉末を溶解することによって調製された。混合物は旋
回混合され、そしてすぐ後に30分間音波処理された。前
記したように遠心分離によるペレット化および3度洗浄
した後に、最終的ペレットはCHS10mg/mlの最終濃度に再
懸濁され、そしてニコップ準弾性光散乱分析[Nicop qu
esielastic light scattering analysis]によって直径
1ミクロンで計られた。雄の40gスイスウェブスターマ
ウス12匹がそれぞれ尾静脈を介して0.1ml(約120,000cp
m)の静脈内注射を受けた。
塩水中の51CrO2 --)を含有する0.01MトリスHCl,pH7.3,
0.14M NaCl,5%デキストロース中に、乾燥トリス−塩CH
S粉末を溶解することによって調製された。混合物は旋
回混合され、そしてすぐ後に30分間音波処理された。前
記したように遠心分離によるペレット化および3度洗浄
した後に、最終的ペレットはCHS10mg/mlの最終濃度に再
懸濁され、そしてニコップ準弾性光散乱分析[Nicop qu
esielastic light scattering analysis]によって直径
1ミクロンで計られた。雄の40gスイスウェブスターマ
ウス12匹がそれぞれ尾静脈を介して0.1ml(約120,000cp
m)の静脈内注射を受けた。
(c)EPC-SPLV中の51Crは、関連により本明細書中に組
込まれる、「安定なプルリラメラベシクル、その調製お
よび使用」と題されたレンクら[Lenk et al.]によっ
て1983年3月24日に出願された同時係属出願一連番号第
476,496号中に詳述に述べられる一般的方法によって調
製された。このために、卵ホスファチジルコリン(EP
C)65mgをクロロホルム中に溶解しそしてフィルムを形
成するようにEPCを乾燥させることによって、バッチ5ml
が調製された。フィルムは、エーテル10ml中に再懸濁さ
れ、そして、0.9%食塩水(pH8)中の51CrO2 --0.3mlが
加えられた。混合物は、次に音波処理により乳化され、
一方同時にN2ガス条件下でエーテルを蒸発した。得られ
た安定なプルリラメラベシクル(SPLV)は0.01Mトリス
−HCl,pH7.3、0.14M NaCl、5%デキストロース5ml中に
再懸濁され、そして遠心分離によりペレット化された。
ペレットは捕捉されていない51Crを除去するために3度
洗浄され、そして最終的ペレットは0.01Mトリス−HCl,p
H7.3、0.14M NaCl、5%デキストロース5ml中に再懸濁
された。EPCの最終濃度は13mg/mlであった。雄の40gス
イスウェブスターマウス12匹は、それぞれ尾静脈を介し
て0.1ml(約100,000cpm)の静脈内注射を受けた。
込まれる、「安定なプルリラメラベシクル、その調製お
よび使用」と題されたレンクら[Lenk et al.]によっ
て1983年3月24日に出願された同時係属出願一連番号第
476,496号中に詳述に述べられる一般的方法によって調
製された。このために、卵ホスファチジルコリン(EP
C)65mgをクロロホルム中に溶解しそしてフィルムを形
成するようにEPCを乾燥させることによって、バッチ5ml
が調製された。フィルムは、エーテル10ml中に再懸濁さ
れ、そして、0.9%食塩水(pH8)中の51CrO2 --0.3mlが
加えられた。混合物は、次に音波処理により乳化され、
一方同時にN2ガス条件下でエーテルを蒸発した。得られ
た安定なプルリラメラベシクル(SPLV)は0.01Mトリス
−HCl,pH7.3、0.14M NaCl、5%デキストロース5ml中に
再懸濁され、そして遠心分離によりペレット化された。
ペレットは捕捉されていない51Crを除去するために3度
洗浄され、そして最終的ペレットは0.01Mトリス−HCl,p
H7.3、0.14M NaCl、5%デキストロース5ml中に再懸濁
された。EPCの最終濃度は13mg/mlであった。雄の40gス
イスウェブスターマウス12匹は、それぞれ尾静脈を介し
て0.1ml(約100,000cpm)の静脈内注射を受けた。
1,2,5および24時間後に、リポソーム調製物で処理さ
れたそれぞれのグループから3匹のマウスおよび捕捉さ
れていない51Crで処理されたグループから4匹のマウス
が脊髄脱臼により犠牲とされた。臓器が除去され、0.9
%食塩水ですすがれ、計量されそして試験されたそれぞ
れの臓器中に残存する投与量のパーセンテージおよび投
与量/グラムのパーセンテージを測定するために前記し
たようにしてカウントされた。
れたそれぞれのグループから3匹のマウスおよび捕捉さ
れていない51Crで処理されたグループから4匹のマウス
が脊髄脱臼により犠牲とされた。臓器が除去され、0.9
%食塩水ですすがれ、計量されそして試験されたそれぞ
れの臓器中に残存する投与量のパーセンテージおよび投
与量/グラムのパーセンテージを測定するために前記し
たようにしてカウントされた。
第7図に示す結果は、捕捉されていないクロム(第7C
図参照)は迅速に排泄され、試験されたいずれの臓器中
にも集中していないことを実証する。EPCおよびCHSに捕
捉されたクロムは、注射の24時間後に計測しうる値をと
どめており、CHSベシクルが、EPC-SPLVと同様に、生体
内にそのままとどまることを示していた。さらに、0.5
〜1.0ミクロン間の平均直径を有するEPC-SPLV(13mg/m
l)は、肝臓,肺および脾臓中に蓄積され(第7B図参
照)、すなわちリポソーム分布の代表的パターンを示
す。等モルのCHSベシクルは主に肝臓中に蓄積され、そ
して肺および脾臓にはかなりより少ない程度であった
(第7A図参照)。2種のリポソーム調製物の生体内の分
布パターンによる違いが示される。
図参照)は迅速に排泄され、試験されたいずれの臓器中
にも集中していないことを実証する。EPCおよびCHSに捕
捉されたクロムは、注射の24時間後に計測しうる値をと
どめており、CHSベシクルが、EPC-SPLVと同様に、生体
内にそのままとどまることを示していた。さらに、0.5
〜1.0ミクロン間の平均直径を有するEPC-SPLV(13mg/m
l)は、肝臓,肺および脾臓中に蓄積され(第7B図参
照)、すなわちリポソーム分布の代表的パターンを示
す。等モルのCHSベシクルは主に肝臓中に蓄積され、そ
して肺および脾臓にはかなりより少ない程度であった
(第7A図参照)。2種のリポソーム調製物の生体内の分
布パターンによる違いが示される。
10.4 コレステロールヘミサクシネートMLV中に捕捉さ
れたヒト成長ホルモンの生体内投与 125I−ヒト成長ホルモン(HGHニューイングランド,
ヌクレア,ボストン,マサチューセッツ州)を取込んだ
CHS−マルチラメラベシクルは以下のようにして調製さ
れた。トリス−塩CHSが、125I‐HGH(ニューイングラン
ドヌクレア,ボストン,マサチューセッツ州)1μCi/m
lを含有する0.01Mトリス−HCl,0.14M NaCl緩衝溶液(pH
7.4)中へ、トリス−塩CHS最終濃度25mg/mlを得るよう
に添加された。この懸濁液はガラス製ビーズを用いて旋
回混合された。得られたCHS-MLVは、最初の放射能カウ
ント数と比較することにより測定して125I‐HGHの10%
を捕捉していた。
れたヒト成長ホルモンの生体内投与 125I−ヒト成長ホルモン(HGHニューイングランド,
ヌクレア,ボストン,マサチューセッツ州)を取込んだ
CHS−マルチラメラベシクルは以下のようにして調製さ
れた。トリス−塩CHSが、125I‐HGH(ニューイングラン
ドヌクレア,ボストン,マサチューセッツ州)1μCi/m
lを含有する0.01Mトリス−HCl,0.14M NaCl緩衝溶液(pH
7.4)中へ、トリス−塩CHS最終濃度25mg/mlを得るよう
に添加された。この懸濁液はガラス製ビーズを用いて旋
回混合された。得られたCHS-MLVは、最初の放射能カウ
ント数と比較することにより測定して125I‐HGHの10%
を捕捉していた。
雄のスイスウェブスターマウス12匹のグループは、CH
S-MLVに捕捉された125I‐HGHの懸濁液0.5mlを後肢に筋
内的に注射された。マウス12匹の比較対象グループは、
0.01Mトリス−HCl、0.14M NaCl緩衝溶液中の遊離125I‐
HGH0.5mlを注射された。双方のグループのそれぞれの動
物は、約35,000cpm/動物を受けた。注射後の週期的間隔
で、マウスは犠牲とされ、後肢が解剖され、そして残存
する全放射能のパーセンテージが測定された。第5表の
データは、CHS-MLV中へ取込まれた場合、125I‐HGHの保
持が実質的に増加することを実証する。これゆえ、筋内
的に注射される場合、CHS−リポソームに捕捉された薬
剤は、持続様式で解放される。
S-MLVに捕捉された125I‐HGHの懸濁液0.5mlを後肢に筋
内的に注射された。マウス12匹の比較対象グループは、
0.01Mトリス−HCl、0.14M NaCl緩衝溶液中の遊離125I‐
HGH0.5mlを注射された。双方のグループのそれぞれの動
物は、約35,000cpm/動物を受けた。注射後の週期的間隔
で、マウスは犠牲とされ、後肢が解剖され、そして残存
する全放射能のパーセンテージが測定された。第5表の
データは、CHS-MLV中へ取込まれた場合、125I‐HGHの保
持が実質的に増加することを実証する。これゆえ、筋内
的に注射される場合、CHS−リポソームに捕捉された薬
剤は、持続様式で解放される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポペスク、マーシー シー アメリカ合衆国 ニユージヤージー州 08536 プレインスボーロ パークウエイ アベニユー 5 (72)発明者 ウエイナー、アラン エル アメリカ合衆国 ニユージヤージー州 08536 プレインスボーロ フオツクス ラン ドライブ 39―06 (72)発明者 ボルクサク、ルイズ イー アメリカ合衆国 ニユージヤージー州 08648 ローレンスヴイール タワープレ イス 11 (72)発明者 トウレムブレイ、ポール エイ アメリカ合衆国 ニユージヤージー州 08619 ハミルトン ノツチンガム ウエ イ 2633 (56)参考文献 特開 昭51−113417(JP,A)
Claims (64)
- 【請求項1】ステロールのジカルボン酸類、ポリカルボ
ン酸類、ヒドロキシ酸類、アミノ酸類及びポリアミノ酸
類から選択される有機酸誘導体の、1価の対イオンとの
塩形態を含有する完全に閉鎖された二重層を含むステロ
イドリポソーム。 - 【請求項2】ステロールのジカルボン酸類、ポリカルボ
ン酸類、ヒドロキシ酸類、アミノ酸類及びポリアミノ酸
類から選択される有機酸誘導体の、1価の対イオンとの
塩形態を含有する完全に閉鎖された二重層を含み、更に
生物学的活性物質を含有するステロイドリポソーム。 - 【請求項3】リポソームがマルチラメラベシクルである
特許請求の範囲第2項記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項4】リポソームがユニラメラベシクルである特
許請求の範囲第2項記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項5】ステロールの有機酸誘導体の塩形態がトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩形態、2−アミ
ノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩形態、2−
アミノエタノール塩形態、ビス−トリス−プロパン塩形
態、トリエタノールアミン塩形態のいずれかの塩形態を
含有するものである特許請求の範囲第2項、第3項また
は第4項記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項6】塩がイオン化され得る生物学的活性物質か
ら誘導されるものである特許請求の範囲第2項、第3項
または第4項記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項7】イオン化され得る生物学的物質がミコナゾ
ールである特許請求の範囲第6項に記載のステロイドリ
ポソーム。 - 【請求項8】ジカルボン酸が脂肪族カルボン酸である特
許請求の範囲第2項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項9】脂肪族ジカルボン酸が7個以下の炭素原子
を含むものである特許請求の範囲第8項に記載のステロ
イドリポソーム。 - 【請求項10】脂肪族ジカルボン酸がコハク酸である特
許請求の範囲第9項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項11】脂肪族ジカルボン酸が7個を超える炭素
原子を含むものである特許請求の範囲第8項に記載のス
テロイドリポソーム。 - 【請求項12】ジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸であ
る特許請求の範囲第2項に記載のステロイドリポソー
ム。 - 【請求項13】ヒドロキシ酸がα−ヒドロキシ酸である
特許請求の範囲第2項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項14】ステロールがコレステロールである特許
請求の範囲第2項、第3項または第4項に記載のステロ
イドリポソーム。 - 【請求項15】ステロールがコレステロールのヘミサク
シネート誘導体のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン塩形態を含有するものである特許請求の範囲第14項
に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項16】ステロールがビタミンDである特許請求
の範囲第2項、第3項または第4項に記載のステロイド
リポソーム。 - 【請求項17】ステロールが植物ステロールである特許
請求の範囲第2項、第3項または第4項に記載のステロ
イドリポソーム。 - 【請求項18】ステロールがステロイドホルモンである
特許請求の範囲第2項、第3項または第4項に記載のス
テロイドリポソーム。 - 【請求項19】生物学的活性物質が、抗細菌性化合物、
抗真菌性化合物、抗ウイルス性化合物および抗寄生虫性
化合物からなる群から選ばれたものである特許請求の範
囲第2項、第3項または第4項に記載のステロイドリポ
ソーム。 - 【請求項20】抗細菌性化合物がチロシン(tylosi
n)、アミノグリコシドまたはゲンタマイシンである特
許請求の範囲第19項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項21】抗真菌性化合物がミコナゾールである特
許請求の範囲第19項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項22】生物学的活性物質が細胞受容体結合化合
物である特許請求の範囲第2項、第3項または第4項に
記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項23】生物学的活性物質が、ホルモン、神経伝
達物質、抗腫瘍性化合物、成長因子および毒素からなる
群から選ばれたものである特許請求の範囲第2項、第3
項または第4項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項24】ホルモンが成長ホルモンである特許請求
の範囲第23項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項25】成長ホルモンがウシ成長ホルモンもしく
はヒト成長ホルモンである特許請求の範囲第24項記載の
ステロイドリポソーム。 - 【請求項26】ホルモンがインスリンである特許請求の
範囲第23項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項27】生物学的活性物質が、ペプチド、タンパ
ク質、糖タンパク質およびリポタンパク質からなる群か
ら選ばれたものである特許請求の範囲第2項、第3項ま
たは第4項に記載のステロイドポソーム。 - 【請求項28】タンパク質が免疫グロブリンである特許
請求の範囲第27項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項29】生物学的活性物質がイムノモジュレータ
ー化合物である特許請求の範囲第2項、第3項または第
4項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項30】生物学的活性物質が触媒および酵素から
なる群から選ばれたものである特許請求の範囲第2項、
第3項または第4項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項31】生物学的活性物質が、染料、放射線標
識、放射線不透化性化合物および蛍光化合物からなる群
から選ばれたものである特許請求の範囲第2項、第3項
または第4項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項32】染料がアルセナゾIIIである特許請求の
範囲第31項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項33】生物学的活性物質が、抗炎症剤、抗緑内
障性化合物、散瞳性化合物、鎮痛剤および麻酔性化合物
からなる群から選ばれたものである特許請求の範囲第2
項、第3項または第4項に記載のステロイドリポソー
ム。 - 【請求項34】抗炎症剤がインドメタシンである特許請
求の範囲第33項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項35】生物学的活性物質が麻薬である特許請求
の範囲第2項、第3項または第4項に記載のステロイド
リポソーム。 - 【請求項36】生物学的活性物質が精神活性物質または
不安解消性物質である特許請求の範囲第2項、第3項ま
たは第4項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項37】不安解消性物質がジアゼパムである特許
請求の範囲第36項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項38】生物学的活性物質がビタミン、核酸もし
くはポリヌクレオチドである特許請求の範囲第2項、第
3項または第4項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項39】ビタミンがα−トコフェロールである特
許請求の範囲第38項に記載のステロイドリポソーム。 - 【請求項40】生物学的活性物質が、単糖類、二糖類お
よび多糖類からなる群から選ばれたものである特許請求
の範囲第2項、第3項または第4項に記載のステロイド
リポソーム。 - 【請求項41】閉鎖されたベシクルを形成し得るステロ
ールのジカルボン酸類、ポリカルボン酸類、ヒドロキシ
酸類、アミノ酸類及びポリアミノ酸類から選択される有
機誘導体の塩形態を完全に閉鎖されたベシクルを形成す
るのに十分な量で、水性相に添加し、そしてマルチラメ
ラベシクルの乳白色の懸濁液が形成されるまで混合物を
振盪することからなるステロールリポソームの調製方
法。 - 【請求項42】ステロールの有機酸誘導体の塩形態が、
トリス(ヒドロキシメチル))アミノメタン塩形態、2
−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩形
態、2−アミノエタノール塩形態、ビス−トリス−プロ
パン塩形態、トリエタノールアミン塩形態のいずれかの
塩形態を含有するものである特許請求の範囲第41項に記
載の方法。 - 【請求項43】ステロールの有機酸誘導体の塩形態がミ
コナゾール塩形態を含有するものである特許請求の範囲
第41項に記載の方法。 - 【請求項44】ジカルボン酸がコハク酸である特許請求
の範囲第41項に記載の方法。 - 【請求項45】ステロールがコレステロールである特許
請求の範囲第41項に記載の方法。 - 【請求項46】コレステロールの有機カルボン酸の塩形
態がコレステロールのヘミサクシネート誘導体のトリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩形態である特許請
求の範囲第41項に記載の方法。 - 【請求項47】水性相は実質的に二価のカチオンが存在
しないものである特許請求の範囲第41項に記載の方法。 - 【請求項48】コレステロールヘミサクシネートが、水
性相1ml当り約4.5mg〜約200mgの範囲で存在するもので
ある特許請求の範囲第46項に記載の方法。 - 【請求項49】水性相へのトリス−塩の添加をさらに有
するものである特許請求の範囲第41項に記載の方法。 - 【請求項50】閉鎖されたベシクルを形成し得るステロ
ールのジカルボン酸類、ポリカルボン酸類、ヒドロキシ
酸類、アミノ酸類及びポリアミノ酸類から選択される有
機誘導体の塩形態を完全に閉鎖されたベシクルを形成す
るのに十分な量で、水性相に添加し、そして得られたマ
ルチラメラベシクルの乳白色の懸濁液を、ユニラメラベ
シクルの懸濁液を形成するために、さらに音波処理する
ものであるステロールリポソームの調製方法。 - 【請求項51】ステロールの有機酸誘導体の塩形態が、
トリス(ヒドロキシメチル))アミノメタン塩形態、2
−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩形
態、2−アミノエタノール塩形態、ビス−トリス−プロ
パン塩形態、トリエタノールアミン塩形態を含有するも
のである特許請求の範囲第50項に記載の方法。 - 【請求項52】ステロールの有機酸誘導体の塩形態がミ
コナゾール塩形態を含有するものである特許請求の範囲
第50項に記載の方法。 - 【請求項53】ジカルボン酸がコハク酸である特許請求
の範囲第50項に記載の方法。 - 【請求項54】ステロールがコレステロールである特許
請求の範囲第50項に記載の方法。 - 【請求項55】コレステロールの有機カルボン酸の塩形
態がコレステロールのヘミサクシネート誘導体のトリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩形態である特許請
求の範囲第50項に記載の方法。 - 【請求項56】水性相は実質的に二価のカチオンが存在
しないものである特許請求の範囲第50項に記載の方法。 - 【請求項57】コレステロールヘミサクシネートが、水
性相1ml当り約4.5mg〜約200mgの範囲で存在するもので
ある特許請求の範囲第55項に記載の方法。 - 【請求項58】水性相へのトリス−塩の添加をさらに有
するものである特許請求の範囲第50項に記載の方法。 - 【請求項59】(a)二重層がコレステロールのヘミサ
クシネート誘導体のトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン塩形態を含有するステロールの有機酸誘導体の塩
形態を含有する完全に閉鎖された二重層を含むステロイ
ドリポソームを血清と混合し、そして、 (b)形成されてくる沈殿物を検知する、 ことからなる血清中のカチオンの検知方法。 - 【請求項60】(c)二重層がコレステロールのヘミサ
クシネート誘導体のトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン塩形態を含有するステロールの有機酸誘導体の塩
形態を含有する完全に閉鎖された二重層を含むステロイ
ドリポソームを既知濃度のカチオンと混合し、 (d)形成されてくる沈殿物を検知し、そして (e)(d)段階での沈殿物の形成を(b)段階で の沈殿物の形成と比較する、 (ここで、(c)ないし(e)段階は、(a)ないし
(b)段階の前に、間あるいは後に行なわれ得る。)こ
とをさらに有するものである特許請求の範囲第59項に記
載の方法。 - 【請求項61】カチオンがアミノグリコシド抗生物質で
ある特許請求の範囲第59項または第60項に記載の方法。 - 【請求項62】(a)二重層がコレステロールのヘミサ
クシネート誘導体のトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン塩形態を含有するステロールの有機酸誘導体の塩
形態を含有する完全に閉鎖された二重層を含むステロイ
ドリポソームを血清と混合し、 (b)形成されてくる沈殿物を除去し、 (c)沈殿物のない該血清のアリコットを既知濃度の赤
血球細胞と混合し、 (d)赤血球細胞の赤血球凝集が起こったかどうかを検
知する、 ことからなる血清中のカチオンの検知方法。 - 【請求項63】(e)二重層がコレステロールのヘミサ
クシネート誘導体のトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン塩形態を含有するステロールの有機酸誘導体の塩
形態を含有する完全に閉鎖された二重層を含むステロイ
ドリポソームを既知濃度のカチオンを含む血清と混合
し、 (f)形成されてくる沈殿物を除去し、 (g)沈殿物のない該血清のアリコットを既知濃度 の赤血球細胞と混合し、 (h)赤血球細胞の赤血球凝集が起こったかどうか を検知し、そして (i)(h)段階の赤血球凝集反応を(d)段階の 赤血球凝集反応と比較する、 (ここで(e)ないし(i)の段階は、(a)ないし
(d)段階の前に、間あるいは後に行なわれ得る。)こ
とをさらに有するものである特許請求の範囲第62項に記
載の方法。 - 【請求項64】カチオンがアミノグリコシド抗生物質で
ある特許請求の範囲第62項または第63項に記載の方法。
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DK175572B1 (da) * | 1987-07-24 | 2004-12-13 | Nexstar Pharmaceuticals Inc | Anvendelse af phospholipidkapsler til indkapsling af et opoid-analgetika |
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1985
- 1985-04-11 JP JP60502090A patent/JPH0832623B2/ja not_active Expired - Fee Related
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