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JPH08319415A - 熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

熱可塑性重合体組成物

Info

Publication number
JPH08319415A
JPH08319415A JP12634195A JP12634195A JPH08319415A JP H08319415 A JPH08319415 A JP H08319415A JP 12634195 A JP12634195 A JP 12634195A JP 12634195 A JP12634195 A JP 12634195A JP H08319415 A JPH08319415 A JP H08319415A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic
thermoplastic polyurethane
weight
polymer composition
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12634195A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunji Kaneda
俊二 金田
Koji Hirai
広治 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP12634195A priority Critical patent/JPH08319415A/ja
Publication of JPH08319415A publication Critical patent/JPH08319415A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (i)熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレ
ン系エラストマー(B)並びにエラストマーに芳香族ビ
ニル化合物およびシアン化合物をグラフト重合して得ら
れる熱可塑性グラフトポリマー(C)を含有する重合体
組成物であって;(ii)(A)〜(C)の合計重量に基
づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を40〜90重量
%、スチレン系エラストマー(B)を5〜35重量%お
よび熱可塑性グラフトポリマー(C)を5〜30重量%
の割合で含有し;そして、(iii) 熱可塑性ポリウレタン
(A)が、ポリエステルジオール、有機ジイソシアネー
トおよび鎖伸長剤の反応により得られた熱可塑性ポリウ
レタンである;熱可塑性重合体組成物。 【効果】 非粘着性で、耐ブロッキング性、離型性に優
れていて、フィルム、シートなどに成形する際に離型紙
を用いなくても円滑に巻き取ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の熱可塑性重合体組
成物、該熱可塑性重合体組成物からなるフィルム、シー
ト、その他の成形品に関する。詳細には、本発明は、非
粘着性で、耐ブロッキング性、離型性に優れていて、フ
ィルム、シートなどに成形する際に離型紙を用いなくて
も円滑に巻き取ることができ、かつ巻き取ったそれらの
製品はブロッキングを生ずることなく円滑に巻き戻すこ
とができる、熱可塑性ポリウレタンから主としてなる熱
可塑性重合体組成物、該熱可塑性重合体組成物からなる
フィルム、シートなどの成形品に関するものであり、本
発明の熱可塑性重合体組成物から得られる上記した成形
品は弾性回復性、柔軟性、力学的特性にも優れていて、
特にフィルムまたはシートは伸縮性フィルムまたはシー
トとして有用である。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンは、高い弾性を有
していて強度が大きく、耐摩耗性、耐薬品性、耐油性、
耐屈曲性などの諸特性にも優れており、しかも通常の熱
可塑性樹脂の成形加工法が適用できることから、従来か
ら種々の分野で広く用いられている。しかしながら、熱
可塑性ポリウレタンは粘着性が強くてブロッキングを起
こし易いことから、押出成形などによってフィルムやシ
ートを製造した場合に単独で巻き取ることが困難であ
り、単独で巻き取った場合には巻き取ったフィルムやシ
ートの巻き戻しが困難であったり不可能になって、使用
できなくなるというのが現状である。このため、非粘着
化、ブロッキング防止、離型性の付与などの目的で、
(a)熱可塑性ポリウレタン中に滑剤を添加する方法、
(b)熱可塑性ポリウレタンに他のポリマーをブレンド
する方法、(c)熱可塑性ポリウレタンのフィルムまた
はシートをシリコーンを含む離型紙またはポリエチレン
やポリプロピレンをラミネートした離型紙などの上に製
膜して離型紙などと一緒に巻き取る方法などが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(a)の方法による場合は、ブロッキング防止効果や離
型効果を発現させるためには多量の滑剤の配合が必要が
あり、その結果、製品の表面に滑剤がブリードアウトし
て表面に多数の凹凸が生じて平滑性が失われるという欠
点がある。また上記(b)の方法による場合は、多量の
ポリマーをブレンドする必要があるため、熱可塑性ポリ
ウレタン本来の特性が失われ易く、特に弾性回復性、柔
軟性および伸度が大きく低下し、しかもフィルムやシー
トなどの成形品の表面荒れが生じて外観が不良になると
いう欠点がある。更に、上記(c)の方法による場合
は、離型紙などを使用する必要があり、そのため成形に
手間がかかり、しかも高価な離型紙などを使用するので
コストが高くなるという欠点がある。
【0004】本発明の目的は、熱可塑性ポリウレタンが
本来有している優れた特性、特に弾性回復性、柔軟性お
よび強伸度などの力学的特性を失わずにそのまま保持し
ていて、しかも多量の滑剤、高価な離型紙などを使用し
なくても粘着やブロッキングを効果的に防止して、物性
や外観的に優れる熱可塑性ポリウレタンのフィルム、シ
ート、その他の成形品を円滑に製造することのできる熱
可塑性ポリウレタンから主としてなる熱可塑性重合体組
成物を提供することである。そして、本発明の他の目的
は、上記した熱可塑性重合体組成物からなるフィルム、
シートなどの成形品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、特定の熱可塑性ポリウ
レタンに対して、スチレン系エラストマー並びにエラス
トマーに芳香族ビニル化合物およびシアン化合物をグラ
フト重合して得られる熱可塑性グラフトポリマーを特定
の割合でブレンドすると、熱可塑性ポリウレタン本来の
優れた特性を有しており、しかも非粘着性、耐ブロッキ
ング性および離型性に優れる熱可塑性重合体組成物が得
られること、この熱可塑性重合体組成物を用いてフィル
ム、シート、その他の成形品を製造した場合には、離型
紙などを使用しなくても、巻き取り、巻き戻しが円滑に
かつ容易に行われること、そしてそこで得られたフィル
ム、シートなどの成形品は弾性回復性、柔軟性および強
伸度などの力学的特性に優れていて、特にフィルムまた
はシートは伸縮性フィルムまたはシートとして有用であ
ることを見出した。更に、本発明者らは、上記した熱可
塑性重合体組成物に対して、更に高級脂肪酸ビスアミド
および無機質充填剤の少なくとも一方を特定の割合で配
合すると、その非粘着性、耐ブロッキング性、離型性が
一層向上することを見出し、それらの知見に基づいて本
発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、(i)熱可塑性ポリ
ウレタン(A)、スチレン系エラストマー(B)並びに
エラストマーに芳香族ビニル化合物およびシアン化合物
をグラフト重合して得られる熱可塑性グラフトポリマー
(C)を含有する重合体組成物であって; (ii)(A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性
ポリウレタン(A)を40〜90重量%、スチレン系エ
ラストマー(B)を5〜35重量%および熱可塑性グラ
フトポリマー(C)を5〜30重量%の割合で含有し;
そして、 (iii) 熱可塑性ポリウレタン(A)が、ポリエステルジ
オール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤の反応に
より得られた熱可塑性ポリウレタンであり;かつ (iv)熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用いた前記ポ
リエステルジオールが、分岐を有する炭素数4〜9のジ
オール成分を全ジオールに対して30〜100重量%の
範囲内で含む数平均分子量1000〜8000のポリエ
ステルジオールである;ことを特徴とする熱可塑性重合
体組成物である。
【0007】そして、本発明は、熱可塑性ポリウレタン
(A)、スチレン系エラストマー(B)および熱可塑性
グラフトポリマー(C)の合計重量に基づいて、更に高
級脂肪酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で
含有するか、および/または無機質充填剤(E)を2〜
5重量%の割合で含有する上記した熱可塑性重合体組成
物を包含する。更に、本発明は、上記の熱可塑性重合体
組成物からなる、フィルム、シートなどの成形品を包含
する。
【0008】本発明の熱可塑性重合体組成物(以下、こ
れを単に「重合体組成物」という)で用いる熱可塑性ポ
リウレタン(A)は、ポリエステルジオール、有機ジイ
ソシアネートおよび鎖伸長剤の反応により得られる熱可
塑性ポリウレタンであって、熱可塑性ポリウレタン
(A)の製造に用いた前記ポリエステルジオールが、分
岐を有する炭素数4〜9のジオール成分(以下、これを
単に「分岐状ジオール成分」という)を全ジオールに対
して30〜100重量%の範囲内で含む数平均分子量1
000〜8000のポリエステルジオールであることが
必要である。
【0009】ポリエステルジオールを形成する上記の分
岐状ジオール成分としては、例えば2−メチル−1,3
−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,8
−オクタンジオールなどが挙げられる。これらの分岐状
ジオール成分は単独で使用しても2種以上を併用しても
よい。分岐状ジオール成分の含有割合が30重量%未満
であるジオール成分とジカルボン酸成分との反応により
得られたポリエステルジオールを用いて製造された熱可
塑性ポリウレタンを使用した場合には、そのような熱可
塑性ポリウレタンに対して、スチレン系エラストマー
(B)および熱可塑性グラフトポリマー(C)を上記し
た割合でブレンドしても、弾性回復性および柔軟性に優
れる重合体組成物および成形品は得られない。また、か
かる場合には、得られる重合体組成物および成形品は耐
寒性に劣る。
【0010】熱可塑性ポリウレタン(A)用のポリエス
テルジオールを構成するジオール成分は、70モル%以
下の割合であれば、上記の分岐状ジオール成分以外の他
のジオール成分を有していてもよい。他のジオール成分
としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタ
ンジオール、1,9−ノナンジオールなどを挙げること
ができ、これらは単独で使用しても、2種以上を併用し
てもよい。
【0011】また、熱可塑性ポリウレタン(A)用のポ
リエステルジオールを構成するジカルボン酸成分として
は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはそ
れらのエステル形成性誘導体のいずれもが使用でき、例
えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、
2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチ
ルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオ
クタン二酸などの炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘
導体などを挙げることができ、これらのジカルボン酸成
分は単独で使用しても、2種以上併用してもよい。その
うちでも、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など
の炭素数6〜10の脂肪族ジカルボン酸またはそれらの
エステル形成性誘導体を使用するのが、本発明の重合体
組成物の弾性回復性、伸度などが良好となり、好まし
い。
【0012】更に、熱可塑性ポリウレタン(A)を製造
するのに用いられる上記したポリエステルジオールは、
数平均分子量が1000〜8000の範囲にあることが
必要である。ポリエステルジオールの数平均分子量が1
000未満であると、重合体組成物の粘着防止効果が十
分ではなく、弾性回復性、耐熱性、耐寒性、強伸度など
が低下し易くなる。一方、ポリエステルジオールの数平
均分子量が8000を超えると、熱可塑性ポリウレタン
の生産性が低下するのみならず、熱可塑性ポリウレタン
の溶融粘度が高いため、それを用いた重合体組成物の製
造および成形加工性の安定性が低下する。非粘着性の成
形品が安定して得られる点から、ポリエステルジオール
の数平均分子量は1000〜6000の範囲が好まし
い。なお、本明細書でいうポリエステルジオールの数平
均分子量は、いずれもJIS K−1557に準拠して
測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量であ
る。
【0013】熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用い
られる上記したポリエステルジオールの製造法は特に制
限されず、上記したジオール成分およびジカルボン酸成
分を用いて、従来既知のエステル交換反応、直接エステ
ル化反応などによって重縮合させて製造することができ
る。その場合に、その重縮合反応を、一般にポリエステ
ル、ポリカーボネート等のエステル系高分子を製造する
際に使用し得ることが知られているチタン系またはスズ
系の重縮合触媒の存在下に行ってもよい。チタン系重縮
合触媒を用いた場合には、重縮合反応の終了後にポリエ
ステルジオールに含まれるチタン系重縮合触媒を失活さ
せておくのが好ましい。チタン系重縮合触媒を失活処理
したポリエステルジオールを用いて熱可塑性ポリウレタ
ン(A)を製造することにより、熱可塑性ポリウレタン
(A)を高温で溶融状態に保っても、熱可塑性ポリウレ
タン(A)を構成しているハードセグメントとソフトセ
グメントとのブロック性の低下が抑制されて、熱可塑性
ポリウレタン(A)が当初有していた耐熱性、弾性回復
性などの諸特性が熱可塑性ポリウレタン(A)を含有す
る重合体組成物から成形品などにおいてそのまま良好に
発揮される。
【0014】チタン系重縮合触媒を用いて製造されたポ
リエステルジオール中に含まれるチタン系エステル化触
媒の失活方法としては、例えば、重縮合反応により得ら
れたポリエステルジオールを加熱条件下に水と接触させ
る方法、ポリエステルジオールをリン酸、リン酸エステ
ル、亜リン酸、亜リン酸エステル等のリン化合物で処理
する方法を挙げることができ、それらのうちでも加熱条
件下に水と接触させる前者の方法が好ましい。水と接触
させてチタン系エステル化触媒を失活させる場合は、重
縮合反応により得られたポリエステルジオールに水を1
重量%以上接触させ、70〜150℃の範囲内、好まし
くは90〜130℃の範囲内で1〜3時間加熱すること
により行う。チタン系エステル化触媒の失活処理は常圧
下で行っても、また加圧下で行ってもよい。チタン系エ
ステル化触媒を失活させた後に系を減圧にすると、失活
に使用した水分を除去することができ、望ましい。
【0015】熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用い
られる有機ジイソシアネートとしては、ポリウレタンの
製造に従来用いられている有機ジイソシアネートのいず
れもが使用でき、その種類は特に制限されないが、分子
量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソ
シアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種また
は2種以上が好ましく使用される。そのうちでも、p−
フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアナートなどが好ましく、
特に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好
ましい。
【0016】また熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に
用いられる鎖伸長剤としては、熱可塑性ポリウレタンの
製造に従来用いられている鎖伸長剤のいずれもが使用で
き、その種類は特に制限されない。そのうちでも、イソ
シアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個
以上有する分子量300以下の低分子化合物、例えば脂
肪族ジオール、脂環式ジオールおよび芳香族ジオールが
好ましく用いられる。好ましい鎖伸長剤の具体例として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、1,6−へキサンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9
−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオ
ール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼンなどを挙げることができ、これらの鎖伸長剤は単独
で用いても2種以上を併用してもよい。
【0017】熱可塑性ポリウレタン(A)としては、上
記したポリエステルジオールと有機ジイソシアネートと
鎖伸長剤とを、有機ジイソシアネートのイソシアネート
基のモル数と高分子ジオールおよび鎖伸長剤が有する水
酸基の合計モル数との比(イソシアネート基モル数/水
酸基モル数)が、0.98〜1.10になるような範囲
内で反応させて得られたものであるのが好ましい。イソ
シアネート基モル数/水酸基モル数の比を上記の範囲に
することによって、得られる熱可塑性ポリウレタン
(A)の諸特性を高い水準に維持でき、また熱可塑性ポ
リウレタン(A)より得られる重合体組成物および成形
品は柔軟性、弾性回復性、力学物性が良好なものとな
る。
【0018】また、熱可塑性ポリウレタン(A)は、そ
の硬度(JIS−A硬度)が60〜85の範囲であるも
のが好ましい。熱可塑性ポリウレタン(A)の硬度が6
0未満である場合には、得られる重合体組成物は力学物
性が劣り、非粘着性を維持するのが難しくなり、好まし
くない。一方、その硬度が85を超える場合には、得ら
れる重合体組成物は柔軟性が不十分となり、好ましくな
い。
【0019】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン
(A)の製造法は特に制限されず、上記したポリエステ
ルジオール、有機ジイソシアネート、鎖伸長剤および必
要に応じて他の成分を使用して、公知のウレタン化反応
技術を利用して、プレポリマー法およびワンショット法
のいずれで製造してもよい。そのうちでも、実質的に無
溶媒下で溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリ
ュー型押出機を用いる連続溶融重合法が好ましい。
【0020】本発明の重合体組成物を構成するスチレン
系エラストマー(B)は、ビニル芳香族化合物と共役ジ
エン化合物とから製造されるブロック共重合体であっ
て、ビニル芳香族化合物から誘導される単位を5〜50
重量%含むものが好ましく、その構造は直鎖状のものが
好ましい。ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、またはこれらのアルキル置換
体、ハロゲン置換体などが使用される。なかでも、特に
スチレンを使用するのが好ましい。ビニル芳香族化合物
から誘導される単位の含有率が50重量%を超えるスチ
レン系エラストマー(B)を使用する場合、熱可塑性ポ
リウレタン(A)との相溶性が低下して分散不良を起こ
し、得られる重合体組成物の柔軟性が低下し易くなり、
好ましくない。一方、ビニル芳香族化合物から誘導され
る単位の含有率が5重量%未満であるスチレン系エラス
トマー(B)を使用する場合、得られる重合体組成物が
与えるフィルムなどの成形品の粘着性が増加して好まし
くない。共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−
1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン
などが挙げられるが、なかでも1,3−ブタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエンを使用するのが好まし
い。
【0021】スチレン系エラストマー(B)は、そのメ
ルトフローレート(MI;200℃、5kg荷重)が3
0g/10分以下であるのが好ましい。メルトフローレ
ートが30g/10分を超えるスチレン系エラストマー
(B)を使用する場合には、熱可塑性ポリウレタン
(A)との分散不良を起こし易く、得られる重合体組成
物が与えるフィルムなどの成形品では粘着性が増加し易
い。また、スチレン系エラストマー(B)の硬度(JI
S−A硬度)は、重合体組成物および成形品の粘着性と
柔軟性の点から30〜80の範囲のものが好ましい。
【0022】本発明の重合体組成物を構成する熱可塑性
グラフトポリマーのグラフト基体となるエラストマーと
しては、−30℃より低い2次転移温度を有するものが
好ましい。また、グラフトモノマーの一つとなる芳香族
ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、またはこれらのアルキル置換体、ハロゲン置換
体などが使用される。なかでも、特にスチレンを使用す
るのが好ましい。またシアン化ビニル化合物としては、
例えばアクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが
使用される。特にアクリロニトリルを使用するのが好ま
しい。
【0023】本発明の重合体組成物を構成する熱可塑性
グラフトポリマーの代表例として、ブタジエン系重合体
のラテックスにアクリロニトリルおよびスチレンの両グ
ラフトモノマーを加えて乳化重合させて得られる共重合
体(以下、これをABS樹脂と総称する)が挙げられ
る。ブタジエン系重合体のラテックスとしては、ポリブ
タジエンラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックスなどが使用される。ABS樹脂における上記の各
成分の割合は、ブタジエン系重合体5〜50重量%、ス
チレン20〜85重量%、アクリロニトリル5〜40重
量%であるのが好ましい。
【0024】また、熱可塑性グラフトポリマーの代表例
として、エチレン−プロピレン系ゴムに芳香族ビニル化
合物およびシアン化ビニル化合物をグラフト重合して得
られる樹脂(以下、これをAES樹脂と略称する)が挙
げられる。エチレン−プロピレン系ゴムとしては、エチ
レン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−
ジエン共重合ゴムなどが用いられる。エチレンとプロピ
レンの使用割合(重量比)は9:1〜2:8の範囲であ
るのが好ましい。また、ジエン単量体としては、アルケ
ニルノルボルネンなどのノルボルネン類、ジシクロペン
タジエンなどの環状ジエン類、ヘキサジエンなどの脂肪
族ジエン類などが使用される。ジエン単量体は単独で使
用しても2種以上を併用してもよい。エチレン−プロピ
レン系ゴムと芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル
化合物のビニル化合物との使用割合(重量比)は5:9
5〜50:50の範囲であるのが適当であり、10:9
0〜40:60の範囲であるのが好ましい。AES樹脂
は塊状重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状ー懸濁重
合法などにより製造される。
【0025】そして、本発明の重合体組成物では、熱可
塑性ポリウレタン(A)、スチレン系エラストマー
(B)および熱可塑性グラフトポリマー(C)の合計重
量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を40〜9
0重量%、スチレン系エラストマー(B)を5〜35重
量%および熱可塑性グラフトポリマー(C)を5〜30
重量%の割合で含有していることが必要である。
【0026】本発明の重合体組成物において、熱可塑性
ポリウレタン(A)の含有量が40重量%未満である
と、重合体組成物およびそれからなるフィルムなどの成
形品の耐摩耗性、力学的強度が低下し、かつ熱可塑性ポ
リウレタン(A)本来の優れた特性が失われ、一方90
重量%を超えると重合体組成物に粘着性、ブロッキング
性が発現して、フィルムやシートなどの巻き取り、巻き
戻しなどが困難になる。また、スチレン系エラストマー
(B)の含有量が5重量%未満であると、重合体組成物
からなるフィルムなどの成形品の柔軟性、弾性回復性が
不十分となり、一方35重量%を超える場合は重合体組
成物にブロッキングの発生や分散不良が生じ、フィルム
などの成形品の表面に荒れが生じる。熱可塑性グラフト
ポリマー(C)が5重量%未満であると、重合体組成物
をフィルム成形する際にフィルム間にブロッキング性が
発生し、一方30重量%を超える場合は重合体組成物の
柔軟性、弾性回復性、物性低下が起こる。
【0027】また、熱可塑性ポリウレタン(A)、スチ
レン系エラストマー(B)および熱可塑性グラフトポリ
マー(C)の合計重量に基づいて、滑剤として高級脂肪
酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有さ
せると、非粘着性が一層向上して、フィルムやシートな
どの成形品を製造する際の離型性が一層向上するので望
ましい。成形品間の耐ブロッキング性、ブリードアウト
による成形品の表面悪化の点から、高級脂肪酸ビスアミ
ド(D)を2〜5重量%の割合で含有させるのが好まし
い。高級脂肪酸ビスアミド(D)としては、炭素数14
〜35の高級飽和脂肪酸と炭素数が1〜10の脂肪族ジ
アミンから製造されるものが好ましい。高級脂肪酸とし
ては、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、
ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチン酸、セロチン
酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などが例
示され、脂肪族ジアミンとしては、メチレンジアミン、
エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジア
ミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジ
アミノデカンなどが例示される。高級脂肪酸ビスアミド
(D)としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エ
チレンビスステアリン酸アミド、テトラメチレンビスス
テアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸ア
ミド、エチレンビスモンタン酸アミド、テトラメチレン
ビスモンタン酸アミド、ヘキサメチレンビスモンタン酸
アミドが好ましく、メチレンビスステアリン酸アミド、
エチレンビスステアリン酸アミドがより好ましい。
【0028】また、本発明の重合体組成物は、上記した
熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレン系エラストマー
(B)、熱可塑性グラフトポリマー(C)および場合に
より高級脂肪酸ビスアミド(D)と共に、熱可塑性ポリ
ウレタン(A)、スチレン系エラストマー(B)および
熱可塑性グラフトポリマー(C)の合計重量に基づい
て、さらに無機質充填剤(E)を2〜5重量%の割合で
含有させることが好ましい。無機質充填剤(E)を前記
の割合で含有することによって、重合体組成物の非粘着
性が一層向上する。無機質充填剤(E)としては、例え
ば炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、アルミ
ナ、ケイ酸カルシウム、アルミン酸カルシウムなどの粉
体が使用されるが、なかでも炭酸カルシウム、マイカを
使用するのが好ましい。これら粉体は、粒度0.5〜2
0μmの範囲のものが好ましい。
【0029】本発明の重合体組成物は、上記した成分の
他に、必要に応じて他の滑剤、充填剤、さらに酸化防止
剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、可塑剤、難燃
剤、防黴剤などの添加剤の1種または2種以上を本発明
の効果を損なわない範囲の量で含有していてもよい。
【0030】本発明の重合体組成物を構成する熱可塑性
ポリウレタン(A)、スチレン系エラストマー(B)お
よび熱可塑性グラフトポリマー(C)は、単に溶融する
だけで、熱可塑性ポリウレタン(A)のマトリックス中
にスチレン系エラストマー(B)および熱可塑性グラフ
トポリマー(C)が好ましい粒子系で均一に分散し得
る。したがって、本発明の重合体組成物の製造法は特に
制限されず、熱可塑性ポリウレタンや熱可塑性重合体組
成物を製造する際に従来から使用されている方法のいず
れもが採用できる。例えば、ポリマーの混合に通常用い
られる縦型または水平型の混合機を用いて、上記の各成
分を所定の割合で予備混合した後、1軸または2軸の押
出機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどを用
いて加熱下に混練して製造することができる。特に、押
出機を使用して加熱混練を行った場合には、ストランド
状に押出してから適当な長さに切断してペレットなどの
粒状物にしてもよい。また、熱可塑性ポリウレタン
(A)の重合時に上記した各成分を配合して、そこで得
られた重合体組成物をストランド状に押出してから適当
な長さのペレットなどの粒状物にする方法によって本発
明の重合体組成物を製造してもよい。
【0031】本発明の重合体組成物は熱可塑性であり、
熱溶融成形、加熱加工が可能であり、押出成形、射出成
形、ブロー成形、カレンダー成形、注型などの任意の成
形方法によって、フィルム、シートなどの種々の成形品
を円滑に製造することができる。特に、Tダイ型押出成
形機やインフレーション押出成形機などを使用して本発
明の重合体組成物からフィルム、シートなどを製造する
場合は、重合体組成物は非粘着性、耐ブロッキング性、
離型性であって、押出されたフィルムやシート間にブロ
ッキングが生じないので、離型紙などを使用することな
く、そのまま直接押出して巻き取ることができ、巻き取
ったフィルムやシートは容易に巻き戻しが可能である。
また、本発明の重合体組成物からフィルムを製造する際
に、製膜安定性が良好であり、薄膜化が可能である。
【0032】本発明の重合体組成物を用いて得られるフ
ィルム、シートなどの成形品は、弾性回復性、柔軟性、
引張破断強度や引張破断伸度などの力学的特性に優れて
いて、しかも平滑な表面を有していて表面状態も良好で
あり、それらの特性を活かして生理用、紙おむつ用、目
止め用、防塵用などに用いられる伸縮性フィルム用途、
一般用コンベアベルト、各種キーボードシート、ラミネ
ート品、各種容器などのシート用途、運動シューズ、ス
キー用シューズ等の靴底用途などの種々の用途に有効に
使用することができる。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、重合体組成物を用いてフィルムを製造する際
のフィルム間の耐ブロッキング性、得られたフィルムの
引張強伸度、表面状態および残留歪を、下記の方法によ
り測定または評価した。
【0034】(製膜時のフィルム間の耐ブロッキング
性)重合体組成物を用いてTダイ型押出成形機(25m
mφ)を使用して、離型紙を用いずに巻き取ったフィル
ム(約38μ)について、巻き戻して、フィルム間の耐
ブロッキング性の程度を観察し、下記の表1に示した評
価基準で判定した。
【0035】
【表1】
【0036】(引張強伸度)重合体組成物を用いてTダ
イ型押出成形機(25mmφ)を使用して、離型紙を用
いずに巻き取ったフィルム(約38μ)について、JI
S K 7311に準拠して、MD方向の引張破断強伸
度を測定した。
【0037】(表面状態)重合体組成物を用いてTダイ
型押出成形機(25mmφ)を使用して、離型紙を用い
ずに巻き取ったフィルム(約38μ)について、フィル
ムの表面状態を観察し、平滑なものを○、凹凸物がある
ものを×とした。
【0038】(残留歪み)重合体組成物を用いてTダイ
型押出成形機(25mmφ)を使用して、離型紙を用い
ずに巻き取ったフィルム(約38μ)について、TD方
向に短冊上に切り出したサンプル(25mm×100m
m)を、23℃、65%RHの条件下で、チャック間5
0mm、引張速度300mm/分で150%伸長後、直
ちに300mm/分の速度で元の位置まで戻す。この操
作を3回繰り返した後のサンプル長L(mm)を測定
し、下記の式に従って残留歪を求めた。
【0039】
【数1】 残留歪(%)=[(L−50)/50]×100
【0040】また、以下の実施例および比較例では、そ
れぞれの化合物を下記の表2に示す略号で標記する。
【0041】
【表2】
【0042】[参考例1](ポリエステルジオールAの
製造) MODとNDの混合物(モル比:35対65)1600
gおよびADの1460gを反応器に仕込み、常圧下に
窒素ガスを系内に通じながら、約220℃の温度で、生
成する水を系外に留去しながらエステル化反応を行っ
た。生成したポリエステルジオールの酸価が0.3以下
になった時点で、真空ポンプにより徐々に真空度を上げ
て反応を完結させた。得られたポリエステルジオール
(以下、これを「ポリエステルジオールA」と称する)
は、水酸基価56、酸価0.12であり、その数平均分
子量は2000であった。
【0043】[参考例2](ポリエステルジオールBの
製造) 参考例1においてMODとNDの混合物の代わりにMP
Dを用いた以外は同様にしてエステル化反応を行い、ポ
リエステルジオール(以下、これを「ポリエステルジオ
ールB」と称する)を得た。
【0044】[参考例3](ポリエステルジオールCの
製造) 参考例1においてMODとNDの混合物の代わりにMP
rGを用いた以外は同様にしてエステル化反応を行い、
ポリエステルジオール(以下、これを「ポリエステルジ
オールC」と称する)を得た。
【0045】[参考例4](ポリエステルジオールDの
製造) 参考例1においてMODとNDの混合物の代わりにBD
を用いた以外は同様にしてエステル化反応を行い、ポリ
エステルジオール(以下、これを「ポリエステルジオー
ルD」と称する)を得た。
【0046】参考例1〜4で得られたポリエステルジオ
ールについて、それらの構成成分および数平均分子量を
まとめて表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】[実施例1]ポリエステルジオールBおよ
びBDのモル比が1対3.1の混合物を50℃に加熱
し、これと50℃に加熱溶融したMDIとを、ポリエス
テルジオールB対MDI対BDのモル比が1対4.1対
3.1になる量で定量ポンプにより、同軸方向に回転す
る2軸スクリュー型押出機に連続的に仕込み、連続溶融
重合反応を行った。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶
融物をストランド状に水中へ押出し、次いでペレタイザ
ーで切断し、ペレットに作製した。得られた熱可塑性ポ
リウレタンのペレットとSISおよびAESとを表4に
示す割合で配合した混合物を単軸スクリュー型押出機
(25mmφ、シリンダー温度:170〜200℃、ダ
イス温度:200℃)に供給して溶融混練して、Tダイ
より押出し、冷却ロール(表面温度:30℃)を通して
連続的に巻き取って、フィルム(幅300mm、厚さ4
0μ)を作製した。その際のフィルム間の耐ブロッキン
グ性、得られたフィルムの引張強伸度、表面状態および
残留歪を上記した方法により測定または評価し、結果を
表5に示した。
【0049】[比較例1]実施例1におけると同様にし
て得られた熱可塑性ポリウレタンのみを、実施例1と同
様にしてフィルム化したが、フィルム同志の膠着が激し
く巻き戻しができなかった。また、製膜時に離型紙を用
いてフィルムを作製し、得られたフィルムの引張強伸
度、表面状態および残留歪を上記した方法により測定ま
たは評価し、結果を表5に示した。
【0050】[比較例2]実施例1におけると同様にし
て得られた熱可塑性ポリウレタンをSISと表4に示す
割合で配合して、実施例1と同様にしてフィルム化し
た。その際のフィルム間の耐ブロッキング性、得られた
フィルムの引張強伸度、表面状態および残留歪を上記し
た方法により測定または評価し、結果を表5に示した。
【0051】[比較例3]実施例1におけると同様にし
て得られた熱可塑性ポリウレタンをAESと表4に示す
割合で配合して、実施例1と同様にしてフィルム化し
た。その際のフィルム間の耐ブロッキング性、得られた
フィルムの引張強伸度、表面状態および残留歪を上記し
た方法により測定または評価し、結果を表5に示した。
【0052】[実施例2〜3]実施例1におけると同様
にして得られた熱可塑性ポリウレタンとSISおよびA
ESまたはABSとを表4に示す割合で配合した混合物
を用いて、実施例1と同様にしてフィルム化した。その
際のフィルム間の耐ブロッキング性、得られたフィルム
の引張強伸度、表面状態および残留歪を上記した方法に
より測定または評価し、結果を表5に示した。
【0053】[実施例4]実施例1おいて、ポリエステ
ルジオールBの代わりにポリエステルジオールAを用い
た以外は同様にして熱可塑性ポリウレタンを製造し、得
られた熱可塑性ポリウレタンとSISおよびAESとを
表4に示す割合で配合した混合物を用いて、実施例1と
同様にしてフィルム化した。その際のフィルム間の耐ブ
ロッキング性、得られたフィルムの引張強伸度、表面状
態および残留歪を上記した方法により測定または評価
し、結果を表5に示した。
【0054】[実施例5]実施例1おいて、ポリエステ
ルジオールBの代わりにポリエステルジオールCを用い
た以外は同様にして熱可塑性ポリウレタンを製造し、得
られた熱可塑性ポリウレタンとSISおよびAESとを
表4に示す割合で配合した混合物を用いて、実施例1と
同様にしてフィルム化した。その際のフィルム間の耐ブ
ロッキング性、得られたフィルムの引張強伸度、表面状
態および残留歪を上記した方法により測定または評価
し、結果を表5に示した。
【0055】[比較例4]実施例1おいて、ポリエステ
ルジオールBの代わりにポリエステルジオールDを用い
た以外は同様にして熱可塑性ポリウレタンを製造し、得
られた熱可塑性ポリウレタンとSISおよびAESとを
表4に示す割合で配合した混合物を用いて、実施例1と
同様にしてフィルム化した。その際のフィルム間の耐ブ
ロッキング性、得られたフィルムの引張強伸度、表面状
態および残留歪を上記した方法により測定または評価
し、結果を表5に示した。
【0056】[比較例5]実施例1におけると同様にし
て得られた熱可塑性ポリウレタンとSISおよびAES
とを表4に示す割合で配合した混合物を用いて、実施例
1と同様にしてフィルム化した。その際のフィルム間の
耐ブロッキング性、得られたフィルムの引張強伸度、表
面状態および残留歪を上記した方法により測定または評
価し、結果を表5に示した。
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【発明の効果】本発明の重合体組成物は、非粘着性で、
耐ブロッキング性、離型性に優れていて、フィルム、シ
ートなどに成形する際に離型紙を用いなくても円滑に巻
き取ることができ、かつ巻き取ったそれらの成形品はブ
ロッキングを生ずることなく円滑に巻き戻すことができ
る。本発明の重合体組成物からなるフィルム、シートな
どの成形品は弾性回復性、柔軟性、力学的特性にも優れ
ていて、特にフィルムまたはシートは伸縮性フィルムま
たはシートとして有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)熱可塑性ポリウレタン(A)、ス
    チレン系エラストマー(B)並びにエラストマーに芳香
    族ビニル化合物およびシアン化合物をグラフト重合して
    得られる熱可塑性グラフトポリマー(C)を含有する重
    合体組成物であって;(ii)(A)〜(C)の合計重量
    に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を40〜90
    重量%、スチレン系エラストマー(B)を5〜35重量
    %および熱可塑性グラフトポリマー(C)を5〜30重
    量%の割合で含有し;そして、(iii) 熱可塑性ポリウレ
    タン(A)が、ポリエステルジオール、有機ジイソシア
    ネートおよび鎖伸長剤の反応により得られた熱可塑性ポ
    リウレタンであり;かつ(iv)熱可塑性ポリウレタン
    (A)の製造に用いた前記ポリエステルジオールが、分
    岐を有する炭素数4〜9のジオール成分を全ジオールに
    対して30〜100重量%の範囲内で含む数平均分子量
    1000〜8000のポリエステルジオールである;こ
    とを特徴とする熱可塑性重合体組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレン
    系エラストマー(B)および熱可塑性グラフトポリマー
    (C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミ
    ド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有する請求項1
    記載の熱可塑性重合体組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレン
    系エラストマー(B)および熱可塑性グラフトポリマー
    (C)の合計重量に基づいて、更に無機質充填剤(E)
    を2〜5重量%の割合で含有する請求項1または2に記
    載の熱可塑性重合体組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    可塑性重合体組成物からなる成形品。
  5. 【請求項5】 成形品がフィルムまたはシートである請
    求項4記載の成形品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999037715A1 (de) * 1998-01-22 1999-07-29 Wolff Walsrode Ag Latexfreie kunststoffmischung
KR100557016B1 (ko) * 2004-09-17 2006-03-03 주식회사 에스디알앤디 수분산 레진복합체 바인더제조 및 이를 이용한 도로용 포장재 시공방법
JP2006274000A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Dainippon Ink & Chem Inc 耐ブロッキング性に優れるポリウレタンフィルム
CN106398092A (zh) * 2016-08-24 2017-02-15 宁波鸿雁包装材料有限公司 一种包装缠绕膜

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WO1999037715A1 (de) * 1998-01-22 1999-07-29 Wolff Walsrode Ag Latexfreie kunststoffmischung
KR100557016B1 (ko) * 2004-09-17 2006-03-03 주식회사 에스디알앤디 수분산 레진복합체 바인더제조 및 이를 이용한 도로용 포장재 시공방법
JP2006274000A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Dainippon Ink & Chem Inc 耐ブロッキング性に優れるポリウレタンフィルム
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