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JPH08313525A - 酵素免疫測定用組成物及びその調製方法 - Google Patents

酵素免疫測定用組成物及びその調製方法

Info

Publication number
JPH08313525A
JPH08313525A JP11707295A JP11707295A JPH08313525A JP H08313525 A JPH08313525 A JP H08313525A JP 11707295 A JP11707295 A JP 11707295A JP 11707295 A JP11707295 A JP 11707295A JP H08313525 A JPH08313525 A JP H08313525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
tetraalkylbenzidine
concentration
oxidizing substance
nitrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11707295A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Murakami
隆 村上
稔 ▲高▼田
Minoru Takada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP11707295A priority Critical patent/JPH08313525A/ja
Publication of JPH08313525A publication Critical patent/JPH08313525A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調製が容易で、検量線の直線性を改善すると
ともに、テトラアルキルベンジジンと高濃度の有機溶剤
が共存すると基質液の保存中に発色してバックグラウン
ドが上昇するという問題点を改善し、さらに保存中の沈
殿発生のない酵素免疫測定用組成物を調製するための保
存液を提供し、液状試薬からなる酵素免疫測定用組成物
を提供する。 【構成】 アルキル部分が1〜3個の炭素原子よりなる
テトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝剤、キレ
ート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテロ環化合
物又は下記一般式〔I〕で表される化合物の少なくとも
1種を30〜50 vol%(v/v)の割合で含有することを特徴
とする酵素免疫測定用組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素免疫測定法、生化
学的測定法などの分野において利用されるペルオキシダ
ーゼ様物質及び酸化性物質の測定用組成物及びそれらの
物質を測定するためのキットに関する。さらに詳しく
は、この組成物又はキットの医学的診断もしくは生物学
的評価への利用に関する。
【0002】
【従来の技術】ペルオキシダーゼ様物質または酸化性物
質を測定するために用いられるベンジジン系の化合物
は、変異原性が低いあるいは全く持たないものが多く、
しかも感度が良いことで知られている。そのため、ベン
ジジン系の化合物、中でもテトラアルキルベンジジンに
関しては数多くの検討及び、改良がなされている。従
来、テトラアルキルベンジジンを使用する際の問題点と
して挙げられてきたものには、テトラアルキルベンジジ
ンの溶解性の低さ、長期保存するときの保存安定性、使
用時にいかに簡便に発色液を調製するか、などがある。
そして、特開昭62-134100号、特開昭63-199270号、特開
平1-104196号、特公平6-38757号、特開平6-165696号な
どに開示されている方法によってこれらの問題点は、解
決されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
はこれら公知の方法を検討した結果、現在全く問題にさ
れていない驚くべき事実を確認した。その問題とは、現
在知られているテトラアルキルベンジジンを用いた方法
では、特にEIA、ELISAなどペルオキシダーゼ標識抗体を
用いる測定系において検量線が直線にならないという現
象である。この現象は、遊離のペルオキシダーゼを用い
た系では観察されず、ペルオキシダーゼ標識抗体を用い
た反応系のみで観察されている。また、ペルオキシダー
ゼ標識抗体を用いた測定系であってもo-フェニレンジア
ミンなどベンジジン系ではない発色剤を用いた場合では
検量線は、ほぼ直線となる。このことから、この問題が
ベンジジン系の発色剤に特有のものであり、しかもペル
オキシダーゼ標識抗体を用いた反応系のみで観察されて
いる。
【0004】上記に示した公知の方法の検討により、ジ
メチルホルムアミド(DMF)、メタノールなどの有機溶媒
を用いた場合においても、また、酸性度の高い溶液に溶
解する方法を用いた場合においても、検量線が直線にな
らないという現象は再現的に観察されることが明らかに
なった。
【0005】この現象により測定結果の再現性及び精度
が低下することは明らかであり、得られたデータの信頼
性にもかかわる。特に、利用対象となる分野が医療分野
であるだけに大きな誤差は、誤診にもつながりかねない
危険性をはらんでいる。にもかかわらず、この現象は問
題提起されておらず、注目されていなかったと考えられ
る。当然のことながら、これまでに報告されたいずれの
方法においてもこの問題を解決するには至っていない。
更に、保存中の変質を防ぐため、凍結乾燥された発色基
質と希釈液からなる酵素免疫反応用発色試薬が使用され
ていたが、溶解する手間がかかっていた。
【0006】出願人は先に提出した特願平6-285297号
で、特定な有機溶剤の添加により、これらの問題点を解
決を図った。その結果、検量線の直線性は可成改良され
たが、まだ十分でなく、検量線の直線性を改善するため
に、テトラアルキルベンジジン又はその塩と高濃度の有
機溶媒を含む水溶液に溶解すると非特異的な発色によっ
てバックグラウンドが上昇し、保存性が極めて悪いとい
う問題があった。又、希釈液に高濃度の有機溶媒を添加
すると緩衝剤などが析出してしまうという問題があっ
た。
【0007】本発明の目的は、調製が容易で、検量線の
直線性を改善するとともに、テトラアルキルベンジジン
と高濃度の有機溶剤が共存すると基質液の保存中に発色
してバックグラウンドが上昇するという問題点を改善
し、さらに保存中の沈殿発生のない酵素免疫測定用組成
物を調製するための保存液を提供し、液状試薬からなる
酵素免疫測定用組成物を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の構成により達成される。
【0009】1) アルキル部分が1〜3個の炭素原子
よりなるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝
剤、キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテ
ロ環化合物又は下記一般式〔I〕で表される化合物の少
なくとも1種を30〜50 vol%(v/v)の割合で含有するこ
とを特徴とする酵素免疫測定用組成物。
【0010】
【化2】
【0011】式中、Rは置換又は非置換のアルキル基を
表す。
【0012】2) テトラアルキルベンジジンが3,3′,
5,5′-テトラメチルベンジジン又はその塩で、緩衝剤が
クエン酸又はそのアルカリ金属塩であり、酸化性物質が
過酸化水素であることを特徴とする前記1記載の酵素免
疫測定用組成物。
【0013】3) アルキル部分が1〜3個の炭素原子
よりなるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝
剤、キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテ
ロ環化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少
なくとも1種を5〜70 vol%の濃度で含有する基質液A
と、緩衝剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテロ環
化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少なく
とも1種を50 vol%以下の濃度で含有する希釈液Bを混
合して調製することを特徴とする酵素免疫測定用組成物
の調製方法。
【0014】4) アルキル部分が1〜3個の炭素原子
よりなるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝
剤、キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテ
ロ環化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少
なくとも1種を30〜60 vol%の濃度で含有する基質液A
と、緩衝剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテロ環
化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少なく
とも1種を40 vol%以下の濃度で含有する希釈液Bを混
合して調製することを特徴とする酵素免疫測定用組成物
の調製方法。
【0015】5) テトラアルキルベンジジンが3,3′,
5,5′-テトラメチルベンジジン又はその塩で、緩衝剤が
クエン酸又はそのアルカリ金属塩であり、酸化性物質が
過酸化水素であることを特徴とする前記3又は4記載の
酵素免疫測定用組成物の調製方法。
【0016】6) アルキル部分が1〜3個の炭素原子
よりなるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝
剤、キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテ
ロ環化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少
なくとも1種を5〜70 vol%の濃度で含有する基質液A
と、緩衝剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテロ環
化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少なく
とも1種を50 vol%以下の濃度で含有する希釈液Bから
なることを特徴とする前記1又は2記載の酵素免疫測定
用組成物を調製するための保存液。
【0017】7) テトラアルキルベンジジンが3,3′,
5,5′-テトラメチルベンジジン又はその塩で、緩衝剤が
クエン酸又はそのアルカリ金属塩であり、酸化性物質が
過酸化水素であることを特徴とする前記6記載の酵素免
疫測定用組成物を調製するための保存液。
【0018】本発明を更に詳しく説明する。本発明に用
いられるテトラアルキルベンジジンは、置換アルキル基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ
るが、メチル基が好ましい。特に好ましいテトラアルキ
ルベンジジンは、3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン
である。
【0019】本発明の測定用組成物において、テトラア
ルキルベンジジンまたはその塩の濃度は、0.01ないし5.
0mg/mlであり、好ましくは0.05ないし2.0mg/mlであ
る。また、本発明で用いられるテトラアルキルベンジジ
ンの塩は、塩酸塩、硫酸塩などが挙げられるが、塩酸塩
が好ましい。
【0020】本発明で用いられるキレート剤としては、
例えば、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、トラン
ス−シクロヘキサンジアミン4酢酸(CyDTA)、グ
リコールエーテルジアミン4酢酸(GEDTA)、エチ
レンジアミン3酢酸(EDTA−OH)、メチレンスル
ホン酸(EDTPO)、トリエチレンテトラミン6酢酸
(TTHA)、ニトリロ3酢酸(NTA)およびこれら
の塩が挙げられる。
【0021】本発明において、これらのキレート剤は、
1.0mM未満の濃度で使用することが好ましく、0.5〜0.8m
Mの濃度がより好ましい。キレート剤の濃度が高くなる
と沈殿を生じ、低いと高濃度の有機溶媒添加による非特
異的発色を生ずる。
【0022】本発明において、含窒素ヘテロ環化合物に
属する化合物としては、例えば、ピペリジン、N-メチル
ピペリジン、2-メチルピペリジン、1-メチル-4-ピペリ
ジノン、2-(2-ピリジル)エタノール、2-ピリジルメタノ
ール、3-ピリジルメタノール、モルホリン、N-ホルミル
モルホリン等が挙げられる。
【0023】本発明の一般式〔I〕で表される化合物
は、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、N-エチル-2-ピ
ロリジノン、N-プロピル-2-ピロリジノン、N-ブチル-2-
ピロリジノン、N-オクチル-2-ピロリジノン、N-ドデシ
ル-2-ピロリジノン、N-ヒドロキシメチル-2-ピロリジノ
ン、N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン、N-(3-ヒ
ドロキシプロピル)-2-ピロリジノン、N-(5-ヒドロキシ
ペンチル)-2-ピロリジノン、N-(8-ヒドロキシオクチル)
-2-ピロリジノン、2-ピロリジノン-1-酢酸、N-(2-カル
ボキシエチル)-2-ピロリジノン、N-(3-カルボキシプロ
ピル)-2-ピロリジノン等が挙げられる。
【0024】発明者は、含窒素ヘテロ環化合物又は上記
一般式〔I〕で表される化合物(以後本発明の有機溶剤
とする)から選択される化合物を測定用組成物中に高濃
度に含有させることによって、驚くべきことに検量線の
直線性が大幅に改善されることを見いだした。既に知ら
れている方法では、測定用組成物は、添加剤を5〜20
%程度含有し、添加剤の濃度はなるべく低く抑えるとい
うことが常識であった。しかしながら、発明者の検討の
結果、本発明の有機溶剤より選択される化合物を30%以
上含有させることで検量線の直線性が改善される傾向が
得られ、特に、35%以上の高濃度で含有させた場合、極
めて良好な直線性が得られることが判明したのである。
加えて、50%よりも混合率を上げると、感度の低下が観
察されることから、好ましくは35〜50%の範囲で用いる
のが効果的である。また、本発明の有機溶剤より選択さ
れる化合物は複数選択することも可能である。この場
合、測定用組成物中に占める化合物の総量の割合が35〜
50%であれば2種ないし3種を組み合わせて使用するこ
とも可能である。そして、この発色液を用いることによ
り、ペルオキシダーゼにより標識化された抗体または抗
原を用いた酵素免疫測定法の系における検量線の直線性
が大幅に改善された。
【0025】本発明でいうペルオキシダーゼを結合した
抗体もしくは抗原分子を用いた酵素免疫測定法とは、医
学書院より1982年に初版が発行された「酵素免疫測定
法」(石川榮治らの編集)の30〜49ページ及び、東京化学
同人より1989年に初版が発行された「エンザイムイムノ
アッセイ」(P.TIJSSEN著、監訳石川榮治)の8〜19ペー
ジに記載されているような酵素免疫測定法であって、ペ
ルオキシダーゼ標識抗体または抗原を用い、ペルオキシ
ダーゼ活性量を酸化性物質及び発色剤で構成される発色
液を用いて測定する方法なら、どの様なものでも適合で
きる。
【0026】本発明の測定用組成物は緩衝剤を含有する
ことが好ましく、緩衝剤としては、クエン酸、酢酸、シ
ュウ酸などの有機酸とクエン酸ナトリウム、リン酸ナト
リウムなどのナトリウム塩やカリウム塩など有機酸塩ま
たは無機酸塩を選択することが出来る。より好ましい緩
衝剤としてはクエン酸及びクエン酸ナトリウムが挙げら
れる。
【0027】本発明に係るペルオキシダーゼ様物質とし
ては、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、サイトク
ロムcペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ミ
エロペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダー
ゼ、また、鉄、金、銀などの金属及び金属化合物、ヘモ
グロビン等が挙げられるが、好ましくは西洋ワサビペル
オキシダーゼである。
【0028】さらに、本発明で述べている酸化性物質と
は、ペルオキシダーゼの共存下で、テトラアルキルベン
ジジンを酸化することが可能なものであれば、どのよう
なものでも良い。具体的には、過酸化水素、アルキルヒ
ドロキシペルオキシド、p-ニトロペルオキシ安息香酸、
クメンヒドロキシペルオキシド、過酸化尿素等が挙げら
れるが、特に過酸化水素が好ましい。また、酸化性物質
の濃度は0.001ないし0.1%が好ましい。0.001%以下で
は感度が悪化し、0.1%以上では酵素活性が阻害され良
好な判定を行うことが不可能となるため再現性の点で好
ましくない。より好ましくは、0.005ないし0.02%であ
る。以上の条件を満たすものであれば、従来、同様の用
途に用いられてきた試薬と比較して、感度の面で優れた
結果が得られる。
【0029】本発明の酵素免疫測定用組成物はアルキル
部分が1〜3個の炭素原子よりなるテトラアルキルベン
ジジン又はその塩、緩衝剤、キレート剤を含有し、かつ
本発明の有機溶剤の少なくとも1種を5〜70 vol%、好
ましくは30〜60 vol%の濃度で含有する基質液Aと、緩
衝剤、酸化性物質を含有し、かつ本発明の有機溶剤の少
なくとも1種を50 vol%以下、好ましくは40%以下の濃
度で含有する希釈液Bを混合して調製される。
【0030】テトラアルキルベンジジン溶液に本発明の
有機溶剤を高濃度で添加すると非特異的な発色が発生す
る。このため、キレート剤を添加することによってこれ
を抑制しなければならない。しかしながら、基質液Aは
本発明の有機溶剤が70%以上含まれるとキレート剤など
の成分が沈殿しやすくなり、あるいは非特異的な発色が
起こりやすくなるなどの問題が発生し好ましくない。そ
のため、基質液Aに添加する本発明の有機溶剤は5〜70
vol%、好ましくは30〜60 vol%の濃度で含有すること
がより好ましい。
【0031】又、希釈液Bに本発明の有機溶剤が50%以
上の濃度で含まれると緩衝剤などが析出しやすくなるた
め好ましくなく、50 vol%以下が好ましく、より好まし
くは40%以下の濃度で含有する。これらの液を任意に設
定した割合(好ましくはA:B 1:9〜9:1)で混
合し、本発明の有機溶剤を30〜50 vol%の濃度で含有す
る酵素免疫測定用組成物を得ることができる。
【0032】本発明をペルオキシダーゼを結合した抗体
もしくは抗原分子を用いた酵素免疫測定法に適合する場
合、EIA、ELISAなどにおいて通常行われている方法に準
じ、得られたペルオキシダーゼ活性を標準物質を用いる
ことにより得られたペルオキシダーゼ活性の検量線との
対比によって、検体中の測定対象物質の濃度(または
量、単位)を求めることが出来る。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し本発明の詳細な説明を行
うが、これにより限定されるものではない。
【0034】実施例1 酵素免疫測定用組成物の作製 下記の各溶液(C液〜G液)を作製し、表1に示すよう
に、各液を混合し基質液(A液)及び希釈液(B液)
(比較例1〜6、本発明例1〜6)を作製した。
【0035】1.C液の作製 クエン酸1水和物7.9gと3,3',5,5'-テトラメチルベンジ
ジン100mgを50mlの蒸留水に溶解した 2.D液の作製 EDTA・2Na・2H2O 0.05gを蒸留水に溶解し、10mlとした 3.E液の調整 クエン酸3ナトリウム2水和物 9.2g、過酸化水素水(31
%) 320μlを蒸留水に溶解し、150mlとした 4.F液の調整 クエン酸1水和物7.9gとクエン酸3ナトリウム2水和物
1.5g及び3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン100mgを50m
lの蒸留水に溶解した 5.G液の調整 クエン酸3ナトリウム2水和物 7.7g、過酸化水素水(31
%) 320μlを蒸留水に溶解し、150mlとした。
【0036】
【表1】
【0037】作製した基質液(A液)及び希釈液(B
液)を室温、暗所にて保存し、1週間後及び1カ月後の
色及び沈殿の有無を確認したところ表2の結果が得られ
た。このように本発明の基質液(A液)及び希釈液(B
液)は非特異的な発色もなく、沈殿や結晶の析出もな
く、保存性に優れることがわかる。
【0038】
【表2】
【0039】実施例2 ガラクトシルトランスフェラーゼ量の測定 〈発色液の作製〉実施例1で調製した、本発明例1〜6
の基質液(A液)及び希釈液(B液)の全量をそれぞれ
一度に混合し本発明の発色液1〜6を作製した。
【0040】比較の発色液7は、以下のようにして作製
した。
【0041】クエン酸一水和物を3.95g秤量し、20ml程
度の蒸留水を加え溶解する。このクエン酸一水和物の溶
液に3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン50mgを加え撹
拌して溶解させる。溶解後蒸留水を加え全量を25mlに調
整する。ここで得られた3,3′,5,5′-テトラメチルベン
ジジン溶液を褐色のバイアル瓶に1mlずつ分注し、凍結
乾燥を行う。これを比較の発色剤7とした。
【0042】クエン酸三ナトリウム(二水和物)を9.18
g秤量し、蒸留水を250ml程度加え溶解する。この溶液
にジメチルスルフォキシド及びN-メチル-2-ピロリジノ
ンをそれぞれ100ml加え、さらに最終的に0.02重量%濃
度になるように過酸化水素水を加え良く撹拌した後、蒸
留水を加え、全量を500mlとする。この溶液を褐色のバ
イアル瓶に20mlずつ分注し、保存する。これを比較の基
質液7とする。
【0043】上述した比較の発色剤7と比較の基質液7
を混合し、比較の発色液7を調製した。
【0044】特開平3-259093号に記載されている抗癌関
連ガラクトシルトランスフェラーゼ(以下GATと略記)
モノクローナル抗体MAb8513を、1M塩化ナトリウム含有
0.1M炭酸緩衝液(pH9.15)中に10μg/mlに希釈し、こ
の溶液中にポリスチレン製ビーズ(積水化学製)を4℃
・24時間浸漬し抗体の固定化を行った。
【0045】次に、ブロッキング溶液として牛血清アル
ブミン(以下BSAと略記)を1%含有する0.02Mリン酸緩
衝液(150mM NaCl含有pH7.3、以降PBSと称す)を調製
し、この溶液中に抗体固定化後のビーズを移し、37℃、
10時間浸漬・放置し、ビーズ表面の抗体非結合部位の被
覆(ブロッキング)を行った。これら一連の作業により
以下に用いる抗体固定化ビーズを得た。
【0046】検体としてGATを含有する癌患者プール血
清を用いた。この検体50μlに0.02Mリン酸緩衝液(pH
6.5、150mM NaCl及び0.01% Tween20含有)200μlを添
加し、ここに上記に記載の方法により調製した抗体固定
化ビーズを浸漬し、一次反応(45℃、2時間)を行っ
た。反応後PBSにて洗浄操作を行った。西洋ワサビペル
オキシダーゼ(以下 HRPと称す)にて標識したHRP標識抗G
AT抗体MAb8628(特開平3-259093号に記載)を1%BSA含
有PBS溶液に適宜希釈し、これを250μl添加し、二次反
応を行った。この後、同様にPBSによる洗浄操作を行っ
た。
【0047】さらに、上述した本発明の発色液1〜6及
び比較の発色液7をそれぞれ300μl加え、室温にて30分
発色反応を行った。反応後、それぞれに1N H2SO4を1m
lずつ添加し反応を停止させ、450nmでの吸光度を測定し
た。その結果、本発明の3,3′,5,5′-テトラメチルベン
ジジンの発色液は、GAT濃度(U/ml)7〜80の範
囲で直線性を示すのに対し、従来の3,3′,5,5′-テトラ
メチルベンジジンを用いた発色液は、GAT濃度(U/
ml)7〜32の範囲で直線性を示すに過ぎなかった。更
に、検量線との相関係数によって比較した結果、本発明
の発色液が優れた相関係数を示した。
【0048】実施例3 有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリジノンにかえて
N−メチルピペリジン、キレート剤としてEDTA・2
Na・2H2Oにかえて、GEDTAを用いた以外は実
施例2と同様に測定を行った。その結果本発明の発色液
はGAT濃度(U/ml)7〜80の範囲で直線性を示
し、従来の発色液より優れていることが確認された。
【0049】
【発明の効果】本発明により、固相に酵素標識抗体を固
定した酵素免疫測定法の系において検量線の直線性が飛
躍的に向上し、結果の再現性及び信頼性が飛躍的に向上
した。特に、ペルオキシダーゼを結合した抗体もしくは
抗原分子を用いた固相酵素免疫測定法において、テトラ
アルキルベンジジンまたはその塩を用いた場合顕著な効
果を示した。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基部分が1〜3個の炭素原子よ
    りなるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝
    剤、キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテ
    ロ環化合物又は下記一般式〔I〕で表される化合物の少
    なくとも1種を30〜50 vol%(v/v)の割合で含有するこ
    とを特徴とする酵素免疫測定用組成物。 【化1】 式中、Rは置換又は非置換のアルキル基を表す。
  2. 【請求項2】 テトラアルキルベンジジンが3,3′,5,
    5′-テトラメチルベンジジン又はその塩で、緩衝剤がク
    エン酸又はそのアルカリ金属塩であり、酸化性物質が過
    酸化水素であることを特徴とする請求項1記載の酵素免
    疫測定用組成物。
  3. 【請求項3】 アルキル基部分が1〜3個の炭素原子よ
    りなるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝
    剤、キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテ
    ロ環化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少
    なくとも1種を5〜70 vol%(v/v)の濃度で含有する基
    質液Aと、緩衝剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘ
    テロ環化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の
    少なくとも1種を50 vol%以下の濃度で含有する希釈液
    Bを混合して調製することを特徴とする酵素免疫測定用
    組成物の調製方法。
  4. 【請求項4】 アルキル部分が1〜3個の炭素原子より
    なるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝剤、
    キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテロ環
    化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少なく
    とも1種を30〜60 vol%(v/v)の濃度で含有す
    る基質液Aと、緩衝剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒
    素ヘテロ環化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合
    物の少なくとも1種を40 vol%以下の濃度で含有する希
    釈液Bを混合して調製することを特徴とする酵素免疫測
    定用組成物の調製方法。
  5. 【請求項5】 テトラアルキルベンジジンが3,3′,5,
    5′-テトラメチルベンジジン又はその塩で、緩衝剤がク
    エン酸又はそのアルカリ金属塩であり、酸化性物質が過
    酸化水素であることを特徴とする請求項3又は4記載の
    酵素免疫測定用組成物の調製方法。
  6. 【請求項6】 アルキル部分が1〜3個の炭素原子より
    なるテトラアルキルベンジジンまたはその塩、緩衝剤、
    キレート剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテロ環
    化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少なく
    とも1種を5〜70 vol%(v/v)の濃度で含有する基質液
    Aと、緩衝剤、酸化性物質を含有し、かつ含窒素ヘテロ
    環化合物又は上記一般式〔I〕で表される化合物の少な
    くとも1種を50 vol%以下の濃度で含有する希釈液Bか
    らなることを特徴とする請求項1又は2記載の酵素免疫
    測定用組成物を調製するための保存液。
  7. 【請求項7】 テトラアルキルベンジジンが3,3′,5,
    5′-テトラメチルベンジジン又はその塩で、緩衝剤がク
    エン酸又はそのアルカリ金属塩であり、酸化性物質が過
    酸化水素であることを特徴とする請求項6記載の保存
    液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002010744A1 (fr) * 2000-08-01 2002-02-07 International Reagents Corporation Procede pour pretraiter un echantillon

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