JPH08311847A - 翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰 - Google Patents
翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰Info
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- JPH08311847A JPH08311847A JP15375895A JP15375895A JPH08311847A JP H08311847 A JPH08311847 A JP H08311847A JP 15375895 A JP15375895 A JP 15375895A JP 15375895 A JP15375895 A JP 15375895A JP H08311847 A JPH08311847 A JP H08311847A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 流れ込み式水力発電、農業用水、工業用水、
パイプライン等に用いられる取水堰において、取水ダム
堤体正面に堆砂する土砂の自動排除、及び沈砂池容量の
縮小、省略を可能とし、かつ、建設工事費を下げること
のできる自動排砂取水堰を提供すること。 【構成】 堤体背面側方取水堰において、水たたき3の
上部に流線形バッフルピア4を設け、その頂部に翼形シ
ル1を取り付けて、スロット5を構成する。さらに、副
ダム2の沈砂池7側に排砂ゲート8を設置する。また、
沈砂池側面に取水口6を設け、その上方に進入路14を
つけた半自動排砂取水堰。以上を特徴とする。
パイプライン等に用いられる取水堰において、取水ダム
堤体正面に堆砂する土砂の自動排除、及び沈砂池容量の
縮小、省略を可能とし、かつ、建設工事費を下げること
のできる自動排砂取水堰を提供すること。 【構成】 堤体背面側方取水堰において、水たたき3の
上部に流線形バッフルピア4を設け、その頂部に翼形シ
ル1を取り付けて、スロット5を構成する。さらに、副
ダム2の沈砂池7側に排砂ゲート8を設置する。また、
沈砂池側面に取水口6を設け、その上方に進入路14を
つけた半自動排砂取水堰。以上を特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の半自動排砂取水堰は、流
れ込み式水力発電、農業用水路、工業用水、パイプライ
ン等の取水に用いられる取水堰である。
れ込み式水力発電、農業用水路、工業用水、パイプライ
ン等の取水に用いられる取水堰である。
【0002】
【従来の技術】従来の取水堰には堤体正面側方取水、堤
頂取水(チロル型)、堤体背面取水、堤体背面側方取
水、越流水付着取水、埋設型取水、可動ゲート取水等が
あるが、代表的な3例(図10,図11,図12参照)
をあげて箇条書に説明する。 (イ) 堤体正面側方取水(図10参照)は、これまで
に多く採用されている。河川流水の土砂運搬作用によっ
て、取水ダムの堤体正面には土砂が堆積する。したがっ
て、堆積土砂を排除するために、取水口の下流側に排砂
ゲートを設け、人力、電動機等によってゲートを開閉
し、堆積土砂を下流側に排出している。また、排砂ゲー
トは通常では1基であるために、長年のうちには堤体正
面のゲート部を除いて、土砂が堆積し貯水容量を減ら
す。このため、堤体正面の沈砂機能が減少し、取水口へ
の土砂流入が増加する。さらに、取水口から土砂が流入
するので、沈砂池を設けて導水路に土砂が入るのを防止
しているが、沈砂池には洪水時、大流量時に大量の土砂
流入があって、沈砂池の維持管理に大きな労力、及び費
用を必要としている。 (ロ) ゴム引布製起伏取水堰(可動ゲート型〜図12
参照)では、堤体正面の上流側に堆積する土砂を、河川
の大流量時にゴム引布製体内の空気を排出して、ゴム袋
を転倒し、流水と共に土砂を排除している。また、取水
口へ入る土砂は、堤体正面側方取水と同様であるが、堆
積土砂は全堤体長の範囲で排除される。したがって、堤
体正面上流部に貯水容量が確保され、沈砂池への土砂流
入は減少する。よって、沈砂池容量の縮小が可能であ
る。しかし、ゴム引袋の起伏に機械装置(空気圧縮機,
排出機等)が必要であり、その維持管理を要する。更
に、固定型取水堰に比較して高価である。 (ハ) 堤体背面側方取水堰(図11参照)は、農業用
水、流れ込み水力発電の渓流取水に用いられている。こ
の取水堰は、半自動排砂取水堰と考えられる。その機構
を(図7,図8,図9)を例にあげて述べる。小流量時
(図7)において、河川流水は取水ダム堤頂から射流と
なって減勢池水面へ衝突流入する。水たたき始りまでは
噴流となっているようであるが、水たたき路床面上で
は、路床に沿って流れる底流層を形成する。したがっ
て、流入土砂は底流層と一緒になって流下し、副ダム上
流部に溜る。ゆえに、減勢池は沈砂池の役割をするの
で、沈砂池の省略、縮小が可能である。中流量時(図
8)においては、減勢池水深と副ダムによって跳水が発
生する。その場合に、底流層はジェット流となるが、そ
の方向は定まらず動揺跳水となって、大きな波動が下流
に伝わる。更に、取水口からの取水量は、跳水の状態変
化によって取水量が変化する。また、流入土砂は底層ジ
ェット流によって拡散、混合されるから、減勢池の沈砂
機能は減少する。大流量時(図9)では、跳水が吹き飛
ばされて、減勢池の常流域はなくなり射流となる。した
がって、減勢池の堆積土砂は下流に押し流される。この
ことは、流水のポテンシャルエネルギーを活用した半自
動排砂と考えることができる。ただし、減勢池の水深は
取水口の下端より下がり、取水は不可能となる。
頂取水(チロル型)、堤体背面取水、堤体背面側方取
水、越流水付着取水、埋設型取水、可動ゲート取水等が
あるが、代表的な3例(図10,図11,図12参照)
をあげて箇条書に説明する。 (イ) 堤体正面側方取水(図10参照)は、これまで
に多く採用されている。河川流水の土砂運搬作用によっ
て、取水ダムの堤体正面には土砂が堆積する。したがっ
て、堆積土砂を排除するために、取水口の下流側に排砂
ゲートを設け、人力、電動機等によってゲートを開閉
し、堆積土砂を下流側に排出している。また、排砂ゲー
トは通常では1基であるために、長年のうちには堤体正
面のゲート部を除いて、土砂が堆積し貯水容量を減ら
す。このため、堤体正面の沈砂機能が減少し、取水口へ
の土砂流入が増加する。さらに、取水口から土砂が流入
するので、沈砂池を設けて導水路に土砂が入るのを防止
しているが、沈砂池には洪水時、大流量時に大量の土砂
流入があって、沈砂池の維持管理に大きな労力、及び費
用を必要としている。 (ロ) ゴム引布製起伏取水堰(可動ゲート型〜図12
参照)では、堤体正面の上流側に堆積する土砂を、河川
の大流量時にゴム引布製体内の空気を排出して、ゴム袋
を転倒し、流水と共に土砂を排除している。また、取水
口へ入る土砂は、堤体正面側方取水と同様であるが、堆
積土砂は全堤体長の範囲で排除される。したがって、堤
体正面上流部に貯水容量が確保され、沈砂池への土砂流
入は減少する。よって、沈砂池容量の縮小が可能であ
る。しかし、ゴム引袋の起伏に機械装置(空気圧縮機,
排出機等)が必要であり、その維持管理を要する。更
に、固定型取水堰に比較して高価である。 (ハ) 堤体背面側方取水堰(図11参照)は、農業用
水、流れ込み水力発電の渓流取水に用いられている。こ
の取水堰は、半自動排砂取水堰と考えられる。その機構
を(図7,図8,図9)を例にあげて述べる。小流量時
(図7)において、河川流水は取水ダム堤頂から射流と
なって減勢池水面へ衝突流入する。水たたき始りまでは
噴流となっているようであるが、水たたき路床面上で
は、路床に沿って流れる底流層を形成する。したがっ
て、流入土砂は底流層と一緒になって流下し、副ダム上
流部に溜る。ゆえに、減勢池は沈砂池の役割をするの
で、沈砂池の省略、縮小が可能である。中流量時(図
8)においては、減勢池水深と副ダムによって跳水が発
生する。その場合に、底流層はジェット流となるが、そ
の方向は定まらず動揺跳水となって、大きな波動が下流
に伝わる。更に、取水口からの取水量は、跳水の状態変
化によって取水量が変化する。また、流入土砂は底層ジ
ェット流によって拡散、混合されるから、減勢池の沈砂
機能は減少する。大流量時(図9)では、跳水が吹き飛
ばされて、減勢池の常流域はなくなり射流となる。した
がって、減勢池の堆積土砂は下流に押し流される。この
ことは、流水のポテンシャルエネルギーを活用した半自
動排砂と考えることができる。ただし、減勢池の水深は
取水口の下端より下がり、取水は不可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
を箇条書に述べる。 (イ) 取水ダム堤体正面での、堆積土砂の排砂管理を
なくすこと。 (ロ) 河川の大流量時でも取水可能とし、かつ、沈砂
池への土砂流入を減らすこと。 (ハ) 機械装置をなくし、維持管理を容易にするこ
と。 (ニ) 沈砂池の容量(規模)を縮小し、取水堰と沈砂
池とを含めての建設工事費を減らすこと。 以上の課題を解決し、総合的にコストを下げることので
きる取水堰を提供すること。
を箇条書に述べる。 (イ) 取水ダム堤体正面での、堆積土砂の排砂管理を
なくすこと。 (ロ) 河川の大流量時でも取水可能とし、かつ、沈砂
池への土砂流入を減らすこと。 (ハ) 機械装置をなくし、維持管理を容易にするこ
と。 (ニ) 沈砂池の容量(規模)を縮小し、取水堰と沈砂
池とを含めての建設工事費を減らすこと。 以上の課題を解決し、総合的にコストを下げることので
きる取水堰を提供すること。
【0004】
【課題を解決するための手段】翼形シル付きバッフルピ
ア式半自動排砂取水堰の構成を(図1,図2,図3)の
例をあげて説明する。 (イ) 水たたき3の上部に、流線形バッフルピア4を
設け、その頂部に翼形シル1を取り付け、水たたき3と
翼形シル1の間にスロット5を構成する。 (ロ) 水たたき3の下流部に、副ダム2を設置し、取
水に必要な水深を確保する。そして、副ダムの勾配はθ
=15°〜25°位の範囲で定め、水たたき3と副ダム
2のすりつけ部分は、スムースな曲率変化ですりつけ
る。さらに、副ダムの高さ(減勢池の最低水深)は、河
川の流況と沈砂能力、堆砂厚さ等を考慮して決める。 (ハ) 副ダム2の沈砂池7側に排砂ゲート8を設け
る。その機能は、少流量時における堆積土砂の排砂と、
減勢池水深の低下(取水停止)とである。 (ニ) 取水口6は、沈砂池7の側壁部に設ける。ま
た、取水口の下端は、小流量時の土砂堆積厚さと、取水
量とを考慮して定める。 (ホ) 越流頂10と減勢池12との落差は、水たたき
路床に沿って流れる底流層の流速と沈砂機能、及び洪水
時の越流頂、上流部での堰上げ背水を考慮して定める。 (ヘ) 減勢池12に流入する転石等を除くために、沈
砂池7の上流側に進入路14を設置する。 以上のごとく構成する半自動排砂取水堰を特徴とする。
ア式半自動排砂取水堰の構成を(図1,図2,図3)の
例をあげて説明する。 (イ) 水たたき3の上部に、流線形バッフルピア4を
設け、その頂部に翼形シル1を取り付け、水たたき3と
翼形シル1の間にスロット5を構成する。 (ロ) 水たたき3の下流部に、副ダム2を設置し、取
水に必要な水深を確保する。そして、副ダムの勾配はθ
=15°〜25°位の範囲で定め、水たたき3と副ダム
2のすりつけ部分は、スムースな曲率変化ですりつけ
る。さらに、副ダムの高さ(減勢池の最低水深)は、河
川の流況と沈砂能力、堆砂厚さ等を考慮して決める。 (ハ) 副ダム2の沈砂池7側に排砂ゲート8を設け
る。その機能は、少流量時における堆積土砂の排砂と、
減勢池水深の低下(取水停止)とである。 (ニ) 取水口6は、沈砂池7の側壁部に設ける。ま
た、取水口の下端は、小流量時の土砂堆積厚さと、取水
量とを考慮して定める。 (ホ) 越流頂10と減勢池12との落差は、水たたき
路床に沿って流れる底流層の流速と沈砂機能、及び洪水
時の越流頂、上流部での堰上げ背水を考慮して定める。 (ヘ) 減勢池12に流入する転石等を除くために、沈
砂池7の上流側に進入路14を設置する。 以上のごとく構成する半自動排砂取水堰を特徴とする。
【0005】
【作用】次に本発明の半自動排砂取水堰の作用を(図
4,図5,図6)の例をあげて説明する。 (イ) 河川の小流量時(図4)において、堤頂を流下
する水は射流となって減勢池に入る。そのとき、土砂も
流入するが、水たたき路床に沿って流れる底流層にのっ
て副ダム上流部の水たたき上面に吹き寄せられて、そこ
に溜る。 (ロ) 中流量時(図5)の場合には、堤頂を落下する
水流は減勢池で跳水を生じる。その跳水は、フルード数
によって弱跳水から定常跳水と変化する。また、流入土
砂は翼形シルとバッフルピアの整流作用によって、スロ
ットを通り副ダム上流部に溜ったり、一部分の土砂は下
流に押し流される。 (ハ) 大流量時(図6)では、翼形シル付きバッフル
ピアの強制的な跳水によって、跳水の位置は固定され
る。そして、翼形シル上面の跳水内部には激しい渦動が
生じるが、翼形シルの整流作用効果で、水たたき路床底
流層との混合は抑制される。また、スロットを出る底流
層は、跳水による動水圧と翼形シル上流の水位増加によ
る静水圧とによって、ジェット流となり、副ダム勾配面
上を流れる。したがって、流入土砂、滞留土砂は減勢池
の外に吹き飛ばされ、排砂される。
4,図5,図6)の例をあげて説明する。 (イ) 河川の小流量時(図4)において、堤頂を流下
する水は射流となって減勢池に入る。そのとき、土砂も
流入するが、水たたき路床に沿って流れる底流層にのっ
て副ダム上流部の水たたき上面に吹き寄せられて、そこ
に溜る。 (ロ) 中流量時(図5)の場合には、堤頂を落下する
水流は減勢池で跳水を生じる。その跳水は、フルード数
によって弱跳水から定常跳水と変化する。また、流入土
砂は翼形シルとバッフルピアの整流作用によって、スロ
ットを通り副ダム上流部に溜ったり、一部分の土砂は下
流に押し流される。 (ハ) 大流量時(図6)では、翼形シル付きバッフル
ピアの強制的な跳水によって、跳水の位置は固定され
る。そして、翼形シル上面の跳水内部には激しい渦動が
生じるが、翼形シルの整流作用効果で、水たたき路床底
流層との混合は抑制される。また、スロットを出る底流
層は、跳水による動水圧と翼形シル上流の水位増加によ
る静水圧とによって、ジェット流となり、副ダム勾配面
上を流れる。したがって、流入土砂、滞留土砂は減勢池
の外に吹き飛ばされ、排砂される。
【0006】
【実施例】本発明の実施方法と、その構造について(図
1,図2,図3)を例にあげて述べる。(図1)は本発
明の、翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰の
縦断面図(図2のA〜A線矢視)、(図2)は平面図、
(図3)は斜視図である。 (イ) 堤体背面側方取水堰において、水たたき3の上
面に流線形バッフルピア4、翼形シル1を設け、水たた
き3と翼形シル1の間にスロット5を構成する。 (ロ) スロット5の流水方向断面積変化は、スロット
入口(上流)からスロット出口方向に漸縮したり、漸縮
から等断面積としたり、漸縮から等断面積〜漸拡とした
りする。 (ハ) 翼形シル1の厚さと、バッフルピアの大きさ、
間隔は、大流量時の跳水の位置と跳水高さ(取水量の確
保)、及びスロット5出口からジェット流による堆積土
砂排除能力を考慮して定める。また、小流量時〜中流量
時における沈砂能力、土砂排除機能も考慮する。 (ニ) 翼形シル1上面の突起(シル型)は、跳水の長
さと高さを調整する補助シルの役割をするが、必要のな
い場合には設けなくてもよい。 (ホ) (図1)の翼形シル1は、減勢池12の水深内
に設置しているが、河川の流況によっては、水位より上
側(空気中)に設けることもできる。 (ヘ) 流線形バッフルピア4は、減勢池に流入する土
砂を副ダム2の上流部にすべらかに導くことができるよ
うに、流線形状に造る。 (ト) 流線形バッフルピア4、翼形シル1の築造材料
は、鉄筋コンクリート、FRP、鋼材を単独または組合
せて用いる。
1,図2,図3)を例にあげて述べる。(図1)は本発
明の、翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰の
縦断面図(図2のA〜A線矢視)、(図2)は平面図、
(図3)は斜視図である。 (イ) 堤体背面側方取水堰において、水たたき3の上
面に流線形バッフルピア4、翼形シル1を設け、水たた
き3と翼形シル1の間にスロット5を構成する。 (ロ) スロット5の流水方向断面積変化は、スロット
入口(上流)からスロット出口方向に漸縮したり、漸縮
から等断面積としたり、漸縮から等断面積〜漸拡とした
りする。 (ハ) 翼形シル1の厚さと、バッフルピアの大きさ、
間隔は、大流量時の跳水の位置と跳水高さ(取水量の確
保)、及びスロット5出口からジェット流による堆積土
砂排除能力を考慮して定める。また、小流量時〜中流量
時における沈砂能力、土砂排除機能も考慮する。 (ニ) 翼形シル1上面の突起(シル型)は、跳水の長
さと高さを調整する補助シルの役割をするが、必要のな
い場合には設けなくてもよい。 (ホ) (図1)の翼形シル1は、減勢池12の水深内
に設置しているが、河川の流況によっては、水位より上
側(空気中)に設けることもできる。 (ヘ) 流線形バッフルピア4は、減勢池に流入する土
砂を副ダム2の上流部にすべらかに導くことができるよ
うに、流線形状に造る。 (ト) 流線形バッフルピア4、翼形シル1の築造材料
は、鉄筋コンクリート、FRP、鋼材を単独または組合
せて用いる。
【0007】
【発明の効果】本発明の半自動排砂取水堰の効果(図
4,図5,図6)を、堤体背面側方取水堰の流況概念図
(図7,図8,図9)と比較して説明する。 (まえがき)日本国内で消費されるエネルギーの約8割
は、国外から輸入される石油、石炭等に依存している。
水力発電は、純国産、かつ、再生可能エネルギーであ
り、また、環境負荷の少ないクリーンエネルギーであ
る。したがって、中小水力発電開発を積極的に進める必
要があるが、他電源に比較して経済性が劣り開発が遅れ
ている。流れ込み式水力発電において、発電原価の構成
割合の大きなものは土木工事費(取水堰,沈砂池,導水
路等)である。ゆえに、土木工事費のコスト低減は経済
性の向上に大きく貢献する。本発明の効果を箇条書に述
べる。 (イ) 河川の小流量時(図4)において、減勢池は沈
砂池の機能をする。堤頂を越流した水は、落差によって
加速され減勢池へ流入する。水流は、減勢池水面より速
い流速で水たたき路床に沿って流れる底流層となる。底
流層は、流入土砂とともに流下しスロット出口を通過す
ると、水脈の拡散によって減速される。したがって、土
砂は副ダムと水たたきの接続部に溜る。この機構は、堤
体背面側方取水堰(図7)と同様である。 (ロ) 中流量時(図5)において、本発明の翼形シル
付きバッフルピアは、動揺する底層ジェット流(図8参
照)を整流し、かつ、跳水位置の変動を押える役割をす
る。堤体背面側方取水堰(図8参照)の堤体越流水は、
河川流量の増加によって運動エネルギーを増し、減勢池
内で跳水を発生する。そのとき、流入ジェットが間けつ
的に水路床に沿って流れたり、跳水の表面に沿って流れ
たりして時間的に変動する。そのために、小流量時に堆
積している土砂をかく播し沈砂機能を減らす。したがっ
て、本発明の翼形シルを設けることによって、動揺する
底層ジェット流を整流し、減勢池の沈砂機能を確保す
る。さらに、スロット出口からのジェット流効果で、粒
径の小さな土砂を減勢池より押し流すことができる。こ
のことは、水流のポテンシャルエネルギーを活用する自
動排砂と考えることがでる。 (ハ) 河川の大流量時(図6参照)では、本発明の翼
形シル付きバッフルピアは、取水量を確保すると同時に
堆積土砂を減勢池の外に排除する。堤体背面側方取水堰
(図9参照)では、減勢池内の跳水は吹き飛ばされ、水
の流れは射流となる。したがって、堆積土砂は減勢池の
外に押し流される。ただし、減勢池の水深は低下し取水
は不可能となる。本発明の翼形シル付きバッフルピアを
設けると、強制的な跳水が発生する。したがって、跳水
の位置が固定すると同時に、減勢池の水深が確保され、
取水することができる。しかも、スロット出口から出る
ジェットの掃流作用によって、小流量時に堆積した土砂
を排除することができる。 (ニ) 上記の作用によって、沈砂池容量の縮小、また
河川の流況によっては、沈砂池を省略することができ
る。 以上の効果により、中小流れ込み式水力発電原価の低減
に、本発明は効果的である。
4,図5,図6)を、堤体背面側方取水堰の流況概念図
(図7,図8,図9)と比較して説明する。 (まえがき)日本国内で消費されるエネルギーの約8割
は、国外から輸入される石油、石炭等に依存している。
水力発電は、純国産、かつ、再生可能エネルギーであ
り、また、環境負荷の少ないクリーンエネルギーであ
る。したがって、中小水力発電開発を積極的に進める必
要があるが、他電源に比較して経済性が劣り開発が遅れ
ている。流れ込み式水力発電において、発電原価の構成
割合の大きなものは土木工事費(取水堰,沈砂池,導水
路等)である。ゆえに、土木工事費のコスト低減は経済
性の向上に大きく貢献する。本発明の効果を箇条書に述
べる。 (イ) 河川の小流量時(図4)において、減勢池は沈
砂池の機能をする。堤頂を越流した水は、落差によって
加速され減勢池へ流入する。水流は、減勢池水面より速
い流速で水たたき路床に沿って流れる底流層となる。底
流層は、流入土砂とともに流下しスロット出口を通過す
ると、水脈の拡散によって減速される。したがって、土
砂は副ダムと水たたきの接続部に溜る。この機構は、堤
体背面側方取水堰(図7)と同様である。 (ロ) 中流量時(図5)において、本発明の翼形シル
付きバッフルピアは、動揺する底層ジェット流(図8参
照)を整流し、かつ、跳水位置の変動を押える役割をす
る。堤体背面側方取水堰(図8参照)の堤体越流水は、
河川流量の増加によって運動エネルギーを増し、減勢池
内で跳水を発生する。そのとき、流入ジェットが間けつ
的に水路床に沿って流れたり、跳水の表面に沿って流れ
たりして時間的に変動する。そのために、小流量時に堆
積している土砂をかく播し沈砂機能を減らす。したがっ
て、本発明の翼形シルを設けることによって、動揺する
底層ジェット流を整流し、減勢池の沈砂機能を確保す
る。さらに、スロット出口からのジェット流効果で、粒
径の小さな土砂を減勢池より押し流すことができる。こ
のことは、水流のポテンシャルエネルギーを活用する自
動排砂と考えることがでる。 (ハ) 河川の大流量時(図6参照)では、本発明の翼
形シル付きバッフルピアは、取水量を確保すると同時に
堆積土砂を減勢池の外に排除する。堤体背面側方取水堰
(図9参照)では、減勢池内の跳水は吹き飛ばされ、水
の流れは射流となる。したがって、堆積土砂は減勢池の
外に押し流される。ただし、減勢池の水深は低下し取水
は不可能となる。本発明の翼形シル付きバッフルピアを
設けると、強制的な跳水が発生する。したがって、跳水
の位置が固定すると同時に、減勢池の水深が確保され、
取水することができる。しかも、スロット出口から出る
ジェットの掃流作用によって、小流量時に堆積した土砂
を排除することができる。 (ニ) 上記の作用によって、沈砂池容量の縮小、また
河川の流況によっては、沈砂池を省略することができ
る。 以上の効果により、中小流れ込み式水力発電原価の低減
に、本発明は効果的である。
【図1】本発明の、翼形シル付きバッフルピアを設けた
半自動排砂取水堰の要部を示す縦断面図(図2のA−A
線矢視)である。
半自動排砂取水堰の要部を示す縦断面図(図2のA−A
線矢視)である。
【図2】翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰
の一例を示す平面図である。
の一例を示す平面図である。
【図3】本発明の、要部を示す斜視図である。
【図4】
【図5】
【図6】本発明の、翼形シル付きバッフルピア式半自動
排砂取水堰において、河川小流量時
排砂取水堰において、河川小流量時
【図4】、中流量時
【図5】、大流量時
【図6】の減勢池内での流れ状態を概念的に示す縦断面
図である。
図である。
【図7】
【図8】
【図9】堤体背面側方取水堰において、河川小流量時
【図7】、中流量時
【図8】、大流量時
【図9】の減勢池内での流れ状態を概念的に示す縦断面
図である。
図である。
【図10】一般的な、堤体正面側方取水堰の縦断面図で
ある。
ある。
【図11】一般的な、堤体背面側方取水堰の縦断面図で
ある。
ある。
【図12】一般的な、ゴム引布製起伏取水堰(可動ゲー
ト型)の縦断面図である。
ト型)の縦断面図である。
(図1,図2,図3)の符号 1 翼形シル 2 副ダム 3 水たたき 4
流線形バッフルピア 5 スロット 6 取水口 7 沈砂池 8
排砂ゲート 9 越流水(射流) 10 越流頂 11 上流水
位 12 減勢池 13 下流水位(常流) 14 進入路
流線形バッフルピア 5 スロット 6 取水口 7 沈砂池 8
排砂ゲート 9 越流水(射流) 10 越流頂 11 上流水
位 12 減勢池 13 下流水位(常流) 14 進入路
Claims (1)
- 【請求項1】 堤体背面側方取水堰において、水たたき
3の上面に流線形バッフルピア4を設ける。その頂部
に、翼形シル1を取り付けて、水たたき3と翼形シル1
との間にスロット5(穴)を構成する。以上を特徴とす
る半自動排砂取水堰の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15375895A JPH08311847A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15375895A JPH08311847A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311847A true JPH08311847A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=15569493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15375895A Pending JPH08311847A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 翼形シル付きバッフルピア式半自動排砂取水堰 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311847A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006070537A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Mitsuo Yamamoto | 直角v字型減勢工、それを使用したカスケード工、及びそれらを使用した段落水路 |
KR101109641B1 (ko) * | 2011-06-28 | 2012-01-31 | 유한회사 태일토건 | 저류형 농수로의 시공방법 |
JP2012041743A (ja) * | 2010-08-19 | 2012-03-01 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 取水構造、及び取水方法 |
JP2014214468A (ja) * | 2013-04-24 | 2014-11-17 | 前田設備工業株式会社 | 取水装置 |
CN110624280A (zh) * | 2019-09-28 | 2019-12-31 | 兰州理工大学 | 一种分级沉淀交替使用的沉沙池 |
-
1995
- 1995-05-16 JP JP15375895A patent/JPH08311847A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006070537A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Mitsuo Yamamoto | 直角v字型減勢工、それを使用したカスケード工、及びそれらを使用した段落水路 |
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KR101109641B1 (ko) * | 2011-06-28 | 2012-01-31 | 유한회사 태일토건 | 저류형 농수로의 시공방법 |
JP2014214468A (ja) * | 2013-04-24 | 2014-11-17 | 前田設備工業株式会社 | 取水装置 |
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