JPH08311760A - 内装材用不織布 - Google Patents
内装材用不織布Info
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- JPH08311760A JPH08311760A JP7114156A JP11415695A JPH08311760A JP H08311760 A JPH08311760 A JP H08311760A JP 7114156 A JP7114156 A JP 7114156A JP 11415695 A JP11415695 A JP 11415695A JP H08311760 A JPH08311760 A JP H08311760A
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- fiber
- interior materials
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 基材の支持機能と表面意匠模様の独特な審美
的機能とを一体化して併有し、更には、柔軟な触感と改
善されたクッション性と優れた吸遮音性とを兼備した不
織布よりなる内装材を提供する。 【構成】 短繊維よりなる主体部分の平均の厚みが2m
m〜100mmであり且つ平均の見かけ密度が0.01
g/cm3 〜0.8g/cm3 である不織布基材の表面
に熱転写プリントにより意匠模様を施し、その上に更に
短繊維をフロック加工した内装材用不織布。本発明の不
織布は、優れた独特の審美性と改善された吸遮音特性を
備え、快適な居住空間を提供するから、天井、壁、床
(カーペット)等、居住空間の仕切り面或いは車両の内
装に好適に用いられる
的機能とを一体化して併有し、更には、柔軟な触感と改
善されたクッション性と優れた吸遮音性とを兼備した不
織布よりなる内装材を提供する。 【構成】 短繊維よりなる主体部分の平均の厚みが2m
m〜100mmであり且つ平均の見かけ密度が0.01
g/cm3 〜0.8g/cm3 である不織布基材の表面
に熱転写プリントにより意匠模様を施し、その上に更に
短繊維をフロック加工した内装材用不織布。本発明の不
織布は、優れた独特の審美性と改善された吸遮音特性を
備え、快適な居住空間を提供するから、天井、壁、床
(カーペット)等、居住空間の仕切り面或いは車両の内
装に好適に用いられる
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天井、壁、床(カーペ
ット)等、居住空間の仕切り面或いは車両の内装に用い
られる不織布に関する。
ット)等、居住空間の仕切り面或いは車両の内装に用い
られる不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天井、壁、床(カーペット)等、
居住空間の仕切り面、或いは車両の内装材としては、鉄
板、コンクリート、木質ボード、段ボール、レジンフェ
ルト等を基盤とし、その表面上にフロック加工を行った
ものを使用することが提案されている。例えば、特開平
5−138109号公報には、スチール又は木質建材の
表面上に耐熱性を有するパイルをフロック加工した内装
材が開示されている。しかしながら、これらの内装材で
は基盤として鉄板、コンクリート、木質ボード、段ボー
ル、レジンフェルト等を使用するため、上部から圧縮し
た時の触感が硬くクッション性に欠け、高級感を損なう
という問題点がある。また、これらの内装材を吸音材と
して使用する場合、これらの基盤は硬いため通気性が全
くないか或いは極めて少ない状態であり、十分な吸音性
を得ることができないという問題点もある。
居住空間の仕切り面、或いは車両の内装材としては、鉄
板、コンクリート、木質ボード、段ボール、レジンフェ
ルト等を基盤とし、その表面上にフロック加工を行った
ものを使用することが提案されている。例えば、特開平
5−138109号公報には、スチール又は木質建材の
表面上に耐熱性を有するパイルをフロック加工した内装
材が開示されている。しかしながら、これらの内装材で
は基盤として鉄板、コンクリート、木質ボード、段ボー
ル、レジンフェルト等を使用するため、上部から圧縮し
た時の触感が硬くクッション性に欠け、高級感を損なう
という問題点がある。また、これらの内装材を吸音材と
して使用する場合、これらの基盤は硬いため通気性が全
くないか或いは極めて少ない状態であり、十分な吸音性
を得ることができないという問題点もある。
【0003】このような問題点を克服するために、内装
材基盤として不織布を使用したものが提案されている。
即ち、従来の内装用不織布としては、図7〜図9に示す
垂直断面形状を有するものが知られている。図7に示す
ものは、特開平4−303637号公報に開示されたよ
うに、形態安定感を得るための比較的硬めの基材2、例
えば、鋼板、コンクリート、木質ボード、樹脂ボード、
段ボール、レジンフェルト等よりなる基材に、不織布表
皮1を添着した例であり、内装材としての美観を賦与す
ることができる。図8に示すものは、基材と表皮との間
に柔軟でクッション性を有するウレタンやポリエチレン
等の発泡体シートやフェルト基材3を支持体とした例で
あり、例えば、特開昭61−237630号、特開平2
−162171号、特開平3−176241号、特開平
4−176742号等の各公報に開示されている。ま
た、図9に示すものは、不織布よりなる基材4に不織布
表皮を添着した例であり、特願平5−30681号、特
願平5−118217号として提案されている。
材基盤として不織布を使用したものが提案されている。
即ち、従来の内装用不織布としては、図7〜図9に示す
垂直断面形状を有するものが知られている。図7に示す
ものは、特開平4−303637号公報に開示されたよ
うに、形態安定感を得るための比較的硬めの基材2、例
えば、鋼板、コンクリート、木質ボード、樹脂ボード、
段ボール、レジンフェルト等よりなる基材に、不織布表
皮1を添着した例であり、内装材としての美観を賦与す
ることができる。図8に示すものは、基材と表皮との間
に柔軟でクッション性を有するウレタンやポリエチレン
等の発泡体シートやフェルト基材3を支持体とした例で
あり、例えば、特開昭61−237630号、特開平2
−162171号、特開平3−176241号、特開平
4−176742号等の各公報に開示されている。ま
た、図9に示すものは、不織布よりなる基材4に不織布
表皮を添着した例であり、特願平5−30681号、特
願平5−118217号として提案されている。
【0004】しかしながら、図7の場合、不織布表皮1
を張り付けても触感は硬く、高級感を損なう。また、内
装材に吸遮音性が要求される場合、基材2が硬いと、空
気に対する通気性が全くないか、または極めて小さい状
態となり、十分な吸遮音性を得ることができない。図8
の場合は、クッション性を有する発泡体やフェルトを基
材3として用いるため、触感や吸遮音性は改善される
が、構成が複雑となり材料コスト、製造コストの上昇を
招くことになり好ましくない。図9の場合は、触感、吸
遮音性も改善されるが、表皮、基材に同じ不織布を用い
ながら、それぞれ別個に製造した不織布を再び積層して
張り付ける工程を必要とする煩わしさがある。
を張り付けても触感は硬く、高級感を損なう。また、内
装材に吸遮音性が要求される場合、基材2が硬いと、空
気に対する通気性が全くないか、または極めて小さい状
態となり、十分な吸遮音性を得ることができない。図8
の場合は、クッション性を有する発泡体やフェルトを基
材3として用いるため、触感や吸遮音性は改善される
が、構成が複雑となり材料コスト、製造コストの上昇を
招くことになり好ましくない。図9の場合は、触感、吸
遮音性も改善されるが、表皮、基材に同じ不織布を用い
ながら、それぞれ別個に製造した不織布を再び積層して
張り付ける工程を必要とする煩わしさがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたもので、少なくとも一
方の表面に例えばプリント等によって意匠模様を直接施
し、更にその上にフロック加工を行うことによって、基
材の支持機能と表皮の審美的機能とを一体化して併有す
るとともに、改善されたクッション性と、高級感を伴う
柔軟な触感と、更には優れた吸音性能とを有する内装材
を提供することを目的とするものである。更に又本発明
の別の目的は、玉虫模様或いは観察方向により変幻し得
る独特な幻想的美観を備え、豪華にして快適な居住空間
を提供するにある。
従来の問題点に着目してなされたもので、少なくとも一
方の表面に例えばプリント等によって意匠模様を直接施
し、更にその上にフロック加工を行うことによって、基
材の支持機能と表皮の審美的機能とを一体化して併有す
るとともに、改善されたクッション性と、高級感を伴う
柔軟な触感と、更には優れた吸音性能とを有する内装材
を提供することを目的とするものである。更に又本発明
の別の目的は、玉虫模様或いは観察方向により変幻し得
る独特な幻想的美観を備え、豪華にして快適な居住空間
を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の内装材用不織布
は、短繊維よりなる主体部分の平均の厚みが2mm〜1
00mmであり且つ平均の見かけ密度が0.01g/c
m3 〜0.8g/cm 3 である不織布基材の少なくとも
一方の表面に熱転写プリントによる意匠模様が印刷さ
れ、更にその印刷面上にパイル繊維をフロック加工して
なることを特徴とする。かかる内装材用不織布は、改善
されたクッション性と、高級感を伴う柔軟な触感と、独
特な幻想的美観と豪華さとを併有し、更に優れた吸音性
能を有する。
は、短繊維よりなる主体部分の平均の厚みが2mm〜1
00mmであり且つ平均の見かけ密度が0.01g/c
m3 〜0.8g/cm 3 である不織布基材の少なくとも
一方の表面に熱転写プリントによる意匠模様が印刷さ
れ、更にその印刷面上にパイル繊維をフロック加工して
なることを特徴とする。かかる内装材用不織布は、改善
されたクッション性と、高級感を伴う柔軟な触感と、独
特な幻想的美観と豪華さとを併有し、更に優れた吸音性
能を有する。
【0007】本発明の不織布を構成する短繊維は0.1
デニール〜15.0デニールの熱可塑性合成繊維、特に
ポリエステル繊維であることが好ましい。かかるポリエ
ステル繊維は少なくとも捲縮性コンジュゲート繊維を含
んでなることがよい。
デニール〜15.0デニールの熱可塑性合成繊維、特に
ポリエステル繊維であることが好ましい。かかるポリエ
ステル繊維は少なくとも捲縮性コンジュゲート繊維を含
んでなることがよい。
【0008】本発明の不織布を構成する短繊維は、少な
くとも2種類の短繊維からなり、支持機能を果たすマト
リックス繊維と繊維相互間を熱融着するバインダー繊維
とを含んでなることが好ましく、かかる熱融着性バイン
ダー繊維の好適な含有量は不織布基材の5重量%〜80
重量%である。また、斯かる構成の本発明不織布におい
ては、加熱により、不織布基材構成繊維の交点の少なく
とも一部は熱融着性バインダー繊維で接合され、不織布
は所定形状に成形安定化される。
くとも2種類の短繊維からなり、支持機能を果たすマト
リックス繊維と繊維相互間を熱融着するバインダー繊維
とを含んでなることが好ましく、かかる熱融着性バイン
ダー繊維の好適な含有量は不織布基材の5重量%〜80
重量%である。また、斯かる構成の本発明不織布におい
ては、加熱により、不織布基材構成繊維の交点の少なく
とも一部は熱融着性バインダー繊維で接合され、不織布
は所定形状に成形安定化される。
【0009】本発明に用いるパイル繊維は、0.6デニ
ール〜3.0デニールの繊度を有し且つ0.6mm〜
1.5mmの繊維長を有することが好ましい。更に、パ
イル繊維はベンディングタイプであることが好ましい。
又、パイル繊維は、熱転写プリントされた意匠模様を構
成するの色彩の少なくとも1つとは異なった色彩に着色
されていることが好ましい。
ール〜3.0デニールの繊度を有し且つ0.6mm〜
1.5mmの繊維長を有することが好ましい。更に、パ
イル繊維はベンディングタイプであることが好ましい。
又、パイル繊維は、熱転写プリントされた意匠模様を構
成するの色彩の少なくとも1つとは異なった色彩に着色
されていることが好ましい。
【0010】以下、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。本発明の内装材用不織布の垂直断面図を示す図1
において、不織布基材a−1層は、内装材の基材として
の支持機能を確保するために、使用時の端部や取り付け
部等の特殊な箇所を除いた主体部分の平均の厚みが好ま
しくは2mm〜100mm、更に好ましくは、3mm〜
50mmであり、平均の見かけ密度が好ましくは0.0
1g/cm3 〜0.8g/cm3 、更に好ましくは0.
015g/cm 3 〜0.2g/cm3 である。平均の厚
みが上記範囲よりも小さ過ぎると柔軟な触感が得られな
い場合がある他、強度的にも弱くなり支持体としての十
分な剛性が不足し、固定感や安定感に欠ける嫌いがあ
る。逆に平均の厚みが大き過ぎると、その表面に意匠模
様を施す工程、即ち熱転写プリント工程や不織布の成形
加工工程に困難を伴う傾向がある。また、平均の見かけ
密度が上記範囲よりも低過ぎると、支持体としての十分
な強度が得られない他、表面に意匠模様を施す熱転写プ
リント処理及びフロック加工工程が困難となる。逆に、
平均の見かけ密度が高過ぎると、繊維の使用量が増大す
ることによるコストアップや触感が硬くなる等の問題が
生じる虞れがある。
する。本発明の内装材用不織布の垂直断面図を示す図1
において、不織布基材a−1層は、内装材の基材として
の支持機能を確保するために、使用時の端部や取り付け
部等の特殊な箇所を除いた主体部分の平均の厚みが好ま
しくは2mm〜100mm、更に好ましくは、3mm〜
50mmであり、平均の見かけ密度が好ましくは0.0
1g/cm3 〜0.8g/cm3 、更に好ましくは0.
015g/cm 3 〜0.2g/cm3 である。平均の厚
みが上記範囲よりも小さ過ぎると柔軟な触感が得られな
い場合がある他、強度的にも弱くなり支持体としての十
分な剛性が不足し、固定感や安定感に欠ける嫌いがあ
る。逆に平均の厚みが大き過ぎると、その表面に意匠模
様を施す工程、即ち熱転写プリント工程や不織布の成形
加工工程に困難を伴う傾向がある。また、平均の見かけ
密度が上記範囲よりも低過ぎると、支持体としての十分
な強度が得られない他、表面に意匠模様を施す熱転写プ
リント処理及びフロック加工工程が困難となる。逆に、
平均の見かけ密度が高過ぎると、繊維の使用量が増大す
ることによるコストアップや触感が硬くなる等の問題が
生じる虞れがある。
【0011】不織布基材を構成する短繊維としては、繊
度が好ましくは0.1〜15.0デニール、更に好まし
くは、0.5〜5.0デニール、特に、1.0〜3.0
デニールの熱可塑性合成繊維、好ましくは線状ポリエス
テル繊維が好適である。上記繊度が小さ過ぎると、紡糸
速度の低下により製造コストが上昇し、又は不織布化す
る際のカード機の通過性が低下して、品質の良い不織布
基材を安価に得ることができない。一方、上記繊度が大
き過ぎると、不織布基材の粗硬感が増大し表面の肌理が
粗くなる等、風合いの面で好ましくない。
度が好ましくは0.1〜15.0デニール、更に好まし
くは、0.5〜5.0デニール、特に、1.0〜3.0
デニールの熱可塑性合成繊維、好ましくは線状ポリエス
テル繊維が好適である。上記繊度が小さ過ぎると、紡糸
速度の低下により製造コストが上昇し、又は不織布化す
る際のカード機の通過性が低下して、品質の良い不織布
基材を安価に得ることができない。一方、上記繊度が大
き過ぎると、不織布基材の粗硬感が増大し表面の肌理が
粗くなる等、風合いの面で好ましくない。
【0012】上記本発明に用いるポリエステル繊維と
は、繊維形成性熱可塑性芳香族ポリエステルを主たる構
成成分とする繊維であり、特にポリエチレンテレフタレ
ート系繊維、ポリブチレンテレフタレート系繊維、ポリ
エチレンナフタレート系繊維、ポリ(p−オキシベンゾ
エート)系繊維、ポリ[p−(2−ヒドロキシエチル)
オキシベンゾエート]系繊維等を例示することができ
る。そのうち、特に入手容易なポリエチレンテレフタレ
ート繊維は、融点や引張強度、モジュラスが比較的高く
マトリックス繊維としての支持機能を有効に果たすので
好ましい。更に好ましくは、ホモポリエステルと共重合
ポリエステル或いは変性ポリエステルとを繊維軸に沿っ
て偏心的、例えば、サイド・バイ・サイド型、に複合し
たコンジュゲート繊維は熱処理により捲縮を発現し不織
布の交絡度を高め成形性が増すので好ましい。
は、繊維形成性熱可塑性芳香族ポリエステルを主たる構
成成分とする繊維であり、特にポリエチレンテレフタレ
ート系繊維、ポリブチレンテレフタレート系繊維、ポリ
エチレンナフタレート系繊維、ポリ(p−オキシベンゾ
エート)系繊維、ポリ[p−(2−ヒドロキシエチル)
オキシベンゾエート]系繊維等を例示することができ
る。そのうち、特に入手容易なポリエチレンテレフタレ
ート繊維は、融点や引張強度、モジュラスが比較的高く
マトリックス繊維としての支持機能を有効に果たすので
好ましい。更に好ましくは、ホモポリエステルと共重合
ポリエステル或いは変性ポリエステルとを繊維軸に沿っ
て偏心的、例えば、サイド・バイ・サイド型、に複合し
たコンジュゲート繊維は熱処理により捲縮を発現し不織
布の交絡度を高め成形性が増すので好ましい。
【0013】更に、本発明の不織布基材a−1を構成す
る繊維は、少なくとも2種類の短繊維からなり、支持機
能を果たすマトリックス繊維と繊維相互間を熱融着する
バインダー繊維とを含んでなることが好ましい。かかる
バインダー繊維としては、通常共重合或いはブレンドポ
リマー、例えば、ポリエチレンテレフタレートに例えば
イソフタル酸等の共単量体を共重合させ、或いは異種の
ポリエステルをブレンドすること等によって融点を低下
させた熱融着性ポリマーが好適に使用される。バインダ
ー繊維は熱処理、例えばホモポリエステルよりなるマト
リックス繊維の軟化点以下の温度で軟化或いは溶融して
融着性を発現する。熱処理はマトリックス繊維の軟化点
温度未満、バインダー繊維の融着性発現温度以上で行わ
れるが、単独の工程としても或いは加熱成形工程に伴っ
て行うこともできる。かかる熱処理により、バインダー
繊維と交わる構成繊維は交点において接着し不織布基材
に形態安定性を付与する他、バインダー繊維はマトリッ
クス繊維の支持機能と協働して不織布基材に適度な剛性
を与える。更にまた、バインダー繊維の使用により、不
織布の面に添設される凹凸形状を吸収したり、意図的に
凹凸を不織布表面に安定に付与することも可能となる。
る繊維は、少なくとも2種類の短繊維からなり、支持機
能を果たすマトリックス繊維と繊維相互間を熱融着する
バインダー繊維とを含んでなることが好ましい。かかる
バインダー繊維としては、通常共重合或いはブレンドポ
リマー、例えば、ポリエチレンテレフタレートに例えば
イソフタル酸等の共単量体を共重合させ、或いは異種の
ポリエステルをブレンドすること等によって融点を低下
させた熱融着性ポリマーが好適に使用される。バインダ
ー繊維は熱処理、例えばホモポリエステルよりなるマト
リックス繊維の軟化点以下の温度で軟化或いは溶融して
融着性を発現する。熱処理はマトリックス繊維の軟化点
温度未満、バインダー繊維の融着性発現温度以上で行わ
れるが、単独の工程としても或いは加熱成形工程に伴っ
て行うこともできる。かかる熱処理により、バインダー
繊維と交わる構成繊維は交点において接着し不織布基材
に形態安定性を付与する他、バインダー繊維はマトリッ
クス繊維の支持機能と協働して不織布基材に適度な剛性
を与える。更にまた、バインダー繊維の使用により、不
織布の面に添設される凹凸形状を吸収したり、意図的に
凹凸を不織布表面に安定に付与することも可能となる。
【0014】バインダー繊維は上記の熱融着性ポリマー
よりなる単一成分繊維でもよいが、ホモポリマーを芯成
分とし熱融着性共重合ポリマーを鞘成分とするシース・
コア型コンジュゲート繊維を用いれば、芯成分の支持機
能を維持したまま熱融着機能を果たすことができるので
更に好適である。また、サイド・バイ・サイド型コンジ
ュゲート繊維とすれば、過度の融着点の形成による不織
布の硬化を防ぐこともできる。
よりなる単一成分繊維でもよいが、ホモポリマーを芯成
分とし熱融着性共重合ポリマーを鞘成分とするシース・
コア型コンジュゲート繊維を用いれば、芯成分の支持機
能を維持したまま熱融着機能を果たすことができるので
更に好適である。また、サイド・バイ・サイド型コンジ
ュゲート繊維とすれば、過度の融着点の形成による不織
布の硬化を防ぐこともできる。
【0015】バインダー繊維は不織布基材の5〜80重
量%、特に10〜70重量%含まれることが好ましい。
バインダー繊維が5重量%未満の場合は、十分な剛性又
は成形安定性が得られないばかりでなく、賦形困難とな
る場合さえも生じる。一方、80重量%を超えると、バ
インダー繊維過多のために、熱時の剛性確保が困難とな
る。また、バインダー繊維は製造コストが高いために必
要以上の添加は避けることがよい。
量%、特に10〜70重量%含まれることが好ましい。
バインダー繊維が5重量%未満の場合は、十分な剛性又
は成形安定性が得られないばかりでなく、賦形困難とな
る場合さえも生じる。一方、80重量%を超えると、バ
インダー繊維過多のために、熱時の剛性確保が困難とな
る。また、バインダー繊維は製造コストが高いために必
要以上の添加は避けることがよい。
【0016】繊維の横断面形状としてはレギュラーの円
形、或いは偏平、Y形、中空形等の異形断面等、特に制
限はない。特に、中空糸を適量ブレンドすることによ
り、不織布の吸遮音特性を調節することができる。更
に、中空糸をサイド・バイ・サイドのコンジュゲート繊
維とすることにより、捲縮発現による交絡性、成形性の
向上に寄与することもできる。
形、或いは偏平、Y形、中空形等の異形断面等、特に制
限はない。特に、中空糸を適量ブレンドすることによ
り、不織布の吸遮音特性を調節することができる。更
に、中空糸をサイド・バイ・サイドのコンジュゲート繊
維とすることにより、捲縮発現による交絡性、成形性の
向上に寄与することもできる。
【0017】不織布基材a−1を構成する短繊維の色調
は特に制限はなく、一般的な白色の他、各種色調の原着
繊維を単独または組み合わせて使用することも可能であ
る。特に、原着繊維を用いることにより、表面の意匠模
様色彩と組み合わせ、装飾、美観の幅を広げることがで
きる。
は特に制限はなく、一般的な白色の他、各種色調の原着
繊維を単独または組み合わせて使用することも可能であ
る。特に、原着繊維を用いることにより、表面の意匠模
様色彩と組み合わせ、装飾、美観の幅を広げることがで
きる。
【0018】不織布基材a−1の表面に意匠模様を施す
方法としては、転写等の乾式プリント方式や、スクリー
ンプリント、ローラプリント、インクジェット等の湿式
プリント方式を適用して色柄を置くことが一応可能であ
る。しかしながら、不織布基材の厚みが2mm以下であ
れば、湿式方式を適用する点に問題はないが、本発明の
ように2mm〜100mmの厚さを有する不織布基材の
場合は、湿式のプリントで必要となる例えば脱脂処理、
発色、乾燥処理等の後処理が大掛かりとなるので、乾式
プリント方式が有利である。従って、本発明において
は、熱転写プリントシートを用いて、常法により転写す
る熱転写プリント法を用いる。
方法としては、転写等の乾式プリント方式や、スクリー
ンプリント、ローラプリント、インクジェット等の湿式
プリント方式を適用して色柄を置くことが一応可能であ
る。しかしながら、不織布基材の厚みが2mm以下であ
れば、湿式方式を適用する点に問題はないが、本発明の
ように2mm〜100mmの厚さを有する不織布基材の
場合は、湿式のプリントで必要となる例えば脱脂処理、
発色、乾燥処理等の後処理が大掛かりとなるので、乾式
プリント方式が有利である。従って、本発明において
は、熱転写プリントシートを用いて、常法により転写す
る熱転写プリント法を用いる。
【0019】熱転写プリントにより意匠模様を施す不織
布基材a−1は、あらかじめ熱処理またはニードルパン
チング等によって予備成形して表面を平滑化しておくこ
とにより、更に均一に意匠模様を転写することが可能と
なる。図3において、a−2層は熱転写プリントによっ
て不織布基材a−1上に印刷された意匠模様である。熱
転写プリントシートに使用される染料としては分散染
料、塩基性染料、酸性染料等特に制限はなく、シートの
一例としては、凸版印刷(株)製の熱転写プリントシー
トが挙げられる。
布基材a−1は、あらかじめ熱処理またはニードルパン
チング等によって予備成形して表面を平滑化しておくこ
とにより、更に均一に意匠模様を転写することが可能と
なる。図3において、a−2層は熱転写プリントによっ
て不織布基材a−1上に印刷された意匠模様である。熱
転写プリントシートに使用される染料としては分散染
料、塩基性染料、酸性染料等特に制限はなく、シートの
一例としては、凸版印刷(株)製の熱転写プリントシー
トが挙げられる。
【0020】次いで、本発明においては、不織布基材a
−1の少なくとも上記プリントa−2面にフロック加工
を施す。フロック加工においては、図4に示すように、
不織布基材a−1層の表面意匠模様層a−2上に所定量
の接着剤層bを均一に塗布した後に、図5に示す静電気
式加工法その他、常法により、所望のパイルc層を所望
の密度を以て植毛する。
−1の少なくとも上記プリントa−2面にフロック加工
を施す。フロック加工においては、図4に示すように、
不織布基材a−1層の表面意匠模様層a−2上に所定量
の接着剤層bを均一に塗布した後に、図5に示す静電気
式加工法その他、常法により、所望のパイルc層を所望
の密度を以て植毛する。
【0021】フロック加工工程によりパイルを接着する
ための接着剤b層としてはエマルジョン系と溶剤系とを
共に使用することができる。エマルジョン系には、アク
リル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エス
テル−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、合成ゴム、例えばSBR又はNBR、等があり、
溶剤系には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレ
ン樹脂、合成ゴム、例えばSBR又はNBR、酢酸ビニ
ル樹脂、アクリル酸エステル樹脂等が挙げられるが、特
に制限はない。
ための接着剤b層としてはエマルジョン系と溶剤系とを
共に使用することができる。エマルジョン系には、アク
リル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エス
テル−酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、合成ゴム、例えばSBR又はNBR、等があり、
溶剤系には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレ
ン樹脂、合成ゴム、例えばSBR又はNBR、酢酸ビニ
ル樹脂、アクリル酸エステル樹脂等が挙げられるが、特
に制限はない。
【0022】図5において、フロック加工される短繊維
パイルc層を構成するパイルdの素材としてはナイロ
ン、アクリル、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等
の半合成繊維、綿等の天然繊維、等、何れも使用可能で
あるが、内装材用としての風合い、触感の点で高級感を
出すためにはナイロンが最も好ましい。
パイルc層を構成するパイルdの素材としてはナイロ
ン、アクリル、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等
の半合成繊維、綿等の天然繊維、等、何れも使用可能で
あるが、内装材用としての風合い、触感の点で高級感を
出すためにはナイロンが最も好ましい。
【0023】パイルdの繊度は0.6〜3.0デニール
が望ましい。0.6デニール未満では高度な紡糸技術を
必要とするために高価となる。一方3.0デニールを超
えると、風合い、触感が硬くなり好ましくない。パイル
dの繊度長は0.6〜1.5mmが望ましい。0.6m
m未満では風合い、触感が硬くなり、一方1.5mmを
超えると風合い、触感が柔らかくなり過ぎる傾向があ
る。パイル短繊維の形状はベンディングタイプ、即ち、
屈曲型であることが望ましい。直線タイプやカールタイ
プでは風合い、触感を損なう嫌いがある。
が望ましい。0.6デニール未満では高度な紡糸技術を
必要とするために高価となる。一方3.0デニールを超
えると、風合い、触感が硬くなり好ましくない。パイル
dの繊度長は0.6〜1.5mmが望ましい。0.6m
m未満では風合い、触感が硬くなり、一方1.5mmを
超えると風合い、触感が柔らかくなり過ぎる傾向があ
る。パイル短繊維の形状はベンディングタイプ、即ち、
屈曲型であることが望ましい。直線タイプやカールタイ
プでは風合い、触感を損なう嫌いがある。
【0024】パイルdの色彩は、不織布基材の色彩およ
びその上にプリントされた意匠模様を構成する色彩の少
なくとも1色とは異なった色彩に着色されていることが
好ましい。このように異色の植毛パイルは、プリント意
匠模様や不織布の地色と微妙に干渉して、玉虫模様を呈
したり、観察方向により変幻した柄を顕出することがで
きる。
びその上にプリントされた意匠模様を構成する色彩の少
なくとも1色とは異なった色彩に着色されていることが
好ましい。このように異色の植毛パイルは、プリント意
匠模様や不織布の地色と微妙に干渉して、玉虫模様を呈
したり、観察方向により変幻した柄を顕出することがで
きる。
【0025】上記の方法でフロック加工した不織布基材
を、マトリックス繊維の軟化点温度未満、バインダー繊
維の融着性発現温度以上で加熱して、プレス機に投入し
冷却することにより、所定の形状に成形することができ
る。例えば、図6に示すように、基盤fの湾曲面あるい
は凹凸面に合わせた不織布を成形することも可能であ
る。
を、マトリックス繊維の軟化点温度未満、バインダー繊
維の融着性発現温度以上で加熱して、プレス機に投入し
冷却することにより、所定の形状に成形することができ
る。例えば、図6に示すように、基盤fの湾曲面あるい
は凹凸面に合わせた不織布を成形することも可能であ
る。
【0026】このようにして得られた本発明の内装材の
初期厚みの50%圧縮時の応力は、5.0kg〜20.
0kg、より好ましくは、10.0kg〜15.0k
g、の範囲にあることが望ましい。この値が5.0kg
未満では剛性の確保が困難であり、20.0kgを超え
ると硬くなり過ぎて触感上好ましくない。
初期厚みの50%圧縮時の応力は、5.0kg〜20.
0kg、より好ましくは、10.0kg〜15.0k
g、の範囲にあることが望ましい。この値が5.0kg
未満では剛性の確保が困難であり、20.0kgを超え
ると硬くなり過ぎて触感上好ましくない。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例についいて更に詳述す
る。実施例中、「部」は重量部である。実施例中の摩擦
係数の測定は、加藤鉄工株式会社製、表面試験機KES
−FB4を用いて次のようにして行った。即ち、5cm
×20cmのサイズに切断した試料片に50gの荷重を
載せ表面の摩擦係数を測定した。
る。実施例中、「部」は重量部である。実施例中の摩擦
係数の測定は、加藤鉄工株式会社製、表面試験機KES
−FB4を用いて次のようにして行った。即ち、5cm
×20cmのサイズに切断した試料片に50gの荷重を
載せ表面の摩擦係数を測定した。
【0028】実施例1 この実施例においては、天井材として経時的な撓みを防
止するために、バインダー繊維を多めに配合した。即
ち、不織布基材の繊維配合としては6デニール、51m
m長の中空円形断面の通常ホモポリエステル/コポリエ
ステル、サイド・バイ・サイド型コンジュゲート短繊
維:50部、および2デニール、51mm長の円形断面
シース・コア型ホモポリエステルコア/コポリエステル
シース(融点170℃)コンジュゲートポリエステル系
バインダー短繊維:50部とした。
止するために、バインダー繊維を多めに配合した。即
ち、不織布基材の繊維配合としては6デニール、51m
m長の中空円形断面の通常ホモポリエステル/コポリエ
ステル、サイド・バイ・サイド型コンジュゲート短繊
維:50部、および2デニール、51mm長の円形断面
シース・コア型ホモポリエステルコア/コポリエステル
シース(融点170℃)コンジュゲートポリエステル系
バインダー短繊維:50部とした。
【0029】先ず、最初に上記繊維配合でニードルパン
チング法により不織布基材を形成し、180℃で熱処理
して、図2に示す目付1.0kg/m2 、厚み30mm
の予備成形体a−1を得た。更に得られた予備成形体と
熱転写シートを重ね合わせ、プレス機により210℃で
約1分間圧縮し、図3に示すような不織布基材a−1表
面上に意匠模様a−2を印刷した不織布を得た。次い
で、アクリル系バインダー樹脂接着剤bを上記印刷予備
成形体の印刷表面上にスプレーにて均一に塗布し、図4
に示す接着剤塗布予備成形体を準備した。この接着剤塗
布予備成形体を、図5に示すように短繊維dと共に平行
平板電極e,eの間にセットし、該平行平板電極に電圧
を加えて短繊維d群を帯電させ、予備成形体表面上の接
着剤層に垂直に植毛しパイルcを形成した。短繊維dと
しては、繊度3.0デニール、繊維長1.0mmのベン
ディングタイプのものを用いた。
チング法により不織布基材を形成し、180℃で熱処理
して、図2に示す目付1.0kg/m2 、厚み30mm
の予備成形体a−1を得た。更に得られた予備成形体と
熱転写シートを重ね合わせ、プレス機により210℃で
約1分間圧縮し、図3に示すような不織布基材a−1表
面上に意匠模様a−2を印刷した不織布を得た。次い
で、アクリル系バインダー樹脂接着剤bを上記印刷予備
成形体の印刷表面上にスプレーにて均一に塗布し、図4
に示す接着剤塗布予備成形体を準備した。この接着剤塗
布予備成形体を、図5に示すように短繊維dと共に平行
平板電極e,eの間にセットし、該平行平板電極に電圧
を加えて短繊維d群を帯電させ、予備成形体表面上の接
着剤層に垂直に植毛しパイルcを形成した。短繊維dと
しては、繊度3.0デニール、繊維長1.0mmのベン
ディングタイプのものを用いた。
【0030】上記のようにして得られた、図1に示すよ
うな、表面にフロック加工加工を施した内装材用不織布
は、従来の内装材よりも高級感があり、表面の平滑性、
摩擦係数が改善され、特に、触感が柔らかで優雅且つ独
特な幻想的印刷表面を有していた。また、クッション性
が改善され、吸音性能にも優れていた。
うな、表面にフロック加工加工を施した内装材用不織布
は、従来の内装材よりも高級感があり、表面の平滑性、
摩擦係数が改善され、特に、触感が柔らかで優雅且つ独
特な幻想的印刷表面を有していた。また、クッション性
が改善され、吸音性能にも優れていた。
【0031】更に、上記の表面にフロック加工を施した
内装材用不織布を再び200℃に加熱し、図6に示す成
形型f,f,を装着したプレス機に投入し、成形後の厚
みが10mmとなるように加熱圧縮した。しかる後、プ
レス機から取り出された不織布は所定の形状に成形され
ており、表面のパイル植毛部分の風合いや色柄は成形前
の良好な状態を維持していた。また、成形後の50%圧
縮応力は15.0kgであり、柔らかいながらも十分な
反発力があり、良好な触感を有し豪華な雰囲気を作り出
した。
内装材用不織布を再び200℃に加熱し、図6に示す成
形型f,f,を装着したプレス機に投入し、成形後の厚
みが10mmとなるように加熱圧縮した。しかる後、プ
レス機から取り出された不織布は所定の形状に成形され
ており、表面のパイル植毛部分の風合いや色柄は成形前
の良好な状態を維持していた。また、成形後の50%圧
縮応力は15.0kgであり、柔らかいながらも十分な
反発力があり、良好な触感を有し豪華な雰囲気を作り出
した。
【0032】実施例2 この実施例においては、不織布の構成繊維として原着繊
維を用いた。即ち、不織布の繊維配合としては、グレー
に原着した6デニール、51mm長の円形断面の通常ポ
リエチレンテレフタレート短繊維:50部、および同様
にグレーに原着した2デニール、51mm長の円形断面
シース・コア型ホモポリエステルコア/コポリエステル
シース(融点170℃)コンジュゲートポリエステル系
バインダー短繊維:50部とした。以下実施例1と同様
の処理を行い、赤と白の薔薇の花柄模様を熱転写により
プリントし、更に、その上に浅黄色に着色された短繊維
パイルを植毛した。得られた内装材は、表面上の平滑
性、摩擦係数が改善され、特に、触感が柔らかで優雅な
印刷表面を有し、且つ従来の内装材よりもクッション性
が改善され、吸音性能にも優れた内装材用不織布を得
た。特に、このものは、原着繊維のグレーの色彩と転写
プリントされた赤と白の薔薇の花柄模様との組み合わせ
に加えて、萌黄色のフロック加工による風合い・触感の
改良とが更に巧妙に組み合わされたことにより、正面と
斜めの観察方向により色柄が変幻し、その見栄えは従来
のものと比較して格別幻想的且つ豪華絢爛となり、装飾
性の幅が著しく広がることが判明した。
維を用いた。即ち、不織布の繊維配合としては、グレー
に原着した6デニール、51mm長の円形断面の通常ポ
リエチレンテレフタレート短繊維:50部、および同様
にグレーに原着した2デニール、51mm長の円形断面
シース・コア型ホモポリエステルコア/コポリエステル
シース(融点170℃)コンジュゲートポリエステル系
バインダー短繊維:50部とした。以下実施例1と同様
の処理を行い、赤と白の薔薇の花柄模様を熱転写により
プリントし、更に、その上に浅黄色に着色された短繊維
パイルを植毛した。得られた内装材は、表面上の平滑
性、摩擦係数が改善され、特に、触感が柔らかで優雅な
印刷表面を有し、且つ従来の内装材よりもクッション性
が改善され、吸音性能にも優れた内装材用不織布を得
た。特に、このものは、原着繊維のグレーの色彩と転写
プリントされた赤と白の薔薇の花柄模様との組み合わせ
に加えて、萌黄色のフロック加工による風合い・触感の
改良とが更に巧妙に組み合わされたことにより、正面と
斜めの観察方向により色柄が変幻し、その見栄えは従来
のものと比較して格別幻想的且つ豪華絢爛となり、装飾
性の幅が著しく広がることが判明した。
【0033】また、上記により得られた不織布を実施例
1と同様に再び200℃に加熱し、成形型の装着された
プレス機に投入し、成形後の厚みが10mmとなるよう
に加熱圧縮した。しかる後、プレス機から取り出された
不織布は所定の形状に成形されており、表面のパイル植
毛部分の風合いや色柄は成形前の良好な状態を維持して
いた。また、成形後の50%圧縮応力は13.0kgで
あり、柔らかいながらも十分な反発力があり、良好な触
感を有し高級感を備えていた。
1と同様に再び200℃に加熱し、成形型の装着された
プレス機に投入し、成形後の厚みが10mmとなるよう
に加熱圧縮した。しかる後、プレス機から取り出された
不織布は所定の形状に成形されており、表面のパイル植
毛部分の風合いや色柄は成形前の良好な状態を維持して
いた。また、成形後の50%圧縮応力は13.0kgで
あり、柔らかいながらも十分な反発力があり、良好な触
感を有し高級感を備えていた。
【0034】実施例3 不織布の繊維配合としては2デニール、51mm長のY
型断面の通常ポリエチレンテレフタレート短繊維:30
部、6デニール、51mm長の円形中空断面通常ホモポ
リエステル/コポリエステル、サイド・バイ・サイド型
コンジュゲート短繊維:20部、および2デニール、5
1mm長の円形断面シース・コア型ホモポリエステルコ
ア/コポリエステルシース(融点170℃)コンジュゲ
ートポリエステル系バインダー短繊維:50部とした。
以下、実施例1と同様の処理を行い、表面上の平滑性、
摩擦係数が改善され、特に、触感が柔らかで優雅且つ幻
想的な印刷表面を有し、且つ従来の内装材よりもクッシ
ョン性が改善され、吸音性能にも優れた内装材用不織布
を得た。
型断面の通常ポリエチレンテレフタレート短繊維:30
部、6デニール、51mm長の円形中空断面通常ホモポ
リエステル/コポリエステル、サイド・バイ・サイド型
コンジュゲート短繊維:20部、および2デニール、5
1mm長の円形断面シース・コア型ホモポリエステルコ
ア/コポリエステルシース(融点170℃)コンジュゲ
ートポリエステル系バインダー短繊維:50部とした。
以下、実施例1と同様の処理を行い、表面上の平滑性、
摩擦係数が改善され、特に、触感が柔らかで優雅且つ幻
想的な印刷表面を有し、且つ従来の内装材よりもクッシ
ョン性が改善され、吸音性能にも優れた内装材用不織布
を得た。
【0035】また、上記により得られた不織布を実施例
1と同様に、再び200℃に加熱し、成形型の装着され
たプレス機に投入し、成形後の厚みが10mmとなるよ
うに加熱圧縮した。しかる後、プレス機から取り出され
た不織布は所定の形状に成形されており、表面のパイル
植毛部分の風合いや色柄は成形前の良好な状態を維持し
ていた。また、成形後の50%圧縮応力は15.0kg
であり、柔らかいながらも十分な反発力があり、良好な
触感を有し高級感を備えていた。
1と同様に、再び200℃に加熱し、成形型の装着され
たプレス機に投入し、成形後の厚みが10mmとなるよ
うに加熱圧縮した。しかる後、プレス機から取り出され
た不織布は所定の形状に成形されており、表面のパイル
植毛部分の風合いや色柄は成形前の良好な状態を維持し
ていた。また、成形後の50%圧縮応力は15.0kg
であり、柔らかいながらも十分な反発力があり、良好な
触感を有し高級感を備えていた。
【0036】実施例4 この実施例では、壁材としての用途を考慮した場合を示
す。即ち、不織布の繊維配合としては2デニール、51
mm長の扁平断面の通常ポリエチレンテレフタレート系
短繊維:70部、および2デニール、51mm長の円形
断面シース・コア型ホモポリエステルコア/コポリエス
テルシース(融点130℃)コンジュゲートポリエステ
ル系バインダー短繊維:30部とした。
す。即ち、不織布の繊維配合としては2デニール、51
mm長の扁平断面の通常ポリエチレンテレフタレート系
短繊維:70部、および2デニール、51mm長の円形
断面シース・コア型ホモポリエステルコア/コポリエス
テルシース(融点130℃)コンジュゲートポリエステ
ル系バインダー短繊維:30部とした。
【0037】先ず、最初に上記繊維配合でニードルパン
チング法により不織布基材を形成し、160℃で熱処理
して、目付0.5kg/m2 、厚み15mmの予備成形
体を得た。次いで、実施例1と同様の熱転写プリント及
びフロック加工を行い、従来の内装材よりも高級感があ
り、表面の平滑性、摩擦係数が改善され、特に、触感が
柔らかで、優雅且つ独特な幻想的印刷表面を有する内装
材用不織布を得た。
チング法により不織布基材を形成し、160℃で熱処理
して、目付0.5kg/m2 、厚み15mmの予備成形
体を得た。次いで、実施例1と同様の熱転写プリント及
びフロック加工を行い、従来の内装材よりも高級感があ
り、表面の平滑性、摩擦係数が改善され、特に、触感が
柔らかで、優雅且つ独特な幻想的印刷表面を有する内装
材用不織布を得た。
【0038】更に、上記の内装材用不織布を再び200
℃に加熱し、成形型を装着したプレス機に投入し、成形
後の厚みが10mmとなるように加熱圧縮した。しかる
後、プレス機から取り出された不織布は所定の形状に成
形されており、表面のパイル植毛部分の風合いは成形前
の良好な状態を維持していた。また、成形後の50%圧
縮応力は10.0kgであり、柔らかいながらも十分な
反発力があり、良好な触感と豪華な感じを有していた。
℃に加熱し、成形型を装着したプレス機に投入し、成形
後の厚みが10mmとなるように加熱圧縮した。しかる
後、プレス機から取り出された不織布は所定の形状に成
形されており、表面のパイル植毛部分の風合いは成形前
の良好な状態を維持していた。また、成形後の50%圧
縮応力は10.0kgであり、柔らかいながらも十分な
反発力があり、良好な触感と豪華な感じを有していた。
【0039】上記実施例1で作成した内装材用不織布の
フロック加工前および加工後の試料につき、それぞれ摩
擦係数を測定した結果を表1に示す。
フロック加工前および加工後の試料につき、それぞれ摩
擦係数を測定した結果を表1に示す。
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は、熱転写プリントを行ったこと
により一旦摩擦係数が低下して平滑性が向上し、風合
い、触感において高級感が損なわれた不織布の表面を、
フロック加工を施したことによって、摩擦係数を向上さ
せ平滑性を低下させ、風合い、触感を著しく改善すると
共に意匠模様に独特な幻想的美観を与えるという効果を
奏する。更には、本発明によれば不織布の構成を剛性や
クッション性を確保するための基材(支持体)としての
機能を有する成形可能な不織布にの表面に意匠模様を施
し、その上に更にフロック加工を施すことにより次のよ
うな効果がある。
により一旦摩擦係数が低下して平滑性が向上し、風合
い、触感において高級感が損なわれた不織布の表面を、
フロック加工を施したことによって、摩擦係数を向上さ
せ平滑性を低下させ、風合い、触感を著しく改善すると
共に意匠模様に独特な幻想的美観を与えるという効果を
奏する。更には、本発明によれば不織布の構成を剛性や
クッション性を確保するための基材(支持体)としての
機能を有する成形可能な不織布にの表面に意匠模様を施
し、その上に更にフロック加工を施すことにより次のよ
うな効果がある。
【0041】1.本発明の内装材用不織布は、単なる見
栄え即ち美観のみならず、独特な玉虫模様の顕出或いは
観察方向により変幻する色柄等独特な審美性を有し、基
材に要求される支持体としての固定感、安定感及び改善
されたクッション性の機能が同時に得られ、更に吸音性
能にも優れるため、豪華快適な居住空間を提供する。
2.更に、この本発明内装材は、不織布基材の印刷表面
上に直接パイルを植毛するため、別途表皮を作成して基
材と接着させる必要がなくなり、工程が短縮される。 3.異なった構成素材を積層する必要がなくなるので、
リサイクル面で有利となる。
栄え即ち美観のみならず、独特な玉虫模様の顕出或いは
観察方向により変幻する色柄等独特な審美性を有し、基
材に要求される支持体としての固定感、安定感及び改善
されたクッション性の機能が同時に得られ、更に吸音性
能にも優れるため、豪華快適な居住空間を提供する。
2.更に、この本発明内装材は、不織布基材の印刷表面
上に直接パイルを植毛するため、別途表皮を作成して基
材と接着させる必要がなくなり、工程が短縮される。 3.異なった構成素材を積層する必要がなくなるので、
リサイクル面で有利となる。
【図1】本発明の内装材の1例を示す垂直断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の内装材の不織布基材の予備成形体の1
例を示す垂直断面図である。
例を示す垂直断面図である。
【図3】本発明の内装材の中間製品である熱転写プリン
トを施した予備成形体の1例を示す垂直断面図である。
トを施した予備成形体の1例を示す垂直断面図である。
【図4】本発明の不織布を製造する工程において、プリ
ント表面に接着剤層を形成した予備成形体の具体例を示
す垂直断面図である。
ント表面に接着剤層を形成した予備成形体の具体例を示
す垂直断面図である。
【図5】本発明不織布のフロック加工工程を示す概要説
明図である。
明図である。
【図6】本発明の不織布の成形工程順序の一例を示す工
程説明図である。
程説明図である。
【図7】従来公知の内装材用不織布の構造の一例を示す
垂直断面図である。
垂直断面図である。
【図8】従来公知の内装材用不織布の別の構造を示す垂
直断面図である。
直断面図である。
【図9】従来公知の内装材用不織布の更に別の構造を示
す垂直断面図である。
す垂直断面図である。
a−1 不織布基材層 a−2 印刷層 b 接着剤層 c 植毛パイル d パイル用短繊維 e 平板電極 f 成形型 1 不織布表皮 2 硬質基材 3 柔軟基材 4 不織布基材
Claims (12)
- 【請求項1】 短繊維よりなる主体部分の平均の厚みが
2mm〜100mmであり且つ平均の見かけ密度が0.
01g/cm3 〜0.8g/cm3 である不織布基材の
少なくとも一方の表面に熱転写プリントによる意匠模様
が印刷され、更にその印刷面上にパイル繊維をフロック
加工してなることを特徴とする内装材用不織布。 - 【請求項2】 主体部分の平均の厚みが3mm〜50m
mであり、平均の見かけ密度が0.015g/cm3 〜
0.2g/cm3 である請求項1の内装材用不織布。 - 【請求項3】 前記短繊維が0.1デニール〜15.0
デニールの熱可塑性合成繊維である請求項1または2の
内装材用不織布。 - 【請求項4】 前記熱可塑性合成繊維がポリエステル繊
維である請求項3の内装材用不織布。 - 【請求項5】 前記ポリエステル繊維が少なくとも捲縮
性コンジュゲート繊維を含んでなる請求項4の内装材用
不織布。 - 【請求項6】 前記短繊維が少なくともマトリックス繊
維と熱融着性バインダー繊維とを含んでなる請求項1〜
5のいずれか1項の内装材用不織布。 - 【請求項7】 熱融着性バインダー繊維が不織布基材の
5重量%〜80重量%含まれる請求項6の内装材用不織
布。 - 【請求項8】 熱融着性バインダー繊維の熱融着により
不織布基材構成繊維の交点の少なくとも一部が接合され
ており、不織布が所定形状に成形安定化されてなる請求
項6または7の内装材用不織布。 - 【請求項9】 パイル繊維が0.6デニール〜3.0デ
ニールの繊度を有する請求項1〜8の何れか1項の内装
材用不織布。 - 【請求項10】 パイル繊維が0.6mm〜1.5mm
の繊維長を有する請求項1〜8の何れか1項の内装材用
不織布。 - 【請求項11】 パイル繊維がベンディングタイプであ
る請求項1〜10の何れか1項の内装材用不織布。 - 【請求項12】 パイル繊維が不織布基材の色彩および
プリント意匠模様を構成する色彩の少なくとも一色とは
異なる色彩を有する請求項1〜11の何れか1項の内装
材用不織布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7114156A JPH08311760A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 内装材用不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7114156A JPH08311760A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 内装材用不織布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311760A true JPH08311760A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14630560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7114156A Pending JPH08311760A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 内装材用不織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311760A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10251955A (ja) * | 1997-03-11 | 1998-09-22 | Unitika Ltd | 吸音材 |
JP2001055653A (ja) * | 1999-06-07 | 2001-02-27 | Kureha Ltd | 不織布内装材 |
JP2006322077A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-30 | Hashima:Kk | 熱転写不織布及びその製造方法 |
JP2012165990A (ja) * | 2011-02-17 | 2012-09-06 | Toli Corp | カーペット、及びカーペットの製造方法 |
JP2017176650A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 洗浄用具 |
-
1995
- 1995-05-12 JP JP7114156A patent/JPH08311760A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10251955A (ja) * | 1997-03-11 | 1998-09-22 | Unitika Ltd | 吸音材 |
JP2001055653A (ja) * | 1999-06-07 | 2001-02-27 | Kureha Ltd | 不織布内装材 |
JP2006322077A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-30 | Hashima:Kk | 熱転写不織布及びその製造方法 |
JP2012165990A (ja) * | 2011-02-17 | 2012-09-06 | Toli Corp | カーペット、及びカーペットの製造方法 |
JP2017176650A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 洗浄用具 |
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