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JPH08310337A - 車両用保護装置 - Google Patents

車両用保護装置

Info

Publication number
JPH08310337A
JPH08310337A JP14120695A JP14120695A JPH08310337A JP H08310337 A JPH08310337 A JP H08310337A JP 14120695 A JP14120695 A JP 14120695A JP 14120695 A JP14120695 A JP 14120695A JP H08310337 A JPH08310337 A JP H08310337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
circuit
booster circuit
airbag
microcomputer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14120695A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Matsui
俊雄 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP14120695A priority Critical patent/JPH08310337A/ja
Publication of JPH08310337A publication Critical patent/JPH08310337A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇圧回路により昇圧された電圧を電源として
動作し、衝突時にエアバックなどの保護具を駆動する保
護装置の診断の精度を高め、小型に構成する。 【構成】 診断に必要な各部位の電圧検出に先立って、
マイクロコンピュータ50の出力により昇圧回路部26
の発振動作を停止する。そして、各部位の電位が安定す
るまでの時間Tの遅延の後に、バックアップコンデンサ
28のプラス側接続点、昇圧回路部26出力点、ス
クイブ36の両端それぞれの電圧を、インタフェイ
ス回路52を介してマイクロコンピュータ50に入力
し、これらの電圧に基づいてエアバック装置の診断を実
行する。電圧を検出する期間以外は、昇圧回路部26を
発振させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両衝突による衝撃を
検出したとき、燃焼などの非可逆的反応を利用して得ら
れるガスを利用して、エアバックなどの保護具を駆動す
る車両用保護装置に関する。
【0002】
【従来技術】車両衝突時の人員の安全性を高めるため、
エアバック装置やシートベルトのプリローダなどの車両
用保護装置が提案されている。これらの保護装置では、
衝突という極めて短期間に生じる現象に対応して保護具
を駆動するため、ガス発生剤に点火し爆発的な燃焼によ
り得られるガスを用いる。こうしたガス発生装置(イン
フレータ)は、非可逆的な反応を利用するから、装置が
正常であるか否かを、実際に動作させてみてチェックす
ることはできない。従って、衝突時における、エアバッ
クなどの保護具の動作を確実なものとするために、種々
の安全対策が取られている。例えば、特開平5−262
202号公報,実開平4−127057号公報等に開示
されるように、バッテリ電圧の低下に備えて、エアバッ
クを膨張展開させるエアバック駆動回路の電源であるバ
ッテリ電圧を昇圧する昇圧回路をバッテリと直列又は並
列に設けたり、更にバッテリからの電源ラインの衝突時
の切断に備えて、大容量のバックアップ・コンデンサを
エアバック駆動回路の近傍に配置するといった対策が取
られている。他方、回路的な故障の発生を完全に零にす
ることは困難なので、故障診断も必要になる。そこで、
駆動回路の必要箇所の電圧を検出して駆動回路の状態を
診断し、何等かの異常が検出されたときにはこれを乗員
に報知するなどの診断回路も備えられ、エアバック装置
の信頼性を一層高めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、車両用
保護装置では、エアバック駆動回路の所定箇所の電圧を
検出し、これに基づいて駆動回路や接続された機器の状
態を診断する。従って、検出箇所の電圧は、回路・機器
が正常であれば、変動が無く一義的であることが、診断
処理の信頼性の面から望ましい。
【0004】しかし、エアバック等を駆動する電気的な
装置の動作を確実なものとするために昇圧回路を設ける
と、昇圧回路の内部では、通常スイッチング動作が行な
われているから、その出力電圧にはこのスイッチングに
起因する電圧変動が発生する。従って、正常時であって
も、診断のために電圧を検出している箇所の電圧が変動
することがあり、回路の診断においても、この電圧変動
の幅を考慮しなければならない。
【0005】駆動回路の電源の変動を軽減するために、
上述したバックアップ・コンデンサとは別個に平滑用コ
ンデンサを設けるなど、平滑化回路を設けることも考え
られるが、電圧の変動(リップル)の軽減を十分なもの
とするためには、平滑用コンデンサの容量を大きくする
といった対処が必要であり、平滑化回路の占有体積が増
大してしまう。この結果、車両衝突時の衝撃を検出すの
に有効な限られたスペースに搭載することが困難にな
る。
【0006】本発明の車両用保護装置は、こうした問題
点を解決し、昇圧回路に起因する電圧変動にも拘わら
ず、簡単かつ確実に回路の状態を診断可能な装置を提供
することを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用保護装置
は、車両衝突時に、燃焼等の非可逆反応により得られる
ガスを利用して、エアバック等の保護具を駆動する車両
用保護装置であって、バッテリ電圧を電源とし、これを
スイッチングすることにより昇圧する昇圧手段と、車両
衝突時の衝撃を検出する衝撃検出手段と、該昇圧手段に
より昇圧された電源ラインに接続され、前記衝撃が検出
されたとき、電気的なエネルギを用いて前記保護具を膨
張展開させる保護具駆動手段と、該保護具駆動手段の所
定箇所の電圧を検出する電圧検出手段と、該電圧検出手
段の検出結果に基づいて前記保護具駆動手段を診断する
診断手段と、前記電圧検出手段の作動に同期して前記昇
圧手段を制御する制御手段とを備えることを要旨とす
る。
【0008】ここで、制御手段を、電圧検出手段の作動
に同期して昇圧手段の発振駆動を停止する手段とした
り、昇圧手段を兼ねる構成とすることも好適である。
【0009】
【作用】以上のように構成された本発明の車両用保護装
置は、昇圧手段によってバッテリ電圧の昇圧がなされ、
車両衝突時の衝撃が検出された時、バッテリまたは昇圧
手段から電力供給を受けた保護具駆動手段により、エア
バックなどの保護具が駆動される。こうした保護具の駆
動に備えて、保護具駆動手段の状態が診断手段により診
断される。この診断手段は、保護具駆動手段の所定箇所
の電圧を検出する電圧検出手段の検出結果に基づいて、
保護具駆動手段を診断するが、制御手段が作動して電圧
検出手段の作動に同期した昇圧手段の制御が実行される
ので、電圧検出手段による電圧の検出において、昇圧手
段でのスイッチング動作に起因する電圧変動の影響を小
さくすることができる。
【0010】
【実施例】以上説明した本発明の構成、作用を一層明ら
かにするために、本発明の車両用保護装置の好適な実施
例として、エアバック装置について説明する。図1は実
施例であるエアバック装置20の回路ブロック図、図2
はそのDC/DC昇圧回路部26の詳細な回路図、図3
はエアバック装置20が組み込まれた車両の斜視図、図
4はエアバック装置20の動作プロセスを示す説明図で
ある。理解の便を図って、まずエアバック装置20自体
の構成と動作を、図3および図4に従って簡単に説明す
る。
【0011】図3に示すように、車両には、車両中央の
フロアに設置され衝突時の衝撃を検出するセンタエアバ
ックセンサ10が組み込まれた駆動回路12、ステアリ
ングホイールパッド14に設けられエアバックおよび点
火装置を組み込んだインフレータ部15、操舵されるス
テアリングホイールに設けられたインフレータ部15に
信号を安全に伝達するためのスパイラルケーブル部16
などが組み込まれ、これらの装置からエアバック装置2
0が構成されている。図4に示すように、車両が衝突す
ると、その衝撃は、駆動回路12内の機械的なセーフィ
ングセンサ38と半導体式(または圧電式等)のセンタ
エアバックセンサ10とにより検出される。両センサ3
8,10の検出結果に基づき、後述する回路により、衝
突が検出されると、駆動回路12は、インフレータ部1
5の点火装置(スクイブ)18に電流を流して点火す
る。インフレータ部15内のガス発生剤17は、点火装
置18の点火により、伝火剤を介して着火され、ガスを
発生してエアバック19を急速に膨張させる。なお、エ
アバック19には、その後部に排気孔が設けられてお
り、膨張後、所定のタイミングでエアバック19は収縮
する。また、図4では、助手席にもエアバックを設け、
インフレータ部15およびエアバック19を2個ずつ示
したが、運転席だけにエアバックを設置するものとして
も差し支えない。
【0012】次に、エアバック装置20の電気的な構成
について図1,図2を用いて説明する。エアバック装置
20は、図1,図2に示すように、昇圧回路部26、セ
ーフィングセンサ38、トランジスタ40、マイクロコ
ンピュータ50,インタフェイス回路52等から構成さ
れている。マイクロコンピュータ50には、センタエア
バックセンサ10がノイズフィルタ51を介して接続さ
れており、センタエアバックセンサ10が検出した加減
速度に基づいて、マイクロコンピュータ50がトランジ
スタ40をオンにスイッチングすると、同時にセーフィ
ングセンサ38が衝撃によりオンになっている場合に
は、昇圧回路部26からセーフィングセンサ38を通
り、スクイブ36に通電する回路が形成される。この結
果、スクイブ36は点火し、エアバック19が膨張・展
開されるのである。
【0013】各部の構成と接続について説明する。昇圧
回路部26は、イグニッションキー24を介してバッテ
リ22に接続されている。昇圧回路部26は、バッテリ
22の直流を入力端子Vinに入力し、その昇圧後の電
圧を出力端子Voutを出力する。昇圧回路部26の内
部構成を図2に示す。昇圧回路部26は、リアクトルL
に蓄えたエネルギーを利用する公知のブースト型昇圧回
路を基本構成とする回路であり、その昇圧動作を司るト
ランジスタ262のベース信号としてマイクロコンピュ
ータ50の出力ポートPOの1つを当ててている。ここ
で、マイクロコンピュータ50の出力ポートPOからの
出力を直接入力している単安定マルチバイブレータ26
4は、70KHzで出力されるマイクロコンピュータ5
0からのトリガ信号を受け、昇圧回路の昇圧比を決定す
るデューティ比を7:3の矩形波信号を出力する回路で
ある。また、帰還・保護回路266は、昇圧回路部26
の昇圧出力Voutを分圧する抵抗器R1,R2の中点
電圧を帰還して、出力Voutを一定に帰還制御する回
路、およびトランジスタ262のエミッタ−接地間に接
続された電流検出抵抗R3の電圧により過電流を検出す
る回路である。
【0014】昇圧回路部26の出力側には、バックアッ
プコンデンサ28および平滑コンデンサ34とこれに付
随する抵抗器30やダイオード32が接続されている。
バックアップコンデンサ28は、抵抗器30を介して昇
圧回路部26の出力に接続されており、電力を一時的に
蓄えるものである。このバックアップコンデンサ28
は、車両衝突時にバッテリ22からの電力供給ラインが
断線した場合でもエアバック装置20の作動を確実とす
るために用意される。従って、このバックアップコンデ
ンサ28の容量抜けやショート故障等を診断するため、
接続点がインタフェイス回路52を介してマイクロコ
ンピュータ50のA/D変換入力ポートに接続されてい
る。マイクロコンピュータ50は、電源投入直後のプラ
イマリチェックの期間において、バックアップコンデン
サ28の電圧上昇を測定することで、抵抗器30の抵抗
分Rとバックアップコンデンサ28の容量分Cとから構
成されるRC充電回路の時定数t、即ちバックアップコ
ンデンサ28の容量を検出する。なお、抵抗器30と並
列に接続されるダイオード32は、エアバック装置20
の動作時に、抵抗器30を介することなく、バックアッ
プコンデンサ28からの放電を行なわせるためである。
昇圧回路部26の昇圧出力Voutには、小容量の平滑
コンデンサ34が接続され、トランジスタ262のスイ
ッチングに伴う昇圧回路部26の電圧変動を緩和するよ
うに配慮されている。しかし、車載容量やコストなどの
制限からこの平滑コンデンサ34の容量を十分に大きく
することは不可能であり、後述するように、ある程度の
電源リップルが存在する。
【0015】セーフィングセンサ38は、所定の可動体
の移動により固定接点をオンさせる機械式のものであ
り、センタエアバックセンサ10による衝撃の検出のみ
でインフレータ部15を駆動しないように設けられてい
る。セーフィングセンサ38は、センタエアバックセン
サ10による検出より広い条件でオンとなるよう設計さ
れている。機械式のセーフィングセンサ38と半導体式
のセンタエアバックセンサ10の両者から衝突を判断す
る構成とし、電気的なノイズ等による誤動作を防止して
いるのである。
【0016】点火を司るスクイブ36は極めて重要な部
品であり、その断線、ショートなどは常時診断する必要
がある。そこで、セーフィングセンサ38及びトランジ
スタ40と並列に高抵抗の抵抗器42,44が接続さ
れ、スクイブ36には微弱な定常電流Iが流れ続けるよ
うに構成されている。これにより、定常電流Iによるス
クイブ36の両端電圧差を測定し、スクイブ36の抵抗
値を常時モニタし、スクイブ36が正常な状態であるか
否かを診断している。スクイブ36の断線故障やショー
ト故障は、スクイブ36の両端電圧から容易に検出する
ことができる。
【0017】上述のような回路構成において、エアバッ
ク装置20の各部位の電圧からエアバック装置20の診
断を実行するため、本実施例ではマイクロコンピュータ
50を利用している。すなわち、バックアップコンデン
サ28のプラス側接続点、昇圧回路部26の出力点
、スクイブ36の両端が、分圧及びノイズフィル
タ回路から構成されるインタフェイス回路52を介して
マイクロコンピュータ50のA/D変換入力ポートに入
力されている。これら各点の電圧は、A/D変換され、
マイクロコンピュータ50内で実行される所定の診断プ
ログラムに電圧データとして引き渡され、各部位の電圧
が正常であるか否かの診断が実行される。なお、マイク
ロコンピュータ50では、上述したように、トランジス
タ40の駆動も行なう。マイクロコンピュータ50は、
センタエアバックセンサ10により検出された加減速度
の検出値の演算結果が所望の閾値を越えたとき、トラン
ジスタ40をターンオンさせる。
【0018】以上のように構成される本実施例のエアバ
ック装置20にあってマイクロコンピュータ50は、図
5及び図6のフローチャートに示す昇圧回路駆動プログ
ラム及び回路診断プログラムを適宜実行することで、昇
圧回路部26を駆動し、かつ、エアバック装置20の診
断を実行している。次に、図5,図6のフローチャート
及び図7のタイミングチャートに添って、これらの具体
的な動作について説明する。
【0019】図5の昇圧回路駆動プログラムは、図示し
ないクロック信号をソフト的にあるいはハード的にカウ
ントし、70KHz、すなわち約14.3μsec毎の
タイミングにて生成される70KHz割り込み信号をト
リガとして起動するプログラムである。マイクロコンピ
ュータ50は、図5に示した処理を開始すると、まずフ
ラグFdcの状態が「1」であるか否かを判断し(ステ
ップS100)、フラグFdcが「1」であるときに限
って昇圧回路部26の単安定マルチバイブレータ264
へトリガ信号を出力し(ステップS110)、本プログ
ラムを終了する。すなわち、このプログラムにより、フ
ラグFdcの値が1である限り、前述した昇圧回路部2
6に対してこれを作動させるパルス信号が出力され続け
ることになる。昇圧回路部26は、このパルス信号を受
けて昇圧動作を実行し、バッテリ22の電圧を昇圧して
エアバック装置20の各回路に電力を供給するのであ
る。このフラグFdc,単安定マルチバイブレータ26
4の出力及び昇圧回路部の昇圧出力Voutとの関係
を、図7に示す。図示するように、フラグFdcが
「1」にセットされている間、単安定マルチバイブレー
タ264から70KHzのパルス信号が出力され、昇圧
回路部26による昇圧出力Voutは鋸波状のリップル
分を含んだ直流電圧となる。
【0020】次に、図6の回路診断プログラムについて
説明する。このプログラムは5msec毎に繰り返し実
行されるものであり、その処理の最初には前記フラグF
dcを「0」にリセットするものである(ステップS2
00)。すなわち、このプログラム処理が実行されると
直ちにフラグFdcがリセットされ、昇圧回路部26の
動作をストップさせるのである。
【0021】そして、時間Tだけ遅延した後(ステップ
S210)、バックアップコンデンサ28のプラス側接
続点、昇圧回路部26の出力点、スクイブ36の両
端それぞれの電圧を、インタフェイス回路52を介
して入力する処理を行なう(ステップS220)。ここ
で、ステップS220が実行されるまでの遅延時間Tと
は、図7に示すように、昇圧回路部26による昇圧動作
によるリップルが消えるまでの時間であり、通常は0.
数msec程度に設定される。また、本実施例では遅延
時間Tを固定的な値としているが、マイクロコンピュー
タ50にてVoutの電圧を監視し、変動が所定値以下
となるまでステップS220の処理を待機する構成とし
てもよい。
【0022】こうして安定した直流電圧を電源電圧とす
る条件の下で、各部位の電圧の読み取りが完了すると
(ステップS220)、フラグFdcを「1」にセット
して昇圧回路部26の作動を回復させる(ステップS2
30)。その後、ステップS220にて読み取った各部
位の電圧からエアバック装置20の回路診断を実行する
(ステップS240)。各点ないしの電圧が正常な
電圧範囲に入っているか否かを判定するのである。その
診断結果が異常であるか否かを判断し(ステップS25
0)、異常であると判定されたときにはその事実を搭乗
員に知らせるため、インパネに接地された報知ランプを
点灯し(ステップS260)、本プログラムを終了す
る。
【0023】以上のように構成される本実施例のエアバ
ック装置20によれば、昇圧回路部26の出力である直
流電源の電圧にリップルが存在するにも拘わらず、エア
バック装置20の回路診断に用いられる各部位の電圧に
は、リップルの影響がほとんど現われない。これは、各
点の電圧を測定する際には、昇圧回路部26の動作を中
断させているからである。従って、回路診断に使用する
各部位の電圧は、変動幅が極めて小さい一義的な数値と
して取り扱うことができ、故障診断の信頼性を一層高め
ることができる。また、体積が大きく高価な平滑コンデ
ンサを使用する必要がなく、小型かつ安価で信頼性の高
い診断装置を実現することができる。
【0024】本実施例においてフラグFdcを「0」に
リセットしている期間は、バックアップコンデンサ28
がバックアップ可能な期間に比較して十分に短い。また
この時のエアバック装置20の定常電流Iは微弱である
から昇圧出力Voutの時間経過に伴う電圧低下は無視
し得る(電圧Voutは略一定とみなせる)。従って、
測定した各点の電圧を補正するといった必要がなく、回
路診断を極めて簡単に行なうことができる。なお、仮に
このフラグFdcが「0」である期間におけるバックア
ップコンデンサ28のプラス側接続点の電圧の低下が
無視できない場合には、ステップS220の処理におい
て、昇圧出力Voutを2回以上読み込み、その変動分
を演算して、回路診断時に他の点の電圧を補正するなど
のソフト的対処により、十分な信頼性を確保することが
できる。
【0025】次に、上記実施例における昇圧回路部26
(図2参照)及びこの昇圧回路部26へトリガ信号を出
力する昇圧回路駆動プログラム(図5参照)を変更した
第2実施例について説明する。なお、第2実施例は、昇
圧回路部26および昇圧回路駆動プログラムの僅かな相
違を除いては上記実施例と同一であり、説明の重複を避
けるために上記実施例と同一部位は同一の符号とし、そ
の説明を省略する。
【0026】図8は、第2実施例の昇圧回路部60の回
路ブロック図である。図示するように第2実施例の昇圧
回路部60は、マイクロコンピュータ50の入力ポート
PIにVoutを抵抗器R1,R2にて分圧した電圧V
gが直接入力され、マイクロコンピュータ50の出力ポ
ートPOがトランジスタ262のベースに直接接続され
ている。すなわち、昇圧回路部60は、第1実施例と比
較したとき、電圧レギュレータの役割を果たす帰還・保
護回路266が簡略化された過電流検出回路602とな
り、単安定マルチバイブレータ264が省略されてい
る。
【0027】上記簡略化されあるいは省略された機能
は、マイクロコンピュータ50による制御によって次の
ように巧みに達成される。図9は、第2実施例の昇圧回
路駆動プログラムのフローチャートである。この昇圧回
路駆動プログラムは、上記実施例の同プログラムの実行
周期(70KHz)と比較して極めて短い周期(700
KHz)で繰り返し実行される。まず、このプログラム
の処理にマイクロコンピュータ50が入ると、第1実施
例同様にフラグFdcの値を判断し(ステップS30
0)、フラグFdcが「0」にリセットされている場合
には、回路電圧読み取り時であると判断し(図6のステ
ップS200〜230参照)、発振の制御に直接対応し
ているフラグFonの値について判断した上で、フラグ
Fonを値0に設定した後(ステップS302,30
5)、カウンタC及び後述する変数Vaveを「0」に
リセットし(ステップS310)、本プログラムを一旦
終了する。
【0028】一方、フラグFdcが「1」にセットされ
ている場合、すなわち昇圧回路部60を発振駆動しなけ
ればならない場合には、分圧電圧Vgを読み込み(ステ
ップS320)、この分圧電圧Vgの平均値を演算して
変数Vaveに代入する(ステップS330)。その
後、カウンタCが「0」であるか否かを判断し(ステッ
プS340)、発振駆動が開始されたばかりでカウンタ
Cが未だに「0」である場合には、出力ポートPOの出
力をハイレベル(以下「H」レベルと記載する)とする
ためのフラグFonを「1」にセットし(ステップS3
50)、続いてカウンタCをインクリメントして(ステ
ップS360)、本プログラムを終了する。フラグFo
nが「1」にセットされると、図示しない処理により、
出力ポートPOは「H」レベルにされ、トランジスタ2
62はオンに保持されるのである。
【0029】ステップS340にてカウンタCが「0」
でないと判定された場合、即ちFonを「1」にセット
した後には、上記ステップS350,360に代わっ
て、カウンタCがその閾値MCに達しているか否かを判
断し(ステップS370)、未だに閾値MCに達してい
ない場合には、カウンタCをインクリメントし(ステッ
プS360)、本プログラムを一旦終了する。すなわ
ち、カウンタCが閾値MCに達していない場合には、出
力ポートPOの出力を「H」レベルに保持するのであ
る。
【0030】ステップS370にてカウンタCが閾値M
Cに達していると判断されたときは、出力ポートPOを
「H」レベルに保持する期間が終了したとして、出力ポ
ートPOの出力をロウレベル(以下、「L」レベルと記
載する)に反転させるためにフラグFonを「0」にリ
セットする(ステップS375)。その後、カウンタC
の値が10以上か否かの判断を行ない(ステップS38
0)、10未満であれば、更にカウンタCをインクリメ
ントするだけで(ステップS360)、本ルーチンを一
旦終了する。この状態では、フラグFonは、値0に保
たれ、結果的に出力ポートPOは「L」レベルに保たれ
ることになる。従って、この間、トランジスタ262
は、オフ状態に保たれる。
【0031】以上の処理を繰り返した結果、カウンタC
の値が漸増し、値10以上となると(ステップS38
0)、一周期の処理が完了したとして、カウンタCを0
にリセットし(ステップS385)、更に昇圧回路部6
0の出力電圧Voutの平均分圧電圧を示す変数Vav
eと設定最小値VSと最大値VLとの大小関係を比較し
(ステップS390)、VS<Vave<VLの関係を
満足していれば本プログラムをそのまま終了する。他
方、VS>Vaveであれば、トランジスタ262のオ
フ期間を短縮させて昇圧回路部60の出力電圧Vout
を上昇させるべく閾値MCをインクリメントして(ステ
ップS400)トランジスタ262のオン期間を長く
し、逆にVave>VLであればその閾値MCをデクリ
メントして(ステップS410)トランジスタ262の
オン期間を短くする処理を行なう。その後、本プログラ
ムを終了する。即ち、昇圧回路部60のVoutが設定
範囲となるよう、次回のトランジスタ262のオン・オ
フのデューティ比を決定するのである。
【0032】この様に構成される第2実施例のエアバッ
ク装置20は、第1実施例同様、回路診断に必要な各部
位の電圧は、安定した直流電源により動作している期間
に測定される。従って、回路診断の信頼性は著しく向上
する。更に、体積が大きく高価な平滑コンデンサを使用
する必要がなく、小型かつ安価で信頼性の高い故障診断
回路を構成することができる。その上、昇圧回路部60
は上記実施例に比較して格段に簡略化され、スイッチン
グレギュレータなどの専用部品の削減、回路の小型化、
低コスト化が達成される。なお、第2実施例の昇圧回路
駆動プログラムは、700KHzの割り込み処理である
ため、トランジスタ262のデューティ比制御は分解能
10程度であるが、処理周期を短くすることでその精度
は更に向上することができることは勿論であり、マイク
ロコンピュータ50の負荷状況に応じて最適設計をすれ
ばよい。
【0033】以上2つの実施例では、エアバック装置の
回路診断に必要な各部位の電圧検出のタイミングに同期
して昇圧回路部26,60の発振を停止する例について
のみ説明したが、本発明のエアバック装置はこの様な構
成に限るものではなく、下記実施例に示すように回路診
断に同期して、電圧検出の必要なエアバック作動回路部
と昇圧回路部とを電気的に切り離す構成としてもよい。
【0034】すなわち、図10の第3実施例に示すよう
に、バッテリ22の電圧を昇圧する昇圧回路部26によ
り直流電圧の脈動が発生するため、この昇圧回路部26
とバックアップコンデンサ28以降のエアバック作動回
路と間にスイッチングトランジスタ70を介装し、マイ
クロコンピュータ50により、エアバック作動回路部の
各部位の電圧検出処理に同期してこのスイッチングトラ
ンジスタ70をオフすれば、電圧検出に際して昇圧回路
部26に起因する電圧変動は抑制され、上記実施例と同
様の効果が得られるのである。更にこの第3実施例は、
昇圧回路部26として従来の自走発振型の回路を利用で
きるため、プログラム開発などの変更点が少なく、開発
が容易であるという効果も得られる。
【0035】なお、図10に示す第3実施例では昇圧回
路部26の後段にスイッチングトランジスタ70を介装
している例について説明したが、バッテリ22と昇圧回
路部26との間にスイッチングトランジスタ70を挿入
してもよく、回路搭載や部品配置の上で都合のよい回路
設計を採用すればよい。スイッチングトランジスタ70
に代えて小型のリレー等を用いることも差し支えない。
【0036】以上説明した実施例のエアバック装置は、
昇圧回路部によってバッテリ電圧を昇圧し、バッテリ電
圧が低下した場合であってもエアバック装置20を確実
に作動させる構成を採用しながら、エアバック装置20
を診断する場合には、昇圧回路部2におけるスイッチン
グに起因する電源電圧の変動の影響を受けることがない
という優れた効果を得ることができる。従って、大型で
高価な平滑コンデンサを用いる必要がなく、簡単かつ確
実に自己診断を実行する小型で安価なエアバック装置を
実現することができる。
【0037】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない種々なる態用により具現化さ
れることは勿論である。例えば、上記実施例では昇圧回
路とバッテリとが直列に接続されてエアバック駆動手段
へ電力を供給する回路についてのみ説明したが、昇圧回
路の出力に対して、ダイオードを介してバッテリの出力
が並列に接続されている場合でも同様である。また、衝
突時にシートベルトを巻き取って乗員を座席に確保しよ
うとするプリローダ装置や、対人事故における安全性を
高めるためのボンネットエアバック装置に適用すること
も好適である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の車両用保護
装置は、制御手段により電圧検出手段の作動に同期して
昇圧手段が制御されるため、その電圧検出手段の検出す
る電圧の変動を抑制することができ、電圧の検出結果に
基づいた回路診断が簡単かつ確実となるという優れた効
果を奏する。この結果、大容量の平滑コンデンサが不要
となり、装置全体を小型かつ安価に実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるエアバック装置20の
回路を示すブロック図である。
【図2】第1実施例のエアバック装置20の昇圧回路部
26の動作原理を示す電気回路図である。
【図3】エアバック装置20が装着された車両を示す斜
視図である。
【図4】エアバック装置20の動作原理を示す説明図で
ある。
【図5】エアバック装置20にて処理される昇圧回路駆
動プログラムを示すフローチャートである。
【図6】同じく回路診断プログラムを示すフローチャー
トである。
【図7】エアバック装置20の動作を説明するタイミン
グチャートである。
【図8】第2実施例であるエアバック装置の昇圧回路部
60の動作原理を示す電気回路図である。
【図9】第2実施例のエアバック装置にて処理される昇
圧回路駆動プログラムを示すフローチャートである。
【図10】第3実施例であるエアバック装置の要部を示
す回路ブロック図である。
【符号の説明】
10…センタエアバックセンサ 12…駆動回路 14…ステアリングホイールパッド 15…インフレータ部 16…スパイラルケーブル部 17…ガス発生剤 18…点火装置 19…エアバック 20…エアバック装置 22…バッテリ 24…イグニッションキー 26…昇圧回路部 28…バックアップコンデンサ 30…抵抗器 32…ダイオード 34…平滑コンデンサ 36…スクイブ 38…セーフィングセンサ 40…トランジスタ 42,44…抵抗器 50…マイクロコンピュータ 51…ノイズフィルタ 52…インタフェイス回路 60…昇圧回路部 70…スイッチングトランジスタ 262…トランジスタ 264…単安定マルチバイブレータ 266…保護回路 602…過電流検出回路 PI…入力ポート PO…出力ポート R1…抵抗器 R3…電流制限抵抗

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両衝突時に、燃焼等の非可逆反応によ
    り得られるガスを利用して、エアバック等の保護具を駆
    動する車両用保護装置であって、 バッテリ電圧を電源とし、これをスイッチングすること
    により昇圧する昇圧手段と、 車両衝突時の衝撃を検出する衝撃検出手段と、 該昇圧手段により昇圧された電源ラインに接続され、前
    記衝撃が検出されたとき、電気的なエネルギを用いて前
    記保護具を膨張展開させる保護具駆動手段と、 該保護具駆動手段の所定箇所の電圧を検出する電圧検出
    手段と、 該電圧検出手段の検出結果に基づいて前記保護具駆動手
    段を診断する診断手段と、 前記電圧検出手段の作動に同期して前記昇圧手段を制御
    する制御手段とを備えることを特徴とする車両用保護装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、電圧検出手段の作動に
    同期して昇圧手段の発振駆動を停止する手段である請求
    項1記載の車両用保護装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記昇圧手段を兼ねる
    請求項2記載の車両用保護装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100308699B1 (ko) * 1999-09-14 2001-09-26 윤장진 분산형 에어백 전자 제어 장치
US7400060B2 (en) 2004-05-25 2008-07-15 Denso Corporation Power supply system for a vehicle
JP2009241764A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Mitsubishi Electric Corp 車載用エアバッグ装置

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US7400060B2 (en) 2004-05-25 2008-07-15 Denso Corporation Power supply system for a vehicle
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