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JPH08291870A - バタフライ弁およびその製造方法 - Google Patents

バタフライ弁およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08291870A
JPH08291870A JP12052195A JP12052195A JPH08291870A JP H08291870 A JPH08291870 A JP H08291870A JP 12052195 A JP12052195 A JP 12052195A JP 12052195 A JP12052195 A JP 12052195A JP H08291870 A JPH08291870 A JP H08291870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
seat ring
cylindrical
valve box
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12052195A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Yurugi
義則 万木
Takeshi Mizutani
武 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoe Technical Research Co Ltd
Maxell Kureha Co Ltd
Original Assignee
Kureha Elastomer Co Ltd
Tomoe Technical Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Elastomer Co Ltd, Tomoe Technical Research Co Ltd filed Critical Kureha Elastomer Co Ltd
Priority to JP12052195A priority Critical patent/JPH08291870A/ja
Publication of JPH08291870A publication Critical patent/JPH08291870A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D9/00Controlling engines by throttling air or fuel-and-air induction conduits or exhaust conduits
    • F02D9/08Throttle valves specially adapted therefor; Arrangements of such valves in conduits
    • F02D9/10Throttle valves specially adapted therefor; Arrangements of such valves in conduits having pivotally-mounted flaps
    • F02D9/107Manufacturing or mounting details

Landscapes

  • Lift Valve (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バタフライ弁を使用する際の流体条件でシー
トリングが揺動したり、損傷を受けたりすることがな
く、閉弁時のシールが確実であり、かつ大幅な軽量化が
達成され、作業性および経済性が改善される。 【構成】 円筒状弁箱部12の上下に弁棒26、27の
軸受け部13、14を有する弁本体11の弁箱部12に
その内面および両側端面を被覆する円筒状の弾性材料か
らなるシートリング20を取付けてシートリング20の
内側に流体通路を形成し、この流体通路に装着した弁体
25の上下に弁棒26、27を接続し、この上下の弁棒
を軸受け部13、14で回転自在に支持したバタフライ
弁10において、弁本体11が硬質の合成樹脂材料で、
シートリング20が弾性材料でそれぞれ形成され、両者
が加硫接着により一体化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硬質の合成樹脂材料
からなる弁本体と弾性材料からなるシートリングとを一
体化したバタフライ弁およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】バタフライ弁は主として液体、気体およ
び粉粒体等が流れるパイプラインの開閉や流量制御に汎
用されているが、このバタフライ弁は、ほぼ円筒状の鋳
鉄製弁箱部と、この弁箱部の内周面を被覆するほぼ円筒
状のゴム製シートリングと、このシートリング内に直径
方向の軸線に対して回動自在に設けた円板状の鋳鉄製弁
体とで構成され、この弁体の回動により弁体の外周縁を
シートリング内周面に接触・離隔させてシートリング内
側の流体通路を開閉する。
【0003】すなわち、従来のバタフライ弁は、図10
に示すように、上記の弁箱部1およびシートリング2が
個別に製作され、弁箱部1の内面にシートリング2を嵌
込んで組立てられており、弁箱部1とシートリング2と
が一体化されていなかった。なお、シートリング2は、
弁箱部1の内面を被覆する円筒部2aと弁箱部1の両端
面に接するフランジ部2bとを備えている。また、3は
剛性材料からなる弁体、4は弁棒、5は流体通路を構成
するパイプ、6はパイプ5の端部外面に嵌合、固着した
フランジであり、弁箱部1の左右の端面に左右のパイプ
5の端部のフランジ6が当接され、この左右のフランジ
6が複数本のボルト(図示されていない)の締結により
弁本体1を挟んで連結される。
【0004】したがって、パイプ5を流れる流体の圧
力、温度、速度または弁体3の開度等の条件により、嵌
め込まれたシートリング2が弁箱部1の内面から浮く等
の不安定な状態となり、バタフライ弁の性能が低下する
という問題があった。例えば、真空条件の下で弁体3を
全開すると、シートリング2の円筒部2aが吸引されて
弁箱部1の内面から浮き上がり、このとき閉弁のため弁
体3が時計方向(矢印A)に回転すると、シートリング
2の円筒部2aとフランジ部2bとの境界部に剪断力が
作用して亀裂が発生し、破断する危険があった。また、
弁体3が鎖線(3)に示すように左側で開度極小の位置
にあって流体が左から右に(矢印P方向に)流れるとき
は、シートリング2の円筒部2aが流体の流れによって
鎖線のように変形し、シートリング2の左側フランジ部
2bが中心側に吸引されて弁箱部1とパイプ5のフラン
ジ6との間から脱出する危険があった。また、真空でな
くても一般的に弁体3が矢印A方向に回転する場合は、
その閉弁の直前にシートリング2の円筒部2aに接する
弁体3の摩擦力によって左端に引張力が、右端に圧縮力
が作用し、これらの部分、特に引張力の作用する左端が
フランジ部2bとの間で剪断され易くなっていた。
【0005】また、従来のバタフライ弁は、弁箱部1が
弁体3と同様に鋳鉄製であるため重くなり、バタフライ
弁の組立て時やパイプラインの配管時に多大の労力を必
要とした。そして、弁本体1が鋳鉄製であり、しかもこ
の弁箱部1とシートリング2が前記のとおり個別に製作
されるため、バタフライ弁の組立て後の精度を確保する
ためには、弁箱部1と他の部品との接合部、特にシート
リング2を嵌合すべき弁箱部1の円筒部内面を機械加工
によって仕上げる必要があり、コスト上昇の要因となっ
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、バタフラ
イ弁の弁箱部を含む弁本体、弁体等の構成部材を樹脂化
し、この弁箱部にシートリングを一体的に固着すること
により、バタフライ弁を使用する際の流体条件でシート
リングが揺動したり、損傷を受けたりすることがなく、
閉弁時のシールが確実であり、かつ大幅な軽量化が達成
され、作業性および経済性を改善することができるバタ
フライ弁およびその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係るバタフラ
イ弁は、円筒状弁箱部の上下に弁棒の軸受け部を設けて
弁本体を形成し、上記弁箱部にその内面および両側端面
を被覆する円筒状の弾性材料からなるシートリングを取
付けて該シートリングの内側に流体通路を形成し、この
流体通路に装着した円板状の弁体の上下に弁棒を接続
し、この上下の弁棒を上記の軸受け部で回転自在に支持
したバタフライ弁において、上記のシートリングが弁箱
部の内面を被覆する円筒部と弁箱部の両端面を被覆する
フランジ部とからなり、該シートリングの円筒部の内面
両端に内径を拡大する段部が形成され、上記円筒部の内
面に弁棒挿通孔を囲んで弁体の回転受け座が内向きに突
設されており、上記の弁箱部および軸受け部が硬質の合
成樹脂材料で、またシートリングが弾性材料でそれぞれ
形成され、かつ上記の弁箱部およびシートリングが加硫
接着により一体化されていることを特徴とする。
【0008】上記の弁箱部および軸受け部を構成する硬
質の合成樹脂材料は、シートリングを構成する弾性材料
の加硫温度で変形しない程度の耐熱性を有するものであ
り、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩
化ビニル、アルキルベンゼンスルホン酸、メタクリル、
ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリアミド、ポリスル
ホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド等
の熱可塑性樹脂およびエポキシ、メラミン、フェノー
ル、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が例示され
る。特にポリカーボネイト、メラミン、フェノール、不
飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリアセタール、ポリエチレンテ
レフタレートは、強度および成形時の耐熱性に優れる点
で好ましい。また、上記の樹脂材料にガラス繊維や炭素
繊維を加えて強度を一層高めることができる。なお、上
記弁箱部の口径は、強度および実用性の点で50〜30
0mmが好ましい。
【0009】また、シートリングを構成する弾性材料
は、ゴム様の弾性を有するものであればよく、アクリロ
ニトリル・ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、
エチレンプロピレンジエンゴム、クロロプレンゴム、ブ
タジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素系ゴ
ム、シリコーンゴム等が例示される。なお、上記弾性材
料の硬度は、JIS−Aゴム硬度の50〜80度が好ま
しい。
【0010】上記の弁本体およびシートリングの一体化
は、加硫接着によって一体化されるが、この加硫接着
は、後記するように弁本体の円筒状弁箱部をシートリン
グの円筒部外面を成形するための外型に使用して弾性材
料を加硫成形することにより、該成形と同時に行われ
る。そして、上記の円筒状弁箱部の内面およびシートリ
ングの円筒部外面に互いに噛み合う凹凸面を形成し、こ
の凹凸面の噛合いによる物理的接合を上記加硫接着の化
学的接合と併用することにより、弁本体とシートリング
の一体化を一層強固にすることができる。なお、円筒部
内面の回転受け座は、弁体の回転を円滑に支持するよう
に弁棒に対して直角な平坦面または該平坦面から僅かに
窪む球面に形成することが好ましい。
【0011】しかして、上記の円筒状弁箱部および上下
の軸受け部は、上記硬質の合成樹脂材料で一体に成形す
ることができるが、これらを別体に成形し、円筒状弁箱
部のみを上記の外型に使用してシートリングを成形し、
このシートリングの成形後に弁箱部と上下の軸受け部と
を接着により一体化することができ、この場合はシート
リングの成形時における弁箱部の補強が容易となり、作
業性が向上する。なお、弁箱部の上下に軸受け部を接着
によって接合する際、弁箱部に対する上下の軸受け部の
接合端に非円形断面の突起をあらかじめ突設する一方、
上下の軸受け部に対する弁箱部の接合端に上記軸受け部
の突起と嵌合する非円形断面の孔をあらかじめ凹設し、
この孔に上記軸受け部の突起を嵌合することにより、接
合部のねじれ強度を向上することができる。そして、上
記接合部の孔の内側に金属製Oリングケースを固定する
ことにより、シールを兼ねて接合部の強度を向上するこ
とができる。
【0012】バタフライ弁の製造方法に係る第1の態様
は、上記弁本体の円筒状弁箱部と上下の軸受け部とが一
体化された形式のバタフライ弁の製造方法に係り、上記
の弁本体を弁箱部の中心線が上下方向を向くように倒し
て該弁箱部をシートリングの外面を成形するための外型
に使用し、かつ該弁箱部の内面に加硫接着剤を塗布し、
この弁箱部を上下の軸受け部を介して下型上に支持し、
弁箱部の上に上型を、内側に中型をそれぞれ配置し、上
記弁本体の弁棒用軸受け部に挿通したスピンドル先端を
上記の中型に接続して上記弁箱部の内側にシートリング
成形用のキャビティを形成し、このキャビティに弾性材
料を注入し、上記の上型および下型を所定温度に所定時
間加熱してキャビティ内の弾性材料を加硫し、同時に弁
箱部の内面および端面にシートリングの円筒部およびフ
ランジ部を一体に接着することを特徴とする。なお、加
硫接着剤としては、イソシアネート系、塩化ゴム系、塩
素化ポリエチレン系等のものが使用される。また、上記
の加硫温度は、弁箱部のサイズ、弁箱部を構成する合成
樹脂およびシートリングを構成する弾性体の種類に応じ
て設定されるが、130〜200℃が好ましい。
【0013】上記のシートリングは、前記のとおり円筒
部と該円筒部の両端のフランジ部とで構成されるが、上
記の上型は上記シートリングの一方のフランジ部を、ま
た下型はシートリングの反対側フランジ部をそれぞれ成
形するためのものであり、上記の中型はシートリングの
円筒部内面を成形するためのものである。ただし、上型
で上記の一方のフランジ部以外にシートリングの円筒部
内面の上端付近を成形するようにしてもよく、また下型
で上記の反対側フランジ部以外にシートリングの円筒部
内面の下端付近を成形するようにしてもよく、また中型
でシートリングの円筒部の中央部以外に上端または下端
を成形するようにしてもよく、これによって上型や下型
と中型との接合面が上記弁棒挿通部から外れ、この弁棒
挿通部のバリ発生を避けることができる。また、中型
は、上型または下型のいずれかと一体に形成してもよ
く、この場合は、中型と上型または下型との接合面が減
少し、それだけシートリング内面のバリが減少する。ま
た、中型を上下に2分してもよく、この場合はシートリ
ング成形後の中型の取り外しが容易になる。
【0014】バタフライ弁の製造方法に係る第2の態様
は、弁本体の円筒状弁箱部と上下の軸受け部とが別体に
成形される形式のバタフライ弁を製造する方法であり、
上記の円筒状弁箱部のみをその外面に仮固定した支持具
を介して下型上に水平に支持することを除き、他は上記
第1の態様と同様にしてシートリングが成形され、同時
にこのシートリングが弁箱部に加硫接着される。そし
て、この加硫接着後、上記の弁箱部に該弁箱部と同じ硬
質の合成樹脂であらかじめ成形された上下の軸受け部が
接着される。なお、上記の支持具としては、円筒状弁箱
部の外面に嵌合可能な円筒体が好ましく、この場合は、
上記弁箱部内の圧力に対する耐圧強度が向上するので、
弁箱部等からなるキャビティに弾性材料を注入する際の
注入圧力を大きく設定することが可能になり、シートリ
ングの成形が容易になる。また、弁箱部に対する上下の
軸受け部の接合端に非円形断面の突起が突設され、上下
の軸受け部に対する弁箱部の接合端に上記軸受け部の突
起と嵌合する非円形断面の孔が凹設されている場合は、
上記の支持具に上記軸受け部の突起と同様の突起を形成
し、この突起を弁箱部の対応する孔に嵌合することによ
り、弁箱部の位置決めが容易になる。
【0015】
【作用】この発明のバタフライ弁は、パイプラインを構
成するように直列に並ぶ2本のパイプの端部間に弁本体
を介在させ、両側のパイプの端部外面に固着されている
フランジ同士を複数本のボルトで連結し、該ボルトの先
端にナットを締結することにより、従来と同様にパイプ
間に挟着される。この場合、弾性材料からなるシートリ
ングは、弁本体の円筒状弁箱部の内面および両側端面を
被覆する円筒状に形成されているため、円筒状弁箱部の
両側端面を被覆する部分が上記パイプ端部のフランジに
接して圧縮され、パイプと弁本体の接続部をシールす
る。そして、上記のシートリングは弁本体の円筒状弁箱
部に加硫接着により一体化されているため、パイプライ
ンに流体が通された際、シートリングが浮いたりするこ
となく安定して機能する。
【0016】また、上記のシートリングは、円筒状弁箱
部の内面を被覆する円筒部と上記弁箱部の両端面を被覆
するフランジ部とで構成され、円筒部の内面両端に内径
を拡大する段部が形成されているため、上記のようにバ
タフライ弁をパイプラインに介設して上記フランジ部が
圧縮された際に該フランジ部の内側に過剰圧力が加わっ
て縁部が内側に膨らむのを防ぐことができる。また、上
記円筒部の内面に弁棒の挿通孔を囲んで弁体の回転受け
座が内向きに突設されているため、弁体の回転が円滑に
なる。そして、上記の弁箱部、軸受け部および弁体が硬
質の合成樹脂材料で形成されるため、バタフライ弁の軽
量化が可能である。
【0017】バタフライ弁の製造方法に係る第1の態様
によれば、上下の軸受け部を備えた円筒状弁箱部をその
まま外型に使用するので、シートリングの成形、加硫後
に上型、下型、中型およびスピンドルを取り外し、弁体
を取付けることにより、前記のバタフライ弁が得られ
る。この場合、円筒状弁箱部と上下の軸受け部とからな
る弁本体は、あらかじめ成形されるが、硬質の合成樹脂
製であるため、射出成形等により内外面の形状、寸法が
精密に成形される。したがって、この弁本体の上下の軸
受け部外面を基準にし、かつ弁箱部を外型に使用して下
型および上型を組立て、弁本体に形成されている弁棒用
軸受け部にスピンドルを挿通し、その先端を上記の中型
に接続することにより、弁本体の円筒状弁箱部の内側に
シートリング成形用のキャビティが高精度に形成され
る。しかも、このキャビティに弾性材料を注入して成
形、加硫するので、シートリングを別に成形する場合の
ように上記円筒状弁箱部の内面をあらかじめ機械加工に
よって精密仕上げをする必要がない。
【0018】他方、第2の態様によれば、上下の軸受け
部と一体化する前の円筒状弁箱部を外型に使用し、この
弁箱部を弁箱部に仮固定された適当な支持具によって下
型上に水平に支持するので、この支持具を金属であらか
じめ正確に製作しておくことにより、シートリング成形
用のキャビティが上記同様に高精度に形成される。そし
て、シートリングの成形と同時にこのシートリングが弁
箱部に接着される。なお、上記の支持具を円筒状弁箱部
の外面に嵌合可能な円筒体とすることにより、前記のと
おりシートリングの成形時に弁箱部が支持具によって補
強され、弾性材料の注入圧力を大きく設定することが可
能になり、その注入が容易になる。
【0019】
【実施例】図1、図2および図3に示すバタフライ弁1
0において、弁本体11は横向き円筒状の弁箱部12、
該弁箱部12の上に突出する上向き筒状の上部軸受け部
13および上記弁箱部12の下に突出する下向き筒状の
下部軸受け部14からなり、これら全体が硬質の合成樹
脂で一体に成形されている。そして、上部軸受け部13
の中心線に沿って上部軸受け15が嵌装され、この上部
軸受け15に上部弁棒26が回転自在に挿入され、また
下部軸受け部14の中心線に沿って下部軸受け16が嵌
装され、この下部軸受け16に下部弁棒27が回転自在
に挿入される。なお、上部軸受け部13の上端にはフラ
ンジ13aが形成される。また、上部軸受け部13の上
端面に上部弁棒26の挿通可能な中心孔を有する押さえ
板17が固定され、また下部軸受け部14の下端面に下
部軸受け16の中心孔を塞ぐガスケット18および蓋板
19が重ねて固定される。
【0020】上記弁本体11の円筒状弁箱部12の内面
に嵌装されるシートリング20は、弁箱部12の内周面
を被覆する円筒部21と上記弁箱部12の両端面を被覆
するフランジ部22とからなり、合成ゴムを主体とする
弾性材料で成形され、後記するように加硫接着によって
上記弁本体11に固定され、一体化されている。そし
て、上記円筒部21の内面は、上部弁棒26の挿通部お
よび下部弁棒27の挿通部を除いて実質的に円筒面21
aに形成され、上部弁棒26および下部弁棒27の各挿
通部の周囲は上記円筒面21aから内向きに突出して弁
棒26、27に対して垂直な平坦面からなる回転受け座
21bを形成し、この回転受け座21bが後記する弁体
25の円滑回転を可能にする。なお、この回転受け座2
1bは、弁体25の形状に応じて上記の平坦面から僅か
に窪む球面状に形成することができる。また、上記円筒
部21の内側円筒面21aの両端には、傾斜段部21c
が軸方向外向きに広がる錐面状に形成され、上記円筒面
21aの直径すなわち円筒部21の内径d(図3参照)
よりもフランジ部22の内径Dの方が大きくなってい
る。
【0021】なお、この実施例では、フランジ部22の
外径が円筒状弁箱部12の外径とほぼ等しく設定されて
いる。また、上下の軸受け部13、14の横断面は、長
方形に形成され(図3の点線14参照)、その幅B(弁
箱部12の軸方向と平行に測定した寸法、図1参照)が
上記弁箱部12の軸方向長さおよびシートリング20の
全幅の中間長さに設定され、上記軸受け部13、14の
端面とシートリング20のフランジ部22の端面間に段
差α(図1参照)が形成される。
【0022】上記弁箱部12の内面には(図1参照)、
弁棒26、27の挿通孔を挟んで左右2本のアリ溝が、
またシートリング20の円筒部21の外面には上記のア
リ溝に嵌合する突条(アリ)がそれぞれ周方向に設けら
れ、このアリ溝と突条の噛合いおよび上記の加硫接着の
併用によって弁本体11とシートリング20を一層強固
に結合している。なお、上記弁箱部12の内面およびシ
ートリング20の円筒部21の外面に、上記のアリ溝お
よび突条に代えて、多数本の丸溝その他任意の凹凸を互
いに噛合い状に設けてもよい。また、シートリング20
の円筒部21の上部および下部には、それぞれ上下の軸
受け15、16を結ぶ中心線に沿って上部弁棒26およ
び下部弁棒27の挿通孔が設けられ、これら上下の挿通
孔が上記円筒部21の内側の上下の回転受け座21bに
開口する。
【0023】上記シートリング20の内側に配置される
弁体25は、前記の弁本体11と同様に硬質の合成樹脂
や金属等によって上記シートリング20の円筒部21の
内径dよりも圧縮代の分だけ大きい直径の円板形に成形
したものであり、その上端に上部弁棒26を接続するた
めの上側接続部25aが、また下端に下部弁棒27を接
続するための下側接続部25bがそれぞれ形成される。
この上側接続部25aの上面および下側接続部25bの
下面は、それぞれ上記円筒部21の内側の上下の回転受
け座21bに対応する平坦面に形成される。この場合、
上側接続部25aの上面および下側接続部25bの下面
の間隔は、シートリング20の円筒部21における上下
の回転受け座21b間の距離よりも圧縮代の分だけ大き
く設定される。そして、上下の接続部25a、25bに
上下の弁棒26、27の挿入可能な孔が設けられ、この
上側接続部25aの上面孔に上部弁棒26の下端が、ま
た下側接続部25bの下面孔に下部弁棒27の上端がそ
れぞれ挿入、接続される。したがって、上部弁棒26の
上部突出端を任意の手段で回転することにより、弁体2
5が回転してシートリング20の円筒部21の内側の流
体通路が開閉される。図1において、実線の弁体25は
流体通路を閉じた状態を示し、また鎖線の弁体25は9
0度水平に回転して流体通路を開いた状態を示す。
【0024】上記のバタフライ弁10は、図1〜図3に
示すように、パイプラインを構成する2本のパイプ5、
5の各端部外面に嵌合固着した円板形のフランジ6、6
間に介設され、両側のフランジ6、6を複数組のボルト
7、ナット8で接続することによってパイプ5、5間に
挟着される。この場合、シートリング20のフランジ部
22の端面は、弁本体11の円筒状弁箱部12の端面を
被覆し、上下の軸受け部13、14の外面から段差αだ
け突出しているため、この段差αが上記の挟着に対する
圧縮代を形成し、上記挟着時に圧縮されて接合面をシー
ルし、かつ上記の段差αを超える過剰な締付けを防止す
る。
【0025】また、上記シートリング20の円筒部21
の内径dは、パイプ5の内径とほぼ等しい大きさに設定
されるが、上記円筒部21の両端には傾斜段部21cが
形成され、シートリング20の円筒部21およびパイプ
5の端面間に空間が形成されるため、シートリング20
のフランジ部22にパイプ5のフランジ6が圧着されて
上記フランジ部22が内側に膨らんでも、シートリング
20の円筒部21に過大な負荷が加わったり、該円筒部
21が膨らんだりすることがなく、したがって弁体25
の回転による弁の開閉トルクに異常を来すことがない。
なお、上記の傾斜段部21cが存在せず、図9に示すよ
うに、シートリング20の円筒部21の内側円筒面21
aがフランジ部22側の端部まで水平に延びている場合
は、該フランジ部22にパイプ5のフランジ6が圧着さ
れ、上記のフランジ部22と円筒部21の交差部が圧縮
されて厚みが縮小するのに伴い、上記内側円筒面21a
の端部が鎖線のように膨らみ、弁棒26、27の回転動
作に支障を来すことがあって好ましくない。
【0026】上記の弁本体11は射出成形法その他によ
って製造され、上記のシートリング20はトランスファ
成形その他によって製造され、その際に上記の弁本体1
1が金型の一部に使用される。すなわち、図4におい
て、11は弁本体、12は円筒状弁箱部、13は上部軸
受け部、14は下部軸受け部であり、断面方形の上下の
軸受け部13、14を板状の下型30の左右の縁上に重
ねることにより、円筒状弁箱部12が中心線を上下方向
に向けて上記下型30の上に支持される。そして、この
上下の軸受け部13、14の上にほぼ板状の上型31を
重ね、この上型31の下面に突出する中型32を上記円
筒状弁箱部12の中心線に沿って挿入し、この中型32
の周囲に上記シートリング20を成形するためのキャビ
ティ33をリング状に形成する。
【0027】上記の下型30は、弁本体11の円筒状弁
箱部12の下面を被覆する大きさを有する中高の板状体
であり、その中央部に位置決め用の突起30aを有し、
その周囲に平坦な接合面30b、前記シートリング20
の傾斜段部21cに対応する錐面部30c、上記シート
リング20のフランジ部22に対応するリング状の溝部
30dが順に形成されている。そして、この下型30上
に上記の弁本体11を設置する際、その位置決めが上記
リング状の溝部30dの外周縁および弁本体11の上部
軸受け部13および下部軸受け部14の外面(図4にお
いて下面)を基準にして行われ、該溝部30dの左側平
滑面および右側平滑面にそれぞれ弁本体11の上部軸受
け部13および下部軸受け部14が置かれる。
【0028】上記の上型31は、弁本体11の円筒状弁
箱部12の上面を被覆する大きさの板状体であり、中央
下面に上記の中型32が突設され、この中型32の周囲
に上記下型30のリング状溝部30dに対向するリング
状の溝部31aを有し、この溝部31aの左側外周縁に
接して成形材料の供給孔31bが穿孔されている。そし
て、この上型31の上面中央に溝31cがリング状に凹
設される。
【0029】この上型31の下面に突出する中型32
は、シートリング20の内面を成形するものであり、全
体としてシートリング20の円筒部21の内側円筒面2
1aに対応する円柱状に形成されており、上端基部に上
記下型30の錐面部30cと反対向きの錐面部32a
を、また高さ方向の中央部左右にシートリング20の回
転受け座21bに対応する凹部32bをそれぞれ備え、
この左右の凹部32bの中心を通ってネジ孔32cが穿
孔され、このネジ孔32cの両端に前記の弁棒26、2
7の直径と等しい内径の大径部が設けられる。この中型
32の下端面は、上記下型30の接合面30bに対応す
る平滑面に形成され、この下端面の中央に下型30の上
端の突起30aの嵌込み可能な嵌合孔32dが凹設され
る。
【0030】上記の下型30上に上記の弁本体11を前
記のとおり設置した後、この弁本体11の円筒状弁箱部
12に上型31の下面の中型32を挿入し、中型32の
下端の嵌合孔32dを下型30の突起30aと嵌合させ
ながら、上型31を上記円筒状弁箱部12の上に重ね
る。次いで、弁本体11の上部軸受け部13の軸受け取
付け孔にその孔径とほぼ等しい径の上部スピンドル35
を挿入し、その先端に前記の上部弁棒26と等しい径の
小径部35aを介して突設されている先端ネジ部35b
を中型32のネジ孔32cにねじ込み、かつ弁本体11
の下部軸受け部14の軸受け取付け孔にその孔径とほぼ
等しい径の下部スピンドル36を挿入し、その先端に前
記の下部弁棒27と等しい径の小径部36aを介して突
設されている先端ネジ部36bを中型32のネジ孔32
cにねじ込み、かつ該ネジ孔32cの両端の大径部にス
ピンドル35、36の先端小径部35a、36aを挿入
して下型30、弁本体11、上型31、中型32、上部
スピンドル35および下部スピンドル36を一体化す
る。
【0031】上記の上型31の上には、弾性材料供給用
ポット40が取付けられる。このポット40は、上型3
1と等しい大きさの円盤形のものであり、上面にリング
状の材料充填室40aを有し、この材料充填室40aの
底に前記上型31の材料供給孔31bに連通する材料供
給孔40bが設けられ、更に下面中央に上型31の上面
溝31cに嵌合可能な突条40cがリング状に突設され
る。そして、このポット40のリング状材料充填室40
aにプランジャー41の下面のリング状突起41aが嵌
合する。
【0032】上記図4の装置において、ポット40のリ
ング状材料充填室40aに軟化状態にある所定量の弾性
材料を装入し、このポット40に乗せたプランジャー4
1を流体シリンダ(図示されていない)等で押下げる
と、上記充填室40a内の弾性材料が材料供給孔40
b、31bを経て押出され、矢印で示すように、前記の
下型30、弁本体11、上型31、中型32、上部スピ
ンドル35および下部スピンドル36で形成されたキャ
ビティ33に充填される。そして、ポット40を外した
後、上記の下型30の下面および上型31の上面を所定
温度で所定時間、例えば150℃で30分間加熱する
と、弾性材料が加硫され、同時に弁本体11の円筒状弁
箱部12との接触部において該弁箱部12と接着され、
下型30および上型31の冷却後に上下のスピンドル3
5、36を抜き取り、上型31、中型32を分解するこ
とにより、弁本体11がシートリング20と一体化され
た状態で取出される。
【0033】図5および図6に示すバタフライ弁の実施
例は、弁本体11を構成する円筒状弁箱部12および上
下の軸受け部13、14を別体に成形し、接着で一体化
したものである。この例では、上記弁箱部12の上端面
12aおよび下端面12bがそれぞれ平坦に形成され、
この上端面12aおよび下端面12bの各中央に弁棒2
6よりも太い六角形断面(非円形断面)の孔12cおよ
び12dがそれぞれ貫通状に設けられ、これらの孔12
c、12dの内面に断面「コ」字形の金属製Oリングケ
ース28が補強用を兼ねて嵌装され、このOリングケー
ス28の内側に弁棒26、27と接するOリング29
(図7参照)が取付けられる。なお、図5、6の実施例
では前記図1の上下の軸受け15、16は省略される。
【0034】一方、上部軸受け部13には(図5、6参
照)、上部弁棒26の挿通孔の上下両端を除く中間部に
空洞部13bが形成され、下端面に上記弁箱部12の上
端の孔12cと嵌合する断面六角形(非円形断面)の突
起13cが突設され、弁箱部12および上部軸受け部1
3が孔12cおよび突起13cの嵌合と、弁箱部12お
よび上部軸受け部13の接触部の接着剤接着とによって
接合される。反対の下部軸受け部14には、その上端面
に上記弁箱部12の下端の孔12dと嵌合する断面六角
形(非円形断面)の突起14cが突設され、弁箱部12
および下部軸受け部14が上記の突起14cおよび孔1
2dの嵌合と、弁箱部12および下部軸受け部14の接
触部の接着剤接着とによって接合される。なお、17A
は押さえ板である。
【0035】図7は、変形例における上部軸受け部13
と円筒状弁箱部12の接合部を示す断面図であり、円筒
状弁箱部12の内面に多数本の突条12eを周方向に形
成してシートリング20との接着力を向上したものであ
る。なお、図5ないし図7において、シートリング20
の円筒部21、フランジ部22、円筒部21の内側円筒
面21a、回転受け座21b、傾斜段部21cは前記図
1の実施例と同様に形成される。
【0036】図8は、上記図5の円筒状弁箱部12の内
面にシートリング20を成形するための装置を示す。弁
箱部12は、上下の軸受け部13、14および弁体25
と同様に射出成形法によって製造され、その上下両端
(図8の左右)の六角形孔12c、12dにはOリング
ケース28が嵌装されている。そして、この弁箱部12
がその外面に着脱自在に嵌装された円筒状の支持具45
を介して下型30上に弁箱部12の中心線を上下方向に
向けて支持され、この弁箱部12の中心に挿入された下
側中型46が下型30の中心に固定され、この下側中型
46および上記の円筒状支持具45の上にまたがって上
側中型47と一体の上型48が重ねられ、上記弁箱部1
2の弁棒挿通孔に上部弁棒に代わる左側スピンドル49
および下部弁棒に代わる右側スピンドル50が支持具4
5の側から挿入され、その各先端が下側中型46および
上側中型47の周面に当接して弁箱部12の内側にシー
トリング20の成形用キャビティ33をリング状に形成
する。
【0037】上記の下型30は、円筒状支持具45の下
端部を嵌め込むことが可能な板状体であり、前記同様に
中央部の位置決め用突起30aの周囲に平坦な接合面3
0b、錐面部30c、リング状の溝部30dを順に有
し、更にその周囲に上記円筒状支持具45の嵌込み段部
30eが形成されており、この下型30の接合面30b
に下側中型46が置かれ、その下面の孔46aに上記下
型30の突起30aが嵌合する。この実施例では、下側
中型46と上側中型47の接合部の高さがスピンドル4
9、50の中心線から上にずれた位置に設定され、下側
中型46の上面の孔46bに上側中型47の下面の突起
47aが嵌合し、これら上下の中型46、47が協同し
て前記シートリング20の円筒部21内面を成形する。
【0038】上記の円筒状支持具45は、前記上下の軸
受け部13、14の幅B(図6参照)を高さとする円筒
体であり、その内径が弁箱部12を着脱自在に圧入でき
る程度に設定されている。そして、上記支持具45の左
右に弁箱部12の弁棒挿通孔と連通するねじ孔45a、
45bが設けられ、左側ネジ孔45aに左側スピンドル
49の基部側のオネジ部49aが、また右側ネジ孔45
bに右側スピンドル50の基部側のオネジ部50aがそ
れぞれねじ込まれ、左右のスピンドル49、50の各先
端が上下の中型46、47の接合部に当接される。な
お、円筒状支持具45を左右のスピンドル49、50と
直交する直径に沿って二つ割りにし、かつ内面に上下の
軸受け部13、14の内面突起13c、14cと対応す
る突起を設けて弁箱部12の上下の六角形孔12c、1
2dに嵌合することにより、弁箱部12およびOリング
ケース28の位置決めが容易になる。
【0039】上側中型47上の上型48は、上側中型4
7の周囲に沿って上記下型30のリング状溝部30dに
対応するリング状の溝部48aを有し、この溝部48a
の左側外周縁に接して成形材料の供給孔48bが穿孔さ
れ、上面中央に溝48cがリング状に凹設されている。
そして、この上型48上に前記同様に弾性材料供給用ポ
ット40およびプランジャー41が順に重ねられ、ポッ
ト40下面の突条40cが上型48の上面の溝48cに
嵌合し、ポット40の上面に開口するリング状の材料充
填室40aの底の材料供給孔40bが上型48の材料供
給孔48bに連通し、上記の材料充填室40aにプラン
ジャー41の下面のリング状突起41aが嵌合する。
【0040】上記図8の装置を用いて口径100mmの円
筒状弁箱部12の内面にシートリング20を成形した。
先ず、上記の円筒状弁箱部12、上下の軸受け部13、
14および弁体25をそれぞれポリフェニレンオキシド
の射出成形によって個別に製造し、上記弁箱部12の上
下の六角形の孔12c、12dに鋼製のOリングケース
28を嵌め込み、接着剤で接着し、この弁箱部12の内
面をトルエンで処理し、イソシアネート系加硫接着剤を
塗布し、24時間の自然乾燥を行った。次いで、この弁
箱部12を鋳鉄製の円筒状支持具45の内側に嵌めてセ
ットし、この支持具45を下型30の段部30eに嵌込
んで固定し、しかるのち下側中型46、上側中型47お
よび上型48、ポット40の順に組立て、ポット40の
材料充填室40aに下記配合のアクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム(NBR)を充填し、プランジャー41を押
下げて上記のNBRをキャビティ33に注入した。
【0041】 NBR(日本合成ゴム社製、商品名「JSR N230SL」) 100重量部 亜鉛華 5重量部 ステアリン酸 1重量部 老化防止剤(フェニル−α−ナフチルアミン) 2重量部 カーボンブラック(MAF) 55重量部 DOP 15重量部 硫黄 2重量部 加硫促進剤(ジベンゾチアジル・ジスルフィド) 1.2重量部 加硫促進剤(テトラメチルチウラム・ジスルフィド)0.5重量部
【0042】上記の注入後、上型48からポット40を
外し、この上型48を上面から、また下型30を下面か
らそれぞれ加熱し、160℃×30分間の加硫成形を行
い、しかるのち左右のスピンドル49、50、上型4
8、上側中型47、下側中型46を順に外し、最後に支
持具45を外し、Oリングケース28およびゴム製シー
トリング20と一体化された円筒状弁箱部12を得た。
この場合、上下の中型46、47が全体の高さのほぼ中
間で接合されているので、シートリング20を成形した
後の取り外しが容易である。そして、得られた弁箱部1
2の上部の六角形孔12cに上部軸受け部13の下端の
六角形突起13cを、また下部の六角形孔12dに下部
軸受け部14の上端の六角形突起14cをそれぞれ嵌込
んで接着剤で接着し、弁本体11を組立て、更に弁箱部
12の内側に弁体25を挿入し、この弁体25に上下の
弁棒26、27を接続した。
【0043】上記のシートリング20の内側流体通路を
600mmHg に減圧した状態で弁体25を開閉したとこ
ろ、シートリング20を接着しない比較例のバタフライ
弁では5000回の開閉でシートリング20に亀裂が発
生したのに対し、シートリング20を加硫接着した上記
実施例のバタフライ弁では30000回の開閉で何の異
常も生じなかった。また、上記実施例のバタフライ弁1
0の総重量は2.1kgであったのに対し、弁本体11お
よび弁体25を鋳鉄製とした比較例は8.4kg(実施例
の4倍)であった。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、バタフライ
弁に係り、シートリングが弁箱部の内面を被覆する円筒
部と弁箱部の両端面を被覆するフランジ部とで構成され
るため、パイプラインを構成する2本のパイプ間に上記
バタフライ弁を介設した際、上記フランジ部がパイプ端
との接続部をシールし、他のシール部材が不要になる。
また、上記シートリングの円筒部の内面両端に内径を拡
大する段部が形成されているため、上記のようにバタフ
ライ弁をパイプラインに介設してシートリングのフラン
ジ部が圧縮された際にシートリングの円筒部の縁部が内
側に膨らむことがなく、上記円筒部の内面に弁棒の挿通
孔を囲んで弁体の回転受け座が内向きに突設されている
こととあいまって、弁体の回転が円滑になる。
【0045】そして、弁箱部および軸受け部が硬質の合
成樹脂材料で、またシートリングが弾性材料でそれぞれ
形成され、かつ弁箱部およびシートリングが加硫接着に
より一体化されているので、上記弁本体をシートリング
成形用の型の一部に使用した請求項5に記載の方法によ
って容易に製造することができ、弁本体を鋳鉄製にした
ものに比して軽量化され、取扱いが容易になると共に、
パイプラインに取付けて使用中にシートリングの円筒部
が弁本体の円筒状弁箱部から浮き上がることがなく、そ
のためシートリングの一部に過剰応力が加わることがな
くなって耐久性が向上する。
【0046】そして、上記の弁本体は、合成樹脂製であ
るため、射出成形法等により内外面の形状、寸法を精密
に成形することができ、しかも得られた弁本体を上記の
ようにシートリング成形用の型の一部に使用してシート
リングが製造され、同時に弁本体の円筒状弁箱部内面に
接着されるため、シートリングを別に成形する場合のよ
うに弁本体の円筒状弁箱部内面をあらかじめ機械加工に
よって精密仕上げをする必要がない。
【0047】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載した発明において、円筒状弁箱部および上下の軸受け
部が別体に成形され、接着により一体化されたものであ
るから、請求項6に記載された発明によって容易に製造
することができ、この場合はシートリングの成形時にお
ける弁箱部の補強が容易となり、弾性材料の注入圧力を
高く設定することができるため、上記成形時の作業性が
向上する。
【0048】請求項3に記載した発明は、請求項2に記
載されたバタフライ弁において、弁箱部に対する上下の
軸受け部の接合端に非円形断面の突起が突設され、上下
の軸受け部に対する弁箱部の接合端に上記軸受け部の突
起と嵌合する非円形断面の孔が凹設され、該孔の内側に
金属製Oリングケースが固定されると共に上記軸受け部
の突起が嵌合したものであるから、弁箱部と上下の軸受
け部の接続部におけるねじれ強度および弁棒挿通部の強
度が向上する。
【0049】請求項4に記載した発明は、請求項1ない
し3のいずれかに記載されたバタフライ弁において、円
筒状弁箱部の内面およびシートリングの円筒部外面に互
いに噛合い可能な凹凸が形成されたものであるから、こ
の噛合いに伴う物理的結合が上記の加硫接着に伴う化学
的結合に付加され、弁本体およびシートリング間の結合
力が一層向上する。
【0050】請求項5に記載した発明は、請求項1に記
載された円筒状弁箱部と上下の軸受け部とからなる弁本
体を弁箱部の中心線が上下方向を向くように倒して該弁
箱部をシートリングの外面を成形するための外型に使用
し、かつ該弁箱部の内面に加硫接着剤を塗布し、この弁
箱部を上下の軸受け部を介して下型上に支持し、弁箱部
の上に上型を、内側に中型をそれぞれ配置し、上記弁本
体の弁棒用軸受け部に挿通したスピンドル先端を上記の
中型に接続して上記弁箱部の内側にシートリング成形用
のキャビティを形成し、このキャビティに弾性材料を注
入し、上記の上型および下型を所定温度に所定時間加熱
してキャビティ内の弾性材料を加硫し、同時に弁箱部の
内面および端面にシートリングの円筒部およびフランジ
部を一体に接着する方法であるから、請求項1記載のバ
タフライ弁を容易に製造することができ、弁本体の円筒
状弁箱部におけるシートリングの嵌合部を、シートリン
グを別に成形する場合のように機械加工で仕上げる必要
がない。
【0051】請求項6に記載した発明は、請求項2に記
載された円筒状弁箱部をその中心線が上下方向を向くよ
うに倒して該弁箱部をシートリングの外面を成形するた
めの外型に使用し、かつ該弁箱部の内面に加硫接着剤を
塗布し、この弁箱部をその外面に仮固定した支持具を介
して下型上に水平に支持し、上記弁箱部の上に上型を、
内側に中型をそれぞれ配置し、上記の支持具に弁箱部の
弁棒挿通孔に対応して形成されている軸孔に外側から挿
通したスピンドル先端を上記の中型に接続して上記弁箱
部の内側にシートリング成形用のキャビティを形成し、
このキャビティに弾性材料を注入し、上記の上型および
下型を所定温度に所定時間加熱してキャビティ内の弾性
材料を加硫し、同時に弁箱部の内面および端面にシート
リングの円筒部およびフランジ部を一体に接着する方法
であるから、請求項2に記載されたバタフライ弁を容易
に製造することができ、上記の支持具を金属であらかじ
め正確に製作しておくことにより、シートリング成形用
のキャビティが上記同様に高精度に形成され、シートリ
ングの成形と同時にこのシートリングが弁箱部に接着さ
れる。そして、上記の支持具を円筒状弁箱部の外面に嵌
合可能な円筒体とすることにより、シートリングの成形
時に弁箱部がこの円筒状支持具によって補強され、弾性
材料の注入圧力を高めることが可能になり、上記注入が
容易になり、成形時の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】バタフライ弁の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】シートリング成形用型の一例を示す縦断面図で
ある。
【図5】バタフライ弁の他の一例を示す縦断面図であ
る。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】図5の変形例の要部の断面図である。
【図8】図5のシートリング成形用型の一例を示す縦断
面図である。
【図9】シートリングの比較例を示す縦断面図である。
【図10】従来のバタフライ弁の要部の横断面図であ
る。
【符号の説明】
5:パイプ 6:フランジ 10:バタフライ弁 11:弁本体 12:円筒状弁箱部 12a:弁箱部
の上端面 12b:弁箱部の下端面 12c、12d:断面が六角形(非円形)の孔 13、14:軸受け部 13c、14c:断面が六角形(非円形)の突起 15、16:軸受け 20:シートリ
ング 21:円筒部 21a:内側円
筒面 21b:回転受け座 21c:傾斜段
部 22:フランジ部 25:弁体 26、27:弁棒 28:Oリング
ケース 30:下型 31、48:上
型 32、46,47:中型 33:キャビテ
ィ 35:上部スピンドル 36:下部スピ
ンドル 40:ポット 40a:材料充
填室 40b:材料供給孔 40c:嵌合孔 41:プランジャー 45:円筒状支
持具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状弁箱部の上下に弁棒の軸受け部を
    設けて弁本体を形成し、上記弁箱部にその内面および両
    側端面を被覆する円筒状の弾性材料からなるシートリン
    グを取付けて該シートリングの内側に流体通路を形成
    し、この流体通路に装着した円板状の弁体の上下に弁棒
    を接続し、この上下の弁棒を上記の軸受け部で回転自在
    に支持したバタフライ弁において、上記のシートリング
    が弁箱部の内面を被覆する円筒部と弁箱部の両端面を被
    覆するフランジ部とからなり、該シートリングの円筒部
    の内面両端に内径を拡大する段部が形成され、上記円筒
    部の内面に弁棒挿通孔を囲んで弁体の回転受け座が内向
    きに突設されており、上記の弁箱部および軸受け部が硬
    質の合成樹脂材料で、またシートリングが弾性材料でそ
    れぞれ形成され、かつ上記の弁箱部およびシートリング
    が加硫接着により一体化されていることを特徴とするバ
    タフライ弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたバタフライ弁にお
    いて、円筒状弁箱部および上下の軸受け部が別体に成形
    され、接着により一体化されているバタフライ弁。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたバタフライ弁にお
    いて、弁箱部に対する上下の軸受け部の接合端に非円形
    断面の突起が突設され、上下の軸受け部に対する弁箱部
    の接合端に上記軸受け部の突起と嵌合する非円形断面の
    孔が凹設され、該孔の内側に金属製補強リングが固定さ
    れると共に上記軸受け部の突起が嵌合しているバタフラ
    イ弁。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載され
    たバタフライ弁において、円筒状弁箱部の内面およびシ
    ートリングの円筒部外面に互いに噛合い可能な凹凸が形
    成されているバタフライ弁。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された円筒状弁箱部と上
    下の軸受け部とからなる弁本体を弁箱部の中心線が上下
    方向を向くように倒して該弁箱部をシートリングの外面
    を成形するための外型に使用し、かつ該弁箱部の内面に
    加硫接着剤を塗布し、この弁箱部を上下の軸受け部を介
    して下型上に支持し、弁箱部の上に上型を、内側に中型
    をそれぞれ配置し、上記弁本体の弁棒用軸受け部に挿通
    したスピンドル先端を上記の中型に接続して上記弁箱部
    の内側にシートリング成形用のキャビティを形成し、こ
    のキャビティに弾性材料を注入し、上記の上型および下
    型を所定温度に所定時間加熱してキャビティ内の弾性材
    料を加硫し、同時に弁箱部の内面および端面にシートリ
    ングの円筒部およびフランジ部を一体に接着することを
    特徴とするバタフライ弁の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載された円筒状弁箱部をそ
    の中心線が上下方向を向くように倒して該弁箱部をシー
    トリングの外面を成形するための外型に使用し、かつ該
    弁箱部の内面に加硫接着剤を塗布し、この弁箱部をその
    外面に仮固定した支持具を介して下型上に水平に支持
    し、上記弁箱部の上に上型を、内側に中型をそれぞれ配
    置し、上記の支持具に弁箱部の弁棒挿通孔に対応して形
    成されている軸孔に外側から挿通したスピンドル先端を
    上記の中型に接続して上記弁箱部の内側にシートリング
    成形用のキャビティを形成し、このキャビティに弾性材
    料を注入し、上記の上型および下型を所定温度に所定時
    間加熱してキャビティ内の弾性材料を加硫し、同時に弁
    箱部の内面および端面にシートリングの円筒部およびフ
    ランジ部を一体に接着することを特徴とするバタフライ
    弁の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017190893A1 (de) * 2016-05-06 2017-11-09 Pierburg Gmbh Regelvorrichtung

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