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JPH0829148A - ニアフィールド顕微鏡 - Google Patents

ニアフィールド顕微鏡

Info

Publication number
JPH0829148A
JPH0829148A JP18409694A JP18409694A JPH0829148A JP H0829148 A JPH0829148 A JP H0829148A JP 18409694 A JP18409694 A JP 18409694A JP 18409694 A JP18409694 A JP 18409694A JP H0829148 A JPH0829148 A JP H0829148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
vibration
energy conversion
conversion element
minute
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18409694A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Imabayashi
浩之 今林
Akira Yagi
明 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP18409694A priority Critical patent/JPH0829148A/ja
Publication of JPH0829148A publication Critical patent/JPH0829148A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物質表面の微小形状を正確に測定するため
に、光学式チップを確実に物質表面に対して垂直に振動
させるニアフィールド顕微鏡を提供する。 【構成】 先端端面に微小突起7を有するファイバー6
と、ファイバー6を該軸方向に振動させる電気機械エネ
ルギー変換素子16と、ファイバー6と電気機械エネル
ギー変換素子16とを薄肉弾性梁9により支持する振動
励振部材8と、ファイバー6及び振動励振部材8の軸方
向振動の変化量を検出する機械電気エネルギー変換素子
17と、軸方向振動の変化量に基づいて移動量が変化
し、ファイバー6及び振動励振部材8を物質表面方向に
移動させるアクチュエータ14とから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物質表面の微小形状を観
察する光学式ニアフィールド顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物質表面の微小形状を観察する装
置として、導電性トンネルチップによってトンネル電流
を検出し、電流の変動を利用して片持ち梁の撓み量を決
定する原子間力顕微鏡が一般に知られている。また、特
開昭63−309803号公報に開示されているよう
に、片持ち梁もトンネル電流も利用しない原子間力顕微
鏡もある。そして同公報に記載された装置は、図9に示
すように、チップ31が電位の印加を可能にする一対の
電極32を両面に備えた発信本体33の表面のうちの一
つに取り付けられ、作動中にチップ31が物質表面から
充分に離れている時には、発信本体33がその共振周波
数で励振される。そして、物質34表面に近づくと、発
信本体33の振動数がその本来の共振周波数からずれ
る。このずれ量により、Z方向の距離を制御し、チップ
31の各走査の輪郭イメージをプロットするものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の例において
は、発信本体33として水晶発信子が用いられ、Yカッ
ト水晶発信の共振が挙げられている。水晶発信子33の
変形を模式的に描くと、図9の点線のように変形する。
これにより、発信本体33の表面に配設されたチップ3
1は軸方向に移動するとともに、軸方向と垂直な方向に
も移動し、図9の矢印Aの方向に移動することになる。
このため、サンプル表面34に対して垂直な振動が得ら
れない(チップ31の軸方向の振動とならない)。
【0004】また、発信本体33に対して、チップは細
径で、しかも一方向に延出されたものとなっている。こ
のため、軸方向に移動しない振動(矢印A方向の振動)
の場合、図10に示すようにチップ延出部35に屈曲振
動(点線B)が発生しやすく、チップ31先端が矢印A
方向の振動と屈曲振動との合成振動である略楕円振動と
なってしまう場合が起こる。
【0005】このような場合、サンプル表面34との距
離が正確に定まらず、正確な距離情報をZ方向距離にフ
ィードバックすることができなくなり、チップ31の走
査位置の輪郭イメージが実際と異なるものとなってしま
うという問題がある。
【0006】よって本発明は前記問題点に鑑みてなされ
たものであり、物質表面の微小形状を正確に測定するた
めに、光学式チップを確実に物質表面に対して垂直に振
動させるニアフィールド顕微鏡の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る手段として、本発明は物質表面の微
小形状を観察するニアフィールド顕微鏡において、先端
端面に微小突起を有し、物質の表面に光を照射するとと
もに表面凹凸からの反射光を検出するファイバーと、交
番電圧の印加によりファイバーを該軸方向に振動させる
電気機械エネルギー変換素子と、前記ファイバーと電気
機械エネルギー変換素子とを薄肉弾性梁により支持する
振動励振部材と、前記電気機械エネルギー変換素子に固
定され、ファイバー及び振動励振部材の軸方向振動の変
化量を検出する機械電気エネルギー変換素子と、前記軸
方向振動の変化量に基づいて移動量が変化し、ファイバ
ー及び振動励振部材を物質表面方向に移動させるアクチ
ュエータとを具備したことを特徴とする。
【0008】請求項2に係る手段としては、物質表面の
微小形状を観察するニアフィールド顕微鏡において、先
端端面に微小突起を有し、物質の表面に光を照射すると
ともに表面凹凸からの反射光を検出するファイバーと、
交番電圧の印加によりファイバーを該軸方向に振動させ
る電気機械エネルギー変換素子と、前記ファイバーと電
気機械エネルギー変換素子とを薄肉弾性梁により支持す
る振動励振部材と、前記薄肉弾性梁に固定され、ファイ
バー先端端面の微小突起と物質表面との距離情報である
軸方向振動の変化量を検出する機械電気エネルギー変換
素子と、前記軸方向振動の変化量に基づいて移動量が変
化し、ファイバー及び振動励振部材を物質表面方向に移
動させるアクチュエータとを具備したことを特徴とする
【0009】請求項3に係る手段としては、前記電気機
械エネルギー変換素子に印加される交番電圧は、ファイ
バーの軸方向振動モード以外のモードが励振されない周
波数であることを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1及び2に係る作用としては、先端端面
に微小突起を有するファイバーを通して送られる光を物
質表面に照射し、照射した光が物質表面の凹凸により変
化して反射する反射光をファイバーに取り込み、この照
射光と反射光とを比較することにより物質表面の凹凸
(微小形状)を検出し測定する。
【0011】このとき、ファイバー先端端面の微小突起
と物質表面との距離を一定に保ことにより、反射光の大
きさと物質表面凹凸との間に一定の相関性を持たせるこ
とができる。ここで、距離を一定に保つ機構として、薄
肉弾性梁を有する振動励振部材にファイバーが支持さ
れ、薄肉弾性梁の軸方向の共振周波数の交番電圧の印加
により、電気機械エネルギー交換素子が振動し、ファイ
バーを軸方向のみに振動させる。
【0012】ファイバー先端端面の微小突起が物質表面
に近づくにつれて原子間力による影響が強くなり、振動
特性(共振周波数、インピーダンス、電圧電流位相差、
静電容量等)に変化が現れる。この振動変化量によっ
て、ファイバー先端端面の微小突起と物質表面との距離
情報が得られ、ファイバーと振動励振部材とを物質表面
方向に移動させるアクチュエータの移動量を制御し、微
小突起と物質表面との距離を一定距離になるようにす
る。これにより、ファイバーには物質表面の凹凸量に呼
応した反射光が得られることになり、表面の輪郭を正確
に測定することができる。
【0013】ここで、振動変化量を検出する機械電気エ
ネルギー変換素子は、振動発生源としての電気機械エネ
ルギー変換素子に固定、または振動変位量の大きい薄肉
弾性梁に固定され、振動変化量を把握しやすい位置に配
設される。
【0014】請求項3に係る作用としては、ファイバー
に屈曲振動モード等が励振されないように、電気機械エ
ネルギー変換素子には薄肉弾性梁を軸方向のみに振動さ
せる共振周波数の交番電圧が印加される。これにより、
ファイバーは薄肉弾性梁によって支持されているため、
ファイバーを非共振状態で軸方向のみに振動さることが
できる。従って、ファイバーの先端端面の微小突起が物
質表面に対し垂直に振動し、物質表面の凹凸に呼応して
正確に振動変化量が機械電気エネルギー変換素子から検
出される。
【0015】
【実施例1】図1から図3は本発明の実施例1を示し、
図1はファイバー振動励振部材周辺の簡略斜視図、図2
は図1の断面図、図3はファイバー先端部の拡大斜視図
である。
【0016】光を伝送するファイバー6はSiO2 を主
成分とし、極細の針状を形成するとともに、その先端部
に図3示すように、SiO2GeOを主成分とし、基台
部の直径が2μmで、先端がファイバー6の軸芯に一致
して鋭角にとがった形状をなす微小突起(チップ)7を
形成している。
【0017】このファイバー6は長さが数ミリ程度延べ
出された状態で、振動励振部材8の中心(重心)の穴に
通され、接着固定されている。この振動励振部材8には
振動伝達効率の高いステンレス、アルミニウム合金、ジ
ュラルミン、チタン合金、リン青銅、真鍮、セラミック
等の材質が用いられる。
【0018】また、振動励振部材8には、ファイバー6
の軸方向に対し直交の方向に薄肉弾性梁9が形成されて
いる。ファイバー6貫通穴部の厚さ10に対して薄肉弾
性梁9は充分に薄く、ファイバー6貫通穴部から薄肉弾
性梁9にかけてテーパー形状11となっている。本実施
例におけるテーパー形状11はその基台部が四角形をな
している。
【0019】振動励振部材8は軸方向からみると四角形
をなし、対向する2辺には振動励振部材8を外部駆動部
材12と固定する直方体形状の固定部13が形成されて
いる。外部駆動部材12は積層型圧電アクチュエータ1
4等により、ファイバー6及び振動励振部材8等の構成
部材を物質表面(サンプル表面)15に対して垂直方向
から接近させるとともに、物質表面15を走査するため
に物質表面15に対して平行に移動させる。
【0020】前述の薄肉弾性梁9は固定部13と四角錐
形状部11との間に2か所形成され、その2か所はファ
イバー6を中心として対称形状となっている。薄肉弾性
梁9を挟んで四角錐形状部11の反対側には、電気機械
エネルギー変換素子としての板形状の圧電素子16が接
着固定されている。
【0021】この圧電素子16はチタン酸ジルコン酸鉛
から成り、四角錐形状部11の基台と同形状の四角形形
状で、中心(重心)にはファイバー6の貫通穴があけら
れている。圧電素子16は、厚み方向に分極され、両端
面には銀蒸着の電極が形成されて、一方の端面をGND
とし、もう一方の端面に交番電圧を印加するように構成
している
【0022】また、機械電気エネルギー変換素子とし
て、前述の圧電素子16と同形状同材質の圧電素子17
が電気機械エネルギー変換素子のGND面を共通電極と
して接着固定され、もう一方の端面電極からは振動変化
量の出力をするように構成している。
【0023】この構成のニアフィールド顕微鏡の作用と
しては、電気機械エネルギー変換素子(圧電素子)16
に対し薄肉弾性はり9が図2の点線及び2点鎖線のよう
に振動する共振周波数の交番電圧を印加する。振動励振
部材8の略中央に位置している四角錐形状部11及びフ
ァイバー6が薄肉弾性梁9の上下振動に合わせて、ファ
イバー6の軸方向に微小振動する。本実施例ではファイ
バー6先端端面の微小突起7を軸方向に10〜100n
mの振動振幅で励振する。
【0024】振動励振部材8の固定部13は、外部の積
層型圧電アクチュエータ14等の駆動機構に固定され、
ファイバー6先端端面の微小突起7をサンプルの物質表
面15に接近させる。微小突起7が物質表面15の原子
間力の影響を受ける範囲まで接近すると、ファイバー6
の軸方向振動の振動数(図8)、共振点18でのインピ
ーダンス(図8)、圧電素子17で発生する電圧波形と
圧電素子17で消費される電流波形の位相差、静電容量
等が変化し、振動変化量として、機械電気エネルギー変
換素子としての圧電素子17から出力される。
【0025】この振動変化量は微小突起7と物質表面1
5との距離情報として用いられ、ファイバー6先端を物
質表面15に接近させる外部駆動機構のアクチュエータ
14(接近用積層型圧電アクチュエータ)の移動量を制
御する。この制御によって、微小突起7と物質表面15
との距離が一定に維持できる。
【0026】物質表面15の大きなうねりに合わせて、
微小突起7が一定距離を維持しながら、外部駆動機構の
アクチュエータ14(走査用積層型圧電アクチュエー
タ)により物質表面15に対して略平行に移動する。フ
ァイバー6からの物質表面15に垂直に照射される照射
光と、物質表面15の凹凸により変化する反射光との関
係が一定となり、照射光と反射光とを比較することによ
り、物質表面15の微小形状を測定することができる。
【0027】薄肉弾性梁9はファイバー6に対して、垂
直に配置されているため、軸方向の振動の共振現象が、
他の振動モード(屈曲振動)の共振現象よりも強く励振
される。さらに薄肉弾性梁9が共振するような振動数の
交番電圧が電気機械エネルギー変換素子16に印加され
るが、ファイバー6は非共振状態で軸方向に振動してお
り、ファイバー6に屈曲振動が発生しづらくなってい
る。
【0028】本実施例によれば、ファイバーを軸方向に
振動させ、物質表面15への接近による振動変化量を検
知し、距離情報として外部駆動機構のアクチュエータの
移動量を制御し、ファイバーの先端端面の微小突起7を
物質表面15から常に一定距離になるように維持する。
【0029】このうようにすることで、ファイバー6か
らの照射光と物質表面15の凹凸により変化する反射光
とを比較し、物質表面15の凹凸を測定する。つまり、
ファイバー6は常に一定の距離で光の変化をとらえるこ
とができるようになり、非常に高精度で物質表面15の
凹凸を測定することができる。
【0030】また、ファイバー6には屈曲振動のような
軸方向振動モード以外のモードが発生しないために、微
小突起7の原子間力による影響を正確に振動変化量とし
て取り込むことができる。そして、ファイバー6の光量
変化の原因となる物質15表面からの距離の変動を皆無
とし、正確な測定を助長する。
【0031】
【実施例2】図4及び図5は本発明の実施例2を示し、
図4はファイバーと振動励振部材周辺の構成を示す斜視
図、図5は図4の断面図である。本実施例は、前記実施
例1の振動励振部材を円形形状にした点を異にするもの
で、その他の構成については前記実施例1と同様である
ので、その説明を省略する。
【0032】ファイバー6は長さ10mm程度延べ出さ
れた状態で振動励振部材19の中心(重心)の穴に通さ
れ、接着固定されている。この振動励振部材19には、
振動伝達効率の高いステンレス、アルミニウム合金、ジ
ュラルミン、チタン合金、リン青銅、真鍮、セラミック
等の材質が用いられる。
【0033】また、振動励振部材19には、ファイバー
6の軸方向に対して直交方向に薄肉弾性梁20を形成し
ており、ファイバー6の貫通穴の厚さ21に対して薄肉
弾性梁20はは充分に薄く、ファイバー6の貫通穴部か
ら薄肉弾性梁20にかけてテーパー形状22となってい
る。本実施例では略円錐形状となっている。
【0034】振動励振部材19は軸方向から見ると円形
形状をなし、外周には振動励振部材19を図示しない外
部駆動機構と固定する円環形状の固定部23を形成して
いる。外部駆動機構は図示しない積層型圧電アクチュエ
ータ等により、ファイバー6及び振動励振部材19等の
構成部材を物質表面に対して垂直に接近させるととも
に、物質表面を走査するために物質表面に対して平行に
移動させる。
【0035】前述の薄肉弾性梁20は、固定部23と円
錐形状部22との間に円環形状に形成され、ファイバー
6を中心として軸対称形状となっている。薄肉弾性梁2
0を挟んで円錐形状部22の反対側には、電気機械エネ
ルギー変換素子として円盤形状の圧電素子24が接着さ
れている。この圧電素子24は、円錐形状部22の基台
と同形状で、中心(重心)にはファイバー6を貫通する
穴があけられている。
【0036】電圧素子24はチタン酸ジルコン酸鉛で、
厚み方向に分極され、両端面には銀蒸着の電極を形成し
ている。そして、一方の端面をGNDとし、もう一方の
端面には交番電圧が印加れている。また、機械電気エネ
ルギー変換素子として、前述の圧電素子24と同形状同
材質の圧電素子25が圧電素子24のGNDを共通電極
として接着固定され、分極方向が対向して配置されてい
る。そして、もう一方の端面電極から振動変化量を出力
するように構成している。
【0037】この構成にて、機械電気エネルギー変換素
子(圧電素子)24に薄肉弾性梁20が図5の点線及び
2点鎖線のように振動する共振周波数の交番電圧を印加
すると、振動励振部材19の中央に位置している円錐形
状22部及びファイバー6が薄肉弾性梁20の上下振動
に合わせて、軸方向に微小振動する。この場合、薄肉弾
性梁20は共振しているが、ファイバー6は非共振状態
で振動している。
【0038】振動励振部材19がファイバー6を中心と
して軸対称に形成し、薄肉弾性梁20もファイバー6を
中心として、径方向に一様の弾性を有することが可能と
なり、ファイバー6に存在する屈曲振動等の軸方向の振
動モード以外のモードを完全に除去することが可能にな
る。また、薄肉弾性梁20の厚さT,長さLを調整する
ことにより、任意の振動数でファイバー6を軸方向に振
動させることが可能である。
【0039】このように、振動励振部材19の形状が略
円盤状であっても、実施例1と同様に、ファイバー6を
軸方向に振動させることができ、微小突起7と物質表面
との距離を一定に保つことができる。その他の作用は実
施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0040】本実施例によれば、振動励振部材19を円
形とし、薄肉弾性梁20がファイバー6を中心として取
り囲むように配置され、径方向に一様の弾性を有するこ
とで、ファイバー6を確実に軸方向に振動させることが
できる。従って、薄肉弾性梁20の形状寸法の変更によ
って、ファイバー6に屈曲振動が発生することがなく、
振動数を任意に設定でき、設計の自由度を向上させるこ
とができる。また、安定した軸方向振動が得られるた
め、微小突起7と物質表面との距離をさらに正確に制御
することが可能となり、高精度の測定を行うことができ
る。
【0041】
【実施例3】図6及び図7は本発明に実施例3を示し、
図6はファイバーと振動励振部材周辺の構成を示す斜視
図、図7は図6の断面図である。本実施例は、前記実施
例2の振動変化量を検出する機械電気エネルギー変換素
子の形状と配置を変更した点を異にするもので、その他
の構成については前記実施例1と同様であるので、その
説明を省略する。
【0042】振動励振部材26に連設された円環形状の
薄肉弾性梁27の面に、薄肉弾性梁27と略同形状の円
環形状の機械電気エネルギー変換素子としての圧電素子
28が接着固定されている。圧電素子28は厚み方向に
分極され、両端面に銀蒸着の電極が形成され、薄肉弾性
梁27側の電極をGNDとし、もう一方の電極から振動
変化量を出力する。この電圧素子28の材質は電圧定数
の大きい、ソフト系圧電素子を用いる。
【0043】また、ファイバー6を軸方向に振動させる
振動源となる電気機械エネルギー変換素子である圧電素
子24も薄肉弾性梁27側の電極をGNDとし、もう一
方の電極に薄肉弾性梁27が実施例2と同様に振動する
ように、その共振周波数の交番電圧を印加するように構
成している。
【0044】この構成では、薄肉弾性梁27の部分は共
振状態で振動しているため、振動変形量が他の構成部材
よりも大きい。このため、この部分に機械電気エネルギ
ー変換素子28を設置すると、微弱な振動変化量をとら
えやすくすることができる。
【0045】しかも、圧電素子28に圧電定数の大き
い、ソフト系圧電素子を用いることで振動変化量を電圧
変化として取り出しやすくなり、振動変化量の種々の特
性値を大きな値で出力することが可能となる。その他の
作用は実施例2と同様であるのでその説明を省略する。
【0046】本実施例によれば、共振状態で振動してい
る薄肉弾性梁27の位置に、振動変化量を検出する機械
電気エネルギー変換素子28を設置することによって、
微小な振動変化量も高精度に検出することができ、微小
突起7と物質表面との距離をさらに一定に維持すること
ができる。このような機械電気エネルギー変換素子とし
ては、他に、歪みゲージや高分子圧電フィルム(PVD
F)等があるが、いずれの場合も同様な効果を得ること
が可能である。
【0047】なお、前記実施例1から3における薄肉弾
性梁を、ファイバーの軸方向に対して直交方向にに配置
しているが、これはファイバーに屈曲振動が励振されに
くくして、ファイバーの軸方向にのみ振動を発生させる
ことにより、振動変化量を正確に検出することを可能に
するのである。
【0048】また、前記実施例1から3において、交番
電圧を印加することにより微小変位の振動を励振する電
気機械エネルギー変換素子、または微小変位の振動を電
圧として検出する機械電気エネルギー変換素子として圧
電素子を用いているが、これは高精度、高応答性の制御
や高感度の測定を可能にするものである。
【0049】また、前記実施例1から3において、機械
電気エネルギー変換素子からの距離情報に基づいて、物
質表面と一定距離に維持されるようにファイバー先端面
に微小突起を設けているが、これはファイバー先端面の
微小突起と物質表面との距離を一定に維持することによ
り、照射光と反射光とを高精度に比較して、物質表面の
微小形状を高精度に測定することを可能にするものであ
る。
【0050】
【発明の効果】請求項1及び2に係る効果としては、フ
ァイバーを確実に軸方向にのみ振動させ、ファイバーの
微小突起と物質表面との距離を一定に維持することが可
能となる。このため、ファイバーからの照射光と物質表
面からの凹凸による反射光を正確に比較することがで
き、物質表面の微小形状を高精度に測定することができ
る。
【0051】請求項3に係る効果としては、電気機械エ
ネルギー変換素子に、軸方向のみの振動が発生する振動
数の交番電圧を印加することにより、ファイバーを物質
表面に対して垂直に振動させ、振動変化量を正確に検出
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すファイバー振動励振部
材周辺の簡略斜視図。
【図2】図1の断面図
【図3】ファイバー先端部の拡大斜視図。
【図4】本発明実施例2のファイバーと振動励振部材周
辺の構成を示す斜視図。
【図5】図4の断面図
【図6】本発明実施例3のファイバーと振動励振部材周
辺の構成を示す斜視図。
【図7】図6の断面図
【図8】振動の周波数に対するインピーダンスを示す
図。
【図9】従来の原子間力顕微鏡の説明図。
【図10】従来の原子間力顕微鏡の説明図。
【符号の説明】
1 チップ 2 電極 3 発信本体 4 サンプル表面 5 チップ延べ出し部 6 ファイバー 7 微小突起 8,26 振動励振部材 9,19,27 薄肉弾性梁 10 ファイバー貫通穴部厚さ 11 テーパー形状(四角錐形状部) 12 外部駆動機構 13,23 固定部 14 積層型圧電アクチュエータ 15 物質上面(サンプル表面) 16,24 圧電素子(電気機械エネルギー変換素子) 17,25,28 圧電素子(機械電気エネルギー変換
素子) 18 共振点 19 振動励振部材 21 貫通穴部厚さ 22 テーパー形状(円錐形状部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質表面の微小形状を観察するニアフィ
    ールド顕微鏡において、 先端端面に微小突起を有し、物質の表面に光を照射する
    とともに表面凹凸からの反射光を検出するファイバー
    と、 交番電圧の印加によりファイバーを該軸方向に振動させ
    る電気機械エネルギー変換素子と、 前記ファイバーと電気機械エネルギー変換素子とを薄肉
    弾性梁により支持する振動励振部材と、 前記電気機械エネルギー変換素子に固定され、ファイバ
    ー及び振動励振部材の軸方向振動の変化量を検出する機
    械電気エネルギー変換素子と、 前記軸方向振動の変化量に基づいて移動量が変化し、フ
    ァイバー及び振動励振部材を物質表面方向に移動させる
    アクチュエータとを具備したことを特徴とするニアフィ
    ールド顕微鏡。
  2. 【請求項2】 物質表面の微小形状を観察するニアフィ
    ールド顕微鏡において、 先端端面に微小突起を有し、物質の表面に光を照射する
    とともに表面凹凸からの反射光を検出するファイバー
    と、 交番電圧の印加によりファイバーを該軸方向に振動させ
    る電気機械エネルギー変換素子と、 前記ファイバーと電気機械エネルギー変換素子とを薄肉
    弾性梁により支持する振動励振部材と、 前記薄肉弾性梁に固定され、ファイバー先端端面の微小
    突起と物質表面との距離情報である軸方向振動の変化量
    を検出する機械電気エネルギー変換素子と、 前記軸方向振動の変化量に基づいて移動量が変化し、フ
    ァイバー及び振動励振部材を物質表面方向に移動させる
    アクチュエータとを具備したことを特徴とするニアフィ
    ールド顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記電気機械エネルギー変換素子に印加
    される交番電圧は、ファイバーの軸方向振動モード以外
    のモードが励振されない周波数であることを特徴とする
    請求項1及び2記載のニアフィールド顕微鏡。
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