JPH08289397A - 超音波探触子用の圧電素子 - Google Patents
超音波探触子用の圧電素子Info
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- JPH08289397A JPH08289397A JP7089289A JP8928995A JPH08289397A JP H08289397 A JPH08289397 A JP H08289397A JP 7089289 A JP7089289 A JP 7089289A JP 8928995 A JP8928995 A JP 8928995A JP H08289397 A JPH08289397 A JP H08289397A
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Landscapes
- Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
- Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
- Endoscopes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、ベッセル関数を基に部分的に分極
強度を弱めた圧電素子を使用することで、音場を整形し
ラインフォーカス化を図り、比較的簡単な電気回路を使
用できる高分解能な超音波探触子用の圧電素子を提供す
る 【構成】 本発明は、超音波探触子用の圧電素子5にお
いて、分極済みの圧電素子5に対するベッセル関数に対
応した部分的な消極により、位置によって自発分極の大
きさに差を持たせたことを特徴とするものである。
強度を弱めた圧電素子を使用することで、音場を整形し
ラインフォーカス化を図り、比較的簡単な電気回路を使
用できる高分解能な超音波探触子用の圧電素子を提供す
る 【構成】 本発明は、超音波探触子用の圧電素子5にお
いて、分極済みの圧電素子5に対するベッセル関数に対
応した部分的な消極により、位置によって自発分極の大
きさに差を持たせたことを特徴とするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用等で用いる超音
波内視鏡用等に於いて利用される超音波探触子用の圧電
素子に関する。
波内視鏡用等に於いて利用される超音波探触子用の圧電
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波探触子の一般的な構造は、背面負
荷材へ両面に一対の電極を形成したPZTで代表される
ような圧電セラミックス板からなる圧電素子を接着し、
更に音響整合層及び音響レンズを接着して作製される
(医用超音波機器ハンドブック、コロナ社、P186
等)。
荷材へ両面に一対の電極を形成したPZTで代表される
ような圧電セラミックス板からなる圧電素子を接着し、
更に音響整合層及び音響レンズを接着して作製される
(医用超音波機器ハンドブック、コロナ社、P186
等)。
【0003】この超音波探触子は、前記圧電素子にパル
サから百〜数百ボルト程度の電圧パルスを印加し、圧電
素子の逆圧電効果により急速に変形を起こさせ、この振
動を音響整合層及び音響レンズを通し効率よく被測定物
へ超音波を放射させる。放射された超音波パルスは、医
療用途に関しては体内の各組織の界面において、また非
破壊検査用に関しては被測定物内部の欠陥等の非連続部
から反射された後に、再び音響レンズ及び音響整合層を
通り圧電素子に振動を与える。このような圧電素子の圧
電効果により電気的な信号に変換され、観測装置によっ
て画像化される。
サから百〜数百ボルト程度の電圧パルスを印加し、圧電
素子の逆圧電効果により急速に変形を起こさせ、この振
動を音響整合層及び音響レンズを通し効率よく被測定物
へ超音波を放射させる。放射された超音波パルスは、医
療用途に関しては体内の各組織の界面において、また非
破壊検査用に関しては被測定物内部の欠陥等の非連続部
から反射された後に、再び音響レンズ及び音響整合層を
通り圧電素子に振動を与える。このような圧電素子の圧
電効果により電気的な信号に変換され、観測装置によっ
て画像化される。
【0004】そして、画像化した際の分解能を向上させ
るための方法としては、放射する超音波ビームを細くす
るために、前記音響レンズや圧電素子の電極パターンを
工夫したり、圧電素子自体を凹面化する方法が多々あ
る。また、電極を数分割し印加する駆動電圧に差を持た
せた、アニュラアレイによる音場整形が試みられてい
る。
るための方法としては、放射する超音波ビームを細くす
るために、前記音響レンズや圧電素子の電極パターンを
工夫したり、圧電素子自体を凹面化する方法が多々あ
る。また、電極を数分割し印加する駆動電圧に差を持た
せた、アニュラアレイによる音場整形が試みられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
分解能の向上対策ではそれぞれ一長一短がある。具体的
には、現在公知技術である音響レンズや凹型圧電素子を
使用した超音波探触子は、焦点近傍では超音波ビームが
絞られ分解能の高い画像を得ることができるが、焦点か
ら外れるに従い超音波ビーム幅は広くなり画像精度も悪
くなる。このため、実際に観察可能な至適観察距離は狭
くなってしまうという欠点がある。
分解能の向上対策ではそれぞれ一長一短がある。具体的
には、現在公知技術である音響レンズや凹型圧電素子を
使用した超音波探触子は、焦点近傍では超音波ビームが
絞られ分解能の高い画像を得ることができるが、焦点か
ら外れるに従い超音波ビーム幅は広くなり画像精度も悪
くなる。このため、実際に観察可能な至適観察距離は狭
くなってしまうという欠点がある。
【0006】また、アニュラアレイタイプの超音波探触
子を使用すると、パルサを複数系統用意するか、駆動回
路を工夫する等してリング状の各電極にかかる位相を制
御することで、超音波ビームの集束点をダイナミックに
変化させることができることが知られている。しかしこ
の方法では、圧電素子に複数のリード線を結線する必要
が生じる。この場合、複数のリード線間でノイズが入ら
ないようにするには、シールドを確実にする必要があり
医療用等で使用する超音波探触子には細径化という点で
不向きである。また、前記の様に位相を制御するための
複雑な電気回路が必要で観測装置のコストが大幅に上が
ってしまうという欠点がある。
子を使用すると、パルサを複数系統用意するか、駆動回
路を工夫する等してリング状の各電極にかかる位相を制
御することで、超音波ビームの集束点をダイナミックに
変化させることができることが知られている。しかしこ
の方法では、圧電素子に複数のリード線を結線する必要
が生じる。この場合、複数のリード線間でノイズが入ら
ないようにするには、シールドを確実にする必要があり
医療用等で使用する超音波探触子には細径化という点で
不向きである。また、前記の様に位相を制御するための
複雑な電気回路が必要で観測装置のコストが大幅に上が
ってしまうという欠点がある。
【0007】更に、アニュラアレイタイプの別な使用法
として、凹型振動子の場合は、送信時には全ての部分を
同時に駆動させて超音波を送信し、受信時は観測距離に
応じて受信する部分の面積を増やして分解能を上げると
いう方法がある。しかし、この方法も前記場合と同様
で、配線が複雑になり製造が困難になると共に、加算回
路をはじめとする電気回路が複雑になり、コスト的にも
高くなると共に信頼性の面も低くなるという欠点があ
る。
として、凹型振動子の場合は、送信時には全ての部分を
同時に駆動させて超音波を送信し、受信時は観測距離に
応じて受信する部分の面積を増やして分解能を上げると
いう方法がある。しかし、この方法も前記場合と同様
で、配線が複雑になり製造が困難になると共に、加算回
路をはじめとする電気回路が複雑になり、コスト的にも
高くなると共に信頼性の面も低くなるという欠点があ
る。
【0008】そして、図12乃至図14に示した特開平
2−111198号公報に開示された超音波トランスジ
ューサのように圧電セラミックス21の表面及び裏面
に、表面電極27及び分割電極28a、28b、28c
を設けたものがある。これは、分極強度の分布として中
心の分割電極18aに大きな自発分極を持たせ、外周の
分割電極18cにいくほど自発分極を弱くして圧電素子
30を構成したものである。この圧電素子30を使用し
た超音波探触子も知られているが、これはサイドローブ
低減を主たる目的とするもので、超音波を集束させる効
果は無く、至適観察距離も短い。
2−111198号公報に開示された超音波トランスジ
ューサのように圧電セラミックス21の表面及び裏面
に、表面電極27及び分割電極28a、28b、28c
を設けたものがある。これは、分極強度の分布として中
心の分割電極18aに大きな自発分極を持たせ、外周の
分割電極18cにいくほど自発分極を弱くして圧電素子
30を構成したものである。この圧電素子30を使用し
た超音波探触子も知られているが、これはサイドローブ
低減を主たる目的とするもので、超音波を集束させる効
果は無く、至適観察距離も短い。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、請求項1記載の発明の目的は、ベッセル関数を
基に部分的に分極強度を弱めた圧電素子を使用すること
で、音場を整形しラインフォーカス化を図り、比較的簡
単な電気回路を使用できる高分解能な超音波探触子用の
圧電素子を提供することである。
であり、請求項1記載の発明の目的は、ベッセル関数を
基に部分的に分極強度を弱めた圧電素子を使用すること
で、音場を整形しラインフォーカス化を図り、比較的簡
単な電気回路を使用できる高分解能な超音波探触子用の
圧電素子を提供することである。
【0010】また、請求項2、3記載の発明の目的は、
2次のベッセル関数を基に分極強度を重み付けすること
で、音場を整形しラインフォーカス化を図り、高分解能
な超音波探触子用の圧電素子を提供することである。
2次のベッセル関数を基に分極強度を重み付けすること
で、音場を整形しラインフォーカス化を図り、高分解能
な超音波探触子用の圧電素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
超音波探触子用の圧電素子において、分極済みの圧電素
子に対するベッセル関数に対応した部分的な消極によ
り、位置によって自発分極の大きさに差を持たせたこと
を特徴とするものである。
超音波探触子用の圧電素子において、分極済みの圧電素
子に対するベッセル関数に対応した部分的な消極によ
り、位置によって自発分極の大きさに差を持たせたこと
を特徴とするものである。
【0012】請求項2記載の発明は、前記圧電素子にお
ける自発分極の大きさの差は、2次以上の偶数次のベッ
セル関数を基に決定したことを特徴とするものである。
ける自発分極の大きさの差は、2次以上の偶数次のベッ
セル関数を基に決定したことを特徴とするものである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の圧
電素子において、中心部に穴を有する形状としたことを
特徴とするものである。
電素子において、中心部に穴を有する形状としたことを
特徴とするものである。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明の作用は以下の通りであ
る。即ち、超音波探触子用の圧電素子の分極強度を部分
的に加熱して消極させベッセル関数的に分極強度の重み
付けを行う。この圧電素子を使用した超音波探触子によ
れば、疑似的なベッセルビームを観察物へ放射すること
が可能である。ベッセルビームは非回折波であり、超音
波探触子から放射された超音波ビームも殆ど拡がること
無く伝搬していく。
る。即ち、超音波探触子用の圧電素子の分極強度を部分
的に加熱して消極させベッセル関数的に分極強度の重み
付けを行う。この圧電素子を使用した超音波探触子によ
れば、疑似的なベッセルビームを観察物へ放射すること
が可能である。ベッセルビームは非回折波であり、超音
波探触子から放射された超音波ビームも殆ど拡がること
無く伝搬していく。
【0015】請求項2記載の発明の作用は以下の通りで
ある。即ち、超音波探触子用の圧電素子の分極強度を、
部分的な消極若しくは部分的に分極することで変化さ
せ、中心に音圧の必要ない2次のベッセル関数的に分極
強度に重み付けを行う。この圧電素子を使用した超音波
探触子によれば、疑似的なベッセルビームを観察物へ放
射することが可能である。ベッセルビームは非回折波で
あり、超音波探触子から放射された超音波ビームも殆ど
拡がること無く伝搬していく。
ある。即ち、超音波探触子用の圧電素子の分極強度を、
部分的な消極若しくは部分的に分極することで変化さ
せ、中心に音圧の必要ない2次のベッセル関数的に分極
強度に重み付けを行う。この圧電素子を使用した超音波
探触子によれば、疑似的なベッセルビームを観察物へ放
射することが可能である。ベッセルビームは非回折波で
あり、超音波探触子から放射された超音波ビームも殆ど
拡がること無く伝搬していく。
【0016】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の圧電素子において、中心部に穴を有する形状とした
ので、請求項2記載の発明の作用に加え、一般的に知ら
れているリング状圧電素子が持つ焦点深度が深いという
長所のみを引出し、従来問題とされていたサイドローブ
が大きいという欠点を除去できる。
載の圧電素子において、中心部に穴を有する形状とした
ので、請求項2記載の発明の作用に加え、一般的に知ら
れているリング状圧電素子が持つ焦点深度が深いという
長所のみを引出し、従来問題とされていたサイドローブ
が大きいという欠点を除去できる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0018】[第1実施例] (構成)図1乃至図4、図5を参照して本実施例を説明
する。図1は本実施例で作製した圧電素子5の断面とベ
ッセル関数との対応を表した図、図2は本実施例で作製
した圧電素子5を用いた超音波探触子であるトランスデ
ューサ16の断面と放射される超音波の強度分布との関
係を示す図である。図3、図4は、圧電素子5の消極方
法を概略的に示す斜視図である。また、図5は作製した
圧電素子5を用いたトランスデューサ16の断面図であ
る。
する。図1は本実施例で作製した圧電素子5の断面とベ
ッセル関数との対応を表した図、図2は本実施例で作製
した圧電素子5を用いた超音波探触子であるトランスデ
ューサ16の断面と放射される超音波の強度分布との関
係を示す図である。図3、図4は、圧電素子5の消極方
法を概略的に示す斜視図である。また、図5は作製した
圧電素子5を用いたトランスデューサ16の断面図であ
る。
【0019】以下に本実施例の超音波探触子用の圧電素
子5とその製造方法について説明する。まず、圧電セラ
ミックス1としてPZT系の材料で直径10mm、厚さ
160μmのラッピングした素体を用意し、これに銀ペ
ーストで両面に電極ペースト(Ag/Pd)を印刷、焼
付けする。焼付け後、一般的な方法でこの圧電素子5を
分極し、一様に分極された圧電素子5を得る。
子5とその製造方法について説明する。まず、圧電セラ
ミックス1としてPZT系の材料で直径10mm、厚さ
160μmのラッピングした素体を用意し、これに銀ペ
ーストで両面に電極ペースト(Ag/Pd)を印刷、焼
付けする。焼付け後、一般的な方法でこの圧電素子5を
分極し、一様に分極された圧電素子5を得る。
【0020】この圧電素子5を、図示しない回転機構の
付いた治具に吸着固定し、図3に示すように回転させな
がらYAG(Yttrium Aluminum Ga
rnet Laser)のレーザ光17をレンズ18を
用いて部分的に照射し昇温することで部分的に消極させ
る。レーザ光17の強度及び集光率、雰囲気の温度等を
調節し、受光部の温度管理を行い消極の状態を変化さ
せ、図2の下欄に示すトランスデューサ16における圧
電素子5のように分極状態に差(多数の点の密度差で示
す)を持たせる。即ち、図2において、圧電素子5は色
が濃い部分ほど分極強度が強く消極されていないことを
表し、色が白い部分は完全に消極され圧電性を失った領
域であることを示している。
付いた治具に吸着固定し、図3に示すように回転させな
がらYAG(Yttrium Aluminum Ga
rnet Laser)のレーザ光17をレンズ18を
用いて部分的に照射し昇温することで部分的に消極させ
る。レーザ光17の強度及び集光率、雰囲気の温度等を
調節し、受光部の温度管理を行い消極の状態を変化さ
せ、図2の下欄に示すトランスデューサ16における圧
電素子5のように分極状態に差(多数の点の密度差で示
す)を持たせる。即ち、図2において、圧電素子5は色
が濃い部分ほど分極強度が強く消極されていないことを
表し、色が白い部分は完全に消極され圧電性を失った領
域であることを示している。
【0021】本実施例では、雰囲気の調節として、約0
℃の窒素ガスを圧電素子5に吹き付けながら行い、レー
ザ光17の照射領域近傍以外の部分が昇温しないように
した。また、本実施例の分極強度(d33)の分布は、図
1に示すように、0次のベッセル関数を基にパターン化
されたもので、具体的には分極方向の極性が変わらない
ようにできる位置まで0次のベッセル関数のY軸をずら
して分極強度を決定した。
℃の窒素ガスを圧電素子5に吹き付けながら行い、レー
ザ光17の照射領域近傍以外の部分が昇温しないように
した。また、本実施例の分極強度(d33)の分布は、図
1に示すように、0次のベッセル関数を基にパターン化
されたもので、具体的には分極方向の極性が変わらない
ようにできる位置まで0次のベッセル関数のY軸をずら
して分極強度を決定した。
【0022】このようにして得られた圧電素子5を、図
5に示すように、絶縁筒13により包囲しつつSUS製
のハウジング12内に、表面側(音響放射面側)が接地
(GND)となるように接着固定する。そして、表面側
の全面電極2aからハウジング12へは導電性樹脂6を
使用して結線する。その後、表面側の全面電極2aの表
面に音響整合層7として厚さ60μmのエポキシ樹脂層
を形成する。次いで、圧電素子5の裏面電極2b、ハウ
ジング12に、各々同軸ケーブル11の芯線9、周線1
0をそれぞれ半田14を用いて結線する。そして、エポ
キシとタングステンを混合した背面負荷材8を、裏面電
極2b側に注型し硬化させ、図5に示すような超音波探
触子のトランスデューサ16を作製する。
5に示すように、絶縁筒13により包囲しつつSUS製
のハウジング12内に、表面側(音響放射面側)が接地
(GND)となるように接着固定する。そして、表面側
の全面電極2aからハウジング12へは導電性樹脂6を
使用して結線する。その後、表面側の全面電極2aの表
面に音響整合層7として厚さ60μmのエポキシ樹脂層
を形成する。次いで、圧電素子5の裏面電極2b、ハウ
ジング12に、各々同軸ケーブル11の芯線9、周線1
0をそれぞれ半田14を用いて結線する。そして、エポ
キシとタングステンを混合した背面負荷材8を、裏面電
極2b側に注型し硬化させ、図5に示すような超音波探
触子のトランスデューサ16を作製する。
【0023】(作用)上記構成のようなレーザ光17を
用いて部分的に消極して作製した圧電セラミックス1の
断面構造により、図1及び図2の断面に示すような分極
強さの分布を持った圧電素子5を得ることができる。具
体的には、図1に示す圧電素子5の断面に付した矢印4
は、破線部分間の分極強度を示したもので、中心付近の
自発分極は大きく、外周に向かうに従い電極間の自発分
極の強さは小さくなっていく。本実施例の場合、分極方
向は同一であるため、図2に示すように、同じ圧電素子
5の分極強度を濃淡を用いて表すことも可能である。図
2に示す圧電素子5では色の濃い部分が大きな分極強度
を有していることを示している。
用いて部分的に消極して作製した圧電セラミックス1の
断面構造により、図1及び図2の断面に示すような分極
強さの分布を持った圧電素子5を得ることができる。具
体的には、図1に示す圧電素子5の断面に付した矢印4
は、破線部分間の分極強度を示したもので、中心付近の
自発分極は大きく、外周に向かうに従い電極間の自発分
極の強さは小さくなっていく。本実施例の場合、分極方
向は同一であるため、図2に示すように、同じ圧電素子
5の分極強度を濃淡を用いて表すことも可能である。図
2に示す圧電素子5では色の濃い部分が大きな分極強度
を有していることを示している。
【0024】この様な圧電素子5に電圧を印加すると、
分極強度の大きい部分は変形量が多くなる。本実施例の
ように、ベッセル関数に基づいて分極強度に差を持たせ
た圧電素子5を用いて、図5に示すなトランスデューサ
16を作製して、図示しないパルサーにより電圧パルス
を前記圧電素子5に印加すると、音響整合層7の近傍で
は放射される超音波ビームの強度分布がベッセル関数に
近似したものとなる。
分極強度の大きい部分は変形量が多くなる。本実施例の
ように、ベッセル関数に基づいて分極強度に差を持たせ
た圧電素子5を用いて、図5に示すなトランスデューサ
16を作製して、図示しないパルサーにより電圧パルス
を前記圧電素子5に印加すると、音響整合層7の近傍で
は放射される超音波ビームの強度分布がベッセル関数に
近似したものとなる。
【0025】図6は、本実施例で作製した超音波探触子
の近傍の音圧分布をハイドロフォンで測定した場合のハ
イドロフォンの出力電圧と分極強度(矢印4で示す)と
の関係を示している。
の近傍の音圧分布をハイドロフォンで測定した場合のハ
イドロフォンの出力電圧と分極強度(矢印4で示す)と
の関係を示している。
【0026】ハイドロフォンでは、正圧、負圧の出力に
差が無いため、絶対値の値となるが、実際の放射音圧と
理論値が非常に近似しているという結果が得られた。
尚、本実施例では、圧電素子5を図示しない回転機構の
付いた治具に吸着固定し、回転させながら全面電極2a
にYAGのレーザ光17をレンズ18を介して部分的に
照射し昇温することで消極させたが、電極材料は反射光
が多く、効率が悪くなる。そのため、図4に示すよう
に、電極表面の昇温したい部分をあらかじめ着色(黒線
の楕円で示す)しておくと、容易に昇温範囲を限定でき
るとともに、効率も向上する。
差が無いため、絶対値の値となるが、実際の放射音圧と
理論値が非常に近似しているという結果が得られた。
尚、本実施例では、圧電素子5を図示しない回転機構の
付いた治具に吸着固定し、回転させながら全面電極2a
にYAGのレーザ光17をレンズ18を介して部分的に
照射し昇温することで消極させたが、電極材料は反射光
が多く、効率が悪くなる。そのため、図4に示すよう
に、電極表面の昇温したい部分をあらかじめ着色(黒線
の楕円で示す)しておくと、容易に昇温範囲を限定でき
るとともに、効率も向上する。
【0027】また、本実施例では雰囲気の調節として、
約0℃の窒素ガスを圧電素子5に吹き付けながらレーザ
光17の照射を行ったが、その他の気体により冷却して
も同様な効果が得られることはいうもでもない。また、
レーザ光17が透過しても危険ではないシリコーンオイ
ルの様な液体中で実行してもレーザ光17の照射領域近
傍以外の領域が昇温しないという効果が得られる。
約0℃の窒素ガスを圧電素子5に吹き付けながらレーザ
光17の照射を行ったが、その他の気体により冷却して
も同様な効果が得られることはいうもでもない。また、
レーザ光17が透過しても危険ではないシリコーンオイ
ルの様な液体中で実行してもレーザ光17の照射領域近
傍以外の領域が昇温しないという効果が得られる。
【0028】そして、電極材料によっては、レーザ光1
7による加熱時に電極材料自体が蒸発してしまうことが
あるが、この場合には導電性樹脂を用いて結線するか、
スパッタリング、蒸着等の方法で結線するとよい。ま
た、結線温度が低く圧電性に問題のない範囲であれば、
導通さえ得られれば半田や熱圧着等、他の手法を用いて
も同様な動作をする。
7による加熱時に電極材料自体が蒸発してしまうことが
あるが、この場合には導電性樹脂を用いて結線するか、
スパッタリング、蒸着等の方法で結線するとよい。ま
た、結線温度が低く圧電性に問題のない範囲であれば、
導通さえ得られれば半田や熱圧着等、他の手法を用いて
も同様な動作をする。
【0029】また、本実施例では、0次のベッセル関数
で、中心を除く+側の山が片側2個、−側の谷が2個の
場合を示したが、中心を除く+側の山が片側1個、−側
の谷が1個以上であれば非回折ビームを実現でき、本実
施例と同様な効果が得られる。
で、中心を除く+側の山が片側2個、−側の谷が2個の
場合を示したが、中心を除く+側の山が片側1個、−側
の谷が1個以上であれば非回折ビームを実現でき、本実
施例と同様な効果が得られる。
【0030】さらに、本実施例では前記音響整合層7は
エポキシ樹脂の一層構造であるが、例えばアルミナ等を
フィラーとして混入させたエポキシ樹脂と、別のエポキ
シ樹脂との2層構造の音響整合層7やマシナブルセラミ
ックスとフィラーの入ったエポキシ樹脂及びポリエチレ
ンの積層等の3層構造の音響整合層7を持つものでも同
様な効果が得られる。
エポキシ樹脂の一層構造であるが、例えばアルミナ等を
フィラーとして混入させたエポキシ樹脂と、別のエポキ
シ樹脂との2層構造の音響整合層7やマシナブルセラミ
ックスとフィラーの入ったエポキシ樹脂及びポリエチレ
ンの積層等の3層構造の音響整合層7を持つものでも同
様な効果が得られる。
【0031】(効果)ベッセルビームは非回折ビームと
して知られているが、本実施例によるトランスデューサ
16の音場を測定し、半値幅を測定してみると、半値幅
の狭い領域が非常に長く、従来には見られない至適観察
距離(焦点深度)の長い超音波探触子を作製することが
可能となる。これにより、同軸ケーブルが1本でパルサ
ーが1系統の超音波探触子を構成でき、電気回路及びト
ランスデューサ16の構成が簡易で安価な、高分解能の
超音波探触子を提供できる。
して知られているが、本実施例によるトランスデューサ
16の音場を測定し、半値幅を測定してみると、半値幅
の狭い領域が非常に長く、従来には見られない至適観察
距離(焦点深度)の長い超音波探触子を作製することが
可能となる。これにより、同軸ケーブルが1本でパルサ
ーが1系統の超音波探触子を構成でき、電気回路及びト
ランスデューサ16の構成が簡易で安価な、高分解能の
超音波探触子を提供できる。
【0032】[第2実施例] (構成)次に、図7、図9を参照して第2実施例を説明
する。図7は本実施例に使用した電極構成を説明するた
めの圧電素子5Aの上面及び断面を示し、図7は圧電素
子5Aの断面とベッセル関数と分極強度の分布との関係
を示すものである。本実施例の基本的な構成は前記第1
実施例と同様であり、同一な構成部分には同一符号を付
すとともに、相違点についてのみ詳述する。
する。図7は本実施例に使用した電極構成を説明するた
めの圧電素子5Aの上面及び断面を示し、図7は圧電素
子5Aの断面とベッセル関数と分極強度の分布との関係
を示すものである。本実施例の基本的な構成は前記第1
実施例と同様であり、同一な構成部分には同一符号を付
すとともに、相違点についてのみ詳述する。
【0033】本実施例では、図7に示すような中心部に
電極がない電極パターンを利用して分極を行い、一つの
圧電素子5Aで自発分極に差を持たせトランスデューサ
化した。具体的には、前記第1実施例とは異なり、2次
のベッセル関数を基に分極強度を決定した。図8は、使
用した2次のベッセル関数と圧電素子5Aの断面の分極
強度と分極方向(矢印4で示す)を示すもので、2次の
ベッセル関数に併せて分割電極3を設け、トランスデュ
ーサ化した際の放射音圧が前記2次のベッセル関数に一
致するように、分極電圧を変えて分極強度の部分的に異
なった圧電素子5Aを作製した。
電極がない電極パターンを利用して分極を行い、一つの
圧電素子5Aで自発分極に差を持たせトランスデューサ
化した。具体的には、前記第1実施例とは異なり、2次
のベッセル関数を基に分極強度を決定した。図8は、使
用した2次のベッセル関数と圧電素子5Aの断面の分極
強度と分極方向(矢印4で示す)を示すもので、2次の
ベッセル関数に併せて分割電極3を設け、トランスデュ
ーサ化した際の放射音圧が前記2次のベッセル関数に一
致するように、分極電圧を変えて分極強度の部分的に異
なった圧電素子5Aを作製した。
【0034】そして、分極後にアニール処理を行い分割
された状態の各分割電極3を導電性樹脂で結線して、超
音波探触子用の圧電素子5Aとした。上記のようにして
作製した圧電素子5Aを用い、前記第1実施例と同様な
方法でトランスデューサ16を作製した。
された状態の各分割電極3を導電性樹脂で結線して、超
音波探触子用の圧電素子5Aとした。上記のようにして
作製した圧電素子5Aを用い、前記第1実施例と同様な
方法でトランスデューサ16を作製した。
【0035】(作用)上記構成のような方法で作製した
圧電素子5Aの断面の自発分極の方向と強度は図8の矢
印4として示したような状態となる。本実施例では、第
1実施例と異なり分極方向は部分的に反転しており、中
心部には電極が無く、分極されていない状態である。本
実施例の圧電素子5Aを用いて図5に示すようなトラン
スデューサ16を構成し、圧電素子5Aに電圧パルスを
印加すると、圧電素子5Aは瞬時に変形し、音響整合層
7の表面から放射される超音波は、2次のベッセル関数
に近似する。このような超音波探触子も前記第1実施例
と同様に非回折ビームを放射する。
圧電素子5Aの断面の自発分極の方向と強度は図8の矢
印4として示したような状態となる。本実施例では、第
1実施例と異なり分極方向は部分的に反転しており、中
心部には電極が無く、分極されていない状態である。本
実施例の圧電素子5Aを用いて図5に示すようなトラン
スデューサ16を構成し、圧電素子5Aに電圧パルスを
印加すると、圧電素子5Aは瞬時に変形し、音響整合層
7の表面から放射される超音波は、2次のベッセル関数
に近似する。このような超音波探触子も前記第1実施例
と同様に非回折ビームを放射する。
【0036】(効果)前記第1実施例と同様にベッセル
ビームを放射することができるため、本実施例品の音場
を測定すると半値幅の狭い領域が非常に長く、従来には
見られない至適観察距離(焦点深度)の長い超音波探触
子を作製することが可能となる。また、前記第1実施例
同様に、電気回路及びトランスデューサ16の構成が簡
易で作製が容易となり、安価な高分解能の超音波探触子
を作製できる。
ビームを放射することができるため、本実施例品の音場
を測定すると半値幅の狭い領域が非常に長く、従来には
見られない至適観察距離(焦点深度)の長い超音波探触
子を作製することが可能となる。また、前記第1実施例
同様に、電気回路及びトランスデューサ16の構成が簡
易で作製が容易となり、安価な高分解能の超音波探触子
を作製できる。
【0037】更に、本実施例では2次のベッセル関数を
そのまま利用したが、バイアスをかけ全ての分極方向が
同一になるように各部分毎に分極することも可能であ
り、この場合には、前記第1実施例と同様に、部分的な
加熱により一つの圧電素子5内で分極強度に差を持たせ
ることができる。
そのまま利用したが、バイアスをかけ全ての分極方向が
同一になるように各部分毎に分極することも可能であ
り、この場合には、前記第1実施例と同様に、部分的な
加熱により一つの圧電素子5内で分極強度に差を持たせ
ることができる。
【0038】[第3実施例] (構成)図9、図10を参照して第3実施例を説明す
る。図9は本実施例に使用した電極構成を説明するため
の圧電素子5Bの断面とベッセル関数と分極強度(矢印
4で示す)の分布を示すものである。本実施例の基本的
な構成は前記第1実施例と同様であり、同一な構成部分
には同一符号を付すとともに、相違点についてのみ述べ
る。
る。図9は本実施例に使用した電極構成を説明するため
の圧電素子5Bの断面とベッセル関数と分極強度(矢印
4で示す)の分布を示すものである。本実施例の基本的
な構成は前記第1実施例と同様であり、同一な構成部分
には同一符号を付すとともに、相違点についてのみ述べ
る。
【0039】本実施例では、図9に示すように、中心に
穴19を設けたリング状の圧電素子5Bを使用する。こ
の圧電素子5Bに2次のベッセル関数に対応した分割電
極3を設け、前記第2実施例同様分極電圧と極性方向を
変化させ、トランスデューサ16にした際音響放射面で
ある音響整合層7から目標の2次のベッセル関数的な音
圧が得られるように調整して分極する。なお、ベッセル
関数のY軸の値がゼロの近傍は、分割電極3が無い状態
となる。
穴19を設けたリング状の圧電素子5Bを使用する。こ
の圧電素子5Bに2次のベッセル関数に対応した分割電
極3を設け、前記第2実施例同様分極電圧と極性方向を
変化させ、トランスデューサ16にした際音響放射面で
ある音響整合層7から目標の2次のベッセル関数的な音
圧が得られるように調整して分極する。なお、ベッセル
関数のY軸の値がゼロの近傍は、分割電極3が無い状態
となる。
【0040】このようにして作製した圧電素子5Bを用
い、前記第1実施例とほぼ同様な方法でトランスデュー
サ16を作製した。尚、本実施例では、圧電素子5Bの
中央の穴19には音響整合層7と同材質材料を充填し硬
化させた。
い、前記第1実施例とほぼ同様な方法でトランスデュー
サ16を作製した。尚、本実施例では、圧電素子5Bの
中央の穴19には音響整合層7と同材質材料を充填し硬
化させた。
【0041】(作用)上記構成のような方法で作製した
圧電素子5Bの断面の自発分極の方向と強度は図10の
矢印4として示したような状態である。分極方向は同一
でなく、また、中心部には穴19が開いた状態となって
いる。この圧電素子5Bに電圧パルスを印加すると瞬時
に変形し、トランスデューサ16における音響整合層7
の表面から放射される超音波は、図11に示すように、
2次のベッセル関数に近似し、このトランスデューサ1
6も前記第1実施例と同様に非回折ビームを放射する。
圧電素子5Bの断面の自発分極の方向と強度は図10の
矢印4として示したような状態である。分極方向は同一
でなく、また、中心部には穴19が開いた状態となって
いる。この圧電素子5Bに電圧パルスを印加すると瞬時
に変形し、トランスデューサ16における音響整合層7
の表面から放射される超音波は、図11に示すように、
2次のベッセル関数に近似し、このトランスデューサ1
6も前記第1実施例と同様に非回折ビームを放射する。
【0042】尚、前記第1、第2実施例と異なること
は、中央部に穴19が開いたリング状の圧電素子5Bを
用いた点である。一般的に知られているように、リング
型の圧電素子5Bを使用して作製したトランスデューサ
16は、ビーム幅が狭い範囲が長く、焦点深度の大きな
ものとなる。
は、中央部に穴19が開いたリング状の圧電素子5Bを
用いた点である。一般的に知られているように、リング
型の圧電素子5Bを使用して作製したトランスデューサ
16は、ビーム幅が狭い範囲が長く、焦点深度の大きな
ものとなる。
【0043】(効果)前記実施例と同様にベッセルビー
ムを放射することができるため、本実施例品の音場を測
定すると半値幅の狭い領域が非常に長く、従来には見ら
れない至適観察距離(焦点深度)の長い超音波探触子を
作製することが可能となる。また、前記実施例の圧電素
子5と比較しリング型の圧電素子5Bを使用すること
で、その特性として一般的に知られているように、放射
するビーム幅が狭い超音波探触子を作製できる。また、
一般的に知られているリング状圧電素子が持つ焦点深度
が深いという長所のみを引出し、従来問題とされていた
サイドローブが大きいという欠点のみ除去したものが作
製できる
ムを放射することができるため、本実施例品の音場を測
定すると半値幅の狭い領域が非常に長く、従来には見ら
れない至適観察距離(焦点深度)の長い超音波探触子を
作製することが可能となる。また、前記実施例の圧電素
子5と比較しリング型の圧電素子5Bを使用すること
で、その特性として一般的に知られているように、放射
するビーム幅が狭い超音波探触子を作製できる。また、
一般的に知られているリング状圧電素子が持つ焦点深度
が深いという長所のみを引出し、従来問題とされていた
サイドローブが大きいという欠点のみ除去したものが作
製できる
【0044】また、前記実施例と同様に、電気回路及び
トランスデューサ16の構成が簡易で作製が容易とな
り、安価な高分解能の超音波探触子を作製できる。尚、
本実施例では、同極性の部分を一つのリング状の電極と
したが電極を更に細分化しても同様な効果が得られる。
トランスデューサ16の構成が簡易で作製が容易とな
り、安価な高分解能の超音波探触子を作製できる。尚、
本実施例では、同極性の部分を一つのリング状の電極と
したが電極を更に細分化しても同様な効果が得られる。
【0045】また、本実施例では、2次のベッセル関数
として中心から一方が山2個、谷2個のものを使用した
が、2次のベッセル関数として中心から一方が山1個、
谷1個以上であれば同様な効果が得られ、図8に示すよ
うな山2個、谷1個という山と谷の数が一致しない圧電
素子5を利用しても同様な効果が得られる。
として中心から一方が山2個、谷2個のものを使用した
が、2次のベッセル関数として中心から一方が山1個、
谷1個以上であれば同様な効果が得られ、図8に示すよ
うな山2個、谷1個という山と谷の数が一致しない圧電
素子5を利用しても同様な効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、音場を整
形しラインフォーカス化を図り、比較的簡単な電気回路
を使用できる高分解能な超音波探触子用の圧電素子を提
供することができる。
形しラインフォーカス化を図り、比較的簡単な電気回路
を使用できる高分解能な超音波探触子用の圧電素子を提
供することができる。
【0047】請求項2記載の発明によれば、焦点深度が
深く高分解能な超音波探触子を作製することができる超
音波探触子用の圧電素子を提供することができる。
深く高分解能な超音波探触子を作製することができる超
音波探触子用の圧電素子を提供することができる。
【0048】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2の効果に加え、一般的に知られているリング状圧電素
子が持つ焦点深度が深いという長所のみを引出し、従来
問題とされていたサイドローブが大きいという欠点のみ
除去した超音波探触子を作製することができる超音波探
触子用の圧電素子を提供することができる。
2の効果に加え、一般的に知られているリング状圧電素
子が持つ焦点深度が深いという長所のみを引出し、従来
問題とされていたサイドローブが大きいという欠点のみ
除去した超音波探触子を作製することができる超音波探
触子用の圧電素子を提供することができる。
【図1】本発明の第1実施例の圧電素子と0次のベッセ
ル関数との関係を示す図である。
ル関数との関係を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例のトランスデューサと超音
波ビームの強度分布との関係を示す図である。
波ビームの強度分布との関係を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例の圧電素子に対する消極状
態を示す説明図である。
態を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施例の圧電素子に対する消極状
態の他例を示す説明図である。
態の他例を示す説明図である。
【図5】本発明の第1実施例の圧電素子を用いたトラン
スデューサの断面図である。
スデューサの断面図である。
【図6】本発明の第1実施例の圧電素子の分極状態とハ
イドロフォンの出力電圧との関係を示す図である。
イドロフォンの出力電圧との関係を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例の圧電素子の構造を示す説
明図である。
明図である。
【図8】本発明の第2実施例の圧電素子と2次のベッセ
ル関数との関係を示す図である。
ル関数との関係を示す図である。
【図9】本発明の第3実施例の圧電素子と2次のベッセ
ル関数との関係を示す図である。
ル関数との関係を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例の圧電素子と別の2次の
ベッセル関数との関係を示す図である。
ベッセル関数との関係を示す図である。
【図11】本発明の第3実施例の圧電素子を用いたトラ
ンスデューサと超音波ビームの強度分布との関係を示す
図である。
ンスデューサと超音波ビームの強度分布との関係を示す
図である。
【図12】従来の圧電素子の底面図である。
【図13】従来の圧電素子の分極状態を示す側面図であ
る。
る。
【図14】従来の圧電素子の平面図である。
1 圧電セラミックス 3 分割電極 5 圧電素子 5A 圧電素子 5B 圧電素子 7 音響整合層 11 ハウジング 16 トランスデューサ 17 レーザ光 18 レンズ 19 穴
Claims (3)
- 【請求項1】 超音波探触子用の圧電素子において、分
極済みの圧電素子に対するベッセル関数に対応した部分
的な消極により、位置によって自発分極の大きさに差を
持たせたことを特徴とする超音波探触子用の圧電素子。 - 【請求項2】 前記圧電素子における自発分極の大きさ
の差は、2次以上の偶数次のベッセル関数を基に決定し
たことを特徴とする請求項1記載の超音波探触子用の圧
電素子。 - 【請求項3】 前記圧電素子は、中心部に穴を有する形
状であることを特徴とする請求項2記載の超音波探触子
用の圧電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7089289A JPH08289397A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 超音波探触子用の圧電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7089289A JPH08289397A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 超音波探触子用の圧電素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08289397A true JPH08289397A (ja) | 1996-11-01 |
Family
ID=13966545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7089289A Withdrawn JPH08289397A (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | 超音波探触子用の圧電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08289397A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006114819A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Toyota Motor Corp | 圧電特性傾斜構造を有する圧電体、その製造方法、制振構造体及び振動制御方法 |
JP2009078439A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Fujifilm Corp | 圧電アクチュエータおよび液体吐出ヘッド |
JP2015213790A (ja) * | 2010-09-21 | 2015-12-03 | 株式会社東芝 | 超音波診断装置及び超音波プローブ |
JP2016512451A (ja) * | 2013-03-08 | 2016-04-28 | ウルセラ インコーポレイテッド | 多焦点超音波治療のためのデバイス及び方法 |
CN113068102A (zh) * | 2021-03-24 | 2021-07-02 | 河北师范大学 | 一种激声发生器 |
CN115227989A (zh) * | 2022-07-28 | 2022-10-25 | 苏州思萃电子功能材料技术研究所有限公司 | 一种可调节近场区的超声波探头及调节方法 |
-
1995
- 1995-04-14 JP JP7089289A patent/JPH08289397A/ja not_active Withdrawn
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