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JPH08285947A - 電子検出装置及びこれを備えた電子顕微鏡 - Google Patents

電子検出装置及びこれを備えた電子顕微鏡

Info

Publication number
JPH08285947A
JPH08285947A JP7089028A JP8902895A JPH08285947A JP H08285947 A JPH08285947 A JP H08285947A JP 7089028 A JP7089028 A JP 7089028A JP 8902895 A JP8902895 A JP 8902895A JP H08285947 A JPH08285947 A JP H08285947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
electron beam
sample
detection
detection device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7089028A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kakibayashi
博司 柿林
Masanari Takaguchi
雅成 高口
Kuniyasu Nakamura
邦康 中村
Ruriko Tokida
るり子 常田
Tatsuo Makishima
達男 牧島
Kazutaka Tsuji
和隆 辻
Mikio Ichihashi
幹雄 市橋
Shigeto Isagozawa
成人 砂子沢
Keiichi Kanebori
恵一 兼堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7089028A priority Critical patent/JPH08285947A/ja
Publication of JPH08285947A publication Critical patent/JPH08285947A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料内で散乱、回折、反射、透過した微弱な
電子を所望の検出角度範囲で、高感度かつ高S/Nで測
定できる電子顕微鏡用電子線検出装置を提供する。 【構成】 シンチレータ51、透明基板52、光学レン
ズ53、アバランシェ型撮像素子54、撮像素子制御系
55、計算機56、モニタ34から構成された電子顕微
鏡の電子線検出装置を構成し、アバランシェ型撮像素子
54の検出面における検出領域を撮像素子制御系55に
より部分的に設定する。 【効果】 特に試料から高角度で放出された微弱な電子
を選択して検出できるので、特定の試料構成原子や結晶
構造等に対応する電子顕微鏡像を観察できる。また複数
の検出角度範囲を設定することで、種々の散乱角度分布
を持つ電子線の測定を、一つの検出装置で同時に行え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料内で散乱、回折、
反射、透過した電子を用いて試料構造の観察又は試料構
成元素の分析を行なうための電子顕微鏡において、前記
の散乱、回折、反射、透過した電子を所望の検出角度範
囲で、高感度かつ高S/Nで測定することにより、特定
の試料構成原子や結晶構造等に対応する電子顕微鏡像を
観察するための電子線検出装置並びにその製造方法、及
びこの電子線検出器を搭載した電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子顕微鏡用電子線検出装置は、
ウルトラマイクロスコピィ、第28巻(1989年)、
第240頁〜第247頁(Ultramicrosco
py,Vol.28(1989),p240〜p24
7)に記載のように、図1に示す構成になっている。本
図では電子線検出装置が走査型透過電子顕微鏡(STE
M:Scanning Transmission E
lectron microscope)に設置された
状態を示している。図1の概略構成図に示された走査型
電子顕微鏡は、電子銃20からなる電子線源、照射レン
ズ21、偏向コイル22、対物レンズ23からなる電子
光学系、試料24(図示せざるも、試料ホルダに保
持)、電子/光変換用シンチレータ31からなる電子線
検出器は、全て真空筐体内に配置されている。この走査
型透過電子顕微鏡に搭載された電子/光変換用シンチレ
ータ31からなる電子線検出装置は、試料24に入射し
た後に散乱、回折、反射、透過した電子を光子に変換す
るための電子/光変換用シンチレータ31、ライトガイ
ド32、光電子増倍管33、モニタ34から成ってい
る。検出される電子線の種類によって電子線検出装置の
シンチレータは別々に設けられており、高角度の散乱電
子のみで暗視野像を観察するためのシンチレータ31a
は円環形であり、また、透過電子のみで明視野像を観察
するためのシンチレータ31bは円形である。検出部で
検出された電子線強度に対応する光電子増倍管からの出
力信号を、走査回路25による入射電子線の走査と同期
してモニタ34上に輝度変調表示して電子顕微鏡像を得
る。
【0003】また、従来の電子顕微鏡用撮像装置は、G
atan社 Model 622SC型テレビシステム
インストラクションマニュアル 1991年(Ins
truction Manual Model 622
SC Fiber Optically Couple
d TV System, 1991,GatanIn
c.,6678 Owens Dr.,Pleasan
ton, CA94588)に記載のように、図2に示
す構成になっている。電子顕微鏡像を撮影するために撮
像装置は電子顕微鏡のカメラ室28下部に設けられたフ
ランジに設置される。撮像装置は、電子/光変換用シン
チレータ41、光ファイバプレート42、イメージイン
テンシファイア43、従来の光導電型撮像素子44、撮
像素子制御系45、モニタ34から成っている。シンチ
レータ41とイメージインテンシファイア43の間、及
びイメージインテンシファイア43と撮像素子44の間
は光ファイバプレート42同士が向かい合わさったカッ
プリングになっている。従来の光導電型撮像素子44
は、光電面にZn1-xCdxTeを用いた撮像管(代表商
品名;ニュービコン)やSiを用いた撮像管(代表商品
名;SIT管)であった。これらの撮像素子44の量子
効率が最大となる光の波長は、いずれも500nmから
750nmである。従って感度の高い撮影を行なうため
には、例えば電子顕微鏡第27巻No.2,p170
(1992年、日本電子顕微鏡学会)に開示されている
ように、電子像を光像に変換するシンチレータ41とし
て、ピーク発光波長が550nmであるセリウムをドー
プしたYAG(Y3-xCexAl512)、またはピーク
発光波長が510nmであるプラセオジウム、セリウ
ム、フッソなどをドープしたGOS(Gd22S)が用
いられてきた。
【0004】図2において、カメラ室28の開口を螢光
板27で塞いでいるとき、電子レンズ26は試料を透過
した電子による像(電子顕微鏡像)を螢光板27上に結
ぶ。電子顕微鏡像は電子顕微鏡の螢光板27を開けると
シンチレータ41上に投影される。該シンチレータ41
で電子は光子に変換され、電子顕微鏡像の強度すなわち
単位面積あたりの電子数に比例した光子が光ファイバプ
レート42を通過してイメージインテンシファイア43
に達する。ここでは光子が電子に変換され100倍以上
に増幅された後に再び光子に変換される。該増幅された
光子が光ファイバプレート42を通過して撮像素子44
の受光面にある光導電膜に達して電子−正孔対を発生さ
せ、その電流を撮像素子の電子銃から発せられる電子線
で検出し、出力信号を得る。前記電子線はテレビ速度
(1/30秒/画面)で走査されるので、光導電膜上に
強度増幅して投影された電子顕微鏡像を通常のテレビカ
メラと同様に撮影できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電子顕微鏡
に備えられている電子線検出装置は検出部の形状が固定
されているので、例えば図1に示した円環形の場合に
は、試料と検出部間の距離(カメラ長)によって電子の
検出角度範囲(θ1〜θ2)が決まる。試料と検出部間に
拡大用電子レンズを配置するとカメラ長は可変である
が、検出角度範囲はカメラ長に比例して変化するだけで
ある。従って、電子の検出角度範囲を任意に設定するこ
とは不可能である。唯一の対処策として、様々な検出角
度範囲を有する検出装置を多数用意しておき、観察目的
に応じて検出装置を交換する方法があるが、コスト的に
大きな問題となる上に、交換や調整に時間と手間がかか
り実用的でない。さらに、透過電子用と回折パターン用
の検出装置は高角度散乱電子用とは別に設けられてお
り、各検出装置が専用としての使い方しかできない点も
問題である。特に回折パターン用の検出装置はCCD
(charge−coupled device)カメ
ラのように多数個の画素が必要であり、上記従来技術の
散乱、透過電子用の検出装置と共用することはできな
い。従って、複数の専用検出装置の使用を避けることは
できない。
【0006】図2に示された従来の電子顕微鏡用撮像装
置は、画像を測定するための画素を有しているので、試
料内で散乱、回折、反射、透過した電子線を広い角度範
囲で検出できるが、上記の撮像素子の内部において電子
銃(図示せず)から発せられる電子線は受光面におい
て、通常四角形の面を形成するように走査されるので、
上記電子線検出装置のように円環形の検出器としては用
いられていない。従って、所望の検出角度範囲で電子線
を検出することはできない。また、撮像部に用いられて
いる従来の光導電型撮像素子44が感度不足であるた
め、イメージインテンシファィア43により像強度を増
幅している点が問題である。該イメージインテンシファ
ィア43の増幅過程では極めて大きな量子ノイズが発生
するため、画質が非常に悪い。この現象は上記の電子線
検出装置においても光子を光電子増倍管33で増幅して
いるので同様に言えることである。特に高角度の散乱電
子線は強度が微弱であるため、高S/Nで検出すること
ができない。
【0007】また、シンチレータ41の発光波長が50
0nm付近であるため、該発光波長以外に最大受光感度
特性を持つ撮像素子に用いた場合は感度低下をもたら
す。
【0008】本発明の目的は、試料内で散乱、回折、反
射、透過した電子線強度の角度分布を、所望の角度範囲
で高感度かつ高S/Nで検出することが可能な電子顕微
鏡用電子線検出装置及びこれを備えた電子顕微鏡を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、電子顕微鏡の電子検出装置として、電子線検出面に
おける電子線の検出領域は任意に設定される電子検出装
置を構成する。電子検出装置は、例えば検出すべき電子
を光子に変換する電子線検出面を有する電子検出部と、
電子検出部から放射される光子を検出する受光面を有す
る光検出部とで構成し、この受光面における光検出領域
を任意に設定できるようにしてもよい。この場合、光検
出部に光検出領域を設定する手段を設けるとよい。ま
た、電子線検出面を電子/光変換用シンチレータで構成
するとよい。光検出部は、例えば受光面を電子検出部か
ら放射される光子を電子に変換する光導電膜、特に1つ
の光子で発生する電子をアバランシェ増倍により効率よ
く増やすアモルファス・セレンなどの膜で形成し、この
光導電膜の受光面に対向した面に電子線を照射すること
により光導電膜で発生した電子を検出するように構成す
る(所謂、撮像管型の構成にする)とよい。
【0010】この構成とは別に、受光面を多数個の光検
出素子を縦横に配列して形成し、多数個の検出素子の夫
々の動作は独立に制御できるようにしてもよい。以上の
電子検出装置は、電子線検出面での検出領域の設定を制
御する電子検出器制御装置を組み合わせるのが望まし
い。電子検出装置を電子検出部と光検出部とで構成する
場合は、電子検出器制御装置で光検出部の受光面におけ
る検出領域の設定を制御する。光検出部が撮像管型の場
合は、光導電膜の面における照射電子線の走査を制御す
る。
【0011】具体的には、電子線検出装置の受光部にお
ける光検出領域を任意の形状に設定できる撮像素子を用
いる。該撮像素子として光導電膜が非晶質セレンである
アバランシェ型撮像素子あるいはCCD(charge
−coupled device)撮像素子を用いる。
前記アバランシェ型撮像素子の光検出領域の形状は、撮
像素子に具備されている信号検出用の電子銃から放出さ
れる電子線の走査形状を電子線偏向系を制御して設定す
る。前記CCD撮像素子の光検出領域の形状は、縦横に
配列した多数個の画素の内の動作する画素を選択して設
定する。各撮像素子は計算機で光検出領域の形状を制御
され、検出しようとする電子線の強度の角度分布に応じ
て変更される。
【0012】また、上記アバランシェ型撮像素子のため
のシンチレータには、最大発光波長が350nmから4
50nmであるセリウムをドープした金属オキソシリケ
ートを用いる。さらに、シンチレータと受光面を有する
光導電膜とを透光性基板を介して積層して該撮像素子を
構成するとよい。該撮像素子の透光性基板は、光ファイ
バプレートと平滑層を積層した構造とする。前記平滑層
は、光ファイバプレートと、液体または粉体のガラスを
単結晶Siウエハーで圧着した状態で熱処理し、その
後、単結晶Siウエハーをバックエッチする手法で形成
したり、または前記平滑層を、光ファイバプレートに接
着剤を介して貼り合わされた薄板ガラスで形成する。
【0013】以上の電子検出装置を電子顕微鏡に組み込
む場合、これを制御する上述の電子検出器制御装置は電
子顕微鏡本体の制御装置、例えば、電子計算機に組み込
んでもよい。また、電子顕微鏡の電子光学系により試料
への電子線照射を走査して行なう場合、試料における電
子線の照射位置に対応して、試料で散乱、回折、もしく
は反射され、又は試料を透過した電子の検出角度範囲を
電子検出器制御装置により電子線検出装置の電子又は光
子検出面の検出領域として設定してもよい。さらに電子
顕微鏡において、電子線源からの電子線の間歇的な放射
又電子光学系による電子線のブランキングにより試料へ
の電子線照射がパルス状に行なわれる場合には、このパ
ルスに同期して電子検出器制御装置により、電子検出装
置の動作を制御してもよい。例えば、上述の撮像素子を
備えた電子検出装置(所謂、撮像管型)においては、光
導電膜に向けて電子線を放射する電子銃の動作を電子検
出器制御装置により間歇的に行なわせる。
【0014】
【作用】本発明では、撮像素子の光検出領域を任意に設
定できるので、試料から放出された電子線の検出角度範
囲を自由に設定可能である。従って、試料からの散乱、
回折、反射、透過電子の強度を、各電子の角度分布に応
じて所望の角度範囲で検出できるようになる。散乱電子
や反射電子強度の放出角度分布は試料構成元素の原子番
号に依存しているので、各元素のピーク強度を与える角
度位置に検出角度範囲を設定すれば特定元素をコントラ
スト強調した電子顕微鏡像を観察できる。特に高角度側
で検出すれば、コントラストの定量比較から原子種同定
も可能となる。また、回折電子の強度分布は原子配列の
情報を含んでいるので、特定の回折スポットや散漫散乱
によるブロードなパターンを選択して検出することによ
り、結晶面の配向性や不純物原子の配列状態、結晶欠陥
の形状や分布状態等を抽出して像観察できる。
【0015】電子の検出角度範囲は任意に設定できるの
で、例えば中心部と外周部を分割して各々から検出信号
を取り出せば、前者で透過電子を、後者で高角度散乱電
子を同時に検出できる。また、撮像素子は2次元に配列
した画素を有するので、電子線の強度だけでなく分布の
測定、例えば回折パターンや像も測定できる。従って、
本発明の検出装置1台で散乱電子による原子種同定、透
過電子による像観察、回折電子による原子配列測定に対
応できる。
【0016】撮像素子として光導電膜が非晶質セレンで
あるアバランシェ型撮像素子を用い、電子/光変換用シ
ンチレータとしてセリウムをドープした金属オキソシリ
ケートを用いれば、微弱な電子線を光電子増倍管やイメ
ージインテンシファイアなどで増幅することなく、高感
度かつ高S/Nで測定できる。この理由を以下に述べ
る。
【0017】図3に、光電子増倍管、従来の光導電型撮
像素子および光導電膜が非晶質セレンであるアバランシ
ェ型撮像素子の特性比較を示す。1次量子効率とは光導
電膜に1個の光子が入射した時に発生する光電子の数、
増倍率とは撮像素子の出力電流と前記光電子の電流の比
である。1次量子効率は光導電膜の材料によって決ま
る。各撮像素子の光導電膜は、光電子増倍管ではNa2
KSb−Cs、従来の光導電型撮像素子ではSb23
ZnCdTeなど、アバランシェ型撮像素子では非晶質
Seである。図から、非晶質Seが最も効率良く光子を
光電子に変換することが分かる。増倍率は、光電子増倍
管では多段のダイノードによって光導電膜で発生した電
子を増幅するので、通常105倍程度である。従来の光
導電型撮像素子では光導電膜がSb23やZnCdTe
であるので増倍されない。アバランシェ型撮像素子で
は、光導電膜に106V/cm程度の高電界を印加する
ことによって光導電膜中の電子をアバランシェ増倍す
る。該増倍率は図4に示すように、光導電膜に印加する
電界が依存し、最高で1000倍の増倍率が実現されて
いる。感度は、1次量子効率と増倍率の積である。従っ
て、光電子増倍管の感度が最も高いが、像質を決めるS
/Nが悪い。この理由は、1次量子効率が小さいこと
と、少ない光電子をダイノードで強引に電子増倍すると
きにノイズが発生することである。従来の光導電型撮像
素子の場合は、1次量子効率はさほど大きくないが増倍
率が1であるため、S/Nは良い。しかし感度が低いの
で、電子顕微鏡像を形成する微弱な電子を検出するため
にはイメージインテンシファイアの併用が不可欠であ
る。該イメージインテンシファイアで例えば100倍増
幅すると、著しい量子ノイズが現われ、S/Nは極端に
劣化する。一方、光導電膜が非晶質セレンであるアバラ
ンシェ型撮像素子では、電子顕微鏡像の測定に必要な感
度と良いS/Nが得られる。良いS/Nが得られる理由
は、1次量子効率が大きいことに加えて、過剰雑音が極
めて少ないことである。過剰雑音は光導電膜中で発生す
る電子と正孔のイオン化係数の比に依存する。該比が大
きいと過剰雑音も大きい。非晶質セレンは他の材料と比
較して該比が高電界印加状態で小さい特徴がある。
【0018】光導電膜が非晶質セレンであるアバランシ
ェ型撮像素子の相対感度は図5に示すようであり、波長
が400nmの光に対して最大である。従って、シンチ
レータにセリウムをドープした金属オキソシリケート
(化学式はRE2SiO5)特にREがGd,Y,Luで
あるものを用いれば、該最大発光波長は420nmから
430nmであるので、撮像素子の1次量子効率が98
%以上になり、電子線に対する撮像素子の感度を最大限
に引き出せる。
【0019】さらに、アバランシェ型撮像素子の透光性
基板を光ファイバプレートと平滑層を積層した構造とす
ることにより、電子線検出装置の光学系から光学レンズ
を除くことができ、該光学レンズによる光量ロスを低減
できるので、電子線の検出感度を約5倍向上できる。ま
た、平滑層は以下のような作用がある。光ファイバプレ
ートを光学研磨しただけでは、表面に約0.2μm程度
の微細な凹凸が存在する。感度を飛躍的に高めた高感度
撮像管であるアバランシェ型撮像素子は動作電界が高い
ため、上記凹凸部に電界集中が起こり、それによって暗
電流阻止機能が局所的に破壊され、その結果、局所的な
暗電流増加による白キズの発生や、暗電流増加を引き起
こすという問題がある。上記平滑化層は、表面の凹凸が
10nm以下であるので、該凹凸部への電界集中を大幅
に低減でき、上記の問題を解消できる。
【0020】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。図6は本発明の第1の実施例で用いた電子顕微鏡用
電子線検出装置の基本構成図である。図1で示した従来
技術と同様に、電子線検出装置が走査型透過電子顕微鏡
に設置された場合を示す。図6の概略構成図における走
査型透過電子顕微鏡の本体は、電子線源(図示せず)、
照射レンズ(図示せず)と偏向コイル22と対物レンズ
23とからなる電子光学系、試料24(図示せざるも、
試料ホルダに保持)、及び以下に説明する本発明による
アバランシェ撮像素子を備えた電子線検出装置から構成
され、全て真空筐体(図示せず)の内部に配置されてい
る。また走査型透過電子顕微鏡の周辺機器として、試料
に照射する電子線の走査回路25、モニタ34、撮像素
子制御系55、及び計算機56が備えられている。電子
線検出装置は、シンチレータ51、基板(透光性基板)
52、光学レンズ53、光導電膜61が非晶質セレンで
あるアバランシェ型撮像素子54、撮像素子制御系5
5、計算機56、モニタ34から構成されている。計算
機56とモニタ34は、電子顕微鏡の入射電子線を試料
上で走査するための偏向コイル22を動作させる走査回
路25と接続されており、走査信号を入力できる。ま
た、計算機56は走査回路25に同期させて撮像素子制
御系55を制御できる。
【0021】シンチレータ51は、試料で散乱、回折、
反射あるいは透過した電子線の強度分布を光強度分布に
変換するものである。本実施例では、光導電膜61が非
晶質セレンであるアバランシェ型撮像素子54を用いる
ので、該撮像素子の1次量子効率が最も高い発光波長を
持つシンチレータであるセリウムをドープした金属オキ
ソシリケートを用いる。シンチレータ51の条件は、電
子顕微鏡の加速電圧(汎用型では100〜300kV)
に相当するエネルギーを持つ電子線に対して、発光出力
が大きく、劣化が少なく、かつ入射した電子線の広がり
が小さいことである。前記シンチレータ1はこの条件を
満足する。結晶性は多結晶でも単結晶でもよい。シンチ
レータ51の厚さは、入射した電子線が広がり、電子顕
微鏡像がボケないようにするために数十μm程度にす
る。また、表面にチャージアップ防止のためにAl膜を
数十nm厚さ蒸着する。
【0022】光学レンズ53は、シンチレータ51で光
像に変換された電子顕微鏡像をアバランシェ型撮像素子
54の受光面に結像するものである。光強度のロスを少
なくするために、口径に対する焦点距離の短い、小さな
F値を持つレンズを用いる。上側のレンズは基板52が
光ファイバプレートである場合には光ファイバプレート
の下面に、基板52がガラス基板である場合にはシンチ
レータ1の下面に焦点を合わせる。後者の方が光のロス
が少なく、電子線検出装置としての感度が向上できる。
下側のレンズは、アバランシェ型撮像素子54の光導電
膜61に焦点を合わせる。
【0023】アバランシェ型撮像素子54では、シンチ
レータ51で発生した光子が撮像素子の受光面にある光
導電膜61に達して電子−正孔対を発生させ、その電流
を撮像素子の電子銃62から発せられる電子線で検出
し、出力信号を得る。光導電膜61の上面(シンチレー
タ51側の所謂、受光面)と下面(電子銃62側の所
謂、電子線走査面)との間に106V/cm以上の高電
界を印加することによって(高電界印加手段は図示せ
ず)、光導電膜中に光子が入射して発生する電流がアバ
ランシェ増倍されるので、通常の撮像素子に対して60
倍以上の利得が得られる。前記電子線は光導電膜61の
電子線走査面上をテレビ速度(1/30秒/画面)で走
査されるので、光導電膜61上に投影された光子の強度
分布を通常のテレビカメラと同様に撮影できる。
【0024】撮像素子制御系55はアバランシェ型撮像
素子54の入出力の制御を行なう。アバランシェ型撮像
素子54の信号検出用電子線を走査する偏向電極63を
制御し、光導電膜61の全面積のうち信号を検出する領
域の形状を設定する。円環形で動作させた場合には図1
で示した高角度散乱電子のみで暗視野像を観察するため
の検出装置として動作する。同様にして透過電子のみで
明視野像を観察するための円形の検出装置としても動作
する。
【0025】上記の信号検出用電子線の走査は、以下の
ように制御される。図7は、電子線走査を円環形に制御
する場合のXおよびY方向の制御信号波形である。該制
御信号波形の上に示したaからcの記号は、右側に示し
た光導電膜上における電子線走査形状における電子線の
位置aからcに対応する。図8は図7と同一の走査形状
を行なう別な制御方法の例である。Y方向の制御信号波
形は図7と同様なので、X方向についてのみ示した。こ
の場合、電子線の走査制御と同時に、電子銃の電子線放
出を制御する。これによって、図7と同一の走査形状が
得られる。
【0026】アバランシェ型撮像素子54では信号検出
用電子線の走査位置が画素位置に対応する。画素サイズ
すなわち解像度は信号検出用電子線の直径に依存し、約
10μm程度である。撮像素子制御系55の出力は、各
画素から独立に得られるので、各画素からの出力信号を
加算すれば、動作状態にある画素形状で検出した全電子
線強度の情報となる。また、各画素の信号を画素配列に
対応して検出すれば画像情報となる。
【0027】計算機56は、撮像素子制御系55の制
御、撮像素子制御系55からの電子線強度信号及び画像
信号のA/D変換と記録を行う。該記録は走査回路25
からの信号を元に、試料上における入射電子線の走査位
置と対応して行われる。モニタ34には、撮像素子制御
系55からの画像信号がそのまま像として表示(例えば
電子回折パターンなど)されるか、電子線強度信号を走
査回路25からの走査信号と同期して輝度変調し、走査
型透過電子顕微鏡像が表示される。
【0028】上記の実施例では電子線検出装置の光学系
に光学レンズ53を用いる場合を示したが、感度をさら
に向上させる場合には、撮像素子の透光性基板を光ファ
イバプレートと平滑層を積層した構造とする。図9は該
構造を用いたアバランシェ型撮像素子54の一実施形態
である。57は光ファイバプレート、58は透明電極、
61は光導電膜、64は信号ピン、62はカソード、5
1はシンチレータである。光ファイバプレート57に接
して配置されたシンチレータから出た信号光は、開口率
100%の光ファイバプレートによって、余すところな
く光導電膜に到達し、信号電荷が生成される。このと
き、信号ピンを介して、透明電極とカソード間に、光導
電膜内で電荷のアバランシェ増倍が起きうるような高電
界を印加しておくと、光導電膜内で生成された信号電荷
は雪崩的に増加し、走査電子ビームによって読み取られ
る。その結果、光学ロスの無い光ファイバプレートの効
果と相まって、超高感度特性を実現できる。
【0029】図10に、上記平滑層によって光ファイバ
プレート表面の凹凸を吸収した例を示す。57は光ファ
イバプレート、70は平滑化層、58は透明電極、61
は光導電膜、64は信号ピンである。平滑化層70は可
視光に対して透明で、かつ、平滑化層内での光散乱によ
る解像度劣化を引き起こさないようにするために、その
厚みは少なくとも10μm以下にする。平滑層は以下に
示す方法で作製する。
【0030】図11は本発明による光ファイバプレート
の平滑化方法の一例を示したものである。57は光ファ
イバプレート、71は接着剤、72は薄板ガラス、58
は透明電極、64は信号ピンである。まず初めに、直径
1インチサイズの光ファイバプレート57を、通常のガ
ラス研磨と同様の手法により、光学研磨を行なう。次
に、接着剤71により、500μmの薄板ガラス72と
光ファイバプレート57を接着する。接着剤71は固化
する時の膨張係数の小さい紫外線硬化型を用いた。ま
た、接着剤71による光吸収と光散乱を防ぐ目的で、回
転塗布により接着剤の厚みを1μm以下するようにし
た。接着剤71が固化した後、薄板ガラス72を光学研
磨により約10μmになるまで研磨する。有機溶剤によ
る洗浄の後、Arの分圧が10.6パスカルのArガス
雰囲気中で薄板ガラス72表面を更にドライエッチング
し、平滑性を高める。この段階で、光ファイバプレート
57と平滑層(接着剤71の層と薄板ガラス72とから
なる)とが積層した構造の透光性基板を得る。その後、
スパッタ蒸着により、ITO(Indium Tin
Oxide)を0.8μm堆積し、再び、上記と同様の
Arガス雰囲気中で、ITOの厚みが0.2μm程度に
なるまでドライエッチングする(ITOで透明電極を形
成する工程)。以上により、透明電極58となるITO
表面は、1nm以下の表面粗さに仕上げることができ
る。透明電極58の材料はITOに限らず、透光性(透
明度)が高く且つ導電性を有する膜を形成できるいかな
る材料で形成してもよい。
【0031】以上が、光ファイバプレートの平滑化法の
フルプロセスであるが、薄板ガラス72の表面状態が良
好であれば、スパッタITOの堆積、ITOのドライエ
ッチングを省略して、薄板ガラスのドライエッチング直
後に、100nm程度の蒸着ITOを透明電極に用いて
も、平滑性は充分保たれる。
【0032】以上のプロセスの後、透明電極58の表面
に光導電膜を、光ファイバプレート57の平滑層形成面
に対向する面(透明電極58が形成されていない面)に
シンチレータを夫々積層させて形成する。
【0033】図12は本発明による光ファイバプレート
の平滑化方法の別の一例を示したものである。57は光
ファイバプレート、73はSOG(spin on g
lass)、74は単結晶Siウエハである。まず初め
に、1インチφの光ファイバプレート57上面に、SO
G73をスピンナーにより2〜3μmの厚さになるよう
に回転塗布する。次に、単結晶Siウエハ74と光ファ
イバプレート57を、Siウエハ74の鏡面研磨面とS
OGが合わさるように、圧着する。圧着した状態で、4
50℃で約30分間、熱処理を行ない、SOGを固化さ
せる。その後、単結晶Siウエハ74を約100μmの
厚さになるまで光学研磨する。次に、ヒドラジン溶液中
に上記基板を浸し、単結晶Siウエハ74をバックエッ
チする。約2時間で単結晶Siウエハ74は完全にエッ
チングされて光ファイバプレート57から除去される
と、光ファイバプレート上57に、SOG73の熱処理
によって形成されたSiO2面が現れる(SOGによる
平滑層の形成)。このSiO2面は、単結晶Siウエハ
74の鏡面研磨面が転写されているため、非常に良好な
平滑性を持っている。
【0034】なお本実施例では無機系のSOGを用いた
が、有機系のSOGまたは粉ガラスを用いても同様な平
滑性が得られる。また本方法においても上述の方法同様
に、以上の工程の後にSOG73からなる平滑層の表面
に透明電極58と光導電膜61とを、光ファイバプレー
ト57の平滑層形成面に対向する面にシンチレータを夫
々積層させて形成する。
【0035】(実施例2)図13は本発明の第2の実施
例で用いた電子顕微鏡の基本構成図である。電子顕微鏡
の構成は、電子線検出装置を除き実施例1と略同じであ
る。電子線検出装置は、シンチレータ81、光ファイバ
プレート57、CCD撮像素子82、撮像素子制御系8
3、計算機84、モニタ34から成る。
【0036】シンチレータ81は、ピーク発光波長が5
50nmであるセリウムをドープしたYAG(Y3-x
xAl512)、またはピーク発光波長が510nmで
あるプラセオジウム、セリウム、フッソなどをドープし
たGOS(Gd22S)などである。光ファイバプレー
ト57は、シンチレータ81とCCD撮像素子82の光
学的なカップリングのために用いる。開口率が0.6〜
0.8程度で、シンチレータ81で等方的に発生する光
子のうちほぼ垂直下方のものがCCD撮像素子82に達
するようにする。これによって、電子線検出装置の電子
線散乱角度に対する測定精度(角度分解能)と解像度を
向上させる。CCD撮像素子82としては、画素数が1
00万個以上の高解像度を有するものを用いる。シンチ
レータ81、光ファイバプレート57及びCCD撮像素
子82の設置位置は、試料24から放出される電子線の
最大検出角度が200〜300mrad.以上に相当す
るカメラ長位置にする。また、反射電子を検出するため
に試料24の横あるいは上方に設置してもよい。
【0037】撮像素子制御系83はCCD撮像素子82
の入出力制御を行う。100万個以上配列しているCC
D画素のうち、どの番地の画素を動作させるかを制御す
る。これによって、CCD画素が円形、円環形等の形状
で動作し、試料24からの電子線を任意の角度範囲で検
出できる。撮像素子制御系83の出力を第1の実施例と
同様に処理すれば、電子線強度情報あるいは画像情報が
得られる。該情報の記録と表示は第1の実施例と同様に
して行なう。
【0038】図14は、本実施例の電子線検出器を搭載
した分析型電子顕微鏡の概略構成図を示す。図14の分
析型電子顕微鏡は、電界放射型電子銃8からなる電子線
源、コンデンサレンズ9と電子線偏向コイル10と対物
レンズ11とからなる電子光学系、試料19を保持し且
つ電子顕微鏡の筐体内で微動・傾斜さす試料ホルダ系1
2、電子検出装置13、電子線のエネルギー分析機能を
備えた電子検出装置16、X線検出器15からなる本体
と、試料19の表面加工や薄膜化を行なうための処理室
17及び処理室と本体との間で試料19を移動するため
の搬送機構18から構成されている。また周辺機器とし
て、分析型電子顕微鏡本体、試料ホルダ系12の制御
と、電子検出装置13及び16の制御及びデータ処理を
行なうための電子計算機14が備えられている。
【0039】図14の分析型電子顕微鏡は、従来円環型
の電子検出器に代えて本実施例の電子線検出装置を電子
線検出装置13(略図)として搭載している。これによ
り、従来暗視野像(主に、試料19で大角度又は高角度
に散乱された電子で結像)による観察を円環型の電子検
出器、明視野像(主に、試料19を透過した電子で結
像)の観察をエネルギー分析機能を備えた電子検出装置
16で別々に行なう作業が、本実施例の電子線検出装置
13だけで、且つ同時に行なうことができる。また、分
析型電子顕微鏡として試料19の構成元素を分析する作
業も、1画素分のデータを電子検出装置16によりエネ
ルギーフィルタを走査させながら時間をかけて測定する
従来法に対し、本実施例の電子線検出装置13により1
画素分のデータを瞬時に測定することで高速化される。
なお、図14において電子線検出装置13の制御を行な
う撮像素子制御系は、専用のコントロールボードとして
電子計算機14の内部に設置されている。本実施例の電
子線検出装置13の多機能化(例えば、二次元暗視野像
をもとに三次元像を構築する機能の付加)や高機能化
(測定速度の高速化)を行なう場合は、電子計算機14
の外部に専用のプロセッサを設けるとよい。
【0040】
【発明の効果】本発明の電子検出装置を電子顕微鏡に搭
載することにより、電子線が照射された試料において散
乱、回折、もしくは反射された、又はこの試料を透過し
た微弱な電子を所望の検出角度範囲で、高感度かつ高S
/Nで測定することが可能となった。
【0041】特に電子検出制御装置を併用し、これによ
り電子検出装置の検出面における検出領域を部分的に設
定することにより、試料から高角度で放出された微弱な
電子を選択して検出できるので、特定の試料構成原子や
結晶構造等に対応する電子顕微鏡像を観察できる。ま
た、種々の散乱角度分布を持つ電子線に対して、複数の
検出角度範囲を設定することにより、従来は複数の専用
検出装置が必要であった大角度散乱電子、透過電子、回
折パターン等の測定を、一つの検出装置で同時に行え、
電子顕微鏡観察の高速化が図れる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電子線検出装置を備えた電子顕微鏡の概
略構成図。
【図2】従来の別の電子線検出装置を備えた電子顕微鏡
の概略構成図。
【図3】電子線検出装置の特性比較を示す説明図。
【図4】アバランシェ型撮像素子の電界に対する増倍率
を示す説明図。
【図5】アバランシェ型撮像素子の光波長に対する相対
感度を示す説明図。
【図6】本発明の第1の実施例の電子線検出装置を備え
た電子顕微鏡の概略構成図。
【図7】電子線走査を円環形に制御する場合のXおよび
Y方向の制御信号波形を示す説明図。
【図8】電子線走査を円環形に制御する場合のX方向走
査および電子線放出の制御信号波形を示す説明図。
【図9】本発明によるアバランシェ型撮像素子の全体構
造図。
【図10】本発明によるアバランシェ型撮像素子のの受
光部の構造図。
【図11】本発明による電子線検出装置の光ファイバプ
レート表面の平滑化法を示す説明図。
【図12】本発明による電子線検出装置の光ファイバプ
レート表面の平滑化法のプロセスを示す説明図。
【図13】本発明の第2の実施例の電子線検出装置を備
えた電子顕微鏡の概略構成図。
【図14】本発明の第2の実施例の電子線検出装置を備
えた分析電子顕微鏡の全体構成図。
【符号の説明】
20…電子銃、21…照射レンズ、22…偏向コイル、
23…対物レンズ、24…試料、25…走査回路、3
1,41,51,81…シンチレータ、32…ライトガ
イド、33…光電子増倍管、34…モニタ、42,57
…光ファイバプレート、43…イメージインテンシファ
イア、44…従来型の光導電型撮像素子、45,83…
撮像素子制御系、52…基板、53…光学レンズ、54
…アバランシェ型撮像素子、56、84…計算機、58
…透明電極、61…光導電膜、64…信号ピン、62…
カソード(電子銃)、70…平滑化層、71…接着剤、
72…薄板ガラス、73…SOG(spin on g
lass)、74…単結晶Siウエハ、82…CCD撮
像素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常田 るり子 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 牧島 達男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 辻 和隆 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 市橋 幹雄 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 砂子沢 成人 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 兼堀 恵一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子を検出する面を有し且つ該電子を光子
    に変換する電子検出部と、該電子検出部から放射される
    光子を検出する受光面を有し且つ該受光面における光検
    出領域を任意に設定する検出領域設定部を有する光検出
    部とからなることを特徴とする電子検出装置。
  2. 【請求項2】上記受光面は、上記電子検出部側にアルミ
    ニウム膜が形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の電子検出装置。
  3. 【請求項3】上記受光面は、光導電膜からなることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の電子検出装置。
  4. 【請求項4】上記検出領域設定部は、上記光導電膜の上
    記受光面に対向した面に電子線を照射する電子銃と、該
    電子線を該光導電膜の電子線照射面上にて走査する偏向
    電極からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か一に記載の電子検出装置。
  5. 【請求項5】上記電子検出部は、発光強度が最大となる
    発光波長が350〜450nmである電子/光変換用シ
    ンチレータで構成されることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか一に記載の電子検出装置。
  6. 【請求項6】上記電子検出部は、セリウムをドープした
    金属オキソシリケートからなるシンチレータで構成され
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載
    の電子検出装置。
  7. 【請求項7】上記金属オキソシリケートは、ガドリニウ
    ムオキソシリケート(Gd2SiO5)、イットリウムオ
    キソシリケート(Y2SiO5)、又はルテニウムオキソ
    シリケート(Lu2SiO5)のいずれか一であることを
    特徴とする請求項6に記載の電子検出装置。
  8. 【請求項8】上記電子検出部と上記光導電膜は、光ファ
    イバプレートを介して積層されていることを特徴とする
    請求項3乃至7のいずれか一に記載の電子検出装置。
  9. 【請求項9】電子を光子に変換するシンチレータと、該
    光子を電子に変換する光導電膜と、該光導電膜で発生し
    た電子を検出する装置とからなる電子検出装置の製造方
    法において、光ファイバプレート表面に液体または粉体
    のガラスを塗布する工程と、該塗布面に単結晶のシリコ
    ンウエハを圧着する工程と、該光ファイバプレートをシ
    リコンウエハが圧着された状態で熱処理する工程と、該
    シリコンウエハをバックエッチして該光ファイバプレー
    トから除去する工程とにより、上記光ファイバプレート
    の上記ガラス塗布面上に平滑層を形成し、上記平滑層の
    表面に透明電極と上記光導電膜とを、上記光ファイバプ
    レートの上記平滑層形成面に対向する面に上記シンチレ
    ータを夫々積層させて形成することを特徴とする電子検
    出装置の製造方法。
  10. 【請求項10】電子を光子に変換するシンチレータと、
    該光子を電子に変換する光導電膜と、該光導電膜で発生
    した電子を検出する装置とからなる電子検出装置の製造
    方法において、光ファイバプレート表面に接着剤を介し
    てガラス板を貼り合わせる工程と、該ガラス板の表面を
    平坦にする工程とにより、該ガラス板からなる平滑層を
    形成し、上記平滑層の表面に透明電極と上記光導電膜と
    を、上記光ファイバプレートの上記平滑層形成面に対向
    する面に上記シンチレータを夫々積層させて形成するこ
    とを特徴とする電子検出装置の製造方法。
  11. 【請求項11】電子線源と、該電子線源から放射される
    電子線を試料に照射する電子光学系と、該試料を保持す
    る試料ホルダと、該試料から出射する電子線を検出する
    検出面を有する電子検出装置と、該電子検出装置を制御
    する電子検出器制御装置とからなり、上記電子検出装置
    の上記電子線検出面における電子線の検出領域は任意に
    設定されるものであり、上記電子検出器制御装置は、上
    記電子検出装置の上記電子線検出面における上記検出領
    域の設定を制御するものであることを特徴とする電子顕
    微鏡。
  12. 【請求項12】電子線源と、該電子線源から放射される
    電子線を試料に照射する電子光学系と、該試料を保持す
    る試料ホルダと、該試料から出射する電子線を検出する
    電子検出装置と、該電子検出装置を制御する電子検出器
    制御装置とからなり、上記電子検出装置は、上記試料か
    らの電子線を光子に変換するシンチレータと、該シンチ
    レータからの光子を検出する受光面を有する光検出部と
    で構成され、且つ該受光面における光子の検出領域は任
    意に設定されるものであり、上記電子検出器制御装置
    は、上記電子検出装置の上記受光面における上記検出領
    域の設定を制御するものであることを特徴とする電子顕
    微鏡。
  13. 【請求項13】上記電子検出装置において、上記シンチ
    レータと上記受光面は光ファイバプレートを介して積層
    されていることを特徴とする請求項12に記載の電子顕
    微鏡。
  14. 【請求項14】上記電子検出装置において、上記受光面
    は多数個の光検出素子が縦横に配列して形成され、該多
    数個の検出素子は夫々の動作を独立に制御できることを
    特徴とする請求項12又は請求項13に記載の電子顕微
    鏡。
  15. 【請求項15】上記電子線検出装置は、電子/光変換用
    シンチレータを含む光学系からなる電子線検出部と、上
    記受光面としての光導電膜、電子線偏向電極、並びに電
    子銃から成る撮像素子とで構成され、上記電子銃から放
    射され電子線は上記電子線偏向電極により上記電子検出
    器制御装置で設定された上記受光面における上記検出領
    域に対応させて上記光導電膜に走査しながら照射される
    ことを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれか
    一に記載の電子顕微鏡。
  16. 【請求項16】上記撮像素子の上記電子線偏向電極によ
    る上記光導電膜に照射される電子線の走査は、上記電子
    光学系により上記試料に走査しながら照射される電子線
    の該試料における照射位置に対応して、上記試料で散
    乱、回折、反射もしくは透過した電子の設定検出角度範
    囲で行なわれることを特徴とする請求項15に記載の電
    子顕微鏡。
  17. 【請求項17】上記撮像素子の上記電子銃からの電子線
    放射動作は、上記試料に照射されるの電子線の照射がパ
    ルス状の場合には、該パルスに同期して該電子線放射動
    作を間歇的に行なうことを特徴とする請求項15に記載
    の電子顕微鏡用電子線検出装置。
  18. 【請求項18】電子線源と、該電子線源から放射される
    電子線を試料に照射する電子光学系と、該試料を保持す
    る試料ホルダと、該試料から出射する電子線を検出する
    電子検出装置とからなり、上記電子検出装置は、上記試
    料からの電子線を光子に変換するシンチレータと、該シ
    ンチレータで発生する光子を検出するアバランシェ型撮
    像素子とで構成されることを特徴とする電子顕微鏡。
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