[go: up one dir, main page]

JPH08285875A - 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置 - Google Patents

周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置

Info

Publication number
JPH08285875A
JPH08285875A JP11650495A JP11650495A JPH08285875A JP H08285875 A JPH08285875 A JP H08285875A JP 11650495 A JP11650495 A JP 11650495A JP 11650495 A JP11650495 A JP 11650495A JP H08285875 A JPH08285875 A JP H08285875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electro
optical element
voltage
light
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11650495A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Ishii
哲 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP11650495A priority Critical patent/JPH08285875A/ja
Publication of JPH08285875A publication Critical patent/JPH08285875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 温度変化があっても光位相偏移2πに相当す
る電圧振幅値を常に維持でき、これにより温度依存性の
ない安定した周波数シフターを得ると共に高精度で信頼
性の高い光学式変位計測装置を得ること。 【構成】 電圧によって屈折率が変化する電気光学素子
10と、該電気光学素子10に形成した電極を介して該
電気光学素子10に鋸歯状波電圧を印加する電源手段と
を有し、該電源手段からの鋸歯状波電圧によって該電気
光学素子10を透過する光束に周波数変調を与える周波
数シフター101において、該鋸歯状波電圧に所定の温
度依存性を持たせていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数シフター及びそ
れを用いた光学式変位計測装置に関し、特に移動する物
体や流体(以下「移動物体」と称する)の変位情報を、
移動物体の移動速度に応じてドップラーシフトを受けた
散乱光の周波数の偏移を検知することにより非接触で測
定する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、移動物体の変位情報を非接触
且つ高精度に測定する装置として、レーザードップラー
速度計やレーザーエンコーダー(光学式変位計測装置)
が使用されている。レーザードップラー速度計では、移
動物体にレーザー光を照射し、移動物体による散乱光の
周波数が、移動速度に比例して偏移(シフト)する効果
(ドップラー効果)を利用して、移動物体の移動速度を
測定している。
【0003】このようなレーザードップラー速度計を本
出願人は、例えば特開平2−262064号公報,特開
平4−230885号公報等で提案している。これらの
速度計では移動物体の移動方向の検出は行っておらず、
また移動物体の速度が0に近い場合は検出が難しくなる
傾向があった。
【0004】レーザードップラー速度計において、電気
光学結晶の平板(以後「電気光学素子」と略称する)を
使用した周波数シフターを2光束の光路に設置し、該周
波数シフターにより2光束間に所定の周波数差を与えて
移動物体に入射させ、これにより移動物体の移動方向及
び移動速度が0に近い場合であっても精度良く検出する
ことができる方法がFoord 逹により発表されている(Ap
pl. Phys.,Vol.7,1974,136〜 139) 。
【0005】ここで電気光学結晶とは印加する電界によ
り媒体の屈折率が変化するもので、例えば三方晶系3m
のLiNbO3やLiTaO3,正方晶系42mの(N
H4)H2PO4(ADP),KH2PO4(KDP)
等がある。
【0006】Foordらによれば、移動物体の速度が遅い
場合でも、周波数シフターを用いて2光束間に与える周
波数差を適当な値に設定することにより、移動物体の速
さが0に近い場合であっても測定でき、又その速度方向
も同時に測定できるようにしている。
【0007】周波数シフターに用いる電気光学結晶では
該電気光学結晶に印加する電圧の単位時間当りの変化量
ΔEを一定にすると、電気光学結晶を透過後の光は単位
時間あたりの位相変化量Δφが一定となる。これにより
周波数シフターとしての機能を発揮させている。現実に
は電圧を常に一定に変化させることは困難(電圧が無限
大になる)な為に、図12のように鋸歯状波電圧で駆動
している。
【0008】この際、鋸歯状波の電圧振幅が光位相偏移
2πに相当する値で電圧が立ち下がるようにしておけば
光位相が不連続になることがなく、電圧を常に一定に変
化させたことと等価な結果が得られる。尚、鋸歯状波の
電圧振幅は光位相偏移が2πになる値だけでなく、2π
の整数倍に相当する値であれば同じ効果を得ることがで
きるが、通常は電圧値が大きくなる為位相偏移2πの電
圧を利用している。
【0009】尚、鋸歯状波電圧での駆動には図13のよ
うな回路構成が用いられている。この場合の各部の電圧
波形を図14に示す。図13において21は定電流回
路、22はトランジスタやFET等のスイッチ素子、2
3は発振回路、24はパルス発生回路、25は電気光学
結晶である。電気光学結晶25は電気的には容量性素子
(キャパシタ)とみなすことができるので、これに定電
流回路21から一定の電流を供給し、電荷をチャージす
ると電気光学結晶25に印加される電圧はリニアに上昇
する。
【0010】一方、パルス発生回路24でスイッチ素子
22を瞬間的にオンさせることによって電気光学結晶2
5をディスチャージすることができ、電気光学結晶25
に印加される電圧は略ゼロまで低下する。これを繰り返
すことによって電気光学結晶25に印加される電圧は鋸
歯状波となる。発振回路23で発生させたクロック(後
で述べる周波数frに相当)に同期してスイッチ素子2
2を一瞬だけオンさせるようにパルス発生回路24を構
成することによって鋸歯状波による駆動が繰り返され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一般にレ−ザ−等の可
干渉性の高い光束を物体に照射すると、物体表面の微細
な凹凸により生ずる散乱光はランダムな位相変調を受け
て観察面上に斑点模様、いわゆるスペックルパタ−ンを
形成する。レ−ザ−ドップラ−速度計においては、移動
物体が移動すると、散乱光の検出用の光検出器の検出面
上でのドップラ−シフトによる明暗の変化が、スペック
ルパタ−ンの流れによる不規則な明暗の変化で変調さ
れ、また、光検出器からの出力信号は被検物体の透過率
(あるいは反射率)の変化によっても変調を受ける。
【0012】レ−ザ−ドップラ−速度計では、一般にス
ペックルパタ−ンの流れによる明暗の変化の周波数およ
び移動物体の透過率(あるいは反射率)の変化の周波数
が変位情報に基づくドップラ−周波数に比べて低い。こ
のため、光検出器からの出力をハイパスフィルタ−に通
して低周波成分を電気的に除去し、ドップラ−信号のみ
を取り出す方法が用いられている。
【0013】しかし移動物体の速度が遅くてドップラ−
周波数が低くなると、これと低周波変動成分との周波数
差が小さくなり、ハイパスフィルタ−が使えず移動物体
の変位情報を精度良く測定することが難しいという問題
点が生じてくる。また、速度方向は原理的に検出できな
い。
【0014】これに対してFoord 達が発表した前述の方
法(周波数シフター)は、2光束を移動物体に照射する
前に2光束に所定の周波数差を付けて、移動物体の静止
状態及び速度方向も含めて測定を可能としている。
【0015】周波数シフターの構成としては種々ある
が、例えば電気光学結晶を適用する場合、電気光学結晶
の常屈折率no、異常屈折率neが温度により大きく変わっ
てくる。特に、電気光学結晶はその屈折率が温度に非常
に敏感である。この為、電気光学素子の僅かな温度差や
温度勾配で周波数シフトが不安定になる。また、光束通
過部で温度勾配が生ると光束波面が歪み、厳密な干渉系
を組む事が難しくなってくる。
【0016】図6は光位相偏移2πに相当する電圧振幅
値の温度特性をある電気光学結晶について実験で求めた
例である。図6に示すように、光位相偏移2πに相当す
る電圧は温度特性を有している為、温度条件が変化する
と光位相偏移2πに相当する電圧値と実際の電圧振幅値
とが一致しなくなって光位相が不連続になり、正確な速
度情報を得られなくなるという問題点が生じてくる。
【0017】本発明は、電気光学結晶の駆動手段の鋸歯
状波電圧の振幅に適当な温度依存性を持たせることによ
って電気光学結晶の温度特性をキャンセルし、温度変化
があっても光位相偏移2πに相当する電圧振幅値を常に
維持できるようにし、温度依存性のない安定した周波数
シフターを得ると共にこれを用いて高精度な速度情報の
検出が可能な光学式計測装置の提供を目的とする。
【0018】この他本発明は、移動物体を照射する2光
束に周波数差を付与する周波数シフターを構成する電気
光学素子に印加する鋸歯状波電圧に温度依存性を持たせ
ることにより、温度変化に対して精度の安定した周波数
シフターを達成し、これを使用して2光束に適切な周波
数差を付与し、移動物体の速度が遅い場合であっても変
位情報を高精度に検出することができる周波数シフター
及びそれを用いた光学式変位計測装置を達成することが
できる。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の周波数シフター
は、 (1)電圧によって屈折率が変化する電気光学素子と、
該電気光学素子に形成した電極を介して該電気光学素子
に鋸歯状波電圧を印加する電源手段とを有し、該電源手
段からの鋸歯状波電圧によって該電気光学素子を透過す
る光束に周波数変調を与える周波数シフターにおいて、
該鋸歯状波電圧に所定の温度依存性を持たせていること
を特徴としている。
【0020】特に、前記鋸歯状波電圧は電気光学素子を
定電流回路でチャージして印加電圧を上昇させた後、瞬
時にディスチャージすることを所定の周期で繰り返すこ
とによって得ていることや、前記定電流回路から流出す
る定電流の温度特性が前記電気光学素子を透過させる光
束の位相偏移が2πn(nは整数)となる電気光学素子
の駆動電圧Eの温度特性と、前記電気光学素子の電極間
容量Cの温度特性とを合成した温度特性を打ち消すよう
に設定したものであること等を特徴としている。
【0021】本発明の光学式変位計測装置は、 (2−1)光源からの光束を光分割部材により2つの光
束に分割し、該2つの光束間に鋸歯状波電圧を印加する
ことにより屈折率が変化する電気光学素子と該電気光学
素子に鋸歯状波電圧を印加する電源手段、そして該電源
手段からの鋸歯状波電圧の振幅に温度依存性を持たせる
温度特性付加手段とを有する周波数シフターを利用して
周波数差を付与し、該周波数差を付与した2光束を移動
物体に入射させ、該移動物体でドップラーシフトを受け
た散乱光を検出手段で検出することにより該移動物体の
変位情報を検出することを特徴としている。
【0022】特に、前記鋸歯状波電圧は電気光学素子を
定電流回路でチャージして印加電圧を上昇させた後、瞬
時にディスチャージすることを所定の周期で繰り返すこ
とによって得ていることや、前記定電流回路から流出す
る定電流の温度特性が前記電気光学素子を透過させる光
束の位相偏移が2πn(nは整数)となる電気光学素子
の駆動電圧Eの温度特性と、前記電気光学素子の電極間
容量Cの温度特性とを合成した温度特性を打ち消すよう
に設定したものであること等を特徴としている。
【0023】(2−2)光源からの光束を光分割部材に
より2つの光束に分割し、該2つの光束のうち少なくと
も1つの光束を電源手段からの鋸歯状波電圧の印加によ
り屈折率が変化する電気光学素子を介して、該2つの光
束間に周波数差を付与する際、温度特性付加手段により
該鋸歯状波電圧の振幅に温度依存性を持たせており、該
周波数差を付与した2光束を移動物体に入射させ、該移
動物体でドップラーシフトを受けた散乱光を検出手段で
検出することにより該移動物体の変位情報を検出するこ
とを特徴としている。
【0024】(2−3)光源からの光束を光分割部材に
より2つの光束に分割し、該2つの光束を各々、別個に
設けた電源手段からの印加電圧により屈折率が変化する
電気光学素子を介して、該2つの光束間に周波数差を付
与する際、少なくとも一方の電気光学素子には温度特性
付加手段により振幅に温度依存性を有した鋸歯状波電圧
を印加しており、該周波数差を付与した2光束を移動物
体に入射させ、該移動物体でドップラーシフトを受けた
散乱光を検出手段で検出することにより該移動物体の変
位情報を検出することを特徴としている。
【0025】特に構成(2−2),(2−3)におい
て、前記鋸歯状波電圧は電気光学素子を定電流回路でチ
ャージして印加電圧を上昇させた後、瞬時にディスチャ
ージすることを所定の周期で繰り返すことによって得て
いることや、前記定電流回路から流出する定電流の温度
特性が前記電気光学素子を透過させる光束の位相偏移が
2πn(nは整数)となる電気光学素子の駆動電圧Eの
温度特性と、前記電気光学素子の電極間容量Cの温度特
性とを合成した温度特性を打ち消すように設定したもの
であること等を特徴としている。
【0026】
【実施例】図1は、本発明の周波数シフター及びそれを
用いた光学式変位測定装置の実施例1の要部斜視図であ
る。
【0027】図中、1はレーザー光源、2はコリメータ
ー、4はビームスプリッター、6a〜6dはミラー、7
は速度を計測する速度V0で移動する移動物体、8は集
光レンズ、9は光検出器である。101は本発明の周波
数シフターであり、2つの電気光学素子10(10a,
10b)とその駆動回路102を有している。
【0028】本実施例では電気光学素子10に印加する
鋸歯状波電圧の振幅に後述する方法により適当な温度特
性を持たせることによって電気光学素子10の温度特性
を補正し、温度変化があっても光位相偏移2πに相当す
る電圧振幅値が常に維持できるようにしている。これに
より温度依存性のない安定した周波数シフターを得てい
る。
【0029】まず図1の光学式変位測定装置において移
動物体7の速度情報を検出する際の動作について説明す
る。図1においてレーザー1から出射したレーザー光
は、コリメーターレンズ2によって平行光束3となり、
ビームスプリッター4によって光束5aと光束5bに分
割する。光束5a(5b)はミラー6a(6b)で反射
したのち、共にZ軸に偏光方向を持つ光束で電気光学素
子10に入射し、光束5aのみが周波数シフター101
で周波数シフトを受ける。周波数シフター101を出射
した光束5a(5b)はミラー6c(6d)で反射し
て、速度V0で矢印の方向に移動している移動物体7に
入射角θで入射する。
【0030】移動物体7からの散乱光は、集光レンズ8
を介して光検出器9で検出される。2光束5a,5bに
よる散乱光の周波数は、移動速度V0 に比例して各々
+,−fのドップラーシフトを受ける。ここで、レーザ
ー光の波長をλとすれば、周波数fは次の(1)式で表
すことができる。
【0031】 f=V0・sin(θ)/λ ‥‥‥(1) 周波数+f、−fのドップラーシフトを受けた散乱光
は、互いに干渉しあって光検出器9の受光面での明暗の
変化をもたらし、その明暗の周波数Fは電気光学素子1
0による2光束の周波数差をfRとすると次の(2)式
で与えられる。
【0032】 F=2・f=2・V0・sin(θ)/λ+fR ‥‥‥(2) そこで光検出器9からの周波数F(以下ドップラー周波
数と呼ぶ)を測定すれば(2)式から移動物体7の速度
V0 が求められる。そして、移動物体7の速度V0が
遅い場合でも、周波数差fRを適当な値に設定すれば、
前記のスペックルパタ−ンの流れや移動物体の透過率
(あるいは反射率)の変化に起因する低周波成分との周
波数差は十分に取ることができ、低周波成分を電気的に
除去してドップラ−信号のみを取り出すことにより、そ
の場合でも速度検出が可能となる。
【0033】ここで、例えば電気光学素子10の形状を
厚さd=1mm,長さa=20mmとし、レーザー波長
をλ=780nmとすると、電圧振幅V=230Vol
tにすれば2光束の位相差が2πとなり、周波数fRで
セロダイン駆動すると、fRだけ周波数シフトする。
【0034】次に本発明の周波数シフター101の構成
の特徴について説明する。図1において10aは電気光
学結晶LiNb03の平板(電気光学素子)である。1
1a,11bは電気光学素子10aの両面につけた電極
であり、この電極11(11a,11b)は後述する光
束5aの透過部に電界を掛ける様にしてある。
【0035】図2は、本実施例における電気光学素子1
0を用いた周波数シフターの動作説明図である。電気光
学結晶とは印加する電界により媒体の屈折率が変化する
もので、例えば、三方晶系3mのLiNb03やLiT
a0、正方晶系42mの(NH4)H2PO4(AD
P),KH2PO4(KDP)等がある。以下にLiN
b03を例にとり説明する。LiNb03(3m)の屈
折率楕円体は次式で表される。
【0036】
【数1】 よって単位時間あたりの変化電圧Vを一定にすると、L
iNb03透過後の光は単位時間あたりの位相変化量が
一定となる。つまり、周波数シフターとなる。現実に
は、電圧を常に一定に変化させると電圧が無限大になる
ために、図3の様な鋸歯波(セロダイン)駆動を行う。
その際、立ち下がり部で光位相が非連続にならない様に
一つの電圧振幅が光位相2πに相当する値で駆動させ
る。
【0037】図4は本実施例において電気光学素子10
に鋸歯状波電圧を印加する駆動回路102の説明図であ
る。同図において25は電気光学素子(電気光学結晶)
を示している。
【0038】本実施例では電気光学素子25に印加する
鋸歯状波電圧を定電流回路21でチャージして印加電圧
を上昇させた後に、瞬時にディスチャージすることを所
定の周期で繰り返すことによって得ている。
【0039】本実施例において定電流回路21から流出
する定電流値をI、電気光学結晶25のキャパシタンス
をCとすると、電気光学結晶25の両端電圧は単位時間
当りI/Cの傾斜で上昇する。この為、光位相偏移2π
の時点で電圧を落とす(ディスチャージする)為には次
式が成立していなければならない。
【0040】 E/(I/C)=1/f ‥‥‥(4) ここで、fは発振回路23での発振周波数、Eは電気光
学結晶25の光位相偏移2πに相当する電圧である。こ
れを変形すると次式となる。
【0041】 I=CEf ‥‥‥(5) ここで発振周波数fは基準となる為、通常は温度特性を
もたないよう設計されている。キャパシタンスC及び電
圧Eは夫々材料によって固有の温度特性を有する。
【0042】本実施例では定電流値Iの温度特性をこの
(C×E)の温度特性と等しく設定することによって温
度変化にかかわらず、(5)式を成立させている。これ
によって光位相偏移2πに相当する電圧振幅値を常に維
持することができ、温度依存性のない周波数シフターを
実現している。
【0043】図4を用いて具体的手法について説明す
る。同図において定電流回路21はトランジスタQ1,
定電圧ダイオードD1,抵抗R1,抵抗R2より成って
おり、正電源Vccが供給されている。
【0044】ここでトランジスタQ1のコレクタより流
出する定電流値Iは次式で近似される。
【0045】 I≒(Vz−Vbe)/R1 ‥‥‥(6) Vzは定電圧ダイオードD1のツェナー電圧、Vbeは
トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧である。温
度特性を考えてみると抵抗R1は通常±数100ppm
/℃以下と小さいので、無視できる。ベース・エミッタ
間電圧Vbeの温度特性は、一般に約−2mV/℃であ
る。又定電圧ダイオードD1のツェナー電圧Vzは図5
のような温度特性を有している。
【0046】そこで本実施例では適当な定電圧ダイオー
ドD1を選択することによって定電流値Iに所望の温度
特性を持たせている。
【0047】以下、図6のような温度特性を有する電気
光学結晶を考えると光位相偏移2πに相当する電圧の温
度係数はおよそ−0.088%/℃となっている。又こ
の電気光学結晶のキャパシタンスの温度係数は図7に示
すように、およそ+0.064%/℃となっている。
【0048】そこで本実施例では定電流回路21から流
出する定電流値Iの温度係数を2つの温度係数の和(−
0.024%/℃)に近い値に設計することにより鋸歯
状波の振幅に温度依存性をもたせ、電圧振幅が光位相偏
移2πに相当する値に合致した状態を常に維持するよう
にしている。
【0049】この場合、実際には定電圧ダイオードD1
にツェナ電圧2.7V程度の素子を用いることによりV
z=2.7,Vbe≒0.6V,Vzの温度係数がおよ
そ−2.5mV/℃,Vbeの温度係数が約−2mV/
℃なので(6)式より I≒(2.7−0.6)/R1=2.1/R1 ‥‥‥(7) が得られる。(Vz−Vbe)の温度係数は −2.5−(−2)=−0.5〔mV/℃〕 ‥‥‥(8) なので電流Iの温度係数は −0.5〔mV/℃〕/2.1〔V〕×100=−0.024〔%/℃〕 ‥‥‥(9) となる。即ち、電気光学結晶の光位相偏移2πに相当す
る電圧の温度係数−0.088%/℃とキャパシタンス
の温度係数+0.064%/℃とを合成した温度特性を
電流Iの温度係数により略キャンセルしている。なお、
ツェナ電圧の温度特性は定電圧ダイオードに流す電流値
によっても若干異なる為、電流値も考慮して設計する必
要がある。
【0050】このように、本実施例では鋸歯状波電圧に
適当な温度係数を持たせることにより温度変化があって
も光位相偏移2πに相当する電圧振幅値を常に維持する
ようにしている。
【0051】本実施例はこれにより温度依存性のない安
定な周波数シフターを得ることができ、これにより高精
度な速度検出装置を実現している。
【0052】本発明において鋸歯状波の電圧振幅に温度
特性を持たせる方法としては、上記実施例に限定される
ことなく、様々な方法が適用可能である。又使用する電
気光学結晶の特性に応じて温度特性も設定を変えるのが
良く、本発明では個々にそれに適した回路で行ってい
る。
【0053】図8〜図11は本発明において鋸歯状波電
圧に温度特性を持たせるときの他の実施例の回路説明図
である。
【0054】図8は実施例1と同様に定電圧ダイオード
D1とダイオードDaやトランジスタQ1の温度特性を
用いた例である。ダイオードの温度特性も約−2mV/
℃なのでこの使用個数によって温度特性を調整してい
る。
【0055】図9は定電圧ダイオードD1の温度特性を
利用した回路であり、主に駆動用トランジスタQ1の温
度特性の影響が現れないようにしたものである。この回
路は定電圧ダイオードの温度特性のみを考慮して設計で
きるので応用しやすいという特長がある。
【0056】図10はサーミスタRthを用いた回路例で
ある。図に対して逆の温度特性を持たせたい場合にはト
ランジスタQ1のエミッタ側にサーミスタを用いること
も考えられる。
【0057】図11はより実用的な回路例である。この
例ではノイズを削減したり、定電流回路の出力インピー
ダンスを上げたり、トランジスタQ1のベース・コレク
タ間の容量の影響を除去したりする為の工夫が盛り込ま
れている。トランジスタQ1のベースと電源Vccとの
間にコンデンサC1やカスコード接続されたトランジス
タQ2が上記目的で採用されているが、何れも本発明の
主旨を逸脱するものではない。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、電気光学
結晶の駆動手段の鋸歯状波電圧の振幅に適当な温度依存
性を持たせることによって電気光学結晶の温度特性をキ
ャンセルし、温度変化があっても光位相偏移2πに相当
する電圧振幅値を常に維持できるようにし、温度依存性
のない安定した周波数シフターを得ると共にこれを用い
て高精度な速度情報の検出が可能な光学式計測装置を達
成することができる。
【0059】又、本発明によれば移動物体を照射する2
光束に周波数差を付与する周波数シフターを構成する電
気光学素子に印加する鋸歯状波電圧に温度依存性を持た
せることにより、温度変化に対して精度の安定した周波
数シフターを達成し、これを使用して2光束に適切な周
波数差を付与し、移動物体の速度が遅い場合であっても
変位情報を高精度に検出することができる周波数シフタ
ー及びそれを用いた光学式変位計測装置を達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の要部斜視図
【図2】図1の位相シフターの説明図
【図3】鋸歯状波電圧と電気光学素子の位相偏移の説明
【図4】本発明の実施例1の駆動回路の説明図
【図5】定電圧ダイオードの温度特性の説明図
【図6】位相偏移と印加電圧の温度特性の説明図
【図7】電気光学素子の電極間容量の温度特性の説明図
【図8】周波数シフターに用いる定電流回路の説明図
【図9】周波数シフターに用いる定電流回路の説明図
【図10】周波数シフターに用いる定電流回路の説明図
【図11】周波数シフターに用いる定電流回路の説明図
【図12】鋸歯状波電圧と電気光学素子の位相偏移の説
明図
【図13】電気光学素子と鋸歯状波電圧で駆動させると
きのブロック図
【図14】図13における電圧波形の説明図
【符号の説明】
1 レーザーダイオード 2 コリメーターレンズ 3,5a,5b レーザー光束 4 ビームスプリッター 6a,6b ミラー 7 被測定物体 8 集光レンズ 9 受光素子 10a,10b 電気光学結晶 21 定電流回路 22 発振回路 23 パルス発生回路 24 スイッチ素子 25 電気光学結晶

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧によって屈折率が変化する電気光学
    素子と、該電気光学素子に形成した電極を介して該電気
    光学素子に鋸歯状波電圧を印加する電源手段とを有し、
    該電源手段からの鋸歯状波電圧によって該電気光学素子
    を透過する光束に周波数変調を与える周波数シフターに
    おいて、該鋸歯状波電圧に所定の温度依存性を持たせて
    いることを特徴とする周波数シフター。
  2. 【請求項2】 前記鋸歯状波電圧は電気光学素子を定電
    流回路でチャージして印加電圧を上昇させた後、瞬時に
    ディスチャージすることを所定の周期で繰り返すことに
    よって得ていることを特徴とする請求項1の周波数シフ
    ター。
  3. 【請求項3】 前記定電流回路から流出する定電流の温
    度特性が前記電気光学素子を透過させる光束の位相偏移
    が2πn(nは整数)となる電気光学素子の駆動電圧E
    の温度特性と、前記電気光学素子の電極間容量Cの温度
    特性とを合成した温度特性を打ち消すように設定したも
    のであることを特徴とする請求項2の周波数シフター。
  4. 【請求項4】 光源からの光束を光分割部材により2つ
    の光束に分割し、該2つの光束間に鋸歯状波電圧を印加
    することにより屈折率が変化する電気光学素子と該電気
    光学素子に鋸歯状波電圧を印加する電源手段、そして該
    電源手段からの鋸歯状波電圧の振幅に温度依存性を持た
    せる温度特性付加手段とを有する周波数シフターを利用
    して周波数差を付与し、該周波数差を付与した2光束を
    移動物体に入射させ、該移動物体でドップラーシフトを
    受けた散乱光を検出手段で検出することにより該移動物
    体の変位情報を検出することを特徴とする光学式変位計
    測装置。
  5. 【請求項5】 前記鋸歯状波電圧は電気光学素子を定電
    流回路でチャージして印加電圧を上昇させた後、瞬時に
    ディスチャージすることを所定の周期で繰り返すことに
    よって得ていることを特徴とする請求項4の光学式変位
    計測装置。
  6. 【請求項6】 前記定電流回路から流出する定電流の温
    度特性が前記電気光学素子を透過させる光束の位相偏移
    が2πn(nは整数)となる電気光学素子の駆動電圧E
    の温度特性と、前記電気光学素子の電極間容量Cの温度
    特性とを合成した温度特性を打ち消すように設定したも
    のであることを特徴とする請求項5の光学式変位計測装
    置。
  7. 【請求項7】 光源からの光束を光分割部材により2つ
    の光束に分割し、該2つの光束のうち少なくとも1つの
    光束を電源手段からの鋸歯状波電圧の印加により屈折率
    が変化する電気光学素子を介して、該2つの光束間に周
    波数差を付与する際、温度特性付加手段により該鋸歯状
    波電圧の振幅に温度依存性を持たせており、該周波数差
    を付与した2光束を移動物体に入射させ、該移動物体で
    ドップラーシフトを受けた散乱光を検出手段で検出する
    ことにより該移動物体の変位情報を検出することを特徴
    とする光学式変位計測装置。
  8. 【請求項8】 光源からの光束を光分割部材により2つ
    の光束に分割し、該2つの光束を各々、別個に設けた電
    源手段からの印加電圧により屈折率が変化する電気光学
    素子を介して、該2つの光束間に周波数差を付与する
    際、少なくとも一方の電気光学素子には温度特性付加手
    段により振幅に温度依存性を有した鋸歯状波電圧を印加
    しており、該周波数差を付与した2光束を移動物体に入
    射させ、該移動物体でドップラーシフトを受けた散乱光
    を検出手段で検出することにより該移動物体の変位情報
    を検出することを特徴とする光学式変位計測装置。
  9. 【請求項9】 前記鋸歯状波電圧は電気光学素子を定電
    流回路でチャージして印加電圧を上昇させた後、瞬時に
    ディスチャージすることを所定の周期で繰り返すことに
    よって得ていることを特徴とする請求項7又は8の光学
    式変位計測装置。
  10. 【請求項10】 前記定電流回路から流出する定電流の
    温度特性が前記電気光学素子を透過させる光束の位相偏
    移が2πn(nは整数)となる電気光学素子の駆動電圧
    Eの温度特性と、前記電気光学素子の電極間容量Cの温
    度特性とを合成した温度特性を打ち消すように設定した
    ものであることを特徴とする請求項9の光学式変位計測
    装置。
JP11650495A 1995-04-18 1995-04-18 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置 Pending JPH08285875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11650495A JPH08285875A (ja) 1995-04-18 1995-04-18 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11650495A JPH08285875A (ja) 1995-04-18 1995-04-18 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08285875A true JPH08285875A (ja) 1996-11-01

Family

ID=14688781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11650495A Pending JPH08285875A (ja) 1995-04-18 1995-04-18 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08285875A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013528834A (ja) * 2010-06-03 2013-07-11 ドイツ連邦共和国 事前設定可能な周波数値を有する位相コヒーレントな光場を形成する方法および光周波数シンセサイザ
WO2016043036A1 (ja) * 2014-09-17 2016-03-24 三菱電機株式会社 光周波数制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013528834A (ja) * 2010-06-03 2013-07-11 ドイツ連邦共和国 事前設定可能な周波数値を有する位相コヒーレントな光場を形成する方法および光周波数シンセサイザ
WO2016043036A1 (ja) * 2014-09-17 2016-03-24 三菱電機株式会社 光周波数制御装置
US10185164B2 (en) 2014-09-17 2019-01-22 Mitsubishi Electric Corporation Optical frequency control device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3491969B2 (ja) 変位情報測定装置
CN101371129B (zh) 表面等离子体共振传感器以及利用其检测样品的方法
JP2962819B2 (ja) 変位測定装置
JPS63300969A (ja) 電圧検出装置
US5754282A (en) Optical device detecting displacement information using a device for frequency-shifting an incident beam and a system for reducing beam diameter in an application direction
JP3513247B2 (ja) 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置
US5815267A (en) Displacement information measuring apparatus in which a light-receiving condition on a photodetector is adjustable
US5774218A (en) Laser Doppler velocimeter with electro-optical crystal
US6034761A (en) Displacement information measuring apparatus
JP2000162517A (ja) ミキシング装置と、これを利用した光波距離計
US5796470A (en) Frequency shifter and optical displacement measuring apparatus using the frequency shifter
US3708229A (en) System for measuring optical path length across layers of small thickness
JPS6371674A (ja) レ−ザ−測距装置
JPH08304430A (ja) 周波数シフタ及びそれを用いた光学式変位計測装置
JPH08285875A (ja) 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置
JP2937397B2 (ja) 光波距離計
JP3492024B2 (ja) 周波数シフター及びそれを用いた光学式変位計測装置
JP3566392B2 (ja) 変位情報測定装置
JPH08233940A (ja) 光学式変位計測装置
JP3486479B2 (ja) 周波数シフタ及びそれを用いた光学式変位計測装置
JP2655647B2 (ja) 光集積回路型干渉計
JPH1062115A (ja) レーザ干渉計
Wu et al. New method of large-scale absolute distance measurement
SU767512A1 (ru) Устройство дл измерени линейных микроперемещений поверхностей
SU645020A1 (ru) Способ измерени параметров угловой модул ции оптического излучени