JPH08283084A - 多孔質炭素板の製造方法 - Google Patents
多孔質炭素板の製造方法Info
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- JPH08283084A JPH08283084A JP7083798A JP8379895A JPH08283084A JP H08283084 A JPH08283084 A JP H08283084A JP 7083798 A JP7083798 A JP 7083798A JP 8379895 A JP8379895 A JP 8379895A JP H08283084 A JPH08283084 A JP H08283084A
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- papermaking
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B38/00—Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
- C04B38/0022—Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof obtained by a chemical conversion or reaction other than those relating to the setting or hardening of cement-like material or to the formation of a sol or a gel, e.g. by carbonising or pyrolysing preformed cellular materials based on polymers, organo-metallic or organo-silicon precursors
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/00474—Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 通常の抄紙法および含浸法を用い、リン酸電
解液保持性およびガス透過性に優れた気孔径勾配を有す
る多孔質炭素板の安価な製造方法を提供。 【構成】 繊度が0.01〜30デニールおよび繊維長
が0.2〜15mmの炭素繊維製造用有機繊維20〜9
5重量部、およびパルプ5〜80重量部を用いて、緊度
0.1〜0.5g/cm3の範囲で、緊度の異なる抄紙
シートを少なくとも二種類作成し、有機高分子物質の溶
液を含浸し、乾燥した含浸シートを作成する。次に緊度
の最も小さい抄紙シートより作成した含浸シートと、緊
度の最も大きい抄紙シートとの間に、抄紙シートの緊度
の小さい順に含浸シートを積層して積層シートを作成
し、熱プレス処理後、空気中で酸化処理し、不活性ガス
雰囲気中で800℃以上の温度で加熱炭化処理する工程
よりなる。
解液保持性およびガス透過性に優れた気孔径勾配を有す
る多孔質炭素板の安価な製造方法を提供。 【構成】 繊度が0.01〜30デニールおよび繊維長
が0.2〜15mmの炭素繊維製造用有機繊維20〜9
5重量部、およびパルプ5〜80重量部を用いて、緊度
0.1〜0.5g/cm3の範囲で、緊度の異なる抄紙
シートを少なくとも二種類作成し、有機高分子物質の溶
液を含浸し、乾燥した含浸シートを作成する。次に緊度
の最も小さい抄紙シートより作成した含浸シートと、緊
度の最も大きい抄紙シートとの間に、抄紙シートの緊度
の小さい順に含浸シートを積層して積層シートを作成
し、熱プレス処理後、空気中で酸化処理し、不活性ガス
雰囲気中で800℃以上の温度で加熱炭化処理する工程
よりなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質炭素板の新規な
製造方法に関するものである。更に詳しく述べると、炭
素繊維製造用有機繊維およびパルプを混合し、抄紙した
抄紙シートから含浸シートを得、緊度の最も小さい抄紙
シートから得た含浸シート上に、緊度の大きい抄紙シー
トから得た含浸シートを順次積層し、熱プレス処理後、
炭化処理することにより、耐薬品性、電気伝導性、ガス
透過性および強度の優れた嵩高な厚手の多孔質炭素板で
あって、厚さ方向に気孔径が変化する多孔質炭素板を製
造する方法に関するものである。
製造方法に関するものである。更に詳しく述べると、炭
素繊維製造用有機繊維およびパルプを混合し、抄紙した
抄紙シートから含浸シートを得、緊度の最も小さい抄紙
シートから得た含浸シート上に、緊度の大きい抄紙シー
トから得た含浸シートを順次積層し、熱プレス処理後、
炭化処理することにより、耐薬品性、電気伝導性、ガス
透過性および強度の優れた嵩高な厚手の多孔質炭素板で
あって、厚さ方向に気孔径が変化する多孔質炭素板を製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、気孔径勾配をもつ多孔質炭素板を
得る方法としては、特開昭59−46763号公報に粗
密の2層構造をもたせるため、焼成後に粗または密にな
る2種類のシートを、焼成前に粗なシートおよび密なシ
ートの2枚を積層し、プレス成形した後、焼成した2層
構造をもつ多孔質炭素板が知られている。本発明者ら
は、特開昭61−195875号公報で湿式抄紙法によ
る方法を開示したが、この方法では2層構造の多孔質板
しか得られず、充分なりん酸電解液保持性およびガス透
過性があり、軽量で、曲げ強度の高い多孔質炭素板は得
られなかった。
得る方法としては、特開昭59−46763号公報に粗
密の2層構造をもたせるため、焼成後に粗または密にな
る2種類のシートを、焼成前に粗なシートおよび密なシ
ートの2枚を積層し、プレス成形した後、焼成した2層
構造をもつ多孔質炭素板が知られている。本発明者ら
は、特開昭61−195875号公報で湿式抄紙法によ
る方法を開示したが、この方法では2層構造の多孔質板
しか得られず、充分なりん酸電解液保持性およびガス透
過性があり、軽量で、曲げ強度の高い多孔質炭素板は得
られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
であるりん酸電解液保持性やガス透過性を改良すると共
に、気孔径勾配を付与した多孔質炭素板が、通常用いら
れる抄紙法によるシート化設備および含浸法による含浸
シート化設備を用い、電気伝導性が高く、耐薬品性に優
れた高品質の多孔質炭素板を安価に製造方法を提供する
ことを目的とする。
であるりん酸電解液保持性やガス透過性を改良すると共
に、気孔径勾配を付与した多孔質炭素板が、通常用いら
れる抄紙法によるシート化設備および含浸法による含浸
シート化設備を用い、電気伝導性が高く、耐薬品性に優
れた高品質の多孔質炭素板を安価に製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊度が0.0
1〜30デニールおよび繊維長が0.2〜15mmの炭
素繊維製造用有機繊維20〜95重量部、およびパルプ
5〜80重量部を用いて緊度0.1〜0.5g/cm3
の範囲で、緊度の異なる抄紙シートを少なくとも二種類
作成する工程、該抄紙シートを有機高分子物質の溶液を
含浸し、乾燥した含浸シートを作成する工程、緊度の最
も小さい抄紙シートより作成した含浸シートと、緊度の
最も大きい抄紙シートより作成した含浸シートとの間
に、抄紙シートの緊度の小さい順に含浸シートを積層
し、積層シートを作成する工程、該積層シートを熱プレ
ス処理後、空気中で酸化処理して前駆体シートを作成す
る工程、および該前駆体シートを不活性ガス雰囲気中で
800℃以上の温度で加熱炭化処理させる工程、を含ん
で成ることを特徴とする多孔質炭素板の製造方法によっ
て達成される。
1〜30デニールおよび繊維長が0.2〜15mmの炭
素繊維製造用有機繊維20〜95重量部、およびパルプ
5〜80重量部を用いて緊度0.1〜0.5g/cm3
の範囲で、緊度の異なる抄紙シートを少なくとも二種類
作成する工程、該抄紙シートを有機高分子物質の溶液を
含浸し、乾燥した含浸シートを作成する工程、緊度の最
も小さい抄紙シートより作成した含浸シートと、緊度の
最も大きい抄紙シートより作成した含浸シートとの間
に、抄紙シートの緊度の小さい順に含浸シートを積層
し、積層シートを作成する工程、該積層シートを熱プレ
ス処理後、空気中で酸化処理して前駆体シートを作成す
る工程、および該前駆体シートを不活性ガス雰囲気中で
800℃以上の温度で加熱炭化処理させる工程、を含ん
で成ることを特徴とする多孔質炭素板の製造方法によっ
て達成される。
【0005】本発明に用いる炭素繊維製造用有機繊維と
しては、通常のレーヨン繊維、ピッチ繊維、リグニン繊
維、フェノール樹脂繊維、アクリル繊維等通常炭素繊維
を製造する場合に原料として使用される有機繊維であっ
て、繊度が0.01〜30デニール、好ましくは0.1
〜15デニールであり、かつ繊維長さが0.2〜15m
m、好ましくは0.5〜5mmであるものを目標の緊度
に応じて選択し、単独であるいは2種以上を配合して使
用する。
しては、通常のレーヨン繊維、ピッチ繊維、リグニン繊
維、フェノール樹脂繊維、アクリル繊維等通常炭素繊維
を製造する場合に原料として使用される有機繊維であっ
て、繊度が0.01〜30デニール、好ましくは0.1
〜15デニールであり、かつ繊維長さが0.2〜15m
m、好ましくは0.5〜5mmであるものを目標の緊度
に応じて選択し、単独であるいは2種以上を配合して使
用する。
【0006】抄紙シートの形成には、炭素繊維製造用有
機繊維60〜95重量部およびパルプ5〜40重量部を
混合した紙料を用いて、手抄き、丸網、長網、傾斜ワイ
ヤ等通常の湿式抄紙方法が使用出来、地合の良い抄紙シ
ートを得るには抄紙濃度を低くすれば良い。金網で脱水
した後の強度が弱く、湿紙シート切れが起きるときは、
叩解を進めた天然パルプを加えれば、強度が上がり、湿
紙シート切れが防止出来る。また通常、湿紙抄紙工程で
脱水プレス処理を行なうが、脱水プレス処理を行わなく
てもよい。
機繊維60〜95重量部およびパルプ5〜40重量部を
混合した紙料を用いて、手抄き、丸網、長網、傾斜ワイ
ヤ等通常の湿式抄紙方法が使用出来、地合の良い抄紙シ
ートを得るには抄紙濃度を低くすれば良い。金網で脱水
した後の強度が弱く、湿紙シート切れが起きるときは、
叩解を進めた天然パルプを加えれば、強度が上がり、湿
紙シート切れが防止出来る。また通常、湿紙抄紙工程で
脱水プレス処理を行なうが、脱水プレス処理を行わなく
てもよい。
【0007】通常の湿式抄紙機で使われている多筒式、
ヤンキー式のようなシリンダー型ドライヤー以外に、バ
ンドドライヤー、ハニカムドライヤーのような熱風式ド
ライヤーや、赤外線式ドライヤー等が使用可能である。
熱風式ドライヤーまたは赤外線式ドライヤーを使用する
場合では、抄紙シートが嵩高になり、緊度の小さい抄紙
シートが得られる。
ヤンキー式のようなシリンダー型ドライヤー以外に、バ
ンドドライヤー、ハニカムドライヤーのような熱風式ド
ライヤーや、赤外線式ドライヤー等が使用可能である。
熱風式ドライヤーまたは赤外線式ドライヤーを使用する
場合では、抄紙シートが嵩高になり、緊度の小さい抄紙
シートが得られる。
【0008】抄紙の際、湿紙の引張り強度は弱い場合に
は、必要に応じカンバスまたはフェルトを用いるのが好
ましい。
は、必要に応じカンバスまたはフェルトを用いるのが好
ましい。
【0009】抄紙シートに含浸させる有機高分子物質と
しては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリジビニルベンゼン
のような熱硬化性樹脂、または塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹
脂、アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂、またはリグニ
ン、ピッチまたはタールのようなものが使用される。
しては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリジビニルベンゼン
のような熱硬化性樹脂、または塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹
脂、アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂、またはリグニ
ン、ピッチまたはタールのようなものが使用される。
【0010】これらの有機高分子物質の好ましい性質と
しては、有機溶剤に溶解するかまたは熱処理時の高温で
融解すること、および炭素含有量が30重量%以上であ
って、炭化後、炭素質バインダーとして炭素繊維内の結
合に寄与するものであり、熱硬化性樹脂が好ましい。
しては、有機溶剤に溶解するかまたは熱処理時の高温で
融解すること、および炭素含有量が30重量%以上であ
って、炭化後、炭素質バインダーとして炭素繊維内の結
合に寄与するものであり、熱硬化性樹脂が好ましい。
【0011】前記の有機高分子物質の溶液または分散液
を使用して、抄紙シートを含浸処理し、含浸シートを得
る。抄紙シートに付着する含浸量が少なすぎると、バイ
ンダー効果、および炭化の際の炭化収率が劣り、あまり
過剰になると目づまりのため、気孔率の調整が困難とな
り、かつ多孔質炭素板が脆くなる。好ましい含浸付着量
としては、抄紙シートの重量の20〜160重量%であ
る。
を使用して、抄紙シートを含浸処理し、含浸シートを得
る。抄紙シートに付着する含浸量が少なすぎると、バイ
ンダー効果、および炭化の際の炭化収率が劣り、あまり
過剰になると目づまりのため、気孔率の調整が困難とな
り、かつ多孔質炭素板が脆くなる。好ましい含浸付着量
としては、抄紙シートの重量の20〜160重量%であ
る。
【0012】本発明により得られる気孔径は、例えば繊
度が0.1デニールの有機繊維を80重量%、天然パル
プを20重量%配合した抄紙シート単独で得た多孔質炭
素板では、約8μmであり、繊度が3デニールの有機繊
維を80重量%、天然パルプを20重量%配合した抄紙
シート単独で得た多孔質炭素板では、約27μmであ
り、繊度が10デニールの有機繊維を80重量%、天然
パルプを20重量%配合した抄紙シート単独で得た多孔
質炭素板では、約50μmである。
度が0.1デニールの有機繊維を80重量%、天然パル
プを20重量%配合した抄紙シート単独で得た多孔質炭
素板では、約8μmであり、繊度が3デニールの有機繊
維を80重量%、天然パルプを20重量%配合した抄紙
シート単独で得た多孔質炭素板では、約27μmであ
り、繊度が10デニールの有機繊維を80重量%、天然
パルプを20重量%配合した抄紙シート単独で得た多孔
質炭素板では、約50μmである。
【0013】多孔質炭素板の厚み方向の気孔径勾配を付
与するには、緊度の最も小さい抄紙シートより作成した
含浸シートと、緊度の最も大きい抄紙シートより作成し
た含浸シートとの間に、抄紙シートの緊度の小さい順に
含浸シートを積層し、積層シートを作成し、熱プレス
後、空気中で酸化処理し、不活性ガス雰囲気中で加熱炭
化処理を行ない、気孔径勾配のある多孔質炭素板を得
る。
与するには、緊度の最も小さい抄紙シートより作成した
含浸シートと、緊度の最も大きい抄紙シートより作成し
た含浸シートとの間に、抄紙シートの緊度の小さい順に
含浸シートを積層し、積層シートを作成し、熱プレス
後、空気中で酸化処理し、不活性ガス雰囲気中で加熱炭
化処理を行ない、気孔径勾配のある多孔質炭素板を得
る。
【0014】前記熱プレス処理は、多孔質炭素板に所定
の厚さ、形状、密度および厚さ方向の気孔径勾配を付与
するために行う。
の厚さ、形状、密度および厚さ方向の気孔径勾配を付与
するために行う。
【0015】以上のようにして得た多孔質炭素板におい
て、緊度の最も小さい抄紙シートから得た側は、気孔径
が大きく、緊度の最も大きい抄紙シートから得た側は、
気孔径が小さくなり、多孔質炭素板の厚み方向に気孔径
勾配を付与する。
て、緊度の最も小さい抄紙シートから得た側は、気孔径
が大きく、緊度の最も大きい抄紙シートから得た側は、
気孔径が小さくなり、多孔質炭素板の厚み方向に気孔径
勾配を付与する。
【0016】前記多孔質炭素板の気孔径の大きい側は、
ガス透過性が良好であり、気孔径の小さい側は、リン酸
電解液保持性が良好となり、炭素電極としてセパレータ
ー側に使用するのに適する。
ガス透過性が良好であり、気孔径の小さい側は、リン酸
電解液保持性が良好となり、炭素電極としてセパレータ
ー側に使用するのに適する。
【0017】熱プレスおよび加熱炭化処理により、多孔
質炭素板の厚みを一定に保持すると同時に平坦な多孔質
炭素板を得ることが可能になった。またプレス圧力、ま
たはプレス時のスペーサーの厚さを調整することによ
り、多孔質炭素板全体の厚さ、気孔径を任意に変えるこ
とが可能である。
質炭素板の厚みを一定に保持すると同時に平坦な多孔質
炭素板を得ることが可能になった。またプレス圧力、ま
たはプレス時のスペーサーの厚さを調整することによ
り、多孔質炭素板全体の厚さ、気孔径を任意に変えるこ
とが可能である。
【0018】熱プレス処理での加熱条件としては、15
0〜220℃、1〜60分間が好ましい。前記熱プレス
処理を行った積層シートは、炭化収率、黒鉛化率を向上
させるため空気中で酸化処理を行った後、不活性ガス雰
囲気中で、800℃以上の温度で炭化処理されて本発明
の多孔質炭素板が得られる。
0〜220℃、1〜60分間が好ましい。前記熱プレス
処理を行った積層シートは、炭化収率、黒鉛化率を向上
させるため空気中で酸化処理を行った後、不活性ガス雰
囲気中で、800℃以上の温度で炭化処理されて本発明
の多孔質炭素板が得られる。
【0019】ここで前記酸化処理は、熱プレス工程後に
行うが、その酸化処理条件は、特に限定されないが、1
50〜350℃、10分〜20時間、空気中で処理する
ことが適当である。
行うが、その酸化処理条件は、特に限定されないが、1
50〜350℃、10分〜20時間、空気中で処理する
ことが適当である。
【0020】
【実施例】実施例により本発明の構成および効果をさら
に説明するが、もちろん本発明はこれらの態様に制限さ
れるものではない。なお、実施例中、部とあるのは重量
部を表す。また多孔質炭素板の見掛け密度は、炭素板を
表面研磨して測定し、深さ方向の気孔径は、水銀ポロシ
メーターを用いて測定した。また曲げ試験は、3点曲げ
試験法により測定した。
に説明するが、もちろん本発明はこれらの態様に制限さ
れるものではない。なお、実施例中、部とあるのは重量
部を表す。また多孔質炭素板の見掛け密度は、炭素板を
表面研磨して測定し、深さ方向の気孔径は、水銀ポロシ
メーターを用いて測定した。また曲げ試験は、3点曲げ
試験法により測定した。
【0021】実施例 繊度10デニールおよび繊維長3mmのポリアクリロニ
トリル繊維を80部、針葉樹晒クラフトパルプをカナデ
ィアンフリーネス250mlに叩解したものを20部よ
りなるスラリーを得、250mm角の手抄きマシンで常
法により坪量200g/m2、緊度0.18g/cm3の
抄紙シートを抄造し、この抄紙シートをフェノール樹脂
(商標:KP743 荒川化学工業社製)で、抄紙シー
ト当りの付着量が50%となるように含浸し、これを含
浸シートAとする。
トリル繊維を80部、針葉樹晒クラフトパルプをカナデ
ィアンフリーネス250mlに叩解したものを20部よ
りなるスラリーを得、250mm角の手抄きマシンで常
法により坪量200g/m2、緊度0.18g/cm3の
抄紙シートを抄造し、この抄紙シートをフェノール樹脂
(商標:KP743 荒川化学工業社製)で、抄紙シー
ト当りの付着量が50%となるように含浸し、これを含
浸シートAとする。
【0022】繊度5デニールおよび繊維長3mmのポリ
アクリロニトリル繊維を80部、針葉樹晒クラフトパル
プをカナディアンフリーネス250mlに叩解したもの
を20部よりなるスラリーを得、250mm角の手抄き
マシンで常法により坪量200g/m2、緊度0.20
g/cm3の抄紙シートを抄造し、この抄紙シートをフ
ェノール樹脂(商標:KP743 荒川化学工業社製)
で、抄紙シート当りの付着量が50%となるように含浸
し、これを含浸シートBとする。
アクリロニトリル繊維を80部、針葉樹晒クラフトパル
プをカナディアンフリーネス250mlに叩解したもの
を20部よりなるスラリーを得、250mm角の手抄き
マシンで常法により坪量200g/m2、緊度0.20
g/cm3の抄紙シートを抄造し、この抄紙シートをフ
ェノール樹脂(商標:KP743 荒川化学工業社製)
で、抄紙シート当りの付着量が50%となるように含浸
し、これを含浸シートBとする。
【0023】繊度3デニールおよび繊維長3mmのポリ
アクリロニトリル繊維を80部、針葉樹晒クラフトパル
プをカナディアンフリーネス250mlに叩解したもの
を20部よりなるスラリーを得、250mm角の手抄き
マシンで常法により坪量200g/m2、緊度0.22
g/cm3の抄紙シートを抄造し、この抄紙シートをフ
ェノール樹脂(商標:KP743 荒川化学工業社製)
で、抄紙シート当りの付着量が50%となるように含浸
し、これを含浸シートCとする。
アクリロニトリル繊維を80部、針葉樹晒クラフトパル
プをカナディアンフリーネス250mlに叩解したもの
を20部よりなるスラリーを得、250mm角の手抄き
マシンで常法により坪量200g/m2、緊度0.22
g/cm3の抄紙シートを抄造し、この抄紙シートをフ
ェノール樹脂(商標:KP743 荒川化学工業社製)
で、抄紙シート当りの付着量が50%となるように含浸
し、これを含浸シートCとする。
【0024】繊度0.5デニールおよび繊維長3mmの
ポリアクリロニトリル繊維を80部、針葉樹晒クラフト
パルプをカナディアンフリーネス250mlに叩解した
ものを20部よりなるスラリーを得、250mm角の手
抄きマシンで常法により坪量200g/m2、緊度0.
25g/cm3の抄紙シートを抄造し、この抄紙シート
をフェノール樹脂(商標:KP743 荒川化学工業社
製)で、抄紙シート当りの付着量が50%となるように
含浸し、これを含浸シートDとする。
ポリアクリロニトリル繊維を80部、針葉樹晒クラフト
パルプをカナディアンフリーネス250mlに叩解した
ものを20部よりなるスラリーを得、250mm角の手
抄きマシンで常法により坪量200g/m2、緊度0.
25g/cm3の抄紙シートを抄造し、この抄紙シート
をフェノール樹脂(商標:KP743 荒川化学工業社
製)で、抄紙シート当りの付着量が50%となるように
含浸し、これを含浸シートDとする。
【0025】含浸シートAを4枚、その上に含浸シート
Bを4枚、その上に含浸シートCを4枚、その上に含浸
シートDを4枚順次重ね合わせ、積層シートを作成し、
180℃、15分間熱プレスし、次いで220℃、4時
間、空気中で酸化処理を行い前駆体シートを作成し、1
000℃の窒素ガス雰囲気中で1時間、黒鉛化炭素板に
挟んで加熱し、さらにアルゴンガス雰囲気中で、温度2
800℃、30分間黒鉛化処理を行って、多孔質炭素板
を得た。
Bを4枚、その上に含浸シートCを4枚、その上に含浸
シートDを4枚順次重ね合わせ、積層シートを作成し、
180℃、15分間熱プレスし、次いで220℃、4時
間、空気中で酸化処理を行い前駆体シートを作成し、1
000℃の窒素ガス雰囲気中で1時間、黒鉛化炭素板に
挟んで加熱し、さらにアルゴンガス雰囲気中で、温度2
800℃、30分間黒鉛化処理を行って、多孔質炭素板
を得た。
【0026】比較例1 含浸シートAを16枚順次重ね合わせ、積層シートを作
成し、次いで実施例1と同様条件で酸化処理および黒鉛
化処理を行って多孔質炭素板を得た。
成し、次いで実施例1と同様条件で酸化処理および黒鉛
化処理を行って多孔質炭素板を得た。
【0027】比較例2 含浸シートCを16枚順次重ね合わせ、積層シートを作
成し、次いで実施例1と同様条件で酸化処理および黒鉛
化処理を行って多孔質炭素板を得た。
成し、次いで実施例1と同様条件で酸化処理および黒鉛
化処理を行って多孔質炭素板を得た。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明は、気孔径勾配を有する多孔質炭
素板を、通常用いられる抄紙法によるシート化設備、お
よび含浸法による含浸シート化設備を用い、電気伝導性
が高く、耐薬品性に優れた高品質の多孔質炭素板を安価
に製造することが可能となり、本発明に係る多孔質炭素
板は、気孔径勾配を付与しても見掛け密度や曲げ強度が
変わらず、気孔径の大きい部分でのリン酸電解液を多量
に含有することが出来、かつガス透過性が良好であり、
また気孔径の小さい部分でのリン酸電解液の保持性能が
大きく、燃料電池用電極として有効なものである。
素板を、通常用いられる抄紙法によるシート化設備、お
よび含浸法による含浸シート化設備を用い、電気伝導性
が高く、耐薬品性に優れた高品質の多孔質炭素板を安価
に製造することが可能となり、本発明に係る多孔質炭素
板は、気孔径勾配を付与しても見掛け密度や曲げ強度が
変わらず、気孔径の大きい部分でのリン酸電解液を多量
に含有することが出来、かつガス透過性が良好であり、
また気孔径の小さい部分でのリン酸電解液の保持性能が
大きく、燃料電池用電極として有効なものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 繊度が0.01〜30デニールおよび繊
維長が0.2〜15mmの炭素繊維製造用有機繊維20
〜95重量部、およびパルプ5〜80重量部を用いて、
緊度0.1〜0.5g/cm3の範囲で、緊度の異なる
抄紙シートを少なくとも二種類作成する工程、 該抄紙シートを有機高分子物質の溶液を含浸し、乾燥し
た含浸シートを作成する工程、 緊度の最も小さい抄紙シートより作成した含浸シート
と、緊度の最も大きい抄紙シートより作成した含浸シー
トとの間に、抄紙シートの緊度の小さい順に含浸シート
を積層し、積層シートを作成する工程、 該積層シートを熱プレス処理後、空気中で酸化処理して
前駆体シートを作成する工程、および該前駆体シートを
不活性ガス雰囲気中で800℃以上の温度で加熱炭化処
理させる工程、を含んで成ることを特徴とする多孔質炭
素板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7083798A JPH08283084A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 多孔質炭素板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7083798A JPH08283084A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 多孔質炭素板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08283084A true JPH08283084A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=13812680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7083798A Pending JPH08283084A (ja) | 1995-04-10 | 1995-04-10 | 多孔質炭素板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08283084A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003087470A1 (fr) * | 2002-04-17 | 2003-10-23 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Papier en fibre de carbone et substrat d'electrode en fibre de carbone poreux, destine aux piles |
-
1995
- 1995-04-10 JP JP7083798A patent/JPH08283084A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7510626B2 (en) | 2001-10-09 | 2009-03-31 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Carbon fiber paper and porous carbon electrode substrate for fuel cell therefrom |
WO2003087470A1 (fr) * | 2002-04-17 | 2003-10-23 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Papier en fibre de carbone et substrat d'electrode en fibre de carbone poreux, destine aux piles |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20041206 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070529 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071106 |