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JPH0827291A - 防曇性被覆物品の製造方法 - Google Patents

防曇性被覆物品の製造方法

Info

Publication number
JPH0827291A
JPH0827291A JP6166723A JP16672394A JPH0827291A JP H0827291 A JPH0827291 A JP H0827291A JP 6166723 A JP6166723 A JP 6166723A JP 16672394 A JP16672394 A JP 16672394A JP H0827291 A JPH0827291 A JP H0827291A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
composition
group
coated article
lower alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6166723A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Eguchi
勇司 江口
Shigeki Nomura
茂樹 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP6166723A priority Critical patent/JPH0827291A/ja
Publication of JPH0827291A publication Critical patent/JPH0827291A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】防曇性と耐温水性を兼ね備えた防曇性被覆物品
の製造方法を提供する。 【構成】プラスチック基材又は無機基材上に、(a)シ
ランカップリング剤、(b)疎水性多官能(メタ)アク
リレート化合物及び(c)光重合開始剤からなる組成物
(A)を下塗り層として基材上に塗布し、加熱硬化する
第一の工程と、第一の工程により形成された硬化被膜
に、(e)親水性単量体及び(c)光重合開始剤からな
る組成物(B)を接触させた状態で活性光線を照射して
光硬化する第二の工程よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇性被覆物品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、透明材料として用いられてい
るプラスチックや無機ガラスは、表面の温度が露点以下
となった場合、表面に曇りを生じ透明性が損なわれてし
まうという欠点があり、これまでに曇りを防ぐ方法とし
て種々の提案がなされてきた。例えば、(1)アルコー
ル性水酸基を有する親水性アクリレートモノマーを特定
の多官能モノマーと共重合させる、あるいはポリビニル
アルコール等の水溶性高分子を架橋させることにより吸
水性膜を形成する方法が知られている。また、(2)成
形品の樹脂中に界面活性剤を練り込んでおく、あるいは
(3)界面活性剤を含有する組成物を基材表面に塗布す
る方法が知られている。
【0003】しかしながら、(1)の方法によれば架橋
の程度により膜の吸水性を制御するために、膜の吸水に
よる防曇性の発現と耐水性付与の両方を満足させること
は困難であった。また(2)、(3)の方法も界面活性
剤が水により流出すると防曇性が大きく低下するという
問題点があった。
【0004】これらの問題点を解決する方法として、例
えば、特公昭61−40695号公報には、不飽和基を
二個以上有する疎水性単量体混合物を予備重合させてゲ
ル化させた後、その表面にカルボキシル基、スルホン酸
基、硫酸基、リン酸基、アミノ基、水酸基等の親水基と
重合性不飽和基とを有する親水性単量体を接触させて表
面で共重合させる方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、予備重合の程度を制御することが難
しいという問題点があった。
【0005】また、特開昭56−63845号公報に
は、無機物基材又は表面が無機物で被覆された有機物基
材を、無機物と反応する第一官能基と有機物と反応する
第二官能基とを有するカップリング剤で処理し、第一官
能基と無機物とを反応させた後に、第二官能基に親水性
モノマー、オリゴマー又はこれらの混合物を反応させて
表面に親水性層を設けた製品とその製造方法が開示され
ている。
【0006】また、特開平4−225301号公報に
は、表面に酸化ケイ素を含有する基材にシランカップリ
ング剤を結合させた後、反応性界面活性剤をシランカッ
プリング剤に結合させるという方法が開示されている。
【0007】しかしながら、これらの方法では、基材の
少なくとも表面に無機物又は酸化ケイ素を有している必
要があり、しかもカップリング剤の層が極薄であるため
親水性モノマー等との反応に関与する活性点が極めて少
ないという問題点があった。
【0008】さらに、特開昭56−43367号公報に
は、ビニル基含有シランカップリング剤と二官能以上の
ビニル基を有する架橋剤との混合物を透明基材に塗布
し、ビニル基の重合により硬化させた後、酸触媒存在下
で加水分解することによりシラノール基を生成させ、防
曇性被膜を設ける方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、シラノール基がさらに脱水縮合する
と防曇性が低下するという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決し、その目的は、優れた防曇性と耐温水
性を兼ね備えた防曇性被覆物品の製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の防曇性被覆物品
の製造方法は、プラスチック基材又は無機基材上に、組
成物(A)を下塗り層として基材上に塗布し、加熱硬化
する第一の工程と、得られた硬化被膜に組成物(B)を
接触させた状態で活性光線を照射して、光硬化させる第
二の工程よりなる。
【0011】上記組成物(A)は、シランカップリング
剤又はその加水分解物(a)、疎水性多官能(メタ)ア
クリレート化合物(b)及び光重合開始剤(c)からな
る。
【0012】上記基材としては、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネートなどのプラスチック板状成形体及び無機ガラ
ス板等が挙げられる。これらの基材には、さらに密着性
を向上させる目的で、必要に応じて前処理が施されてい
てもよい。上記前処理としては、コロナ放電処理、グロ
ー放電処理、紫外線、電子線、放射線等の電離活性線に
よる処理;粗面化処理;化学薬品処理;プライマー処理
などが挙げられる。
【0013】上記シランカップリング剤(a)は、下記
一般式(1)で表されるものである。
【0014】
【化2】
【0015】一般式(1)において、R1 〜R3 はそれ
ぞれ独立して、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基又は低級アセトキシ基を示し、R1 、R2
びR 3 の少なくとも一つは、ハロゲン原子、低級アルコ
キシ基又は低級アセトキシ基を示し、Xは末端にビニル
基、又は(メタ)アクリロイル基を有する低級アルキル
基を示す。
【0016】上記シランカップリング剤(a)として
は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリア
セトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチ
ルビニルジエトキシシラン、ビニルジメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシエ
チルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−アクリロキシエチルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシエチルトリエトキシシラン等が挙
げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が
併用されてもよい。
【0017】上記シランカップリング剤(a)は、必要
に応じて予め加水分解されて、分子中のハロゲン原子、
低級アルコキシ基又は低級アセトキシ基の一部又は全部
が水酸基に置換されていてもよく、さらに水酸基同士が
縮合したものであってもよい。上記加水分解の方法とし
ては、シランカップリング剤(a)を水単独又は水とア
ルコールとの混合溶媒で希釈し、これに酸又はアルカリ
触媒を加えて反応させる方法が挙げられる。
【0018】上記疎水性多官能(メタ)アクリレート化
合物(b)としては、1分子中に少なくとも2個の(メ
タ)アクリロイル基を含有するものであって、実質的に
水に不溶な(メタ)アクリレート化合物が好ましく、例
えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクト
ン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO
(エチレンオキサイド)変性トリメチロールプロパント
リアクリレート、PO(ポリエチレンオキサイド)変性
トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、ビスフェノールA
ジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカン
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレ
ートの他に、二官能以上のウレタンアクリレートやポリ
エステルアクリレート等があげられる。
【0019】上記組成物(A)中において上記疎水性多
官能(メタ)アクリレート化合物(b)は、第一工程に
おける架橋に関与せず、多くなると第二の工程で硬化被
膜が侵され易くなり、少なくなると表面での親水性単量
体の共重合する割合が少なくなるので、該(メタ)アク
リレート化合物(b)の使用量は、上記シランカップリ
ング剤(a)に100重量部に対して10〜300重量
部が好ましい。
【0020】上記光重合開始剤(c)としては、紫外
線、可視光線などの活性光線により上記疎水性多官能
(メタ)アクリレート化合物(b)を重合させる性質を
有するものであればよく、このような光重合開始剤につ
いては、「紫外線硬化システム」(加藤清視著、総合技
術センター社発行)に詳しく述べられている。
【0021】紫外線で活性化する光重合開始剤(c)と
しては、例えば、ソジウムメチルジチオカーバメイトサ
ルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノ
サルファイド及びジサルファイドなどのサルファイド
類;チオキサントン、エチルチオキサントン、2−クロ
ロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプ
ロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;ヒ
ドラゾン、アゾイソブチロニトリル、ベンゼンジアゾニ
ウムなどのジアゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエ−テル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノ
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキ
ノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラ
キノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアント
ラキノン、2−クロロアントラキノン、ベンジルジメチ
ルケタール、メチルフェニルグリオキシレートなどの芳
香族カルボニル化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン、2, 2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体;4
−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、
4−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピルなどのジアル
キルアミノ安息香酸エステル類;ベンゾイルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、キュメンハイドロパーオキサイドなどの過酸
化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェ
ニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベン
ズアクリジンなどのアクリジン誘導体;9,10−ジメ
チルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、
10−メトキシベンズフェナジンなどのフェナジン誘導
体;4,4' ,4" −トリメトキシ−2,3−ジフェニ
ルキノキサリンなどのキノキサリン誘導体;2,4,5
−トリフェニルイミダゾイル二量体;ハロゲン化ケト
ン;アシルホスフィンオキシド、アシルホスフォナ−ト
などのアシル化リン化合物などが挙げられる。
【0022】また、可視光線で活性化する光重合開始剤
(c)としては、例えば、2−ニトロフルオレン、2,
4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−ト
リアジン、3,3' −カルボニルビスクマリン、チオミ
ヒラーケトン等が挙げられる。上記光重合開始剤(c)
は、第一の工程における加熱硬化時の温度条件等により
安定性を考慮して選択される。
【0023】上記組成物(A)における光重合開始剤
(c)の使用量は、多くなると硬化被膜の黄変が発生す
るか、又は硬化被膜が脆くなる等の問題を生じ、少なく
なると硬化が不十分となるので、疎水性多官能(メタ)
アクリレート化合物(b)100重量部に対し0. 1〜
10重量部であることが好ましい。
【0024】また、組成物(A)には、必要に応じて、
ビニル基、(メタ)アクリロイル基以外の官能基、例え
ば、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、クロロ基等
を有するシランカップリング剤や、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、レベリング剤、界面活性剤等が添加されてもよ
い。
【0025】また、組成物(A)は、必要に応じて溶剤
で希釈されてもよい。用いられる溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等
のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類の他、
酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン等が挙げら
れ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用
されてもよい。
【0026】本発明の製造方法の第一工程では、基材の
片面又は両面に組成物(A)を下塗り層として塗布した
後加熱することにより、反応性シリル基を架橋させ、基
材上に下塗り層の硬化被膜を形成する。
【0027】上記基材上に下塗り層を設ける方法として
は、従来公知の方法が適用でき、例えば、スプレーコー
ト、バーコート、ディッピング、ロールコート、スピン
コート等による塗工が挙げられる。
【0028】上記組成物(B)は、親水性単量体(d)
及び光重合開始剤(c)からなる。
【0029】上記親水性単量体(d)は、1分子中に少
なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含有するもの
であって、さらに、親水基としては、水酸基、スルホン
酸基又はスルホン酸塩基、一級、二級、三級アミノ基又
はアミド基、四級アンモニウム塩基、カルボン酸基又は
カルボン酸塩基、リン酸基又はリン酸塩基、ポリエチレ
ングリコール鎖、モルホリノ基、硫酸塩基等を、1分子
中に少なくとも1個含有するものが好ましい。
【0030】このような親水性単量体(d)としては、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール
(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸及び塩、スルホン酸ナトリウムエ
トキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N−イソプロピルアクリルアミド、N, N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、2−メタクリロキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ω−カルボキ
シ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、EO変性リ
ン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙
げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用
されてもよい。
【0031】光重合開始剤(c)としては、組成物
(A)に用いられる光重合開始剤が好適に使用される。
光重合開始剤(c)の使用量は、親水性単量体(e)1
00重量部に対し0. 1〜10重量部であることが好ま
しい。
【0032】また、組成物(B)は、必要に応じて溶剤
で希釈されてもよい。特に、親水性単量体(d)が固体
の場合には溶剤の使用が好ましい。使用される溶剤とし
ては、極性の溶剤が好ましく、具体的には、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類の他、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、水等が挙げられる。
【0033】本発明の製造方法の第二の工程では、第一
の工程により形成された下塗り層の硬化被膜に、上記組
成物(B)を接触させた状態で活性光線を照射して光硬
化させる。この活性光線の照射によって光硬化反応が進
行し、硬化被膜表面部において該被膜に含まれている
(メタ)アクリロイル基と親水性単量体(d)とが共重
合し、硬化被膜内部においては、(メタ)アクリロイル
基、ビニル基の重合反応により架橋密度がさらに向上す
る。
【0034】上記硬化被膜に組成物(B)を接触させる
方法としては、例えば、ロールコーティング、ディッピ
ング等による塗膜形成が挙げられる。
【0035】上記第二の工程で得られた光硬化被膜は、
必要に応じてアルカリ処理されてもよい。このようなア
ルカリ処理は、親水性単量体(d)がカルボン酸基、ス
ルホン酸基又はリン酸基を含有する場合には特に有効で
あり、この処理によりアルカリ金属等の塩としておくこ
とが好ましい。上記アルカリ処理には、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液又はアルコール
溶液等が用いられる。
【0036】上記アルカリ溶液の濃度は硬化被膜が侵さ
れないように、0. 1〜5重量%であることが好まし
い。
【0037】余剰に付着した組成物(B)や未反応の組
成物(B)は水洗等により除去するのが好ましい。
【0038】上記活性光線の照射に用いられる光源とし
ては、特に制限はなく、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、キセノンランプ、低圧殺菌ランプ
等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。 (実施例1)第一の工程 (1)組成物(A)の調製 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越
シリコーン社製「KBM503」)5g、エタノール4
g及び0.1N−塩酸水溶液1.2gを混合し、40℃
で5時間加水分解させた。その後、この溶液にペンタエ
リスリトールトリアクリレート(日本化薬社製「カラヤ
ッドPET−30」)5g、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン(チバガイギー社製「イルガキュア
ー184」)0.2g、4−ジメチルアミノ安息香酸エ
チル(日本化薬社製「カヤキュアーEPA」)0.1g
を添加し均一な溶液とすることにより組成物(A)を調
製した。 (2)塗布・熱硬化 (1)で得られた組成物(A)をメイヤーバーによりガ
ラス板基材に塗布し、120℃で2時間加熱して硬化さ
せ、下塗り層の硬化被膜を形成した。
【0040】第二の工程 (3)光硬化 (2)の工程で得られた硬化被膜を下記の組成物(B)
溶液に浸漬した後引き上げ、高圧水銀灯で2000mJ
/cm2 の紫外線を照射して光硬化させた後、組成物
(B)の未反応部分を水洗により除去し、防曇性被覆物
品を作製した。 〔組成物(B)〕 ・水 75g ・エタノール 25g ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 5g (日東化学社製「TBAS−Q」) ・炭酸ナトリウム 2.6g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.2g (チバガイギー社製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.1g (日本化薬社製「カヤキュアーEPA)
【0041】(実施例2)組成物(A)において、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代えて、
ビニルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製「KB
E1003」)3.8gを使用したこと以外は、実施例
1と同様にして防曇性被覆物品を作製した。
【0042】(実施例3)基材として、ガラス板に代え
てアクリル樹脂板を使用し、組成物(A)の加熱硬化条
件を70℃、3時間としたこと以外は、実施例1と同様
にして防曇性被覆物品を作製した。
【0043】(実施例4)基材として、ガラス板に代え
てポリカーボネート板を使用し、組成物(A)の加熱硬
化条件を70℃、3時間としたこと以外は、実施例1と
同様にして防曇性被覆物品を作製した。
【0044】(比較例1)下記の組成物(A)をガラス
板基材上に塗布し、塗膜に2000mJ/cm2の紫外
線を照射した後、光照射した塗膜を50℃の0.1N塩
酸水溶液中で加水分解させて防曇性被覆物品を作製し
た。 ・γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5g (信越シリコーン社製「KBM503」) ・ペンタエリスリトールトリアクリレート 5g (日本化薬社製「カラヤッドPET−30」) ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.2g (チバガイギー社製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.1g (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」)
【0045】(比較例2)第二の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして防曇性被覆物品を
作製した。
【0046】(比較例3)第一の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして防曇性被覆物品を
作製した。
【0047】(比較例4)下記の組成物をガラス板基材
に塗布した後、80℃で1時間乾燥して防曇性被覆物品
を作製した。 ・ポリアクリル酸(25重量%水溶液、和光純薬社製) 5g ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 15g ・水 80g
【0048】性能の評価 上記実施例及び比較例で得られた防曇性被覆物品につき
下記の性能評価を行い、その結果を表1に示した。 (1)防曇性 防曇性被覆物品の一方の面に冷却水をあてて25℃に保
ちながら、もう一方の面に42℃の水蒸気を3分間あて
た時の防曇性を、JIS−S4030に準拠して1級〜
4級の4段階で評価し、1級を◎、二級を○、三級を
△、四級を×で表示した。 (2)耐温水性 防曇性被覆物品を50℃の温水に24時間浸漬した後、
(1)と同様な防曇性の評価を行った。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の防曇性被覆物品の製造方法の構
成は、上述の通りであり、防曇性及び耐温水性に優れた
防曇性被覆物品を提供する。得られた防曇性被覆物品
は、眼鏡・カメラ等のレンズ、窓ガラスや自動車のフロ
ントガラス、ヘルメットのシールド、水中眼鏡等の光学
用品、浴室や洗面所の鏡等に好適に使用される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基材又は無機基材上に、
    (a)下記一般式(1)で表されるシランカップリング
    剤又は該シランカップリング剤の加水分解物、(b)1
    分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有
    する疎水性多官能(メタ)アクリレート化合物及び
    (c)光重合開始剤からなる組成物(A)を下塗り層と
    して基材上に塗布し、加熱硬化する第一の工程と、第一
    の工程により形成された硬化被膜に、(d)1分子中に
    少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含有する親
    水性単量体及び(c)光重合開始剤からなる組成物
    (B)を接触させた状態で活性光線を照射して、光硬化
    する第二の工程よりなる防曇性被覆物品の製造方法。 【化1】 (式中、R1 〜R3 はそれぞれ独立して、ハロゲン原
    子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又は低級アセト
    キシ基を示し、R1 、R2 及びR3 の少なくとも一つ
    は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基又は低級アセトキ
    シ基を示し、Xは末端にビニル基又は(メタ)アクリロ
    イル基を有する低級アルキル基を示す)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007237728A (ja) * 2005-07-29 2007-09-20 Asahi Glass Co Ltd 防曇性物品および防曇剤組成物
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