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JPH0826995A - ベンズイミダゾール誘導体を含有する抗不整脈剤 - Google Patents

ベンズイミダゾール誘導体を含有する抗不整脈剤

Info

Publication number
JPH0826995A
JPH0826995A JP17092294A JP17092294A JPH0826995A JP H0826995 A JPH0826995 A JP H0826995A JP 17092294 A JP17092294 A JP 17092294A JP 17092294 A JP17092294 A JP 17092294A JP H0826995 A JPH0826995 A JP H0826995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active ingredient
benzimidazole derivative
compound
antiarrhythmic
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17092294A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Yamada
博章 山田
Toshihisa Sugai
利寿 菅井
Nobusuke Kinoshita
宣祐 木下
Yukiko Goto
由起子 五藤
Tatsuhiro Sawara
立浩 佐原
Noriyoshi Sueda
憲義 末田
Makoto Yanai
誠 谷内
Kazuhiko Yamada
一彦 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP17092294A priority Critical patent/JPH0826995A/ja
Publication of JPH0826995A publication Critical patent/JPH0826995A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1およびR2は水素原子または低級アルキル基
を示し、nは1〜4である〕で表されるベンズイミダゾ
ール誘導体およびその薬理学的に許容されうる塩を有効
成分として含有する抗不整脈剤、カリウムチャンネル阻
害剤、およびカルシウムチャンネル阻害剤。 【効果】 このベンズイミダゾール誘導体およびその薬
理学的に許容されうる塩を有効成分として含有する製剤
は副作用なしに抗不整脈剤、カリウムチャンネル阻害
剤、カルシウムチャンネル阻害剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベンズイミダゾール誘
導体およびその薬理学的に許容されうる塩を有効成分と
して含有する抗不整脈剤、カリウムチャンネル阻害剤、
カルシウムチャンネル阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】心臓の疾
患として重要な症例の一つである不整脈は従来から様々
な研究がなされ、その治療薬としてすでにいくつかの化
合物が実用化されている。特に良好な予後が期待される
ことから最近、Vaughan Williams分類によりクラスIII
として分類される、活動電位持続時間の延長、即ち不応
期を延長する抗不整脈薬が注目を集めている。しかしク
ラスIIIに分類される抗不整脈薬は一般的に、心拍数が
高くなると抗不整脈としての作用が弱くなる逆頻度依存
性と呼ばれる欠点がある。また抗不整脈薬としてVaugha
n Williams分類によりクラスIVに定義されるカルシウム
チャンネル阻害剤、例えばベラパミルはカルシウム電流
を抑制するために、洞房結節、房室結節が関与する不整
脈の治療に有効であるが、副作用として心筋の収縮力を
弱めてしまう、という欠点がある。そこでこれらの欠点
を克服した優れた抗不整脈薬の開発が期待されていた。
【0003】一方、本発明と同様の心臓の疾患の治療剤
として知られている強心剤は、副作用として不整脈を誘
発することが普通であって、この強心剤を不整脈治療剤
として用いることはこれまでになかった。すなわち例え
ば強心作用を持つ薬剤であるカテコラミン剤はその副作
用として不整脈を誘発することが知られているために不
整脈の治療には用いられない。また、最近開発された強
心剤であるアムリノン、ミルリノン等のホスホジエステ
ラーゼ阻害剤も長期投与すると致死性の心室性不整脈を
増加させることがわかってきている(Packer, M. et a
l., New Engl.J. Med., 325: 1468-1475(1991)参
照)。
【0004】他方、本発明者らは先に次の一般式(2)
【化2】 〔式中、R1は水素原子、アルキル基など、nは1−
4、R2は水素原子、アルキル基、アルキル−ピペラジ
ニルベンゾイルなど、Aは−NR3−(R3は水素原子ま
たはアルキル基)、Bはトリアゾリル、ピリジルなど〕
で示されるベンズイミダゾール誘導体が強心作用を持つ
化合物であることを見出して強心作用を有する医薬組成
物の発明を完成した(特開昭63−146871号参
照)。そしてこの発明中で、本発明のベンズイミダゾー
ル誘導体の範囲に含まれ化合物を強心剤として有用であ
る化合物として開示したが、この化合物も強心剤が不整
脈治療剤として用い得ることはないという上記したこの
技術分野の一般的な知見に従って決して不整脈治療剤と
して用い得ることは期待されなかったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、前記ベンズイミダゾール誘導体がVaughan
Williams分類によりクラスIIIおよびクラスIVとして分
類される抗不整脈作用を合わせ持つことを、さらには、
逆頻度依存性および心筋収縮力の低下等のクラスIIIお
よびクラスIVとして分類される抗不整脈薬の多くに見ら
れる特有の欠点を持たないことを見いだし本発明を完成
させたのである。
【0006】すなわち、本発明は次の一般式(1)
【化3】 〔式中、R1およびR2は水素原子または低級アルキル基
を示し、nは1〜4である〕で示されるベンズイミダゾ
ール誘導体およびその薬理学的に許容されうる塩を有効
成分として含有することを特徴とする抗不整脈剤に関す
る。
【0007】さらに詳しく述べれば、前述のベンズイミ
ダゾール誘導体およびその薬理学的に許容されうる塩を
有効成分として含有する抗不整脈剤は従来のクラスIII
抗不整脈剤と同様に、カリウムチャンネルを阻害し、有
効不応期を延長することにより抗不整脈作用を示す。し
かし従来の薬物とは異なり、逆頻度依存性は認められな
い。また同時に、従来のクラスIV抗不整脈と同様に、カ
ルシウムチャンネルを阻害し洞房結節および房室結節に
対して抑制作用を発現することにより抗不整脈作用を示
す。しかし従来の薬物と異なり、心筋収縮抑制作用は認
められず、むしろ増加させる。
【0008】すなわち前述のベンズイミダゾール誘導体
およびその薬理学的に許容されうる塩を有効成分として
含有する薬剤はこの2つの抗不整脈作用を合わせ持つこ
と、さらには2つの作用固有の欠点を持たないことによ
りにより、優れた抗不整脈剤として用いられうることが
分かったのである。
【0009】前記一般式においてR1およびR2で示され
る基における低級アルキル基には炭素数1〜4の直鎖も
しくは分枝鎖のアルキル基、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基などが包含される。
この一般式で示される化合物の具体例としては、次の化
合物があげられる。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】この前記一般式で示されるベンズイミダゾ
ール誘導体は所望によって薬理学的に許容され得る酸と
の付加塩に変換することができ、これらの酸付加塩を含
有した抗不整脈剤、カリウムチャンネル拮抗剤、カルシ
ウムチャンネル拮抗剤も本発明に包含される。酸付加塩
としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸などの
無機酸との塩類、酢酸、コハク酸、シュウ酸、リンゴ
酸、酒石酸等の有機酸との塩類が挙げられるが、特に有
機酸、さらにはマレイン酸塩が好ましい。
【0015】本発明のベンズイミダゾール誘導体または
その薬理学的に許容し得る塩を抗不整脈剤、カリウムチ
ャンネル拮抗剤、カルシウムチャンネル拮抗剤として使
用する場合には種々の投与形態の製剤とする事ができ
る。すなわち、この製剤は経口的に錠剤、糖衣錠、硬質
カプセル剤、軟質カプセル剤、顆粒剤、散剤等および溶
液、エマルジョンまたは懸濁液のような液剤の形態で投
与することができる。また、非経口投与の場合には注射
液、坐剤等の形態で投与される。
【0016】これらの製剤の調製にあったては製剤化の
ための慣用の添加剤、例えば賦形剤、安定剤、防腐剤、
溶解剤、湿潤剤、乳化剤、滑沢剤、甘味剤、着色剤、香
味剤、張度調製剤、緩衝剤、酸化防止剤などを添加して
製剤化することができる。
【0017】添加剤としては、例えばデンプン、白糖、
果糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール沈
降性炭酸カルシウム、結晶セルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、デキストリン、ゼラチン、アラビアゴ
ム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース等が挙げられる。
【0018】本発明の化合物を液剤、注射剤として用い
るときは活性成分を慣用の希釈剤(水性または非水性担
体)中に溶解または懸濁して用いることができる。希釈
剤としては、生理食塩水、リンゲル液、ブドウ糖水溶
液、アルコール類、脂肪酸エステル類、グリコール類、
グリセリン脂肪酸グリセリド、植物、動物由来の油源、
パラフィン類などが含まれる。
【0019】また、これらの製剤は、通常の方法で製造
することができる。そして通常の臨床投与量として、成
人一人当たり経口の場合1〜1000mgの範囲で用いら
れる。さらに好ましくは10〜200mgの範囲で用いら
れる。また、本発明中の化合物は実施例9に示すとおり
低毒性である。以下に、本発明を実施例によりさらに詳
細に説明するがこれは本発明を限定するものではない。
【0020】実施例1 モルモット心筋細胞のカルシウ
ム電流に対するN−メチル−N−(4,6−ジメチルピ
リド−2−イル−1−[2−(4−3,4−ジメトキシ
ベンゾイル)ピペラジン−1−イル)エチル]ベンズイ
ミダゾール−2−カルボキシアミド(化合物1)の作用 モルモットより心臓を摘出後、大動脈にカニューレを挿
入し37℃の恒温槽中に固定して、Krebs'溶液(112
mM NaCl, 4.7mM KCl, 2.2mM CaCl2,
1.2mM MgCl2, 25mM NaHCO3, 1.2mM K
2PO4, 14mMGlucose)を用いてランゲンドルフ潅
流を行った。Ca除去Krebs'溶液に溶解した0.04%
コラゲナ−ゼ(ヤクルト製)を潅流し心室筋細胞を得
た。電極内溶液(100mM K-aspartate, 50mM KC
l, 5mM ATP2Na, 0.552mM CaCl2, 1mM M
gCl2, 5mM N−2−hydroxyethylpiperazine−N′
−3−propanesulfonic acid(HEPES), 1mM O,O′−B
is(2−aminoethyl)ethyleneglycol−N,N′,N′,
N′−tetraacetic acid(EGTA))を満たした1−5
MΩのガラス電極用い、細胞と電極の密着面の膜を破壊
し細胞全体の電流を記録するホ−ルセルクランプ法によ
り電流を測定した。測定にはHEPES溶液(137mMNa
Cl, 5.9mM KCl, 1.2mM MgCl2, 2.2mM
CaCl2, 14mM glucose, 10mM HEPES)を用い、
測定装置としてはパッチクランプ用アンプ(日本光電製
CEZ-2300)及びコンピューターソフトpClamp(アクソン
社製)を用いて刺激及び記録を行った。
【0021】室温で保持電位−30mVから+10mVに1
50msの脱分極パルスを0.2Hzの刺激頻度で与えたと
きに得られる電流を測定した。薬物は、ジメチルスルフ
ォキサイド(DMSO)に溶解し潅流により作用させ
た。図1に示すように、化合物1は10-6Mで内向きカ
ルシウム電流を抑制し、カルシウムチャンネルを阻害し
ていることが分かった。
【0022】実施例2 モルモットの心筋細胞のカリウ
ム電流に対する化合物1の作用 実施例1と同様にして得られた心室筋細胞を用いてホ−
ルセルクランプ法によりニカルジピン(日清製粉で合
成)存在下、保持電位−40mVから+50mVに225ms
の脱分極パルスを0.1Hzで与えたときに得られる末尾
電流を測定した。測定にはHEPES溶液(137mM
NaCl, 5.9mM KCl, 1.2mM MgCl2, 1mM
CaCl2, 14mM glucose, 10mM HEPES)を用い、
薬物はDMSOに溶解して潅流により作用させた。図2
に示すように、化合物1は10-7M以上で濃度依存的に
カリウム電流を抑制し、カリウムチャンネルを阻害して
いることが分かった。
【0023】実施例3 モルモット乳頭筋の不応期に対
する化合物1の作用 モルモットから右心室乳頭筋を摘出し、人工栄養液(1
12mM NaCl, 4.7mM KCl, 2.2mM CaC
2, 1.2mM MgCl2, 25mM NaHCO3,1.2mM
KH2PO4, 14mM glucose)を含む35℃に加温し
た恒温槽中に固定し、1Hzの電気刺激を加え3M塩化カ
リウム溶液を満たした10−20MΩのガラス電極を用
いて活動電位を記録した。測定には微小電極用アンプ
(日本光電製MEZ-8300)を用いた。刺激の強度は第一、
第二パルスとも活動電位を惹起する刺激の1.5倍の強
さを与えた。8パルス毎に活動電位の途中に第二パルス
を加え、第二パルスに応答しなくなった時の第一パルス
と第二パルスの間隔を不応期として測定した。薬物はDM
SOに溶解して潅流により作用させた。図3に示すよう
に、化合物1は10-6M以上の濃度で不応期を延長さ
せ、クラスIII抗不整脈剤としての作用が示された。
【0024】実施例4 モルモット乳頭筋カルシウムス
パイクに対する化合物1の作用 実施例3と同様に活動電位を記録した。但しナトリウム
チャンネルとカリウムチャンネルを抑制する目的で20
mMのテトラエチルアンモニウム(TEA)を含む27mM
のKCl−Krebs溶液によりカルシウムチャンネルの活
性化による活動電位(カルシウムスパイク)を得た。電
気刺激は活動電位を惹起する刺激の2倍の強度を0.2H
zの頻度で与え、薬物はDMSOに溶解し潅流により作
用させた。図4に示すように化合物1は10-6M以上の
濃度で濃度依存的にカルシウムスパイクを抑制し、クラ
スIV抗不整脈剤と同様にカルシウムチャンネルを阻害す
る作用が示された。
【0025】実施例5 イヌ房室結節での房室伝導時間
に対する化合物1の作用 イヌから摘出した心臓の右冠動脈、前中隔動脈、左回旋
枝にカニューレを挿入し、麻酔した他のイヌ(供血犬)
の頚動脈から動脈血を導き 37℃に加温してペリスタ
ルティックポンプ(ハーバード社製、1203)およびポン
プコントローラー(データグラフ社製、SCS-22)を用い
て定圧潅流した。潅流した血液は血液貯めから供血犬の
頚静脈内に戻した。右心房上部に取り付けた電極より反
応閾値の1.5倍の電気刺激を与え(2Hz)、右心房下
部と左心室中隔に装着した電極より刺激伝導パルスをそ
れぞれAVインターバルメーター(データグラフ社製、
H-110)に導き、その間隔を房室伝導時間として測定し
た。薬物は 0.1Nの塩酸に溶解し、生理食塩水で必要
濃度に希釈して、冠動脈内に30μlの容量でマイクロ
ディスペンザーを用いて注入した。図5に示すように、
化合物1を左回旋枝内に動脈内投与することにより、3
0nmol以上で用量依存的に房室伝導時間を延長させた。
これよりクラスIV抗不整脈剤としての作用が示された。
【0026】実施例6 ラット冠動脈結紮/再潅流不整
脈モデル 麻酔ラットを人工呼吸下で開胸し、冠動脈(前下行枝)
を5分間結紮後再潅流し、不整脈の発生を心電計(日本
光電製、OEC-3200)を用いて第二誘導心電図により観察
した。薬物は、静脈内投与では0.01N塩酸に溶解し
結紮15分前に大腿静脈に挿入したカニューレから、経
口投与では0.1N塩酸に溶解し結紮1時間前に経口ゾ
ンデにより投与した。表5に示すように、化合物1は
0.3〜3mg/kgの静脈内投与および30〜100mg/k
gの経口投与により用量依存的に心室細動および不整脈
死の発生率を低下させた。
【0027】
【表5】
【0028】実施例7 モルモット乳頭筋活動電位での
刺激頻度依存性に関する検討 実施例3と同様の方法で活動電位を記録した。電気刺激
の頻度を0.5〜2Hzに変化させたとき得られた活動電
位の再分極相を90%再分極するまでの時間(APD90
に及ぼす影響を検討した。図6に示すように、化合物1
はいずれの刺激頻度でも10-6M以上でAPD90を延長し
た。また、従来のクラスIII抗不整脈剤とは異なり逆頻
度依存性は認められず、その程度はむしろ頻度に依存し
て増加した。
【0029】実施例8 モルモット心房に対する化合物
1の作用 モルモットから摘出した左右心房をそれぞれ95%O2
−5%CO2混合ガスを通気し、32℃に加温したKrebs
-Henseleit液(118mM NaCl, 4.7mM KCl,
2.5mM CaCl2, 1.2mM MgSO4・7H2O, 1.
2mM KH2PO4,24.9mM NaHCO3, 11mM gluc
oseを満たしたマグヌス管内に懸垂した。反応閾値の1.
5倍の電気刺激により0.5Hzで駆動した左心房の収縮
張力をアイソメトリックトランスデューサー(日本光電
製、TSB612T)を用いて測定し、心筋収縮力に対する作
用を検討した。また自発運動している右心房の心拍動数
をタコメーター(日本光電製、AT600G)を用いて測定
し、洞房結節の拍動数に対する作用を検討した。薬物は
DMSOに溶解し、精製水で必要濃度に希釈してマグヌ
ス管内に添加した。図7に示すように、化合物1は従来
のクラスIV抗不整脈と異なり心筋収縮抑制作用は認めら
れず、10-5M以上の濃度で濃度依存的に洞房結節の拍
動数を減少させると同時に心筋収縮力を増加させた。
【0030】実施例9 急性毒性 雄性ラットを絶食後、化合物1を0.5%カルボキシメ
チルセルロース水溶液に懸濁し10ml/kgの容量で経口
投与し、経過を観察した。その結果、化合物1のLD50
値は1200mg/kg以上であった。
【0031】 製剤例1 錠剤(1錠) N−メチル−N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル−1− [2−(4−3,4−ジメトキシベンゾイル)ピペラジン−1 −イル)エチル]ベンズイミダゾール−2−カルボキシアミド マレイン酸塩 20mg けい酸マグネシウム 20mg 乳糖 98mg ヒドロキシプロピルセルロース 7.5mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 植物硬化油 3mg 150mg 活性成分、けい酸マグネシウム及び乳糖を混合し、これ
を5%のヒドロキシプロピルセルロースを含有するアル
コール液で練合し、次いで適当な粒度に造粒し、乾燥、
整粒後さらにステアリン酸マグネシウム及び植物硬化油
を添加混合し均一な顆粒とする。次いでロータリー式打
錠機により直径7.0mm、重量150mgおよび硬度6kg
の錠剤を調製した。
【0032】 製剤例2 顆粒剤 N−メチル−N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル−1− [2−(4−3,4−ジメトキシベンゾイル)ピペラジン−1 −イル)エチル]ベンズイミダゾール−2−カルボキシアミド マレイン酸塩 10mg 酸化マグネシウム 40mg りん酸水素カルシウム 38mg 乳糖 10mg ヒドロキシプロピルセルロース 20mg 上記処方例中ヒドロキシプロピルセルロースを除いた各
原料を混合した後これに5%の均一に混合した後、ヒド
ロキシプロピルセルロースを含有するアルコール溶液を
加えて練合した後押出造粒機により造粒し、乾燥して顆
粒を得た。この顆粒を整粒して顆粒剤(12〜48メッ
シュ)の顆粒剤を得た。
【0033】 製剤例3 シロップ剤 N−メチル−N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル−1− [2−(4−3,4−ジメトキシベンゾイル)ピペラジン−1 −イル)エチル]ベンズイミダゾール−2−カルボキシアミド マレイン酸塩 1.000g 白糖 30.000g D−ソルビトール 70 w/v% 25.000g パラオキシ安息香酸エチル 0.030g パラオキシ安息香酸プロピル 0.015g 香味料 0.200g グリセリン 0.150g 96% エタノール 0.500g 蒸留水 適量 全量 100ml 白糖、D−ソルビトール、パラオキシ安息香酸メチル、
パラオキシ安息香酸プロピル及び上記の有効成分を温水
60gに溶解する。冷却後グリセリン及びエタノールに
溶解した香味料の溶液を加える。次にこの混合物に水を
加えて100mlにする。
【0034】 製剤例4 注射液 N−メチル−N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル−1− [2−(4−3,4−ジメトキシベンゾイル)ピペラジン−1 −イル)エチル]ベンズイミダゾール−2−カルボキシアミド マレイン酸塩 10.0 mg 塩化ナトリウム 81.0 mg 炭酸水素ナトリウム 8.40mg 注射用蒸留水 適量 全量 10.0ml 炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム及び有効成分を蒸
留水に加えて溶解し、全量を10.0mlとする。
【0035】 製剤例5 坐剤 N−メチル−N−(4,6−ジメチルピリド−2−イル−1− [2−(4−3,4−ジメトキシベンゾイル)ピペラジン−1 −イル)エチル]ベンズイミダゾール−2−カルボキシアミド マレイン酸塩 2g ポリエチレングリコール4000 20g グリセリン 78g 全量 100g グリセリンを有効成分に加えて溶解する。そこへ、ポリ
エチレングリコール4000を加えて加温し溶解後、坐
剤型に注入して冷却固化し1個あたり1.5gの坐剤を
製造する。
【0036】
【発明の効果】本発明のベンズイミダゾール誘導体およ
びその薬理学的に許容されうる塩はクラスIIIの抗不整
脈薬に分類されるカリウムチャンネル阻害作用とクラス
IVの抗不整脈薬として分類されるカルシウムチャンネル
阻害作用を合わせ持ち、優れた抗不整脈剤としての利用
が期待される。また、逆頻度依存性および心筋収縮力の
低下等のクラスIIIまたはクラスIVとして分類される抗
不整脈薬の多くに見られる特有の欠点を持たない抗不整
脈薬である。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物1のモルモット心筋細胞のカルシウム電
流に対する化合物1の作用を示す。
【図2】化合物1のモルモット心筋細胞のカリウム電流
に対する化合物1の作用を示す。
【図3】化合物1のモルモット乳頭筋の不応期に対する
化合物1の作用を示す。
【図4】化合物1のモルモット乳頭筋カルシウムスパイ
クに対する作用を示す。
【図5】化合物1のイヌ房室結節での刺激房室伝導時間
に対する作用を示す。
【図6】化合物1のモルモット乳頭筋活動電位に対する
作用の刺激頻度による変化を示す。
【図7】化合物1のモルモット心房での心収縮力および
心拍数に対する作用を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 213:40 235:24) (72)発明者 五藤 由起子 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社医薬研究所内 (72)発明者 佐原 立浩 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社医薬研究所内 (72)発明者 末田 憲義 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社医薬研究所内 (72)発明者 谷内 誠 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社医薬研究所内 (72)発明者 山田 一彦 長野県小諸市大字和田字砂原483番地12 日清製粉株式会社小諸工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1およびR2は水素原子または低級アルキル基
    を示し、nは1〜4である〕で表されるベンズイミダゾ
    ール誘導体およびその薬理学的に許容されうる塩を有効
    成分として含有することを特徴とする抗不整脈剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベンズイミダゾール誘導
    体およびその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とし
    て含有することを特徴とするカリウムチャンネル阻害
    剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のベンズイミダゾール誘導
    体およびその薬理学的に許容されうる塩を有効成分とし
    て含有することを特徴とするカルシウムチャンネル阻害
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003500388A (ja) * 1999-05-20 2003-01-07 アベンティス・ファーマ・ドイチユラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング シンナモイルアミノアルキル−置換されたベンゼンスルホンアミド誘導体

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JP2003500388A (ja) * 1999-05-20 2003-01-07 アベンティス・ファーマ・ドイチユラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング シンナモイルアミノアルキル−置換されたベンゼンスルホンアミド誘導体

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