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JPH08256456A - リラクタンス同期電動機の回転子とその製造方法 - Google Patents

リラクタンス同期電動機の回転子とその製造方法

Info

Publication number
JPH08256456A
JPH08256456A JP16350495A JP16350495A JPH08256456A JP H08256456 A JPH08256456 A JP H08256456A JP 16350495 A JP16350495 A JP 16350495A JP 16350495 A JP16350495 A JP 16350495A JP H08256456 A JPH08256456 A JP H08256456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
joining
magnetic material
blocks
synchronous motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16350495A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimitaka Maruyama
公孝 丸山
Sakae Takahashi
栄 高橋
Hiromi Nakamura
弘洋 中村
Tokuzo Sekiyama
篤蔵 関山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N S ENG KK
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
N S ENG KK
Toshiba Machine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by N S ENG KK, Toshiba Machine Co Ltd filed Critical N S ENG KK
Priority to JP16350495A priority Critical patent/JPH08256456A/ja
Publication of JPH08256456A publication Critical patent/JPH08256456A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属系の磁性材と非磁性材を組合せて磁気異
方性を得て、回転子に発生する回転力を増大させると共
に、回転子自体の強度を高めた実用的で経済性のあるリ
ラクタンス同期電動機の回転子及びその製造方法の提
供。 【構成】 磁性材16と非磁性材17とが交互に配設さ
れて接着剤による接合、固液反応接合または固相接合に
より同心円状に曲面成層されたコアコラムをこのコアコ
ラムの中心軸に対して直交する方向へ切断して分割する
と共に、その曲面成層側が円弧状外面となるように加工
して製作された複数のブロック11〜14を用い、この
複数のブロック11〜14を、ブロック毎の円弧面を連
ねて円形状に周面をなすように接着剤による接合、溶融
接合、固液反応接合および固相接合のいずれかにより一
体化することで回転子10としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁束が部分的に集中す
る磁気異方性を有し、屈曲した磁路が設けられている回
転子を有するリラクタンス同期電動機(以下、RSMと
記す)に係わり、特に、その回転子の構造および製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気異方性を利用したRSMの回
転子は、例えば図9、図10、図11に示すように簡単
な突起を設けたり、或いは構成部材をネジ、リベット等
の固定具で連結・固定したものが多い。
【0003】ここで、図9は、突起を設けた回転子を用
いているRSMの一例の要部断面を示し、磁性体円柱に
切り欠き92を設けるようにして形成された突起部93
をもつ回転子91が示されている。また、図10にはリ
ベット103で幾層もの鉄板101を連結すると共に他
のコアセグメントとも連結して固定し、更にネジ104
で基部102に固定して構成した回転子100が示さ
れ、図11には鉄板111と非磁性体の層112を交互
に重ねそれらをリベット113で連結すると共にネジ1
14で基部115に固定した回転子110が示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図9に示したような磁
性体に簡単な突起部を設けた回転子では、突起部が小さ
いとRSMの回転子に発生する回転力も小さいので、所
定の回転力を得るためには回転子を大きくしたり、突起
部を大きくしたりする必要があり、従って、RSMが大
型になるという問題点があった。更に、高速回転時には
回転子に働く遠心力が強大であるために、図10、図1
1のネジ103,104,114及びリベット113は
容易に破断することが多く、回転子100,110は高
速回転用回転子として不適なものであった。
【0005】一方、RSMは原理的には回転子の発熱が
少なく、整流子が不要であるなどの長所・利点を有する
ことから、超高速、高効率、高応答性を有する電動機と
して期待されているが、未だにRSMは広く利用される
に至っていない。この主たる原因として、上述したよう
な従来のRSM用回転子の構造上(または、従来の製造
上)の問題点に由来するところが大であり、このような
問題点を解消し得るRSM用回転子の実現と、具体的で
実用的、かつ経済的な製造方法の実現が望まれていた。
【0006】本発明は上記した課題に着目してなされた
ものであり、その目的とするところは、金属系の磁性
材、非磁性材を組合せて磁気異方性が得られるような回
転子の構造を考慮し、回転子に発生する回転力を増大さ
せると共に、回転子自体の強度を高めた実用的で経済性
のあるRSM回転子及びその製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに請求項1の発明は、リラクタンス同期電動機の回転
子であって、該回転子は、極に対応して形成された複数
のブロックを回転子の中心軸周りに配列すると共に、該
ブロックを接合により一体化して形成され、前記ブロッ
クは、基材と、この基材の外周面側に交互に多層に配列
された磁性材及び非磁性材からなる磁路構成部とからな
り、該磁路構成部は層切断面の円周方向の両端側が対称
的に回転子の外周面に現れるようにそれぞれ回転子の中
心側にへこむ形状に湾曲され、かつ基材、磁性材及び非
磁性材は互いに接合により一体化して形成されているこ
とを特徴とする。
【0008】請求項2の発明のリラクタンス同期電動機
の回転子は、上記請求項1の発明において、前記ブロッ
クの接合と、基材、磁性材及び非磁性材の接合とのいず
れか一方又は両方が接着剤により行われていることを特
徴とする。
【0009】請求項3の発明のリラクタンス同期電動機
の回転子は、上記請求項1の発明において、前記ブロッ
クの接合が、溶融接合、固液反応接合及び固相接合のい
ずれかにより行われ、前記基材、磁性材及び非磁性材の
接合が、固液反応接合及び固相接合のいずれかにより行
われていることを特徴とする。
【0010】請求項4の発明のリラクタンス同期電動機
の回転子は、上記請求項1,2又は3の発明の回転子を
軸方向に複数積層してなることを特徴とする。
【0011】請求項5の発明のリラクタンス同期電動機
の回転子の製造方法は、(1)コアケース内に磁性材か
らなる管状体及び非磁性材からなる管状体を交互に嵌め
合わせて同心円状に積層配置する工程と、(2)上記コ
アケース及び管状体を互いに接合により一体化して、コ
アコラムを製作する工程と、(3)上記コアコラムの中
心軸に垂直な平面内において、該中心軸を頂点とし2π
/nの頂角をなす線分と、該頂角を1/2に分ける直線
の延長上に中心を有し上記管状体の積層部を横切る半径
rの弧で囲まれる扇型断面を有するn個のブロックを上
記コアコラムから切り出す工程と、(4)上記n個のブ
ロックの弧の部分が外周をなすように再配置し、該n個
のブロックを接合により一体化して、上記磁性材の管状
体からなるn個の磁路を有する回転子本体を形成する工
程と、を有することを特徴とする。
【0012】請求項6の発明のリラクタンス同期電動機
の製造方法は、(1)コアケース内に磁性材からなる管
状体及び非磁性材からなる管状体を交互に嵌め合わせて
同心円状に積層配置する工程と、(2)上記コアケース
及び管状体を互いに接合により一体化して、コアコラム
を製作する工程と、(3)上記コアコラムの中心軸に垂
直な平面内において、該中心軸を頂点とし2π/nの頂
角をなす線分で分割されたn個のブロックを上記コアコ
ラムから切り出す工程と、(4)上記磁性材と非磁性材
の積層部をそれぞれ外周側に向けて上記n個のブロック
を円周上に再配置し、該n個のブロックを接合により一
体化するとともに、一体化されたブロックの外周側を円
形に加工して、上記磁性材の管状体からなるn極の磁路
を有する回転子本体を形成する工程と、を有することを
特徴とする。
【0013】請求項7の発明のリラクタンス同期電動機
の製造方法は、上記請求項5又は6に記載のリラクタン
ス同期電導機の回転子の製造方法において、前記
(2)、(4)の接合のいずれか一方又は両方が接着剤
により行われることを特徴とする。
【0014】請求項8のリラクタンス同期電動機の製造
方法は、上記請求項5又は6に記載のリラクタンス同期
電動機の回転子の製造方法において、前記(2)の接合
が、固液反応接合及び固相接合のいずれかにより行わ
れ、前記(4)の接合が、溶融接合、固液反応接合及び
固相接合のいずれかにより行われることを特徴とする。
請求項9の発明のリラクタンス同期電動機の製造方法
は、上記請求項8に記載のリラクタンス同期電動機の回
転子の製造方法において、固液反応接合がロウ付、固相
接合がHIP処理、溶融接合が電子ビーム溶接であるこ
とを特徴とする。
【0015】請求項10の発明のリラクタンス同期電動
機の製造方法は、上記請求項5、6、7、8又は9に記
載のリラクタンス同期電動機の回転子の製造方法におい
て、磁性材及び非磁性材のいずれか一方又は両方の管状
体が管材もしくは板材より成形加工してなるものである
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1の発明では、回転子は、極に対応して
形成された複数のブロックを回転子の中心軸周りに配列
すると共に、該ブロックを接合により一体化して形成さ
れ、前記ブロックは、基材と、この基材の外周面側に交
互に多層に配列された磁性材及び非磁性材からなる磁路
構成部とからなり、該磁路構成部は層切断面の円周方向
の両端側が対称的に回転子の外周面に現れるようにそれ
ぞれ回転子の中心側にへこむ形状に湾曲され、かつ基
材、磁性材及び非磁性材は互いに接合により一体化する
ことで回転子構造を得ているので、回転子での磁気異方
性が確保されていると共に、回転子自体の強度が大きい
ものとなり、さらに、より合理的に製作し得る。
【0017】請求項2の発明では、前記ブロックの接合
と、基材、磁性材及び非磁性材の接合とのいずれか一方
又は両方が接着剤により行われているため、より簡単に
製作することができ、請求項3の発明では、前記ブロッ
クの接合が、溶融接合、固液反応接合及び固相接合のい
ずれかにより行われ、前記基材、磁性材及び非磁性材の
接合が、固液反応接合及び固相接合のいずれかにより行
われているため、回転子自体の強度をより大きいものと
することができ、請求項4の発明では、請求項1、2又
は3記載の回転子を軸方向に複数積層してなる構成とし
たため、所望の寸法に設計容易となる。
【0018】請求項5,6の発明では、上記請求項1,
4の発明での回転子をより合理的に製作することが、ま
た、請求項7の発明では、上記請求項2の発明での回転
子を、さらにまた、請求項8の発明では、上記請求項3
の発明での回転子を合理的に製作することができる。
【0019】請求項9の発明では、上記請求項8の発明
における固液反応接合がロウ付、固相接合がHIP処
理、溶融接合が電子ビーム溶接とすることにより、各部
の接合状態が強固となる。
【0020】請求項10の発明では、請求項5、6、
7、8又は9の発明における積層部を高品質に製作する
上で好適な磁性材及び非磁性材を採用し得る。
【0021】
【実施例】
1.回転子 図1は、本発明が適用されたリラクタンス同期電動機の
回転子の一実施例を示す横断面図である。同図におい
て、10は回転子であり、この回転子10は、極に対応
した複数のブロック11〜14を、ブロック毎の円弧面
を連ねて円形状周面をなすようにレーザまたは電子ビー
ム溶接等の溶融接合、ロウ付等の固液反応接合、さらに
は拡散接合等の固相接合のいずれかにより一体化したも
のである。また、複数のブロック11〜14自体は、基
材15上に磁路構成部を形成するように磁性材16と非
磁性材17とが交互に配設されて固液反応接合および固
相接合のいずれかにより同心円状に曲面成層されたコア
コラムをこのコアコラムの中心軸に垂直な平面内におい
て、この中心軸を含み、かつ互いに直交する平面により
切断して分割すると共に、その曲面成層の外面が円弧状
に加工されて扇形の断面形状とされて製作されたもので
ある。なお、図中のX−X’,Y−Y’は接合位置を表
わす線である。
【0022】そして、基材15の材料として、降伏応力
または耐力が200N/mm2 以上の金属系材料、上記
回転子10の磁性材16として、JIS鉄鋼で規定され
る棒鋼、鋼板、鋼帯、鋼管におけるFe−C系材料、F
e−Ni系材料、フェライト及びマルテンサイト系材
料、電磁純鉄、ケイ素鉄等を適用することができる。ま
た、非磁性材17として、JIS鉄鋼、非鉄で規定され
るオーステナイト系ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミ
ニウム、アルミニウム合金等を適用することができる。
【0023】前述の如く、磁性材16と非磁性材17と
が互いに固液反応接合または固相接合され、また複数の
ブロック11〜14の隣接する相互が溶融接合、固液反
応接合および固相接合のいずれかで接合されて回転子1
0の構造を得ているので、回転子10での磁気異方性が
確保されると共に、回転子10自体の強度が大きいもの
となる。換言すれば、本実施例の回転子10であれば、
従来のネジやリベットにより結合された回転子と比較し
て高速回転や急加速、急停止によって接合が弛むような
こともないので、これにより回転子自体の強度を高め、
製品寿命が延長される。また、高加速に耐えられる高応
答性、高効率性を有する。
【0024】このような点に加え、上述したような市販
の材料を用いて簡単な工程で製造できるので、本発明の
RSM回転子は実用的で経済性を有する。
【0025】2.回転子の製造方法 次に、図1の回転子10の製造方法の一実施例について
以下説明する。
【0026】図2はコアコラム25の製作方法の説明
図、図3は複数のセグメントを得るためのコアコラム2
5の切断方法の説明図、図4は切断して等分された複数
のブロックを再配置して回転子本体30を形成する方法
の説明図である。
【0027】図2で、26は金属系の磁性材で作られた
管状体(筒状体)、27は金属系の非磁性材で作られた
管状体(筒状体)、28は金属系の非磁性材で作られた
芯部、29は図1の基材15となる金属材料で作られた
コアケースであり、図1の回転子10は下記の工程によ
り制作される。
【0028】(1) 磁性材からなる径の異なる複数の
管状体26及び非磁性材からなる径の異なる複数の管状
体27を図2に示すように交互に嵌合して管状体の積層
体を形成し、所定の径の芯部28を最後の管状体に嵌合
する。
【0029】(2) コアケース29,上記管状体の積
層体を形成するそれぞれ複数の管状体26,27及び芯
部28を固液反応接合または固相接合により一体化し
て、円柱状のコアコラム25を作成する。
【0030】(3) 上記工程で作成されたコアコラム
25を図3に示すように中心Pを通り互いに直交する直
線Q−Q’,R−R’及びコアコラム25にほぼ内接
(或いは、外縁の管状体にほぼ外接)する四辺形が形成
する直線Q−Q’に平行な辺P1−P2,P4−P3と
直線R−R’に平行な辺P4−P1,P2−P3でコア
コラム25の長さ方向に沿って切断して4等分し、ブロ
ック11〜14を得る。
【0031】なお、ここで、ブロック11〜14を頂点
P(コアケースの中心Pと同じ)とは対角方向の頂点P
1〜P4を中心としてコアケースの辺の長さの1/2を
半径rとする円弧で管状体26,27の積層部を横切る
ように円柱の長手方向に沿って切断して断面が扇形のブ
ロック11〜14を得るようにしてもよい。
【0032】(4) 最後に、各ブロック11〜14を
頂点P1〜P4を中心として半径rの円弧で円柱の長手
方向に沿って切断した場合にはブロック11〜14の円
弧(縁)が円の外周になるように再配置して、後述する
ように互に溶融接合、固液反応接合または固相接合して
回転子本体30を得て、それを加工成形して磁気異方性
をもつ回転子10を得る。
【0033】また、ブロックを頂点P1〜P4を中心と
して半径rの円弧で円柱の長手方向に沿って切断しない
場合は点P1,P2,P3,P4が中心Oとほぼ一致す
るように再配置して、後述するように互に接合して一体
化してから、中心Oを中心として半径rの円でそれを長
手方向に沿って切断または切削して回転子本体30を得
て、それを加工して磁気異方性をもつ回転子10を得る
ことができる。
【0034】なお、実施例では上記工程(2)でコアコ
ラム25を2つの直線で長手方向に沿って4等分割して
いるが、これに限ることなくn(n≧2)等分割しても
よく、その場合、n個のブロックを再配置して接合し一
体化してから外周を所望の形状に仕上げてもよいし、分
割の際扇形状に切り出してもよい。
【0035】また、上記(1)のコアコラム25を製作
する工程で用いる管状体は市販の金属製の管状体を必要
に応じて切削加工するか、市販の金属板を管状に曲げて
成形することにより得ることができる。なお、工程
(1)のコアコラム25を製作する工程では円形管状体
を用いているが円形管状体に限られることなく、管状で
あればよく、例えば、4角な金属製の筒でもよい。さら
にまた、上記管状体26,27のうちのいずれか一方
は、他方の表面に被覆することにより形成してもよい。
【0036】更に、上記方法で偏平な板状の回転子(す
なわち、円盤状の回転子)を複数個作成し、それらの位
相を少しずつずらせて重ねてから接合した構成の回転子
を得ることもできる。なお、この偏平な板状の回転子は
上記工程で得られた柱状体(回転子)を輪切りにして得
たものを位相を少しずつずらせて重ねてから接合して得
ることもできる。
【0037】3.回転子の製造方法の具体例 次に、図1の回転子10の製造方法の具体例について下
記実施例1〜4で説明する。
【0038】<実施例1>本実施例は、固相接合の一種
である拡散接合のためのHIP(Hot IsostaticPressin
g:熱間等方圧加圧法)処理及び溶融接合の一種である
EBW(電子ビーム溶接)による接合を行う場合の一実
施例であり、図5はHIP処理の説明図である。
【0039】工程(1)で、コア材及び磁性材として
は、例えば、市販の機械構造用炭素鋼管STKM13A
(JIS規格)、非磁性材としては、市販のオーステナ
イト系ステンレス鋼管SUS316TK(JIS規格)
を用いる。そして、図2に示した各々が交互に嵌合する
ように切削加工して交互に積層させ、脱脂洗浄後にコア
ケース29の中に設置(嵌合)する。
【0040】次に、工程(2)で、図5に示すように上
蓋21を溶接接合して内部を真空脱気してから脱気口を
密閉し、HIP処理を1000〜1100゜C、100
0〜2000Kgf/cm2 、2時間保持で行い、拡散
接合(固相接合)させ、図3に示したコアコラム25を
得る。
【0041】工程(3)でワイヤ放電加工(ワイヤカッ
ト)で扇形のブロック11〜14を切り出した後、ブロ
ックの直角部(辺)を寸法および直角度に留意し、切削
または研削加工する。
【0042】最後に、工程(4)で、図6に示すように
セットリング38内に4個のブロック11〜14の外縁
が円の外周になるように再配置し、セットリング38を
タブ板にして十文字の合せ目39を電子ビーム溶接(以
下、EBW)して、回転子本体30を得る(図4参
照)。原型としての回転子本体30を加工成形して図1
に示すような断面形状の回転子10に仕上げる。
【0043】なお、回転子10の厚みが50mmを越え
るときは、図7に示すような関係で溶接方向を90゜変
えて外周から中心に向けてEBWを行うようにすればよ
い。
【0044】上記方法により製作した回転子10を電動
機に取り付けて回転させたところ、遠心力による永久歪
を発生することなく、30000rpmの高速回転に耐
えることが実証された。
【0045】<実施例2>本実施例は、HIP処理及び
EBWによる接合の場合の他の実施例であり、磁性材と
してはJIS鉄鋼で規定される棒鋼、鋼板、鋼帯、鋼管
におけるFe−C系材料、Fe−Ni系材料、フェライ
トおよびマルテンサイト系材料及び電磁純鉄、ケイ素鉄
等があり、また、非磁性材としてはJIS鉄鋼、非鉄で
規定されるオーステナイト系ステンレス鋼、銅および銅
合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金等がある
が、工程(1)で、これらの材料を用いて上記実施例1
と同様の方法でコアコラム25を作成する。
【0046】この場合、工程(2)のHIP処理におけ
る保持温度は組合せ材のうち低融点材料の融点の70〜
80%、圧力は1000〜2000Kgf/cm2 、保
持時間は2時間程度で行う。以下、工程(3),(4)
を実施例1と同様に行い図1に示すような磁気異方性の
回転子10を作成することができる。回転子の厚みが5
0mmを越えるときも実施例1の場合と同様に行えばよ
い。
【0047】<実施例3>本実施例は、ロウ付け処理及
びEBWによる接合の場合の一実施例であり、工程
(1)で、実施例1で用いた磁性材および非磁性材を用
いて図8に示すように図2に示した各々を配置する。
【0048】工程(2)で、Niロウ(ニッケル・ロ
ウ)材31を充填して真空炉に挿入して真空ロウ付けす
る。Niロウ材はJIS規格BNi−3を用い、1.3
〜13Paの真空度で1010〜1175゜Cの温度で
0. 5〜1. 0時間保持してロウ付けする。以下、工程
(3),(4)を実施例1と同様に行い図1に示すよう
な断面形状の磁気異方性回転子10を作成することがで
きる。回転子10の厚みが50mmを越えるときも実施
例1の場合と同様に行えばよい。
【0049】<実施例4>本実施例は、ロウ付け処理及
びEBWによる接合の場合の一実施例であり、磁性材と
してJIS鉄鋼で規定される棒鋼、鋼板、鋼帯、鋼管に
おけるFe−C系材料、Fe−Ni系材料、フェライト
およびマルテンサイト系材料及び電磁純鉄、ケイ素鉄等
があり、また、非磁性材としてJIS鉄鋼、非鉄で規定
されるオーステナイト系ステンレス鋼、銅および銅合
金、アルミニウムおよびアルミニウム合金等があるが、
工程(1)で、これらの材料を用いて上記実施例3と同
様の方法でコアコラム25を作成する。以下、工程
(2)〜(4)を実施例3と同様に行い図1に示すよう
な断面の磁気異方性回転子10を作成することができ
る。回転子10の厚みが50mmを越えるときも実施例
1の場合と同様に行えばよい。
【0050】前述した実施例では、コアケース29、磁
性材及び非磁性材の管状体26、27を互いに接合によ
り一体化するのに、固液反応接合及び固相接合のいずれ
かにより行う方法を採用し、さらにブロック11〜14
を互いに接合により一体化するのに、溶融接合、固液反
応接合及び固相接合のいずれかにより行う方法を採用し
た例を示したが、本発明はこれに限らず、上記接合をで
きるだけ強力な接着剤によって行うようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明のリラクタン
ス同期電導機の回転子は、極に対応して形成された複数
のブロックを回転子の中心軸回りに配列すると共に、該
ブロックを接合により一体化して形成され、前記ブロッ
クは、基材と、この基材の外周面側に交互に多層に配列
された磁性材及び非磁性材からなる磁路構成部とからな
り、該磁路構成部は層切断面の円周方向の両端側が対称
的に回転子の外周面に現れるようにそれぞれ回転子の中
心側にへこむ形状に湾曲され、かつ基材、磁性材及び非
磁性材は互いに接合により一体化して形成されているた
め、高速の回転に耐えることができ、かつ、高加速に耐
えられる高応答性、高効率性を有し、製造も容易であ
る。また、本発明の回転子の製造方法は、まず管状体の
コアコラムを製作し、これを円周上で分割してブロック
を製作し、該ブロックを再配置して接合することにより
回転子を製造する方法であるため、工程が簡単であり、
実用的で経済性のある製造工程を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく磁気異方性回転子の一実施例の
断面図である。
【図2】コアコラムの製作方法の説明図である。
【図3】コアコラムの切断方法の説明図である。
【図4】切断したコアコラムを再配置して回転子本体を
形成する方法の説明図である。
【図5】HIP処理の準備段階の説明図である。
【図6】再配置された回転子本体の電子ビーム溶接(E
BW)の説明図である。
【図7】50mmを越える厚みを有する回転子のEBW
の説明図である。
【図8】ロウ付けのセッティングの説明図である。
【図9】従来のリラクタンス同期電動機の回転子の例の
断面図である。
【図10】従来のリラクタンス同期電動機の回転子の構
造の例の断面図である。
【図11】従来のリラクタンス同期電動機の回転子の構
造の例の断面図である。
【符号の説明】
10 回転子 11,12,13,14 ブロック 16 磁性材 17 非磁性材 21,22,23,24 柱状体 25 コアコラム 26 磁性材の管状体 27 非磁性材の管状体 28 芯部 29 コアケース 30 回転子本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 弘洋 静岡県沼津市大岡2068の3 東芝機械テク ノ株式会社内 (72)発明者 関山 篤蔵 群馬県多野郡吉井町本郷235

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リラクタンス同期電動機の回転子であっ
    て、 該回転子は、極に対応して形成された複数のブロックを
    回転子の中心軸周りに配列すると共に、該ブロックを接
    合により一体化して形成され、 前記ブロックは、基材と、この基材の外周面側に交互に
    多層に配列された磁性材及び非磁性材からなる磁路構成
    部とからなり、該磁路構成部は層切断面の円周方向の両
    端側が対称的に回転子の外周面に現れるようにそれぞれ
    回転子の中心側にへこむ形状に湾曲され、かつ基材、磁
    性材及び非磁性材は互いに接合により一体化して形成さ
    れていることを特徴とするリラクタンス同期電動機の回
    転子。
  2. 【請求項2】 前記ブロックの接合と、基材、磁性材及
    び非磁性材の接合とのいずれか一方又は両方が接着剤に
    より行われていることを特徴とする請求項1のリラクタ
    ンス同期電動機の回転子。
  3. 【請求項3】 前記ブロックの接合が、溶融接合、固液
    反応接合及び固相接合のいずれかにより行われ、前記基
    材、磁性材及び非磁性材の接合が、固液反応接合及び固
    相接合のいずれかにより行われていることを特徴とする
    請求項1のリラクタンス同期電動機の回転子。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の回転子を軸方
    向に複数積層してなることを特徴とするリラクタンス同
    期電動機の回転子。
  5. 【請求項5】 (1)コアケース内に磁性材からなる管
    状体及び非磁性材からなる管状体を交互に嵌め合わせて
    同心円状に積層配置する工程と、(2)上記コアケース
    及び管状体を互いに接合により一体化して、コアコラム
    を製作する工程と、(3)上記コアコラムの中心軸に垂
    直な平面内において、該中心軸を頂点とし2π/nの頂
    角をなす線分と、該頂角を1/2に分ける直線の延長上
    に中心を有し上記管状体の積層部を横切る半径rの弧で
    囲まれる扇型断面を有するn個のブロックを上記コアコ
    ラムから切り出す工程と、(4)上記n個のブロックの
    弧の部分が外周をなすように再配置し、該n個のブロッ
    クを接合により一体化して、上記磁性材の管状体からな
    るn個の磁路を有する回転子本体を形成する工程と、 を有することを特徴とするリラクタンス同期電動機の回
    転子の製造方法。
  6. 【請求項6】 (1)コアケース内に磁性材からなる管
    状体及び非磁性材からなる管状体を交互に嵌め合わせて
    同心円状に積層配置する工程と、(2)上記コアケース
    及び管状体を互いに接合により一体化して、コアコラム
    を製作する工程と、(3)上記コアコラムの中心軸に垂
    直な平面内において、該中心軸を頂点とし2π/nの頂
    角をなす線分で分割されたn個のブロックを上記コアコ
    ラムから切り出す工程と、(4)上記磁性材と非磁性材
    の積層部をそれぞれ外周側に向けて上記n個のブロック
    を円周上に再配置し、該n個のブロックを接合により一
    体化するとともに、一体化されたブロックの外周側を円
    形に加工して、上記磁性材の管状体からなるn極の磁路
    を有する回転子本体を形成する工程と、 を有することを特徴とするリラクタンス同期電動機の回
    転子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載のリラクタンス同
    期電導機の回転子の製造方法において、前記(2)、
    (4)の接合のいずれか一方又は両方が接着剤により行
    われることを特徴とするリラクタンス同期電動機の回転
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6に記載のリラクタンス同
    期電動機の回転子の製造方法において、前記(2)の接
    合が、固液反応接合及び固相接合のいずれかにより行わ
    れ、前記(4)の接合が、溶融接合、固液反応接合及び
    固相接合のいずれかにより行われることを特徴とするリ
    ラクタンス同期電動機の回転子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のリラクタンス同期電動
    機の回転子の製造方法において、固液反応接合がロウ
    付、固相接合がHIP処理、溶融接合が電子ビーム溶接
    であることを特徴とするリラクタンス同期電動機の回転
    子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5、6、7、8又は9に記載の
    リラクタンス同期電動機の回転子の製造方法において、
    磁性材及び非磁性材のいずれか一方又は両方の管状体が
    管材もしくは板材より成形加工してなるものであること
    を特徴とするリラクタンス同期電導機の回転子の製造方
    法。
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