JPH08245525A - フッ素系溶剤 - Google Patents
フッ素系溶剤Info
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- JPH08245525A JPH08245525A JP5735695A JP5735695A JPH08245525A JP H08245525 A JPH08245525 A JP H08245525A JP 5735695 A JP5735695 A JP 5735695A JP 5735695 A JP5735695 A JP 5735695A JP H08245525 A JPH08245525 A JP H08245525A
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Abstract
の小さいフッ素系溶剤を提供する。 【構成】 下記一般式(I)又は(II)で表される含水素
ポリフルオロ第3級アミンを含むフッ素系溶剤。 【化10】 【化11】 【効果】 洗浄性が良好で、プラスチック等の素材に悪
影響を与えず、塩素原子を持たないためオゾン層の破壊
問題がなく、地球温暖化問題の面からも有効である。従
来のCFC系溶剤と同様の使用態様を採用することがで
き、既存装置の大幅な変更を必要としない。
Description
球温暖化に対する影響が小さい、含水素ポリフルオロ第
3級アミンを含んでなるフッ素系溶剤に関する。
ックやゴム製品、電子部品等の洗浄用溶剤として知られ
ている。特に、塩素原子、或いは、塩素原子とフッ素原
子を有するハロゲン化炭化水素群は、不燃性かつ安定
で、ワックスや油脂類を溶解することができることか
ら、各種産業分野に広く使用されている。
1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレンが、また、塩素原子とフッ素原子
を有するもの(以下「CFC」と称す。)としては、ト
リフルオロトリクロロエタン(以下「CFC113」と
称す。)等が知られており、特に後者のCFC113は
低毒性で、しかもプラスチックやゴム等の表面を侵食し
ないことから、各種用途に広く用いられている。
ン化炭化水素は、このように優れた特徴を有する反面、
構成元素の1つである塩素原子が触媒となり、地球を取
り巻くオゾン層を破壊することが明らかにされたことか
ら、CFC113や1,1,1−トリクロロエタン等の
「特定フロン」は、全廃されることが国際的に取り決め
られた。
らの溶剤に代わる新規溶剤の開発が不可欠であり、実
際、洗浄溶剤としてCFC113に代わる物質が具体的
に種々検討されているものの、未だ有効な代替物が見出
されていないのが現状である。
球温暖化防止に対する配慮も求められていることから、
代替溶剤化合物に要求される性能の一つとして、地球温
暖化に及ぼす影響が小さいことも重要な要件となってい
る。この地球温暖化に及ぼす影響の評価は、地球温暖化
係数(GWP又はHGWP)と大気中寿命の値が目安と
考えられている。即ち、地球温暖化問題を考慮すると、
将来の代替フロン候補化合物は、地球温暖化係数ができ
る限り小さく、2〜3年以下の大気中寿命を持つ化合物
が望ましいと云われている。
t社が開発したヒドロフルオロカーボン、HFC−43
−10mee(CF3 CFHCFHCF2 CF3 )は、
オゾン層を破壊しない代替溶剤としての特性をいくつか
備えているが、HWGPが0.25、大気中での寿命が
20.8年と発表され、比較的長寿命とみられる。
VDTM洗浄システムにおける水切り剤及び有機溶剤のリ
ンス剤として、分子内に水素原子を含まない、ペルフル
オロカーボン液体PF−5052(ペルフルオロ−N−
メチルモルホリン)等を数年前に上市したが、該化合物
の大気中寿命は数百年〜数千年と推定されている。
は、例えば特開平5−132451号公報に記載の、分
子内に水素原子を1個有するモノヒドロポリフルオロ第
3級アミン等が知られている。しかしながら、該化合物
は、溶解力が著しく低く、洗浄溶剤としては不適当であ
る。
のであり、CFC113等からなるこれまでの洗浄用溶
剤がオゾン層の破壊を引き起こすという欠点を解消し、
地球温暖化といった新しい環境問題にも配慮しつつ、洗
浄作用に優れた新規なフッ素系溶剤を提供するものであ
る。
は、下記一般式(I)で表される含水素ポリフルオロ第
3級アミンの1種又は2種以上からなる、或いは、この
含水素ポリフルオロ第3級アミンの1種又は2種以上を
含むことを特徴とする。
(II)で表される含水素ポリフルオロ第3級アミンの1
種又は2種以上からなる、或いは、この含水素ポリフル
オロ第3級アミンの1種又は2種以上を含むことを特徴
とする。
2のフッ素系溶剤において、第2成分として更に、炭化
水素化合物,アルコール化合物,エーテル化合物,ケト
ン化合物,エステル化合物,有機窒素化合物,有機硫黄
化合物及び有機ケイ素化合物からなる群から選ばれた1
種又は2種以上を含み、該第2成分の含有量が前記含水
素ポリフルオロ第3級アミンの重量の1〜50重量%で
あることを特徴とする。
し3のいずれか1項に記載のフッ素系溶剤において、洗
浄剤であることを特徴とする。
し3のいずれか1項に記載のフッ素系溶剤において、水
切り剤であることを特徴とする。
し3のいずれか1項に記載のフッ素系溶剤において、ド
ライクリーニング用溶剤であることを特徴とする。
し3のいずれか1項に記載のフッ素系溶剤において、塗
料用溶剤であることを特徴とする。
し3のいずれか1項に記載のフッ素系溶剤において、抽
出用溶剤であることを特徴とする。
オロ第3級アミンにおいて、R1 がトリフルオロメチル
基の場合、R2 は炭素数1〜3の水素原子を有するか又
は有しないポリフルオロアルキル基であり、XはH又は
トリフルオロメチル基であれば良い。R1 がペンタフル
オロエチル基で、Xがトリフルオロメチル基の場合、R
2 としては炭素数1又は2の水素原子を有するか又は有
しないポリフルオロアルキル基であることが、当該含水
素ポリフルオロ第3級アミンが適当な沸点範囲となるこ
とから好ましい。なお、R1 がペンタフルオロエチル基
で、XがHの場合、R2 は炭素数1〜3の水素原子を有
するか又は有しないポリフルオロアルキル基で良い。
リフルオロ第3級アミンにおいて、R1 がトリフルオロ
メチル基の場合、R3 としてはエチル基又はプロピル基
であることが、また、R1 がペンタフルオロエチル基の
場合、R3 としてはメチル基、エチル基又はプロピル基
であることが、当該含水素ポリフルオロ第3級アミンが
適当な沸点範囲となることから好ましい。
ポリフルオロ第3級アミンの製造方法は、特願平6−1
76769号に記述の製造方法、すなわち、一般式CF
3 N=CFY(式中、YはF又はトリフルオロメチル
基)で表されるペルフルオロアザアルケン、例えば、ペ
ルフルオロ−2−アザ−2−プロペン(CF3 N=CF
2 )、ペルフルオロ−2−アザ−2−ブテン(CF3 N
=CFCF3 )等を、アセトニトリル、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジグリム、ジメチルスルホキシド、N
−メチルピロリドン、スルホラン等の非プロトン性極性
溶媒中で、フッ化カリウム及び/又はフッ化セシウム等
のアルカリ金属フッ化物、並びに、下記一般式 (III)で
表されるスルホン酸エステル類と反応させることによ
り、容易に得ることができる。
基であり、好ましくは、トリフルオロメチル基である。
また、Z1 は、次式で表されるような、エステル部分
(Z1 )が、炭素数2〜5のアルキル基であるスルホン
酸エステルである。 Z1 =−SO2 OCHXR4 (ただし、R4 は炭素数1〜3の水素原子を有するか又
は有しないポリフルオロアルキル基を示し、XはH又は
トリフルオロメチル基を示す。)) スルホン酸エステルとしては、具体的には、次のような
ものが挙げられ、目的とする含水素ポリフルオロ第3級
アミンに応じて選択使用される。
3 SO2 OCH2 CF3 ,CF3 SO2 OCH2 CF2
CF2 H,CF3 SO2 OCH2 CF2 CF3 ,CF3
SO2 OCH(CF3 )2 ,CF3 SO2 OCH(CF
3 )CF2 CF3 ,CF3 SO2 OCH(CF3 )CF
2 CF2 CF3 ,CF3 SO2 OCH2 CF2 CFHC
F3 ,CF3 SO2 OCH2 CF2 CF2 CF3 請求項2の発明において用いられる含水素ポリフルオロ
第3級アミンを製造する場合、上記方法において、スル
ホン酸エステルとして、上記請求項1の含水素ポリフル
オロ第3級アミンの製造に用いられるペルフルオロアル
キルスルホン酸エステルが使用できる。その他に、p−
トルエンスルホン酸エステル、アルキル硫酸、メタンス
ルホン酸エステルなどの各種スルホン酸エステルの、エ
ステル部分(Z2 )が次式で表されるような、炭素数1
〜3のアルキル基であるスルホン酸エステルを用いるこ
とができる。
とする含水素ポリフルオロ第3級アミンに応じて選択使
用される。なお、以下において、C6 H4 はフェニレン
基である。
2 OCH3 ,C3 F7 SO2 OCH3 , C4 F9 S
O2 OCH3 ,CF3 SO2 OCH2 CH3 ,CF3 S
O2 OC3 F7 ,CH3 C6 H4 SO2 OCH3 ,CH
3 C6 H4 SO2 OCH2 CH3 ,CH3 C6 H4 SO
2 OC3 F7 ,CH3 OSO2 OCH3 ,CH3 CH2
OSO2 OCH2 CH3 ,C3 H7 OSO2 OC3 H
7 ,CH3 SO2 OCH3 , CH3 SO2 OCH2
CH3 ,CH3 SO2 OC3 H7 即ち、本発明で使用するスルホン酸エステルは、アルキ
ル基又はポリフルオロアルキル基を導入するためのアル
キル化剤であり、スルホン酸エステル由来の置換基は、
合成する含水素ポリフルオロ第3級アミンの窒素原子に
結合して、前記一般式(I)における置換基CHXR
2 、又は、前記一般式(II)における置換基R3 を構成す
るものとなるため、上記のようなスルホン酸の、炭素数
1〜3のアルキルエステル又は炭素数2〜5のポリフル
オロアルキルエステルが用いられる。
よっても合成収率に違いがあり、請求項1に記載の化合
物を合成する場合には、一般に、他の条件が同一であれ
ば、合成収率は、トリフルオロメタンスルホン酸エステ
ルが最も高く、従って、最も好適に用いられる。次い
で、メタンスルホン酸エステル、アルキル硫酸、p−ト
ルエンスルホン酸エステルの順に収率は低下する。ま
た、請求項2に記載の化合物を合成する場合には、アル
キル硫酸とトリフルオロメタンスルホン酸エステルが最
も好適に用いられる。
は、用いる薬剤の種類や目的とする生成物によっても異
なるが通常の場合、次のような条件を採用するのが好ま
しい。
のペルフルオロアザアルケン1モルに対して0.5〜
2.0倍モル、好ましくは1.05〜1.25倍モル用
いるのが適当である。スルホン酸エステルを過度に多く
用いても収率は向上せず、かえって不経済である。
料のペルフルオロアザアルケン1モルに対して0.5〜
10倍モル、好ましくは1.5〜8倍モルが適当であ
り、このように過剰に用いることにより、収率が向上す
る。しかし、過度に多く用いても、収率は頭打ちになり
生産効率が低くなる。
ルオロアザアルケンとの割合は、ペルフルオロアザアル
ケン1モルに対して非プロトン性極性溶媒を500〜2
000mlの範囲で用いるのが好ましい。非プロトン性
極性溶媒は、多量に使用すると反応時間を短縮できる
が、過度に多量に用いるとバッチ当りの生産効率が低く
なり不経済である。
0〜100℃及び6〜80hrが好ましく、より好まし
くは20〜80℃及び12〜65hrである。
水素ポリフルオロ第3級アミンとしては、例えば次のよ
うなものが挙げられる。
3級アミンは、前記一般式(I)で表される、窒素原子
に結合する3個の置換基のうちの1個におけるα炭素原
子にフッ素原子を持たない構造の含水素ポリフルオロ第
3級アミンであり、その好適な具体例は、下記の通りで
ある。
において、R1 が炭素数1のトリフルオロメチル基であ
り、R2 が炭素数1〜3で水素原子を一つ有するか又は
有しないポリフルオロアルキル基であり、XがH又はト
リフルオロメチル基である化合物であり、その具体例は
以下の通りである。
3級アミンは、前記一般式(II)で表される、アルキル基
を有する含水素ポリフルオロ第3級アミンであり、その
好適な具体例は、下記の通りである。
I)において、R1 が炭素数1のトリフルオロメチル基で
あり、R3 が炭素数2又は3のアルキル基である化合物
であり、その具体例は以下の通りである。
は、それ単独で用いることにより、当該含水素ポリフル
オロ第3級アミンが有する、汚れの選択的溶解除去作
用、材料との融和性、不燃性ないし難燃性、乾燥性、表
面張力が小さいことによる微小部分の汚れ除去性といっ
た効果が最も有効に発揮されるが、被洗浄対象によって
は、当該含水素ポリフルオロ第3級アミンの単独使用で
は、十分な洗浄効果が得られない場合がある。従って、
このような場合においては、含水素ポリフルオロ第3級
アミンに、更に第2成分として、炭化水素化合物,アル
コール化合物,エーテル化合物,ケトン化合物,エステ
ル化合物,有機窒素化合物,有機硫黄化合物及び有機ケ
イ素化合物からなる群から選ばれた1種又は2種以上を
用いる。この場合、炭化水素化合物としては、具体的に
はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン等の脂肪族又は芳香族炭化
水素類が挙げられる。また、アルコール化合物として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、カルビトール等が挙げられる。
エーテル化合物としては、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、モノグリム、ジグリム等が挙げられ
る。ケトン化合物としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。エステル化合
物としては、カルボン酸エステル、例えばギ酸エステ
ル、酢酸エステル等が挙げられる。有機窒素化合物とし
ては、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。有機
硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン等が挙げられる。有機ケイ素化合物としては、具体的
にはヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン等が挙げられる。本発明に係る含水素ポ
リフルオロ第3級アミンは、これらの第2成分に対して
任意の割合で良好な溶解性を示す。
等の溶解性を必要とする用途に用いる場合、これら第2
成分の使用割合が少な過ぎると当該第2成分を用いたこ
とによる溶解力の向上効果が十分に得られず、逆に、第
2成分の使用割合が多過ぎると、本発明に係る含水素ポ
リフルオロ第3級アミンを用いることによる、汚れの選
択的溶解除去作用、材料との融和性、不燃性ないし難燃
性、乾燥性、表面張力が小さいことによる微小部分の汚
れ除去性といった効果が損なわれる。従って、第2成分
を用いる場合、第2成分の配合量は、含水素ポリフルオ
ロ第3級アミンに対して1〜50重量%とするのが好ま
しい。
3級アミンを水切り剤として用いる場合には、一般に
は、第2成分を配合せず、含水素ポリフルオロ第3級ア
ミン単独使用で用いるか、或いは、第2成分を用いた場
合であっても上記割合よりも少なくするのが好適であ
る。
じて、更に、安定化剤を配合しても良い。この場合、安
定化剤としては、ニトロ化合物、不飽和炭化水素、エポ
キシ化合物、フェノール化合物、アルケニルアミン、環
状窒素化合物、不飽和アルコール等が挙げられる。その
他、各種界面活性剤を配合しても良い。
く有する含水素ポリフルオロ第3級アミンを含むため不
燃性ないし難燃性であり、表面張力が小さいことから乾
燥性にも優れ、更に、従来のCFC113と同程度の溶
解力を有することから溶剤として好適に用いることがで
きる。
切り剤、ドライクリーニング用溶剤、塗料用溶剤、抽出
用溶剤等である。洗浄剤としては、フラックス,グリー
ス,油,ワックス,インキ等を、ガラス,セラミック
ス,プラスチック,ゴム,金属製各種物品,特にIC部
品,電気機器,精密機械,光学レンズ等の表面から取り
除くために用いられる。また、水切り剤としては、前記
物品を水洗浄した後に、水を表面から取り除くために用
いられる。洗浄方法としては、手拭き、浸漬、スプレ
ー、揺動、超音波洗浄、蒸気洗浄等を採用すれば良い。
鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するアミン化合
物、即ち、含水素ポリフルオロ第3級アミンを含む溶剤
が、分子内に塩素を含有しないことから、オゾン層を破
壊する恐れが全くなく、また、油脂類、塵埃等の洗浄効
果に優れ、しかも、CFC113と同様に適度な溶解力
を有することから、各種の汚れのみを選択的に溶解除去
し、被洗浄品の金属、プラスチック、エストラマー等か
らなる複合部品を侵さないことを見出した。
度な安定性と分解性をバランス良く兼ね備えた化合物で
あることが望まれるが、化合物の化学構造、とりわけ、
フッ素原子と水素原子の含有量及び導入位置は、その化
合物自体の化学的,熱的安定性や環境に及ぼす影響の程
度等を本質的に決定する重要な要因となる。
一般に、窒素原子に隣接した炭素原子が、フッ素原子で
囲まれている場合、極めて安定であるために分解しにく
いと云われ、また、逆に、この炭素原子にフッ素原子と
水素原子の両方が結合している場合には、極めて不安定
と云われている。
3個の置換基のうちの1個が、アルキル基であるか又
は、α位の炭素原子にフッ素原子が結合していない構成
のポリフルオロアルキル基である含水素ポリフルオロ第
3級アミンが、適度な安定性と分解性をバランス良く付
与された化合物であることを見出し、本発明を完成する
に至った。
リフルオロ第3級アミンは、いずれも窒素原子に隣接し
ている3個の置換基のうちの1個におけるα炭素原子に
フッ素原子を持たない構造の化合物であり、そのHGW
Pは0.1以下、大気中寿命は数年以下と評価されてい
る。従って、前述のHFC−43−10meeやPF−
5052等及びモノヒドロポリフルオロ第3級アミンに
比べて、より適度な化学的,熱的安定性と分解性を兼ね
備えており、地球温暖化問題にも配慮した代替溶剤とし
て有用である。
ミンは、 分子内に塩素を含有しないことから、オゾン層を破
壊する恐れがない。 適度な溶解力を有することから、被洗浄品を侵すこ
となく、特にプラスチックに与える影響が少なく、汚れ
のみを選択的に溶解除去できる。 窒素原子に結合している置換基のうち、α炭素原子
にフッ素原子がない置換基を一つ有する構造であること
から、適度な安定性と分解性をバランス良く有するた
め、大気中寿命も比較的短く、地球温暖化防止に有効で
ある。 分子内にフッ素原子を多く有するため不燃性ないし
難燃性である。また、表面張力が小さい上に、蒸発潜熱
が小さいことから、乾燥性にも優れ、洗浄終了後、容易
に乾燥除去できる。特に、表面張力が小さいという特性
から、複雑形状の被洗浄品であっても、非常に小さな割
れ目やメクラ穴に容易に入り込み、該部分の汚れを取り
除くことができる。 といった特性を有し、溶剤として極めて有効に使用する
ことができる。
それ単独使用では、良好な溶解性を得ることができず、
第2成分として、更に、炭化水素化合物,アルコール化
合物,エーテル化合物,ケトン化合物,エステル化合
物,有機窒素化合物,有機硫黄化合物及び有機ケイ素化
合物からなる群から選ばれた1種又は2種以上を、含水
素ポリフルオロ第3級アミンに対して1〜50重量%含
有する場合において、優れた溶解力で良好な洗浄効果を
得ることができる。
挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨
を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるも
のではない。
Q−30)中に浸漬した後、表1に示す配合の種々の洗
浄剤に5分間浸漬した後、取り出し、目視によって機械
油の除去された程度を観察し、結果を表1に示した。
級アミンを含む本発明のフッ素系溶剤、とりわけ含水素
ポリフルオロ第3級アミンと、含水素ポリフルオロ第3
級アミンに対して所定範囲内の第2成分を配合した洗浄
剤であれば、従来の機械油の洗浄剤であるCFC113
と同等の良好な洗浄効果が得られることがわかる。
浄剤に20℃で24時間浸漬した後、取り出し、取り出
し直後に寸法変化率と重量変化率を測定すると共に、外
観を目視により観察し、結果を表2に示した。なお、N
o. 5,6では、45℃で1時間浸漬した場合の結果を
調べた。
プラスチックに対して殆ど悪影響を及ぼすことがないこ
とがわかる。
重量部と、n−ヘキサン0〜50重量部又はカルビトー
ル0〜50重量部を室温で混合し、溶解性を調べた。結
果を表3に示した。
ロ第3級アミンは、n−ヘキサン等の第2成分と任意の
割合で溶解可能であることがわかる。
おける水に対する溶解度を、ガスクロマトグラフィーに
よる定量法にて測定し、結果を表4に示した。
ロ第3級アミンは、水には殆ど溶解せず、水切り剤とし
て、非常に有用であることがわかる。
フルオロ第3級アミンを含むフッ素系溶剤は、洗浄性が
良好で、素材、特にプラスチックに悪影響を与えず、更
に塩素原子を持たないためにオゾン層の破壊問題を生じ
ることもない。その上、地球温暖化問題の面からも有効
であり、また、従来のCFC系溶剤と同様の使用態様を
採用することができ、従って、既存装置の大幅な変更を
必要とすることなく、そのまま適用できるなどの利点を
有することから、工業的に極めて価値の高いものであ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表される含水素ポリ
フルオロ第3級アミンの1種又は2種以上を含むフッ素
系溶剤。 【化1】 - 【請求項2】 下記一般式(II)で表される含水素ポリ
フルオロ第3級アミンの1種又は2種以上を含むフッ素
系溶剤。 【化2】 - 【請求項3】 前記一般式(I)又は(II)で表される
含水素ポリフルオロ第3級アミンとともに、炭化水素化
合物,アルコール化合物,エーテル化合物,ケトン化合
物,エステル化合物,有機窒素化合物,有機硫黄化合物
および有機ケイ素化合物からなる群から選ばれた1種又
は2種以上を、前記含水素ポリフルオロ第3級アミンの
重量の1〜50重量%含有してなる請求項1又は2に記
載のフッ素系溶剤。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のフッ素系溶剤において、洗浄剤であることを特徴とす
るフッ素系溶剤。 - 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のフッ素系溶剤において、水切り剤であることを特徴と
するフッ素系溶剤。 - 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のフッ素系溶剤において、ドライクリーニング用溶剤で
あることを特徴とするフッ素系溶剤。 - 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のフッ素系溶剤において、塗料用溶剤であることを特徴
とするフッ素系溶剤。 - 【請求項8】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のフッ素系溶剤において、抽出用溶剤であることを特徴
とするフッ素系溶剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7057356A JP2728198B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | フッ素系溶剤 |
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JPH08245525A true JPH08245525A (ja) | 1996-09-24 |
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Citations (1)
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-
1995
- 1995-03-16 JP JP7057356A patent/JP2728198B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
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JPH0672971A (ja) * | 1992-08-26 | 1994-03-15 | Agency Of Ind Science & Technol | 水素を有する含フッ素アミン化合物の製造方法 |
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