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JPH08241850A - 微動位置決め制御装置 - Google Patents

微動位置決め制御装置

Info

Publication number
JPH08241850A
JPH08241850A JP7066684A JP6668495A JPH08241850A JP H08241850 A JPH08241850 A JP H08241850A JP 7066684 A JP7066684 A JP 7066684A JP 6668495 A JP6668495 A JP 6668495A JP H08241850 A JPH08241850 A JP H08241850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motion mode
control device
fine movement
positioning
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7066684A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Wakui
伸二 涌井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP7066684A priority Critical patent/JPH08241850A/ja
Publication of JPH08241850A publication Critical patent/JPH08241850A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 微動位置決め制御装置における位置決め整定
性を改善して位置決め性能をさらに向上させる。 【構成】 位置決め対象物を駆動用アクチュエータ2
M,2R,2Lと、対象物の移動距離計測用の位置セン
サ3M,3R,3Lと、その出力を電気信号に変換する
変位増幅器4M,4R,4Lと、その出力信号から運動
モード別変位信号を抽出する運動モード抽出回路9と、
運動モード別変位信号をそれぞれの指令電圧と比較して
運動モード別偏差信号を作り各偏差信号を所定の感度と
する偏差増幅器6M,6R,6Lと、その各出力を補償
する補償器7M,7R,7Lと、その出力信号安定化用
フィルタ11と、その出力信号から各アクチュエータに
対する駆動信号を作る運動モード分配回路10と、アク
チュエータを駆動用電力増幅器8M,8R,8Lとから
成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位置決め対象物を所定
の位置に所定の姿勢で位置決めする微動位置決め制御装
置に係り、特に位置決め対象物の運動モードに基づく位
置信号の非干渉化が施された微動位置決め制御装置であ
って、その制御装置内に運動モードごとの安定化フィル
タを挿入することにより、従前に比べてさらに位置決め
整定性および外乱耐性を向上した微動位置決め制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、精密加工、組立、調整などの分野
における位置決めに対しては、サブミクロンオーダの位
置決め精度が要求されている。特に、微細パターンの露
光を目的とした超精密位置決めステージにおいては高い
駆動分解能と周波数応答の広帯域化を実現すべく、アク
チュエータとして圧電素子(ピエゾ)や電歪素子が多用
されている。
【0003】図7は、鉛直方向1自由度と水平面内の傾
き2自由度の合計3自由度を位置決め制御する微動位置
決め制御装置のブロック図を示す。これは、本出願人が
特願平6−132405号『微動位置決め制御装置』に
おいて開示した装置構成である。この微動位置決め制御
装置の特徴は、並進と回転という運動モードに関して非
干渉で制御できることにある。図7において、1は位置
決めするための平板状の基板、2M、2R、2Lは鉛直
方向に変位を発生するアクチュエータである。これらの
アクチュエータは圧電素子を駆動素子としており、その
変位拡大機構も含まれる。さらに、アクチュエータ2
M、2R、2Lによる駆動位置近傍には基板1の鉛直方
向の変位を非接触で計測する位置センサ3M、3R、3
Lがある。これらをもって微動位置決め機構と呼ぶこと
にする。なお、鉛直方向をZ軸として基板1の水平面内
にxy座標を定める。
【0004】さて、位置センサ3M、3R、3Lによっ
て計測される基板1の鉛直方向の変位は、変位増幅器4
M、4R、4Lによって電気信号(zM 、zR 、zL
に変換された後、運動モード抽出回路9に導かれて運動
モード変位信号(zg 、zθ x 、zθy )となる。次い
で、指令電圧入力端子5M、5R、5Lに加えられる電
圧と比較されて運動モード偏差信号(ey 、eθx 、e
θy )となり、これらの運動モード偏差信号は所定の感
度を得るべく偏差増幅器6M、6R、6Lに入力され、
制御ループの調整を行なう補償器7M、7R、7Lへと
導かれる。これら補償器の制御信号(cg 、cθx 、c
θy )をもって運動モード分配回路10への入力となし
各軸への駆動信号(dM 、dR 、dL )を生成する。最
後に、各軸への駆動信号(dM 、dR 、dL )によって
電力増幅器8M、8R、8Lを励起し、アクチュエータ
2M、2R、2Lの上下動により基板9を上下方向に並
進移動させたり、あるいは鉛直軸に対して傾かせる駆動
が行なわれる。これらの閉ループはフィードバック装置
と呼ぶことにする。上記の微動位置決め機構とフィード
バックを装置とを含めて微動位置決め制御装置と呼ぶこ
とにしよう。
【0005】なお、上述の説明において、電力増幅器8
M、8R、8Lは電圧入力に対して電流を出力するタイ
プのものとする。このとき、補償器7M、7R、7Lは
ゲイン調整のみを行なう。なんとなれば、アクチュエー
タ2M、2R、2Lを構成する圧電素子は電気的にみる
とコンデンサであり、電力増幅器8M、8R、8Lとそ
れらが駆動する各圧電素子とを含めた伝達関数には積分
器が含まれることになるからである。このため、この制
御ループはいわゆる1型となり、制御理論の教えるとこ
ろによれば定常偏差「零」が自動的に保証されるのであ
る。したがって、補償器7M、7R、7Lには積分器を
含ませなくてもよいのである。
【0006】さて、従来の微動位置決め制御装置の構成
において、閉ループ系としての特性調整は補償器7M、
7R、7Lのゲインを操作することによって行なわれ
る。運動モードに基づく非干渉化の構成を採る微動位置
決め制御装置の場合には、並進運動に対しては補償器7
M、x軸回りの回転運動に対しては補償器7R、そして
y軸回りの回転運動に対しては補償器7Lのゲインを操
作することにより運動モードごとに独立な閉ループとし
ての特性調整が可能である。補償器7M、7R、7Lは
ゲイン操作の役割のみ有し、ゲインを増加させていくと
順次応答時間の短縮が図れるのである。しかし、もちろ
んのことであるが補償器7M、7R、7Lのゲインを無
限に大きくしていくことはできない。閉ループ系として
の安定限界は厳然と存在するわけであり、応答時間の短
縮は余裕をもたせた安定限界の直前までのゲイン増加で
制限されてしまうのである。
【0007】図7に示す微動位置決め制御装置以前の旧
式な制御装置の構成は、図7から運動モード抽出回路9
と運動モード分配回路10を除去し、位置決め駆動する
軸ごとに独立の制御ループが構成されていた。この場合
も、補償器7M、7R、7Lのゲインを操作することに
より閉ループ系の位置決め特性が調整できる。しかしな
がら、各駆動軸が独立の制御ループ構成の場合、補償器
7M、7R、7Lのゲインを大きく異ならせることは有
り得ず、必然的に3箇所同一のゲイン設定になってい
た。この場合も、補償器7M、7R、7Lのゲインを順
次大きくしていくと位置決め時間の短縮が図れていく
が、やがては振動的応答を呈し不安定化することになっ
ていた。
【0008】上述の内容を1軸の微動位置決め機構を対
象にして再度説明する。まず、駆動点の変位xd から負
荷側の変位xまでの伝達関数は(1)式で表現できる。
【0009】
【数1】 ここで、m:質量、d:粘性摩擦係数、k:ばね定数、
である。(1)式で表現される1軸の微動位置決め機構
のダイナミクスが高周波域に存在する場合、すなわち機
構の固有値が高い場合には、次式のように駆動点の変位
d から負荷の変位xまでの伝達関数は(2)式のよう
に1とみなせる。
【0010】
【数2】 この場合、図8のように積分器のゲインを含めたループ
ゲインをK1oopとおけば、目標値xo から被制御量xま
での伝達関数は(3)式となる。
【0011】
【数3】 上式の意味するところは重要である。つまり、図8に示
す閉ループにおける目標値xo から被制御量xまでの時
間応答にはオーバーシュートが発生せず、ループゲイン
1oopによりその応答性を任意に調整することが可能な
のである。しかし、ループゲインK1oopを無限に大きく
することはできない。やがては機構のダイナミクスを刺
激することになり、すなわち1軸の微動位置決め機構を
(2)式で表現できなくなり、不安定な領域に至るので
ある。
【0012】そこで、本発明ではループゲインを増加さ
せていったときの不安定な領域を緩和して、すなわち安
定範囲を拡大して、位置決め性能の向上を図ることを目
的とする。
【0013】なお、微動位置決め機構やその制御に関連
する公知の文献としては以下のものがある。しかしなが
ら、本発明が解決せんとする課題を扱ったり、それに対
する解決方法を開示したものはない。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上説明してきたよう
に、旧来の駆動各軸ごとに位置決めの閉ループを設けた
微動位置決め制御装置、および本出願人による運動モー
ドに基づいて非干渉化した微動位置決め制御装置の何れ
の場合も、制御ループのゲインを上げていくと当然のこ
とながら安定限界に達し位置決め性能の向上が抑えられ
てしまう、という課題があった。しかし、位置決め整定
性は延々と改善していかねばならないのであり、これに
応えるための技術開発が課題として残されていたのであ
る。
【0016】本発明は、微動位置決め制御装置における
位置決め整定性を改善し、もって位置決め性能のさらな
る向上を図ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明の微動位置決め制御装置では、位置決め対
象物を駆動する複数個のアクチュエータと、前記対象物
の移動距離を計測する複数個の位置センサと、前記各位
置センサの出力を電気信号に変換する変位増幅器と、前
記変位増幅器の出力信号を入力とする演算によって前記
対象物に関する複数個の運動モードの運動モード別変位
信号を抽出する運動モード抽出回路と、前記運動モード
別変位信号をそれぞれの変位信号に対応する指令電圧と
比較して運動モード別偏差信号を取得し、各偏差信号を
所定の感度となす偏差増幅器と、前記偏差増幅器の複数
個の各出力に対してそれぞれ独立に補償を行なう補償器
と、前記補償器の出力信号を安定化するための安定化フ
ィルタと、前記安定化フィルタの出力信号を入力とする
演算によって前記各アクチュエータに対する駆動信号を
生成する運動モード分配回路と、前記駆動信号に応動し
て前記アクチュエータを駆動する電力増幅器とを備える
ことを特徴とする。
【0018】本発明の好ましい実施例の一つにおいて、
前記補償器は前記偏差増幅器の出力に対してゲイン調整
を行なう補償器であり、前記電力増幅器は電流出力型の
電力増幅器である。また、前記安定化フィルタは運動モ
ードごとに設計された位相進み補償器である。この安定
化フィルタは、各運動モードへの位置決め要求性能によ
って、すなわち必要に応じて一つ以上の運動モードに対
して挿入される。さらに、本発明の好ましいもう一つ実
施例において、前記安定化フィルタは、位相進み補償と
ノッチフィルタとを縦続した伝達関数、位相進み補償と
ローパスフィルタとを縦続した伝達関数、ノッチフィル
タの伝達関数、およびローパスフィルタの伝達関数の何
れかであり、必要な位置決め性能に応じて一つ以上の運
動モードに対して挿入される。
【0019】
【作用】運動モードに基づいて非干渉化した微動位置決
め制御装置では、位置決め特性を運動モードごと独立に
調整できる制御系の骨格を持つ。この制御系の中に、少
なくともひとつ以上の運動モードに対して安定化フィル
タを挿入するので、その運動モードの位置決め特性に対
して安定化が図られる。安定化フィルタが位相進み補償
器の場合、制御理論の観点から安定化できる理由を簡単
に説明しておく。安定化フィルタとして位相進み補償器
を選んだ場合、s平面負実軸上に配置される新たな固有
値を閉ループ系に付加することになる。新たな負実軸上
の固有値は、制御周波数帯域内に付加されて強力なダン
ピングとなり、応答波形の暴れを抑制するよう作用す
る。
【0020】
【実施例】実施例1 以下、図面に基づき本発明の実施例を示す。図1は本発
明の一実施例に係る微動位置決め制御装置の構成を示す
ブロック図である。図において、図7と共通または対応
する部分には同一符号を付して、その部分の詳細な説明
は省略する。図1の装置は、図7のものに対し、補償器
7M、7R、7Lの後段に安定化フィルタ11を挿入し
た以外は同様に構成されている。図1において、補償器
7M、7R、7Lは、順番に並進、x軸回りの回転、そ
してy軸回りの回転運動それぞれに対するゲインの補償
であり、各補償器のゲインを操作することによって、運
動モードごとに独立なゲイン調整ができた。同様に、安
定化フィルタ11M、11R、11Lは順番に並進、x
軸回りの回転、そしてy軸回りの回転運動それぞれに対
する安定化フィルタとして機能する。
【0021】なお、図1においては、安定化フィルタ1
1の挿入位置は補償器7M、7R、7Lの後段である
が、偏差増幅器6M、6R、6Lの前後でもかまわな
い。また、安定化フィルタ11M、11R、11Lをす
べて備える必要はなく、求められる位置決め性能に応じ
て少なくとも一つ以上の運動モードに対して備えていれ
ば良い。
【0022】ここで、本実施例の効果を数値計算によっ
て示す。まず、運動モードに基づいて非干渉化した微動
位置決め制御装置の応答を示す。図2は、図7に示す微
動位置決め制御装置において補償器7R、7Lのゲイン
を固定し、補償器7Mのゲインを順次大となしたとき、
すなわち鉛直方向の並進運動モードに対する位置決め特
性のみを操作したときの運動モード偏差信号(eg 、e
θx 、eθy )である。指令電圧入力端子5M、5R、
5Lには、運動モードごとの目標位置を表す電圧が入力
されるが、計算開始5[msec]後に5Mへ、50
[msec]後に5Rへ、そして150[msec]後
に5Lへ各々2[V]の電圧を印加した。さて、図中の
実線の応答を示すときの補償器7Mのゲインを1として
規格化すると、破線はゲインが1.5の場合の応答を示
す。補償器7Mのゲインを破線の場合よりも大きくする
と、応答は明らかに益々振動的応答となり、不安定な領
域に近づく。そこで、位置決め時間を悪化させることな
く安定範囲を拡大するために、補償器7Mの後段にのみ
安定化フィルタ11Mを挿入する。ここで、安定化フィ
ルタ11Mは位相進み補償器とした。指令電圧入力端子
5M、5R、5Lへは図2と同様の条件で目標の電圧が
入力されている。結果を図3に示す。図中、破線は安定
化フィルタ11M未挿入の場合、実線が安定化フィルタ
11Mを挿入した場合の応答をそれぞれ示す。位置決め
時間を劣化させることなく、安定化フィルタ11M未挿
入時の並進運動偏差信号eg に生じていた振動的応答を
抑圧していることが分かる。
【0023】本実施例の有効性を示す図3では、並進運
動に対してのみ安定化フィルタ11Mを挿入した。しか
し、本実施例の主旨は、運動モードに基づいて非干渉化
した微動位置決め制御装置に対して並進運動にのみ安定
化フィルタを挿入することにあるのではなく、制御目的
に応じ少なくとも一つ以上の運動モードに対して安定化
フィルタを挿入してなる微動位置決め制御装置を構成す
ることである。そこで、本実施例の有効性を示す第2の
数値計算結果として、並進運動とy軸回りの回転運動と
に安定化フィルタを挿入した場合の微動位置決め制御装
置の応答を図4に示す。破線は安定化フィルタ11が未
挿入、すなわち図7に示す微動位置決め制御装置の構成
において並進運動偏差信号eg とy軸回りの回転運動偏
差信号eθy の両者が発振直前の状態になるまでゲイン
を上げたときの応答を示す。一方、並進およびy軸回り
の回転運動に対して安定化フィルタ11M、11Lを挿
入したときには、図4の実線で指し示すように位置決め
時間を劣化させることなく振動的応答が抑圧できる。
【0024】さらに、外乱の入力に対する応答も抑圧す
ることができることを示す。図5は、微動位置決め機構
の基板1にy軸回りのトルク外乱が作用したときの運動
モード偏差信号(eg 、eθx 、eθy )の様子であ
る。破線は安定化フィルタ11未挿入で、実線が安定化
フィルタ11M、11Lを挿入したときの応答を示す。
明らかに、安定化フィルタ11M、11L挿入時の方
が、外乱抑圧能力が向上している。以上説明したよう
に、本実施例に係る微動位置決め制御装置が有効に機能
していることが確認できた。
【0025】実施例2 図1の有効性を示すための数値実験では、安定化フィル
タ11が位相進み補償器であった。しかし、安定化フィ
ルタ11はこれに限定されるものではない。前記の実施
例の対象とした微動位置決め機構は3自由度のものであ
り、並進や回転といった剛体運動モードが制御される。
しかしながら剛体運動モード以外の局所的な機械共振の
発生が起こる場合がある。例えば、電気実装のために基
板1上に設けた突出部(図示せず)が局所的に機械共振
を発生することもある。このような場合には、位相進み
補償とノッチフィルタとを接続してなる補償器を安定化
フィルタとして用いることができる。もちろん、運動モ
ードに基づき非干渉化した微動位置決め制御装置の中で
少なくとも一つ以上の運動モードの制御ループに対して
その安定化フィルタを挿入しておけばよい。またこの安
定化フィルタは位相補償とローパスフィルタとを接続し
た伝達関数、ノッチフィルタの伝達関数、ローパスフィ
ルタの伝達関数の何れかで、少なくとも一つ以上の運動
モードに対してこれらの伝達関数を実現した回路を制御
ループの中に挿入してなる微動位置決め制御装置であっ
てもよい。したがって、本発明の他の実施例に係る微動
位置決め制御装置のブロック図は図6のようになる。図
6において、12は前記他の実施例に係る安定化フィル
タであり、12M、12R、12Lは位相進み補償とノ
ッチフィルタとを接続した伝達関数、あるいは位相進み
とローパスフィルタとを接続した伝達関数を表現してい
る。
【0026】
【発明の適用範囲】なお、図1および図6の実施例で
は、位置決め対象物である基板1を駆動するアクチュエ
ータと、この移動距離を計測する位置センサがそれぞれ
3個設けられていた。すなわち、3自由度の剛体運動モ
ードを制御する位置決め対象物であった。しかし、上記
の「課題を解決するための手段」の項で述べたように、
本発明の本質は自由度が3の位置決め対象物に限定され
るものではない。例えば、6自由度の剛体運動モードに
加えて柔軟な運動モードも制御するよう複数個のアクチ
ュエータと複数個の位置センサを備えた位置決め対象物
に対しても本発明は適用し得る。
【0027】また、図1の実施例および図6の他の実施
例はアナログ演算回路で制御系を実現しているが、この
内の一部もしくは全部を電子計算機のようなディジタル
演算装置で置き換えてもかまわない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば各
運動モードごとのループゲインを上げて安定限界までの
性能を追求したとき必然的に生じる安定性の限界をさら
に引き上げることができ、従って、位置決め時間をさら
に短縮できる、という効果がある。当然のことである
が、本発明では運動モードに基づいて非干渉化した微動
位置決め制御装置に対し運動モードごとに安定化フィル
タを挿入できるように制御系を構成しているので、運動
モードごと独立に安定限界を引き上げることができる。
【0029】数値計算で用いた微動位置決め機構の場
合、機構自身の固有値と減衰率は、「x軸回りの回転運
動」、「y軸回りの回転運動」、「z軸方向の並進運
動」の順番に小さくなっている。従って、閉ループのゲ
インを順次大きくしていったとき、まず最初に安定限界
に達する運動モードは並進運動であった。したがって、
まず一番安定限界が低い並進運動に対してのみ安定化フ
ィルタを挿入しておき、微動位置決め機構に課される要
求仕様に合わせて順次性能を向上させることができる。
微動位置決め機構に対して構造変更なしで、単に安定化
フィルタを必要に応じて挿入するだけで位置決め特性を
向上できるので開発コストの低減に資するところ大とい
う効果もある。
【0030】また、目標位置への位置決め特性のみなら
ず、図5の数値実験の結果に示した如く微動位置決め機
構の位置決め対象物(例えば基板1)に作用する外乱に
抗する能力も高められている。したがって、本発明が対
象とする微動位置決め機構がXYステージの上に搭載さ
れて運用される半導体露光装置の場合、XYステージの
ステップ駆動によって微動位置決め機構に作用する外乱
を効果的に制御できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る微動位置決め制御装
置のブロック図である。
【図2】 運動モードに基づき非干渉化した微動位置決
め制御装置において補償7Mのゲインを操作したときの
運動モード偏差信号である。
【図3】 運動モードに基づき非干渉化した微動位置決
め制御装置における安定化フィルタの有無による運動モ
ード偏差信号の応答である。
【図4】 並進運動とy軸回りの回転運動とに安定化フ
ィルタを挿入した微動位置決め制御装置のステップ応答
である。
【図5】 トルク外乱印加に対する運動モード偏差信号
の応答である。
【図6】 本発明の他の実施例に係る微動位置決め制御
装置のブロック図である。
【図7】 運動モードに基づき非干渉化した微動位置決
め制御装置のブロック図である。
【図8】 1軸の微動位置決め機構に対する制御ブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1:基板、2M,2R,2L:アクチュエータ、3M,
3R,3L:位置センサ、4M,4R,4L:変位増幅
器、5M,5R,5L:指令電圧入力端子、6M,6
R,6L:偏差増幅器、7M,7R,7L:補償器、8
M,8R,8L:電力増幅器、9:運動モード抽出回
路、10:運動モード分配回路、11,11M,11
R,11L:安定化フィルタ、12,12M,12R,
12L:他の実施例に係る安定化フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 531J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置決め対象物を駆動する複数個のアク
    チュエータと、前記対象物の移動距離を計測する複数個
    の位置センサと、前記各位置センサの出力を電気信号に
    変換する変位増幅器と、前記変位増幅器の出力信号を入
    力とする演算によって前記対象物に関する複数個の運動
    モードの運動モード別変位信号を抽出する運動モード抽
    出回路と、前記運動モード別変位信号をそれぞれの変位
    信号に対応する指令電圧と比較して運動モード別偏差信
    号を取得し各偏差信号を所定の感度となす偏差増幅器
    と、前記偏差増幅器の複数個の各出力に対してそれぞれ
    独立に補償を行なう補償器と、前記補償器の出力信号を
    安定化するための安定化フィルタと、前記安定化フィル
    タの出力信号を入力とする演算によって前記各アクチュ
    エータに対する駆動信号を生成する運動モード分配回路
    と、前記駆動信号に応動して前記アクチュエータを駆動
    する電力増幅器とを備えたことを特徴とする微動位置決
    め制御装置。
  2. 【請求項2】 前記補償器は前記偏差増幅器の出力に対
    してゲイン調整を施す回路であり、前記電力増幅器が電
    流出力型の電力増幅器であることを特徴とする請求項1
    の微動位置決め制御装置。
  3. 【請求項3】 前記安定化フィルタは運動モードごとに
    設計された位相進み補償器であり、少なくとも一つ以上
    の運動モードに対して制御ループの中に挿入されている
    ことを特徴とした請求項1または2記載の微動位置決め
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記安定化フィルタは、位相進み補償と
    ノッチフィルタとを接続した伝達関数、位相進み補償と
    ローパスフィルタとを接続した伝達関数、ノッチフィル
    タの伝達関数、およびローパスフィルタの伝達関数の何
    れかであり、少なくとも一つ以上の運動モードに対して
    制御ループの中に挿入されていることを特徴とした請求
    項1または2記載の微動位置決め制御装置。
JP7066684A 1995-03-02 1995-03-02 微動位置決め制御装置 Pending JPH08241850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7066684A JPH08241850A (ja) 1995-03-02 1995-03-02 微動位置決め制御装置

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JP7066684A JPH08241850A (ja) 1995-03-02 1995-03-02 微動位置決め制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
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