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JPH08241543A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH08241543A
JPH08241543A JP4311395A JP4311395A JPH08241543A JP H08241543 A JPH08241543 A JP H08241543A JP 4311395 A JP4311395 A JP 4311395A JP 4311395 A JP4311395 A JP 4311395A JP H08241543 A JPH08241543 A JP H08241543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
magnetic
reproducing
magneto
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4311395A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshifumi Kawano
敏史 川野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP4311395A priority Critical patent/JPH08241543A/ja
Publication of JPH08241543A publication Critical patent/JPH08241543A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】大きな静磁結合力を得ることが可能であり、長
い記録マークでも十分な耐再生磁界強度を得ることがで
きる光磁気記録媒体を提供する。 【構成】 少なくとも希土類金属と遷移金属のアモルフ
ァス合金磁性体よりなる再生層及び記録層が基板上に設
けられおり、再生時に記録層の磁化方向が静磁結合力に
より再生層に転写される光磁気記録媒体において、記録
層の再生層に面する側と反対側に、再生時に磁化が実質
的に膜面に平行な方向を向いた磁性体よりなる透磁層を
設けたことを特徴とする光磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度記録に利用される
光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体は、高密度、低コストの
書換え可能な情報記録媒体として実用化されている。特
に希土類金属と遷移金属のアモルファス合金の記録層を
用いた媒体は非常に優れた特性を示している。
【0003】光磁気ディスクは非常に大容量の記録媒体
であるが、社会の情報量の増大に伴いさらなる大容量化
が望まれている。光ディスクの記録密度は通常の場合、
その再生光のスポットの大きさで決ってしまう。スポッ
トの大きさはレーザーの波長が短いほど小さくすること
ができるため、レーザーの短波長化の検討が進められて
いるが、非常に困難を伴っている。
【0004】一方、レーザーの波長によって決定される
以上の分解能を色々な工夫によって得ようとする、いわ
ゆる超解像技術の試みが近年行われている。その一つ
に、光磁気ディスクを用い、多層膜間の交換結合力ある
いは静磁結合力を用いた超解像(Magnetically induced
super resolution以下MSR) が報告されている。
【0005】この中で静磁結合力を用いたものは、再生
層膜厚を薄くできたり、広い組成マージンを得られると
いう点で交換結合を用いるものに対してメリットがあ
る。例えば希土類金属と遷移金属の合金よりなる再生層
と記録層の間の交換結合を窒化Siの層により切断し
て、層間の力を静磁結合として超解像を起こすという試
みもなされている(光磁気記録国際シンポジウム’9
4、テクニカルダイジェスト29−k−05)。
【0006】これは、室温においては磁化方向が膜面に
平行に近い状態となるため、信号再生領域は磁気異方性
の高い再生光の加熱による高温部のみとなり、この結果
再生する記録マークの前後のマークによる信号干渉(マ
ーク間干渉)が低減されて高い信号分解能が得られると
いうものである。さらに隣接するトラックの信号も再生
されなくなるので、隣接トラックからの信号の漏れ込み
(クロストーク)も非常に小さくすることが可能であ
る。
【0007】これとは別に我々は、図2に示すように、
室温において再生層と記録層5が低キュリー温度の切断
層を介して交換結合しており、再生時の高温領域におい
ては切断層がキュリー温度を越え交換結合が切断される
ことにより、再生層3と記録層5との間の交換結合のた
めに再生層3の磁化方向が室温時に対して反転するよう
な超解像媒体も提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし我々は検討を進
める内、こういった媒体は記録磁区が小さい場合はノイ
ズが低いが、比較的大きい記録磁区を用いた際ノイズが
上昇する、すなわち記録信号の低周波領域でのノイズが
高いことを見いだした。特に再生時に磁界を印加した際
にはこの現象は大きくなる。
【0009】高密度化に必須と思われるPWM記録(パ
ルス幅変調)においては、記録磁区の大きさは様々に変
化するから、こういった低周波領域でのノイズの上昇は
安定した信号再生を行う上で極めて深刻な問題となる。
また再生時にはヘッドの漏れ磁界や外部環境からの磁界
も存在するので再生時の磁界に対する安定性は重要な問
題である。
【0010】我々はさらにこういった現象を検討してい
った結果、この転写に関する磁区サイズの依存性は、単
一磁区の内部における減磁界のため磁区中心付近での記
録層5からの浮遊磁界が小さくなり、静磁結合により転
写する力が弱くなるためであることが判明した。
【0011】磁区境界付近では向きの異なる磁区が隣り
合うため減磁界は小さいが、磁区が大きくなるとその中
心付近では減磁界のため外部に磁界をほとんど発生しな
くなってしまう。このため、磁区が大きい場合その中心
付近で転写が不十分となりノイズの上昇を生じていたも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は記録層の再生層
とは反対の面に面内磁化膜を用いることにより、上記の
ような問題点を解決し、再生層と記録層の間に十分強い
静磁結合力が得られることを可能としたものである。本
発明の要旨は、少なくとも希土類金属と遷移金属のアモ
ルファス合金磁性体よりなる再生層及び記録層が基板上
に設けられおり、再生時に記録層の磁化方向が静磁結合
力により再生層に転写される光磁気記録媒体において、
記録層の再生層に面する側と反対側に、再生時に磁化が
実質的に膜面に平行な方向を向いた磁性体よりなる透磁
層を設けたことを特徴とする光磁気記録媒体に存する。
【0013】以下、本発明の光磁気記録媒体の一例につ
き図面を用いてさらに詳細に説明する。図1は本発明の
光磁気記録媒体の断面図、図2は従来方式の光磁気記録
媒体の断面図、図3は本発明の光磁気記録媒体の記録層
での磁束の流れの模式図、図4は従来の方式の記録層で
の磁束の流れの模式図である。図中1は基板、2は保護
層、3は再生層、4は切断層、5は記録層、6は中間
層、7は透磁層、8は保護層をそれぞれ示す。
【0014】この種の光磁気記録媒体は通常基板1に保
護層2,8、再生層3、切断層4、記録層5等を設けた
構造とされている。通常、希土類金属と遷移金属の合金
を2層(例えば記録層5と再生層3)以上積層した場
合、層間の力は電子の交換相互作用による交換結合力が
支配的に働き、磁束による静磁的な繋がりはさほど関係
してこない。
【0015】しかし、2層間に電子軌道の重なりを切断
し、交換結合を無くす層(切断層4)を設けることによ
り、静磁結合を支配的な力とすることが可能となる。再
生層3と記録層5の間に働く静磁結合力とは各磁性層
(記録層5と再生層3)の磁化が発生する磁束による磁
気的な結合力、すなわち磁石のN極とS極が引き合うの
に等しい力である。
【0016】本発明はこういった静磁結合により記録層
5の磁区を再生時に再生層3に転写するような媒体を用
いる。通常の再生の場合、記録磁区の間隔を縮めていく
と記録方向と消去方向の信号が互いに打ち消し合い、信
号の区別ができなくなり信号レベルが低下してしまう。
【0017】これに対し先に述べた様に、再生層3と記
録層5の間の静磁結合力による転写を用いた超解像効果
により、微小なマークでも再生が可能となる。記録層5
から再生層3への磁区の転写を効率的に行うためには、
記録層5が膜の外部に発生する磁界(漏洩磁界)が十分
に強いものでなければならない。この記録層5における
漏洩磁界を図3、図4を用いて説明する。
【0018】記録層5において磁化が発生する磁束は記
録層5内でS極よりN極に入りループを作るが、磁化が
一方向を向いた磁区が大きい場合図4に示す様にその中
心付近では磁束のループが形成できず、いわゆる「減磁
界」の効果により外部に漏れ出る磁界(漏洩磁界)は非
常に小さくなる。極端な場合全体が一様に磁化されてい
れば漏洩磁界はほとんど生じない。
【0019】これに対し、異なった磁化方向を持つ磁区
と磁区の境界では隣接する磁区と磁区との間で磁束ルー
プを形成するので減磁界は小さく、大きな漏洩磁界が得
られる。大きな磁区を記録層5に記録した場合は、その
中心付近での漏洩磁界が小さく、この結果静磁結合力は
磁区境界部と比べて著しく小さくなりこの部分で再生層
3への十分な転写が起こらなくなる。
【0020】こういった減磁界の効果を低減するため
に、本発明では記録層5の再生層3とは反対側に磁束を
面内方向に透過させる層(透磁層7)を設ける。これは
図3に示す様に磁区中心部の磁束が、距離が離れた隣接
する逆向きの磁化方向を持つ磁区との間でループを形成
し易いようになすものである。この層の存在によって、
磁区中心部であっても隣接する磁区との間に磁束ループ
が容易に形成でき、減磁界が減少することにより大きな
漏洩磁界を発生することが可能となる。
【0021】すなわち、記録層5の磁区方向を安定的に
再生層3に転写することができる。透磁層7は記録層5
に直接接しても良いし、両者の間に非磁性層の中間層6
を介していても良い。面内磁化層を直接記録層5に接し
て設けるのは記録層5の垂直磁気異方性を低下させ、C
NRの低下や記録磁界感度の低下をもたらす恐れがあ
り、さらに記録感度も劣化するので、中間層6を介する
のが好ましい。
【0022】特に誘電体等の熱伝導率の低い層を用いる
のが好ましい。代表的な材質としては後述する保護層と
同様の材質のものが挙げられる。中間層6の厚みが厚す
ぎると、透磁層7が磁束を透過させる効果が小さくなる
ので、中間層6は5nm以上100nm以下であること
が好ましい。通常の場合この中間層6は磁性層の保護膜
を兼ねる。
【0023】透磁層7の材質は比透磁率μが比較的高い
ものが好ましく、Fe、Co、Niの単体あるいはこれ
らの合金が好ましく用いられる。比透磁率μは10以上
であることが好ましい。また、透磁率を上げるためC、
Cr、Mn、Al、Si、P等を5%以下程度含ませて
も良い。
【0024】しかし、μが高いものであればこういった
物質に限定されるものではない。透磁層7としては特に
軟質磁性材料と呼ばれるものが好ましく、パーマロイや
フェライトが挙げられる。透磁層7の厚さは1nm以上
であることが好ましいが、さらに好ましくは5nm以
上、特に好ましくは10nm以上である。
【0025】透磁層7が厚すぎると、記録感度が悪化す
るので透磁層7の膜厚は100nm以下が好ましく、さ
らに好ましくは60nm以下、特に好ましくは40nm
である。本発明の媒体は、再生層3と記録層5を有し、
再生時、静磁結合によって記録層5の磁化方向を再生層
3に転写する。
【0026】静磁結合による転写を安定に行うための磁
界を発生するには記録層5が再生時において十分な大き
さの磁化を有している必要がある。記録層5の体積磁化
率は再生時の最高到達温度(Tmax)において80emu/cc
以上が必要である。しかし室温において記録層5の体積
磁化率が大きすぎる場合は、記録層5内部での微小反転
磁区が生じたり、磁気異方性の低下が起こり再生層3の
磁化を完全に垂直に立たせる事ができなくなるため、室
温において300emu/cc以下であることが必要である。
【0027】Tmax において好ましくは120emu/cc以
上であり、さらに好ましくは150emu/cc以上である。
室温において好ましくは250emu/cc以下であり、さら
に好ましくは200emu/cc以下である。ここで言う室温
とは、使用環境温度であり、代表的には25℃である。
【0028】一方、再生層3の受ける力は再生層3の磁
化も影響する。従って再生層3もTmax において有る程
度以上の磁化を持つことが好ましい。Tmax における再
生層3の好ましい体積磁化率は150emu/cc以上であ
り、さらに好ましくは200emu/cc以上、特に好ましい
のは250emu/cc以上である。一方、室温において磁化
が大きすぎる場合は、記録層5と交換結合を行った場
合、垂直磁気異方性の低い再生層3の影響を受けて記録
層5の磁化が完全に垂直に立たない、あるいは磁化が局
所的に反転を起こすような状況が生じる。
【0029】室温において再生層3の好ましい体積磁化
率は500emu/cc以下であり、さらに好ましくは450
emu/cc以下、特に好ましくは400emu/cc以下である。
また、磁化反転を起こすには再生層3の保磁力Hcがあ
る程度小さい必要がある。しかし、小さ過ぎる場合は再
生信号の劣化が生じるため、Tmax に於いてHcは2k
A/m以上、40kA/m以下であることが好ましい。
【0030】記録層5は安定に記録を蓄えるため、Tma
x において800kA/m以上の保磁力を有するのが望
ましい。また、再生層3が希土類金属優勢で温度上昇に
よる磁化の減少に伴って垂直磁気異方性が増加していく
ような組成は磁化反転による磁壁エネルギーの増加を小
さくでき、かつ高温部で垂直磁気異方性が高いため、再
生信号が大きくとれ好ましい。
【0031】再生層3に用いられる物質としては、Gd
FeCo、GdCo、GdFe、GdDyFe、GdD
yCo、GdDyFeCo、GdTbFe、GdTbC
o、GdTbFeCo、DyFeCo、DyCo、Tb
Co、TbFeCo、TbDyFeCo、TbDyCo
等の希土類と遷移金属の合金が好ましく用いられる。中
でも、Gdを含有する合金を用いるのがキュリー温度や
保磁力の点から好ましい。
【0032】キュリー温度としては、250℃以上であ
ることが好ましい。PtCoや、PtとCoの超格子等
の磁性体を希土類と遷移金属との合金との積層で用いる
こともできる。中でも、保磁力を小さくできるGdFe
Coを主体たした合金が好ましく用いられる。
【0033】
【数1】 Gdx (Fey Co100-y )100-x (いずれも原子%) と表した場合、30≦x ≦35、0 ≦y ≦100 であることが
好ましい。なお、Ti、Cr、Pt、Mo等の添加物を
5原子%以下程度添加しても良い。
【0034】再生層3の垂直磁気異方性を大きくするに
は、磁性層にある程度の膜応力をもたせて逆磁歪効果に
よる異方性を発生させるのが好ましい。膜応力は大きす
ぎると膜の耐久性に悪影響を与えるため1×109 erg/
cc以上5×109 erg/cc以下であることが好ましい。
【0035】本発明においては強い静磁結合力が得られ
るので、従来に比べ薄い再生層3を用いることができ
る。このことによって、感度の向上が計れると共に、作
成のコストを低減することができる。ただし、再生層3
が薄すぎると、信号が十分に得られなくなる。再生層3
の膜厚は10nm以上、50nm以下であることが好ま
しい。さらに好ましくは15nm以上、40nm以下で
あり、特に好ましくは20nm以上、35nm以下であ
る。
【0036】記録層5は、安定して記録を蓄えている層
であるから、再生ビームで劣化しない大きさのキュリー
温度を有していることが必要である。キュリー温度の大
きさは、200〜280℃程度が好ましい。キュリー温
度が高すぎると、記録に要するレーザーのパワーが大き
くなりすぎてしまう。
【0037】記録層5は、高い垂直磁気異方性を持つこ
とも、再生層3の磁化に強い力を与えるために必要であ
る。記録層5の物質としては、TbFeCo、TbC
o、DyFeCo、TbDyFeCo、GdTbFe、
GdTbFeCo等の希土類と遷移金属の合金が好まし
く用いられる。
【0038】記録層5としては特に垂直磁気異方性の大
きいTbFeCoを主体とした合金が好ましく用いられ
る。中でも、
【0039】
【数2】 Tbx (Fey Co100-y )100-x (いずれも原子%) と表した場合、17≦x ≦24、70≦y ≦85であることが好
ましい。ただし、Ti、Cr、Pt、Mo等の添加物を
5原子%以下程度添加しても良い。
【0040】記録層5の膜厚は10nm以上、50nm
以下であることが好ましい。記録層5の記録を安定に蓄
えておくには記録層5の保磁力は再生層3の保磁力より
も大きいことが好ましい。記録層5の保磁力は240k
A/m以上であることが好ましい。再生層3と記録層5
の間には交換結合力を切断する切断層4を設ける。
【0041】交換結合を常に切断する場合には、切断層
4は窒化Si等の誘電体あるいはAl、Tb等の非磁性
金属等が用いられる。再生時に高温部のみ交換結合を切
断する場合には、キュリー温度が再生層3、記録層5よ
り低いもの、例えばTbFe、DyFe等が用いられ
る。切断層4の膜厚は、交換結合を十分にできる程厚い
膜厚であり、かつ静磁結合力が再生層3の磁化を反転さ
せることが可能な程薄い膜厚であらねばならない。
【0042】また、製造上の安定性を考えるとある程度
以上の膜厚があった方が良い。膜厚は1nm以上、50
nm以下が好ましく、さらに好ましくは2nm以上、4
0nm以下である。特に好ましくは10nm以上、30
nm以下である。磁性層の酸化を防ぐため、磁性層と基
板の間、及び透磁層7の外側の両方あるいは、いずれか
片方に保護層2,8を設けた態様をとることが好まし
い。
【0043】保護膜2,8としては、酸化Si、酸化A
l、酸化Ta、酸化Ti、窒化Si、窒化Al、炭化S
iなどの単体あるいはそれらの混合物が好ましく用いら
れる。保護膜2,8の膜厚は50nm〜150nm程度
が好ましい。基板側の保護膜を作製後、表面をプラズマ
エッチングすることで磁性層の磁気異方性を向上させる
ことができる。
【0044】透磁層7上に直接あるいは保護層2,8を
介して、更に放熱層(図示せず)としてAl、Cu、A
u、Ag等の単体、あるいはそれを主体とした合金より
なる高熱伝導物質を設けることは、再生時の熱分布を安
定させるうえで望ましい構成である。放熱層の膜厚は1
0nm〜100nm程度が好ましい。
【0045】媒体は作成直後に磁石により全体を一方向
に磁化されることが多い。この場合、記録トラック領域
の間の中間領域(ランド記録なら溝部)においても一方
向に磁化されているため、隣接する記録トラック領域に
向かって磁界が発生する。この磁界は一方向に向いてい
るので記録層5の磁区を再生に転写する際にバイアス磁
界となり、一方向の転写を助け、他方向は転写し難くな
る。
【0046】このため、再生時にこのバイアス磁界を打
ち消すように再生磁界を印可してもよい。特に中間領域
の磁化方向と同じ方向に印可することが好ましい。ただ
し再生磁界が記録層5と再生層3の間の静磁界と同程度
以上の大きさになると、再生層3の反転に影響を及ぼす
ため16000A/m以下であることが好ましい。
【0047】特に好ましくは10000A/m以下であ
る。また本発明の方式ではクロストークを非常に低く抑
えられるため、通常のランド記録あるいはグルーブ記録
の他にランドとグルーブの両方に記録を行うことも可能
である。
【0048】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1〜4、比較例1〜2 1.2μmのトラックピッチの案内溝を持ったポリカー
ボネート基板をスパッタリング装置に導入し、5×10
-5Pa以下の真空度まで排気を行った。
【0049】この後、保護層として基板上に反応性スパ
ッタリングを用い80nmの酸化Taを形成した。次に
酸化Ta上に、Gd33( Fe80Co20) 67よりなる30
nmの再生層、Tb20Fe80よりなる30nmの切断層
を設け、Tb21( Fe80Co20) 79よりなる40nmの
記録層を設けた。
【0050】次にSiNよりなる30nmの中間層を設
け、最後に30nmの透磁層を設けた。透磁層の物質
は、Fe(実施例1)、Co(実施例2)、Ni(実施
例3)、Fe50Ni50(実施例4)を用いた。比較とし
て透磁層を設けないもの(比較例1)、非磁性層である
Tiを設けたもの(比較例2)も作成した。
【0051】このようにして作製したディスクを波長7
80nm、開口数0.55の評価機を用いて光変調記録
によりCNR(狭帯域の信号対雑音比)の評価を行っ
た。記録条件は線速7m/s、周波数7MHz、記録du
ty30%である。再生時に磁界の印可は行っていない。
再生パワー2.4mWでの最大CNRとそのときの記録
パワーを第1表に示す。
【0052】静磁結合力の強さは、1MHz、duty50
%の条件においてCNRの最大値からの低下が1dB以
内となる再生磁界強度「Hrマージン」により評価し
た。
【0053】
【表1】
【0054】実施例5〜12 透磁層の物質をFeとし、膜厚を0.5nm(実施例
5)から100nm(実施例12)まで変化させた以外
は、実施例1と同様にディスクを作成した。
【0055】実施例1と同様にCNRと記録パワー、H
rマージンを測定した結果を第2表に示す。第2表には
併せてCNRが最大となった記録パワーも記す。
【0056】
【表2】
【0057】実施例13 実施例1の切断層を30nmのTb、透磁層を30nm
のCoとした。このディスクを実施例1と同様にCNR
と記録パワー、Hrマージンを測定した。この結果、記
録パワー7.5mWでCNR44.2dB、Hrマージ
ン180Oeが得られた。
【0058】比較例3 実施例13と同様な構成で透磁層を設けなかった。この
ディスクを実施例1と同様にCNRと記録パワー、Hr
マージンを測定した。この結果、記録パワー7.2mW
でCNR43.8dB、Hrマージン30Oeが得られ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体を用いることに
よって大きな静磁結合力を得ることが可能であり、長い
記録マークでも十分な耐再生磁界強度を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の断面図
【図2】従来の方式の断面図
【図3】本発明の光磁気記録媒体の記録層での磁束の流
れの模式図
【図4】従来の方式の記録層での磁束の流れの模式図
【符号の説明】
1 基板 2 保護層 3 再生層 4 切断層 5 記録層 6 中間層 7 透磁層 8 保護層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも希土類金属と遷移金属のアモル
    ファス合金磁性体よりなる再生層及び記録層が基板上に
    設けられおり、再生時に記録層の磁化方向が静磁結合力
    により再生層に転写される光磁気記録媒体において、記
    録層の再生層に面する側と反対側に、再生時に磁化が実
    質的に膜面に平行な方向を向いた磁性体よりなる透磁層
    を設けたことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】透磁層がFe、Co、Niから選ばれる一
    種類以上の金属を含有する請求項1に記載の光磁気記録
    媒体。
  3. 【請求項3】再生層が室温において記録層と交換結合し
    ており、高温になると交換結合が切断されることによ
    り、静磁結合によって記録層の磁化方向が再生層に転写
    される請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】再生層の磁化が室温で実質的に膜面に平行
    な方向を向いており、高温になると室温に対しより垂直
    方向に向き、静磁結合により記録層の磁化が再生層に転
    写される請求項1に記載の光磁気記録媒体。
JP4311395A 1995-03-02 1995-03-02 光磁気記録媒体 Pending JPH08241543A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000013177A1 (fr) * 1998-08-31 2000-03-09 Sanyo Electric Co., Ltd. Support d'enregistrement magneto-optique

Cited By (2)

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