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JPH08235593A - 光記録媒体並びにその記録・再生方法及び装置 - Google Patents

光記録媒体並びにその記録・再生方法及び装置

Info

Publication number
JPH08235593A
JPH08235593A JP7300649A JP30064995A JPH08235593A JP H08235593 A JPH08235593 A JP H08235593A JP 7300649 A JP7300649 A JP 7300649A JP 30064995 A JP30064995 A JP 30064995A JP H08235593 A JPH08235593 A JP H08235593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
track
data
recording medium
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7300649A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Yoshihiro
昌史 吉弘
Toshiaki Yasui
俊明 泰井
Sho Ito
捷 伊藤
Norihito Tamura
礼仁 田村
Hitoshi Watanabe
均 渡辺
Susumu Imai
奨 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP7300649A priority Critical patent/JPH08235593A/ja
Publication of JPH08235593A publication Critical patent/JPH08235593A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多値情報が記録可能な新規な記録再生方式の
高密度光記録媒体を提供する。 【解決手段】 トラック上にデータピット43を有する
光記録媒体であって、データピットがトラック中心から
トラックと直交する方向に偏位され、該ピットのトラッ
ク中心からの偏位量に基づいて3値以上の多値化情報が
記録されている光記録媒体である。トラック上をレーザ
スポット44で照射し、2分割検出器でトラック中心か
らトラック内周側と外周側から反射信号をそれぞれ検出
して差信号出力を得る。それを3つのスライスレベルS
1〜S3でスライスして2値化信号を得、それらを論理
演算することで多値化情報を再生する。記録信号をパー
シャルレスポンス方式で記録し、ビタビ復号方式を用い
て再生できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度記録容量を有
する光記録媒体、その記録・再生方法及び記録・再生装
置に関する。さらに詳細には、トラックと直交する方向
に種々の偏位量でデータピットや記録マークが記録され
る光記録媒体及びかかる光記録媒体に多値化データを記
録し、再生する方法並びに記録・再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理技術の発達に伴い、文書や画像
情報あるいはコンピュータのデータ保存用メディアとし
て、一層大きな記録容量を有する光ディスク等の光メモ
リが要望されている。光ディスクを高密度化する技術と
して、光ディスクに形成されるプリピットや記録マーク
を一層小さくすることによって記録容量を増大すること
が行われてきた。
【0003】最近では、光ディスクに形成されるピット
の前端と後端位置をトラック方向に8段階に独立に偏位
させることによって一つのピット中に6ビットの情報を
記録できる高密度記録方式が発表されている(Optical
Data Storage 予稿集WC3 −1、130-131 頁(1994
年)。この方式はSCIPER(Scanning Carrier Independe
nt Pit Edge Recording)と呼ばれ、トラック上に0.04
μm 単位で長さの異なるプリピットが1.67μm のピッチ
で形成されており、各ピットの前端及び後端をクロック
信号でサンプリングすることにより再生信号がマルチレ
ベルで得られる。この方式を用いることにより従来のコ
ンパクトディスクの2倍の線記録密度を達成できること
が報告されている。
【0004】ところで、光ディスクをトラッキングする
ための一方式としてサンプルサーボ方式が使用されてい
る。この方式を用いる光ディスクは、トラックに対して
左右に偏位したプリピット(サーボピット)を有する。
しかしながら、これらサーボピットは、光スポットをト
ラッキングするために用いられているにすぎず、情報信
号として用いられていない。さらに、これらのサーボピ
ット対はトラック中に一定の周期で且つトラックと直交
する方向に一定の偏位量で配置されているにすぎない。
【0005】特開平2−263326号には、光メモリ
原盤のサーボパターンの記録の際にクロックピットをト
ラック中心からオフセットして形成させることが開示さ
れいる。しかしながら、これはクロック信号の検出感度
を向上させることを目的としており、情報の記録用にピ
ットをオフセットさせることは記載されていない。
【0006】特開平5−62200号は、2つのピット
列によってトラックが形成され、各々の列のピットがト
ラックに垂直な方向において非重複状態で配置された光
ディスクを開示している。特開昭59−207433号
及び特開平1−319139号は同様に2つのピット列
によってトラックを形成し、トラックに垂直な方向にお
いて2つのピットが対称に配置された光ディスクを開示
している。しかしながら、これらの光ディスクでは各ピ
ット列のピットの有無によりデータが記録されているに
すぎない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一つのデー
タピットや記録マークに3値以上の多値情報を与えるこ
とができる新規な光記録媒体を提供することを目的とす
る。また、本発明は、一つのデータピットや記録マーク
に3値以上の多値情報を与えることによって高密度記録
ができる、光記録媒体の新規な記録・再生方法を提供す
ることを目的とする。さらに、本発明の目的は、本発明
の新規な光記録媒体にデータを記録及び再生するための
記録・再生装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討及び研究した結果、データピ
ットや記録マークを、記録信号に応じてトラック中心か
らトラックと直交する方向に種々の大きさで偏位させて
形成することによって、ピットや記録マークに多値情報
を付与できる新規な記録方式の光記録媒体を開発するこ
とに成功した。再生時には、ピットや記録マークはその
偏位量に応じて異なる強度の反射光信号を発生すること
に基づいて多値信号を再生することができる。
【0009】すなわち、本発明の第1の態様に従えば、
トラック上にデータマークが記録されるまたは記録され
た光記録媒体であって、該データマークがトラック中心
からトラックと直交する方向に種々の偏位量で偏位して
記録され、該データマークのトラック中心からの偏位量
に基づいて多値情報が再生される上記光記録媒体が提供
される。
【0010】本明細書において、「データマーク」と
は、光記録媒体のデータ記録領域上にデータ入力のため
に記録されたマークを意味し、光ディスク上に形成され
たデータピットや、相変化型記録媒体の記録マーク、光
磁気記録媒体の記録磁区等の記録の際に記録領域上で物
理的または化学的変化を受けた領域を含む概念である。
また、「トラック中心」とは、トラック幅を2等分する
トラック内の地点を示し、「トラックと直交する方向」
とはトラックの幅方向を意味し、光ディスクの場合、光
ディスクの半径方向と一致する。また、「トラックの内
周側」及び「トラックの外周側」とは、ディスク等のト
ラックをトラック中心により2つの領域に分けたとき
に、それぞれ、ディスク中心に近い領域及びディスク中
心から遠い領域を示す。
【0011】本発明に従う光記録媒体において、上記デ
ータピットは、トラック中心からトラックの内周側に偏
位したデータマークとトラックの外周側に偏位したデー
タマークの少なくとも一方から構成することができる。
また、上記データマークを、トラック中心からトラック
の内周側に偏位したデータマーク、トラックの外周側に
偏位したデータマーク及びトラック中心に位置するデー
タマークから構成することもできる。これにより、多値
記録のためにトラックを一層有効に使用できる。さら
に、トラック中心から内周側及び外周側にそれぞれ2種
以上の偏位量を有するデータマークを含めて、一層高密
度な記録媒体を提供できる。本発明の一実施例に従え
ば、一のトラック内にトラック中心から内周側及び外周
側にそれぞれ4つの異なる偏位量を有する4種のデータ
マークを存在させ得る。
【0012】本発明の光記録媒体は、マークポジション
記録方式及びマークエッジ(マーク長)記録方式のいず
れでも記録することができる。いずれの場合も上記トラ
ックと直交する方向におけるデータマーク位置にデータ
信号1(多値情報)が記録され、マークポジション記録
方式ではトラック方向におけるデータマークの中心位置
に、マークエッジ記録方式ではトラック方向におけるデ
ータマークのエッジ位置に、データ信号2が、それぞれ
記録される。従って、本発明の光記録媒体は通常のマー
クポジション記録方式及びマークエッジ記録方式で記録
された光記録媒体に比べて一層記録密度を高くすること
ができる。また、時間位相多値記録方式を用いて、上記
データピットのエッジ位置をトラック方向に多段階に変
調することによりデータ信号1のみならずデータ信号2
も多値記録することができる。
【0013】本発明の光記録媒体を、クロックピットと
トラックと直交する方向に偏位したサーボピットでトラ
ッキングを行うサンプルサーボ方式の光記録媒体であっ
て、サーボピットと後続のサーボピットの間に設けられ
たデータ記録領域にサーボピットの偏位量以下の大きさ
でトラック中心から偏位したデータマークを有するよう
な光記録媒体として用いるのが好ましい。これにより、
サーボピットとデータピットを形成する記録装置の光学
系を共通化できるので記録装置を簡素化することができ
る。また、再生時においてもセルフクロッキングの性能
が向上するので、データの変調方式としてパーシャルレ
スポンス方式やトレリス符号化変調方式を用いることに
より、一層記録密度を向上させることができる。
【0014】本発明の光記録媒体は、再生専用の光ディ
スクのみならず、基板上に記録膜を有する追記または書
換え型の光記録媒体、例えば、相変化型記録媒体や光磁
気記録媒体として使用することができる。記録膜として
は、光変調でダイレクトオーバーライトが可能となると
いう理由から相変化型記録材料が好適であり、特に高速
のオーバーライトが可能となるという理由から相変化型
記録材料として結晶化速度が速いGe2 Sb2 Te
5 系、InSeX系(Xは例えばCo)、GeTe系
(例えば、GeTe−SbSe系、GeTe−Sb2
3 、(GeTe)1- x (Sb2 Se3 x (X≦0.
2))、AgInSbTe系(例えば、AgInSb2
Te5 )が好ましい。一方、マークエッジ方式により相
変化記録媒体を記録する場合では、上記記録材料も使用
できるが、エッジ変動が小さいSnSbSe系(例え
ば、SnSbSe5 )が高密度化に有効である。
【0015】本発明の第2の態様に従えば、トラック上
に、多値データ信号に応じてトラック中心からトラック
と直交する方向に種々の偏位量で偏位されたデータマー
クを有する光記録媒体を再生する方法であって、トラッ
クの中心線上をレーザ光スポットで走査し、トラックの
中心線の内側及び外側領域からの反射光をそれぞれ検出
し、それらの検出信号の和信号及び差信号の少なくとも
一方から多値化された情報を得ることを含む光記録媒体
の再生方法が提供される。この方法により、本発明に従
う光ディスク等の再生専用光記録媒体から多値情報を再
生することができる。
【0016】本発明の第3の態様に従えば、トラック上
に、多値データ信号に応じてトラック中心からトラック
と直交する方向に種々の偏位量で偏位されたデータマー
クを有する光記録媒体の記録・再生方法であって、光ビ
ームを、多値データ信号に応じた偏位量でトラック中心
からトラックと直交する方向に偏位させて照射すること
により、トラックと直交する方向に多値情報を記録し、
トラックの中心線上をレーザ光スポットで走査し、トラ
ックの中心線の内側及び外側領域からの反射光をそれぞ
れ検出し、それらの検出信号の和信号及び差信号の少な
くとも一方から多値情報を再生することを含む上記光記
録媒体の記録・再生方法が提供される。
【0017】本発明の方法において多値信号を記録する
際に、上記光ビームを、多値データ信号に応じた偏位量
でトラック中心からトラックと直交する方向に偏位させ
且つ別のデータ信号に応じてトラック方向に変調して照
射することによって、一のデータマークに2種類のデー
タ信号を記録することができる。例えば、偏位データを
アドレス信号等の補助データとし、変調データを記録用
データとして使用することができる。また、多値データ
信号は、パーシャルレスポンス方式を用いて記録するこ
とが好ましく、例えば、3値信号記録にはPR(1,
1)、PR(1,−1)またはPR(1,0,−1)、
5値信号記録にはPR(1,2,1)、PR(1,1,
−1,−1)、PR(1,2,0,−2,−1)または
PR(1,3,3,1)方式を用いることができる。あ
るいは、本発明の実施例3−4に示したような特定の遷
移規則(トレリス符号化変調方式の遷移規則)の下で入
力データを変換して記録することができる。これらの方
式で記録することにより、データ再生の際に誤り訂正機
能を有するビタビ復号等の最ゆう復号法を用いることが
でき、高密度記録を可能にする。
【0018】さらに、多値信号を記録する際に、光記録
媒体のデータ記録領域を複数のデータ記録単位に分割
し、記録単位の先頭部分に、多値記録信号に含まれる各
多値信号のスライスレベルを設定するためのテスト信号
を記録しておくのが好ましい。これにより異なる記録媒
体間または同じ記録媒体の内部で同一偏位量のデータマ
ークからの再生信号振幅が変動しても、多値レベルの検
出エラーを防止することができる。また、マークエッジ
方式で記録する場合には、記録単位の先頭部分に、前記
多値記録信号の前後エッジを検出するための基準タイミ
ング信号を発生するテスト信号を記録しておくのが好ま
しい。これにより、スライスレベルの変動によるマーク
エッジ位置の検出誤差を低下することができる。
【0019】本発明の方法において多値情報を再生する
際に、検出信号の和信号及び差信号の少なくとも一方を
2値化し、それらの2値信号を論理演算することで多値
信号を再生することができる。
【0020】本発明の第4の態様に従えば、多値データ
信号に応じてトラック中心からトラックと直交する方向
に種々の偏位量で偏位されたデータマークがトラック上
に記録される光記録媒体用の記録装置であって、光ビー
ム発生装置と、光記録媒体及び光記録媒体形成用原盤の
一方を回転する回転装置と、光ビームをトラック中心か
らトラックと直交する方向に種々の偏位量で偏位させて
照射するための光偏位手段と、記録する多値データに応
じて前記光偏位手段を制御して、トラック中心からトラ
ックと直交する方向に所定の偏位量で偏位されたデータ
マークを形成させる制御手段とを備える光記録媒体用の
記録装置が提供される。さらに、光ビームをトラック方
向に変調する変調器を備え、制御手段が、記録する多値
データに応じて前記光偏位手段及び前記変調器を制御し
てトラック中心からトラックと直交する方向に所定の偏
位量で偏位され且つトラック方向に変調されたデータマ
ークを形成させることが好ましい。光偏位手段として、
光偏向器及びマルチビーム型レーザを使用できる。
【0021】本発明の第5の態様に従えば、多値データ
信号に応じてトラック中心からトラックと直交する方向
に種々の偏位量で偏位されたデータマークがトラック上
に記録される光記録媒体用の記録・再生装置であって、
光ビーム発生装置と、光記録媒体及び光記録媒体形成用
原盤の一方を回転する回転装置と、光ビームをトラック
中心からトラックと直交する方向に種々の偏位量で偏位
させて照射するための光偏位手段と、記録する多値デー
タに応じて前記光偏位手段を制御して、トラック中心か
らトラックと直交する方向に所定の偏位量で偏位された
データマークを形成させる制御手段と、トラックの中心
線の内側及び外側領域からの反射光をそれぞれ独立して
検出する光検出器と、上記光検出器からの検出信号を論
理演算することにより記録された多値情報を再生する演
算手段とを備える光記録媒体の記録・再生装置が提供さ
れる。上記検出器は、2以上に分割された検出部を有
し、各検出部がそれぞれトラック中心の内側及び外側領
域からの反射光を検出する検出器であることが好まし
く、ボール型検出器のような3分割検出器を用い得る。
さらに、再生系において、ビタビ復号器を備えることが
できる。
【0022】以下に本発明の基本的な原理を簡単に説明
する。本発明によれば、データピットまたは記録マーク
をトラック中心からトラックと直交する方向に種々の偏
位量で偏位させて形成し、多値情報をかかる偏位量に基
づいて記録及び再生する。再生時には、トラック中心を
光ビームで走査して、プリピットからの反射光強度を測
定する。反射光強度はプリピットの偏位量に応じて異な
るため、反射光強度により記録された多値データを読み
取ることができる。図6に本発明に従う光記録媒体のト
ラック上のピット配置及びピット位置(偏位量)に応じ
て検出される信号強度分布の一例を示す。トラックピッ
チをPとすると、図6中の斜線のマーク5bはトラック
中心120から−P/4だけトラックと直交する方向に
偏位されたデータピットを、斜線マーク5aはトラック
中心120上に位置するデータピットを、斜線マーク5
cはトラック中心120からP/4だけトラックと直交
する方向に偏位されたデータピットを示す。再生光とし
ての光スポット44でトラック中心線120に沿ってト
ラックを走査し、トラック中心120から内側(図中、
右側)及び外側(図中、左側)からの反射光をそれぞれ
独立に検出する2つの検出部を備えた検出器で検出す
る。ここで、データピット5a、5b及び5cからの再
生光を検出して各検出部の和信号出力及び差信号出力を
求めることによって、それらのデータピットを識別する
ことができる。図6の下方に、データピットのトラック
中心からの偏位量に応じて変化する和信号出力及び差信
号出力を示す。図中、トラック中心からの偏位量がP/
4の場合(マーク5c)、差信号出力が最大となり、ト
ラック中心からの偏位量が−P/4の場合(マーク5
b)、差信号出力が最小となる。検出器から得られた和
信号強度I(Cross-track signal)(x) (以下、ICA(x)
と表す)及び差信号強度I(Push-pull signal)(x) (以
下、IPP(x) と表す)は、理論的には、J.Pasmanによ
る"Developments in Optical Desk Mastering", SPIE-5
29, 62, (1984 年) 等を参照して、下記式のように表さ
れる。
【0023】
【数1】 ICA(x)=A0 2 +2・S・A1 2+4・S・A0 ・A1cosΦ01・cos(2πx/P) ・・・(1) IPP(x)=4・S・A0 ・A1 ・sin Φ01・sin(2πx/P) ・・・(2)
【0024】式中、A0 及びA1 はそれぞれ0次回折光
及び1次回折光の振幅の絶対値、Φ01は0次回折光と1
次回折光の位相差、xはトラック中心からの偏位したデ
ータピットの中心位置、Sは検出部上で0次回折光及び
1次回折光が重なり合う面積を示す。但し、この式では
検出光(反射光)として0次及び1次回折光しか考慮し
ていない。
【0025】本発明では、図6に示したように、和信号
主力にスライスレベルS0、差信号出力にスライスレベ
ルS1及びS2を設定して、それらのレベルを超える検
出信号に対して、多値データ”0”,”1”,”2”を
割り当てることによってピットのオフセット量に基づく
3値の多値情報を再生することができる。この場合、和
信号と差信号を2値化して演算することにより4値を得
ることもできる。トラックと直交する方向にトラック中
心120から種々の偏位量でピットを形成させて、反射
信号にスライスレベルを設定することにより一層多くの
ビットデータを得ることができる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照して説明
するが、本発明は特にそれらに限定されるものではな
い。
【0027】実施例1−1 本実施例では、トラック中心からトラックの内周側及び
外周側にそれぞれ同一量だけ偏位したデータピットを有
するサンプルサーボ方式の光ディスクを作製する。最初
に、図1に示した装置を用いて、光ディスク基板製造用
の原盤にデータ信号及びプリフォーマット信号を記録す
る。この装置は、信号記録用のレーザ光源11、光変調
器12(または14)、光偏向器13(または15)、
変調及び偏向された光を原盤18に集光するための集光
レンズ19、フォーカスサーボ系113、並びにビーム
スプリッター17及び反射鏡16等の光学系から主に構
成されている。光源から出射したレーザ光は、反射鏡1
6を介して変調器12(または14)に入射し、そこで
記録信号、例えば、サーボ信号、クロック信号、データ
信号に応じてパルス状に変調される。変調されたレーザ
光は、偏向器13(または15)に入射し、そこで上記
データ信号に同期した偏向信号に応じて所定方向に偏向
された後、集光レンズ19を通じて原盤18に照射され
る。原盤18には、レーザ光により感光するフォトレジ
ストが塗布されている。偏向器13(または15)は、
原盤18上においてその半径方向の光の照射位置、すな
わち原盤のトラック(製造される光ディスクのトラック
に相当)の中心からの偏位量を決定する。レーザ光源1
1として、350nm〜488nmの波長範囲において
特定波長のレーザ光を発生するレーザ装置11(例え
ば、Krレーザ,ArレーザあるいはHeCdレーザ)
を用いることができる。光変調器として、音響光学(A
O)変調器12または電気光学(EO)変調器14を用
いることができ、光偏向器として、音響光学(AO)偏
向器13または電気光学(EO)偏向器15を用いるこ
とができる。本実施例では、音響光学(AO)変調器1
2と音響光学(AO)偏向器13を直列に配置させ、電
気光学(EO)変調器14と電気光学(EO)偏向器1
5を直列に配置させる。そして、ビームスプリッター1
17によりいずれかまたは両方の変調器への光路が選択
される。
【0028】AO偏向器13の構成の一例を図2に示
す。AO素子21は、AO偏向周波数切替え回路22を
介してフォーマッタ25及びAO偏向器ドライバ23a
〜cに接続されている。AO偏向器ドライバ23a〜c
は、それぞれ、異なる周波数を発生する周波数シンセサ
イザ24a〜cと接続され、それらの周波数信号が入力
される。この実施例では、それぞれ、周波数f0 =8
0.0MHz,f1 =76.7MHz及びf2 =83.
3MHzを発生する。記録信号は、フォーマッタ25中
で、全てのパルスデータについて基準パルス長をTとし
て0.5T〜0.9Tのパルス長に補正された後、切替
え回路22に出力される。切替え回路22では、フォー
マッタからのデータ信号と同期して、データに対応した
周波数が選択され、その周波数の超音波が超音波トラン
スデューサ26にて発生する。そして、AO素子から出
射する光の偏向角θは、選択された超音波の周波数fに
より下記式に従って変化することになる。
【数2】θ=λ・f/v (λ:波長、f:超音波の振動周波数、v:偏向素子内
での音速) ここで、任意の偏向用周波数fi と中心周波数f0 との
周波数差Δf(Δf=fi −f0 )に対する偏向角の変
化Δθは,Δθ=θi −θ0 =Δf・λ/vで与えら
れ、原盤(及びそれから製造された光ディスク)のトラ
ック中心からの偏位量ΔdはΔfにほぼ比例する。
【0029】図4(a)に、AO偏向器への入力周波数
fと光スポット(後の工程で形成されるデータピット)
の偏位量Δdとの関係を概略的に示す。f0 =80.0
MHz(中心周波数)の場合にトラック中心に光スポッ
トが形成され、周波数の変動分に比例して偏位量が変化
する。図2に示したAO偏向器を用いた図1の装置の場
合、データピット偏位量Δd(μm)=0.09・Δf
(MHz)であった。
【0030】次に、EO偏向器15の構成の一例を図3
に示す。フォーマッタ25からの記録信号に同期して、
EO偏向器ドライバ32からEO素子31に電圧VE
印加される。印加する電圧VE を制御することにより、
レーザスポットのトラック中心からの偏位量を所定の値
に変化できる。EO素子31への入射光に対する出射光
の偏向角θは下記式に従い、EO素子31に印加する電
圧VE に比例して変化し、EO素子内の電場方向(x方
向)に生じる屈折率勾配(dn/dx )が高くなる方に光ビ
ームは偏向する。EO素子31内部でのEO素子長さ方
向(z方向)での偏向角勾配( dθ/dz)は下記式によ
り与えられる。
【0031】
【数3】dθ/dz=(1/n0)(dn/dx ) また、出射光の偏向角θは下記式により求められる。
【数4】θ=K・(L/ a2 )VE (K:EO素子結晶固有の定数、L:EO素子(結晶)
長、a:EO素子のアパーチャ直径、VE :EO素子へ
の印加電圧、x:EO素子内の電場方向の位置、z:E
O素子長さ方向の位置)
【0032】図4(b)にEO偏向器への印加電圧VE
と光スポット(後の工程で形成されるピット)の偏位量
Δdとの関係を示した。印加電圧が0Vのとき、トラッ
ク中心上に光スポットが形成され、電圧VE に比例して
偏位量Δdは変化する。ここで使用したEO偏向器を用
いた装置の場合、偏位量Δd(μm)=5・VE (k
V)であった。
【0033】上記のようにしてAO偏向器13またはE
O偏向器15のいずれかを用いて、原盤18を光スポッ
トで露光した後、原盤18を現像して、凹凸表面を有す
る原盤18を得た。この原盤18に導電膜を付けた後、
Niめっきを行ってNiスタンパを作製した。このNi
スタンパを加工して射出成形用の金型に取付け、金型の
キャビティ内に溶融したポリカーボネート(PC)樹脂
を射出し、冷却して硬化させることにより光ディスク基
板を複製した。樹脂としてポリカーボネート(PC)の
代わりに、アモルファスポリオレフィン(APO)また
はポリメチルメタクリレート(PMMA)を用い得る。
得られた基板の信号面に、反射膜として、Al、Au等
の金属膜やこれらの合金膜を蒸着法やスパッタ法により
被覆し、反射膜上に紫外線硬化樹脂の保護膜を形成する
ことにより光ディスクを作製した。
【0034】この光ディスクを図5(a) に示した再生系
を用いて再生した。図示しない光ディスク駆動装置によ
り光ディスク164を回転させ、半導体レーザ61から
の再生レーザ光を、偏光プリズム62を介して、絞り込
みレンズ63によりディスク164上に光スポットとし
て収束させた。後述するようなサーボ方式により光スポ
ットを光ディスク164のトラック中心に沿って追従さ
せた。光ディスク164からの反射光は光検出器64で
検出した。光検出器64は、図5(b) に示したように、
検出面積の等しい2つの検出部180,181からなる
2分割検出器であり、トラックからの反射光のうち一次
回折光が各々の検出器180,181に等しい面積で分
かれて入射するようにトラック中心に対して配置した。
この光検出器64は、各々の検出器180,181から
の出力信号D1 ,D2 のみならず、それらの和信号出力
(D1 +D2 )及び差信号出力(D1 −D2 )を発生す
ることができる。
【0035】図6に、再生用光スポット44が照射され
ている光ディスク164のトラック部分の拡大図並びに
再生光から得られる和信号出力(D1 +D2 )及び差信
号出力(D1 −D2 )を示す。図中のピット5a,5b
及び5cは前記AO偏向器で使用した3つの周波数f0
,f1 ,f2 に対応して形成されたピットである。ピ
ット5b及び5cのトラック中心120からの偏位量は
0.3μmであり、トラックピッチは1.2μmであ
る。再生光学系がレーザ波長780nm,レンズ開口数
(NA)0.55であれば、トラックピッチ1.2μm
でも十分にトラック間のクロストークを小さくできる。
ピット間のクロストークによる再生信号振幅低下に対し
て信号検出マージンを十分に確保するためにはピット長
0.6μm以下、ピットピッチ1.2μm以上が望まし
いが、短波長の再生レーザ光を用いる等の手法により再
生時の検出窓幅に対するジッタマージンが確保できる範
囲までピット密度を詰められる。
【0036】図6中、和信号出力(D1 +D2 )及び差
信号出力(D1 −D2 )をピットトラック中心120か
らの偏位量で示した。差信号出力(D1 −D2 )は、偏
位量及び偏位方向(ディスク半径方向内側又は外側)に
より異なる。従って、差信号出力(D1 −D2 )を検出
することでピットの偏位量を測定することができ、ま
た、和信号出力(D1 +D2 )からピットの有無を検出
することができる。
【0037】得られた光ディスクの偏位したピットから
多値情報を再生する方法を図7により説明する。図7
(a) は、光ディスクのトラック上でトラック中心から偏
位したピット列パターンを示し、データ領域のピット4
3はデータピット、サーボ領域のピット41及びピット
42はそれぞれサーボピット及びクロックピットを表
す。データ領域のピット列の下方には各データピット4
3に対応する4値コードを示す。破線で示したサークル
44は再生光のスポットを示す。
【0038】2分割光検出器64からの出力の和信号
(D1 +D2 )出力と差信号(D1 −D2 )出力は、そ
れぞれ、図7(a) のピット列に対して、図7の(b) 及び
(c) に示したような信号波形となる。図7の(b) の信号
波形の上方には再生クロック出力を同時に示した。(D
1 +D2 )出力に対して、ピットの有無を検出するため
にスライスレベルS0を設定し、スライスレベルS0に
より2値化信号B0 を得た。図7の(b) の信号波形の下
方に2値化信号B0 を示した。差信号出力(D1
2 )出力に対して、データピット43がトラック中心
120から外側あるいは内側のいずれに偏位しているか
を検出するためのスライスレベルS1及びS2を設定
し、スライスレベルS1により2値化信号B1 を、スラ
イスレベルS2により2値化信号B2 をそれぞれ得た。
2値化信号B0 、B1 及びB2 を用いて下記のような論
理演算することにより2値符号を得、2ビットの4値信
号の下位ビットとした。
【0039】
【数5】
【0040】次いで、下記のような演算から得られた2
値符号を上位ビットとした。
【0041】
【数6】
【0042】それらの上位ビット及び下位ビットから4
値信号を生成し、記録された4値信号を再生することが
できた。論理演算の結果を図7(d) に示した。
【0043】この再生プロセスにおいて、トラック中心
120から互いに逆方向に偏位した2個のサーボピット
41の和信号出力を各々ピークホールドし、その差がゼ
ロになるようにトラッキングを行い、次のサーボピット
41までホールドした。また、データの復調においては
クロックピット42を用いて再生クロックにPLL(Pha
se Locked Loop) をかけて、回転ジッタやディスク偏心
の影響を補償した。
【0044】図7(a) に示したデータ領域のピット列か
ら4値信号を再生する際の信号処理の変形例を図8に示
す。図8(a) 及び図8(b) は図7(a) のピット列及び図
7(b) の(D1 −D2 )出力と同様である。この変形例
では、図8(c) 及び(d) にそれぞれ示したように、差信
号出力の代わりにD1 、D2 の各出力を直接用い、それ
ぞれスライスレベルS1及びS2でスライスして2値化
信号B1 及びB2 を得る。次いで、同図(e) に示したよ
うにB1 を下位ビットとし、B1 とB2 の排他的論理和
(mod2加算)を演算することによって上位ビットを
得、それらより記録された4値信号を再生した。
【0045】本実施例における光信号の流れの概略と、
フォーマッタ25内での信号処理の概略を図9に示す。
本実施例においては、アナログの画像データ及び音声デ
ータをAD変換してエンコーダによりデータ変換した
後、多重化した。その後、エラー訂正符号を付加して、
多値符号化した。この信号にサーボピット信号、クロッ
クピット信号、アドレス信号等を合成してAO変調器1
2及びAO偏向器13の駆動用の信号を生成した。以上
の操作をフォーマッタ25内で行った。
【0046】本実施例においては、光ビームの変調と偏
向にそれぞれAO変調器12とAO偏向器13を用いた
が、AO偏向器13の偏向信号強度を変化させることに
より変調器として同時に動作させることもできる。ただ
し、この場合は変調信号と偏向信号を同期させることが
容易だが、AO素子の変調効率が低下することになる。
また、AO偏向器13に印加する周波数を切り替えるた
めに3台の周波数シンセサイザを用いたが、それに代え
てVCO(Voltage Controlled Oscillator)を用いて周
波数変換することによりAO偏向器13に印加する周波
数を選択することもできる。この場合、VCOには多値
信号に対応するアナログ信号が入力される。
【0047】実施例1−2 本実施例では信号の記録再生方式にパーシャルレスポン
ス方式(PRML(Partial Response Maximum Likelih
ood )を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてサン
プルサーボ方式の光ディスクを作製した。図10(a) に
示した回路を有する符号器を用いて、PR(1,1)方
式で入力2値データを3値化した。入力2値データの変
調操作を図10(b) に示す。最初に、プリコーダー20
1を用いて2値入力データ信号に1ビット(1T)符号
間干渉を与えるNRZI(Non Return to Zero Inverte
d )変換を行う。次いでPR(1,1)相当信号発生器
205内でこのNRZI変換された信号をシフトレジス
タTを用いて1ビット(1T)遅延させた信号を生成す
る。そして、NRZI変換された信号と遅延した信号を
加算器203で足し合わせ、3値信号を生成した。その
3値データに基づいて図1のAO偏向器を駆動し、実施
例1−1と同じ方法によりトラック中心からトラックの
内周側及び外周側にそれぞれ同一量だけ偏位させたデー
タピットを有する光ディスクを作製した。得られた光デ
ィスクを図5に示した再生系を用いて再生した。再生方
法を図11に示す。
【0048】図11(a) は、図10(b) の信号変調操作
を符号で表した図であり、図11(b) に作製したディス
ク上のピット列を示す。2分割検出器64により検出さ
れた和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力(D1
2 )をそれぞれ図11(c)及び(d) に示す。また、得
られた差信号出力(D1 −D2 )から入力データを復号
及び再生するためのブロック図を図12に示す。差動ア
ンプで得られた差信号出力(D1 −D2 )を、アナログ
波形等化器を通すことにより光学的な符号間干渉を除去
してPR特性を得、アナログ信号をA/D変換した。そ
の後、デジタルトランスバーサルフィルタで内外周特性
差を吸収して3値を判定した後、ビタビ復号器に供給し
て2値化した。再生クロックは、A/D変換後の信号に
より生成した。本実施例では、PR(1,1)のパーシ
ャルレスポンス方式を用いたが、PR(1,−1)また
はPR(1,0,−1)のパーシャルレスポンス方式を
用いても良い。
【0049】実施例2−1 本実施例では、トラックと直交する方向であって且つト
ラック中心より内周側に異なる大きさで偏位されたデー
タピットを有する光ディスクを作製する。実施例1と同
様に、図1に示した原盤記録装置を用いて原盤18に記
録を行った。パルス信号(記録データ)は実施例1と同
様に基準パルス長Tに対して0.5T〜0.9Tにパル
ス長補正してフォーマッタ25から出力した。このデー
タ信号に同期して中心周波数f0 を含む4つの周波数f
0 =80.0MHz,f1 =76.7MHz,f2 =7
8.6MHz,f3 =83.3MHzを周波数シンセサ
イザ24から発生させ、偏向信号ドライバー23を介し
てAO素子21に入力した。ここで、f0 及びf1 はデ
ータピット形成用のみならず、それぞれクロックピット
形成用及びサーボピット形成用にも使用した。f3 をサ
ーボピット形成専用に用いた。これら4つの周波数各周
波数の偏向信号は切替スイッチ22によりデータ信号と
同期してデータ信号の大きさに対応した周波数が選択さ
れる。こうして偏向光ビームで原盤を露光することによ
り、f0 ,f1 ,f2 に対応した露光マークとf1 ,f
3 に対応したサーボピット形成用露光マークがトラック
中心から所定の偏位量にて形成される。この場合、最大
の偏位量は、実施例1と同様に、サーボピット用の偏位
量である0.3μmとし、トラックピッチは1.2μm
とした。
【0050】上記のように露光されたフォトレジスト表
面を現像して、凹凸表面を有する原盤を得た。この原盤
を、実施例1と同様にして、スタンパを作製し、スタン
パを備えた金型中で射出成型して光ディスクを作製し
た。
【0051】得られた光ディスクを、図5に示した再生
系の2分割検出器64を用いて再生信号を検出した。図
13に光ディスクのデータ領域のトラック部分の拡大図
及び2分割検出器64からの和信号出力及び差信号出力
を示す。図13中、ピット7a,7b及び7cの偏位量
はそれぞれAO偏向器に入力された周波数f0 ,f1,
f2 に対応する。サークル44は再生光スポットを示
す。図13下方にトラック中心120からの偏位量に対
する和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力(D1
2 )を示す。本実施例においては、2分割光検出器出
力の和信号出力(D1 +D2 )のみにスライスレベルS
0〜S2を設定して信号再生を行った。図14に再生方
法の概略を示した。
【0052】図14(a) は光ディスクのトラック上のピ
ット列パターンと4値記録コードを示し、図14(b) に
はそれらのピット列に対応する和信号出力(D1
2 )の信号波形を示す。トラック中心からのピット4
3の偏位量が大きくなるにつれて信号振幅は減少する。
前記式(1)において、ピットの深さがλ/4n
s (λ:光源波長、ns : 基板屈折率)の時に、反射回
折光にπの位相差を生じて cosΦ01が最大となるため、
トラック中心からのデータピット43の偏位に対する信
号振幅変化を最大にすることができる。ピット偏位量を
信号振幅の大きさに基づいて分離するために、スライス
レベルS0、S1、S2を各振幅の中心に設定し、各々
のスライスレベルから2値化信号B0 、B1 及びB2
得た。次いで、図14(c) に示したように、B1 とB2
のmod2加算を行った後、B0 との和を取ることによ
って下位ビットを得、B1 を上位ビットとして、4値信
号を生成した。
【0053】さらに、各多値信号レベル間のS/Nが確
保されれば、fn (n >4)とすることで5値以上の多
値化も可能である。なお、データの復号は、図14(c)
に示した方法に限定されず、様々な多値符号に適用可能
である。特に実施例1−2のPRMLやトレリス符号化
変調方式と、ビタビ復号との組み合わせが有効である。
【0054】実施例2−2 この実施例では、実施例2−1と同様にして得られた光
ディスクから、図5の再生系の2分割光検出器64から
の差信号出力(D1 −D2 )のみを用いて信号再生し
た。図15(a) にトラック上のピット列を示し(図14
(a) と同じ)、図15(b) にピット列に対応する(D1
−D2 )出力の信号波形を示す。トラック中心からのデ
ータピット43の偏位量が大きくなるにつれて信号振幅
は増大する。前記式(2)において、ピットの深さがλ
/8ns の時に、反射回折光にπ/2の位相差を生じて
sinΦ01が最大となるため、トラック中心からのピット
43の偏位に対する信号振幅変化を最大にすることがで
きる。ピット偏位量を信号振幅の大きさに基づいて分離
するために、スライスレベルS0、S1、S2を各振幅
の中心に設定し、各々のスライスから2値化信号B0
1 、B2 を得た。次いで、図15(c) に示したよう
に、B1 とB2 のmod2加算を行った後、B0との論
理和を取ることによって下位ビットを得、B1 を上位ビ
ットとして、4値信号を生成した。この例でも、各多値
信号レベル間のS/Nが確保されれば、fn (n>4)
とすることで5値以上の多値化も可能である。なお、デ
ータの復号は、図15に示した単純な2値化に限定され
ず、様々な多値符号に適用可能である。特にPRMLや
トレリス符号化変調方式とビタビ復号との組み合わせが
有効である。
【0055】実施例3−1 この実施例では、トラック中心から内周側及び外周側に
それぞれ異なる大きさで偏位したデータピット列を有す
る光ディスクを作製する。AO素子21用のシンセサイ
ザ24の周波数を以下のように設定した以外は、実施例
1と同様の光学系を用いて実施例1と同様にフォトレジ
スト原盤を露光した。
【0056】シンセサイザ設定周波数: f0 =80.0MHz (クロックピット形成用) f1 =76.7MHz (サーボピット及びデータピッ
ト形成用) f2 =78.4MHz (データピット形成用) f3 =81.6MHz (データピット形成用) f4 =83.3MHz (サーボピット及びデータピッ
ト形成用)
【0057】上記周波数f2 及びf3 により得られるデ
ータピットのトラック中心からの偏位量は、それぞれ周
波数f1 及びf4 により得られるデータピットの偏位量
の約40%であった。露光された原盤から、実施例1と
同様にして、Niスタンパを作製した後、射出成型して
光ディスクを製造した。
【0058】得られた光ディスクから、実施例1と同様
に図5に示した再生系を用いて、再生信号を検出した。
図16に、再生光が照射されている光ディスクのトラッ
ク部分の拡大図並びにトラック中心からの偏位量に対す
る2分割検出器64からの和信号出力及び差信号出力を
示す。ピット9a,9b,9c,9d及び9eの偏位量
は、それぞれ、原盤露光時にAO素子に入力した周波数
f1 、f2 、f0 、f3 及びf4 に対応する。図17に
この光ディスクの再生方法の概略を示した。図17(a)
はトラック上のデータ領域のピット列パターンを示し、
クロックピット42は偏向周波数f0 により、サーボピ
ット41は偏向周波数f1 及びf4 により、データピッ
ト43はf1 〜f4 の偏向周波数により形成されたもの
である。図17(a) の下方に記録された4値コードを併
せて示した。図17(b) 及び(c)は、それぞれ、これら
のピット列に対応する2分割光検出器出力の和信号出力
(D1 +D2 )と差信号出力(D1 −D2 )を示す。図
17(c) に示すように、トラック中心に位置するピット
からそれぞれの検出部180及び181に向かう回折光
強度は同一なので(D1 −D2 )はゼロになる。一方、
トラック中心から偏位したピットからの回折光強度は2
つの検出部180及び181において異なるので、ピッ
トの偏位方向と偏位量に従って(D1 −D2 )出力は段
階的に変化する。ピット偏位量を信号振幅の大きさに基
づいて分離するために、スライスレベルS1、S2、S
3を各振幅間の中心に設定し、各スライスから2値化信
号B1、B2 及びB3 を得た(図17(c) )。図17(d)
に示すように、B2 とB3 のmod2加算を行った
後、B1 との論理和を取ることによって下位ビットを
得、B2 を上位ビットとすることによって、4値信号を
再生した。
【0059】なお、データの記録の際に特定の4値記録
用符号化方法(トレリス符号化変調方式)で入力2値信
号を4値化しておき、再生の際にビタビ復号を用いて復
号することもできる。図18に入力2値信号を4値化す
る場合の遷移規則の一例を示す。この遷移規則では、あ
る時刻の4値符号と入力される2値符号により次の時刻
の4値符号が一義的に決まり、且つ2値符号が0のとき
に取り得る4値符号と2値符号が1のときに取り得る4
値符号との差の絶対値が2になるようにする。すなわ
ち、ある時刻の4値符号(2ビットの2値符号で表し
て)が00であり且つ入力2値符号が0である場合に、
次の時刻の4値符号は00となる遷移のみが許され、あ
る時刻の4値符号が00であり且つ入力2値符号が1で
ある場合に、次の時刻の4値符号は10となる遷移のみ
が許容される。ある時刻の4値符号が01であり且つ入
力2値符号が1である場合に、次の時刻の4値符号は0
0となる遷移のみが許され、ある時刻の4値符号が01
であり且つ入力2値符号が10ある場合に、次の時刻の
4値符号は10となる遷移のみが許容される。ある時刻
の4値符号が10であり且つ入力2値符号が0である場
合に、次の時刻の4値符号は01となる遷移のみが許さ
れ、ある時刻の4値符号が10であり且つ入力2値符号
が1である場合に、次の時刻の4値符号は11となる遷
移のみが許容される。ある時刻の4値符号が11であり
且つ入力2値符号が1である場合に、次の時刻の4値符
号は01となる遷移のみが許され、ある時刻の4値符号
が11であり且つ入力2値符号が0である場合に、次の
時刻の4値符号は11となる遷移のみが許容される。
【0060】上記の遷移規則は、図19に示した符号化
器を用いることによって実行することができる。同図
中、Input bit は入力2値符号であり、Output bitのう
ちMSB及びLSBはそれぞれ4値信号を構成する上位
ビット及び下位ビットである。上記のように4値記録の
符号化規則を定めることにより、記録された信号を再生
する際にビタビ復号方式を用いることができ、それによ
って信号エラーの発生率を低下させることができる。ビ
タビ復号では、トレリス線図を作成して、再生時に得た
各時刻の多値符号を用いてパスメトリックを内部状態毎
に計算し、生き残りパスを得ることで尤度を最大にする
復号を行う。図18に示したような規則の下で4値符号
化を実行することによって、符号化の際に、図19の符
号化器のシフトレジスタTに内在する値により一意に定
まる内部状態が4値符号と一致するために、ビタビ復号
における処理が簡単になるという効果がある。また、P
RMLとビタビ復号との組み合わせも有効である。
【0061】実施例3−2 実施例3−1において、シンセサイザ用周波数f4 をサ
ーボピット形成専用に用い、未記録レベル(データピッ
トなし)を上記4つのビットデータの1つに対応させた
以外は、実施例3−1と同様に原盤を得、スタンパを作
製して光ディスクを製造した。図20に、再生光が照射
されている光ディスクのトラック部分の拡大図並びにト
ラック中心からの偏位量に対する2分割検出器64から
の和信号出力及び差信号出力を示す。
【0062】図21にこの光ディスクの再生方法の概略
を示した。図21(a) はトラック上のピット列を示し、
サーボ領域においてクロックピット42は偏向周波数f
0 により、サーボピット41は偏向周波数f1 及びf4
により、データ領域のデータピット43はf1 〜f3 の
偏向周波数により形成されたものである。図21(a)の
下方に記録された4値コードを併せて示した。図21
(b) 及び(c) は、それぞれ、2分割光検出器からの和信
号出力(D1 +D2 )と差信号出力(D1 −D2)を示
す。ピット偏位量を信号振幅の大きさに基づいて分離す
るために、図21(c) に示したように、差信号出力(D
1 −D2 )にスライスレベルS1、S2、S3を設定
し、各スライスレベルから2値化信号B1 、B2 及びB
3 を得た。図21(d) に示すような論理演算を行うこと
により下位ビット及び上位ビットを得、4値信号を生成
した。このデータピットパターンは、f4 に対応するデ
ータピットがないために実施例3−1に比べてトラック
間のクロストークを一層少なくすることができる。
【0063】実施例3−3 実施例3−1において中心周波数f0 =80.0MHz
をクロックピットのみならずデータピット形成用として
用い且つ信号の記録再生にPR(1,2,1)方式及び
ビタビ復号を用いた以外は、実施例3−1同様にして原
盤を形成し、そのスタンパから光ディスクを製造した。
図22に、再生光が照射されている光ディスクのトラッ
ク部分の拡大図並びにトラック中心120からの偏位量
に対する2分割検出器64からの和信号出力及び差信号
出力を示す。差信号出力について図22に示したように
スライスレベル(S1〜S4)を設定し、トラック中心
120にあるデータピットにもビットデータを割り当て
ることにより、5値記録を可能にした。
【0064】入力2値信号を5値信号として記録する際
に、図23(a) に示した回路を有する符号器を用いて、
PR(1,2,1)方式で信号変調を行った。図23
(b) に、この回路を用いて入力2値信号を5値信号に変
調する操作を示す。最初に、プリコーダ202を用いて
2値入力データ信号に2Tの符号間干渉を与えるインタ
ーリーブドNRZI変換を行う。このインターリーブド
NRZI変換された信号を、PR(1,2,1)相当信
号発生器206のシフトレジスタTを用いてそれぞれ1
ビット(1T)及び2ビット(2T)遅延させた信号を
生成する。そして、インターリーブドNRZI変換され
た信号と遅延した信号を加算器204で足し合わせて5
値信号を生成した。
【0065】図24(a) に、図23(b) に示したPR
(1,2,1)方式の信号処理を2値及び5値符号で示
す。また、PR(1,2,1)方式でプリコードされた
5値信号が記録されたトラック上のピット列パターンを
図24(b) に示す。かかるピット列が形成された光ディ
スクを図5の再生系で再生した。2分割検出器64から
検出された和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力
(D1 −D2 )の波形をそれぞれ図24(c) 及び(d) に
示す。差信号出力(D1 −D2 )を、図25に示した再
生装置のブロック図に従って復号及び再生した。差動ア
ンプで生成した(D1 −D2 )を、アナログ波形等化器
を通すことにより光学的な符号間干渉を除去してPR特
性を得、アナログ信号をA/D変換した。その後、デジ
タルトランスバーサルフィルタで内外周特性差を吸収し
て5値を判定した後、ビタビ復号器に供給して2値化し
た。再生クロックは、A/D変換後の信号により生成し
た。
【0066】実施例3−4 この実施例では、実施例3−1の場合よりもさらに多種
の偏位量を有するデータピットをトラック中心から内周
側及び外周側に形成した光ディスクを作製する。偏向器
として図3に示したEO偏向器を用い且つトラック中心
から4種類のオフセット量を内周側と外周側にそれぞれ
有するピットが形成されるようにEO偏向器に電圧V0
〜V8 を印加した以外は、実施例3−1と同様にしてス
タンパを作製し、それにより光ディスクを製造した。図
26に、再生光が照射されている光ディスクのトラック
部分の拡大図並びにトラック中心120からの偏位量に
対する2分割検出器64からの和信号出力及び差信号出
力を示す。差信号出力について図26に示したようにス
ライスレベル(S1〜S7)を設定し、トラック中心に
あるデータピットにもビットデータを割り当てることに
より8値記録を可能にした。
【0067】図27にこの光ディスクから8値信号の再
生方法を示す。図27(a) は、光ディスク上のトラック
上にピット列パターンを示し、図27(b) 及び(c) は、
図5の再生系の2分割検出器64で検出された和信号出
力(D1 +D2 )及び差信号出力(D1 −D2 )の波形
をそれぞれ示す。図27(b) 及び(c) に示した各スライ
スレベルS0〜S7から2値化信号B0 〜B7 を求め、
それらを図27(d) に示した論理演算を行って3ビット
の信号を得、それを単純に合成して8値に対応させた。
【0068】この実施例において、信号の記録再生の変
形例として特定の8値記録の際の遷移規則を定めること
によってビタビ復号を用いることができる。図28にこ
の遷移規則の例を示す。ある時刻の3ビットの信号から
次の時刻の3ビットの信号に遷移する際に、当該ある時
刻の3ビットの信号と入力される2ビットの信号により
図28に示されたような遷移のみが許されるようにす
る。この遷移は、図29に示したような符号器を用いて
実行することができる。こうして得られた8値信号を再
生する際にビタビ復号を用いてエラーの少ない信号が得
られる。
【0069】図29の符号化器に入力される信号は4値
信号であるが、入力信号が2値信号である場合には、例
えば、図30に示したような操作により2値信号を4値
化することができる。図30に示したように、最初に2
値データ信号(2) とクロック信号(1) 及び逆極性のクロ
ック信号との論理積をそれぞれ求めることによって奇数
データ(3) 及び偶数データ(4) を生成する。(3) を(1)
の2倍のクロック周波数で動作するシフトレジスタに入
力し、1ビットシフト信号と2ビットシフト信号を取り
出し、その論理和を作って4値信号の下位信号(5) を生
成する。(4) を(3) と同様に(1) の2倍のクロック周波
数で動作するシフトレジスタに入力し、1ビットシフト
信号と(4) の論理和を作って4値信号の上位信号(6) を
生成する。
【0070】この実施例のように偏位量が多い場合、複
数の信号制御が必要となるので、偏向器として図3に示
すEO偏向器を用いて偏位量を制御した方が、フォーマ
ッタ25の偏向信号制御回路の構成が簡略化でき、偏位
に要する時間も速くできるため高密度化への対処が容易
である。
【0071】実施例3−5 この実施例では、実施例3−2に比べてデータピットが
トラック方向に一層短い間隔で形成された光ディスクを
作製し、そこから多値化された信号を再生する。実施例
3−2と同様にして各周波数をトラック中心から所定の
偏位量を有するデータピット形成用に用いたが、フォー
マッタ25からの記録データ信号パルスは実施例3−2
で用いた基準パルス長Tの半分であるT/2とした。こ
うして得られた光ディスクから多値信号を再生する方法
を図31に示す。図31(a) は、光ディスク上のトラッ
ク上のピット列を示し、各データピット43は実施例3
−2(図21(a) )の場合に比べてトラック方向に密に
配列している。図31(b)及び(c) は、図5の再生系を
用いてトラックから得られた2分割検出器64で検出さ
れた和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力(D1
2 )の波形をそれぞれ示す。図31(b) 及び(c) に示
した各スライスレベルS0〜S3から2値化信号B0 〜
B3 を求め、それらを図31(d) に示した論理演算を行
って下位ビット及び上位ビットの信号を得、それらから
4値信号を生成した。
【0072】実施例3−2(図21)において、ピット
間隔を短くしても和信号出力はピット間のクロストーク
によって検出できない部分がある。しかしながら、本実
施例の差信号出力では明確に各信号レベルが区別されて
いる。この例からコンパクトディスク等の長短ピットの
エッジ位置に情報を付与したマークエッジ記録方式を、
本発明のトラックと直交する方向に偏位した連続ピット
パターンに適用可能であることがわかる。後述するよう
にマークエッジ記録方式を本発明の光ディスクに適用す
るとさらに線密度を向上することができる。例えば、図
22(実施例3−3)に示したような5値記録の偏位レ
ベルを設定し、トラックピッチ1.6μmのCD−RO
Mにマークエッジ方式を適用した場合、約2倍の高密度
化が可能となる。
【0073】実施例4 この実施例では、トラック中心の両側に同時に同一の大
きさで偏位されたデータピットを有する光ディスクを作
製する。トラック中心の両側に同時に同一の大きさで偏
位されたデータピット対を1つの光ビームでピットを偏
位させて形成する場合、原盤が一周する間に原盤の半径
方向のみならず、接線方向にも光ビームを高速に偏位さ
せねばならない。これを実行するには一本の光路上に、
各々の偏向する方向が直交する2個の偏向器を直列に並
べなければならなくなるので、光学系の調整が困難とな
る。さらに、所定のピット対を得るための信号の位相調
整、接線方向の光ビーム移動を一時的に止めるための偏
位量調整、ピットを形成するための変調器のタイミング
調整など非常に困難な点が多い。別の方法として、記録
レンズと原盤の相対移動速度を所定の半分とし、2回転
で1トラック分記録することが考えられる。この方法で
は光学系の調整は容易になるが、一周目と2周目のタイ
ミング調整は困難となるという問題がある。さらに別の
方法として、図1に示した原盤記録装置において、AO
偏向器13に入力する偏向周波数を固定し、また、EO
偏向器15の偏向電圧も固定して、各々の角度をずらす
ことによってトラック中心の両側に同時に同一の大きさ
で偏位されたデータピットを形成することが考えられ
る。しかしながら、この方法ではピット対のタイミング
調整やトラック中心に対する対称性の調整がやや困難と
なる。
【0074】本実施例では、図1の原盤記録装置を使用
して、実施例3−1で用いたf2 =78.4MHzとf
3 =81.6MHzの偏向周波数信号をクロック信号に
同期させて、片方だけあるいは両方同時にAO偏向器1
3に入力した。そして偏向信号と同様に、クロックと同
期したピット形成用データ信号を、AO変調器12に入
力する。変調信号(Ms) 及び偏向信号(f2,f3) をクロッ
ク信号(Cs)とともに図32(a) に示した。この際、f2
とf3 の両方の偏向信号が入力された場合、出射光は、
f2 あるいはf3 の一方の信号だけ入力した場合の約5
0%の強度の2つのビームに分かれる。この場合、露光
用の光スポットサイズは小さくなるため、トラック中心
を隔てて対向するピット対のピットサイズは、図32
(b) に示したように、トラック中心から一方の側に偏位
して単独に存在するピットのサイズに比べて小さくな
る。原盤露光後、得られた原盤から実施例3−1と同様
にしてNiスタンパを作製し、それより複製ディスクを
作製した。
【0075】図32(c) 及び(d) は、図5の再生系の2
分割検出器64で検出された和信号出力(D1 +D2
及び差信号出力(D1 −D2 )の波形をそれぞれ示す。
図32(c) 及び(d) に示した各スライスレベルS0〜S
2から2値化信号B0 〜B2を求め、それらを図32(e)
に示した論理演算を行って下位ビット及び上位ビット
の信号を得、それらから4値信号を生成した。
【0076】実施例5−1 本実施例では、光磁気ディスクのトラック中心からピッ
ト及び記録マークを偏位させて多値化情報を記録する例
を示す。図33に本実施例に係る光磁気ディスクの断面
構造を示す。この光磁気ディスクは、片面に所望のプリ
フォーマットパターンが形成された透明基板331上
に、第1エンハンス膜333、垂直磁化膜334、第2
エンハンス膜335、反射膜336及び保護膜337
が、順次積層されてなる。第2エンハンス膜335と反
射膜336は必要に応じて形成される任意層である。第
1エンハンス膜333としては膜厚約100nmのSi
N誘電体膜を、垂直磁化膜334としては膜厚約20n
mのTb29Fe58Co13非晶質磁化膜を、第2エンハン
ス膜335としては膜厚約30nmのSiN誘電体膜
を、反射膜336としては膜厚約75nmのAl金属膜
をそれぞれマグネトロンスパッタリング法により真空中
で成膜した。保護膜337は、紫外線硬化樹脂を塗布し
て硬化させた。
【0077】こうして得られた光磁気ディスクに、図3
4に示した記録装置を用いてトラック中心からトラック
の内周側及び外周側に同一量だけ偏位したマークを記録
した。記録用光源として、マークをトラックと直交する
方向に偏位させるためにマルチレーザヘッドの光源11
1を用いた。この光源は4つのレーザヘッドを備え、各
レーザからのビームがトラック中心から4種の偏位量で
トラックを照射する。記録の際に、磁気コイル(図示し
ない)を用いて記録信号に応じて磁界を発生させた。ま
た、この光磁気ディスク165の基板のプリフォーマッ
トパターンは、実施例1〜3に示したような方法でトラ
ック中心から種々の偏位量で形成されたプリピットから
なる。得られた光磁気ディスク上のプリピットエリア及
び記録マーク(磁区)エリアを図36(a) に示す。
【0078】光磁気ディスクに記録された記録マーク
は、極カー効果、すなわち、磁性膜の磁化の方向によっ
て再生用入射光の偏光面が光磁気ディスクからの出射時
に回転する現象を利用して再生される。この光磁気ディ
スク165を図35に示した再生系を用いて再生した。
光磁気ディスク165を図示しない駆動系により回転さ
せながら、半導体レーザ61から出射したレーザ光を、
偏光プリズム62を経て絞り込みレンズ63によりディ
スク165上に収束させた。この際、サーボ用のプリピ
ットを使ってレーザ光をトラック中心に沿って追従させ
た。ディスク165からの反射光は、1/2波長板66
により偏光面を45度傾けた後、偏光プリズム67によ
り光量を2分割し、2個の光検出器65、68に入射さ
せた。光検出器65、68は実施例1で用いた検出器と
同様の2分割検出器であり、トラック中心からの一次回
折光が各々の検出部182,183(または検出部18
4,185)に均等に分かれて入射するようにそれぞれ
配置した。トラック中心からの記録マークの偏位量に応
じて、各々の一次回折光強度は逆位相で増減する。従っ
て、検出部182と検出部183の出力の差、即ち、
(D1 −D2 )及び検出部184と検出部185の出力
の差、即ち、(D3 −D4 )を求めることにより記録マ
ーク及びプリピットの偏位量を検出することができる。
また、D1 とD2の和及びD3 とD4 の和を求めること
によって記録マークの有無を検出することができる。一
方、通常の光磁気ディスク再生系においては、偏光プリ
ズム67で2分された光の和でプリピットを、差で光磁
気信号を検出する(但し、検出器は単一の検出部を有す
る)。従って、プリピット信号の有無は(D1 +D2
+(D3 +D4 )出力、プリピットの偏位は(D1 −D
2 )+(D3 −D4 )出力、記録マーク(磁区)の有無
は(D1 +D2 )−(D3 +D4 )出力、記録マークの
偏位は(D1 −D2 )−(D3 −D4 )出力で検出でき
る。
【0079】図36(b) 〜(e) に上記の4つの信号出力
の例を示す。この場合、(D1 −D2 )+(D3
4 )出力によるピットの偏位信号と、(D1 −D2
−(D3−D4 )出力による記録磁区の偏位信号をゲイ
ンを合わせて合成し、共通のスライスレベルS1、S
2、S3により2値化して4値を検出することができ
る。
【0080】また、光磁気ディスクに多値記録する別の
例として、記録用光源として2つのレーザダイオードを
用いて、実施例4と同様な、トラック中心の両側に同時
に同一の大きさで偏位されたマークを光磁気ディスクに
記録した。記録の際の2つのレーザダイオードの発光パ
ターン、記録された磁区パターン、2分割検出器からの
和信号及び差信号出力並びに4値信号を再生するための
演算法を図37(a) 〜(e) に示す。
【0081】上記実施例で示したように、アドレス情報
等のプリピット信号と記録マーク(記録磁区)とを同じ
方式で再生することができるので、再生装置の信号処理
回路を簡略化できる。データの復号は、単純な2値化に
限定されず、様々な多値符号に適用可能である。特にP
RMLや特定の遷移規則によるトレリス符号化変調方式
とビタビ復号との組み合わせが高密度化に有効である。
【0082】実施例5−2 本実施例では、トラック中心から記録マークを偏位させ
て多値化情報を記録する方式を相変化型の光ディスクに
応用した例を示す。データ情報以外のアドレス等の情報
をプリピットの形で含む基板を射出成型によって作製
し、以下のようにして相変化型記録膜を基板上に積層し
て、図38(a) に示したような断面構造の相変化型の光
ディスク製造する。射出成形基板331上に第1透明誘
電体膜340としてのSiO2 を160nm、相変化型
記録膜341としてGe2 Sb2 Te5 を30nm、第
2透明誘電体膜342としてのSiO2 を50nm、反
射膜343としてのAlを80nm、順次スパッタリン
グにより積層した。反射膜343上に、保護膜344と
して紫外線硬化樹脂を塗布して硬化させた。第1及び第
2透明誘電体膜としてZnS−SiO2 を、反射膜とし
てAuを使用してもよい。
【0083】また、図38(a) の変形例として、図38
(b) に示したように、透明基板331と第1透明誘電体
膜340との間に金属干渉膜345を積層した。この場
合、透明基板上に金属干渉膜345としてAuを8n
m、第1透明誘電体膜340としてのSiO2 を40n
m、相変化型記録膜341としてGe2 Sb2 Te5
10nm、第2透明誘電体膜342としてのSiO2
15nm、反射膜343としてのAuを50nm、順次
スパッタリングにより積層した。
【0084】こうして得られた相変化型光ディスクに、
図39に示したような3つの独立に変調できるレーザ光
源LD0、LD1及びLD2を備えた記録装置を用いて
記録マークを記録した。かかるレーザ光源LD0、LD
1及びLD2の発光パターン及びそれにより記録された
記録パターンをそれぞれ図40(a) 及び(b) に示す。L
D0はトラック中心を、LD1及びLD2はトラック中
心からオフセットした位置にそれぞれ記録マークを形成
する。こうして相変化光ディスクに記録された多値信号
を、図5の再生系を用いて再生した。信号の復調は、図
40(c) 及び(d) に示したように2分割検出器64から
の和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力(D1 −D
2 )を検出し、それらにスライスレベルS0〜S2を設
定して2値信号B0 〜B2 を求め、それらを図40(e)
に示したような論理演算を行うことによって実行するこ
とができる。
【0085】記録用光源としてレーザダイオードLD0
及びLD1からなる2ビーム光源を用いた以外は上記の
例と同様にして、相変化型光ディスクに4値信号を記録
した。LD0及びLD1をトラック中心から偏位した記
録マークを形成するために用い、トラック中心には記録
マークを形成しなかった。レーザ光源LD0及びLD1
の発光パターン、それにより記録された記録パターン、
和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力(D1
2 )並びに4値信号再生のための演算方法を、図41
(a) 〜(e) に示す。このように2ビーム光源でも4値記
録が可能となる。
【0086】ここで、記録膜として用いたGe2 Sb2
Te5 は、記録(光照射)によって結晶状態から非晶質
状態に変化する。波長780nmにおけるGe2 Sb2
Te5 の結晶状態における屈折率nc は、nc =5.4
−6.6iであり、非晶質状態における屈折率na は、
a =4.5−4.3iである。なお、屈折率の虚数部
は消衰率である。図42に、入射光のP偏光に対して記
録部及び未記録部から反射されたP偏光の位相の相違を
示す。図中、EP は入射光のP偏光の振幅の変化を、E
PWは記録部から反射されたP偏光の振幅の変化を、EPO
は未記録部から反射されたP偏光の振幅の変化をそれぞ
れ示す。同図に示した記録部及び未記録部からの反射光
強度を表す式より、特定のn,k変化を生じる材料を選
定することによって、それぞれの反射光のP偏光成分の
S偏光成分に対する位相差δO ,δW が、δO =δW +
(2N+1)πを満たすときに記録部及び未記録部から
の反射光強度の差を最大にすることができる。これは、
信号間のコントラストを最大にして検出感度を向上でき
ることを意味する。
【0087】実施例6−1 この実施例ではトラックと直交する方向にピットを種々
の偏位量で偏位させて記録を行う多値記録に、時間位相
多値記録を組み合わせた2次元多値記録方法を示す。時
間位相多値記録は、各ピットのエッジ位置をトラック方
向に微少量変化させてエッジ位置に時間方向の多値情報
を記録する方式(SCIPER)である。
【0088】実施例3−1と同様にしてAO偏向器に偏
向用周波数f1 =76.7MHz、f2 =78.4MH
z、f3 =81.6MHz、f4 =83.3MHz及び
中心周波数f0 =80.0MHzを入力して原盤にピッ
ト形成用パターンを露光した。ここで、f1 〜f4 はデ
ータピット形成用の周波数であり、このうち、f1 及び
f4 はサーボピット形成用としても用いられる。f0 は
クロックピット形成用の偏向周波数である。AO偏向器
の代わりにEO偏向器を用いてf0 〜f4 に対応するV
0 〜V4 の印加電圧で偏位量を制御できることはいうま
でもない。
【0089】データピット形成用パターンを露光する際
に、以下のようにして時間位相多値記録を適用した。図
9に示したフォーマッタ25の信号合成部に変更を加
え、ピットの記録周期(ピット中心から次のピット中心
まで)を一定の値Tに固定し、ピットの前縁あるいは後
縁の位置または前縁及び後縁の両方の位置を、時間位相
多値用の多値レベルに応じて記録周期よりも十分に小さ
な範囲で2段階以上に段階的に変化させた。これらの段
階的なエッジ位置の間隔Δtはクロック周期の整数分の
一になるよう設定した。このように設定されたフォーマ
ッタ25と図1の原盤記録装置を用いて原盤を露光し
た。得られた原盤から実施例1と同様にしてNiスタン
パを作製した後、射出成型により光ディスクを製造し
た。
【0090】上記のようにして2次元多値記録方法でデ
ータが記録された光ディスクのトラック上のデータピッ
ト列を図43(a) に示す。図中、ピットの破線部は時間
位相多値記録により形成され得るピットの前縁及び後縁
位置を示し、それぞれ、入力データに応じて8通り(3
ビット)の縁部位置を取り得る。ピットの実線部は実際
に記録により形成されたピットの前縁部と後縁部とを示
す。図43(a) の下方には、各ピットに記録されたトラ
ックと直交する方向の偏位量による多値情報(偏位多値
情報)と時間位相多値情報とを示した。この光ディスク
を図5に示す再生系を用いて再生した。2分割検出器か
らの和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力(D1
2 )をそれぞれ図43(b) 及び(c) に示す。差信号出
力(D1−D2 )にスライスレベルS1〜S3を設定
し、前述の実施例で用いた演算処理を行うことにより偏
位多値信号を再生することができる。一方、和信号出力
(D1 +D2 )にスライスレベルS0を設定し前縁及び
後縁位置を検出することにより時間位相多値信号を得る
ことができる。この際、図44に示す回路を用いて、
(D1 +D2 )信号をピークホールドした後、ゲイン及
びオフセットを調整することによって2値化スライスレ
ベルS0が各波形の振幅の中心に追従するようにスライ
スし、それによって振幅変動によるエッジシフトを抑制
した。本実施例においては、偏位多値に2ビット、時間
位相多値として前縁と後縁に各々3ビット割り当て、1
つのピットで1バイトの記録を実現することができた。
【0091】なお、時間位相多値記録の際に、ピット前
縁と後縁のデータを等しくすると、1ピットあたりの情
報量は減少するが、再生信号の周波数スペクトルの帯域
幅が狭帯域化するのでS/Nの点で有利になり、ピット
の周期Tの値を小さくすることができるという利点があ
る。
【0092】実施例6−2 ピットの後縁と次のピットの前縁の時間位相多値データ
を一致させるように時間位相多値データを記録した以外
は、実施例6−1と同様にして光ディスクを製造し、2
次元多値情報を記録した。得られた光ディスクのトラッ
ク上のピットパターンを、記録された偏位多値情報及び
時間位相多値情報とともに図45(a) に示す。図5に示
した再生系を用いて検出した和信号出力(D1 +D2
及び差信号出力(D1 −D2 )をそれぞれ図45(b) 及
び(c) に示す。図45(c) に示した(D1 −D2 )信号
にスライスレベルS1〜5を設定することにより時間位
相多値データの検出が可能である。このとき、ピットの
後縁と次のピットの前縁の距離は、トラック方向におい
て、一定の距離dだけ離れるように配置する。むろんd
=0でもよいが、dの値を有効再生スポット径の1/2
程度に設定すると再生波形のエッジの傾きが最大とな
り、最も良いS/Nが得られた。時間位相多値信号のス
ライスは、多値レベルの遷移の仕方に基づいて、その遷
移を横切るスライスレベルをS1〜S5のいずれかから
選択することによって実行することができる。この場
合、先頭ピットの前縁および最終ピットの後縁の時間位
相多値データの読み取りができないので、それらの前後
に信号レベルを補償するために、図45(a) に示したよ
うに補償ピット400を形成して、先頭ピットの前縁お
よび最終ピットの後縁の時間位相多値データの読みとり
を可能にした。補償ピット400を設ける代わりに、先
頭ピットの前縁及び最終ピットの後縁に時間位相多値デ
ータを付加しない方法も可能である。
【0093】実施例7−1 この実施例では、本発明をマークポジション記録方式に
適用して2種類のデータ信号を記録する。実施例1で用
いた原盤記録装置を用いて露光パターンを形成する際
に、データ信号1を(2−7)変調してピット変調デー
タを生成した。さらにデータ信号2をピット変調データ
に同期させつつ4値化変調して各ピットをトラックと直
交する方向へ偏位させる偏位データを作成した。AO変
調器12にピット変調データを、AO偏向器13のドラ
イバに偏位データをそれぞれ入力して、原盤上に露光パ
ターンを形成した。こうして得られた原盤上の露光パタ
ーンを現像し、スタンパを作製してそれより光ディスク
を得た。図46(a) に2−7変調前後のデータ信号1、
4値化変調前後のデータ信号2及びそれらの信号により
形成されたトラック上のピットパターンを示す。なお、
4値化変調には、実施例3−4で用いたような変調方法
(図30)を用いた。
【0094】上記のようにして記録された光ディスクを
図5に示した再生系を用いて再生した。2分割検出器か
ら得られた和信号出力(D1 +D2 )及び差信号出力
(D1−D2 )をそれぞれ図46(b) 及び(d) に示す。
マークポジション記録された(2−7)変調データは、
(D1 +D2 )信号の微分信号を用いて微分検出した
(図46(c) )。その後、(2−7)デコーダを用いて
データ信号1に復調した。一方、偏位データの方は(D
1 −D2 )信号を用いて、実施例3−1と同じ方法によ
り4値データを検出し、その後、データ信号2に復調し
た。
【0095】本発明を通常のマークポジション記録方式
の記録媒体に適用することにより、マークポジション記
録データ(データ信号1)と独立に多値記録データ(デ
ータ信号2)を重畳できるので通常のマークポジション
記録と比べて記録密度を著しく向上することができる。
この場合、例えば、データ信号1を記録信号として、デ
ータ信号2をアドレス信号として使用することができ
る。また、データ信号1を音声信号として、データ信号
2を画像信号として使用することも考えられる。なお、
マークポジション記録コードとしては、2−7変調に限
らず、1−7変調等その他のRLL(Run Length Limit
ed code )も適用可能である。その他、ブロック符号に
も適用可能である。特に、ブロック当たりのピット数が
一定のコードを用いれば、多値変調データの密度が一定
になるので検出が容易になる。
【0096】実施例7−2 この実施例では、本発明の記録方法をマークエッジ記録
方式に応用する。実施例7−1と同様の方法で、データ
信号1をピット変調データとし、データ信号2をピット
偏位データとして記録して光ディスクを製造した。ただ
し、データ信号1は、2−7変調した後、NRZI変換
してAO変調器12にピット変調データとして入力し
た。図47(a) に、データ信号1、2−7変調後のデー
タ信号1及びさらにNRZI変換されたデータ信号1並
びに4値化変調前後のデータ信号2を示す。図47(a)
下方に形成されたピット列も示す。この光ディスクを、
図5の信号再生系を用いて再生した。2分割検出器で検
出された和信号出力(D1 +D2 )信号及び差信号出力
(D1 −D2 )を図47(b) 及び(c) にそれぞれ示す。
マークポジション記録された(2−7)変調データは、
和信号出力(D1 +D2 )をスライス化することによっ
て検出した。その際、実施例6−1で用いた追従スライ
ス回路(図44)を用いて、和信号出力(D1 +D2
をピークホールドした後ゲイン及びオフセットを調整
し、2値化スライスレベルS0を各波形の振幅の中心に
追従させるように設定することによって振幅変動による
エッジシフトを抑制した。次いで、ピットのエッジに付
与されたデータを(2−7)デコーダを用いてデータ信
号1に復調した。一方、偏位データの方は、差信号出力
(D1 −D2 )を用いて、実施例3−1と同じ方法によ
り、スライスレベルS1〜3を設定して4値データを得
た後、データ信号2に復調した。
【0097】実施例8 この実施例では、実施例1で製造した光ディスクを、実
施例1で用いた2分割検出器64と異なる検出器を用い
て4値信号を再生する。この実施例で用いた検出系及び
3分割検出器(ボール型光検出器70)を図48に示
す。3分割検出器の中央の受光素子(検出部)186は
ディスク反射光のうち0次回折光のみを受光し、外側の
受光素子187及び188は1次回折光のみを受光し0
次回折光をできるだけ受光しないように配置されてい
る。各受光素子からの出力信号D0 、D1 、D2 を実施
例1で得られたピットパターン(図7(a) (図49(a)
))と対応させて図49中の(b) 〜(d) に示す。これ
らの信号に対して2値化スライスレベルS0〜S2を設
定して各スライスレベルにより2値化信号B0 〜B2
得た。次いで、図49(e) に示すように、B1 を下位ビ
ットとし、B1 とB2 のmod2加算したものを上位ビ
ットとして4値信号を生成した。
【0098】一方、各受光素子からの出力信号を加算し
たD0 +D1 +D2 は、図5の2分割検出器からの和信
号出力(D1 +D2 )とほぼ同一の信号が得られる。ま
た、この実施例で用いた検出器からの差信号出力(D1
−D2 )は、図5中の2分割検出器64からの差信号出
力(D1 −D2 )に比べて、0次回折光成分が少ないの
で、高S/Nを得ることができ、それによって一層高精
度な多値記録信号検出系を構築することができる。な
お、この3分割検出器は本実施例に限定されず、前述の
ピットまたは記録マークの偏位量により多値記録するす
べての方法に利用することができる。
【0099】実施例9−1 本実施例では、多値の信号レベルを正確に判定するた
め、多値信号を識別するスライスレベルを設定するため
のテスト信号を記録した光ディスクを製造する。本発明
では検出信号にスライスレベルを設定することによって
多値信号を識別しているが、光ディスク等の媒体間や媒
体内の信号レベルの振幅のバラツキがあると、多値信号
の識別エラーが生じる可能性がある。そこで、光ディス
ク等の媒体に予めスライスレベル設定用のテスト信号を
記録することとした。このために、ユーザがアクセスし
て信号の記録、再生、消去等を行うユーザ領域以外の領
域に、最適な記録条件を検出するためのテスト領域を別
途設けた。
【0100】図50に、CAV(角速度一定)方式の光
ディスクにテスト領域を設けた例を示す。ユーザ領域2
11を介してディスクの最内周部及び最外周部に、テス
ト領域212を設けた。なお、テスト領域212は、デ
ィスクの最内周部又は最外周部のいずれか一方にのみ設
けることもできる。また、図51に、ZCAV(Zoned
−CAV)方式の光ディスクにテスト領域を設けた例を
示す。ゾーン境界部の近傍にテスト領域212が設けら
れている。なお、ZCAV方式の光ディスクにおいて
も、CAV方式の光ディスクと同様に、ディスクの最内
周部及び最外周部にテスト領域212を設けることもで
きる。
【0101】光ディスクのテスト領域には図52に示す
ようなテストピットパターンを形成した。この光ディス
クに記録される多値データは、このテストピットのいず
れかに対応することになる。信号長は、必要に応じて任
意に設定できるが、多値の信号レベルを正確に判定する
ため、再生用レーザビームのスポット径44よりも長く
することが特に好ましい。再生用レーザビームのスポッ
ト径よりも長くすることによって、各信号のスライスレ
ベルを設定するためのテスト信号の各レベルにおいて、
前後の信号レベルを光学的な干渉によるレベルシフトを
生じない領域とすることができる。
【0102】テストパターンの多値記録信号の再生に当
っては、図5中に示した2分割検出器64を用いて差信
号出力を検出した。得られた差信号出力(テスト信号)
を図52の中段に示す。図53に示す回路を用いて、テ
スト信号の再生時に多値信号レベルの1〜nのレベルを
各々サンプルホールドし、信号レベルkとk+1のサン
プルホールドレベルVk とVk+1 から信号レベルkとk
+1を弁別するためのスライスレベル( Vk +Vk+1)/
2を生成した。発生させたサンプルホールドパルスを図
52下段に示す。
【0103】なお、前記テスト信号は、例えば、図54
に示したように、前記データ記録単位の先頭部分に記録
することもできるし、データ記録単位中に一定間隔ごと
に設けることもできる。また、前記データ記録単位は、
セクタ構造を有する媒体の場合にはセクタ全体でも良い
し、クロックの同期を取るための信号に挾まれた領域で
も良い。さらには、データの変復調のブロックであって
も良いし、任意のバイト数ごとに挿入しても良い。さら
に、各トラックの先頭部であっても良い。
【0104】上記テスト信号から発生したスライスレベ
ルは光ディスクドライブ等の再生装置に出力されて、デ
ータピットまたは記録マークからの検出光を再生するた
めのスライスレベルの基準となる。
【0105】実施例9−2 本実施例では、マークエッジ記録方式を用いた光記録媒
体のピット(記録マーク)のエッジを検出するタイミン
グを正確に判定するためのテスト信号を光ディスクに予
め記録する。実施例9−1と同様に、ユーザがアクセス
して信号の記録、再生、消去等を行うユーザ領域以外の
領域に、最適な記録条件を検出するためのテスト領域を
設けた。媒体のフォーマットとしては、実施例9−1と
同様に図50及び図51に示すフォーマットを有するも
のが用いられる。
【0106】図55の上段に示すように、記録される複
数のレベルの多値信号に対して各レベルの信号を表すピ
ットが少なくとも1つ存在するようにテストピットパタ
ーンをテスト領域に形成した。ピット(信号)長は、必
要に応じて任意に設定できるが、各多値信号レベルの長
さの光学的な位相シフトを防止するため、再生用レーザ
ビームのスポット径の1/2よりも長くすることが特に
好ましい。図5に示した再生系で多値記録信号が再生さ
れる際、最初に、テスト領域のテストピットパターンが
再生される。テスト信号は差信号出力から再生する。こ
の際、各多値信号レベルを示すピットについて、図55
に示すように、ピット前縁及び後縁を独立に検出し、そ
れらの検出信号からデータピットのエッジ検出信号の基
準タイミング(タイミング検出信号)を生成する。そし
て、データ信号再生時には、データ信号の各多値信号レ
ベルの前縁及び後縁を独立に検出し、図56に示すよう
な回路を用いて、テスト信号から得られた基準タイミン
グに基づいて各エッジからの検出信号を合成する(論理
和を求める)。
【0107】テスト領域に記録されたテスト信号からエ
ッジ検出用基準タイミングを発生させ、そのタイミング
に基づいてピットエッジに付与されたデータ信号を再生
する原理を、図57(参考図)を用いて一層わかり易く
説明する。図57は、マークエッジ方式で記録された2
値信号を、テスト領域に記録された3Tの長さのピット
を用いて正確に検出する例を示す。通常の2値化信号の
検出では2値化スライスのためのレベルが再生信号の中
心からずれた場合、同図(a) のようにピット長もギャッ
プ長も所定の値ずれるため、ウインドマージンが狭くな
る。一方、同図(b) 及び(c) は、それぞれテスト信号の
各エッジを基準にして立ち上がりエッジ(ピット前縁に
相当)と立ち下がりエッジ(ピット後縁)を独立に検出
した波形である。このように前及び後エッジを独立に検
出すると、あるピット(マーク)と次のピット(マー
ク)の前エッジ間の間隔または後エッジ間の間隔自体は
維持されるため、ウインドマージンが広くなる。しか
も、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジのタイミング
の間隔はテスト信号のピット長(3T)を示すため、そ
れらのずれを補正して、前エッジ及び後エッジからの2
値化データの論理和を取ることによって同図(f) に示し
たように元の信号を容易に復元できる。図57中、(d)
は(b) の2値化符号を示し、(e) は(c) の2値化符号を
示す。なお、ここでは説明を簡単にするために、マーク
エッジ方式で記録された2値信号(トラック中心からの
偏位なし)で説明したが、かかる原理の下で、図55に
示した多値信号が再生される。
【0108】この実施例においても、前記テスト信号
は、図58に示すように、前記データ記録単位の先頭部
分に記録することもできるし、データ記録単位中に一定
間隔ごとに設けることもできる。また、前記データ記録
単位は、セクタ構造を有する媒体の場合にはセクタ全体
でも良いし、クロックの同期をとるための信号に挾まれ
た領域でも良い。さらには、データの変復調のブロック
であっても良いし、任意のバイト数ごとに挿入しても良
い。
【0109】実施例9−3 本実施例では、実施例9−1及び実施例9−2のテスト
信号を備えた、マークエッジ方式を用いて多値記録され
た光ディスクを製造する。媒体のフォーマットとして
は、図50又は図51に示すフォーマットを有するもの
が用いられる。スライスレベル設定用及び基準タイミン
グ発生用の各テスト信号のデータパターン並びに多値記
録信号の再生方法については、実施例9−1及び実施例
9−2と同様である(図52及び図55参照)。この光
ディスクを図5に示した再生系で多値記録信号を再生す
る際、テスト領域に予め記録されたスライスレベル設定
用テスト信号並びに基準タイミング発生用テスト信号を
再生することによって、スライスレベルを設定し且つエ
ッジ検出用の基準タイミングを発生した。それらのスラ
イスレベル及び基準タイミングに基づいてマークエッジ
方式で光ディスクの多値信号を再生した。
【0110】なお、この実施例においても、前記テスト
信号は、図59に示すように、前記データ記録単位の先
頭部分に記録することもできるし、データ記録単位中に
一定間隔ごとに設けることもできる。また、前記データ
記録単位は、セクタ構造を有する媒体の場合にはセクタ
全体でも良いし、クロックの同期をとるための信号に挾
まれた領域でも良い。さらには、データの変復調のブロ
ックであっても良いし、任意のバイト数ごとに挿入して
も良い。
【0111】実施例10 この実施例では、本発明の多値記録方法を他の多値記録
方法と組み合わせた例を示す。偏位ピットとして、実施
例3−1に示したような、トラック中心から内周側及び
外周側に、それぞれ異なる大きさで偏位したデータピッ
ト群を形成し、それらにトラックアドレス、セクタアド
レス等のID信号を多値信号で記録した。実施例3−1
と同じ方法で、原盤を作製し、得られた原盤からNiス
タンパを作製し、それよりディスクを複製した。得られ
たディスクを基板として、記録膜を積層して光磁気ディ
スクを作製した。記録膜として本出願人らが特願平6−
96690号に示したような2種類の記録膜から構成さ
れた多値記録膜を形成した。こうして得られた光磁気デ
ィスクの構造を図60に示す。また、図61(a) にこの
媒体中の第1記録膜及び第2記録膜のとり得る4種の記
録状態を希土類元素と遷移元素の副格子磁気モーメント
の配向状態として示した。図61(b) には、印加外部磁
界に対する上記4種の記録状態に対応する信号出力を示
す。この記録媒体を用いて、外部磁界を調整することに
より4種の記録信号を記録することができる。
【0112】この光磁気ディスクを図35に示した再生
系を用いて再生した。ID信号であるプリピットの偏位
は(D1 −D2 )+(D3 −D4 )出力、多値記録磁気
信号は(D1 +D2 )−(D3 +D4 )を用いて再生し
た。図62中、(a) はIDピット及び多値記録磁区のパ
ターン例を示し、(b) 〜(d) は2分割検出器からの出力
波形を示す。(D1 −D2 )+(D3 −D4 )出力によ
るピット信号の偏位信号と(D1 +D2 )−(D3 +D
4 )出力による多値記録磁区信号の二つをゲインを合わ
せて合成し、共通のスライスレベルS1、S2、S3に
より2値化して4値を検出した。このように、ID信号
とデータ信号を同一の復号器で2値化できるので再生系
が簡略化できる。
【0113】前記実施例において、AO偏向器またはE
O偏向器を用いて光ビームを偏向して記録マークやピッ
ト形成スポットを偏位させたが、図63に示すようなマ
ルチビームレーザを持つ光ヘッドを用い、各レーザを交
互に変調することによって光ビームを所定のオフセット
量で偏位することもできる。また、図39に示したよう
に(実施例5−2)複数のレーザを有する光ヘッドを持
つ記録再生装置を用いても良い。
【0114】前記の各実施例において2分割式(または
3分割式)の検出器を用いてD1 及びD2 信号を特定の
演算処理で多値化してきたが、特にそれらの処理方法に
限定されず、和信号または差信号を単独で処理してよ
く、また、和信号とD1 またはD2 を演算処理したり和
信号と差信号を演算処理することもできる。また、多値
化に必要な複数信号レベルを得るためにスライスレベル
も任意に設定できる。
【0115】ここまで、主にプリピットによるROMの
場合について説明したが、例えば、図5の再生装置の記
録レンズの手前に光偏向器を配置し、実施例1で述べた
ようにして記録ビームスポットを偏向すれば、偏位量を
差信号で検出する多値記録型の追記または書替媒体とな
る記録・再生システムを構成することができる。更に、
多層膜を用いた多値記録媒体においてその管理情報と番
地情報等のIDとを本発明を用いて記録すると、追記部
と線記録密度の等しい媒体・システムを構築できる。
【0116】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は、一つのデータピ
ットや記録マークに3値以上の多値情報を記録すること
ができるため、高密度記録を達成することができる。本
発明の光記録媒体の記録・再生方法は、データピットや
記録マークをトラックと直交する方向に偏位して記録す
ることにより、偏位量に応じた多値記録を可能とする。
本発明の記録・再生方法を、従来のマークエッジ記録方
式やマークポジション記録方式と組み合わせることによ
り一層記録密度を向上することができ、2種類のデータ
を同時に記録することもできる。さらに、パーシャルレ
スポンス方式やトレリス符号化変調方式を用いて記録信
号を変調して記録し、ビタビ復号方式により復号するこ
とによりエラーの少ない信号再生が可能となる。また、
予めスライスレベル設定用のテスト信号や検出基準タイ
ミング発生用のテスト信号をデータ記録単位の先頭部分
等に記録させておくことにより、良好なS/Nを維持す
ることができる。本発明の光記録媒体用の記録装置及び
記録再生装置は、多値記録用の光記録媒体を効率良くか
つ正確に記録及び再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の記録を行うための原盤記
録装置の概略構成図である。
【図2】図1の原盤記録装置に用いられる音響光学(A
0)偏向器の構成及び光ビームの偏向方向を示す図であ
る。
【図3】図1の原盤記録装置に用いられる電気光学(E
O)偏向器の構成及び光ビームの偏向方向を示す図であ
る。
【図4】AO偏向器及びEO偏向器におけるそれぞれ周
波数−偏位置(図4(a) )及び印加電圧−偏位値(図4
(b) )との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の光記録媒体の再生方法に用いる再生装
置(図5(a) )及び2分割検出器(図5(b) )の構成を
示す概略図である。
【図6】実施例1−1で製造された光ディスクのトラッ
ク表面上での再生光スポットと偏位したプリピットとの
配置並びに偏位量に対する和信号及び差信号の変化を示
す図である。
【図7】実施例1−1で得られた光ディスクのピットパ
ターン及び2分割検出器からの和信号及び差信号出力並
びにそれらの演算処理方法を示す図である。
【図8】実施例1−1で得られた光ディスクのピットパ
ターン及び2分割検出器からの和信号及びD1 ,D2
独信号並びにそれらの演算処理方法を示す図である。
【図9】実施例1−1で原盤にデータ信号を記録すると
きのフォーマッタ内の信号処理とデータ信号の流れを示
すブロック図である。
【図10】記録信号をPR(1,1)方式により変調す
るための符号器(図10(a) )及び符号器による変調操
作(図10(b) )を説明する図である。
【図11】実施例1−2で得られた光ディスクに入力さ
れた信号の変調操作、光ディスク上のピットパターン、
2分割検出器からの和信号及び差信号出力並びにそれら
の演算処理方法を示す図である。
【図12】実施例1−2で得られた光ディスクを再生す
るための再生装置における再生操作を示すブロック図で
ある。
【図13】実施例2−1で製造された光ディスクのトラ
ック表面上での再生光スポットと偏位したプリピットと
の配置並びに偏位量に対する和信号及び差信号の変化を
示す図である。
【図14】実施例2−1で得られた光ディスクのピット
パターン、2分割検出器からの和信号出力並びにそれら
の演算処理方法を示す図である。
【図15】実施例2−2で得られた光ディスクのピット
パターン、2分割検出器からの差信号出力並びにそれら
の演算処理方法を示す図である。
【図16】実施例3−1で製造された光ディスクのトラ
ック表面上での再生光スポットと偏位したプリピットの
配置並びに偏位量に対する和信号及び差信号の変化を示
す図である。
【図17】実施例3−1で製造された光ディスクのピッ
トパターン、2分割検出器からの和信号及び差信号並び
にそれらの演算処理方法を示す図である。
【図18】実施例3−1においてデータ記録の際に用い
た4値信号の遷移規則を示す図である。
【図19】図18の遷移規則を実行するための符号化器
の回路を示す図である。
【図20】実施例3−2においてトラック表面上での再
生光スポットと偏位したプリピットの配置及び偏位量に
対する和信号及び差信号の変化を示す図である。
【図21】実施例3−2で製造された光ディスクのピッ
トパターン、2分割検出器からの和信号及び差信号並び
にそれらの演算処理方法を示す図である。
【図22】実施例3−3で製造された光ディスクのトラ
ック表面上での再生光スポットと偏位したプリピットの
配置並びに偏位量に対する和信号及び差信号の変化を示
す図である。
【図23】記録信号をPR(1,2,1)方式により変
調するための符号器(図23(a))及び符号器による変
調操作(図23(b) )を説明する図である。
【図24】実施例3−3で製造された光ディスクのピッ
トパターン、2分割検出器からの和信号及び差信号出力
並びにそれらの演算処理方法を示す図である。
【図25】実施例3−3で製造された光ディスクの再生
装置における多値情報の再生操作を説明するブロック図
である。
【図26】実施例3−4で製造された光ディスクのトラ
ック表面上での再生光スポットと偏位したプリピットの
配置並びに偏位量に対する和信号及び差信号出力の変化
を示す図である。
【図27】実施例3−4で製造された光ディスクのピッ
トパターン、2分割検出器からの和信号及び差信号出力
並びにそれらの演算処理方法を示す図である。
【図28】実施例3−4の変形例においてデータ記録の
際に用いた8値信号の遷移規則を示す図である。
【図29】図28の遷移規則を実行するための符号化器
の回路を示す図である。
【図30】実施例3−4の変形例において、2値データ
を4値化するための変調操作を示す図である。
【図31】実施例3−5で製造された光ディスクのピッ
トパターン、2分割検出器からの和信号及び差信号出力
並びにそれらの演算処理方法を示す図である。
【図32】実施例4において、データ記録のための変調
及び偏向信号、製造された光ディスクのピットパター
ン、2分割検出器からの和信号及び差信号出力並びにそ
れらの演算処理方法を示す図である。
【図33】実施例5−1で製造した光磁気ディスクの断
面構造を示す図である。
【図34】実施例5−1で製造した光磁気ディスクに多
値情報を記録するための記録装置の構成を示す概略図で
ある。
【図35】実施例5−1で製造した光磁気ディスクを再
生するための再生装置の構成を示す概略図である。
【図36】実施例5−1で製造した光磁気ディスクに記
録されたピット及び記録磁区パターン並びに、プリピッ
トエリア及び記録磁区エリアから2分割検出器により検
出された信号波形を示す図である。
【図37】実施例5−1において、LDの記録パルス、
製造した光磁気ディスクにおけるプリピット及び記録磁
区のパターン、2分割検出器により検出された信号波形
並びに検出信号から4値信号を再生するための演算方法
を示す図である。
【図38】実施例5−2で製造した2種類の相変化型光
ディスクの断面構造を示す図である。
【図39】実施例5−2で製造した相変化型光ディスク
を記録するための、独立に変調可能な3ヘッド型レーザ
光源を有する記録装置の構成を示す図である。
【図40】実施例5−2におけるLD発光信号、得られ
た光ディスク上のピットパターン、2分割検出器からの
和信号及び差信号出力並びにそれらの演算処理方法を示
す図である。
【図41】実施例5−2の変形例におけるLD発光信
号、得られた光ディスク上のピットパターン、2分割検
出器からの和信号及び差信号出力並びにそれらの演算処
理方法を示す図である。
【図42】実施例5−2の相変化型光ディスクの記録マ
ークからの反射の前後における光の位相の変化を説明す
る図である。
【図43】実施例6−1で製造された光ディスク上のピ
ットパターン並びに光ディスクからの和信号及び差信号
出力を示す図である。
【図44】実施例6−1において時間位相多値信号を再
生する際に用いた追従スライス信号を発生するための回
路である。
【図45】実施例6−2で製造された光ディスク上のピ
ットパターン及び2分割検出器からの和信号及び差信号
出力を示す図である。
【図46】実施例7−1における変調前後のデータ信
号、光ディスク上のピットパターン、2分割検出器から
の和信号及びその微分信号、並びに差信号出力を示す図
である。
【図47】実施例7−2における変調前後のデータ信
号、光ディスク上のピットパターン、並びに2分割検出
器からの和信号及び差信号出力を示す図である。
【図48】実施例8で用いた検出系及び3分割検出器の
構成の概略を示す図である。
【図49】実施例8において実施例1で得られた光ディ
スクのピットパターン、3分割検出器の各検出部からの
検出信号、並びそれらの信号を演算処理する方法を示す
図である。
【図50】CAV方式の光ディスクに設けられるテスト
領域を示す図である。
【図51】ZCAV方式の光ディスクに設けられるテス
ト領域を示す図である。
【図52】実施例9−1において記録されたスライスレ
ベル設定用のテストピットパターン、そこから得られた
テスト信号及びサンプルホールドパルスを示す図であ
る。
【図53】図53のテスト信号から、多値情報を再生す
るのに必要なスライスレベルを設定するための回路を示
す図である。
【図54】実施例9−1においてテスト信号が記録され
たテスト領域の配置の一例を示す図である。
【図55】実施例9−2において記録された基準タイミ
ング信号発生用のテストピットパターン、そこから得ら
れたテスト信号及びタイミング検出信号を示す図であ
る。
【図56】図55のテストピットから発生した基準タイ
ミングに基づいて記録信号を再生するための回路を示す
図である。
【図57】実施例9−2における基準タイミング信号発
生用のテストピットパターンを用いた再生方法の原理
を、2値テスト信号及び2値記録信号を例にして説明し
た図である。
【図58】実施例9−2におけるテスト信号が記録され
たテスト領域の配置の一例を示す図である。
【図59】実施例9−3におけるテスト信号が記録され
たテスト領域の配置の一例を示す図である。
【図60】実施例10において製造された光磁気ディス
クの構造を示す図である。
【図61】実施例10において製造された光磁気ディス
クの第1記録膜及び第2記録膜のとり得る4種の記録状
態(図61(a) )及び印加外部磁界に対する上記4種の
記録状態に対応する信号出力(図61(b) )を示す図で
ある。
【図62】実施例10において製造された光磁気ディス
クのトラック上のピット及び記録磁区パターン、2分割
検出器からの出力波形を示す図である。
【図63】マルチビームレーザを備えた光ヘッドを用い
た記録再生装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
11 レーザ光源 12 AO変調器 13 AO偏向器 14 EO変調器 15 EO偏向器 16 ミラー 17 偏向ビームスプリッター 18 原盤 21 AO素子結晶 22 切替回路 23 AO偏向器ドライバ 24 シンセサイザ 25 フォーマッタ 26 超音波トランスデューサ 27 AO変調器ドライバ 31 EO素子 32 EOドライバ 41 サーボピット 42 埋め込みクロックピット 43 データピット 44 再生光スポット 60 再生装置 61 レーザダイオード 62 偏光プリズム 63 絞り込みレンズ 64 光信号検出器 65 2分割検出器(透過側) 66 1/2波長版 67 偏向プリズム 68 2分割検出器(反射側) 69 波長分離フィルタ 70 3分割検出器(ボール型検出器) 111 マルチビームレーザダイオード 164 ディスク 201 ユーザ領域 202 テスト領域 331 透明基板 333 第1エンハンス膜 334 垂直磁化膜(光磁気記録膜) 335 第2エンハンス膜 336 反射膜 337 保護膜 340 第1透明誘電体膜 341 相変化記録膜 342 第2透明誘電体膜 343 反射膜 344 保護膜 345 金属干渉膜 400 補償ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 11/10 586 9296−5D G11B 11/10 586C (72)発明者 田村 礼仁 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 渡辺 均 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 今井 奨 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラック上にデータマークが記録される
    または記録された光記録媒体であって、 該データマークがトラック中心からトラックと直交する
    方向に種々の偏位量で偏位して記録され、該データマー
    クのトラック中心からの偏位量に基づいて多値情報が再
    生される上記光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記データマークが、トラック中心から
    トラックの内周側に偏位したマーク、トラックの外周側
    に偏位したマーク及びトラック中心に位置するマークか
    ら構成されることを特徴とする請求項1に記載の光記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 上記データマークが、トラック中心から
    内周側及び外周側にそれぞれ2種以上の偏位量を有する
    データマークから構成されることを特徴とする請求項1
    または2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記データマークが、トラック中心から
    トラックピッチの1/4の幅内に形成されていることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 上記データマークを有するトラックが光
    スポットで走査されて、トラックの中心線の内側及び外
    側領域からの反射光がそれぞれ検出され、それらの検出
    信号の和信号及び差信号の少なくとも一方から多値化さ
    れた情報が再生されることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記データマークが、トラック中心から
    の偏位量に基づいて3値以上の多値情報を提供すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項の光記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 上記トラックと直交する方向におけるデ
    ータマーク位置に多値情報が記録され且つマークエッジ
    記録方式によりトラック方向におけるデータマークのエ
    ッジ位置にも情報が記録されていることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記トラックと直交する方向におけるデ
    ータマーク位置に多値情報が記録され且つマークポジシ
    ョン方式によりトラック方向におけるデータマークの中
    心位置にも情報が記録されていることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記トラックと直交する方向におけるデ
    ータマーク位置に多値情報が記録され且つ時間位相多値
    記録方式によりトラック方向におけるデータマークのエ
    ッジ位置にも多値情報が記録されていることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記データマークに記録される多値情
    報が、パーシャルレスポンス方式により記録されている
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    光記録媒体。
  11. 【請求項11】 上記データマークに記録される多値情
    報が、PR(1,1)、PR(1,−1)、PR(1,
    0,−1)から選択されるいずれかのパーシャルレスポ
    ンス方式を用いて記録される3値情報であることを特徴
    とする請求項10に記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 上記データマークに記録される多値情
    報が、PR(1,2,1)、PR(1,1,−1,−
    1)、PR(1,2,0,−2,−1)、PR(1,
    3,3,1)から選択されるいずれかのパーシャルレス
    ポンス方式を用いて記録される5値情報であることを特
    徴とする請求項10に記載の光記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記データマークに記録される多値情
    報が、トレリス符号化変調方式の遷移を用いて記録され
    る4値以上の多値情報であることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  14. 【請求項14】 光記録媒体のデータ記録領域が複数の
    データ記録単位に分割され、各データ記録単位の先頭部
    分に、当該データ記録単位に記録される多値記録信号に
    含まれる各信号のスライスレベルを設定するためのテス
    ト信号が、前記多値記録信号に含まれる各信号レベルに
    ついて少なくとも1つずつ記録されていることを特徴と
    する請求項1〜13のいずれか一項に記載の光記録媒
    体。
  15. 【請求項15】 光記録媒体のデータ記録領域が複数の
    データ記録単位に分割され、各データ記録単位の先頭部
    分に、当該データ記録単位に記録される多値記録信号の
    前後エッジ位置を検出するための基準タイミング信号を
    発生するテスト信号が、多値記録信号に含まれる各信号
    レベルの前後エッジについてそれぞれ少なくとも1つず
    つ記録されていることを特徴とする請求項1〜7及び9
    〜13のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  16. 【請求項16】 上記光記録媒体がセクタ構造を有し、
    上記データ記録単位がセクタであることを特徴とする請
    求項14または15に記載の光記録媒体。
  17. 【請求項17】 上記光記録媒体がトラックと直交する
    方向にトラック中心から偏位したサーボピットとクロッ
    クピットによりトラッキングを行うサンプルサーボ方式
    の光記録媒体であって、サーボピットと後続のサーボピ
    ットの間に設けられたデータ記録領域にサーボピットの
    偏位量以下の大きさでトラック中心から偏位したデータ
    マークを有することを特徴とする請求項1〜16のいず
    れか一項に記載の光記録媒体。
  18. 【請求項18】 上記光記録媒体が光ディスクであり、
    上記データマークがデータピットであることを特徴とす
    る請求項1〜17のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  19. 【請求項19】 上記光記録媒体が、基板と基板上に形
    成された垂直磁気記録膜とを含み且つ該記録膜のデータ
    記録領域に外部磁界を印加しつつ光照射することにより
    情報が記録される光磁気記録媒体であり、上記データマ
    ークが記録磁区であることを特徴とする請求項1〜17
    のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  20. 【請求項20】 上記光記録媒体が、基板と基板上に形
    成された相変化型記録膜を含む相変化型記録媒体であ
    り、上記データマークが記録マークであることを特徴と
    する請求項1〜17のいずれか一項に記載の光記録媒
    体。
  21. 【請求項21】 上記相変化型記録膜が、GeSbTe
    系、InSbTe系、GeTe系、AgInSbTe
    系、及びSnSbSe系からなる群から選ばれる一種か
    ら構成されていることを特徴とする請求項20に記載の
    光記録媒体。
  22. 【請求項22】 トラック上に、多値データ信号に応じ
    てトラック中心からトラックと直交する方向に種々の偏
    位量で偏位されたデータマークを有する光記録媒体を再
    生する方法であって、 トラックの中心線上をレーザ光スポットで走査し、 トラックの中心線の内側及び外側領域からの反射光をそ
    れぞれ検出し、それらの検出信号の和信号及び差信号の
    少なくとも一方から多値化された情報を得ることを含む
    光記録媒体の再生方法。
  23. 【請求項23】 光記録媒体に多値情報を記録・再生す
    る方法であって、光ビームを、多値データ信号に応じた
    偏位量でトラック中心からトラックと直交する方向に偏
    位させて照射することにより、トラックと直交する方向
    に多値情報を記録し、 トラックの中心線上をレーザ光スポットで走査し、 トラックの中心線の内側及び外側領域からの反射光をそ
    れぞれ検出し、それらの検出信号の和信号及び差信号の
    少なくとも一方から多値情報を再生することを含む上記
    光記録媒体の記録・再生方法。
  24. 【請求項24】 上記光記録媒体が光ディスクであり、
    多値データ信号に応じた偏位量で光ディスク製造用の原
    盤のトラック中心からトラックと直交する方向に光ビー
    ムを偏位させて該原盤を照射することにより、トラック
    と直交する方向に多値情報を記録することを特徴とする
    請求項23に記載の光記録媒体の記録・再生方法。
  25. 【請求項25】 上記光ビームを、多値データ信号に応
    じた偏位量でトラック中心からトラックと直交する方向
    に偏位させ且つ別のデータ信号に応じてトラック方向に
    変調して照射することによって、一のデータマークに2
    種類のデータ信号を記録することを特徴とする請求項2
    3または24に記載の光記録媒体の記録・再生方法。
  26. 【請求項26】 光偏向器及びマルチビーム型レーザの
    いずれかを用いてトラック中心からトラックと直交する
    方向の偏位した種々の位置に光ビームを照射することを
    特徴とする請求項23〜25のいずれか一項に記載の光
    記録媒体の記録再生・方法。
  27. 【請求項27】 上記検出信号の和信号及び差信号の少
    なくとも一方を2値化し、さらに論理演算することより
    多値化された情報を得ることを特徴とする請求項23〜
    26のいずれか一項に記載の光記録媒体の記録・再生方
    法。
  28. 【請求項28】 マークエッジ記録方式で光記録媒体を
    記録することを特徴とする請求項23〜27のいずれか
    一項に記載の光記録媒体の記録・再生方法。
  29. 【請求項29】 パーシャルレスポンス方式を用いて多
    値データ信号を記録することを特徴とする請求項23〜
    28のいずれか一項に記載の光記録媒体の記録・再生方
    法。
  30. 【請求項30】 PR(1,1)、PR(1,−1)及
    びPR(1,0,−1)から選択されるパーシャルレス
    ポンス方式により3値信号を記録することを特徴とする
    請求項29に記載の光記録媒体の記録・再生方法。
  31. 【請求項31】 PR(1,2,1)、PR(1,1,
    −1,−1)、PR(1,2,0,−2,−1)及びP
    R(1,3,3,1)から選択されるパーシャルレスポ
    ンス方式により5値信号を記録することを特徴とする請
    求項29に記載の光記録媒体の記録・再生方法。
  32. 【請求項32】 記録された多値記録信号を再生する際
    に、最ゆう復号法を用いることを特徴とする請求項23
    〜31のいずれか一項に記載の光記録媒体の記録・再生
    方法。
  33. 【請求項33】 光記録媒体のデータ記録領域を複数の
    データ記録単位に分割し、当該データ記録単位ごとに多
    値記録信号の記録再生を行うことを特徴とする請求項2
    3〜32のいずれか一項に記載の光記録媒体の記録・再
    生方法。
  34. 【請求項34】 上記データ記録単位の先頭部分あるい
    は一定間隔ごとに、前記多値記録信号に含まれる各多値
    信号のスライスレベルを設定するためのテスト信号を前
    記多値記録信号に含まれる各多値信号について少なくと
    も1つずつ記録しておき、 前記データ記録単位からの多値記録信号を再生する際
    に、当該データ記録単位の先頭部分から前記テスト信号
    を読み出して、前記多値記録信号に含まれる各信号に対
    応するスライスレベルの設定を行い、 これらの各スライスレベルにて当該データ記録単位から
    の読出し信号をスライスして、前記多値記録信号を再生
    することを特徴とする請求項33に記載の光記録媒体の
    記録・再生方法。
  35. 【請求項35】 上記データ記録単位の先頭部分あるい
    は一定間隔ごとに、前記多値記録信号の前後エッジを検
    出するための基準タイミング信号を発生するテスト信号
    を多値記録信号に含まれる各信号レベルの前後のエッジ
    について少なくとも1つずつ記録しておき、 前記データ記録単位からの多値記録信号を再生するに際
    しては、当該データ記録単位の先頭部分から前記テスト
    信号を読み出して、前記多値記録信号に含まれる各信号
    のエッジ検出の基準タイミングを発生させ、これらの各
    基準タイミングにて当該データ記録単位からの読出し信
    号に含まれる各信号の前及び後エッジを独立に検出した
    後、前記エッジ検出の基準タイミングを基準にして各エ
    ッジ検出信号を合成して前記多値記録信号を再生するこ
    とを特徴とする請求項33または34に記載の光記録媒
    体の記録・再生方法。
  36. 【請求項36】 多値データ信号に応じてトラック中心
    からトラックと直交する方向に種々の偏位量で偏位され
    たデータマークがトラック上に記録される光記録媒体用
    の記録装置であって、 光ビーム発生装置と、 光記録媒体及び光記録媒体形成用原盤の一方を回転する
    回転装置と、 光ビームをトラック中心からトラックと直交する方向に
    種々の偏位量で偏位させて照射するための光偏位手段
    と、 記録する多値データに応じて前記光偏位手段を制御し
    て、トラック中心からトラックと直交する方向に所定の
    偏位量で偏位されたデータマークを形成させる制御手段
    とを備える光記録媒体用の記録装置。
  37. 【請求項37】 光ビームをトラック方向に変調する変
    調器をさらに備え、 上記制御手段が、記録する多値データに応じて前記光偏
    位手段及び前記変調器を制御して、トラック中心からト
    ラックと直交する方向に所定の偏位量で偏位され且つト
    ラック方向に変調されたデータマークを形成させること
    を特徴とする請求項36に記載の光記録媒体の記録装
    置。
  38. 【請求項38】 上記光偏位手段が、光偏向器及びマル
    チビーム型レーザの一方であることを特徴とする請求項
    36または37に記載の光記録媒体の記録装置。
  39. 【請求項39】 上記光偏向器が、音響光学素子及び電
    気光学素子の一方を含むことを特徴とする請求項38の
    光記録媒体の記録装置。
  40. 【請求項40】 上記制御手段が、フォーマッタである
    ことを特徴とする請求項36〜39のいずれか一項に記
    載の光記録媒体の記録装置。
  41. 【請求項41】 多値データ信号に応じて、トラック上
    に、トラック中心からトラックと直交する方向に種々の
    偏位量で偏位されたデータマークが記録される光記録媒
    体のための記録・再生装置であって、 光ビーム発生装置と、 光記録媒体及び光記録媒体形成用原盤の一方を回転する
    回転装置と、 光ビームをトラック中心からトラックと直交する方向に
    種々の偏位量で偏位させて照射するための光偏位手段
    と、 記録する多値データに応じて前記光偏位手段を制御し
    て、トラック中心からトラックと直交する方向に所定の
    偏位量で偏位されたデータマークを形成させる制御手段
    と、 トラックの中心線の内側及び外側領域からの反射光をそ
    れぞれ独立に検出する光検出器と、 上記光検出器からの検出信号を論理演算することにより
    記録された多値情報を再生する演算手段とを備える光記
    録媒体の記録・再生装置。
  42. 【請求項42】 上記検出器が、2以上に分割された検
    出部を有し且つ各検出部がそれぞれトラック中心の内側
    及び外側領域からの反射光を検出する検出器であること
    を特徴とする請求項41に記載の光記録媒体の記録・再
    生装置。
  43. 【請求項43】 さらにビタビ復号器を備える請求項4
    1または42に記載の光記録媒体の記録・再生装置。
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