JPH08231808A - 導光板用メタクリル樹脂組成物 - Google Patents
導光板用メタクリル樹脂組成物Info
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- JPH08231808A JPH08231808A JP3723095A JP3723095A JPH08231808A JP H08231808 A JPH08231808 A JP H08231808A JP 3723095 A JP3723095 A JP 3723095A JP 3723095 A JP3723095 A JP 3723095A JP H08231808 A JPH08231808 A JP H08231808A
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- methacrylic resin
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 メタクリル樹脂に蛍光増白剤を0.1〜10
ppm含有する導光板用メタクリル樹脂組成物。 【効果】 適度に色調を改良して色ムラが少なく、光利
用効率の低下しない優れたサイドライト式面照明装置を
得ることが出来る。
ppm含有する導光板用メタクリル樹脂組成物。 【効果】 適度に色調を改良して色ムラが少なく、光利
用効率の低下しない優れたサイドライト式面照明装置を
得ることが出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明樹脂材料に関する
ものであり、特に液晶表示装置のバックライトに用いら
れる面照明装置用導光板の作成に好適な材料に関する。
ものであり、特に液晶表示装置のバックライトに用いら
れる面照明装置用導光板の作成に好適な材料に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は、透明性、耐候性、耐
擦傷性に優れた樹脂材料であり、特にその透明性から照
明用途に多く使用されている。しかしながら近年、メタ
クリル樹脂が導光板に使われるようになり、材料の透明
性に関する要求がこれまで以上に厳しくなってきた。こ
こで言う導光板とは、主に液晶表示装置のバックライト
として用いられているサイドライト式面照明装置を構成
する部品である。
擦傷性に優れた樹脂材料であり、特にその透明性から照
明用途に多く使用されている。しかしながら近年、メタ
クリル樹脂が導光板に使われるようになり、材料の透明
性に関する要求がこれまで以上に厳しくなってきた。こ
こで言う導光板とは、主に液晶表示装置のバックライト
として用いられているサイドライト式面照明装置を構成
する部品である。
【0003】サイドライト式面照明装置は特開昭57−
128383号公報等に開示されている技術であり、発
光面の側面に冷陰極管、熱陰極管、電球、あるいはLE
D等の光源を配置し、放射された光を導光板の側面から
取り入れ、導光板に設けられた光散乱手段によって光の
進行方向を変えて観察側に放出するものである。導光板
の光散乱強度を光源からの距離や発光面の位置に応じて
適切に設計することにより、均一な面照明装置とするこ
とが出来る。こうしたサイドライト式面照明装置は光源
が導光板の側面に配置されるため装置全体を薄型かつ軽
量にすることが出来、近年好んでノート型パソコンやワ
ープロの表示部品である液晶表示装置のバックライトと
して用いられている。これらの機器では電池で長時間動
作できることが要求されるため、バックライトとして用
いられるサイドライト式面照明装置も消費電力を抑える
ことが必要である。
128383号公報等に開示されている技術であり、発
光面の側面に冷陰極管、熱陰極管、電球、あるいはLE
D等の光源を配置し、放射された光を導光板の側面から
取り入れ、導光板に設けられた光散乱手段によって光の
進行方向を変えて観察側に放出するものである。導光板
の光散乱強度を光源からの距離や発光面の位置に応じて
適切に設計することにより、均一な面照明装置とするこ
とが出来る。こうしたサイドライト式面照明装置は光源
が導光板の側面に配置されるため装置全体を薄型かつ軽
量にすることが出来、近年好んでノート型パソコンやワ
ープロの表示部品である液晶表示装置のバックライトと
して用いられている。これらの機器では電池で長時間動
作できることが要求されるため、バックライトとして用
いられるサイドライト式面照明装置も消費電力を抑える
ことが必要である。
【0004】図1はサイドライト式面照明装置を液晶バ
ックライトとして用いた場合を模式的に示した断面図で
ある。液晶パネル1には画面上の所望の位置の光線透過
率を制御する機能があり、これによって文字や画像の情
報を形成するが、液晶パネル1自体は光を放出しないた
め、鮮明な映像を得るためにはバックライト2が必要に
なる。光源25には消費電力が比較的小さく、かつ十分
な明るさの得られる冷陰極蛍光管が用いられる事が多
い。
ックライトとして用いた場合を模式的に示した断面図で
ある。液晶パネル1には画面上の所望の位置の光線透過
率を制御する機能があり、これによって文字や画像の情
報を形成するが、液晶パネル1自体は光を放出しないた
め、鮮明な映像を得るためにはバックライト2が必要に
なる。光源25には消費電力が比較的小さく、かつ十分
な明るさの得られる冷陰極蛍光管が用いられる事が多
い。
【0005】導光板21には光散乱手段22が設けられ
る。この光散乱手段22は所望のパターンを形成した金
型により形成される場合や、白色インクでグラデーショ
ン状に被覆して形成する場合がある。導光板21は図1
に示したような平板型とする他、光源から遠ざかるほど
厚みが減少する楔形とする場合がある。図1中23は反
射フィルムであり、導光板21から漏れ出た光を観察側
に戻し、より光利用効率を高めるために用いられる。2
4は拡散フィルムと呼ばれる、すりガラスの様に曇った
フィルムである。光散乱手段22は網点状あるいは縞状
のパターンとなるため、拡散フィルム24を用いないと
こうしたパターンが液晶パネル1を通して透けて見え
る。拡散フィルム24を使用してパターンを滲ませるこ
とにより、均一に発光する面照明装置とすることが出来
る。26はランプハウスであり、光源25から発した光
を閉じ込めて導光板21内へ導くために用いられる。
る。この光散乱手段22は所望のパターンを形成した金
型により形成される場合や、白色インクでグラデーショ
ン状に被覆して形成する場合がある。導光板21は図1
に示したような平板型とする他、光源から遠ざかるほど
厚みが減少する楔形とする場合がある。図1中23は反
射フィルムであり、導光板21から漏れ出た光を観察側
に戻し、より光利用効率を高めるために用いられる。2
4は拡散フィルムと呼ばれる、すりガラスの様に曇った
フィルムである。光散乱手段22は網点状あるいは縞状
のパターンとなるため、拡散フィルム24を用いないと
こうしたパターンが液晶パネル1を通して透けて見え
る。拡散フィルム24を使用してパターンを滲ませるこ
とにより、均一に発光する面照明装置とすることが出来
る。26はランプハウスであり、光源25から発した光
を閉じ込めて導光板21内へ導くために用いられる。
【0006】このように、導光板は液晶パネルの背面に
配置され、遮蔽して使用されるため、外部から到達する
光は少ない。さて、導光板用の材料に一般的に要求され
る特性として、異物の少ないこと、着色のないこと、光
線透過率の良いこと、耐熱性の高いこと、更に導光板用
射出成形材料の場合は高流動性であること、低温成形性
であること、離型性の良いことが挙げられる。具体的な
材料としてはガラス、あるいはメタクリル樹脂、スチレ
ン樹脂、ポリカーボネート等の透明材料が挙げられる
が、実際の市場では光学特性に優れ、ガラスに比べて軽
量であるメタクリル樹脂を使用することが多い。
配置され、遮蔽して使用されるため、外部から到達する
光は少ない。さて、導光板用の材料に一般的に要求され
る特性として、異物の少ないこと、着色のないこと、光
線透過率の良いこと、耐熱性の高いこと、更に導光板用
射出成形材料の場合は高流動性であること、低温成形性
であること、離型性の良いことが挙げられる。具体的な
材料としてはガラス、あるいはメタクリル樹脂、スチレ
ン樹脂、ポリカーボネート等の透明材料が挙げられる
が、実際の市場では光学特性に優れ、ガラスに比べて軽
量であるメタクリル樹脂を使用することが多い。
【0007】特に近年は軽量化の目的で断面形状が楔形
の導光板を採用するものが増えており、射出成形で導光
板を製造することが活発になっている。メタクリル樹脂
は透明性に優れ軽量であるという、導光板として好適な
特性を持つが、フルカラー表示の液晶ディスプレイが普
及するに従い更に透明性に関しての要求が厳しくなって
きている。導光板は従来の照明装置と比較して材料中を
光が透過する距離が非常に長くなり、材料がほんのわず
かでも着色している場合には色ムラが生じてしまうから
である。すなわち、図1中aで示した光源付近から放出
される光は、材料中を光が透過する距離が比較的短いた
め材料の色の影響を受けにくく、光源に近い色で観察側
に放出されるが、図1中bで示した様に光源から遠い部
分から放出される光は材料中を透過する距離が長く、材
料自体の色の影響を強く受けるため、光源とはかなり異
なった色となる。結果的に同一の発光面内で光源付近と
光源から遠い部分とで面照明装置の発光色が異なる事と
なり色ムラになるわけである。
の導光板を採用するものが増えており、射出成形で導光
板を製造することが活発になっている。メタクリル樹脂
は透明性に優れ軽量であるという、導光板として好適な
特性を持つが、フルカラー表示の液晶ディスプレイが普
及するに従い更に透明性に関しての要求が厳しくなって
きている。導光板は従来の照明装置と比較して材料中を
光が透過する距離が非常に長くなり、材料がほんのわず
かでも着色している場合には色ムラが生じてしまうから
である。すなわち、図1中aで示した光源付近から放出
される光は、材料中を光が透過する距離が比較的短いた
め材料の色の影響を受けにくく、光源に近い色で観察側
に放出されるが、図1中bで示した様に光源から遠い部
分から放出される光は材料中を透過する距離が長く、材
料自体の色の影響を強く受けるため、光源とはかなり異
なった色となる。結果的に同一の発光面内で光源付近と
光源から遠い部分とで面照明装置の発光色が異なる事と
なり色ムラになるわけである。
【0008】例えば十分に純度を高めたメタクリル樹脂
により射出成形で製造した厚み3mmの板状成形品は透過
方向で黄色度(YI値)が0.7〜1程度であり、通常
の使用法では全く問題のない透明性を示すが、そのよう
な成形品でも光路長220mmを透過すると材料自体の微
妙な色が積算され、結果的にYI値が5程度まで増加す
ることもある。こうした黄色度の材料をサイドライト式
面照明装置の導光板に用いた場合には光源から離れるほ
ど黄色みが強くなる色ムラを引き起こしてしまい、フル
カラーの液晶表示装置においては色再現性が低下する原
因となる。フルカラーの液晶表示装置では、バックライ
トの色ムラはCIEのXYZ表色系においてxy座標と
も0.005以内が要求されると言われている。もちろ
んxy座標とも全く変化しないことが望ましい。
により射出成形で製造した厚み3mmの板状成形品は透過
方向で黄色度(YI値)が0.7〜1程度であり、通常
の使用法では全く問題のない透明性を示すが、そのよう
な成形品でも光路長220mmを透過すると材料自体の微
妙な色が積算され、結果的にYI値が5程度まで増加す
ることもある。こうした黄色度の材料をサイドライト式
面照明装置の導光板に用いた場合には光源から離れるほ
ど黄色みが強くなる色ムラを引き起こしてしまい、フル
カラーの液晶表示装置においては色再現性が低下する原
因となる。フルカラーの液晶表示装置では、バックライ
トの色ムラはCIEのXYZ表色系においてxy座標と
も0.005以内が要求されると言われている。もちろ
んxy座標とも全く変化しないことが望ましい。
【0009】このような色の問題が起こった場合、導光
板以外の用途に用いるメタクリル樹脂では、従来から調
色による色調の改良が行われている。例えば上述の微妙
な黄色みを改良する従来の技術として、ブルーイングと
呼ばれる方法がある。これは青色の色素を添加するもの
であるが、光線透過率が低くなる欠点があり、導光板に
用いた場合は光利用効率が低くなる。結果として面照明
装置の輝度がブルーイングしない場合と比較すると低下
することとなり、望ましくない。蛍光灯カバーなどに用
いる乳白色のメタクリル樹脂材料には酸化チタンなどの
白色顔料に加えて蛍光増白剤を添加して色調を改良する
ことがあるが、導光板にこうした乳白色の材料を用いる
と光源付近で過剰に光が散乱され、局部的に明るくなり
過ぎることが避けられない。導光板用の材料としては上
述のように透明であることが要求される。その他一般的
な用途では、透明なメタクリル樹脂に蛍光増白剤を添加
すると、入射した紫外線により発した蛍光が平板内に閉
じこめられ、照射する光源に含まれる紫外線の強度に依
存して青みが強くなってしまい、色調を改良するには不
向きであると考えられていた。なお、蛍光灯カバーに限
っては、例外的に透明樹脂に蛍光増白剤を添加する技術
が特公平6−3682号公報に開示されているが、これ
は蛍光灯の紫外線をカットする目的であり、本出願で問
題とする色調や光利用効率を改善するものではない。上
述したように、サイドライト式面照明装置及びメタクリ
ル樹脂材料の調色については各々多数の技術が開示され
ている。しかしながら、こうした従来の技術は色調を考
慮しないものであったり、あるいは、光利用効率を低下
させてサイドライト式面照明装置の輝度に影響を及ぼす
ものであった。
板以外の用途に用いるメタクリル樹脂では、従来から調
色による色調の改良が行われている。例えば上述の微妙
な黄色みを改良する従来の技術として、ブルーイングと
呼ばれる方法がある。これは青色の色素を添加するもの
であるが、光線透過率が低くなる欠点があり、導光板に
用いた場合は光利用効率が低くなる。結果として面照明
装置の輝度がブルーイングしない場合と比較すると低下
することとなり、望ましくない。蛍光灯カバーなどに用
いる乳白色のメタクリル樹脂材料には酸化チタンなどの
白色顔料に加えて蛍光増白剤を添加して色調を改良する
ことがあるが、導光板にこうした乳白色の材料を用いる
と光源付近で過剰に光が散乱され、局部的に明るくなり
過ぎることが避けられない。導光板用の材料としては上
述のように透明であることが要求される。その他一般的
な用途では、透明なメタクリル樹脂に蛍光増白剤を添加
すると、入射した紫外線により発した蛍光が平板内に閉
じこめられ、照射する光源に含まれる紫外線の強度に依
存して青みが強くなってしまい、色調を改良するには不
向きであると考えられていた。なお、蛍光灯カバーに限
っては、例外的に透明樹脂に蛍光増白剤を添加する技術
が特公平6−3682号公報に開示されているが、これ
は蛍光灯の紫外線をカットする目的であり、本出願で問
題とする色調や光利用効率を改善するものではない。上
述したように、サイドライト式面照明装置及びメタクリ
ル樹脂材料の調色については各々多数の技術が開示され
ている。しかしながら、こうした従来の技術は色調を考
慮しないものであったり、あるいは、光利用効率を低下
させてサイドライト式面照明装置の輝度に影響を及ぼす
ものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】メタクリル樹脂はそれ
自体他の材料に比べ透明性に優れるため、導光板用材料
として用いる場合は低異物、低着色、高光線透過率等の
特性を達成する目的で出来る限り添加物などを排除し、
純度を高める努力のなされているのが現状である。しか
しながら、そうしたメタクリル樹脂を使用した場合でも
射出成形で導光板を製造する場合には、成形時のシリン
ダー内の温度分布やシリンダーの形状など様々な要因に
よって微妙に着色する場合がある。こうした微妙な着色
は原因の特定の困難な場合が多く、改善は非常に困難で
あった。
自体他の材料に比べ透明性に優れるため、導光板用材料
として用いる場合は低異物、低着色、高光線透過率等の
特性を達成する目的で出来る限り添加物などを排除し、
純度を高める努力のなされているのが現状である。しか
しながら、そうしたメタクリル樹脂を使用した場合でも
射出成形で導光板を製造する場合には、成形時のシリン
ダー内の温度分布やシリンダーの形状など様々な要因に
よって微妙に着色する場合がある。こうした微妙な着色
は原因の特定の困難な場合が多く、改善は非常に困難で
あった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
発明者らは鋭意検討した結果、蛍光増白剤を所定量添加
する事によりメタクリル樹脂自体の微妙な着色を改善し
て色再現性を向上する事が出来、なおかつ光利用効率が
低下するという従来の調色技術での問題も発生しないこ
とを見いだし、本発明を完成した。
発明者らは鋭意検討した結果、蛍光増白剤を所定量添加
する事によりメタクリル樹脂自体の微妙な着色を改善し
て色再現性を向上する事が出来、なおかつ光利用効率が
低下するという従来の調色技術での問題も発生しないこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0012】即ち本発明は、メタクリル樹脂に蛍光増白
剤を0.1〜10ppm含有する事を特徴とする導光板
用メタクリル樹脂組成物である。通常の使用法で蛍光増
白剤をメタクリル樹脂に添加した場合、紫外線成分を多
く含む太陽光や蛍光灯光を吸収し、発生した蛍光を内部
に閉じこめるため、成形品が青みがかった色調になって
しまう。しかしながら本発明者らは、導光板が液晶パネ
ルなどの背面に配置されて外光の多くを遮断され、更に
光源として比較的紫外線成分の少ない蛍光管が側面部の
みに配置される事に着目し、こうした使用環境において
は蛍光増白剤が適度にメタクリル樹脂材料の色調を改良
し、色ムラの少ない導光板を得ることが出来る事を見出
した。
剤を0.1〜10ppm含有する事を特徴とする導光板
用メタクリル樹脂組成物である。通常の使用法で蛍光増
白剤をメタクリル樹脂に添加した場合、紫外線成分を多
く含む太陽光や蛍光灯光を吸収し、発生した蛍光を内部
に閉じこめるため、成形品が青みがかった色調になって
しまう。しかしながら本発明者らは、導光板が液晶パネ
ルなどの背面に配置されて外光の多くを遮断され、更に
光源として比較的紫外線成分の少ない蛍光管が側面部の
みに配置される事に着目し、こうした使用環境において
は蛍光増白剤が適度にメタクリル樹脂材料の色調を改良
し、色ムラの少ない導光板を得ることが出来る事を見出
した。
【0013】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の組成物に用いるメタクリル樹脂は、メタクリル酸メ
チルを主単位とし、これと共重合しうるモノマー単位と
からなる共重合体であり、熱可塑性の成形材料である。
メタクリル酸メチル単位は70wt%以上あるものが好ま
しい。共重合しうるモノマー単位として、例えば、アク
リル酸メチル単位、アクリル酸エチル単位、アクリル酸
ブチル単位、アクリル酸イソプロピル単位、アクリル酸
2−エチルヘキシル単位、メタクリル酸シクロヘキシル
単位、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル単位が好
ましい。これらのモノマー単位は共重合体中、0.5wt
%以上30wt%未満あるものが好ましい。0.5wt%未
満では、成形時の熱分解挙動が激しく、30wt%以上で
は耐熱変形性の著しい低下等を招くので好ましくない。
重量平均分子量は7万〜15万のものが望ましい。分子
量が7万未満の場合は強度が不十分となり、成形品が破
損しやすくなるため好ましくない。また、15万を越え
る場合は流動性が不足し、射出成形や押出成形などの加
工が著しく困難となるため好ましくない。
明の組成物に用いるメタクリル樹脂は、メタクリル酸メ
チルを主単位とし、これと共重合しうるモノマー単位と
からなる共重合体であり、熱可塑性の成形材料である。
メタクリル酸メチル単位は70wt%以上あるものが好ま
しい。共重合しうるモノマー単位として、例えば、アク
リル酸メチル単位、アクリル酸エチル単位、アクリル酸
ブチル単位、アクリル酸イソプロピル単位、アクリル酸
2−エチルヘキシル単位、メタクリル酸シクロヘキシル
単位、メタクリル酸t−ブチルシクロヘキシル単位が好
ましい。これらのモノマー単位は共重合体中、0.5wt
%以上30wt%未満あるものが好ましい。0.5wt%未
満では、成形時の熱分解挙動が激しく、30wt%以上で
は耐熱変形性の著しい低下等を招くので好ましくない。
重量平均分子量は7万〜15万のものが望ましい。分子
量が7万未満の場合は強度が不十分となり、成形品が破
損しやすくなるため好ましくない。また、15万を越え
る場合は流動性が不足し、射出成形や押出成形などの加
工が著しく困難となるため好ましくない。
【0014】本発明に使用される蛍光増白剤は、通常市
販されているものの中から耐熱性、耐光性、相溶性等を
考慮して選択することが出来る。こうした蛍光増白剤と
して、例えば下記化1〜化4に示されるビスベンゾオキ
サゾール系、化5に示されるピラリゾン系、化6〜化7
に示されるクマリン系、化8に示されるイミダゾロン
系、化9に示されるベンジジン系、化10〜化11に示
されるナフタルイミド系、化12〜化14に示されるジ
アミノスチルベンジスルホン酸系が挙げられる。市販の
蛍光増白剤の中には成分の公表されていないものも多い
が、そうしたものでも利用することが出来る。
販されているものの中から耐熱性、耐光性、相溶性等を
考慮して選択することが出来る。こうした蛍光増白剤と
して、例えば下記化1〜化4に示されるビスベンゾオキ
サゾール系、化5に示されるピラリゾン系、化6〜化7
に示されるクマリン系、化8に示されるイミダゾロン
系、化9に示されるベンジジン系、化10〜化11に示
されるナフタルイミド系、化12〜化14に示されるジ
アミノスチルベンジスルホン酸系が挙げられる。市販の
蛍光増白剤の中には成分の公表されていないものも多い
が、そうしたものでも利用することが出来る。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】本発明に用いる蛍光増白剤は単独で用いて
も良いし、2種以上を混合して用いても良い。メタクリ
ル樹脂材料は射出成形など熱のかかる工程で、内部に微
量含まれる酸素により劣化し、黄色みを帯びると言われ
ている。こうした黄色みは、メタクリル樹脂の透過光ス
ペクトルにおいて、短波長(400〜500nm)の透過
率が低下した現象として光学的に説明できる。本発明で
添加する蛍光増白剤は、人間の目にほとんど感じない紫
外線を吸収して青い光を放出するため、黄色みによって
失われた短波長の可視光を補い、色ムラを改善する。こ
うした効果は液晶バックライトの部品である導光板の材
料として使用する際には発揮されるが、太陽光などの紫
外線成分を多く含む光源の基では、却って青みがかった
色調となってしまう。
も良いし、2種以上を混合して用いても良い。メタクリ
ル樹脂材料は射出成形など熱のかかる工程で、内部に微
量含まれる酸素により劣化し、黄色みを帯びると言われ
ている。こうした黄色みは、メタクリル樹脂の透過光ス
ペクトルにおいて、短波長(400〜500nm)の透過
率が低下した現象として光学的に説明できる。本発明で
添加する蛍光増白剤は、人間の目にほとんど感じない紫
外線を吸収して青い光を放出するため、黄色みによって
失われた短波長の可視光を補い、色ムラを改善する。こ
うした効果は液晶バックライトの部品である導光板の材
料として使用する際には発揮されるが、太陽光などの紫
外線成分を多く含む光源の基では、却って青みがかった
色調となってしまう。
【0030】メタクリル樹脂に蛍光増白剤を配合する量
は0.1〜10ppmであることが必要である。0.1ppm
未満では樹脂の色調を改善する効果が不十分であり、
また、10ppm を超えると、光源付近の青みが強くなり
すぎて、却って色ムラが増えてしまう。この範囲の中で
実際の使用状況に応じて更に最適な添加量を決定するこ
とが出来るが、おおむね0.2〜5ppmの範囲に好まし
い添加量を見出すことが出来る。蛍光増白剤の添加量と
色ムラの関係の一例を図7に示す。図7の縦軸は実施例
及び比較例において測定した色座標の最大値と最小値の
差を示しており、小さいほど色ムラが少ないことを意味
する。
は0.1〜10ppmであることが必要である。0.1ppm
未満では樹脂の色調を改善する効果が不十分であり、
また、10ppm を超えると、光源付近の青みが強くなり
すぎて、却って色ムラが増えてしまう。この範囲の中で
実際の使用状況に応じて更に最適な添加量を決定するこ
とが出来るが、おおむね0.2〜5ppmの範囲に好まし
い添加量を見出すことが出来る。蛍光増白剤の添加量と
色ムラの関係の一例を図7に示す。図7の縦軸は実施例
及び比較例において測定した色座標の最大値と最小値の
差を示しており、小さいほど色ムラが少ないことを意味
する。
【0031】本発明の組成物の製造方法は、メタクリル
樹脂中に蛍光増白剤が均一に分散する方法であれば特に
制限されないが、適当な分散剤に希釈してメタクリル樹
脂に添加すれば分散が良好となり更に好ましい。こうし
た分散剤としては、例えば化4に示した2,5ビス
[5′−t−ブチルベンゾオキザゾリル(2)]チオフ
ェンに対してはフタル酸ジシクロヘキシルが挙げられ
る。添加する方法として、例えば共重合モノマー単位と
蛍光増白剤の混合物を塊状重合、懸濁重合、溶液重合等
の一般に行われている方法で重合する方法や、あらかじ
めこれらの方法で重合しておいたメタクリル樹脂を溶融
して蛍光増白剤を添加、混練して押し出し造粒する方法
などがある。また、蛍光増白剤が粉末状の場合にはメタ
クリル樹脂ペレットにドライブレンドして使用しても良
い。溶液重合を行う場合には、単量体と蛍光増白剤、分
散剤の混合物を芳香族炭化水素等の溶媒に溶解して調整
した溶液を用いることができる。塊状重合により重合さ
せる場合には、通常行われるように単量体と開始剤の混
合物を、100℃〜200℃の範囲内で制御された温度
の重合反応器へ連続的に供給することにより、重合を開
始することが出来る。
樹脂中に蛍光増白剤が均一に分散する方法であれば特に
制限されないが、適当な分散剤に希釈してメタクリル樹
脂に添加すれば分散が良好となり更に好ましい。こうし
た分散剤としては、例えば化4に示した2,5ビス
[5′−t−ブチルベンゾオキザゾリル(2)]チオフ
ェンに対してはフタル酸ジシクロヘキシルが挙げられ
る。添加する方法として、例えば共重合モノマー単位と
蛍光増白剤の混合物を塊状重合、懸濁重合、溶液重合等
の一般に行われている方法で重合する方法や、あらかじ
めこれらの方法で重合しておいたメタクリル樹脂を溶融
して蛍光増白剤を添加、混練して押し出し造粒する方法
などがある。また、蛍光増白剤が粉末状の場合にはメタ
クリル樹脂ペレットにドライブレンドして使用しても良
い。溶液重合を行う場合には、単量体と蛍光増白剤、分
散剤の混合物を芳香族炭化水素等の溶媒に溶解して調整
した溶液を用いることができる。塊状重合により重合さ
せる場合には、通常行われるように単量体と開始剤の混
合物を、100℃〜200℃の範囲内で制御された温度
の重合反応器へ連続的に供給することにより、重合を開
始することが出来る。
【0032】重合反応に用いられる開始剤としては、一
般にラジカル重合において用いられる任意の開始剤を使
用することができ、例えばアゾビスイソブチルニトリル
等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート等の有機過酸化物を挙げることができ
る。これらの開始剤は0.005〜5wt%の範囲で用い
られる。本発明の組成物の重合反応に必要に応じて用い
られる分子量調節剤は、一般的なラジカル重合において
用いる任意のものが使用され、例えばブチルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チ
オグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化
合物が特に好ましいものとして挙げられる。これらの分
子量調節剤は、重合度が上記の範囲内に制御されるよう
な濃度範囲で添加される。
般にラジカル重合において用いられる任意の開始剤を使
用することができ、例えばアゾビスイソブチルニトリル
等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート等の有機過酸化物を挙げることができ
る。これらの開始剤は0.005〜5wt%の範囲で用い
られる。本発明の組成物の重合反応に必要に応じて用い
られる分子量調節剤は、一般的なラジカル重合において
用いる任意のものが使用され、例えばブチルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チ
オグリコール酸2−エチルヘキシル等のメルカプタン化
合物が特に好ましいものとして挙げられる。これらの分
子量調節剤は、重合度が上記の範囲内に制御されるよう
な濃度範囲で添加される。
【0033】また、本発明の組成物には、その特性を損
なわない範囲で公知の添加剤、例えば滑剤、酸化防止
剤、帯電防止剤等を添加することができるが、この場合
は材料が着色して色再現性の低下する場合があるので、
添加量を極力少量に抑えるよう注意しなければならな
い。また、通常のメタクリル樹脂には耐光性を高めるた
め紫外線吸収剤が添加されているが、本発明においては
蛍光を発するためのエネルギーとなる紫外線が吸収され
ると効果が発揮されないため、極力添加を避けることが
好ましい。本発明において、下記に述べる揮発性成分を
配合すると相乗効果を発揮し、更に色調改善の効果が高
まる。この理由の詳細については不明であるが、成形時
にメタクリル樹脂組成物を溶融した際に該揮発性成分の
存在により溶融樹脂中の酸素分圧が低下し、溶存酸素に
よる添加物及びメタクリル樹脂の熱劣化が低減する為だ
と推測される。
なわない範囲で公知の添加剤、例えば滑剤、酸化防止
剤、帯電防止剤等を添加することができるが、この場合
は材料が着色して色再現性の低下する場合があるので、
添加量を極力少量に抑えるよう注意しなければならな
い。また、通常のメタクリル樹脂には耐光性を高めるた
め紫外線吸収剤が添加されているが、本発明においては
蛍光を発するためのエネルギーとなる紫外線が吸収され
ると効果が発揮されないため、極力添加を避けることが
好ましい。本発明において、下記に述べる揮発性成分を
配合すると相乗効果を発揮し、更に色調改善の効果が高
まる。この理由の詳細については不明であるが、成形時
にメタクリル樹脂組成物を溶融した際に該揮発性成分の
存在により溶融樹脂中の酸素分圧が低下し、溶存酸素に
よる添加物及びメタクリル樹脂の熱劣化が低減する為だ
と推測される。
【0034】本発明に用いる事の出来る揮発性成分は、
101kPa での沸点が70〜200℃、溶解度パラメー
ターが7〜10(cal /cm2 )1/2 であることが必須で
ある。101kPa での沸点が70℃未満あるいは200
℃を超えるものは、相乗効果を発揮しない。また、溶解
度パラメーターが7(cal /cm2 )1/2 未満、あるいは
10(cal /cm2 )1/2 を超えるとメタクリル樹脂との
相溶性が不足し、相乗効果を発揮しないばかりか銀状痕
発生の原因となるため好ましくない。また、揮発性成分
の含有量は1000〜10000ppm である。含有量が
1000ppm 未満では効果を発揮せず、10000ppm
を超えると耐熱変形性が低下する。
101kPa での沸点が70〜200℃、溶解度パラメー
ターが7〜10(cal /cm2 )1/2 であることが必須で
ある。101kPa での沸点が70℃未満あるいは200
℃を超えるものは、相乗効果を発揮しない。また、溶解
度パラメーターが7(cal /cm2 )1/2 未満、あるいは
10(cal /cm2 )1/2 を超えるとメタクリル樹脂との
相溶性が不足し、相乗効果を発揮しないばかりか銀状痕
発生の原因となるため好ましくない。また、揮発性成分
の含有量は1000〜10000ppm である。含有量が
1000ppm 未満では効果を発揮せず、10000ppm
を超えると耐熱変形性が低下する。
【0035】本発明に用いる揮発性成分の具体例として
は、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、1,1,2,
2,−テトラクロロエタン、メチルシクロヘキサン、2
−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−オクタノン、3−
オクタノン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロ
ピルアクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられ
る。好ましくは、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、α−メチルスチレン、メチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ートである。本発明に用いる揮発性成分は単独でも良い
し、2種以上を混合して用いても良い。
は、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、1,1,2,
2,−テトラクロロエタン、メチルシクロヘキサン、2
−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−オクタノン、3−
オクタノン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロ
ピルアクリレート、ブチルアクリレート等が挙げられ
る。好ましくは、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、α−メチルスチレン、メチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ートである。本発明に用いる揮発性成分は単独でも良い
し、2種以上を混合して用いても良い。
【0036】
【実施例】共重合体及びその組成物の各種分析及び物性
評価は以下の方法によった。 (1)共重合体中の揮発性成分の定量 樹脂組成物の一定量を内部標準物質を含有するジクロロ
メタンに溶解し、ガスクロマトグラフィー法で定量して
分析する。 (2)重量平均分子量(Mw) メタクリル樹脂の重量平均分子量はゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー(GPC)測定によった。GPC
測定は、共重合体を一定量テトラヒドロフランに溶解さ
せて(30mg/30ml)試料溶液を調整して測定し
たものを、標準ポリスチレンから得られた検量線をもと
にポリメタクリル酸メチルに換算して値を得る。
評価は以下の方法によった。 (1)共重合体中の揮発性成分の定量 樹脂組成物の一定量を内部標準物質を含有するジクロロ
メタンに溶解し、ガスクロマトグラフィー法で定量して
分析する。 (2)重量平均分子量(Mw) メタクリル樹脂の重量平均分子量はゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー(GPC)測定によった。GPC
測定は、共重合体を一定量テトラヒドロフランに溶解さ
せて(30mg/30ml)試料溶液を調整して測定し
たものを、標準ポリスチレンから得られた検量線をもと
にポリメタクリル酸メチルに換算して値を得る。
【0037】(3)溶解度パラメーター(S.P.) Polymer Handbook(第2版 A.Willy 編 Interscience
Publication社刊(米国))を引用する。該ハンドブッ
クに記載のないものについては、スモールによる分子親
和力定数Gを用いて、下記式1から算出する。 溶解度パラメーター=dΣG/M (1) (ここで、dは25℃での比重を、Mは分子量を表
す。) (4)加熱変形温度(HDT) ASTM−D648にもとづいて測定を行った。試験片
は96℃で2時間アニーリングを行った後、状態調節
(23℃、相対湿度52%で48時間)を行って測定す
る。 (5)成形性(MFI) ASTM−D1238のI法(230℃、3.8kg)
で、MFI(g/10min)を測定する。
Publication社刊(米国))を引用する。該ハンドブッ
クに記載のないものについては、スモールによる分子親
和力定数Gを用いて、下記式1から算出する。 溶解度パラメーター=dΣG/M (1) (ここで、dは25℃での比重を、Mは分子量を表
す。) (4)加熱変形温度(HDT) ASTM−D648にもとづいて測定を行った。試験片
は96℃で2時間アニーリングを行った後、状態調節
(23℃、相対湿度52%で48時間)を行って測定す
る。 (5)成形性(MFI) ASTM−D1238のI法(230℃、3.8kg)
で、MFI(g/10min)を測定する。
【0038】(6)サイドライト式面照明装置の組立 射出成形機(ファナック製 AUTOSHOT T−1
00D)により、成形温度260℃、金型温度80℃、
及び射出圧力700kg/cm2の条件下で成形し、100m
m×100mm×2mmの成形品を得る。NC彫刻機を用い
てこの成形品の片面40mm×85mmの領域に円錐形
の窪みを多数形成し、光散乱手段を備えた図2に示すよ
うな導光板とする。該円錐形の窪みは導入した光の進行
方向に底面の直径が0.5mm〜1.1mmまで連続的
に増加するよう、深さを0.07mm〜1.16mmま
で連続的に変化させる。また、それぞれの窪みは1.3
mmのピッチで格子状に配列させる。こうして作製した
導光板を、市販のワードプロセッサーから取り出したサ
イドライト式面照明装置(シャープ(株)製 LM64
P10)の導光板と置き換える。該面照明装置は光源と
しての蛍光管、これを取り巻くランプハウス、拡散フィ
ルム、反射フィルム、これらを固定するためのフレーム
及び反射フレーム(光を反射して有効利用するための白
色のフレーム)を備えたものであり、これらはそのまま
使用する。蛍光管の電極にインバーター(TDK(株)
製 CXA−M10L−L)を接続し、該インバーター
に直流安定化電源装置(菊水電機製 PAB32−3)
から12Vの電源を供給して発光させるサイドライト式
面照明装置を組み立てる。組み立てたサイドライト式面
照明装置の断面図を図3に示す。 (7)色座標の評価 暗室中に液晶色分布測定装置(ミノルタカメラ製 CA
−1000)の測定ヘッドをサイドライト式面照明装置
の発光面から40cmの位置に設置し、該サイドライト式
面照明装置を点灯後30分放置して蛍光管輝度を安定化
した後、発光面全体の輝度と色座標(CIE XYZ表
色系のxy座標)を測定する。得られた色座標値は光源
からの距離毎に平均値を取り、その最大値と最小値を求
める。また、輝度については平均値を求める。
00D)により、成形温度260℃、金型温度80℃、
及び射出圧力700kg/cm2の条件下で成形し、100m
m×100mm×2mmの成形品を得る。NC彫刻機を用い
てこの成形品の片面40mm×85mmの領域に円錐形
の窪みを多数形成し、光散乱手段を備えた図2に示すよ
うな導光板とする。該円錐形の窪みは導入した光の進行
方向に底面の直径が0.5mm〜1.1mmまで連続的
に増加するよう、深さを0.07mm〜1.16mmま
で連続的に変化させる。また、それぞれの窪みは1.3
mmのピッチで格子状に配列させる。こうして作製した
導光板を、市販のワードプロセッサーから取り出したサ
イドライト式面照明装置(シャープ(株)製 LM64
P10)の導光板と置き換える。該面照明装置は光源と
しての蛍光管、これを取り巻くランプハウス、拡散フィ
ルム、反射フィルム、これらを固定するためのフレーム
及び反射フレーム(光を反射して有効利用するための白
色のフレーム)を備えたものであり、これらはそのまま
使用する。蛍光管の電極にインバーター(TDK(株)
製 CXA−M10L−L)を接続し、該インバーター
に直流安定化電源装置(菊水電機製 PAB32−3)
から12Vの電源を供給して発光させるサイドライト式
面照明装置を組み立てる。組み立てたサイドライト式面
照明装置の断面図を図3に示す。 (7)色座標の評価 暗室中に液晶色分布測定装置(ミノルタカメラ製 CA
−1000)の測定ヘッドをサイドライト式面照明装置
の発光面から40cmの位置に設置し、該サイドライト式
面照明装置を点灯後30分放置して蛍光管輝度を安定化
した後、発光面全体の輝度と色座標(CIE XYZ表
色系のxy座標)を測定する。得られた色座標値は光源
からの距離毎に平均値を取り、その最大値と最小値を求
める。また、輝度については平均値を求める。
【0039】
【実施例1】メタクリル樹脂ペレット(Mw=100,
000、HDT=100℃、MFI=2g/10mi
n)に表1に示す揮発性成分、及び前記化2に示した蛍
光増白剤4,4′−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキ
サゾリル)スチルベン(住友化学(株)製 ホワイトフ
ローHCS 商品名)0.3ppmをドライブレンドす
る。このペレットを用いてサイドライト式面照明装置を
作製して、先に説明した方法で色座標の評価を行う。結
果を表1及び図4〜7に示す。
000、HDT=100℃、MFI=2g/10mi
n)に表1に示す揮発性成分、及び前記化2に示した蛍
光増白剤4,4′−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキ
サゾリル)スチルベン(住友化学(株)製 ホワイトフ
ローHCS 商品名)0.3ppmをドライブレンドす
る。このペレットを用いてサイドライト式面照明装置を
作製して、先に説明した方法で色座標の評価を行う。結
果を表1及び図4〜7に示す。
【0040】
【実施例2〜3】表1に示すように蛍光増白剤ホワイト
フローHCSの添加量を変える以外は、実施例1と全く
同様な操作を行い、一般的な物性及び色座標の評価を行
う。これらの結果を表1及び図4〜7に示す。
フローHCSの添加量を変える以外は、実施例1と全く
同様な操作を行い、一般的な物性及び色座標の評価を行
う。これらの結果を表1及び図4〜7に示す。
【0041】
【比較例1】蛍光増白剤ホワイトフローHCSを添加し
ない以外は、実施例1と全く同様な操作を行い、一般的
な物性及び色座標の評価を行う。これらの結果を表1及
び図4〜7に示す。
ない以外は、実施例1と全く同様な操作を行い、一般的
な物性及び色座標の評価を行う。これらの結果を表1及
び図4〜7に示す。
【0042】
【比較例2】表1に示すように蛍光増白剤ホワイトフロ
ーHCSの添加量を変える以外は、実施例1と全く同様
な操作を行い、一般的な物性及び色座標の評価を行う。
これらの結果を表1及び図4〜7に示す。上記の結果か
ら蛍光増白剤を添加することにより、色ムラが少ないこ
とが判る。また、驚くべきことに、蛍光増白剤を添加す
ることにより、従来よりもより輝度が高く、光利用効率
に優れたサイドライト式面照明装置を得ることが出来
た。これは、従来は無効光となっていた紫外線成分を、
本発明により有効に活用することが出来たためと考えら
れる。
ーHCSの添加量を変える以外は、実施例1と全く同様
な操作を行い、一般的な物性及び色座標の評価を行う。
これらの結果を表1及び図4〜7に示す。上記の結果か
ら蛍光増白剤を添加することにより、色ムラが少ないこ
とが判る。また、驚くべきことに、蛍光増白剤を添加す
ることにより、従来よりもより輝度が高く、光利用効率
に優れたサイドライト式面照明装置を得ることが出来
た。これは、従来は無効光となっていた紫外線成分を、
本発明により有効に活用することが出来たためと考えら
れる。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のメタクリル樹脂組成物を用いる
ことにより、長い光路長の導光板とした場合でも色ムラ
が少なく、従来よりもより輝度の高い、優れたサイドラ
イト式面照明装置を得ることが出来る。
ことにより、長い光路長の導光板とした場合でも色ムラ
が少なく、従来よりもより輝度の高い、優れたサイドラ
イト式面照明装置を得ることが出来る。
【図1】サイドライト式面照明装置を用いた液晶表示装
置の断面説明図である。
置の断面説明図である。
【図2】本発明における、色座標評価用サイドライト式
面照明装置に用いる導光板の模式図である。
面照明装置に用いる導光板の模式図である。
【図3】本発明における、色座標評価用サイドライト式
面照明装置の断面模式図である。
面照明装置の断面模式図である。
【図4】実施例及び比較例のサイドライト式面照明装置
の輝度分布を示すグラフ図である。
の輝度分布を示すグラフ図である。
【図5】実施例及び比較例のサイドライト式面照明装置
の色座標xの分布を示すグラフ図である。
の色座標xの分布を示すグラフ図である。
【図6】実施例及び比較例のサイドライト式面照明装置
の色座標yの分布を示すグラフ図である。
の色座標yの分布を示すグラフ図である。
【図7】蛍光増白剤の添加量と色ムラの関係の一例を示
すグラフ図である。
すグラフ図である。
1 液晶パネル 2 バックライト 11 偏光板 12 ガラス基盤 13 液晶層 21 導光板 22 光散乱手段 23 反射フィルム 24 拡散フィルム 25 光源 26 ランプハウス 27 円錐形の窪み状光散乱手段 28 フレーム 29 反射フレーム
Claims (1)
- 【請求項1】 メタクリル樹脂に蛍光増白剤を0.1〜
10ppm含有する事を特徴とする導光板用メタクリル
樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3723095A JPH08231808A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 導光板用メタクリル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3723095A JPH08231808A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 導光板用メタクリル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08231808A true JPH08231808A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12491811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3723095A Withdrawn JPH08231808A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 導光板用メタクリル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08231808A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002225195A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-08-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | 紫外赤外線吸収フイルム |
JP2014029417A (ja) * | 2012-07-31 | 2014-02-13 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 導光板 |
CN113767250A (zh) * | 2019-05-07 | 2021-12-07 | 昕诺飞控股有限公司 | 光导和包括光导的照明设备 |
WO2023204257A1 (ja) | 2022-04-20 | 2023-10-26 | 東洋鋼鈑株式会社 | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化物、および積層体 |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP3723095A patent/JPH08231808A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002225195A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-08-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | 紫外赤外線吸収フイルム |
JP2014029417A (ja) * | 2012-07-31 | 2014-02-13 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 導光板 |
CN113767250A (zh) * | 2019-05-07 | 2021-12-07 | 昕诺飞控股有限公司 | 光导和包括光导的照明设备 |
CN113767250B (zh) * | 2019-05-07 | 2024-08-06 | 昕诺飞控股有限公司 | 光导和包括光导的照明设备 |
WO2023204257A1 (ja) | 2022-04-20 | 2023-10-26 | 東洋鋼鈑株式会社 | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化物、および積層体 |
KR20250003857A (ko) | 2022-04-20 | 2025-01-07 | 도요 고한 가부시키가이샤 | 활성 에너지선 경화형 수지 조성물, 경화물 및 적층체 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020507 |