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JPH0823077A - 素子分離の形成方法 - Google Patents

素子分離の形成方法

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Publication number
JPH0823077A
JPH0823077A JP6156112A JP15611294A JPH0823077A JP H0823077 A JPH0823077 A JP H0823077A JP 6156112 A JP6156112 A JP 6156112A JP 15611294 A JP15611294 A JP 15611294A JP H0823077 A JPH0823077 A JP H0823077A
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JP
Japan
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element isolation
oxide film
film
silicon
forming
Prior art date
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Granted
Application number
JP6156112A
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English (en)
Other versions
JP3124441B2 (ja
Inventor
Noritomo Shimizu
紀智 清水
Koji Naito
康志 内藤
Yuichi Hirofuji
裕一 広藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP06156112A priority Critical patent/JP3124441B2/ja
Publication of JPH0823077A publication Critical patent/JPH0823077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3124441B2 publication Critical patent/JP3124441B2/ja
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  • Local Oxidation Of Silicon (AREA)
  • Element Separation (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランジスタの素子分離を形成する際に、ト
ランジスタの閾値を適正に維持しながら、バーズビーク
の長さを短縮する。 【構成】 シリコン基板101 上に、第1下敷酸化膜102
,ポリシリコン膜103 ,及び第1シリコン窒化膜104
を順次形成し、さらにフォトレジスト105 をマスクとし
て第1シリコン窒化膜104 ,ポリシリコン膜103 ,第1
下敷酸化膜102 及び素子分離領域となる部位のシリコン
基板を、バーズビークの長さと電界効果型トランジスタ
の閾値とが適正となる程度の深さ(素子分離用酸化膜の
厚みの1/3以下)だけエッチングする。第2下敷酸化
膜107 、第2シリコン窒化膜108 を形成した後、厚み25
nmを越える窒化膜サイドウォール109 を形成する。そし
て、窒化膜をマスクとして選択的酸化により素子分離用
酸化膜110 を形成する。これにより、DRAMセルパタ
ーンで長さ 0.2μm以下の分離形成が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板の活性領
域を他の領域から分離するための素子分離の形成方法に
係り、特に素子分離領域と活性領域との間の遷移領域い
わゆるバーズビーク領域を縮小するための対策に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電界効果型トランジスタの微細化
が進むにつれて、従来問題とされなかった領域の微細化
が必要となっている。とりわけ、工程数が少なくかつ安
定した特性が得られることから広く用いられているLO
COS分離法による素子分離形成方法を用いた場合、素
子分離領域と活性領域の間の遷移領域いわゆるバーズビ
ーク領域が素子の微細化に比例して縮小されず、その結
果、バーズビーク領域の素子に対して占める面積が大き
くなり、素子の微細化を妨げる最大の要因として問題視
されている。このバーズビークの縮小に関しては、LO
COS分離法になんらかの改良を加えた改良LOCOS
分離法を用いることでバーズビークの縮小を行った様々
の提案が成されている。
【0003】以下、図面を参照しながら、上記従来のL
OCOS分離法ならびに改良LOCOS分離法について
説明する。
【0004】図19(a)〜(d)は、従来のLOCO
S法により分離を形成した場合の工程断面図である。す
なわち、シリコン基板101 上に、下敷酸化膜102 ,シリ
コン窒化膜104 を順次堆積し(同図(a)参照)、さら
に、素子分離領域に対応する部位を開口させたパターン
を有するようにフォトレジスト105 のマスクを形成し
(同図(b)参照)、開口部のシリコン窒化膜104 及び
下敷酸化膜102 をエッチングにより除去する(同図
(c)参照)。そして、フォトレジスト105 を除去した
後、このシリコン窒化膜104 をマスクとして酸化を行う
ことでシリコン基板101 上に選択的に酸化された素子分
離用酸化膜110 を形成し、基板表面部を活性領域Racと
素子分離領域Rseとに区画する(同図(d)参照)。そ
の際、素子分離領域Rse形成のための酸化工程の間に、
下敷酸化膜102 を通して酸化種である酸素が横方向に拡
散しシリコン基板101 が酸化されることが原因となり、
素子分離領域Rseから活性領域Racに同図(d)に示す
所定距離Lだけ酸化膜が侵入したバーズビークと呼ばれ
る遷移領域が発生する。
【0005】一方、改良LOCOS法として、例えば
〔アイトリプルイー・エレクトロン・デバイス・レター
ズ IEEE Electron Device Letters EDL-11 p.549 (199
0)〕に記載されているものがある。図20はRLS−P
BL法と呼ばれる改良LOCOS法の1つの製造工程を
示す工程断面図である。すなわち、シリコン基板101 上
に、第1下敷酸化膜102 ,ポリシリコン膜103 及び第1
シリコン窒化膜104 を順次堆積し(同図(a)参照)、
さらにその上に素子分離領域に対応する部位が開口した
パターンを有するフォトレジスト105 のマスクを形成し
て、第1下敷酸化膜102 ,ポリシリコン膜103 及び第1
シリコン窒化膜104 をエッチングにより除去した後(同
図(b)参照)、フォトレジスト105 を除去し、さらに
ウェットエッチングを行うことで第1下敷酸化膜102 を
パターン前面より後退させてアンダーカット106 を形成
する(同図(c)参照)。次に、シリコン基板101 を酸
化して第2下敷酸化膜107 を形成し(同図(d)参
照)、さらに、基板全面に第2シリコン窒化膜108 を堆
積した後(同図(e)参照)、このシリコン窒化膜108
を異方性ドライエッチングして、窒化膜サイドウォール
109 を形成する(同図f)参照)。最後に、シリコン基
板101 を酸化することで、活性領域Rac間を分離するた
めの素子分離用酸化膜110 を形成し、基板表面部を活性
領域Racと素子分離領域Rseとに区画する(同図(g)
参照)。
【0006】このような構成の場合、ポリシリコン膜10
3 は第2下敷酸化膜107 ならびに第1下敷酸化膜102 を
介して拡散してきた酸化種である酸素を吸収するのでバ
ーズビークの横方向侵入距離Lを小さくし、さらに素子
分離領域Rseを形成するための酸化中、第1シリコン窒
化膜104 からシリコン基板101 へのストレス緩和層とし
ての機能を有する。
【0007】また、特開昭63-217640 号公報に開示され
るごとく、LOCOS法による素子分離が厚いと平坦度
が悪化することと、バーズビークの侵入距離が増大する
ことに鑑み、シリコン基板の素子分離を形成しようとす
る領域を素子分離用酸化膜の厚みの0.4 〜0.6 倍の深さ
まで除去することで、平坦度とバーズビークの侵入距離
とを適正範囲に収めようとするものは公知の技術であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、上記のよう
な構成のLOCOS形成方法では、バーズビークを抑え
る方法として、酸化種である酸素の供給を抑える、バー
ズビーク発生による体積変化を抑えるという2つの手段
があり、下敷酸化膜102 の膜厚が薄いほど、またシリコ
ン窒化膜104 が厚いほどバーズビークの侵入距離Lは短
くなることが知られている。つまり、下敷酸化膜102 に
酸素が侵入して、下方のシリコン基板が酸化されて膨張
しようとしても、その膨張をシリコン窒化膜104 で押圧
することで、酸素の侵入を抑制しうるからである。
【0009】しかしながら、この下敷酸化膜102 の薄膜
化とシリコン窒化膜104 の厚膜化によって酸化中にシリ
コン基板101 内にストレスを増大させることになり、こ
のストレスのためにシリコン基板内には結晶欠陥が発生
する。そして、結晶欠陥が基板中に発生した場合、リー
ク電流ならびにMOSトランジスタのゲート酸化膜耐圧
劣化が発生しデバイス特性を劣化させる原因となる。す
なわち、下敷酸化膜102 の薄膜化ならびにシリコン窒化
膜104 の厚膜化には限界があり、そのため、バーズビー
クの活性領域Racへの侵入距離Lを小さくできないとい
う問題があった。
【0010】一方、改良LOCOS法の1つであるRL
S−PBL法においては、第2下敷酸化膜107 は薄いの
で酸化中の活性領域Racへの酸素供給量は少なく、また
供給酸素はバッファーとなるポリシリコン膜103 に吸収
されるので、バーズビークの活性領域Racへの侵入距離
LはLOCOS法に比べ低減しうる。
【0011】しかしながら、半導体装置の高集積化に伴
い微細パターンを形成すると、素子分離領域Rseに接す
る窒化膜サイドウォール109 の下端から活性領域Racに
供給される酸素によって生じるバーズビークが問題とな
る。さらに、RLS−PBL法では素子分離用酸化膜11
0 が基板深さ方向に侵入する距離が短いため、パターン
の微細化に伴い素子間分離耐圧が低下するという問題を
有していた。
【0012】また、上述の特開昭63-217640 号公報によ
る方法では、素子分離を形成しようとする領域を素子分
離用酸化膜の厚みの0.4 〜0.6 倍だけ除去することで、
バーズビークの侵入距離を小さく抑制することは可能で
あるが、反面、このような深い段差を形成した場合、素
子分離で囲まれる領域に形成されるFETのしきい値が
低下するという問題があった。すなわち、素子分離領域
と活性領域との界面間に大きな段差がある場合、この段
差部分にゲート電極を介して電圧が印加されると、段差
の部分に表面及び側方から電界が加わることでチャネル
が形成されて2重閾値トランジスタとなる。また、これ
を防止すべくチャネルストップ用不純物の濃度を濃くす
ると、その不純物が活性領域のチャネル領域両端付近に
拡散するので、メモリ等の微細寸法のトランジスタでは
狭チャネル効果が発生する。したがって、上記公報の技
術では、バーズビークの侵入距離を抑制できても、微細
なトランジスタのしきい値等の特性を良好に維持するこ
とは困難であった。
【0013】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、RLS−PBL法にさらに改良を加
え、窒化膜サイドウォール端から活性領域の表面部まで
の距離を長くする手段を講ずることで、パターンの微細
化に伴うサブスレッショルド特性等の特性の悪化を招く
ことなく、かつ素子分離形成のための酸化中のストレス
による基板中への結晶欠陥の発生等による電気的特性の
劣化を招くことなく、バーズビークの侵入距離を短縮
し、もって、半導体装置の良好な特性を保持しながらパ
ターンの微細化を図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、具体的に請求項1の発明の講じた手段は、シリコン
基板の表面領域に、電界効果型トランジスタが形成され
る活性領域を他の領域から分離するための素子分離を形
成する方法として、シリコン基板を酸化して第1下敷酸
化膜を形成する工程と、上記第1下敷酸化膜上にシリコ
ン膜を形成する工程と、上記シリコン膜上に第1シリコ
ン窒化膜を形成する工程と、素子分離領域に対応する部
位が開口されたパターンのマスクを用いて、上記第1シ
リコン窒化膜、シリコン膜、第1下敷酸化膜及びシリコ
ン基板をエッチングし、シリコン基板の素子分離を形成
しようとする部位を、形成しようとする素子分離用酸化
膜に発生するバーズビークの侵入距離と形成しようとす
る電界効果型トランジスタのしきい値の低下とが適正範
囲になるような深さまで除去する工程と、上記シリコン
基板及びシリコン膜を酸化し、その表面部に第2下敷酸
化膜を形成する工程と、上記第2下敷酸化膜を形成した
基板の全面に第2シリコン窒化膜を形成する工程と、少
なくとも上記素子分離領域の第2シリコン窒化膜を除去
し、第1シリコン窒化膜の側部,シリコン膜の側部及び
シリコン基板の段差部の側部に厚み25nmを越える第2シ
リコン窒化膜からなるシリコン窒化膜サイドウォールを
残すよう異方性エッチングを行う工程と、第1シリコン
窒化膜ならびに第2シリコン窒化膜をマスクとし、上記
シリコン基板を選択的に酸化して素子分離用酸化膜を形
成する工程と、上記素子分離用酸化膜を形成した後に、
上記第1、第2シリコン窒化膜及びシリコン膜を除去す
る工程と、上記第1下敷酸化膜をにより除去する工程と
を設ける方法である。
【0015】請求項2の発明の講じた手段は、シリコン
基板の表面領域に、電界効果型トランジスタが形成され
る活性領域を他の領域から分離するための素子分離を形
成する方法であって、シリコン基板を酸化して第1下敷
酸化膜を形成する工程と、上記第1下敷酸化膜上にシリ
コン膜を形成する工程と、上記シリコン膜上に第1シリ
コン窒化膜を形成する工程と、上記第1シリコン窒化膜
上に厚み保持用酸化膜を形成する工程と、素子分離領域
に対応する部位が開口されたパターンのマスクを用い
て、上記厚み保持用酸化膜,第1シリコン窒化膜,シリ
コン膜,第1下敷酸化膜及びシリコン基板をエッチング
して、シリコン基板の素子分離を形成しようとする部位
を、形成しようとする素子分離用酸化膜に発生するバー
ズビークの侵入距離と形成しようとする電界効果型トラ
ンジスタのしきい値の低下とが適正範囲になるような深
さまで除去する工程と、上記シリコン基板及びシリコン
膜を酸化し、その表面部に第2下敷酸化膜を形成する工
程と、上記第2下敷酸化膜を形成した基板の全面に第2
シリコン窒化膜を形成する工程と、少なくとも上記素子
分離領域の第2シリコン窒化膜を除去し、第1シリコン
窒化膜の側部,シリコン膜の側部及びシリコン基板の段
差部の側部に厚み25nmを越える第2シリコン窒化膜から
なるシリコン窒化膜サイドウォールを残すよう異方性エ
ッチングを行う工程と、上記第1シリコン窒化膜ならび
に第2シリコン窒化膜をマスクとし、シリコン基板を選
択的に酸化して素子分離用酸化膜を形成する工程と、上
記素子分離用酸化膜を形成した後に、上記厚み保持用酸
化膜を除去する工程と、上記第1,第2シリコン窒化膜
及びシリコン膜を除去する工程と、上記第1下敷酸化膜
をエッチングにより除去する工程とを設ける方法であ
る。
【0016】請求項3の発明の講じた手段は、請求項1
又は2の発明において、上記シリコン基板の素子分離を
形成しようとする部位を除去する工程では、除去する部
分の深さの上限値を、電界効果型トランジスタのしきい
値の低下が所定値以下になるように設定する方法であ
る。
【0017】請求項4の発明の講じた手段は、請求項3
の発明において、上記シリコン基板の素子分離を形成し
ようとする部位を除去する工程では、除去する部分の深
さの上限値を、形成しようとする電界効果型トランジス
タのしきい値の低下が0.15V以下になるように設定する
方法である。
【0018】請求項5の発明の講じた手段は、請求項
1,2,3又は4の発明において、上記シリコン基板の
素子分離を形成しようとする部位を除去する工程では、
除去する部分の深さの下限値を、素子分離用酸化膜の厚
みを考慮して、素子分離用酸化膜のバーズビークの侵入
距離が所定値以下になるように設定する方法である。
【0019】請求項6の発明の講じた手段は、請求項5
の発明において、上記シリコン基板の素子分離を形成し
ようとする部位を除去する工程では、除去する部分の深
さの下限値は、素子分離用酸化膜の厚みを考慮して、形
成しようとする素子分離用酸化膜のバーズビークの侵入
距離が0.2 μm以下になるように設定する方法である。
【0020】請求項7の発明の講じた手段は、請求項
1,2,3,4,5又は6の発明において、上記シリコ
ン基板の素子分離を形成しようとする部位を除去する工
程では、除去する部分の深さが、20nm〜100nm である方
法である。
【0021】請求項8の発明の講じた手段は、請求項
1,2,3,4,5又は6の発明において、上記シリコ
ン基板の素子分離を形成しようとする部位を除去する工
程では、除去する部分の深さの上限が、形成しようとす
る素子分離の厚みの1/3である方法である。
【0022】請求項9の発明の講じた手段は、請求項
1,2,3,4,5,6,7又は8の発明において、上
記第1下敷酸化膜をエッチングにより除去する工程で
は、等方的なエッチング方法を用いアンダーカットを形
成するように行う方法である。
【0023】請求項10の発明の講じた手段は、請求項
1,2,3,4,5,6,7,8又9の発明において、
素子分離領域の形成後、活性領域及び素子分離領域の全
面にパンチスルーストッパー形成用不純物イオンを注入
する工程を設ける方法である。
【0024】
【作用】以上の方法により、請求項1の発明では、素子
分離領域の端部となる窒化膜サイドウォールの下端から
活性領域までの距離が延長されるとともに、第1下敷酸
化膜上のシリコン膜により第2下敷酸化膜を介して拡散
してくる酸素が吸収されるので、活性領域表面へのバー
ズビークの侵入距離が抑制される。また、このシリコン
膜の存在により、第1シリコン窒化膜の押圧力によるス
トレスが緩和され、電界効果型トランジスタに電気的な
悪影響を及ぼすシリコン基板中の結晶欠陥の発生も抑制
される。さらに、除去される素子分離領域の深さが、バ
ーズビークの侵入距離と電界効果型トランジスタの閾値
とを適正範囲にするように設定される。また、厚み25nm
を越えるシリコン窒化膜サイドウォールが形成された状
態で素子分離用酸化膜のフィールド酸化が行われるの
で、フィールド酸化から第1下敷酸化膜へのバーズビー
クの侵入が小さく抑制される。したがって、後の第1下
敷酸化膜のエッチングを行う工程で、少ないオーバーエ
ッチング量で第下敷酸化膜のバーズビークの残存を小
さくすることが可能となる。その結果、微細なトランジ
スタを形成するための活性領域の幅のバラツキが小さく
抑制され、フォトリソグラフィーやドライエッチングに
おけるバラツキの余裕度が十分確保される。
【0025】以上により、寸法の微細化と素子分離領域
の段差の存在とバーズビークの侵入とに起因する電界効
果型トランジスタの特性の悪化が防止されることにな
る。
【0026】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
と同様の作用が生じるとともに、第1シリコン窒化膜上
に厚み保持用酸化膜が形成されているので、シリコン窒
化膜のサイドウォール形成時に、オーバーエッチングの
ために第1シリコン窒化膜の厚みが低減して第1シリコ
ン窒化膜の酸素拡散抑制作用が低下するのが防止される
ことになる。
【0027】請求項3の発明では、素子分離を形成しよ
うとする領域の除去深さの上限が所定値以下に設定され
るので、活性領域に形成される電界効果型トランジスタ
の種類に応じ、電界効果型トランジスタの閾値の低下が
必要な値以下に維持されることになる。
【0028】請求項4の発明では、活性領域に形成され
るトランジスタの閾値の低下が0.15V以下になるように
素子分離の除去深さの上限が設定されるので、一般的に
0.7V前後であるトランジスタの閾値に対し、閾値の低
下が20%程度よりも小さく維持される。したがって、例
えばメモリやプロセッサにおけるクロック周波数に対す
る同期機能等の諸特性の悪化が防止されることになる。
【0029】請求項5の発明では、バーズビークの侵入
距離が、素子分離用酸化膜の厚みを考慮して所定値以下
になるように、素子分離を形成しようとする領域の除去
深さの下限値が定められる。したがって、素子分離用酸
化膜の厚みと素子分離領域の除去深さとに依存して変化
するバーズビークの侵入距離が、適正範囲内に抑制され
ることになる。
【0030】請求項6の発明では、素子分離用絶縁膜の
厚みがデバイスの設計に応じて変化しても、常にバーズ
ビークの侵入距離が0.2 μm以下になるように、素子分
離を形成しようとする領域の除去深さの下限値が設定さ
れる。したがって、寸法の微細な電界効果型トランジス
タに対しても、狭チャネル効果が防止され、かつソー
ス,ドレイン領域に対する十分なスペースが確保される
ことになる。
【0031】請求項7の発明では、素子分離を形成しよ
うとする領域の除去深さが20nm以上あることで、寸法が
微細なトランジスタの場合にはバーズビークの侵入距離
が0.2 μm以下に抑制される。したがって、良好な特性
を有する高密度DRAM等を製造することが可能にな
り、かつ後述の不純物イオン注入との関係でパンチスル
ー発生電圧の低下の防止が容易となる。
【0032】また、素子分離を形成しようとする領域の
除去深さが100nm 以下であることで、リーク電流密度が
低く抑制されて、DRAMメモリーセル等では必要なポ
ーズタイム特性が確保され、さらに、低ゲート電圧印加
時においてもトランジスタがオン動作する2重閾値トラ
ンジスタとなるサブスレッショルド特性におけるハンプ
現象の発生が防止され、閾値電圧の変動量も小さく抑制
される。
【0033】請求項8の発明では、素子分離領域におけ
るシリコン基板エッチング深さが素子分離用酸化膜の厚
みの1/3以下とされることで、上述のようなサブスレ
ッショルド特性におけるハンプ現象の発生がより確実に
防止される。
【0034】請求項9の発明では、第1下敷酸化膜のゲ
ート下方となる部分がアンダーカットされるので、バー
ズビークの侵入距離がさらに低減される。
【0035】請求項10の発明では、素子分離領域の形
成後に活性領域及び素子分離領域の全面にパンチスルー
ストッパー形成用不純物イオンが注入されることで、素
子分離形成前に不純物イオンの注入を行う場合のごと
く、サブスレッショルド特性におけるハンプ現象の発生
を生じることがなく、かつ素子分離の形成のための酸化
中に不純物イオンが活性領域に拡散することによる閾値
電圧の上昇いわゆるナローチャネル効果も抑制される。
【0036】
【実施例】以下本発明の実施例の素子分離の形成方法に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0037】(第1実施例)図1(a) 〜(h)は、第1実
施例における素子分離の形成工程における状態の変化を
示す断面図である。
【0038】まず、シリコン基板101 を900 ℃乾燥酸素
雰囲気にて酸化し第1下敷酸化膜102 を10nm形成し、減
圧CVD法によりストレス緩和及び酸素吸収のためのポ
リシリコン膜103 を50nm堆積し、さらにマスクとなる第
1シリコン窒化膜104 を減圧CVD法により200nm 堆積
する(同図(a) 参照)。そして、このシリコン基板に、
素子分離領域Rseに対応する部位が開口されたパターン
を有するフォトレジスト105 を形成し(同図(b) 参
照)、このフォトレジスト105 をマスクとして、第1シ
リコン窒化膜104 、ポリシリコン膜103 、第1下敷酸化
膜102 、ならびにシリコン基板101 を異方性ドライエッ
チング(RIE)して、素子分離領域に対応する部位の
シリコン基板101 を深さEd 分だけ(本実施例ではが50
nm程度)除去する(同図(c) 参照)。
【0039】その後、フォトレジスト105 を除去し、さ
らにウェットエッチングを行うことで第1下敷酸化膜10
2 をパターン側面より30nm後退させアンダーカット106
を形成した後(同図(d) 参照)、シリコン基板101 を90
0 ℃乾燥酸素雰囲気で6nm 酸化することで第2下敷酸化
膜107 を形成し(同図(e) 参照)、さらに、シリコン基
板101 の全面にシリコン窒化膜を減圧CVD法により30
の厚みでnm堆積することで第2シリコン窒化膜108 を形
成する(同図(f) 参照)。
【0040】そして、第2シリコン窒化膜108 を異方性
ドライエッチングすることで、素子分離領域Rse上の第
2シリコン窒化膜108 及び第1シリコン窒化膜104 と一
体化している第2シリコン窒化膜108 を除去し、第1シ
リコン窒化膜104 の側部及び素子分離領域Rse側部の第
2下敷酸化膜107 に、第2シリコン窒化膜108 を残して
なる窒化膜サイドウォール109 を形成する(同図(g) 参
照)。このとき、窒化膜サイドウォール109 の厚みは30
nmである。その後、シリコン基板101 を1000℃ウェット
雰囲気で350nm 酸化させることで、素子分離用酸化膜11
0 を形成する。その結果、各活性領域Rac間を分離する
素子分離領域Rseが形成される(同図(h) 参照)。
【0041】上記第1実施例では、素子分離用酸化膜11
0 形成のための酸化中に酸化種である酸素は第2下敷酸
化膜107 を通り拡散するが、素子分離用酸化膜110 の部
分でシリコン基板101 が所定深さだけエッチングされて
いるために、その分窒化膜サイドウォール109 の下端か
ら活性領域Rac表面までの距離が長くなり、しかも活性
領域Rac上に形成されたポリシリコン膜103 が酸素を吸
収するので、バーズビークの侵入距離Lを短くすること
が可能となる。また、ポリシリコン膜103 のストレス緩
和作用によりシリコン基板101 のストレスが緩和される
ので、電界効果型トランジスタに電気的な悪影響を及ぼ
す結晶欠陥の発生が抑制される。さらに、窒化膜サイド
ウォールの厚みが25nm以上であることで、後述のように
バーズビークの侵入を抑制する効果が大きい。
【0042】(第2実施例)次に、第2実施例について
説明する。図2は第2実施例における素子分離の形成工
程における構造の変化を示す工程断面図である。
【0043】まず、上記第1実施例と同様の手順及び条
件で、第1下敷酸化膜102 、ポリシリコン膜103 及び第
1シリコン窒化膜104 を形成した後、第1シリコン窒化
膜104 の上にエッチングストッパーとなる厚み保持用酸
化膜111 を減圧CVD法にて堆積する(同図(a) 参
照)。
【0044】そして、上記第1実施例と同様の手順及び
条件で、フォトレジスト105 のマスクを形成し(同図
(b) 参照)、厚み保持用酸化膜111 、第1シリコン窒化
膜104、ポリシリコン膜103 、第1下敷酸化膜102 、な
らびにシリコン基板101 の異方性ドライエッチングを行
って、素子分離領域Rseとなる部位のシリコン基板101
を深さEd =50nm分だけ除去する(同図(c) 参照)。
【0045】さらに、上記第1実施例における図1(d)
〜(f) と同様の手順及び条件で、第1下敷酸化膜102 周
囲のアンダーカット106 を形成し(同図(d) 参照)、第
2下敷酸化膜107 を形成し(同図(e) 参照)、第2シリ
コン窒化膜108 を形成する(同図(f) 参照)。
【0046】また、上記第1実施例における図1(g) と
同様の条件で、第2シリコン窒化膜を残してなる窒化膜
サイドウォール109 を形成する(同図(g) 参照)。この
とき、この窒化膜サイドウォール109 の形成時にオーバ
ーエッチングを行った場合においても第1シリコン窒化
膜104 上は厚み保持用酸化膜111 により保護されている
ため、第1シリコン窒化膜104 の膜厚は初期の膜厚に保
たれている。そして、厚み保持用酸化膜111 をウェット
エッチングにより除去した後(同図(h) 参照)、シリコ
ン基板101 を1000℃ウェット雰囲気で350nm 酸化させる
ことで素子分離用酸化膜110 を形成し、各活性領域Rac
間を分離する素子分離領域Rseを形成する(同図(i) 参
照)。
【0047】上記第2実施例では、上記第1実施例と同
様に、窒化膜サイドウォール109 並びにポリシリコン膜
103 の形成によりバーズビークの侵入距離Lを短くしう
るに加え、厚み保持用酸化膜111 によって第1シリコン
窒化膜104 の厚みの低減を防止することができ、オーバ
ーエッチングのために第1シリコン窒化膜104 の厚みが
低減してその押圧力による酸素拡散抑制作用が低下する
のを防止しうる効果がある。
【0048】次に、上記各実施例又は実施例に準じて行
った実験のデータから、素子分離の形成方法の差異によ
る電界効果型トランジスタの特性の相違について具体的
に説明する。
【0049】図3は、DRAMメモリーセル部の素子分
離領域Rseにおけるシリコン基板101 のエッチング深さ
Ed とバーズビークの侵入距離Lとの関係を示す図であ
る。同図では、素子分離用酸化膜110 の厚みを変えてい
る。図中、〇は素子分離用酸化膜110 の厚みが350nm で
第1下敷酸化膜102 にアンダーカットを設けた場合、△
は素子分離用酸化膜110 の厚みが300nm でアンダーカッ
トを設けた場合、+は素子分離用酸化膜110 の厚みが30
0nm でアンダーカットがない場合の値を示す。この図か
らわかるように、従来技術であるRLS−PBL法で
は、窒化膜サイドウォール109 端から活性領域Rac表面
までの距離が短いために(図3のエッチング深さEd =
0の点に相当する)、シリコン基板101 の酸化中に、酸
化種である酸素が第2下敷酸化膜107 を容易に通り拡散
してバーズビークの侵入距離Lが長くなり、同図では
0.36μmにもなって、特にパターンエッジ部分では
顕著な影響を受ける。一方、上記各実施例では、素子分
離用酸化膜110 の部分でシリコン基板101 がエッチング
されているために、その段差の分だけ窒化膜サイドウォ
ール109 の下端から活性領域Racの表面までの距離が長
くなり、活性領域Racへの酸素の拡散が抑制される。し
たがって、バーズビークの侵入距離Lが抑制され、例え
ば上記各実施例のようにエッチング深さEd が50nmの場
合には、バーズビークの侵入距離Lは約0.14μmに低減
されるのである。
【0050】また、同図に示すように、第1下敷酸化膜
をアンダーカットする工程を付加することで、バーズビ
ークの侵入距離Lをさらに低減することができる。ただ
し、このアンダーカット工程は、必ずしも必要ではな
く、省略してもよい。
【0051】ここで、面積0.72μm2 のメモリーセルを
形成する場合、バーズビークの侵入距離Lは0.2 μm以
下に抑制する必要がある。したがって、図3のバーズビ
ーク長L=0.2 μmに対応するシリコン基板エッチング
深さEd の値からわかるように、素子分離用酸化膜110
の厚さが350nm である場合は、素子分離領域Rseにおけ
るシリコン基板エッチング深さEd が30nm以上であるこ
とが好ましい。ただし、素子分離用酸化膜110 の厚さが
300nm の場合は25nmあれば十分である。従って、現実的
な素子分離用酸化膜110 の厚さからすると、エッチング
深さEd は20nm以上であれば十分と思われる。
【0052】また、図4は、素子分離用酸化膜110 の部
分におけるシリコン基板エッチング深さEd に対する各
リーク電流密度値Dir(A/cm 2 )の発生率Fir(%)の
分布を示すヒストグラムである。測定は逆バイアス電圧
3.3 Vを印加して行った。同図からわかるように、シリ
コン基板エッチング深さEd が50nmであれば、リーク電
流密度Dirはすべて 1×10-7(A/cm 2 )に安定して収ま
っており、 5×10-7(A/cm 2 )以上のリーク電流密度D
irは発生していない。一方、シリコン基板エッチング深
さEd が100nm 以上の場合、リーク電流密度Dirの分布
が広がっており、測定チップによっては1桁以上の幅を
もっている。DRAMメモリーセルの素子分離では、D
RAMポーズタイム特性の確保のためにリーク電流を低
く抑制する必要があり、 256M−DRAMでは、リーク
電流密度Dirは 1×10-6(A/cm 2)以下とする必要があ
る。さらに、リーク電流に1桁以上のバラツキがある
と、歩留まりの低下を招く。したがって、シリコン基板
エッチング深さEd は100nm以下であることが好まし
い。
【0053】次に、図5は、シリコン基板エッチング量
Ed と素子分離領域Rseの幅Wと素子分離用酸化膜110
の厚みHとによって、素子分離用酸化膜110 の基板深さ
方向への侵入距離Dがどのように異なるかを示すもので
あって、各々図中に示すエッチング深さEd に対して実
験で得られたデータを示す図である。
【0054】同図からわかるように、素子分離用酸化膜
110 の膜厚Hは、素子分離の形成方法に依存せず素子分
離領域Rseの幅Wのみに依存し、素子分離領域幅Wの減
小とともに減小する。一方、素子分離用酸化膜110 の深
さ方向侵入距離Dは素子分離形成方法に依存する。従来
技術であるRLS−PBL法と同じく従来技術であるL
OCOS法とを同じ素子分離領域幅Wについて比較した
場合、RLS−PBL法では素子分離用酸化膜110 の深
さ方向侵入距離Dが短くなる。つまり、素子分離用酸化
膜110 の分離特性が悪化する。それに対し、本発明の素
子分離の形成方法では、素子分離用酸化膜110 の深さ方
向侵入距離Dは、シリコン基板エッチング深さEd を25
nmとすることで従来のLOCOS法と同程度になり、シ
リコン基板エッチング深さEd を50nmとすることで従来
のLOCOS法以上にすることが可能となる。つまり、
パターンを微細化しながら、分離特性の向上を図ること
ができる。
【0055】一方、シリコン基板エッチング深さEd を
過度に大きくすると、素子分離領域Rseと活性領域Rac
との界面間に大きな段差が発生する。この段差部分にゲ
ート電極が設けられゲート電極に電圧を印加した場合、
段差部分には表面及び側面の両方向から電界が加わりゲ
ート印加電圧が低い状態でも素子分離領域Rseに隣接す
る活性領域Racのみにチャネルが形成される。その結
果、低ゲート電圧印加時にもトランジスタがオン動作す
る2重閾値トランジスタとなり、トランジスタのサブス
レッショルド特性においてハンプ現象が発生し、このよ
うなハンプ特性の発生はトランジスタのオフ特性の劣化
につながるという問題がある。このハンプ現象を防止す
るためには、活性領域Racの側方にチャネルストップの
ための不純物(nチャネルトランジスタではボロンイオ
ン)を注入してもよいが、この不純物の拡散係数は酸素
に比べ大きいために素子分離形成のための酸化中に活性
領域内部に拡散する。その場合、シリコン基板に形成さ
れるデバイス内には、多くの種類のトランジスタが収納
されており、一般に周辺回路部ではゲート幅つまりチャ
ネル幅が数μm程度と広いが、メモリセル部では例えば
0.3 μm程度となり、約10倍程度の相違がある。そし
て、メモリセル部のトランジスタのごとく活性領域Rac
が微細化されたものでは、トランジスタの閾値電圧が過
上昇するいわゆるナローチャネル効果が発生し、閾値が
過上昇するので、高い駆動電圧が必要となる。このこと
は、実用上、トランジスタの寸法の微細化が困難である
ことを意味する。
【0056】一般に、素子分離を形成しようとする領域
を除去して溝を形成する場合、その溝の深さを上記実施
例のごとく素子分離用酸化膜の厚みの1/3以下にする
場合と、前述の特開昭63-217640 号公報に開示される方
法のごとく素子分離用酸化膜の厚みの0.4 〜0.6 倍程度
に深くする場合とでは、活性領域内に形成されるトラン
ジスタの特性について、下記表1のような利点と欠点と
がある。ただし、下記表1において、〇は特性が比較的
優れていることを、◎は特性が非常に優れていること
を、×は特性が悪いことをそれぞれ示す。
【0057】
【表1】 上記表1に示されるように、エッチング深さEd が素子
分離用酸化膜の0.4 〜0.6 倍の場合、バーズビークの侵
入距離の抑制効果とパンチスルー防止効果とに対しては
非常に優れた効果を発揮するが、反面、リーク電流の抑
制とサブスレッショルド特性曲線におけるハンプ現象の
発生つまり閾値の低下の抑制に対しては、逆にマイナス
を生じる結果となる。
【0058】したがって、上述のようなサブスレッショ
ルド特性におけるハンプ現象を確実に防止するために
は、シリコン基板エッチング深さEd を素子分離用酸化
膜110の膜厚Hの1/3程度以下とすることが好まし
い。
【0059】次に、図6は本発明の上記実施例により素
子分離を形成した場合のp−n接合リーク電流Ireを示
す図である。従来技術としては、上記図13に示すよう
なLOCOS形成方法を採用し、下敷酸化膜膜厚が10nm
と厚く、シリコン窒化膜膜厚が160nm と薄く、バーズビ
ークは発生するが素子分離領域形成のための酸化中にシ
リコン基板内へストレスがそれほど加わらず、そのため
結晶欠陥がほとんど発生しないという条件下で形成し
た。p−n接合リーク電流Ireはn+拡散層と基板間の接
合リーク電流の測定により求めている。n+拡散層面積S
並びに周辺長OLはそれぞれ18000 μm2 ,24mmであ
る。本発明による素子分離形成方法を用い素子分離を形
成した場合(図中の実線)も、従来技術により素子分
離を形成した場合(図中の破線)もリーク電流Ireに
は差がない。すなわち、本発明の方法により素子分離を
形成した場合においても、シリコン基板101 内へストレ
スが加わることによる結晶欠陥の発生や、リーク電流I
reの増加を招くことなく素子分離用酸化膜110 の形成が
可能となることがわかる。
【0060】図7は、本発明及び従来の方法によって素
子分離を形成した後、活性領域Racのシリコン基板101
上にゲート酸化膜を形成した場合のゲート酸化膜耐圧を
示し、横軸はブレークダウン電界Vbd、縦軸はブレーク
ダウン頻度Fbdである。従来技術としてはLOCOS形
成方法を用い、下敷酸化膜膜厚が50nmと厚く、シリコン
窒化膜膜厚が120nm と薄く,バーズビークは発生する
が、素子分離領域形成のための酸化中にシリコン基板内
へのストレスによるLOCOS端部でのゲート酸化膜の
極端な薄膜化が発生しない条件下で形成した。ゲート酸
化膜膜厚Toxは9nm 、キャパシター面積Sは10mm2 の試
料を測定した。本発明による素子分離形成と従来技術に
よる素子分離形成を比較しても差は見られない。本発明
により素子分離を形成した場合、シリコン基板101 中へ
のストレスによるゲート酸化膜の薄膜化の発生がない素
子分離用酸化膜形成が可能となることがゲート酸化膜耐
圧劣化評価からも確認された。
【0061】次に、図8は、nチャネルMOSトランジ
スタの素子分離特性をパンチスルー発生電圧Vptにより
評価したものである。上述のごとく、素子分離用酸化膜
110の深さ方向侵入距離Dはシリコン基板エッチング深
さEd の増加と共に増大する。パンチスルー発生電圧V
ptは素子分離用酸化膜110 の深さ方向侵入距離Dが大き
いほど高くなり、素子分離特性が良好となる。このパン
チスルー発生電圧Vptは、パンチスルー発生防止のため
のボロンイオン注入ドーズ量Bidを増大させることで
も、高くすることが可能である。ただし、ボロンイオン
注入ドーズ量Bidの増大はリーク電流の増大を引き起こ
すため、ボロンイオン注入ドーズ量Bidはある程度低く
抑える必要がある。本実験でのボロンイオン注入エネル
ギーは80KeVである。同図に示されるように、シリコン
基板エッチング深さEd が50nmでボロンイオン注入ドー
ズ量Bidが 5×1012cm-2のとき、パンチスルー発生電圧
Vptはその目標値である7V以上になり、良好な特性を
確保しうる。
【0062】図9は、pチャネルMOSトランジスタの
素子分離特性をパンチスルー発生電圧Vptにより評価し
たものである。nチャネルMOSトランジスタの場合と
同様に、素子分離用酸化膜110 の深さ方向侵入距離Dは
シリコン基板エッチング深さEd の増加と共に増大す
る。本実験におけるパンチスルー防止のためのリンイオ
ン注入条件は、注入エネルギーが200 KeVで、注入ドー
ズ量Pidが 4×1012cm-2である。素子分離領域Rseの幅
Wが0.5 μmの場合、シリコン基板エッチング深さ20nm
以上であれば、パンチスルー発生電圧Vptが7V以上に
確保され、良好な特性を得ることができるただし、トラ
ンジスタのゲート幅Wが大きくなると、エッチング深さ
が20nm程度でもパンチスルー発生電圧の発生を防止する
ことができる。。
【0063】また、トランジスタに供給される電圧が低
下した場合、パンチスルーは発生しにくくなる。したが
って、素子分離用酸化膜の膜厚を薄くすることが可能と
なる。一方、トランジスタに供給される電圧が同じで酸
化膜の膜厚が薄い場合、素子分離の形成後、p型もしく
はn型の不純物を活性領域全面にドープしそのドープ量
を増大することで、パンチスルーは発生しにくくなる。
ただし、あまりにドープ量を増大すると、MOSトラン
ジスタのソース,ドレイン領域の接合不純物プロファイ
ルが急峻になりリーク電流が増加するという問題と、ジ
ャンクション接合部の空乏層幅が狭くなるために寄生容
量が増加してトランジスタの高速動作が不能となるとい
う問題とが発生する。
【0064】次に、トランジスタのサブスレッショルド
特性について説明する。
【0065】図10は本発明の上記実施例により素子分
離を形成したシリコン基板上にnチャネルMOSトラン
ジスタを形成した場合のサブスレッショルド特性を示す
図である。トランジスタのゲート幅Gwdは0.3 μm 、ゲ
ート長Glgは1 μm である。本発明によりMOSトラン
ジスタを形成した場合、素子分離形成時に活性領域Rac
の側面へチャネルストップのためのボロンイオン注入は
行っていないにもかかわらずサブスレッショルド特性に
ハンプ現象が発生するという2重閾値トランジスタ特性
は示していない。すなわち、本発明によりMOSトラン
ジスタを形成した場合、活性領域Racの側面へボロンイ
オン注入を行うことによる上述のようなナローチャネル
効果の発生や工程の増加を引き起こすことなく良好なM
OSトランジスタ特性が得られることが確認された。
【0066】図11(a),(b)は、さらにエッチン
グ深さEd がトランジスタのサブスレッショルド特性に
与える影響を調べるために詳細な実験を行った結果を示
すものであり、同図(a)はシリコン基板エッチング深
さEd が50nmm のときのサブスレッショルド特性を、同
図(b)はシリコン基板エッチング深さEd が100nmの
ときのサブスレッショルドを示す。いずれも、トランジ
スタのゲート幅Gwdは1μm、ゲート長Glgは1μmで
あり、横軸はゲート印加電圧Vg を、縦軸はドレイン電
流Id を示し、さらに、図中には基板バイアス電圧Vb
を0Vから-2.0Vまで0.5 V刻みに変化させた場合の特
性を示している。シリコン基板エッチング深さEd が50
nmの場合にはハンプ特性が現れていないが(同図(a)
参照)、シリコン基板エッチング深さEd が100nm の場
合には、基板バイアス電圧Vb の増大と共にハンプ特性
が現れ始める(同図(b)の一点鎖線で囲まれるの部
分参照)。このようなハンプ特性の発生は上述のごとく
トランジスタのオフ特性の劣化につながるが、シリコン
基板エッチング深さEd が100nm 未満であればほとんど
ハンプ現象は生じないことが確認された。
【0067】また、図12は、上記図11のハンプ特性
をナローチャネル特性により評価したもので、横軸はト
ランジスタのゲート幅Gwdを、縦軸は閾値電圧変動量V
cvを示し、シリコン基板エッチング深さEd を0,25,50,
100nm に変化させて得られた特性である。シリコン基板
エッチング深さEd が50nm以下のトランジスタでは閾値
電圧変動量Vcvが0.1 V以下であり問題はないが、シリ
コン基板エッチング深さEd が100nm のものでは、閾値
電圧変動量Vcvが0.22Vと逆ナローチャネル効果が大き
くなっている。一般的に閾値変動量Vcvが閾値の10〜20
%以内であれば問題がないが、閾値の変動量が閾値の10
〜20%を越えると、トランジスタの電流を正確に見積も
ることができなくなる。したがって、メモリやプロセッ
サ等のデバイスでは、クロック信号に正確に同期して作
動させることが困難となる。つまり、実用上、デバイス
の設計をすることができない。一般的に、閾値は0.7 V
程度であるので、閾値の低下量Vcvが0.15V以下であれ
ば、閾値の10〜20%程度の変化に収まる。図12からわ
かるように、シリコン基板のエッチング深さEd が100n
m 未満であれば、ゲート幅Gwdが0.5 μm程度の微細な
トランジスタに対しても閾値の低下量を十分小さく抑制
することができる。また、ナローチャネル特性の評価か
らもシリコン基板のエッチング深さEd が100nm 未満で
あればほとんど問題はない。
【0068】次に、窒化膜サイドウォール109 の厚みが
バーズビークに与える影響について説明する。
【0069】図13は、窒化膜サイドウォール109 の厚
みの変化に対する第1下敷酸化膜102 の厚みの変化を示
し、活性領域の幅L&Sが0.3 μmの場合及び0.35μm
の場合におけるデータである。ただし、ここでいう第1
下敷酸化膜109 の厚みとは、図14に示すように、バー
ズビークの発生によって増大した状態における値であ
る。図13に示すように、窒化膜サイドウォール109 の
厚みが薄いと、第1下敷酸化膜102 の厚みが厚くなり、
窒化膜サイドウォール109 の厚みが25nmを越えると、第
1下敷酸化膜102 の厚みが急激に減小していることが分
かる。なお、図14は、上記図1(h)の時点における
基板の断面状態であるが、便宜上窒化膜サイドウォール
−ポリシリコン膜間の第2下敷酸化膜の図示は省略され
ている。また、図15は、活性領域の幅が0.35μm
の場合における第2窒化膜からなる窒化膜サイドウォー
ルの厚みの変化に対するバーズビーク長の変化を示す。
同図に示されるように、窒化膜サイドウォールの厚みが
25nmになると、急激に減小している。
【0070】図16(a)〜(c)は、素子分離用酸化
膜110 の形成後、窒化膜サイドウォール109 ,第1シリ
コン窒化膜104 ,ポリシリコン膜103 等を除去し、さら
に第1下敷酸化膜102 をエッチングしたときの基板の断
面形状を示す。図16(a)(c)では、理解を容易に
するために、素子分離用酸化膜110 及び第1下敷酸化膜
102 の部分のみを抜き出し、基板の形状は省略してい
る。図16(a)は、第1下敷酸化膜102 をエッチング
する前の状態を示す。図16(b)は、第1下敷酸化膜
102 の厚みが厚い場合で、第1下敷酸化膜102 をエッチ
ングにより除去した後に、バーズビークの部分が残った
状態を示す。このようなバーズビークの残存によって、
活性領域の幅が狭められることになる。図16(c)
は、図16(b)に示す状態からさらにオーバーエッチ
ングを行った状態を示し、素子分離用酸化膜110 が薄く
なった状態を示す。このように、バーズビークによって
第1下敷酸化膜102 が厚くなったときに、オーバーエッ
チングによってバーズビークを完全に除去すると、素子
分離用酸化膜110 の厚みが薄くなってトランジスタのし
きい値電圧の低下を招く虞れがある。また、第1下敷酸
化膜102 のエッチング量の制御は、バーズビークによっ
て第1下敷酸化膜102 の厚みが厚くなるほどより困難と
なる。この点について、以下に詳述する。
【0071】図17(a),(b)は、窒化膜サイドウ
ォール109 の膜厚が30nm,15nmの場合における酸化膜エ
ッチング量とバーズビークの残存状態の変化との関係を
示す。図17(a)に示すように、窒化膜サイドウォー
ル109 の厚みが30nmの場合には、酸化膜エッチング量が
20nmのときに(つまり、オーバーエッチング量は10nmで
ある)、バーズビークの残存長が実質上問題とならない
程度にすることができる。一方、図17(b)に示すよ
うに、窒化膜サイドウォール109 の厚みが15nmの場合に
は、酸化膜エッチング量が30nmのときに(つまり、オー
バーエッチング量が20nmである)、バーズビークの残存
長が実質上問題とならない程度にすることができる。
【0072】次に、図18(a),(b)は、図17
(a),(b)で示されるバーズビークの残存を適正に
するための酸化膜エッチングを行ったときの、バーズビ
ークの残存長のバラツキを示す。ここで、第1下敷酸化
膜102 を除去する際のオーバーエッチングのバラツキを
20%(±10%)として、以下、バーズビークの残存長の
バラツキについて論ずる。図18(a)に示すように、
窒化膜サイドウォール109 の膜厚が30nmのときには、オ
ーバーエッチングを10nm行うと、バーズビークの残存長
のバラツキは活性領域の幅0.35μmに対して5.14%とな
る。一方、窒化膜サイドウォール109 の膜厚が15nmのと
きには、オーバーエッチングを20nm行うと、バーズビー
クの残存長のバラツキは8.57%となる。このように、窒
化膜サイドウォール109 の膜厚が薄い場合には、バーズ
ビークの残存長のバラツキが大きいので、活性領域に形
成されるトランジスタの幅もバラツキが大きくなる。そ
して、トランジスタの電気的特性のうち特に飽和電流の
バラツキが大きくなる。さらに、飽和電流の減小は論理
回路の処理能力(つまり処理速度)が低下を生ぜしめ、
集積回路の性能が劣化する。通常、トランジスタの飽和
電流値は、10%のバラツキの範囲内に管理されている
が、フォトリソグラフィー工程,ドライエッチングにお
ける寸法のバラツキが上記酸化膜エッチングのバラツキ
に重畳するので、8.57%というような大きなバラツキ
は、実用上大きな問題となる。それを以下に説明する。
【0073】一般的に、2つのバラツキ要因(a,b)
がある場合の合計バラツキ(c)は、下記式 c=√(a+b) で表される。以下、この式を用い、活性領域0.35μmに
おいて第1下敷酸化膜102 除去のためのオーバーエッチ
ングによるバラツキ(a)から、フォトリソグラフィ
ー,ドライエッチング工程でのバラツキに対する余裕度
を評価する。
【0074】窒化膜サイドウォールの膜厚が30nmの場
合、ウェットエッチングによるバラツキは±0.009 μm
なので、 0.035 =√(0.018 2 +b2 ),b=0.030 となり、余裕度は±0.015 μmとなる。
【0075】一方、窒化膜サイドウォールの膜厚が15nm
の場合、ウェットエッチングによるバラツキは±0.015
μmなので、 0.035 =√(0.030 2 +b2 ) となり、余裕度は±0.009 μmになる。
【0076】以上のように、窒化膜サイドウォールの膜
厚が減小することで、オーバーエッチングによる第1下
敷酸化膜102 のバーズビークの残存長のバラツキが大き
くなった場合、フォトリソグラフィー,ドライエッチン
グ工程でのバラツキに対する余裕度は、±0.015 μmか
ら±0.009 μmへと減小してしまう。この余裕度±0.00
9 μmは、バラツキが5%以下であることを要し、大量
生産を考慮した場合、実質的に使用不可能である。した
がって、トランジスタにおいて、飽和電流のバラツキが
10%以下となるよう確保するためには、酸化膜のオーバ
ーエッチングのバラツキを5%以下とする必要があり、
窒化膜サイドウォールの膜厚は30nm程度少なくとも25nm
以上必要となる。
【0077】なお、上記第1,第2実施例において、第
1下敷酸化膜102 をシリコン基板101 を酸化することで
形成したが、CVD酸化膜を堆積し形成してもよい。
【0078】また、第1,第2実施例において、ストレ
ス緩和並びに酸素吸収用のシリコン膜をポリシリコン膜
103 としたが、アモルファスシリコン膜を形成しても、
同様の効果を得ることができる。
【0079】また、第2実施例において、厚み保持用酸
化膜111 をウェットエッチングにより除去したがドライ
エッチングを用い除去しても良いことは言うまでもな
い。
【0080】さらに、通常の工程ではパンチスルースト
ッパー形成用不純物のイオン注入を、ポリシリコン膜や
第2シリコン窒化膜の形成前に行うが、上記実施例で
は、素子分離の形成後にイオン注入を行っている。ただ
し、このパンチスルーストッパー形成用不純物のイオン
注入は必ずしも行う必要はない。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、シリコン基板の表面領域に、電界効果型トラン
ジスタが形成される活性領域を他の領域から分離するた
めの素子分離を形成する方法として、シリコン基板表面
に第1下敷酸化膜,シリコン膜及び第1シリコン窒化膜
を順次形成した後、第1シリコン窒化膜,シリコン膜,
第1下敷酸化膜及びシリコン基板をエッチングして、シ
リコン基板の素子分離領域に対応する部位を形成しよう
とする素子分離用酸化膜に発生するバーズビークの侵入
距離と形成しようとする電界効果型トランジスタのしき
い値の低下とが適正範囲になるような深さまで除去し
て、その後シリコン基板及びシリコン膜表面部の第2下
敷酸化膜の形成、基板全面への第2シリコン窒化膜の形
成、第1シリコン窒化膜の側部及びシリコン基板の段差
部の側部における厚み25nmを越えるシリコン窒化膜サイ
ドウォールの形成、素子分離用酸化膜の形成、を行うよ
うにしたので、活性領域表面へのバーズビークの侵入距
離の抑制と、電界効果型トランジスタの特性の悪化の防
止とを図ることができる。
【0082】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明の工程に加えて、第1シリコン窒化膜の上に厚み保
持用酸化膜を形成する工程を設けたので、上記請求項1
の発明の効果に加え、第1シリコン窒化膜の酸素拡散抑
制作用の低下を有孔に防止することができる。
【0083】請求項3の発明によれば、上記請求項1又
は2の発明において、素子分離を形成しようとする領域
の除去深さの上限を所定値以下に設定したので、活性領
域に形成される電界効果型トランジスタの種類に応じ、
電界効果型トランジスタの閾値の低下を有孔に防止する
ことができる。
【0084】請求項4の発明によれば、上記請求項3の
発明において、活性領域に形成される電界効果型トラン
ジスタの閾値の低下が0.15V以下になるように素子分離
の除去深さの上限を設定さしたので、メモリやプロセッ
サにおけるクロック周波数に対する同期機能等の諸特性
の悪化を有効に防止することができる。
【0085】請求項5の発明によれば、上記請求項1,
2,3又は4の発明において、素子分離用酸化膜の厚み
を考慮してバーズビークの侵入距離が所定値以下になる
ように、素子分離を形成しようとする領域の除去深さの
下限値を定めるようにしたので、バーズビークの侵入距
離を適正範囲内に抑制することができる。
【0086】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
において、シリコン基板のエッチング深さの下限値を、
素子分離用絶縁膜の厚みを考慮してバーズビークの侵入
距離が0.2 μm以下になるように、設定したので、寸法
の微細な電界効果型トランジスタに対しても、狭チャネ
ル効果の防止と、ソース,ドレイン領域のスペースの確
保とを図ることができる。
【0087】請求項7の発明によれば、請求項1,2,
3,4,5又は6の発明において、シリコン基板のエッ
チング深さを20nm〜100nm に設定したので、良好な特性
を有する高密度DRAM等の製造と、パンチスルー発生
電圧の低下の防止と、リーク電流密度の抑制と、ハンプ
現象の発生の防止とを図ることができる。
【0088】請求項8の発明によれば、上記請求項1,
2,3,4,5又は6の発明において、シリコン基板の
エッチング深さを素子分離用酸化膜の厚みの1/3以下
としたので、閾値の低下をさらに確実に防止することが
できる。
【0089】請求項9の発明によれば、上記請求項1,
2,3,4,5,6,7又は8の発明において、第1下
敷酸化膜を除去する工程では、等方的エッチングを用い
てアンダーカットを形成するようにしたので、バーズビ
ークの侵入距離をさらに低減することができる。
【0090】請求項10の発明によれば、上記請求項
1,2,3,4,5,6,7,8又は9の発明の工程に
加えて、素子分離領域の形成後に活性領域及び素子分離
領域の全面にパンチスルーストッパー形成用不純物イオ
ンを注入する工程を設けたので、サブスレッショルド特
性におけるハンプ現象の発生を防止しながら、狭チャネ
ル効果を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における素子分離の形成方法を示す
工程断面図である。
【図2】第2実施例における素子分離の形成方法を示す
工程断面図である。
【図3】本発明をDRAMメモリーセルに適用した場合
におけるバーズビーク侵入距離のシリコン基板エッチン
グ量依存特性を示す図である。
【図4】シリコン基板エッチング深さに対するリーク電
流密度の発生頻度を示すヒストグラムである。
【図5】素子分離用酸化膜の基板深さ方向侵入距離のシ
リコン基板エッチング量依存特性を示す図である。
【図6】p−n接合逆バイアス電圧に対するリーク電流
の特性について、本発明と従来技術とを比較する特性図
である。
【図7】ブレークダウンゲート酸化膜耐圧について、本
発明と従来技術とを比較する図である。
【図8】nチャネルMOSトランジスタにおけるボロン
イオン注入ドーズ量に対するパンチスルー発生電圧の変
化に関する実験データを示す図である。
【図9】リンイオンを注入したpチャネルMOSトラン
ジスタのシリコン基板エッチング量に対するパンチスル
ー発生電圧の変化に関する実験データを示す図である。
【図10】nチャネルMOSトランジスタにおけるサブ
スレッショルド特性を示す図である。
【図11】エッチング深さがサブスレッショルド特性に
与える影響についての実験データを示す図である。
【図12】トランジスタ幅に対する閾値電圧変動量の実
験データを示す図である。
【図13】窒化膜サイドウォールの膜厚の変化に対する
第1下敷酸化膜の厚みの変化を示す図である。
【図14】素子分離用酸化膜を形成した時点における第
1下敷酸化膜の形状の詳細を示す断面図である。
【図15】窒化膜サイドウォールの膜厚の変化に対する
バーズビーク長の変化を示す図である。
【図16】第1下敷酸化膜のエッチング前及びオーバー
エッチングを行った後の断面形状の変化を示す模式図で
ある。
【図17】酸化膜エッチングのエッチング量の変化に対
する残存バーズビークの形状の変化を示す模式図であ
る。
【図18】酸化膜エッチングのエッチング量のバラツキ
が±10%の場合における活性領域の幅のバラツキを説明
するための模式図である。
【図19】従来のLOCOS法による素子分離の形成方
法を示す工程断面図である。
【図20】従来のRLS−PBL法による素子分離の形
成方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】
101 シリコン基板 102 第1下敷酸化膜 103 ポリシリコン膜 104 第1シリコン窒化膜 105 フォトレジスト 106 アンダーカット 107 第2下敷酸化膜 108 第2シリコン窒化膜 109 窒化膜サイドウォール 110 素子分離用酸化膜 111 厚み保持用酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/8242 27/108 H01L 27/10 325 S

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板の表面領域に、電界効果型
    トランジスタが形成される活性領域を他の領域から分離
    するための素子分離を形成する方法であって、 シリコン基板を酸化して第1下敷酸化膜を形成する工程
    と、 上記第1下敷酸化膜上にシリコン膜を形成する工程と、 上記シリコン膜上に第1シリコン窒化膜を形成する工程
    と、 素子分離領域に対応する部位が開口されたパターンのマ
    スクを用いて、上記第1シリコン窒化膜、シリコン膜、
    第1下敷酸化膜及びシリコン基板をエッチングして、シ
    リコン基板の素子分離を形成しようとする部位を、形成
    しようとする素子分離用酸化膜に発生するバーズビーク
    の侵入距離と形成しようとする電界効果型トランジスタ
    のしきい値の低下とが適正範囲になるような深さまで除
    去する工程と、 上記シリコン基板及びシリコン膜を酸化し、その表面部
    に第2下敷酸化膜を形成する工程と、 上記第2下敷酸化膜を形成した基板の全面に第2シリコ
    ン窒化膜を形成する工程と、 少なくとも上記素子分離領域の第2シリコン窒化膜を除
    去し、第1シリコン窒化膜の側部,シリコン膜の側部及
    びシリコン基板の段差部の側部に厚み25nmを越える第2
    シリコン窒化膜からなるシリコン窒化膜サイドウォール
    を残すよう異方性エッチングを行う工程と、 上記第1シリコン窒化膜ならびに第2シリコン窒化膜を
    マスクとし、上記シリコン基板を選択的に酸化して素子
    分離用酸化膜を形成する工程と、 上記素子分離用酸化膜を形成した後に、上記第1,第2
    シリコン窒化膜及びシリコン膜を除去する工程と、 上記第1下敷酸化膜をエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする素子分離の形成方法。
  2. 【請求項2】 シリコン基板の表面領域に、電界効果型
    トランジスタが形成される活性領域を他の領域から分離
    するための素子分離を形成する方法であって、 シリコン基板を酸化して第1下敷酸化膜を形成する工程
    と、 上記第1下敷酸化膜上にシリコン膜を形成する工程と、 上記シリコン膜上に第1シリコン窒化膜を形成する工程
    と、 上記第1シリコン窒化膜上に厚み保持用酸化膜を形成す
    る工程と、 素子分離領域に対応する部位が開口されたパターンのマ
    スクを用いて、上記厚み保持用酸化膜,第1シリコン窒
    化膜,シリコン膜,第1下敷酸化膜及びシリコン基板を
    エッチングして、シリコン基板の素子分離を形成しよう
    とする部位を、形成しようとする素子分離用酸化膜に発
    生するバーズビークの侵入距離と形成しようとする電界
    効果型トランジスタのしきい値の低下とが適正範囲にな
    るような深さまで除去する工程と、 上記シリコン基板及びシリコン膜を酸化し、その表面部
    に第2下敷酸化膜を形成する工程と、 上記第2下敷酸化膜を形成した基板の全面に第2シリコ
    ン窒化膜を形成する工程と、 少なくとも上記素子分離領域の第2シリコン窒化膜を除
    去し、第1シリコン窒化膜の側部,シリコン膜の側部及
    びシリコン基板の段差部の側部に厚み25nmを越える第2
    シリコン窒化膜からなるシリコン窒化膜サイドウォール
    を残すよう異方性エッチングする工程と、 上記第1シリコン窒化膜ならびに第2シリコン窒化膜を
    マスクとし、シリコン基板を選択的に酸化して素子分離
    用酸化膜を形成する工程と、 上記素子分離用酸化膜を形成した後に、上記厚み保持用
    酸化膜を除去する工程と、 上記第1,第2シリコン窒化膜及びシリコン膜を除去す
    る工程と、 上記第1下敷酸化膜をエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする素子分離の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の素子分離の形成方
    法において、 上記シリコン基板の素子分離を形成しようとする部位を
    除去する工程では、除去する部分の深さの上限値を、電
    界効果型トランジスタのしきい値の低下が所定値以下に
    なるように設定することを特徴とする素子分離の形成方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の素子分離の形成方法にお
    いて、 上記シリコン基板の素子分離を形成しようとする部位を
    除去する工程では、除去する部分の深さの上限値を、形
    成しようとする電界効果型トランジスタのしきい値の低
    下が0.15V以下になるように設定することを特徴とする
    素子分離の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載の素子分離
    の形成方法において、 上記シリコン基板の素子分離を形成しようとする部位を
    除去する工程では、除去する部分の深さの下限値を、素
    子分離用酸化膜の厚みを考慮して、素子分離用酸化膜の
    バーズビークの侵入距離が所定値以下になるように設定
    することを特徴とする素子分離の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の素子分離の形成方法にお
    いて、 上記シリコン基板の素子分離を形成しようとする部位を
    除去する工程では、除去する部分の深さの下限値は、素
    子分離用酸化膜の厚みを考慮して、形成しようとする素
    子分離用酸化膜のバーズビークの侵入距離が0.2 μm以
    下になるように設定することを特徴とする素子分離の形
    成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5又は6記載の
    素子分離の形成方法において、 上記シリコン基板の素子分離を形成しようとする部位を
    除去する工程では、除去する部分の深さが、20nm〜100n
    m であることを特徴とする素子分離の形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5又は6記載の
    素子分離の形成方法において、 上記シリコン基板の素子分離を形成しようとする部位を
    除去する工程では、除去する部分の深さの上限が、形成
    しようとする素子分離の厚みの1/3であることを特徴
    とする素子分離の形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7又は
    8記載の素子分離の形成方法において、 上記第1下敷酸化膜をエッチングにより除去する工程で
    は、等方的なエッチング方法を用いアンダーカットを形
    成するように行うことを特徴とする素子分離の形成方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8又は9記載の素子分離の形成方法において、 素子分離領域の形成後、活性領域及び素子分離領域の全
    面にパンチスルーストッパー形成用不純物イオンを注入
    する工程を含むことを特徴とする素子分離の形成方法。
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