JPH08224706A - 圧縮木質材およびその製造方法 - Google Patents
圧縮木質材およびその製造方法Info
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Abstract
分のみの比重を高めて表裏に硬質層を形成し、軽量であ
りながら、曲げ強度、表面性状、寸法安定性に優れ、反
りやねじれの発生のない圧縮木質材を提供する。 【構成】 繊維飽和点以下に含水率調整された木質材1
を熱盤間にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロース
の軟化点温度以上であって且つ非結晶成分の前記調整後
の含水率における軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮
し、その後解圧、冷却することにより、木質材の表裏両
面に圧密化された硬質層2を形成する。
Description
られる圧縮木質材に関する。
密化は、木質材を湿潤状態とするか、あるいは水蒸気雰
囲気中で加湿して、木質材を高含水率とした状態で行わ
れている。
中に多量の水分が存在する状態で加熱圧縮による圧密化
を行うため、水が可塑剤、特に木材の主要成分中のヘミ
セルロース、リグニン等の非結晶成分に対して可塑剤と
して大きく作用し、それらの軟化点温度をそれぞれ60
℃程度にまで低下させ、木質材の可塑性を増大させるも
のである。
率状態で木質材の加熱圧縮を行う場合、木質材の内部に
存在する水分の高蒸気圧力が解圧時には圧密化状態を復
元しようとする力として働き、さらに解圧によるスプリ
ングバック現象とあいまって、圧密化状態を維持するこ
とが困難である。また、特に比重の低い木質材において
は、該高蒸気圧力が一瞬のうちに放出されることにより
パンク(層間剥離)が発生するおそれがある。
状態のままで冷却することも考えられるが、生産性がき
わめて低く、コストを大幅に上昇させてしまう。
密化状態を維持することができたとしても、高含水率状
態にある木質材全体が圧密化されることから、高比重の
木質材となってしまう。
問題点を解消することを目的として創案されたものであ
って、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材の加熱
圧縮により表裏両面に圧密化された硬質層が形成されて
なることを特徴とする圧縮木質材である。
は、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材を熱盤間
にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロースの軟化点
温度以上であって且つ非結晶成分の前記調整後の含水率
における軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮し、その後
解圧、冷却することにより、木質材の表裏両面に圧密化
された硬質層を形成することを特徴とする。
材、あるいは集成材、単板積層材、合板、パーティクル
ボード、繊維板等の加工材が用いられる。これら木材材
としては、針葉樹材、広葉樹材のいずれもが使用可能で
あり、特に柔らかいもの、低比重のものが好適に用いら
れる。
燥されて、繊維飽和点以下の含水率に調整される。ここ
で言う繊維飽和点以下の含水率とは、好ましくは35%
以下の含水率を意味する。
は、上下の熱盤の間隔を規制する一般にディスタンスバ
ーと呼ばれる厚さ規制治具が取り付けられたホットプレ
ス装置の熱盤間に挿入される。
80〜95%、より好ましくは82〜92%の厚さを有
するものが用いられる。言い換えれば、木質材の圧縮率
が5〜20%、より好ましくは8〜18%となるよう
に、厚さ規制治具が取り付けられる。
面に対する圧密化が不十分となり、硬質層として必要な
強度を得ることができない。逆に木質材の圧縮率が20
%を越えると表裏両面の圧密化が十分になされて硬質層
としての必要強度が得られるものの、全体比重が高くな
って重量増を招き、また、過大な圧縮率を与えることは
原料材のロスが大きくなるために歩留まりが低下し、コ
ストアップの原因となるので好ましくない。
材の樹種、材自体の比重、得ようとする表面硬度等に応
じて任意に選択することができ、該圧縮率に対応して厚
さ規制治具をセットする。
ス装置の上下熱盤間に挿入された木質材は、熱圧圧締に
より加熱圧縮され、表裏両面において圧密化されて硬質
層を形成する。
晶成分であるセルロースの軟化点温度以上であって且つ
非結晶成分の前記調整後の含水率における軟化点温度以
上の温度として行われる。
材自体の比重、柔らかさ等に応じて任意設定されるが、
圧締の際に前記厚さ規制治具が用いられて必要圧縮率が
得られるため、圧締時間3〜15分、圧締圧力5〜25
kg/cm2とすることが好ましい。
縮された木質材は、熱盤と直に接する表裏面より徐々に
中心部に向けて熱軟化および圧締力による圧密化が進行
するが、繊維飽和点以下の低含水率に調整されているこ
とから熱伝達が比較的緩慢であり、木質材の表裏部分の
みが圧密化される。このように、熱圧時においても木質
材自体の温度が全体に高くなることがないため、その後
の解圧により容易に冷却される。しかも、木材組織中に
は繊維質であるセルロースが熱軟化することなく残存し
ており、熱圧時に軟化溶融したヘミセルロース、リグニ
ンがセルロースに対して接着剤として作用するため、熱
圧圧締後の解圧に伴う木質材のスプリングバックが最小
限に抑えられ、表裏両面に圧密化された硬質層が形成さ
れる。
−2007による木材の硬さ試験方法において4.5k
gf/mm2以上であることが好ましい。硬質層が4.
5kgf/mm2に満たないと、表面の耐衝撃性が不十
分となって傷がつきやすくなり、また、圧密化が不十分
であるために材自体の曲げ強度の向上がなされず、疎水
性、膨潤率、吸水率を減少させることもできないので寸
法安定化が達成されない。
にワイヤブラシ掛け、サンダー掛け等により微細溝を形
成することができる。微細溝は硬質層の表面積を増大さ
せ、またそれによる投錨効果が発揮されるので、硬質層
表面に塗装や柄模様印刷等を施す際の塗膜密着力を向上
させ、あるいは化粧紙、合成樹脂シート等の化粧材を貼
着する際の接着力を向上させる。
温度は、木質材の含水率にかかわらず200〜250℃
でほぼ一定しているが、非結晶成分であるヘミセルロー
ス、リグニンの軟化点温度は木質材の含水率によって大
きく変化し、絶乾状態におけるヘミセルロース、リグニ
ンの軟化点温度はそれぞれ約180℃、約150℃であ
るが、木質材の繊維飽和点である35%の含水率におい
てはともに軟化点温度が60℃付近まで低下する。すな
わち、実質的に非可塑性であるセルロースと異なり、ヘ
ミセルロースおよびリグニンは繊維飽和点以下であって
も木質材に含有される水分が可塑剤として作用して可塑
化する。
5%の含水率に調整された木質材の場合は、約60〜約
200℃の範囲の熱圧温度とすることにより、結晶成分
であるセルロースはほとんど軟化させずに、組織細胞内
において非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンを
熱軟化させることができる。
ような温度で加熱圧縮することにより、木質材の表裏近
くの部分のみが圧密化されて硬質層が形成される。
示し、木質材1の表裏両面には圧密化による硬質層2、
2が形成されている。
0mm、長さ100mm、全体比重約0.5のアガチス
無垢挽材を、繊維飽和点以下の低含水率(19〜21
%)に乾燥した後に、25mmの厚さ規制治具を取り付
けたホットプレス装置の熱盤間に挿入し、熱盤温度16
0℃、圧締圧力10kgf/cm2、圧締時間15分間
の条件にて加熱圧締したところ、得られた厚さ25mm
の圧縮無垢挽材の表裏面よりそれぞれ約8〜10mmの
厚さ範囲において比重0.6〜1.0の硬質層2、2が
形成され、その内側中心部3の比重は圧密化処理前の全
体比重(約0.5)のままでほぼ一定であった。また、
硬質層の硬さは4.5〜16.5kgf/mm2であ
り、圧密化処理前の材硬さ2.6〜3.4kgf/mm
2に比して著しく向上したものであった。
なく、木質材の表裏のみの比重を高めて硬質層が形成さ
れるため、軽量でありながら、曲げ強度、表面平滑性、
表面硬度等のの向上が図られ、また、表裏のバランスが
保たれることから反りやねじれを発生させることがな
い。
非結晶成分であるヘミセルロース、リグニンが一旦軟化
溶融された後に圧縮された高密度に硬化して形成される
ものであるため、疎水性の被膜となり、圧密化による親
水性の低減とあいまって、膨潤率および吸水率を減少さ
せることができ、木質材の寸法安定性を大幅に向上させ
る。
図である。
法は、繊維飽和点以下に含水率調整された木質材を熱盤
間にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロースの軟化
点温度以下であって且つ非結晶成分の前記調整後の含水
率における軟化点温度以上の温度にて加熱圧縮し、その
後解圧、冷却することにより、木質材の表裏両面に圧密
化された硬質層を形成することを特徴とする。
結晶成分であるセルロースの軟化点温度以下であって且
つ非結晶成分の前記調整後の含水率における軟化点温度
以上の温度として行われる。
Claims (4)
- 【請求項1】 繊維飽和点以下に含水率調整された木
質材の加熱圧縮により表裏両面に圧密化された硬質層が
形成されてなることを特徴とする圧縮木質材。 - 【請求項2】 前記硬質層の硬さが4.5kgf/m
m2以上であることを特徴とする請求項1の圧縮木質
材。 - 【請求項3】 繊維飽和点以下に含水率調整された木
質材を熱盤間にはさみ、木質材の結晶成分であるセルロ
ースの軟化点温度以上であって且つ非結晶成分の前記調
整後の含水率における軟化点温度以上の温度にて加熱圧
縮し、その後解圧、冷却することにより、木質材の表裏
両面に圧密化された硬質層を形成することを特徴とする
圧縮木質材の製造方法。 - 【請求項4】 加熱圧締の際に前記熱盤間に厚さ調整
治具を介在させて前記木質材の圧縮率を5〜20%とす
ることを特徴とする請求項3の圧縮木質材の製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2014124801A (ja) * | 2012-12-25 | 2014-07-07 | Mywood 2 Kk | 植物成型体及びその成型方法 |
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- 1995-02-21 JP JP7055268A patent/JP3032769B2/ja not_active Expired - Fee Related
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