JPH08219150A - シール付スラスト軸受 - Google Patents
シール付スラスト軸受Info
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- JPH08219150A JPH08219150A JP2436695A JP2436695A JPH08219150A JP H08219150 A JPH08219150 A JP H08219150A JP 2436695 A JP2436695 A JP 2436695A JP 2436695 A JP2436695 A JP 2436695A JP H08219150 A JPH08219150 A JP H08219150A
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- outer peripheral
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/72—Sealings
- F16C33/76—Sealings of ball or roller bearings
- F16C33/761—Sealings of ball or roller bearings specifically for bearings with purely axial load
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C21/00—Combinations of sliding-contact bearings with ball or roller bearings, for exclusively rotary movement
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C17/00—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
- F16C17/02—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for radial load only
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/22—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
- F16C19/30—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for axial load mainly
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 転動体4設置部分に雨水等が入り込む事を確
実に防止すると共に、第一〜第三各シールリング19〜
21の耐久性を確保する。 【構成】 下側軌道輪17の内外周両端部に嵌合固定し
た第一、第二シールリング19、20を構成する第一、
第二シールリップ28、32の先端縁を、下面側軌道5
に摺接させる。上側軌道輪18の外周端部に嵌合固定し
た第三シールリング21を構成する第三、第四シールリ
ップ36、37の先端縁を、アッパーサポート38或は
上部ばねシート1の表面に摺接若しくは近接させる。上
側軌道輪18の内周部にはスリーブ14を設け、このス
リーブ14の内周面を上部ばねシート1に設けた固定側
円筒部15の外周面に対向させて、ラジアル滑り軸受を
構成する。
実に防止すると共に、第一〜第三各シールリング19〜
21の耐久性を確保する。 【構成】 下側軌道輪17の内外周両端部に嵌合固定し
た第一、第二シールリング19、20を構成する第一、
第二シールリップ28、32の先端縁を、下面側軌道5
に摺接させる。上側軌道輪18の外周端部に嵌合固定し
た第三シールリング21を構成する第三、第四シールリ
ップ36、37の先端縁を、アッパーサポート38或は
上部ばねシート1の表面に摺接若しくは近接させる。上
側軌道輪18の内周部にはスリーブ14を設け、このス
リーブ14の内周面を上部ばねシート1に設けた固定側
円筒部15の外周面に対向させて、ラジアル滑り軸受を
構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明に係るシール付スラスト軸
受は、自動車の前輪を支持する懸架装置を構成する為の
ストラットに組み込んだ状態で使用する。
受は、自動車の前輪を支持する懸架装置を構成する為の
ストラットに組み込んだ状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】操舵輪である自動車の前輪を支持する為
の懸架装置のうち、ストラット式の懸架装置の場合は、
オイルダンパを構成するダンパケースを、車体に対して
昇降自在に支持する。上記前輪は、このダンパケースの
下端部に固設された枢軸に回転自在に支持され、上記オ
イルダンパは車体に対して回転自在に支持される。従っ
て、上記オイルダンパを構成するロッドの上端部と車体
との間には、このロッドをスラスト荷重を支承しつつ回
転自在に支持する為の、スラスト軸受が必要になる。
の懸架装置のうち、ストラット式の懸架装置の場合は、
オイルダンパを構成するダンパケースを、車体に対して
昇降自在に支持する。上記前輪は、このダンパケースの
下端部に固設された枢軸に回転自在に支持され、上記オ
イルダンパは車体に対して回転自在に支持される。従っ
て、上記オイルダンパを構成するロッドの上端部と車体
との間には、このロッドをスラスト荷重を支承しつつ回
転自在に支持する為の、スラスト軸受が必要になる。
【0003】実際のストラットの場合には、上記ロッド
の上端部に上部ばねシートを、上記ダンパケースの中間
部に下部ばねシートを、それぞれ固定している。そし
て、上記上部ばねシートの下面と上記下部ばねシートの
上面との間に圧縮ばねを設けて、上記オイルダンパに下
方に向く弾力を付与している。即ち、車輪と車体との間
には上記圧縮ばねを設け、この圧縮ばねによって、車体
の重量を支えている。上記スラスト軸受は、上記上部ば
ねシートの上面と、車体側に設けた取付板部の下面との
間に設けられる。即ち、上記スラスト軸受を上記ロッド
の上端部周囲に設け、このスラスト軸受によって、上部
ばねシートと取付板部との間に作用するスラスト荷重を
支承している。上記スラスト軸受は取付板部の下面に直
接突き当てる他、アッパーサポートと呼ばれるスペーサ
を介して突き当てる場合もある。
の上端部に上部ばねシートを、上記ダンパケースの中間
部に下部ばねシートを、それぞれ固定している。そし
て、上記上部ばねシートの下面と上記下部ばねシートの
上面との間に圧縮ばねを設けて、上記オイルダンパに下
方に向く弾力を付与している。即ち、車輪と車体との間
には上記圧縮ばねを設け、この圧縮ばねによって、車体
の重量を支えている。上記スラスト軸受は、上記上部ば
ねシートの上面と、車体側に設けた取付板部の下面との
間に設けられる。即ち、上記スラスト軸受を上記ロッド
の上端部周囲に設け、このスラスト軸受によって、上部
ばねシートと取付板部との間に作用するスラスト荷重を
支承している。上記スラスト軸受は取付板部の下面に直
接突き当てる他、アッパーサポートと呼ばれるスペーサ
を介して突き当てる場合もある。
【0004】この様な部分に使用し、上記ロッドに加わ
るスラスト荷重を支承しつつこのロッドの回転を許容す
ると共に、内側に雨水や泥水等(以下、単に『雨水等』
とする。)が進入する事を防止するスラスト軸受として
従来から、実公昭62−24819号公報に記載された
構造のシール付スラスト軸受が知られている。図4に示
したシール付スラスト軸受は、これら実公昭62−24
819号公報及び米国特許第4466751号明細書に
記載されたスラスト軸受を示している。尚、上記上部ば
ねシートと取付板部との間に作用する荷重は殆どスラス
ト荷重であるが、ラジアル荷重も僅かとは言え作用す
る。この為従来一般的には、これら上部ばねシートと取
付板部との間に、スラスト軸受に加えてラジアル軸受も
組み込んでいる。これに対して、図4に示した構造の場
合には、スラスト荷重を主に支承する他、比較的小さな
ラジアル荷重も支承自在としている。
るスラスト荷重を支承しつつこのロッドの回転を許容す
ると共に、内側に雨水や泥水等(以下、単に『雨水等』
とする。)が進入する事を防止するスラスト軸受として
従来から、実公昭62−24819号公報に記載された
構造のシール付スラスト軸受が知られている。図4に示
したシール付スラスト軸受は、これら実公昭62−24
819号公報及び米国特許第4466751号明細書に
記載されたスラスト軸受を示している。尚、上記上部ば
ねシートと取付板部との間に作用する荷重は殆どスラス
ト荷重であるが、ラジアル荷重も僅かとは言え作用す
る。この為従来一般的には、これら上部ばねシートと取
付板部との間に、スラスト軸受に加えてラジアル軸受も
組み込んでいる。これに対して、図4に示した構造の場
合には、スラスト荷重を主に支承する他、比較的小さな
ラジアル荷重も支承自在としている。
【0005】図4は、シール付スラスト軸受を、懸架装
置を構成する相手部材である上部ばねシート1の上面に
載置した状態で示している。このシール付スラスト軸受
は、それぞれが軸受鋼等の硬質金属により円輪状に造ら
れた上側軌道輪2と下側軌道輪3との間に、やはり同様
の硬質金属により造られた複数の転動体4を転動自在に
設ける事により構成されている。このうちの上側軌道輪
2は、下面に下面側軌道5を、内周縁部(図4の左縁
部)に上方に突出する内側円筒部6(請求項の第二内周
側円筒部に相当)を、それぞれ有する。又、この上側軌
道輪2の外周縁部(図4の右縁部)には、下方に折れ曲
がった円筒部7(請求項の第二外周側円筒部に相当)を
形成している。
置を構成する相手部材である上部ばねシート1の上面に
載置した状態で示している。このシール付スラスト軸受
は、それぞれが軸受鋼等の硬質金属により円輪状に造ら
れた上側軌道輪2と下側軌道輪3との間に、やはり同様
の硬質金属により造られた複数の転動体4を転動自在に
設ける事により構成されている。このうちの上側軌道輪
2は、下面に下面側軌道5を、内周縁部(図4の左縁
部)に上方に突出する内側円筒部6(請求項の第二内周
側円筒部に相当)を、それぞれ有する。又、この上側軌
道輪2の外周縁部(図4の右縁部)には、下方に折れ曲
がった円筒部7(請求項の第二外周側円筒部に相当)を
形成している。
【0006】一方、上記下側軌道輪3は、上面に上面側
軌道8を有する。又、この下側軌道輪3の外周縁部(図
4の右縁部)には、上方に折れ曲がった円筒部9(請求
項の第一外周側円筒部に相当)を形成している。スラス
ト軸受の組立時にこの円筒部9は、上記円筒部7の外側
(図4の右側)に位置する。この円筒部9の内径寸法は
円筒部7の外径寸法よりも大きい為、スラスト軸受を組
み立てた状態で円筒部9の内周面(図4の左面)と上記
円筒部7の外周面(図4の右面)との間には、微小な隙
間が介在する。従って、上記上側軌道輪2と下側軌道輪
3との相対回転は自在である。
軌道8を有する。又、この下側軌道輪3の外周縁部(図
4の右縁部)には、上方に折れ曲がった円筒部9(請求
項の第一外周側円筒部に相当)を形成している。スラス
ト軸受の組立時にこの円筒部9は、上記円筒部7の外側
(図4の右側)に位置する。この円筒部9の内径寸法は
円筒部7の外径寸法よりも大きい為、スラスト軸受を組
み立てた状態で円筒部9の内周面(図4の左面)と上記
円筒部7の外周面(図4の右面)との間には、微小な隙
間が介在する。従って、上記上側軌道輪2と下側軌道輪
3との相対回転は自在である。
【0007】又、上記円筒部9には、芯金10とシール
材11とから成り全体が円環状である、シールリング1
2を外嵌している。このうちのシール材11の先端縁
(図4の上端縁)は、自由状態で上記上側軌道輪2の上
面よりも上方に突出している。そして、懸架装置を組み
立てた状態でこの先端縁は、前記アッパーサポート等、
前記取付板部側に設けられ、上記上側軌道輪2の上面に
当接する部材の下面に弾性的に当接する。そしてこの下
面と摺接し、上記シールリング12の内側に雨水等が進
入する事を防止する。前記複数の転動体4は、保持器1
3により保持された状態で、上記上面側軌道8と下面側
軌道5との間に転動自在に設けられている。尚、支承す
べきスラスト荷重が小さい場合、転動体4として図示の
ころに代えて、玉を使用する場合もある。
材11とから成り全体が円環状である、シールリング1
2を外嵌している。このうちのシール材11の先端縁
(図4の上端縁)は、自由状態で上記上側軌道輪2の上
面よりも上方に突出している。そして、懸架装置を組み
立てた状態でこの先端縁は、前記アッパーサポート等、
前記取付板部側に設けられ、上記上側軌道輪2の上面に
当接する部材の下面に弾性的に当接する。そしてこの下
面と摺接し、上記シールリング12の内側に雨水等が進
入する事を防止する。前記複数の転動体4は、保持器1
3により保持された状態で、上記上面側軌道8と下面側
軌道5との間に転動自在に設けられている。尚、支承す
べきスラスト荷重が小さい場合、転動体4として図示の
ころに代えて、玉を使用する場合もある。
【0008】更に、前記内側円筒部6には、ポリアミド
樹脂(ナイロン)、ポリアセタール、ポリ四弗化エチレ
ン(PTFE)等の、滑り易い合成樹脂により円筒状に
造られたスリーブ14を外嵌固定している。軸受装置を
懸架装置に組み付けるべく、前記下側軌道輪3の下面を
前記上部ばねシート1の上面に当接させた状態で、この
スリーブ14の内周面(図4の左面)は、前記上部ばね
シート1の内周縁に形成された固定側円筒部15の外周
面(図4の右面)に、ラジアル微小隙間16を介して対
向する。
樹脂(ナイロン)、ポリアセタール、ポリ四弗化エチレ
ン(PTFE)等の、滑り易い合成樹脂により円筒状に
造られたスリーブ14を外嵌固定している。軸受装置を
懸架装置に組み付けるべく、前記下側軌道輪3の下面を
前記上部ばねシート1の上面に当接させた状態で、この
スリーブ14の内周面(図4の左面)は、前記上部ばね
シート1の内周縁に形成された固定側円筒部15の外周
面(図4の右面)に、ラジアル微小隙間16を介して対
向する。
【0009】この様な構造の軸受装置の場合、車両重量
に応じて加わるスラスト荷重は、複数の転動体4により
支承する。又、旋回時に生じる遠心力に伴う応力等、ス
トラットの軸に対し直角方向に加わる力によるラジアル
荷重は、上記スリーブ14の内周面と固定側円筒部15
の外周面とを摺接させる事で、上記上部ばねシート1に
支承させる。
に応じて加わるスラスト荷重は、複数の転動体4により
支承する。又、旋回時に生じる遠心力に伴う応力等、ス
トラットの軸に対し直角方向に加わる力によるラジアル
荷重は、上記スリーブ14の内周面と固定側円筒部15
の外周面とを摺接させる事で、上記上部ばねシート1に
支承させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成される
従来のシール付スラスト軸受の場合、次の〜の様な
点を改良する事が望まれている。 シールリング12による雨水等の進入防止効果が不
完全になる可能性がある。即ち、上記シールリング12
を構成するシール材11の先端縁が摺接するアッパーサ
ポート等の下面の平面度は、転動体4の転動面と当接す
る下面側軌道5及び上面側軌道8に比べれば劣り、表面
に微妙な凹凸が存在する場合がある。この様な場合に
は、上記シール材11の先端縁とアッパーサポート等の
下面との間に僅かな隙間が形成され、この隙間を通じて
雨水等が、上記シールリング12の内側に入り込む可能
性がある。 下側軌道輪3を載置する上部ばねシート1の上面に
も、やはり微妙な凹凸が存在する場合があり、この様な
場合にはこの上部ばねシート1の上面と上記下側軌道輪
3の下面との間に僅かな隙間が形成される。そして、こ
の隙間を通じて雨水等が、上記下側軌道輪3の内径側に
達し、複数の転動体4の設置部分に進入する可能性があ
る。 微妙な凹凸が存在するアッパーサポート等の下面と
摺接するシールリング12のシール材11の弾性変形量
(撓み量)が、このアッパーサポート等と上記上部ばね
シート1との相対回転に伴って絶えず変化する。この結
果、上記シール材11の基部と芯金10との接着面にも
絶えず応力が加わり、長期間に亙る使用によりこの接着
面が剥れて、上記シール材11が芯金10から外れる可
能性がある。 走行時に車輪が跳ね上げた砂利等の小さくて硬い異
物が、上記下側軌道輪3の下面と上部ばねシート1の上
面との間に食い込む可能性があり、食い込んだ場合には
上記下側軌道輪3を変形させて、スラスト軸受の機能を
損なわせる可能性がある。本発明のシール付スラスト軸
受は、これら〜の様な不都合を何れも解消する事を
目的に考えられたものである。
従来のシール付スラスト軸受の場合、次の〜の様な
点を改良する事が望まれている。 シールリング12による雨水等の進入防止効果が不
完全になる可能性がある。即ち、上記シールリング12
を構成するシール材11の先端縁が摺接するアッパーサ
ポート等の下面の平面度は、転動体4の転動面と当接す
る下面側軌道5及び上面側軌道8に比べれば劣り、表面
に微妙な凹凸が存在する場合がある。この様な場合に
は、上記シール材11の先端縁とアッパーサポート等の
下面との間に僅かな隙間が形成され、この隙間を通じて
雨水等が、上記シールリング12の内側に入り込む可能
性がある。 下側軌道輪3を載置する上部ばねシート1の上面に
も、やはり微妙な凹凸が存在する場合があり、この様な
場合にはこの上部ばねシート1の上面と上記下側軌道輪
3の下面との間に僅かな隙間が形成される。そして、こ
の隙間を通じて雨水等が、上記下側軌道輪3の内径側に
達し、複数の転動体4の設置部分に進入する可能性があ
る。 微妙な凹凸が存在するアッパーサポート等の下面と
摺接するシールリング12のシール材11の弾性変形量
(撓み量)が、このアッパーサポート等と上記上部ばね
シート1との相対回転に伴って絶えず変化する。この結
果、上記シール材11の基部と芯金10との接着面にも
絶えず応力が加わり、長期間に亙る使用によりこの接着
面が剥れて、上記シール材11が芯金10から外れる可
能性がある。 走行時に車輪が跳ね上げた砂利等の小さくて硬い異
物が、上記下側軌道輪3の下面と上部ばねシート1の上
面との間に食い込む可能性があり、食い込んだ場合には
上記下側軌道輪3を変形させて、スラスト軸受の機能を
損なわせる可能性がある。本発明のシール付スラスト軸
受は、これら〜の様な不都合を何れも解消する事を
目的に考えられたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のシール付スラス
ト軸受は、下側軌道輪と、上側軌道輪と、複数の転動体
と、第一〜第三シールリングと、スリーブとを備える。
このうちの下側軌道輪は、上面に上面側軌道を、外周縁
部に上方に突出する第一外周側円筒部を、内周縁部に上
方に突出する第一内周側円筒部を、それぞれ有する。
又、上記上側軌道輪は、下面に上記上面側軌道と対向す
る下面側軌道を、外周縁部に上記第一外周側円筒部の外
径寸法よりも大きな内径寸法を有し下方に突出する第二
外周側円筒部を、内周縁部に上方に突出する第二内周側
円筒部を、それぞれ有する。又、上記複数の転動体は、
上記上面側軌道と下面側軌道との間に転動自在に設けら
れている。又、上記第一シールリングは、全体を円環状
に形成されて上記第一外周側円筒部の内径側に嵌合支持
されている。又、上記第二シールリングは、全体を円環
状に形成されて上記第一内周側円筒部の内径側に嵌合支
持されている。又、上記第三シールリングは、全体を円
環状に形成されて上記第二外周側円筒部の外径側に嵌合
支持されている。更に、上記スリーブは、上記第二内周
側円筒部の内径側に支持されてラジアル滑り軸受を構成
する。
ト軸受は、下側軌道輪と、上側軌道輪と、複数の転動体
と、第一〜第三シールリングと、スリーブとを備える。
このうちの下側軌道輪は、上面に上面側軌道を、外周縁
部に上方に突出する第一外周側円筒部を、内周縁部に上
方に突出する第一内周側円筒部を、それぞれ有する。
又、上記上側軌道輪は、下面に上記上面側軌道と対向す
る下面側軌道を、外周縁部に上記第一外周側円筒部の外
径寸法よりも大きな内径寸法を有し下方に突出する第二
外周側円筒部を、内周縁部に上方に突出する第二内周側
円筒部を、それぞれ有する。又、上記複数の転動体は、
上記上面側軌道と下面側軌道との間に転動自在に設けら
れている。又、上記第一シールリングは、全体を円環状
に形成されて上記第一外周側円筒部の内径側に嵌合支持
されている。又、上記第二シールリングは、全体を円環
状に形成されて上記第一内周側円筒部の内径側に嵌合支
持されている。又、上記第三シールリングは、全体を円
環状に形成されて上記第二外周側円筒部の外径側に嵌合
支持されている。更に、上記スリーブは、上記第二内周
側円筒部の内径側に支持されてラジアル滑り軸受を構成
する。
【0012】そして、上記第一シールリングは上記下面
側軌道の外径寄り部分に摺接する第一シールリップを、
上記第二シールリングは上記下面側軌道の内径寄り部分
に摺接する第二シールリップを、それぞれ備える。これ
ら第一、第二両シールリップはそれぞれ、長さ寸法が厚
さ寸法の2〜4倍あり、それぞれ自由状態で上記下面側
軌道とのなす角度が20〜45度である。又、上記第一
シールリップは上部程外径側に向かう方向に傾斜してお
り、上記第二シールリップは上部程内径側に向かう方向
に傾斜している。更に、上記第三シールリングは、上方
に延びて上記上側軌道輪を支持する部材の表面に摺接若
しくは近接する第三シールリップと、下方に延びて上記
下側軌道輪を支持する部材の表面に摺接若しくは近接す
る第四のシールリップと、これら第三、第四の両シール
リップを補強すべく、これら両シールリップの内径側に
設けられて上記第二外周側円筒部に外嵌固定された芯金
とを備える。
側軌道の外径寄り部分に摺接する第一シールリップを、
上記第二シールリングは上記下面側軌道の内径寄り部分
に摺接する第二シールリップを、それぞれ備える。これ
ら第一、第二両シールリップはそれぞれ、長さ寸法が厚
さ寸法の2〜4倍あり、それぞれ自由状態で上記下面側
軌道とのなす角度が20〜45度である。又、上記第一
シールリップは上部程外径側に向かう方向に傾斜してお
り、上記第二シールリップは上部程内径側に向かう方向
に傾斜している。更に、上記第三シールリングは、上方
に延びて上記上側軌道輪を支持する部材の表面に摺接若
しくは近接する第三シールリップと、下方に延びて上記
下側軌道輪を支持する部材の表面に摺接若しくは近接す
る第四のシールリップと、これら第三、第四の両シール
リップを補強すべく、これら両シールリップの内径側に
設けられて上記第二外周側円筒部に外嵌固定された芯金
とを備える。
【0013】
【作用】上述の様に構成される本発明のシール付スラス
ト軸受が、スラスト荷重を支承する際の作用自体は、前
述した従来の軸受装置と同様である。特に、本発明の軸
受装置の場合には、次の〜の様な機能により、内部
への雨水等の進入を防止し、且つ十分な耐久性を確保で
きる。 下側軌道輪の径方向両端部に設けられた第一、第二
両シールリングを構成する第一、第二両シールリップの
先端縁が、下面側軌道の外径寄り部分及び内径寄り部分
に摺接するので、転動体設置部分に雨水等が入り込む事
を確実に防止できる。即ち、各シールリップの先端縁が
摺接する下面側軌道は高度の平坦面に形成されている
為、これら各シールリップの先端縁と下面側軌道との間
に隙間が形成される事はなく、上記両シールリングによ
るシール性は良好になる。 上部ばねシート等、下側軌道輪を載置した部材の上
面とこの下側軌道輪の下面との間に存在する僅かな隙間
を通じて、雨水等が上記下側軌道輪の内径側に達した場
合でも、下側軌道輪の内径側に装着した第二シールリン
グが、この雨水等が複数の転動体の設置部分に進入する
事を阻止する。 第一、第二両シールリップの先端縁が摺接する下面
側軌道は高度の平坦面であり、下側軌道輪と上側軌道輪
との相対回転に伴って上記各シールリップの弾性変形量
が変化する事はない。従って、上記各シールリップの基
部と、これら各シールリップを補強する為の芯金との接
着面に応力が加わらず、長期間に亙る使用によっても、
上記シールリップが芯金から外れる事はない。 走行時に車輪が跳ね上げた砂利等の小さくて硬い異
物は、第三シールリングに遮られて下側軌道輪の下面と
この下側軌道輪を載置した部材の上面との間に食い込む
事はない。従って、上記異物により、シール付スラスト
軸受の機能を損なう事はない。
ト軸受が、スラスト荷重を支承する際の作用自体は、前
述した従来の軸受装置と同様である。特に、本発明の軸
受装置の場合には、次の〜の様な機能により、内部
への雨水等の進入を防止し、且つ十分な耐久性を確保で
きる。 下側軌道輪の径方向両端部に設けられた第一、第二
両シールリングを構成する第一、第二両シールリップの
先端縁が、下面側軌道の外径寄り部分及び内径寄り部分
に摺接するので、転動体設置部分に雨水等が入り込む事
を確実に防止できる。即ち、各シールリップの先端縁が
摺接する下面側軌道は高度の平坦面に形成されている
為、これら各シールリップの先端縁と下面側軌道との間
に隙間が形成される事はなく、上記両シールリングによ
るシール性は良好になる。 上部ばねシート等、下側軌道輪を載置した部材の上
面とこの下側軌道輪の下面との間に存在する僅かな隙間
を通じて、雨水等が上記下側軌道輪の内径側に達した場
合でも、下側軌道輪の内径側に装着した第二シールリン
グが、この雨水等が複数の転動体の設置部分に進入する
事を阻止する。 第一、第二両シールリップの先端縁が摺接する下面
側軌道は高度の平坦面であり、下側軌道輪と上側軌道輪
との相対回転に伴って上記各シールリップの弾性変形量
が変化する事はない。従って、上記各シールリップの基
部と、これら各シールリップを補強する為の芯金との接
着面に応力が加わらず、長期間に亙る使用によっても、
上記シールリップが芯金から外れる事はない。 走行時に車輪が跳ね上げた砂利等の小さくて硬い異
物は、第三シールリングに遮られて下側軌道輪の下面と
この下側軌道輪を載置した部材の上面との間に食い込む
事はない。従って、上記異物により、シール付スラスト
軸受の機能を損なう事はない。
【0014】又、上記第一、第二両シールリップの形状
を規制した事により、これら両シールリップの先端縁と
下面側軌道との摺接部での摩擦を小さくして、シール付
スラスト軸受の回転トルクを小さく抑える事ができる。
を規制した事により、これら両シールリップの先端縁と
下面側軌道との摺接部での摩擦を小さくして、シール付
スラスト軸受の回転トルクを小さく抑える事ができる。
【0015】更に、第三、第四両シールリップは、必ず
しも十分な平面度を持たない、上側軌道輪を支持する部
材の表面並びに下側軌道輪を支持する部材の表面に摺接
若しくは近接し、使用時に絶えず弾性変形量が変化する
可能性があるが、これら両シールリップは何れも、芯金
の外径側に設けられて、この芯金の外周面に向けて常に
弾性的に押し付けられているので、これら第三、第四両
シールリップが芯金から分離する事はない。
しも十分な平面度を持たない、上側軌道輪を支持する部
材の表面並びに下側軌道輪を支持する部材の表面に摺接
若しくは近接し、使用時に絶えず弾性変形量が変化する
可能性があるが、これら両シールリップは何れも、芯金
の外径側に設けられて、この芯金の外周面に向けて常に
弾性的に押し付けられているので、これら第三、第四両
シールリップが芯金から分離する事はない。
【0016】
【実施例】図1〜3は本発明の実施例を示している。本
発明のシール付スラスト軸受は、下側軌道輪17と、上
側軌道輪18と、複数の転動体4と、第一〜第三シール
リング19〜21と、スリーブ14とを備える。
発明のシール付スラスト軸受は、下側軌道輪17と、上
側軌道輪18と、複数の転動体4と、第一〜第三シール
リング19〜21と、スリーブ14とを備える。
【0017】このうちの下側軌道輪17は、硬質金属製
で全体を円輪状に造られており、上面に上面側軌道8を
有し、使用時にはアッパーサポート1の上面に載置され
る。又、この下側軌道輪17の外周縁部には、上方に突
出する第一外周側円筒部22を、内周縁部にはやはり上
方に突出する第一内周側円筒部23を、それぞれ形成し
ている。尚、上記第一外周側円筒部22の高さ寸法H22
は好ましくは、上記下側軌道輪17の厚さ寸法T17以上
で、この厚さ寸法T17の2倍以下(T17≦H22≦2
T17)としている。この高さ寸法H22は、第一外周側円
筒部22の上端縁と下面側軌道5とが干渉しない範囲で
大きくできるが、大きくする事によるメリットは少な
い。従って、次述する第一シールリング19の係止を確
実にできる程度の高さに抑えるべく、上記範囲とする。
一方、上記上側軌道輪18は、やはり硬質金属製で全体
を円輪状に造られており、下面に上記上面側軌道8と対
向する下面側軌道5を有する。又、この上側軌道輪18
の外周縁部には、上記第一外周側円筒部22の外径寸法
よりも少しだけ大きな内径寸法を有し下方に突出する第
二外周側円筒部24を、内周縁部には、反対に上方に突
出する第二内周側円筒部25を、それぞれ形成してい
る。上記第二外周側円筒部24の高さ寸法は十分に大き
くし、この第二外周側円筒部24と上記第一外周側円筒
部22とが、直径方向に重畳する様にしている。又、上
記第二内周側円筒部25も、スリーブ14を確実に保持
すべく、十分に大きな高さ寸法を有する。又、やはり硬
質金属により造られた、上記複数の転動体4は、円輪状
の保持器13により放射方向に配置された状態で、上記
上面側軌道8と下面側軌道5との間に転動自在に設けら
れている。
で全体を円輪状に造られており、上面に上面側軌道8を
有し、使用時にはアッパーサポート1の上面に載置され
る。又、この下側軌道輪17の外周縁部には、上方に突
出する第一外周側円筒部22を、内周縁部にはやはり上
方に突出する第一内周側円筒部23を、それぞれ形成し
ている。尚、上記第一外周側円筒部22の高さ寸法H22
は好ましくは、上記下側軌道輪17の厚さ寸法T17以上
で、この厚さ寸法T17の2倍以下(T17≦H22≦2
T17)としている。この高さ寸法H22は、第一外周側円
筒部22の上端縁と下面側軌道5とが干渉しない範囲で
大きくできるが、大きくする事によるメリットは少な
い。従って、次述する第一シールリング19の係止を確
実にできる程度の高さに抑えるべく、上記範囲とする。
一方、上記上側軌道輪18は、やはり硬質金属製で全体
を円輪状に造られており、下面に上記上面側軌道8と対
向する下面側軌道5を有する。又、この上側軌道輪18
の外周縁部には、上記第一外周側円筒部22の外径寸法
よりも少しだけ大きな内径寸法を有し下方に突出する第
二外周側円筒部24を、内周縁部には、反対に上方に突
出する第二内周側円筒部25を、それぞれ形成してい
る。上記第二外周側円筒部24の高さ寸法は十分に大き
くし、この第二外周側円筒部24と上記第一外周側円筒
部22とが、直径方向に重畳する様にしている。又、上
記第二内周側円筒部25も、スリーブ14を確実に保持
すべく、十分に大きな高さ寸法を有する。又、やはり硬
質金属により造られた、上記複数の転動体4は、円輪状
の保持器13により放射方向に配置された状態で、上記
上面側軌道8と下面側軌道5との間に転動自在に設けら
れている。
【0018】又、上記第一シールリング19は、全体を
円環状に形成されて、上記第一外周側円筒部22の内径
側に嵌合支持されている。この第一シールリング19
は、軟鋼板等の金属板製で断面L字形の芯金26と、ゴ
ム、エラストマー等の弾性材製でこの芯金26の外周面
及び上面側に添着されたシール材27とから成る。そし
て、このシール材27は、第一シールリップ28を有す
る。この第一シールリップ28は、上部程外径側(図
1、3の右側)に向かう方向に傾斜して、その先端縁を
下面側軌道5に摺接自在としている。尚、図面では第一
シールリップ28(及び後述する第二〜第三シールリッ
プ)の断面形状を自由状態のまま描いている。この様な
第一シールリング19は、上記シール材27の外径を弾
性的に縮めつつ、このシール材27を上記第一外周側円
筒部22に内嵌する事で、この第一外周側円筒部22に
内嵌固定している。
円環状に形成されて、上記第一外周側円筒部22の内径
側に嵌合支持されている。この第一シールリング19
は、軟鋼板等の金属板製で断面L字形の芯金26と、ゴ
ム、エラストマー等の弾性材製でこの芯金26の外周面
及び上面側に添着されたシール材27とから成る。そし
て、このシール材27は、第一シールリップ28を有す
る。この第一シールリップ28は、上部程外径側(図
1、3の右側)に向かう方向に傾斜して、その先端縁を
下面側軌道5に摺接自在としている。尚、図面では第一
シールリップ28(及び後述する第二〜第三シールリッ
プ)の断面形状を自由状態のまま描いている。この様な
第一シールリング19は、上記シール材27の外径を弾
性的に縮めつつ、このシール材27を上記第一外周側円
筒部22に内嵌する事で、この第一外周側円筒部22に
内嵌固定している。
【0019】この様に第一シールリング19を装着し、
下側軌道輪17と上側軌道輪18とを組み合わせた状態
で、上記第一シールリップ28の先端縁は、上記下面側
軌道5の外径寄り部分に摺接する。勿論、組み合わせに
伴って、この第一シールリップ28は弾性変形する。上
記先端縁は、この弾性変形に基づく弾力により、上記下
面側軌道5に押し付けられる。この押し付け力を適正値
に規制すべく、第一シールリップ28の長さ寸法L
28は、その厚さ寸法T28の2〜4倍(L28=(2〜4)
T28)とし、自由状態でこの第一シールリップ28と下
面側軌道5とがなす角度θ28は20〜45度(θ28=2
0〜45度)としている。又、上記下側軌道輪17と上
側軌道輪18との組み合わせに伴う、第一シールリップ
28の先端縁の軸方向(図1、3の上下方向)に亙る弾
性変位量δ28は、好ましくは、上記厚さ寸法T28の0.
5〜2倍程度(δ28≒(0.5〜2)T28)にする。但
し、この弾性変位量δ28が上記押し付け力に及ぼす影響
は、上記長さ寸法L28や角度θ28程は大きくない。従っ
て、上記弾性変位量δ28が上記値から多少ずれても良
い。
下側軌道輪17と上側軌道輪18とを組み合わせた状態
で、上記第一シールリップ28の先端縁は、上記下面側
軌道5の外径寄り部分に摺接する。勿論、組み合わせに
伴って、この第一シールリップ28は弾性変形する。上
記先端縁は、この弾性変形に基づく弾力により、上記下
面側軌道5に押し付けられる。この押し付け力を適正値
に規制すべく、第一シールリップ28の長さ寸法L
28は、その厚さ寸法T28の2〜4倍(L28=(2〜4)
T28)とし、自由状態でこの第一シールリップ28と下
面側軌道5とがなす角度θ28は20〜45度(θ28=2
0〜45度)としている。又、上記下側軌道輪17と上
側軌道輪18との組み合わせに伴う、第一シールリップ
28の先端縁の軸方向(図1、3の上下方向)に亙る弾
性変位量δ28は、好ましくは、上記厚さ寸法T28の0.
5〜2倍程度(δ28≒(0.5〜2)T28)にする。但
し、この弾性変位量δ28が上記押し付け力に及ぼす影響
は、上記長さ寸法L28や角度θ28程は大きくない。従っ
て、上記弾性変位量δ28が上記値から多少ずれても良
い。
【0020】又、上記第二シールリング20は、全体を
円環状に形成されて、上記第一内周側円筒部23の内径
側(図1〜2の左側)に嵌合支持されている。この第二
シールリング20は、断面が略倒立L字形の芯金29
と、弾性材製でこの芯金29の内周面に添着されたシー
ル材30とから成る。この様な第二シールリング20を
上記第一内周側円筒部23に固定するには、先ず、上記
芯金29を第一内周側円筒部23に内嵌し、この芯金2
9の上端に形成した外方折れ曲がり部31の下面を上記
第一内周側円筒部23の上端縁に当接させる。次いで、
上記芯金29の下部を上記第一内周側円筒部23の基部
に形成された湾曲部に向け直径方向外側にかしめ広げ
る。この様な第二シールリング20を構成する、上記シ
ール材30は、第二シールリップ32を有する。この第
二シールリップ32は、上部程内径側に向かう方向に傾
斜しており、その先端縁は、上記下面側軌道5の内径寄
り部分に摺接している。
円環状に形成されて、上記第一内周側円筒部23の内径
側(図1〜2の左側)に嵌合支持されている。この第二
シールリング20は、断面が略倒立L字形の芯金29
と、弾性材製でこの芯金29の内周面に添着されたシー
ル材30とから成る。この様な第二シールリング20を
上記第一内周側円筒部23に固定するには、先ず、上記
芯金29を第一内周側円筒部23に内嵌し、この芯金2
9の上端に形成した外方折れ曲がり部31の下面を上記
第一内周側円筒部23の上端縁に当接させる。次いで、
上記芯金29の下部を上記第一内周側円筒部23の基部
に形成された湾曲部に向け直径方向外側にかしめ広げ
る。この様な第二シールリング20を構成する、上記シ
ール材30は、第二シールリップ32を有する。この第
二シールリップ32は、上部程内径側に向かう方向に傾
斜しており、その先端縁は、上記下面側軌道5の内径寄
り部分に摺接している。
【0021】上述の様に第二シールリング20を装着
し、下側軌道輪17と上側軌道輪18とを組み合わせた
状態で、上記第二シールリップ32の先端縁は、上記下
面側軌道5の内径寄り部分に摺接する。勿論、組み合わ
せ時にこの第二シールリップ32は弾性変形する。上記
先端縁は、この弾性変形に基づく弾力により上記下面側
軌道5に、弾性的に押し付けられる。この押し付け力を
適正値に規制すべく、上記第二シールリップ32の長さ
寸法L32は、前述した第一シールリップ28と同様に、
その厚さ寸法T32の2〜4倍(L32=(2〜4)T32)
とし、自由状態でこの第二シールリップ32と下面側軌
道5とがなす角度θ32は20〜45度(θ32=20〜4
5度)としている。又、上記下側軌道輪17と上側軌道
輪18との組み合わせに伴う、第二シールリップ32の
先端縁の軸方向(図1〜2の上下方向)に亙る弾性変位
量δ32は、上記厚さ寸法T32の0.5〜2倍程度(δ32
≒(0.5〜2)T32)にする。この弾性変位量δ
32も、前記第一シールリップ28の弾性変位量δ28と同
様に、それ程厳密に規制する必要はない。
し、下側軌道輪17と上側軌道輪18とを組み合わせた
状態で、上記第二シールリップ32の先端縁は、上記下
面側軌道5の内径寄り部分に摺接する。勿論、組み合わ
せ時にこの第二シールリップ32は弾性変形する。上記
先端縁は、この弾性変形に基づく弾力により上記下面側
軌道5に、弾性的に押し付けられる。この押し付け力を
適正値に規制すべく、上記第二シールリップ32の長さ
寸法L32は、前述した第一シールリップ28と同様に、
その厚さ寸法T32の2〜4倍(L32=(2〜4)T32)
とし、自由状態でこの第二シールリップ32と下面側軌
道5とがなす角度θ32は20〜45度(θ32=20〜4
5度)としている。又、上記下側軌道輪17と上側軌道
輪18との組み合わせに伴う、第二シールリップ32の
先端縁の軸方向(図1〜2の上下方向)に亙る弾性変位
量δ32は、上記厚さ寸法T32の0.5〜2倍程度(δ32
≒(0.5〜2)T32)にする。この弾性変位量δ
32も、前記第一シールリップ28の弾性変位量δ28と同
様に、それ程厳密に規制する必要はない。
【0022】又、前記第三シールリング21は、全体を
円環状に形成されて、前記第二外周側円筒部24の外径
側に嵌合支持されている。この第三シールリング21
は、断面が略L字形の芯金33と、弾性材製でこの芯金
33の外周面に添着されたシール材34とから成る。こ
の様な第三シールリング21を上記第二外周側円筒部2
4に固定するには、先ず、上記芯金33を第二外周側円
筒部24に外嵌し、この芯金33の下端に形成した内方
折れ曲がり部35の下面を上記第二外周側円筒部24の
下端縁に当接させる。次いで、上記芯金33の上部を上
記第二外周側円筒部24の基部に形成された湾曲部に向
け直径方向内側にかしめ付ける。又、上記内方折れ曲が
り部35の内径を、前記第一外周側円筒部22の外径よ
りも少し小さくして、上記内方折れ曲がり部35の内周
縁と上記第一外周側円筒部22の外周縁とを係合自在と
している。従って、シール付スラスト軸受を組み付け前
に於いても、前記下側軌道輪17と上側軌道輪18とが
分離する事がなくなり、シール付スラスト軸受の取り扱
い性が向上する。
円環状に形成されて、前記第二外周側円筒部24の外径
側に嵌合支持されている。この第三シールリング21
は、断面が略L字形の芯金33と、弾性材製でこの芯金
33の外周面に添着されたシール材34とから成る。こ
の様な第三シールリング21を上記第二外周側円筒部2
4に固定するには、先ず、上記芯金33を第二外周側円
筒部24に外嵌し、この芯金33の下端に形成した内方
折れ曲がり部35の下面を上記第二外周側円筒部24の
下端縁に当接させる。次いで、上記芯金33の上部を上
記第二外周側円筒部24の基部に形成された湾曲部に向
け直径方向内側にかしめ付ける。又、上記内方折れ曲が
り部35の内径を、前記第一外周側円筒部22の外径よ
りも少し小さくして、上記内方折れ曲がり部35の内周
縁と上記第一外周側円筒部22の外周縁とを係合自在と
している。従って、シール付スラスト軸受を組み付け前
に於いても、前記下側軌道輪17と上側軌道輪18とが
分離する事がなくなり、シール付スラスト軸受の取り扱
い性が向上する。
【0023】この様な第三シールリング21を構成す
る、上記シール材34は、上方に延びる第三シールリッ
プ36と、下方に延びる第四シールリップ37とを備え
る。このうちの第三シールリップ36の先端縁は、前記
上側軌道輪18を支持する部材の表面である、アッパー
サポート38の下面に摺接している。又、上記第四シー
ルリップ37の先端縁は、前記下側軌道輪17を支持す
る部材の表面である、上部ばねシート1の肩部表面に近
接させている。これら、第三、第四両シールリップ3
6、37は、後述する様に、小さな固形異物が入り込む
のを防止する為のものであるから、相手面との当接圧は
零若しくは僅小で良い。従って、これら両シールリップ
36、37の存在に基づく、シール付スラスト軸受の回
転トルクの増大は零若しくは僅小である。
る、上記シール材34は、上方に延びる第三シールリッ
プ36と、下方に延びる第四シールリップ37とを備え
る。このうちの第三シールリップ36の先端縁は、前記
上側軌道輪18を支持する部材の表面である、アッパー
サポート38の下面に摺接している。又、上記第四シー
ルリップ37の先端縁は、前記下側軌道輪17を支持す
る部材の表面である、上部ばねシート1の肩部表面に近
接させている。これら、第三、第四両シールリップ3
6、37は、後述する様に、小さな固形異物が入り込む
のを防止する為のものであるから、相手面との当接圧は
零若しくは僅小で良い。従って、これら両シールリップ
36、37の存在に基づく、シール付スラスト軸受の回
転トルクの増大は零若しくは僅小である。
【0024】更に、前記スリーブ14は、滑り易い合成
樹脂により円筒状に造られて、上記第二内周側円筒部2
5の内径側に内嵌支持されている。そして、このスリー
ブ14の内周面と、上記上部ばねシート1の内周縁部に
形成した固定側円筒部15の外周面とを、ラジアル微小
隙間16を介して対向させる事で、ラジアル滑り軸受を
構成している。
樹脂により円筒状に造られて、上記第二内周側円筒部2
5の内径側に内嵌支持されている。そして、このスリー
ブ14の内周面と、上記上部ばねシート1の内周縁部に
形成した固定側円筒部15の外周面とを、ラジアル微小
隙間16を介して対向させる事で、ラジアル滑り軸受を
構成している。
【0025】上述の様に構成される本発明のシール付ス
ラスト軸受は、下側、上側両軌道輪17、18の間部分
に設けた転動体4により、上部ばねシート1とアッパー
サポート38との相対回転を許容しつつ、これら両部材
1、38同士の間に加わるスラスト荷重を支承する。
又、これら両部材1、38同士の間にラジアル荷重が加
わった場合には、上記スリーブ14の内周面が上記固定
側円筒部15の外周面と摺接する事で、これら両部材
1、38同士の相対回転を許容しつつ、これら両部材
1、38同士の間に加わるラジアル荷重を支承する。
ラスト軸受は、下側、上側両軌道輪17、18の間部分
に設けた転動体4により、上部ばねシート1とアッパー
サポート38との相対回転を許容しつつ、これら両部材
1、38同士の間に加わるスラスト荷重を支承する。
又、これら両部材1、38同士の間にラジアル荷重が加
わった場合には、上記スリーブ14の内周面が上記固定
側円筒部15の外周面と摺接する事で、これら両部材
1、38同士の相対回転を許容しつつ、これら両部材
1、38同士の間に加わるラジアル荷重を支承する。
【0026】この様にスラスト荷重やラジアル荷重を支
承する際の作用自体は、前述した従来の軸受装置と同様
である。特に、本発明のシール付スラスト軸受の場合に
は、上記下側軌道輪17の径方向(図1〜3の左右方
向)両端部に第一、第二両シールリング19、20を設
けたので、シール付スラスト軸受の内部、即ち、上記転
動体4を設置した部分に、雨水等が入り込む事を確実に
防止できる。即ち、上記第一、第二両シールリング1
9、20を構成する第一、第二両シールリップ28、3
2の先端縁が、下面側軌道5の外径寄り部分及び内径寄
り部分に摺接するので、転動体4設置部分に雨水等が入
り込む事を確実に防止できる。これら各シールリップ2
8、32の先端縁が摺接する下面側軌道5は、上記転動
体4の転動面を当接させるべく、高度の平坦面に形成さ
れている為、これら各シールリップ28、32の先端縁
と下面側軌道5との間に隙間が形成される事はない。従
って、上記両シールリング19、20によるシール性は
良好になる。
承する際の作用自体は、前述した従来の軸受装置と同様
である。特に、本発明のシール付スラスト軸受の場合に
は、上記下側軌道輪17の径方向(図1〜3の左右方
向)両端部に第一、第二両シールリング19、20を設
けたので、シール付スラスト軸受の内部、即ち、上記転
動体4を設置した部分に、雨水等が入り込む事を確実に
防止できる。即ち、上記第一、第二両シールリング1
9、20を構成する第一、第二両シールリップ28、3
2の先端縁が、下面側軌道5の外径寄り部分及び内径寄
り部分に摺接するので、転動体4設置部分に雨水等が入
り込む事を確実に防止できる。これら各シールリップ2
8、32の先端縁が摺接する下面側軌道5は、上記転動
体4の転動面を当接させるべく、高度の平坦面に形成さ
れている為、これら各シールリップ28、32の先端縁
と下面側軌道5との間に隙間が形成される事はない。従
って、上記両シールリング19、20によるシール性は
良好になる。
【0027】これに対して、下側軌道輪17を載置した
上部ばねシート1の上面は必ずしも良好な平坦面でない
場合もある。但し、この上面と上記下側軌道輪17の下
面との間に存在する僅かな隙間を通じて、雨水等が上記
下側軌道輪17の内径側に達した場合でも、下側軌道輪
17の内径側に装着した第二シールリング20が、この
雨水等が複数の転動体4の設置部分に進入する事を阻止
する。
上部ばねシート1の上面は必ずしも良好な平坦面でない
場合もある。但し、この上面と上記下側軌道輪17の下
面との間に存在する僅かな隙間を通じて、雨水等が上記
下側軌道輪17の内径側に達した場合でも、下側軌道輪
17の内径側に装着した第二シールリング20が、この
雨水等が複数の転動体4の設置部分に進入する事を阻止
する。
【0028】又、上述した様に上記第一、第二両シール
リップ28、32の先端縁が摺接する下面側軌道5は、
転動体4の転動面と当接させるべく、高度の平坦面に形
成されている。この為、上記上部ばねシート1とアッパ
ーサポート38との相対回転に基づき、これら両シール
リップ28、32がこの下面側軌道5との摺接した場合
でも、これら各シールリップ28、32の弾性変形量は
殆ど変化しない。従って、上記各シールリップ28、3
2を有するシール材27、30の基部と、これら各シー
ル材27、32を補強する為の芯金26、29との接着
面に応力が加わらない。この結果、長期間に亙る使用に
よっても、上記各シール材27、30が芯金26、29
から外れる事はない。
リップ28、32の先端縁が摺接する下面側軌道5は、
転動体4の転動面と当接させるべく、高度の平坦面に形
成されている。この為、上記上部ばねシート1とアッパ
ーサポート38との相対回転に基づき、これら両シール
リップ28、32がこの下面側軌道5との摺接した場合
でも、これら各シールリップ28、32の弾性変形量は
殆ど変化しない。従って、上記各シールリップ28、3
2を有するシール材27、30の基部と、これら各シー
ル材27、32を補強する為の芯金26、29との接着
面に応力が加わらない。この結果、長期間に亙る使用に
よっても、上記各シール材27、30が芯金26、29
から外れる事はない。
【0029】又、走行時に車輪が跳ね上げた砂利等の小
さくて硬い異物は、第三シールリング21を構成する第
三、第四シールリップ36、37に遮られて、下側軌道
輪17の下面とこの下側軌道輪17を載置した上部ばね
シート1の上面との間に食い込む事はない。従って、上
記異物により、シール付スラスト軸受の機能を損なう事
はない。
さくて硬い異物は、第三シールリング21を構成する第
三、第四シールリップ36、37に遮られて、下側軌道
輪17の下面とこの下側軌道輪17を載置した上部ばね
シート1の上面との間に食い込む事はない。従って、上
記異物により、シール付スラスト軸受の機能を損なう事
はない。
【0030】又、上記第一、第二両シールリップ28、
32の形状を規制した事により、これら両シールリップ
28、32の先端縁と下面側軌道5との摺接部での摩擦
を小さくして、シール付スラスト軸受の回転トルクを小
さく抑える事ができる。即ち、上記第一、第二両シール
リップ28、32は、それぞれ長さ寸法L28、L32が厚
さ寸法T28、T32の2〜4倍あり、それぞれ自由状態で
上記下面側軌道5とのなす角度θ28、θ32が20〜45
度である為、シール性を確保しつつ、これら両シールリ
ップ28、32の先端縁と下面側軌道5との摺接部での
摩擦を少なくできる。即ち、上記第一、第二両シールリ
ップ28、32の長さ寸法L28、L32を厚さ寸法T28、
T32の2倍以上とし、自由状態で下面側軌道5とのなす
角度θ28、θ32を45度以下とした事により、これら両
シールリップ28、32の先端縁と下面側軌道5との当
接圧が過大になる事を防止し、上記摺接部での摩擦を小
さくして、シール付スラスト軸受の回転トルクを小さく
抑える事ができる。上記厚さ寸法T28、T32を大きくし
過ぎたり(長さ寸法L28、L32を厚さ寸法T28、T32の
2倍未満としたり)、角度θ28、θ32を大きくし過ぎた
り(45度を越える値としたり)すると、当該シールリ
ップ28、32の曲げ剛性が大きくなり過ぎて上記当接
圧が過大になり、上記摺接部での摩擦が増大して、シー
ル付スラスト軸受の回転トルクが大きくなり過ぎる。
32の形状を規制した事により、これら両シールリップ
28、32の先端縁と下面側軌道5との摺接部での摩擦
を小さくして、シール付スラスト軸受の回転トルクを小
さく抑える事ができる。即ち、上記第一、第二両シール
リップ28、32は、それぞれ長さ寸法L28、L32が厚
さ寸法T28、T32の2〜4倍あり、それぞれ自由状態で
上記下面側軌道5とのなす角度θ28、θ32が20〜45
度である為、シール性を確保しつつ、これら両シールリ
ップ28、32の先端縁と下面側軌道5との摺接部での
摩擦を少なくできる。即ち、上記第一、第二両シールリ
ップ28、32の長さ寸法L28、L32を厚さ寸法T28、
T32の2倍以上とし、自由状態で下面側軌道5とのなす
角度θ28、θ32を45度以下とした事により、これら両
シールリップ28、32の先端縁と下面側軌道5との当
接圧が過大になる事を防止し、上記摺接部での摩擦を小
さくして、シール付スラスト軸受の回転トルクを小さく
抑える事ができる。上記厚さ寸法T28、T32を大きくし
過ぎたり(長さ寸法L28、L32を厚さ寸法T28、T32の
2倍未満としたり)、角度θ28、θ32を大きくし過ぎた
り(45度を越える値としたり)すると、当該シールリ
ップ28、32の曲げ剛性が大きくなり過ぎて上記当接
圧が過大になり、上記摺接部での摩擦が増大して、シー
ル付スラスト軸受の回転トルクが大きくなり過ぎる。
【0031】一方で、上記第一、第二両シールリップ2
8、32の長さ寸法L28、L32を厚さ寸法T28、T32の
4倍以下とし、自由状態で下面側軌道5とのなす角度を
20度以上とした事により、上記摺接部での当接圧を確
保して、この摺接部でのシール性を確保できる。上記厚
さ寸法T28、T32を小さくし過ぎたり(長さ寸法L28、
L32を厚さ寸法の4倍を越える長さとしたり)、角度θ
28、θ32を小さくし過ぎたり(20度以下としたり)す
ると、当該シールリップ28、32の剛性が小さくなり
過ぎて、上記摺接部の当接圧が低くなり過ぎ、シール性
が不足する。
8、32の長さ寸法L28、L32を厚さ寸法T28、T32の
4倍以下とし、自由状態で下面側軌道5とのなす角度を
20度以上とした事により、上記摺接部での当接圧を確
保して、この摺接部でのシール性を確保できる。上記厚
さ寸法T28、T32を小さくし過ぎたり(長さ寸法L28、
L32を厚さ寸法の4倍を越える長さとしたり)、角度θ
28、θ32を小さくし過ぎたり(20度以下としたり)す
ると、当該シールリップ28、32の剛性が小さくなり
過ぎて、上記摺接部の当接圧が低くなり過ぎ、シール性
が不足する。
【0032】尚、上記下側軌道輪17と上側軌道輪18
との組み合わせに伴う、上記第一、第二両シールリップ
28、32の先端縁の軸方向(図1〜3の上下方向)に
亙る弾性変位量δ28、δ32を、上記厚さ寸法T28、T32
の0.5〜2倍程度(δ28、δ32≒(0.5〜2)
T28、T32)にすれば、上記当接圧を適正値に規制する
事がより容易になって、シール性確保と回転トルク低減
とを両立させ易くできる。
との組み合わせに伴う、上記第一、第二両シールリップ
28、32の先端縁の軸方向(図1〜3の上下方向)に
亙る弾性変位量δ28、δ32を、上記厚さ寸法T28、T32
の0.5〜2倍程度(δ28、δ32≒(0.5〜2)
T28、T32)にすれば、上記当接圧を適正値に規制する
事がより容易になって、シール性確保と回転トルク低減
とを両立させ易くできる。
【0033】更に、前記第三シールリング21を構成す
る第三、第四両シールリップ36、37のうちで第三シ
ールリップ36は、必ずしも十分な平面度を持たないア
ッパーサポート38の下面と摺接し、使用時に絶えず弾
性変形量が変化する可能性がある。しかしながら、この
シールリップ36を含むシール材34は、芯金33の外
径側に設けられて、この芯金33の外周面に向け常に弾
性的に押し付けられている。即ち、上記シール材34の
自由状態での内径寸法は上記芯金33の外径寸法よりも
小さい為、上記シール材34は芯金33に対して弾性的
に押し付けられている。従って、これら第三、第四両シ
ールリップ36、37を含むシール材34が芯金33か
ら分離する事はない。
る第三、第四両シールリップ36、37のうちで第三シ
ールリップ36は、必ずしも十分な平面度を持たないア
ッパーサポート38の下面と摺接し、使用時に絶えず弾
性変形量が変化する可能性がある。しかしながら、この
シールリップ36を含むシール材34は、芯金33の外
径側に設けられて、この芯金33の外周面に向け常に弾
性的に押し付けられている。即ち、上記シール材34の
自由状態での内径寸法は上記芯金33の外径寸法よりも
小さい為、上記シール材34は芯金33に対して弾性的
に押し付けられている。従って、これら第三、第四両シ
ールリップ36、37を含むシール材34が芯金33か
ら分離する事はない。
【0034】
【発明の効果】本発明のシール付スラスト軸受は、以上
に述べた通り構成され作用するので、転動体設置部分に
雨水等の異物が進入する事を確実に防止できる。この結
果、軸受装置の性能確保、耐久性、信頼性の向上を図れ
る。又、各シールリングを構成するシールリップと芯金
との分離防止も確実に行なえて、シールリングの耐久性
も確保できる。
に述べた通り構成され作用するので、転動体設置部分に
雨水等の異物が進入する事を確実に防止できる。この結
果、軸受装置の性能確保、耐久性、信頼性の向上を図れ
る。又、各シールリングを構成するシールリップと芯金
との分離防止も確実に行なえて、シールリングの耐久性
も確保できる。
【図1】本発明の実施例を示す部分断面図。
【図2】図1の左部拡大図。
【図3】同右部拡大図。
【図4】従来構造の1例を示す半部断面図。
1 上部ばねシート 2 上側軌道輪 3 下側軌道輪 4 転動体 5 下面側軌道 6 内側円筒部 7 円筒部 8 上面側軌道 9 円筒部 10 芯金 11 シール材 12 シールリング 13 保持器 14 スリーブ 15 固定側円筒部 16 ラジアル微小隙間 17 下側軌道輪 18 上側軌道輪 19 第一シールリング 20 第二シールリング 21 第三シールリング 22 第一外周側円筒部 23 第一内周側円筒部 24 第二外周側円筒部 25 第二内周側円筒部 26 芯金 27 シール材 28 第一シールリップ 29 芯金 30 シール材 31 外方折れ曲がり部 32 第二シールリップ 33 芯金 34 シール材 35 内方折れ曲がり部 36 第三シールリップ 37 第四シールリップ 38 アッパーサポート
Claims (1)
- 【請求項1】 上面に上面側軌道を、外周縁部に上方に
突出する第一外周側円筒部を、内周縁部に上方に突出す
る第一内周側円筒部を、それぞれ有する円輪状の下側軌
道輪と、下面に上記上面側軌道と対向する下面側軌道
を、外周縁部に上記第一外周側円筒部の外径寸法よりも
大きな内径寸法を有し下方に突出する第二外周側円筒部
を、内周縁部に上方に突出する第二内周側円筒部を、そ
れぞれ有する上側軌道輪と、上記上面側軌道と下面側軌
道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、全体
を円環状に形成されて上記第一外周側円筒部の内径側に
嵌合支持された第一シールリングと、全体を円環状に形
成されて上記第一内周側円筒部の内径側に嵌合支持され
た第二シールリングと、全体を円環状に形成されて上記
第二外周側円筒部の外径側に嵌合支持された第三シール
リングと、上記第二内周側円筒部の内径側に支持されて
ラジアル滑り軸受を構成するスリーブとを備え、 上記第一シールリングは上記下面側軌道の外径寄り部分
に摺接する第一シールリップを、上記第二シールリング
は上記下面側軌道の内径寄り部分に摺接する第二シール
リップを、それぞれ備え、これら第一、第二両シールリ
ップはそれぞれ、長さ寸法が厚さ寸法の2〜4倍あり、
それぞれ自由状態で上記下面側軌道とのなす角度が20
〜45度であり、上記第一シールリップは上部程外径側
に向かう方向に傾斜しており、上記第二シールリップは
上部程内径側に向かう方向に傾斜しており、 上記第三シールリングは上方に延びて上記上側軌道輪を
支持する部材の表面に摺接若しくは近接する第三シール
リップと、下方に延びて上記下側軌道輪を支持する部材
の表面に摺接若しくは近接する第四のシールリップと、
これら第三、第四の両シールリップを補強すべく、これ
ら両シールリップの内径側に設けられて上記第二外周側
円筒部に外嵌固定された芯金とを備えているシール付ス
ラスト軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2436695A JPH08219150A (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | シール付スラスト軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2436695A JPH08219150A (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | シール付スラスト軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08219150A true JPH08219150A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12136203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2436695A Pending JPH08219150A (ja) | 1995-02-13 | 1995-02-13 | シール付スラスト軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08219150A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1162091A1 (fr) | 2000-06-07 | 2001-12-12 | Skf France | Roulement étanche pour butée de suspension |
JP2003028175A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-29 | Skf France | サスペンションスラスト軸受 |
WO2008059790A1 (fr) * | 2006-11-14 | 2008-05-22 | Ntn Corporation | Palier de roulement étanche |
-
1995
- 1995-02-13 JP JP2436695A patent/JPH08219150A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1162091A1 (fr) | 2000-06-07 | 2001-12-12 | Skf France | Roulement étanche pour butée de suspension |
US6524013B2 (en) | 2000-06-07 | 2003-02-25 | Skf France | Sealed suspension thrust bearing |
JP2003028175A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-29 | Skf France | サスペンションスラスト軸受 |
WO2008059790A1 (fr) * | 2006-11-14 | 2008-05-22 | Ntn Corporation | Palier de roulement étanche |
US8142080B2 (en) | 2006-11-14 | 2012-03-27 | Ntn Corporation | Sealed rolling bearing |
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