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JPH08216655A - 車両用ヒートポンプ式空調装置 - Google Patents

車両用ヒートポンプ式空調装置

Info

Publication number
JPH08216655A
JPH08216655A JP2778795A JP2778795A JPH08216655A JP H08216655 A JPH08216655 A JP H08216655A JP 2778795 A JP2778795 A JP 2778795A JP 2778795 A JP2778795 A JP 2778795A JP H08216655 A JPH08216655 A JP H08216655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air
refrigerant
mode
outside air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2778795A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Kusano
勝也 草野
Akira Isaji
晃 伊佐治
Satoru Kodama
悟 兒玉
Shizuo Tsuchiya
静男 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP2778795A priority Critical patent/JPH08216655A/ja
Publication of JPH08216655A publication Critical patent/JPH08216655A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 暖房運転開始時の冷風吹き出しによる暖房フ
ィーリングの悪化を防止できるとともに、高湿度の室内
条件等により窓ガラスが曇る様な場合でも早期に曇りを
晴らすことのできる車両用ヒートポンプ式空調装置1を
提供すること。 【構成】 ダクト3内のヒータコア39へ供給される温
水は、冷媒/水熱交換器24で冷媒圧縮機23より吐出
された高温高圧の冷媒との熱交換によって加熱される。
暖房運転開始時において、ヒータコア39を流れる温水
の温度が設定温度より低く、且つ水温と外気温との温度
差が所定の温度値より小さい場合は、ブロワモータ2c
への印加電圧を0として、車室内への送風を停止する。
また、水温が設定温度より低くても、水温と外気温との
温度差が所定の温度値以上ある時は、外気モードの状態
でデフロスタ吹出口14より低風量の送風空気を吹き出
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、暖房運転の開始時に冷
風の吹き出しを防止する所謂ウォームアップ制御を行な
う車両用ヒートポンプ式空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、水冷式エンジンを搭載する車両
では、エンジン冷却水を暖房用の熱源として利用してい
るが、エンジン始動時で未だ冷却水温が低い時に暖房運
転を開始すると、十分に加熱されていない空気が車室内
へ吹き出されるため、乗員に不快感を与えてしまう。そ
こで、従来のオートエアコンでは、図10に示すよう
に、暖房運転を開始する時に冷却水温Twが所定水温T
1 (例えば30℃)以下の時は、ブロワおよび冷凍サイ
クルの作動を停止して、冷風の吹き出しを防止する所謂
ウォームアップ制御(冷風防止モード)が行なわれてい
る。
【0003】一方、暖房用熱源としてエンジン冷却水を
利用することのできない電気自動車では、ヒートポンプ
式空調装置を搭載する場合が多く、例えば高圧冷媒(高
温)によって加熱された温水を熱源として(または高圧
冷媒を熱源として)暖房運転を行なっている。この電気
自動車においても、エンジン搭載車(ガソリン車、ディ
ーゼル車等)と同様に、熱源温度(温水温度、冷媒温
度)が所定温度に達するまで冷風の吹き出しを防止する
ウォームアップ制御が行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電気自動車
に搭載されるヒートポンプ式空調装置は、外気温度が低
くなる程、室外熱交換器(蒸発器として働く)での吸熱
量が減少するため、高圧冷媒の温度も低くなる。その結
果、図11に示すように、エンジン搭載車と比較して水
温上昇が遅くなる。従って、上記のウォームアップ制御
によって、水温が所定水温に達するまで送風機の作動を
停止すると、エンジン搭載車に比べて送風開始が遅れて
しまう。具体的に図11のグラフを用いて説明すると、
水温が30℃に到達した時点でウォームアップ制御を解
除して送風を開始すると、外気温度:−5℃の場合で、
エンジン搭載車より送風開始がt2 −t1 分(約3〜5
分)遅れることになる。
【0005】この送風開始の遅れは、実際の暖房開始
(温風吹き出し)が遅くなるばかりでなく、乗員が多数
であったり、雨、雪等の気候により高湿度の室内条件で
窓ガラスが曇った時に、送風停止のために窓ガラスの曇
りを晴らすことができないという問題が生じる。本発明
は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、
暖房運転開始時の冷風吹き出しによる暖房フィーリング
の悪化を防止するとともに、高湿度の室内条件等におい
て窓ガラスが曇る様な場合でも早期に曇りを晴らすこと
のできる車両用ヒートポンプ式空調装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の構成を採用した。請求項1では、
内気導入口または外気導入口と車室内に開口する複数の
吹出口の少なくとも1つとを連絡するダクトと、前記内
気導入口または前記外気導入口から前記ダクト内に空気
を導入して前記吹出口へ向かって送風する送風機と、外
気モードが設定された時に、前記内気導入口を閉塞して
前記外気導入口を開口する内外気切換ドアと、デフロス
タモードが設定された時に、前記複数の吹出口のうち車
両の窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ吹出口
を開く吹出口切換ドアと、熱媒体が循環する熱媒体循環
回路と、空調モードに応じて冷媒圧縮機より吐出される
冷媒の循環方向を切り換えるヒートポンプ式冷凍サイク
ルと、前記冷媒圧縮機より吐出された高温高圧の冷媒と
前記熱媒体循環回路を循環する熱媒体との熱交換を行な
う熱交換器と、前記ダクト内に配されて前記熱媒体循環
回路に接続され、前記熱交換器で冷媒と熱交換された熱
媒体を熱源として通過する空気を加熱する空気加熱手段
と、この空気加熱手段を流れる熱媒体の温度を検出する
熱媒体温度検出手段と、外気温度を検出する外気温検出
手段と、前記空調モードを判定する空調モード判定手段
と、この空調モード判定手段で暖房モードと判定された
時に、前記外気モードを設定して前記内外気切換ドアを
制御する吸込口モード制御手段と、前記空調モード判定
手段で暖房モードと判定された時に、前記熱媒体温度検
出手段で検出された熱媒体の温度を所定値と比較判定す
る熱媒体温度判定手段と、この熱媒体温度判定手段で熱
媒体の温度が前記所定値より小さいと判定された時に、
前記熱媒体温度検出手段で検出された熱媒体の温度と前
記外気温検出手段で検出された外気温度との温度差を判
定値と比較判定する温度差判定手段と、この温度差判定
手段で外気温度より熱媒体の温度の方が前記判定値より
小さいと判定された時に、前記送風機の作動を停止する
第1送風機制御手段と、前記温度差判定手段で外気温度
より熱媒体の温度の方が前記判定値以上大きいと判定さ
れた時に、前記熱媒体温度判定手段で熱媒体の温度が前
記所定値以上と判定された時に設定される送風量より少
ない所定の送風量が得られるように前記送風機の作動を
制御する第2送風機制御手段と、少なくとも前記第2送
風機制御手段が実行される場合は、前記デフロスタモー
ドを設定して前記吹出口切換ドアを制御する吹出口モー
ド制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2では、内気導入口または外気導入
口と車室内に開口する複数の吹出口の少なくとも1つと
を連絡するダクトと、前記内気導入口または前記外気導
入口から前記ダクト内に空気を導入して前記吹出口へ向
かって送風する送風機と、外気モードが設定された時
に、前記内気導入口を閉塞して前記外気導入口を開口す
る内外気切換ドアと、デフロスタモードが設定された時
に、前記複数の吹出口のうち車両の窓ガラスに向けて空
気を吹き出すデフロスタ吹出口を開く吹出口切換ドア
と、空調モードに応じて冷媒圧縮機より吐出される冷媒
の循環方向を切り換えるヒートポンプ式冷凍サイクル
と、前記ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機より吐出
された高温高圧の冷媒を熱源として通過する空気を加熱
する空気加熱手段と、この空気加熱手段を流れる冷媒媒
体の温度を検出する冷媒温度検出手段と、外気温度を検
出する外気温検出手段と、前記空調モードを判定する空
調モード判定手段と、この空調モード判定手段で暖房モ
ードと判定された時に、前記外気モードを設定して前記
内外気切換ドアを制御する吸込口モード制御手段と、前
記空調モード判定手段で暖房モードと判定された時に、
前記冷媒温度検出手段で検出された冷媒温度を所定値と
比較判定する冷媒温度判定手段と、この冷媒温度判定手
段で冷媒温度が前記所定値より小さいと判定された時
に、前記冷媒温度検出手段で検出された冷媒温度と前記
外気温検出手段で検出された外気温度との温度差を判定
値と比較判定する温度差判定手段と、この温度差判定手
段で外気温度より冷媒温度の方が前記判定値より小さい
と判定された時に、前記送風機の作動を停止する第1送
風機制御手段と、前記温度差判定手段で外気温度より冷
媒温度の方が前記判定値以上大きいと判定された時に、
前記冷媒温度判定手段で冷媒温度が前記所定値以上と判
定された時に設定される送風量より少ない所定の送風量
が得られるように前記送風機の作動を制御する第2送風
機制御手段と、少なくとも前記第2送風機制御手段が実
行される場合は、前記デフロスタモードを設定して前記
吹出口切換ドアを制御する吹出口モード制御手段とを備
えたことを特徴とする。
【0008】請求項3では、請求項1または2に記載し
た車両用ヒートポンプ式空調装置において、前記吹出口
モード制御手段は、前記第1送風機制御手段が実行され
る場合に、前記デフロスタモードを設定して前記吹出口
切換ドアを制御することを特徴とする。
【0009】請求項4では、請求項2に記載した車両用
ヒートポンプ式空調装置において、前記冷媒温度検出手
段は、前記空気加熱手段で凝縮した冷媒の凝縮圧力を検
出する冷媒圧力検出手段と、この冷媒圧力検出手段で検
出された冷媒圧力より冷媒温度を算出する冷媒温度算出
手段とから成ることを特徴とする。
【0010】
【作用および発明の効果】 (請求項1)熱媒体循環回路を循環する熱媒体がヒート
ポンプ式冷凍サイクルの冷媒圧縮機より吐出された高温
高圧の冷媒との熱交換によって加熱された後、ダクト内
に配された空気加熱手段を流れる際に、その空気加熱手
段を通過する空気を加熱する。加熱された空気は、吹出
口から車室内へ吹き出されることにより暖房運転が行な
われる。この暖房運転において、空気加熱手段を流れる
熱媒体の温度が所定値より小さい場合は、所要の暖房性
能が得られないため、送風機の作動を停止するか、また
は低風量となるように送風機の作動を制御する。
【0011】具体的には、熱媒体の温度と外気温度との
温度差を求めて判定値と比較し、外気温度より熱媒体の
温度の方が判定値より小さい時は、送風機の作動を停止
して冷風の吹き出しを防止する。また、外気温度より熱
媒体の温度の方が判定値以上大きい時は、外気モードの
状態でデフロスタ吹出口から低風量の送風空気が吹き出
される。これにより、高湿度の車室内条件で窓ガラスが
曇る様な場合でも、早期に窓ガラスの曇りを晴らすこと
が可能である。なお、低風量とは、空気加熱手段を流れ
る熱媒体の温度が所定値以上の時に設定される送風量よ
り少ない所定の送風量を言う。
【0012】(請求項2)ヒートポンプ式冷凍サイクル
の冷媒圧縮機より吐出された高温高圧の冷媒が空気加熱
手段を流れる際に、その空気加熱手段を通過する空気を
加熱し、加熱された空気が吹出口より車室内へ吹き出さ
れることで暖房運転が行なわれる。この暖房運転におい
て、空気加熱手段を流れる冷媒温度が所定値より小さい
場合は、所要の暖房性能が得られないため、送風機の作
動を停止するか、または低風量となるように送風機の作
動を制御する。
【0013】具体的には、冷媒温度と外気温度との温度
差を求めて判定値と比較し、外気温度より冷媒温度の方
が判定値より小さい時は、送風機の作動を停止して冷風
の吹き出しを防止する。また、外気温度より冷媒温度の
方が判定値以上大きい時は、外気モードの状態でデフロ
スタ吹出口から低風量の送風空気が吹き出される。これ
により、請求項1の場合と同様に、高湿度の車室内条件
で窓ガラスが曇る様な場合でも、早期に窓ガラスの曇り
を晴らすことが可能である。なお、低風量とは、空気加
熱手段を流れる冷媒温度が所定値以上の時に設定される
送風量より少ない所定の送風量を言う。
【0014】(請求項3)第1送風機制御手段が実行さ
れる場合、即ち送風機の作動を停止する場合は、送風機
の作動が停止していても、外気導入口から自然に、また
は車両の走行に伴ってダクト内に外気が侵入する。この
ため、吹出口モードをデフロスタモードに設定しておけ
ば、外気温度と略同じ温度の風がデフロスタ吹出口より
車室内へ流入するため、窓ガラスの曇りを晴らす効果が
期待できる。
【0015】(請求項4)請求項2に記載した車両用ヒ
ートポンプ式空調装置において、空気加熱手段を流れる
冷媒温度は、空気加熱手段で空気との熱交換によって凝
縮した冷媒の凝縮圧力を検出し、その凝縮圧力(冷媒圧
力)から算出することができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明の車両用ヒートポンプ式空調装
置の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)図1は電気自動車に搭載されたヒートポ
ンプ式空調装置(以下、空調装置と略す)の全体模式図
である。本実施例の空調装置1は、内外気切換手段(下
述する)が一体に構成されたブロワ2(本発明の送風
機)、このブロワ2より送られた送風空気を車室内へ導
くダクト3、冷媒の循環回路を形成するヒートポンプ式
冷凍サイクル4、温水の循環回路を形成する温水サイク
ル5(本発明の熱媒体循環回路)、および各空調機器の
作動をコントロールする電子制御装置6(図2参照/以
下ECU6と言う)等より構成されている。
【0017】ブロワ2は、内外気切換箱7が一体に設け
られたブロワケース2a、このブロワケース2aに収容
された遠心式ファン2b、および遠心式ファン2bを回
転駆動するブロワモータ2cより成り、ブロワ駆動回路
2A(図2参照)を介して印加される電圧(ブロワ電
圧)に応じて送風量(ブロワモータ2cの回転数)が決
定される。
【0018】内外気切換箱7には、車室内の空気(以下
内気と言う)を導入する内気導入口8と、車室外の空気
(以下外気と言う)を導入する外気導入口9とが形成さ
れるとともに、吸込口モード(外気モード、内気モー
ド)に応じて内気導入口8と外気導入口9とを選択的に
開閉する内外気切換ドア10が回転自在に支持されてい
る。この内外気切換ドア10は、サーボモータ等のアク
チュエータ11(図2参照)により駆動されて、外気モ
ードが設定された時に外気導入口9を全開し、内気モー
ドが設定された時に内気導入口8を全開する。なお、上
記の内外気切換手段とは、内気導入口8および外気導入
口9が形成された内外気切換箱7と、内外気切換ドア1
0とから成る。
【0019】ダクト3は、ブロワケース2aに接続され
るクーラケース12と、このクーラケース12に接続さ
れるヒータケース13とから成る。ヒータケース13に
は、車室内に通じる吹出口(フロントガラスに向けて空
気を吹き出すデフロスタ吹出口14、乗員の上半身に向
けて空気を吹き出すフェイス吹出口15、乗員の足元に
向けて空気を吹き出すフット吹出口16)が設けられる
とともに、吹出口モードに応じて各吹出口14〜16を
選択的に開閉する吹出口切換ドア17〜19が回転自在
に支持されている。
【0020】各吹出口切換ドア17〜19は、それぞれ
サーボモータ等のアクチュエータ20〜22(図2参
照)により駆動される。また、吹出口モードは、デフロ
スタ吹出口14を開くデフロスタモード、フェイス吹出
口15を開くフェイスモード、フェイス吹出口15とフ
ット吹出口16とを共に開くバイレベルモード、フット
吹出口16を開くフットモード等が設定されている。
【0021】冷凍サイクル4は、冷媒圧縮機23、冷媒
/水熱交換器24、第1減圧器25、室外熱交換器2
6、第2減圧器27、室内蒸発器28、アキュムレータ
29、冷媒流路切換手段(下述する)、およびこれらを
接続する冷媒配管30等から構成されて、空調モードに
応じて冷媒の流通経路を可変する。なお、空調モード
は、冷房運転を行なう冷房モード、暖房運転を行なう暖
房モード、除湿運転を行なう除湿モード、暖房運転時に
おいて室外熱交換器26の着霜が検出された時に除霜運
転を行なう除霜モードが設定されている。但し、本実施
例では冷房モードと暖房モードについて説明する。
【0022】冷媒圧縮機23は、内部に吸入したガス冷
媒を圧縮して吐出するもので、駆動用の電動モータ31
(図2参照)を内蔵し、その電動モータ31の回転速度
に応じて冷媒吐出量が変化する。電動モータ31は、イ
ンバータ32の周波数特性に基づいて回転速度を可変す
る。インバータ32の出力周波数(即ち、電動モータ3
1の回転速度)は、操作パネル33(図2参照)に設け
られた温度調節レバー34の操作位置に対応して可変す
る。
【0023】冷媒/水熱交換器24は、アルミニウム合
金等の熱伝導性に優れる金属製で二重管構造を成し、内
周側に温水サイクル5の温水配管35に接続される温水
通路24a、外周側に冷媒配管30に接続される冷媒通
路24bが形成されている。この冷媒/水熱交換器24
は、冷媒圧縮機23より吐出された高温高圧のガス冷媒
が冷媒通路24bを流れて、温水サイクル5を循環する
温水が温水通路24aを流れることにより、高温の冷媒
と低温の温水との間で熱交換が行なわれる。
【0024】第1減圧器25は、キャピラリチューブや
膨張弁等より成り、暖房運転時に冷媒/水熱交換器24
から送られた冷媒を減圧膨張する。室外熱交換器26
は、車室外(例えば、走行風を受けやすい場所)に設置
されて、内部を流れる冷媒と電動ファン36により送風
される外気との熱交換を行なう。なお、暖房運転時に
は、第1減圧器25で減圧された低温低圧の冷媒を外気
との熱交換によって蒸発させる蒸発器として働き、冷房
運転時には、冷媒/水熱交換器24より送られた冷媒を
外気との熱交換によって凝縮液化させる凝縮器として働
く。
【0025】第2減圧器27は、キャピラリチューブや
膨張弁等より成り、冷房運転時に室外熱交換器26から
送られた冷媒を減圧膨張する。室内蒸発器28は、クー
ラケース12内に設置されて、冷房運転時に第2減圧器
27で減圧された低温低圧の冷媒とブロワ2より送風さ
れた空気との熱交換を行なう。これにより、室内蒸発器
28の内部を流れる冷媒が室内蒸発器28を通過する空
気から蒸発潜熱を奪って蒸発することで、室内蒸発器2
8を通過する空気が冷却される。
【0026】アキュムレータ29は、内部に流入した冷
媒を液冷媒とガス冷媒とに分離して液冷媒を貯留し、ガ
ス冷媒のみを冷媒圧縮機23へ送る。冷媒流路切換手段
は、空調モードに応じて冷凍サイクル4を循環する冷媒
の流れ方向を切り換えるもので、第1電磁弁37と第2
電磁弁38とから成る。この第1電磁弁37と第2電磁
弁38は、それぞれ通電を受けて開弁し、通電停止によ
って閉弁する。但し、第1電磁弁37は、冷房運転時に
開弁して暖房運転時に閉弁する。第2電磁弁38は、暖
房運転時に開弁して冷房運転時に閉弁する。
【0027】ここで、冷房モードと暖房モードにおける
冷媒の流れを説明する。 イ)冷房モード(第1電磁弁37:ON、第2電磁弁3
8:OFF)。 冷媒圧縮機23より吐出された冷媒は、冷媒/水熱交換
器24→第1電磁弁37→室外熱交換器26→第2減圧
器27→室内蒸発器28→アキュムレータ29を経て、
再び冷媒圧縮機23に吸引される(図1に冷媒の流れを
矢印Cで示す)。 ロ)暖房モード(第1電磁弁37:OFF、第2電磁弁
38:ON)。 冷媒圧縮機23より吐出した冷媒は、冷媒/水熱交換器
24→第1減圧器25→室外熱交換器26→第2電磁弁
38→アキュムレータ29を経て、再び冷媒圧縮機23
に吸引される(図1に冷媒の流れを矢印Hで示す)。
【0028】温水サイクル5は、前記の冷媒/水熱交換
器24、温水式ヒータコア39(本発明の空気加熱手
段)、燃焼式ヒータ40、ウォータポンプ41、および
これらを接続する温水配管35等から構成されている。
なお、本実施例では、温水サイクル5を循環する温水
(本発明の熱媒体)として不凍液(例えばエチレングリ
コール水溶液)を使用している。
【0029】温水式ヒータコア39は、ヒータケース1
3内に設置されて、内部を流れる温水との熱交換によっ
て通過する空気を加熱する。但し、温水式ヒータコア3
9は、ヒータケース13内を流れる空気が温水式ヒータ
コア39を迂回できるように配置されている。また、ヒ
ータケース13内には、温水式ヒータコア39を通過す
る空気量と温水式ヒータコア39を迂回する空気量との
割合を調節する一対のエアミックスドア42が回転自在
に支持されている。このエアミックスドア42は、ステ
ッピングモータやサーボモータ等のアクチュエータ43
(図2参照)により駆動される。
【0030】燃焼式ヒータ40は、図示しない燃料ポン
プから圧送された燃料を燃焼用空気と混合して燃焼し、
その燃焼時に生成される燃焼ガスとの熱交換によって温
水を加熱する。温水との熱交換を終えた燃焼ガスは、排
気管40aを通って大気に排出される。但し、この燃焼
式ヒータ40は、外気温度が低い時(例えば約0℃)
に、冷媒/水熱交換器24だけでは十分に温水を加熱で
きない時に補助加熱装置として使用される。なお、燃焼
式ヒータ40は、燃料ポンプ(図示しない)から圧送さ
れる燃料供給量および燃焼用空気量を調節することによ
り、燃焼量(発熱量)の高い「Hi」、燃焼量の低い
「Lo」の2段階に切り換えて使用することができる。
ウォータポンプ41は、通電を受けて起動することによ
り、温水サイクル5に温水を循環させる。
【0031】ECU6は、図2に示すように、CPU6
a(中央演算処理装置)、ROM6b、RAM6c、A
/D変換器6d、入力インターフェイス6e、出力イン
ターフェイス6f等より構成され、ジャンクションボッ
クスJを介して車載電源44(DC200V)より電力
の供給を受けて作動する。なお、ジャンクションボック
スJには、走行用モータMの回転速度を制御する走行用
インバータIにも接続されている。
【0032】このECU6は、各センサ(内気センサ4
5、外気センサ46、日射センサ47、冷媒圧力センサ
48、エバ後温度センサ49、水温センサ50、除霜セ
ンサ51)より入力されたセンサ値、および操作パネル
33での各種操作に基づいて入力された入力信号と、予
めインプットされた制御プログラムに基づいて各空調機
器の作動を制御する。内気センサ45は、車室内の温度
(内気温度)を検出して内気温信号TrとしてECU6
へ出力する。外気センサ46(本発明の外気温検出手
段)は、車室外の温度(外気温度)を検出して外気温信
号TamとしてECU6へ出力する。日射センサ47は、
車室内への日射量を検出して日射量信号TsとしてEC
U6へ出力する。
【0033】冷媒圧力センサ48は、冷凍サイクル4の
高圧圧力(凝縮圧力)を検出して冷媒圧力信号Pdとし
てECU6へ出力する。エバ後温度センサ49は、室内
蒸発器28の空気出口温度を検出してエバ後温度信号T
eとしてECU6へ出力する。水温センサ50は、例え
ば温水式ヒータコア39の端部に感温部を接触させた状
態で設置されて、温水の温度を検出して水温信号Twと
してECU6へ出力する。除霜センサ51は、暖房運転
時に室外熱交換器26の入口となる冷媒配管30の表面
等に設置され、冷媒の温度を検出して冷媒温信号THDと
してECU6へ出力する。なお、内気センサ45、外気
センサ46、エバ後温度センサ49、水温センサ50、
および除霜センサ51は、例えばサーミスタ等の感温素
子より成る。
【0034】操作パネル33は、車室内のインストルメ
ントパネル(図示しない)に配されて、図2に示すよう
に、室内温度を設定する温度調節レバー34、ブロワ2
の送風量を設定する風量レバー52、吸込口モードを切
り換える吸込口モードスイッチ53、吹出口モードを切
り換える吹出口モードスイッチ54、冷凍サイクル4を
起動するためのエアコンスイッチ55等が設けられてい
る。なお、温度調節レバー34は、設定位置に応じて各
空調モードにおける冷媒圧縮機23の回転速度(即ち、
インバータの出力周波数)を設定することができる。
【0035】次に、本実施例の作動を説明する。 (冷房モード)冷房モードが設定されると、第1電磁弁
37が開弁して第2電磁弁38が閉弁する。従って、冷
凍サイクル4では、冷媒圧縮機23より吐出した高温高
圧のガス冷媒が冷媒/水熱交換器24で温水との熱交換
によって凝縮液化した後、第1電磁弁37を通過して室
外熱交換器26へ導かれ、この室外熱交換器26で電動
ファン36により送風される外気との熱交換によってさ
らに凝縮液化する。この液冷媒は、第2減圧器27を通
過する際に減圧されて低温の霧状冷媒となり、ダクト3
内に設置された室内蒸発器28へ送られて、その室内蒸
発器28でブロワ2から送風された空気と熱交換されて
蒸発気化する。この気化冷媒は、アキュムレータ29で
気液分離されて、ガス冷媒のみが冷媒圧縮機23に吸引
される。
【0036】一方、温水サイクル5では、ウォータポン
プ41の作動によって循環する温水が、冷媒/水熱交換
器24で冷媒の凝縮潜熱を受けて加熱される。加熱され
た温水は、ダクト3内に設置された温水式ヒータコア3
9を流れる際に、エアミックスドア42の開度に応じて
温水式ヒータコア39を通過する空気(室内蒸発器28
で冷却された空気)を加熱する。但し、最大冷房であれ
ば、エアミックスドア42が温水式ヒータコア39を全
閉するため、室内蒸発器28で冷却された冷風は全て温
水式ヒータコア39を迂回する。温水式ヒータコア39
で加熱された空気は、温水式ヒータコア39を迂回する
冷風と混合された後、設定された吹出口モードに対応す
る吹出口(主にフェイス吹出口15)より車室内へ吹き
出されることにより、車室内が冷房される。
【0037】(暖房モード)暖房モードが設定される
と、第1電磁弁37が閉弁して第2電磁弁38が開弁す
る。従って、冷凍サイクル4では、冷媒圧縮機23より
吐出した高温高圧のガス冷媒が冷媒/水熱交換器24で
温水との熱交換によって凝縮液化した後、第1減圧器2
5を通過する際に減圧されて低温の霧状冷媒となり、室
外熱交換器26へ流入して、電動ファン36により送風
される外気と熱交換されて蒸発気化する。この気化冷媒
は、第2電磁弁38を通過した後、アキュムレータ29
で気液分離されて、ガス冷媒のみが冷媒圧縮機23に吸
引される。
【0038】一方、温水サイクル5では、冷房モードの
時と同様に、ウォータポンプ41の作動によって循環す
る温水が冷媒/水熱交換器24で冷媒の凝縮潜熱を受け
て加熱された後、温水式ヒータコア39を流れる際に、
エアミックスドア42の開度に応じて温水式ヒータコア
39を通過する空気を加熱する。但し、最大暖房であれ
ば、エアミックスドア42が温水式ヒータコア39を全
開するため、室内蒸発器28を通過した空気は全て温水
式ヒータコア39を通過して加熱される。この加熱され
た空気は、温水式ヒータコア39を迂回する空気と混合
された後、設定された吹出口モードに対応する吹出口
(主にフット吹出口16)より車室内へ吹き出されるこ
とにより、車室内が暖房される。なお、上記の冷房モー
ド時および暖房モード時における吹出空気の温度調節
は、操作パネル33の温度調節レバー34によりインバ
ータ32の出力周波数を変更して冷媒圧縮機23の回転
速度を制御することにより行なわれるが、エアミックス
ドア42の開度調節により冷風と温風との混合割合を調
節して行っても良い。
【0039】次に、暖房運転開始時に行なわれるウォー
ムアップ制御について説明する。本実施例の空調装置1
では、暖房運転が開始された時に、温水式ヒータコア3
9を流れる温水の温度が低いと所望の暖房効果が得られ
ないことから、以下に示すウォームアップ制御が行なわ
れる。このウォームアップ制御をECU6の作動に基づ
いて説明する。図3は、ECU6の制御内容を示すフロ
ーチャートである。まず、ウォームアップ制御の演算処
理に使用するカウンタやフラグを初期設定する(ステッ
プ100)。
【0040】続いて、空調モードを判定する(ステップ
110/空調モード判定手段)。この判定で暖房モード
以外の場合(判定結果NO)は、ステップ110の判定
を繰り返す。暖房モードと判定された場合(判定結果Y
ES)は、内外気切換ドア10を制御して吸込口モード
を外気モードに設定し(ステップ120/吸込口モード
制御手段)、吹出口切換ドア17〜19を制御して吹出
口モードをデフロスタモードに設定する(ステップ13
0/吹出口モード制御手段)。
【0041】続いて、水温センサ50および外気センサ
46の各センサ値(Tw、Tam)を読み込む(ステップ
140)。続いて、読み込んだ水温Twと予め設定され
た設定水温T1 (本発明の所定値)とを比較判定する
(ステップ150/熱媒体温度判定手段)。ここで設定
水温T1 は、図4に示すように、ブロワ電圧をVX →V
1 (但し、VX <V1 )へ増加するか否かを判定するた
めの温度で、例えば30℃である。なお、ブロワ電圧V
1 は、風量レバー52によって調節可能なブロワモータ
2cへの最小印加電圧で、例えば6Vである。
【0042】この判定でTw<T1 の時(判定結果N
O)は、水温Twと外気温Tamとの温度差(Tw−Ta
m)と予め設定された温度値ΔT1 (本発明の判定値)
とを比較判定する(ステップ151/温度差判定手
段)。ここで、温度値ΔT1 は、デフロスタ吹出口14
から送風空気が吹き出された時に乗員が不快と感ずるか
否かを判定する基準値で、例えば14℃である。この判
定でTw−Tam<ΔT1 の時(判定結果NO)は、図5
に示すように、ブロワ電圧を0に維持して(ステップ1
52/第1送風機制御手段)、ステップ151へ戻る。
これにより、水温Twが設定水温T1 より低く、送風を
行った時に乗員が不快と感ずる場合は、車室内への送風
が停止される。
【0043】上記ステップ151の判定でTw−Tam≧
ΔT1 の時(判定結果YES)は、図5に示すように、
ブロワ電圧=V3 とする(ステップ153/第2送風機
制御手段)。このブロワ電圧V3 は、水温Twが設定水
温T1 以下の場合でも、車室内への送風によって乗員に
不快感を与えることなく、且つフロントガラスの曇りを
晴らすことができる程度の風量に相当する電圧で、例え
ば、4.5Vである。これにより、水温Twが設定水温
T1 以下でも、フロントガラスが曇る可能性が高い場合
は、デフロスタ吹出口14から低風量の送風空気をフロ
ントガラスに向けて吹き出すことができる。
【0044】ステップ153の処理を実行した後、再び
ステップ150へ戻る。このステップ150の判定で、
Tw≧T1 の時(判定結果YES)は、予めECUにイ
ンプットされた吹出口モード特性(マップ)に基づいて
吹出口モードを設定する(ステップ170)。但し、暖
房運転の場合は、主にフットモードが設定されて、フッ
ト吹出口16から温風の吹き出しが行なわれる。
【0045】吹出口モードが設定された後、先のステッ
プ140で読み込んだ水温Twと予め設定された設定水
温T2 (例えば50℃)とを比較判定する(ステップ1
70)。この判定でTw<T2 の時(判定結果NO)
は、水温Twの上昇によってTw=T2 となった時にブ
ロワ電圧=V2 (但し、V2 >V1 )となるように、水
温上昇に比例してブロワ電圧を増加する(ステップ18
0)。具体的には、水温センサ50より入力される水温
信号Twに基づいて、ブロワ駆動回路2Aに電流信号等
を出力し、前記ブロワ駆動回路2Aにて所定のブロワ電
圧をブロワモータ2cに印加してブロワ風量を調節す
る。
【0046】一方、ステップ170の判定でTw≧T2
の時(判定結果YES)は、ブロワ電圧=V2 とする
(ステップ190)。なお、ブロワ電圧V2 は、風量レ
バー52によって調節可能なブロワモータ2cへの最大
印加電圧で、例えば12Vである。ステップ180また
はステップ190の処理を実行した後、本制御を終了す
る。
【0047】(第1実施例の効果)本実施例の空調装置
1は、暖房運転の開始時に上述のウォームアップ制御を
実行することにより、温水式ヒータコア39を流れる温
水の温度Twが設定水温T1 より低く(Tw<T1 )、
且つ水温Twと外気温Tamとの温度差が予め設定された
温度値ΔT1 より小さい時(Tw−Tam<ΔT1 )は、
ブロワ2の作動が停止されて、車室内への冷風の吹き出
しを防止することができる。また、この場合、吸込口モ
ードが外気モードに固定されていれば、ブロワ2が停止
していても、車両の走行に伴って外気がダクト3内に導
入される。あるいは車両が停止している場合でも、ダク
ト3内へ外気が自然に流入する。このため、外気温度と
略同じ温度の空気がデフロスタ吹出口14から車室内へ
流入するため、フロントガラスの曇りを晴らす効果が期
待できる。
【0048】一方、水温Twが設定水温T1 以下でも、
水温Twと外気温Tamとの温度差が温度値ΔT1 以上の
時(Tw−Tam≧ΔT1 )は、乗員に不快感を与えない
程度に、低風量(ブロワ電圧=V3 )の送風空気がデフ
ロスタ吹出口14からフロントガラスに向けて吹き出さ
れる。これにより、車室内が高湿度でフロントガラスが
曇る様な場合でも早期に曇りを晴らすことができる。
【0049】なお、本実施例のウォームアップ制御にお
いて、水温Twとブロワ電圧との関係で、図6に示すよ
うに、ブロワ電圧の切換時(VX とV1 )に、水温Tw
にヒステリシス(T0 とT1 )を持たせても良い。ま
た、水温と外気温との温度差(Tw−Tam)とブロワ電
圧との関係で、図7に示すように、ブロワ電圧の切換時
(0とV3 )に、Tw−Tamにヒステリシス(ΔT0 と
ΔT1 )を持たせても良い。
【0050】(第2実施例)図8は車両用ヒートポンプ
式空調装置1の全体模式図である。本実施例の空調装置
1は、冷凍サイクル4の室内凝縮器56を空気加熱手段
としてダクト3内に配置したものである。なお、以下の
説明において、第1実施例と同一機能の部品について
は、第1実施例と同一名称および同一番号を付し、説明
を省略する。
【0051】冷凍サイクル4は、四方弁57および電磁
弁58によって冷媒圧縮機23より吐出された冷媒の流
れ方向が切り換えられる。 イ)冷房モードの作動(電磁弁58:OFF)。 この冷房モードでは、冷媒圧縮機23より吐出された冷
媒が、四方弁57を経て室外熱交換器26へ流れ、この
室外熱交換器26で電動ファン36により送風される外
気との熱交換によって凝縮液化する。液化した冷媒は、
第2減圧器27で減圧されて低温低圧の霧状冷媒となっ
てダクト3内に配された室内蒸発器28へ供給され、そ
の室内蒸発器28でブロワ2より送風された空気と熱交
換されて蒸発気化する。この気化冷媒は、アキュムレー
タ29で気液分離された後、ガス冷媒のみが冷媒圧縮機
23へ吸引される(冷媒の流れを図中矢印Cで示す)。
一方、室内蒸発器28で冷却された空気は、選択された
吹出口(主にフェイス吹出口15)から車室内へ吹き出
される。
【0052】ロ)暖房モードの作動(電磁弁58:O
N)。 この暖房モードでは、冷媒圧縮機23より吐出された冷
媒が、四方弁57を経てダクト3内に配された室内凝縮
器56へ流れ、この室内凝縮器56でブロワ2より送風
された空気との熱交換によって凝縮液化する。液化した
冷媒は、第1減圧器25で減圧されて低温低圧の霧状冷
媒となって室外熱交換器26へ供給され、その室外熱交
換器26で電動ファン36により送風された外気と熱交
換されて蒸発気化する。この気化冷媒は、電磁弁58を
通過してアキュムレータ29へ流れ、そのアキュムレー
タ29で気液分離された後、ガス冷媒のみが冷媒圧縮機
23へ吸引される(冷媒の流れを図中矢印Hで示す)。
一方、室内凝縮器56で加熱された空気は、選択された
吹出口(主にフット吹出口16)から車室内へ吹き出さ
れる。
【0053】上記の冷房モードおよび暖房モードにおい
て、吹出空気の温度調節は、温度調節レバー34により
冷媒圧縮機23の冷媒吐出量を変化させることで行なわ
れる。温度調節レバー34は、第1実施例で説明したよ
うに、そのレバー位置に応じてインバータ32の出力周
波数を変更して電動モータ31の回転速度を可変するこ
とにより、冷媒圧縮機23の冷媒吐出量を変えることが
できる。
【0054】次に、暖房運転開始時におけるウォームア
ップ制御について説明する。ウォームアップ制御を実行
するECU6の制御内容は、第1実施例と同様の処理手
順で行なわれる。図9は、ECU6の処理手順を示すフ
ローチャートである。但し、本実施例の空調装置1は、
第1実施例で説明した温水を暖房用熱源とするのではな
く、冷凍サイクル4を循環する冷媒の凝縮熱を暖房用熱
源として使用するため、冷媒の凝縮温度Tcを検出する
必要がある。そこで、本実施例では、図8に示すよう
に、室内蒸発器28の出口配管に圧力センサ59(本発
明の冷媒圧力検出手段)を設けて冷媒の凝縮圧力Pcを
検出し、その凝縮圧力Pcから凝縮圧力Pcと相関する
冷媒温度(凝縮温度Tc)を算出する。
【0055】従って、ステップ240では、水温Twの
代わりに、圧力センサ59の検出値(凝縮圧力Pc)を
読み込み、ステップ250で凝縮圧力Pcより凝縮温度
Tcを算出する(本発明の冷媒温度算出手段)。そし
て、ステップ260、261、280、290では、水
温Twの代わりに、先のステップ250で算出された凝
縮温度Tcを用いて各処理を実行する。
【0056】本実施例においても、第1実施例と同様の
効果を得ることができる。即ち、室内凝縮器56で凝縮
された冷媒の凝縮温度Tcが設定温度T1 より低く(T
c<T1 )、且つ凝縮温度Tcと外気温Tamとの温度差
が予め設定された温度値ΔT1 より小さい時(Tc−T
am<ΔT1 )は、ブロワ2の作動が停止されて、車室内
への冷風の吹き出しが防止される。また、凝縮温度Tc
が設定水温T1 以下でも、凝縮温度Tcと外気温Tamと
の温度差が温度値ΔT1 以上の時(Tc−Tam≧ΔT1
)は、乗員に不快感を与えない程度に、低風量(ブロ
ワ電圧=V3 )の送風空気がデフロスタ吹出口14から
フロントガラスに向けて吹き出されるため、フロントガ
ラスが曇っても早期に曇りを晴らすことができる。
【0057】〔変形例〕上記の実施例では、本発明を電
気自動車用空調装置に適用したが、空冷式エンジンを搭
載した車両用空調装置に適用しても良い。第1実施例お
よび第2実施例では、アキュムレータサイクルを構成し
たが、レシーバサイクルとしても良い。具体的には、第
1実施例に示す冷凍サイクル4では、冷媒/水熱交換器
24と第1減圧器25との間、および室外熱交換器26
と第2減圧器27との間に各々レシーバを設置する。第
2実施例に示す冷凍サイクル4では、室外熱交換器26
と第2減圧器27との間、および室内凝縮器56と第1
減圧器25との間に各々レシーバを設置する。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用ヒートポンプ式空調装置の全体模式図で
ある(第1実施例)。
【図2】第1実施例の制御系に係わるブロック図であ
る。
【図3】ECUの制御内容を示すフローチャートである
(第2実施例)。
【図4】水温によってブロワ電圧を決定する電圧特性図
である。
【図5】水温と外気温との温度差によってブロワ電圧を
決定する電圧特性図である。
【図6】図4に示すグラフにヒステリシスを持たせた電
圧特性図である。
【図7】図5に示すグラフにヒステリシスを持たせた電
圧特性図である。
【図8】第2実施例に係わる空調装置の全体模式図であ
る。
【図9】ECUの制御内容を示すフローチャートである
(第2実施例)。
【図10】従来のウォームアップ制御に係わる水温とブ
ロワ電圧との関係図である。
【図11】水温の上昇度合を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 車両用ヒートポンプ式空調装置 2 ブロワ(送風機) 3 ダクト 4 ヒートポンプ式冷凍サイクル 5 温水サイクル(熱媒体循環回路) 6 ECU 8 内気導入口 9 外気導入口 10 内外気切換ドア 12 クーラケース(ダクト) 13 ヒータケース(ダクト) 14 デフロスタ吹出口 15 フェイス吹出口 16 フット吹出口 17 吹出口切換ドア 18 吹出口切換ドア 19 吹出口切換ドア 23 冷媒圧縮機 24 冷媒/水熱交換器(熱交換器) 39 温水式ヒータコア(空気加熱手段) 46 外気センサ(外気温検出手段) 50 水温センサ(熱媒体温度検出手段) 56 室内凝縮器(空気加熱手段) 59 圧力センサ(冷媒圧力検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 静男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内気導入口または外気導入口と車室内に開
    口する複数の吹出口の少なくとも1つとを連絡するダク
    トと、 前記内気導入口または前記外気導入口から前記ダクト内
    に空気を導入して前記吹出口へ向かって送風する送風機
    と、 外気モードが設定された時に、前記内気導入口を閉塞し
    て前記外気導入口を開口する内外気切換ドアと、 デフロスタモードが設定された時に、前記複数の吹出口
    のうち車両の窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロス
    タ吹出口を開く吹出口切換ドアと、 熱媒体が循環する熱媒体循環回路と、 空調モードに応じて冷媒圧縮機より吐出される冷媒の循
    環方向を切り換えるヒートポンプ式冷凍サイクルと、 前記冷媒圧縮機より吐出された高温高圧の冷媒と前記熱
    媒体循環回路を循環する熱媒体との熱交換を行なう熱交
    換器と、 前記ダクト内に配されて前記熱媒体循環回路に接続さ
    れ、前記熱交換器で冷媒と熱交換された熱媒体を熱源と
    して通過する空気を加熱する空気加熱手段と、 この空気加熱手段を流れる熱媒体の温度を検出する熱媒
    体温度検出手段と、 外気温度を検出する外気温検出手段と、 前記空調モードを判定する空調モード判定手段と、 この空調モード判定手段で暖房モードと判定された時
    に、前記外気モードを設定して前記内外気切換ドアを制
    御する吸込口モード制御手段と、 前記空調モード判定手段で暖房モードと判定された時
    に、前記熱媒体温度検出手段で検出された熱媒体の温度
    を所定値と比較判定する熱媒体温度判定手段と、 この熱媒体温度判定手段で熱媒体の温度が前記所定値よ
    り小さいと判定された時に、前記熱媒体温度検出手段で
    検出された熱媒体の温度と前記外気温検出手段で検出さ
    れた外気温度との温度差を判定値と比較判定する温度差
    判定手段と、 この温度差判定手段で外気温度より熱媒体の温度の方が
    前記判定値より小さいと判定された時に、前記送風機の
    作動を停止する第1送風機制御手段と、 前記温度差判定手段で外気温度より熱媒体の温度の方が
    前記判定値以上大きいと判定された時に、前記熱媒体温
    度判定手段で熱媒体の温度が前記所定値以上と判定され
    た時に設定される送風量より少ない所定の送風量が得ら
    れるように前記送風機の作動を制御する第2送風機制御
    手段と、 少なくとも前記第2送風機制御手段が実行される場合
    は、前記デフロスタモードを設定して前記吹出口切換ド
    アを制御する吹出口モード制御手段とを備えた車両用ヒ
    ートポンプ式空調装置。
  2. 【請求項2】内気導入口または外気導入口と車室内に開
    口する複数の吹出口の少なくとも1つとを連絡するダク
    トと、 前記内気導入口または前記外気導入口から前記ダクト内
    に空気を導入して前記吹出口へ向かって送風する送風機
    と、 外気モードが設定された時に、前記内気導入口を閉塞し
    て前記外気導入口を開口する内外気切換ドアと、 デフロスタモードが設定された時に、前記複数の吹出口
    のうち車両の窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロス
    タ吹出口を開く吹出口切換ドアと、 空調モードに応じて冷媒圧縮機より吐出される冷媒の循
    環方向を切り換えるヒートポンプ式冷凍サイクルと、 前記ダクト内に配されて、前記冷媒圧縮機より吐出され
    た高温高圧の冷媒を熱源として通過する空気を加熱する
    空気加熱手段と、 この空気加熱手段を流れる冷媒媒体の温度を検出する冷
    媒温度検出手段と、 外気温度を検出する外気温検出手段と、 前記空調モードを判定する空調モード判定手段と、 この空調モード判定手段で暖房モードと判定された時
    に、前記外気モードを設定して前記内外気切換ドアを制
    御する吸込口モード制御手段と、 前記空調モード判定手段で暖房モードと判定された時
    に、前記冷媒温度検出手段で検出された冷媒温度を所定
    値と比較判定する冷媒温度判定手段と、 この冷媒温度判定手段で冷媒温度が前記所定値より小さ
    いと判定された時に、 前記冷媒温度検出手段で検出された冷媒温度と前記外気
    温検出手段で検出された外気温度との温度差を判定値と
    比較判定する温度差判定手段と、 この温度差判定手段で外気温度より冷媒温度の方が前記
    判定値より小さいと判定された時に、前記送風機の作動
    を停止する第1送風機制御手段と、 前記温度差判定手段で外気温度より冷媒温度の方が前記
    判定値以上大きいと判定された時に、前記冷媒温度判定
    手段で冷媒温度が前記所定値以上と判定された時に設定
    される送風量より少ない所定の送風量が得られるように
    前記送風機の作動を制御する第2送風機制御手段と、 少なくとも前記第2送風機制御手段が実行される場合
    は、前記デフロスタモードを設定して前記吹出口切換ド
    アを制御する吹出口モード制御手段とを備えた車両用ヒ
    ートポンプ式空調装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載した車両用ヒート
    ポンプ式空調装置において、 前記吹出口モード制御手段は、前記第1送風機制御手段
    が実行される場合に、前記デフロスタモードを設定して
    前記吹出口切換ドアを制御することを特徴とする車両用
    ヒートポンプ式空調装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載した車両用ヒートポンプ式
    空調装置において、 前記冷媒温度検出手段は、 前記空気加熱手段で凝縮した冷媒の凝縮圧力を検出する
    冷媒圧力検出手段と、 この冷媒圧力検出手段で検出された冷媒圧力より冷媒温
    度を算出する冷媒温度算出手段とから成ることを特徴と
    する車両用ヒートポンプ式空調装置。
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