JPH0820881A - 耐食性に優れた銅又は銅合金管 - Google Patents
耐食性に優れた銅又は銅合金管Info
- Publication number
- JPH0820881A JPH0820881A JP15479594A JP15479594A JPH0820881A JP H0820881 A JPH0820881 A JP H0820881A JP 15479594 A JP15479594 A JP 15479594A JP 15479594 A JP15479594 A JP 15479594A JP H0820881 A JPH0820881 A JP H0820881A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copper
- copper alloy
- alloy tube
- oil
- corrosion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 揮発性潤滑油が残留した状態で高温を加えた
場合も、蟻の巣状腐食を抑制できる耐食性に優れた銅又
は銅合金管を提供する。 【構成】 平均内面残油量が0.02mg/m2 乃至3
0.0mg/m2 の油膜が付着した銅又は銅合金管であ
り、前記油膜はオレイルアルコール等のアルコール系添
加剤を含有すると共に、ステアリン酸等の脂肪酸添加剤
を含まない。
場合も、蟻の巣状腐食を抑制できる耐食性に優れた銅又
は銅合金管を提供する。 【構成】 平均内面残油量が0.02mg/m2 乃至3
0.0mg/m2 の油膜が付着した銅又は銅合金管であ
り、前記油膜はオレイルアルコール等のアルコール系添
加剤を含有すると共に、ステアリン酸等の脂肪酸添加剤
を含まない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用配管又は空調機
器等の熱交換器に使用するのに好適の、耐食性に優れた
銅又は銅合金管に関する。
器等の熱交換器に使用するのに好適の、耐食性に優れた
銅又は銅合金管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、熱交換器の組立工程にお
いて、アルミニウム又はアルミニウム合金製のプレート
状フィンを所定形状に加工するためのプレス加工する工
程及び銅又は銅合金管を曲げ加工する工程等において、
多量の潤滑油が使用されている。また、銅又は銅合金管
自体を製品寸法まで抽伸加工する際にも、多量の潤滑油
が使用されている。そして、組立てが終了した後、これ
らの潤滑油を除去するために、有機溶剤又はフロンを使
用して熱交換器を洗浄している。しかし、近年、環境保
護の観点から、有機溶剤及びフロンの使用が規制される
傾向にあり、潤滑油を洗浄する必要性を排除するため
に、揮発性を有する揮発性潤滑油が使用されるようにな
ってきた。
いて、アルミニウム又はアルミニウム合金製のプレート
状フィンを所定形状に加工するためのプレス加工する工
程及び銅又は銅合金管を曲げ加工する工程等において、
多量の潤滑油が使用されている。また、銅又は銅合金管
自体を製品寸法まで抽伸加工する際にも、多量の潤滑油
が使用されている。そして、組立てが終了した後、これ
らの潤滑油を除去するために、有機溶剤又はフロンを使
用して熱交換器を洗浄している。しかし、近年、環境保
護の観点から、有機溶剤及びフロンの使用が規制される
傾向にあり、潤滑油を洗浄する必要性を排除するため
に、揮発性を有する揮発性潤滑油が使用されるようにな
ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
熱交換器の組立工程に使用される揮発性潤滑油には、完
全に揮発する前にその残留油に熱を加えると、前記残留
油が加水分解してカルボン酸(有機酸)を生成するもの
がある。また、銅又は銅合金管のろう付けの際に使用さ
れるフラックスにはアルコールを含有しているものがあ
り、加水分解してカルボン酸を生成することがある。と
ころが銅又は銅合金管は、カルボン酸(有機酸)が存在
する環境においては、銅又は銅合金管の半径方向に対し
てあたかも「蟻の巣」のような不規則な形態で進行する
腐食が発生するという問題点がある。この腐食は、その
形態から蟻の巣状腐食と呼ばれている。
熱交換器の組立工程に使用される揮発性潤滑油には、完
全に揮発する前にその残留油に熱を加えると、前記残留
油が加水分解してカルボン酸(有機酸)を生成するもの
がある。また、銅又は銅合金管のろう付けの際に使用さ
れるフラックスにはアルコールを含有しているものがあ
り、加水分解してカルボン酸を生成することがある。と
ころが銅又は銅合金管は、カルボン酸(有機酸)が存在
する環境においては、銅又は銅合金管の半径方向に対し
てあたかも「蟻の巣」のような不規則な形態で進行する
腐食が発生するという問題点がある。この腐食は、その
形態から蟻の巣状腐食と呼ばれている。
【0004】この蟻の巣状腐食の発生を抑制するために
は、銅又は銅合金管に高熱を加えるろう付け工程以前
に、揮発性潤滑油を十分乾燥させる必要がある。しか
し、近年、熱交換器の組立て工程におけるリードタイム
の短縮の要請から、乾燥時間を短縮する傾向があり、揮
発性潤滑油を十分に乾燥させることは困難である。揮発
速度が速い潤滑油を使用することも考えられるが、揮発
性潤滑油の揮発速度を上げると、潤滑性が低下し易く、
アルミニウム板のプレス加工工程並びに銅又は銅合金管
の曲げ加工工程及び拡管工程において、工具の焼き付き
等の不具合が発生する虞がある。このため、十分な潤滑
性を維持するためには、揮発性潤滑油の揮発速度をある
程度遅くせざるを得ない。その結果、揮発性潤滑油が残
留し易くなる。なお、揮発性潤滑油は、特に銅又は銅合
金管の内面に残留しやすい。
は、銅又は銅合金管に高熱を加えるろう付け工程以前
に、揮発性潤滑油を十分乾燥させる必要がある。しか
し、近年、熱交換器の組立て工程におけるリードタイム
の短縮の要請から、乾燥時間を短縮する傾向があり、揮
発性潤滑油を十分に乾燥させることは困難である。揮発
速度が速い潤滑油を使用することも考えられるが、揮発
性潤滑油の揮発速度を上げると、潤滑性が低下し易く、
アルミニウム板のプレス加工工程並びに銅又は銅合金管
の曲げ加工工程及び拡管工程において、工具の焼き付き
等の不具合が発生する虞がある。このため、十分な潤滑
性を維持するためには、揮発性潤滑油の揮発速度をある
程度遅くせざるを得ない。その結果、揮発性潤滑油が残
留し易くなる。なお、揮発性潤滑油は、特に銅又は銅合
金管の内面に残留しやすい。
【0005】また、蟻の巣状腐食を防ぐために、熱交換
器組立工程に使用する潤滑油中に蟻の巣状腐食を抑制さ
せる添加剤を含有させるという技術(特開平6−101
64号、特開平6−10165号、特開平6−1016
6号、特開平6−10167号及び特開平6−1016
8号)が提案されているが、これらの技術においても、
熱が加えられたときの潤滑油の加水分解を抑制すること
はできず、カルボン酸が生成してしまうという欠点があ
る。
器組立工程に使用する潤滑油中に蟻の巣状腐食を抑制さ
せる添加剤を含有させるという技術(特開平6−101
64号、特開平6−10165号、特開平6−1016
6号、特開平6−10167号及び特開平6−1016
8号)が提案されているが、これらの技術においても、
熱が加えられたときの潤滑油の加水分解を抑制すること
はできず、カルボン酸が生成してしまうという欠点があ
る。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、内面に揮発性潤滑油が残留した状態で高温
が加えられた場合でも、蟻の巣状腐食が発生しにくい耐
食性に優れた銅又は銅合金管を提供することを目的とす
る。
のであって、内面に揮発性潤滑油が残留した状態で高温
が加えられた場合でも、蟻の巣状腐食が発生しにくい耐
食性に優れた銅又は銅合金管を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐食性に優
れた銅又は銅合金管は、その内面に付着している油膜の
平均内面残油量が0.02mg/m2 乃至30.0mg
/m2 であり、前記油膜はアルコール系添加剤を含有す
ると共に、脂肪酸添加剤を含まないことを特徴とする。
れた銅又は銅合金管は、その内面に付着している油膜の
平均内面残油量が0.02mg/m2 乃至30.0mg
/m2 であり、前記油膜はアルコール系添加剤を含有す
ると共に、脂肪酸添加剤を含まないことを特徴とする。
【0008】
【作用】本願発明者等は、蟻の巣状腐食が発生しにくい
銅又は銅合金管を得るべく種々研究し、その結果、以下
の事実を見い出した。
銅又は銅合金管を得るべく種々研究し、その結果、以下
の事実を見い出した。
【0009】即ち、従来、銅又は銅合金管と加工工具と
の間の潤滑性を向上させるために使用されている潤滑油
には、例えばステアリン酸等の高級脂肪酸である脂肪酸
添加剤が含まれている。この潤滑油は、銅又は銅合金管
の表面との化学反応により銅石鹸(金属石鹸)を生成
し、銅又は銅合金管内面と油膜との吸着力を向上させる
という作用があり、高加工率及び高速加工用の潤滑油と
して使用されている。しかし、脂肪酸添加剤が含まれて
いる潤滑油は、銅又は銅合金管の加工時に発生する熱、
銅又は銅合金管の焼鈍時及び熱交換器組立工程における
ろう付け工程で加えられる熱により銅石鹸の状態で銅と
共に銅又は銅合金管内面上から脱離する。従って、この
銅又は銅合金管が腐食環境に暴露された場合は、油膜が
脱離した部分の銅又は銅合金管内面が、例えば揮発性潤
滑油の加水分解によって生成されたカルボン酸(ギ酸及
び酢酸等)である腐食媒体と直接接触し、蟻の巣状腐食
が発生する。
の間の潤滑性を向上させるために使用されている潤滑油
には、例えばステアリン酸等の高級脂肪酸である脂肪酸
添加剤が含まれている。この潤滑油は、銅又は銅合金管
の表面との化学反応により銅石鹸(金属石鹸)を生成
し、銅又は銅合金管内面と油膜との吸着力を向上させる
という作用があり、高加工率及び高速加工用の潤滑油と
して使用されている。しかし、脂肪酸添加剤が含まれて
いる潤滑油は、銅又は銅合金管の加工時に発生する熱、
銅又は銅合金管の焼鈍時及び熱交換器組立工程における
ろう付け工程で加えられる熱により銅石鹸の状態で銅と
共に銅又は銅合金管内面上から脱離する。従って、この
銅又は銅合金管が腐食環境に暴露された場合は、油膜が
脱離した部分の銅又は銅合金管内面が、例えば揮発性潤
滑油の加水分解によって生成されたカルボン酸(ギ酸及
び酢酸等)である腐食媒体と直接接触し、蟻の巣状腐食
が発生する。
【0010】一方、例えば、オレイルアルコール等の高
級アルコールであるアルコール系添加剤が含まれている
潤滑油は、脂肪酸を添加した潤滑油に比して、銅又は銅
合金管内面との吸着力は若干劣るものの、脂肪酸のよう
に銅石鹸を生成するということがないため、銅又は銅合
金管に熱が加えられた場合でも、銅又は銅合金管内面に
緻密な油膜を保持することができる。従って、この油膜
により腐食媒体が銅又は銅合金管内面に直接接触するこ
とを防止できて、蟻の巣状腐食の発生を抑制することが
できる。
級アルコールであるアルコール系添加剤が含まれている
潤滑油は、脂肪酸を添加した潤滑油に比して、銅又は銅
合金管内面との吸着力は若干劣るものの、脂肪酸のよう
に銅石鹸を生成するということがないため、銅又は銅合
金管に熱が加えられた場合でも、銅又は銅合金管内面に
緻密な油膜を保持することができる。従って、この油膜
により腐食媒体が銅又は銅合金管内面に直接接触するこ
とを防止できて、蟻の巣状腐食の発生を抑制することが
できる。
【0011】本発明に係る銅又は銅合金管は、その内面
にアルコール系添加剤を含有し、脂肪酸添加剤を含まな
い油膜が付着しているため、熱が加えられても油膜が剥
離することがなく、緻密な油膜を保持することができ
て、蟻の巣状腐食を防止することができる。
にアルコール系添加剤を含有し、脂肪酸添加剤を含まな
い油膜が付着しているため、熱が加えられても油膜が剥
離することがなく、緻密な油膜を保持することができ
て、蟻の巣状腐食を防止することができる。
【0012】次に、銅又は銅合金管内面上における油膜
の付着量の影響について説明する。銅又は銅合金管の内
面上における平均内面残油量が0.02mg/m2 未満
であると、油膜による耐食性効果を十分に得ることがで
きないため、銅又は銅合金管の耐食性が損なわれる。ま
た、平均内面残油量が30.0mg/m2 を超えると、
熱交換器組立時のろう付け熱により油膜が炭化され、ろ
う材の広がりが阻害されてろう付け不良の原因となる。
なお、銅又は銅合金管内面に付着した油膜の一部が熱処
理等によりカーボンに変質し、カーボンが油膜と混在す
る場合もあるが、耐食性に関する効果は変化しない。従
って、銅又は銅合金管内面に付着する油膜の平均内面残
油量を0.02mg/m2 乃至30.0mg/m2 とす
れば、耐食性及び品質がいずれも優れている銅又は銅合
金管を得ることができる。
の付着量の影響について説明する。銅又は銅合金管の内
面上における平均内面残油量が0.02mg/m2 未満
であると、油膜による耐食性効果を十分に得ることがで
きないため、銅又は銅合金管の耐食性が損なわれる。ま
た、平均内面残油量が30.0mg/m2 を超えると、
熱交換器組立時のろう付け熱により油膜が炭化され、ろ
う材の広がりが阻害されてろう付け不良の原因となる。
なお、銅又は銅合金管内面に付着した油膜の一部が熱処
理等によりカーボンに変質し、カーボンが油膜と混在す
る場合もあるが、耐食性に関する効果は変化しない。従
って、銅又は銅合金管内面に付着する油膜の平均内面残
油量を0.02mg/m2 乃至30.0mg/m2 とす
れば、耐食性及び品質がいずれも優れている銅又は銅合
金管を得ることができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について、具体的に説
明する。銅管に付着させる油膜の成分及び残油量を下記
表1に示すように種々変化させ、実施例及び比較例の各
銅管の耐食性を調べる試験を実施した結果について説明
する。
明する。銅管に付着させる油膜の成分及び残油量を下記
表1に示すように種々変化させ、実施例及び比較例の各
銅管の耐食性を調べる試験を実施した結果について説明
する。
【0014】先ず、リン脱酸銅管(JIS H3300
C1220)を用意し、この銅管の内面及び外面に潤
滑油の油膜を付着させた。なお、これらの銅管内面及び
外面に付着する油膜の残油量を測定するため、四塩化炭
素により銅管表面上の油分を抽出し、ダブルビーム非分
散赤外線吸収方式による油分濃度計を使用して残油量を
測定した。また、潤滑油の油膜の成分は、赤外分光光度
計を使用して赤外吸収スペクトルを解析することにより
測定した。
C1220)を用意し、この銅管の内面及び外面に潤
滑油の油膜を付着させた。なお、これらの銅管内面及び
外面に付着する油膜の残油量を測定するため、四塩化炭
素により銅管表面上の油分を抽出し、ダブルビーム非分
散赤外線吸収方式による油分濃度計を使用して残油量を
測定した。また、潤滑油の油膜の成分は、赤外分光光度
計を使用して赤外吸収スペクトルを解析することにより
測定した。
【0015】
【表1】
【0016】次に、これらの銅管を、O2 濃度が500
ppm、H2 濃度が5体積%、残部がN2 の雰囲気中で
熱処理した。そして、熱処理後の各銅管を、濃度が1体
積%のギ酸雰囲気中及び1体積%の酢酸雰囲気中で20
日間暴露した。その後、銅管の断面を観察し、最大腐食
深さを調べて耐食性を評価した。その結果も表1に併せ
て示す。なお、濃度が1体積%のギ酸及び濃度が1体積
%の酢酸に暴露したのは、ギ酸及び酢酸により容易に蟻
の巣状腐食が再現できるからである。
ppm、H2 濃度が5体積%、残部がN2 の雰囲気中で
熱処理した。そして、熱処理後の各銅管を、濃度が1体
積%のギ酸雰囲気中及び1体積%の酢酸雰囲気中で20
日間暴露した。その後、銅管の断面を観察し、最大腐食
深さを調べて耐食性を評価した。その結果も表1に併せ
て示す。なお、濃度が1体積%のギ酸及び濃度が1体積
%の酢酸に暴露したのは、ギ酸及び酢酸により容易に蟻
の巣状腐食が再現できるからである。
【0017】次いで、銅管のろう付性を調べるために、
銅管とフィンとを使用してフィンドコイルを組立て、リ
ターンベンド部を、ろう材がBCuP−2(JIS Z
3264)、温度が850℃、時間が30秒間の条件
でろう付けした。そして、得られたフィンドコイルの銅
管に対し、空気圧力が2.94MPaの条件で気密試験
を実施した。その結果も表1に併せて示す。なお、表1
のろう付性欄の評価基準は、リーク無しの場合は○、リ
ークがあった場合は×とする。
銅管とフィンとを使用してフィンドコイルを組立て、リ
ターンベンド部を、ろう材がBCuP−2(JIS Z
3264)、温度が850℃、時間が30秒間の条件
でろう付けした。そして、得られたフィンドコイルの銅
管に対し、空気圧力が2.94MPaの条件で気密試験
を実施した。その結果も表1に併せて示す。なお、表1
のろう付性欄の評価基準は、リーク無しの場合は○、リ
ークがあった場合は×とする。
【0018】表1から明らかなように、実施例1〜12
は、いずれもカルボン酸に対する耐食性が良好であり最
大腐食深さが小さく、銅管にリークが発生せずろう付性
も優れている。一方、比較例14,16,18において
は、銅管内面に付着する油膜量が多いため、最大腐食深
さは小さいが、フィンドコイルのろう付部にリークが発
生しろう付性が悪い。また、比較例13,15,17は
油膜量が少ないため、いずれもろう付不良は発生しない
が、最大腐食深さが大きい。更に、比較例19〜23は
いずれも脂肪酸を含有しているため、銅管のろう付性は
よいが、最大腐食深さが大きく耐食性に劣る。
は、いずれもカルボン酸に対する耐食性が良好であり最
大腐食深さが小さく、銅管にリークが発生せずろう付性
も優れている。一方、比較例14,16,18において
は、銅管内面に付着する油膜量が多いため、最大腐食深
さは小さいが、フィンドコイルのろう付部にリークが発
生しろう付性が悪い。また、比較例13,15,17は
油膜量が少ないため、いずれもろう付不良は発生しない
が、最大腐食深さが大きい。更に、比較例19〜23は
いずれも脂肪酸を含有しているため、銅管のろう付性は
よいが、最大腐食深さが大きく耐食性に劣る。
【0019】なお、潤滑油のベース(基油)としては、
パラフィン炭化水素、ナフテン炭化水素、芳香族炭化水
素、オレフィン炭化水素及び非炭化水素があり、これら
のいずれを使用してもよい。なお、非炭化水素とは、炭
素水素の他に硫黄、窒素及び酸素のような原子を含む化
合物である。
パラフィン炭化水素、ナフテン炭化水素、芳香族炭化水
素、オレフィン炭化水素及び非炭化水素があり、これら
のいずれを使用してもよい。なお、非炭化水素とは、炭
素水素の他に硫黄、窒素及び酸素のような原子を含む化
合物である。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る銅又は
銅合金管は、その内面に付着する油膜の平均内面残油量
が0.02mg/m2 乃至30.0mg/m2 であり、
前記油膜はアルコール系添加剤を含有すると共に、脂肪
酸添加剤を含まないため、蟻の巣状腐食を引き起こすカ
ルボン酸(有機酸)環境において、銅又は銅合金管に蟻
の巣状腐食が発生しにくい耐食性に優れた銅又は銅合金
管を得ることができる。
銅合金管は、その内面に付着する油膜の平均内面残油量
が0.02mg/m2 乃至30.0mg/m2 であり、
前記油膜はアルコール系添加剤を含有すると共に、脂肪
酸添加剤を含まないため、蟻の巣状腐食を引き起こすカ
ルボン酸(有機酸)環境において、銅又は銅合金管に蟻
の巣状腐食が発生しにくい耐食性に優れた銅又は銅合金
管を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 その内面に付着している油膜の平均内面
残油量が0.02mg/m2 乃至30.0mg/m2 で
あり、前記油膜はアルコール系添加剤を含有すると共
に、脂肪酸添加剤を含まないことを特徴とする耐食性に
優れた銅又は銅合金管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15479594A JPH0820881A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 耐食性に優れた銅又は銅合金管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15479594A JPH0820881A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 耐食性に優れた銅又は銅合金管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0820881A true JPH0820881A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15592064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15479594A Pending JPH0820881A (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 耐食性に優れた銅又は銅合金管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0820881A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2359500A (en) * | 2000-02-23 | 2001-08-29 | Illinois Tool Works | Inhibiting corrosion in pipelines |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP15479594A patent/JPH0820881A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2359500A (en) * | 2000-02-23 | 2001-08-29 | Illinois Tool Works | Inhibiting corrosion in pipelines |
GB2359500B (en) * | 2000-02-23 | 2004-08-18 | Illinois Tool Works | Corrosion inhibitors |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1170005C (zh) | 用于在传热流体和发动机冷却剂中保护轻金属的缓蚀剂和协同抑制剂组合 | |
CN101480764B (zh) | 水溶性铝及铝合金软钎焊钎剂及其制备方法 | |
WO2016190347A1 (ja) | 冷凍装置の蒸発器の製造方法 | |
JP2005523163A (ja) | フラックスがコーティングされたブレージングシート | |
US5925173A (en) | Method of inhibiting corrosion of flux-treated metal surfaces | |
EP0416758B1 (en) | Method of brazing aluminium-based sheets or parts | |
US5839311A (en) | Composition to aid in the forming of metal | |
JPH0820881A (ja) | 耐食性に優れた銅又は銅合金管 | |
CN1286294A (zh) | 一种挥发型金属加工润滑油 | |
JPS6356325A (ja) | 予備潤滑フィン材料およびその製造方法 | |
CA2250735C (en) | Improving fillet forming of brazeable aluminum articles | |
JP3808044B2 (ja) | フィンプレス用潤滑剤 | |
JP2007297481A (ja) | 銅管加工用潤滑油及びそれを用いた銅管の製造方法 | |
JP3325649B2 (ja) | 熱交換器用耐食性銅管 | |
US3468016A (en) | Method and composition for improved welding of light metal or light alloys | |
JP3191307B2 (ja) | 成形性及び親水性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン材 | |
JP4008999B2 (ja) | 抽伸加工用潤滑油 | |
JP2942096B2 (ja) | 熱交換器用耐食銅合金管 | |
JPH0649620A (ja) | 耐孔食性が優れた銅又は銅合金管及びその製造方法 | |
EP3779347A1 (en) | Refrigerant pipe, heat exchanger, and method for manufacturing refigerant pipe | |
US4442968A (en) | Brazing filler metal composition and process | |
JPH11209781A (ja) | 抽伸加工用潤滑油 | |
US20030175421A1 (en) | Process for reducing contaminants on surfaces of die cast components | |
Brekan et al. | Using the German Test Method TL 8135-002 for Multi-Metal Application: Non-Ferrous Alloys | |
JP2751785B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウムクラッド材及びそれを用いたアルミニウムパイプ並びにプレート |