JPH08201402A - 走査型プローブ顕微鏡の位置制御システム - Google Patents
走査型プローブ顕微鏡の位置制御システムInfo
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- JPH08201402A JPH08201402A JP1247295A JP1247295A JPH08201402A JP H08201402 A JPH08201402 A JP H08201402A JP 1247295 A JP1247295 A JP 1247295A JP 1247295 A JP1247295 A JP 1247295A JP H08201402 A JPH08201402 A JP H08201402A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】この発明は、制御系を安定させて応答性を速め
ると共に、位置決め精度を高め、システムの複雑化や装
置の大型化を避けるために、圧電体の固有共振周波数が
平坦な特性となるべく演算して該圧電体の走査電圧を制
御する。 【構成】位置制御回路の外部からの走査信号が、比較器
14を介して積分補償器15に入力される。この積分補
償器15の出力は、加算器20から高圧アンプ16を介
して圧電アクチュエータ17に供給されると共に、規範
モデル部21に供給される。圧電アクチュエータ17の
出力は、上記規範モデル部21の出力と共に比較器22
に供給されると共に、変位センサ18を介して比較器1
4にフィードバックされる。また、比較器22からは適
応機構部23を経て、補正電圧Vaが加算器20に入力
される。加算器20で加算された走査電圧は、高圧アン
プ16で増幅されて、制御電圧Vpとして圧電アクチュ
エータ17に供給される。
ると共に、位置決め精度を高め、システムの複雑化や装
置の大型化を避けるために、圧電体の固有共振周波数が
平坦な特性となるべく演算して該圧電体の走査電圧を制
御する。 【構成】位置制御回路の外部からの走査信号が、比較器
14を介して積分補償器15に入力される。この積分補
償器15の出力は、加算器20から高圧アンプ16を介
して圧電アクチュエータ17に供給されると共に、規範
モデル部21に供給される。圧電アクチュエータ17の
出力は、上記規範モデル部21の出力と共に比較器22
に供給されると共に、変位センサ18を介して比較器1
4にフィードバックされる。また、比較器22からは適
応機構部23を経て、補正電圧Vaが加算器20に入力
される。加算器20で加算された走査電圧は、高圧アン
プ16で増幅されて、制御電圧Vpとして圧電アクチュ
エータ17に供給される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は走査型プローブ顕微鏡
の位置制御システムに関し、より詳細には圧電体の固有
共振周波数ωpに於いて平坦な特性を有する圧電体の規
範モデルを利用した走査型プローブ顕微鏡の位置制御シ
ステムに関するものである。
の位置制御システムに関し、より詳細には圧電体の固有
共振周波数ωpに於いて平坦な特性を有する圧電体の規
範モデルを利用した走査型プローブ顕微鏡の位置制御シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、走査型プローブ顕微鏡は、トン
ネル電流を利用して試料表面を原子寸度でなぞって画像
化する走査トンネル顕微鏡STM(Scanning Tunneling
Microscope )を初めとして、多様化している探針と近
接させ、その間に働く物理量を検出し、それを媒体にし
て試料表面の凹凸をなぞり、試料表面の性質の違いを知
る原子サイズオーダで三次元的な測定装置である。
ネル電流を利用して試料表面を原子寸度でなぞって画像
化する走査トンネル顕微鏡STM(Scanning Tunneling
Microscope )を初めとして、多様化している探針と近
接させ、その間に働く物理量を検出し、それを媒体にし
て試料表面の凹凸をなぞり、試料表面の性質の違いを知
る原子サイズオーダで三次元的な測定装置である。
【0003】また、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic f
orce Microscope )は、上述したSTMに類似してお
り、走査型プローブの顕微鏡の1つとして位置付けられ
ている。AFMでは、自由端に鋭い探針を有するカンチ
レバーが、試料に対抗・近接して設けられている。そし
て、こうしたAFMでは、該深針の先端の原子と試料原
子との間に働く相互作用力により、変位するカンチレバ
ーの動きを電気的或いは光学的に捕らえて測定しつつ、
試料をXY方向に走査し、カンチレバーの探針部との位
置関係を相対的に変化させることによって、試料の凹凸
情報等を原子サイズオーダで三次元的に捕らえることが
できる。
orce Microscope )は、上述したSTMに類似してお
り、走査型プローブの顕微鏡の1つとして位置付けられ
ている。AFMでは、自由端に鋭い探針を有するカンチ
レバーが、試料に対抗・近接して設けられている。そし
て、こうしたAFMでは、該深針の先端の原子と試料原
子との間に働く相互作用力により、変位するカンチレバ
ーの動きを電気的或いは光学的に捕らえて測定しつつ、
試料をXY方向に走査し、カンチレバーの探針部との位
置関係を相対的に変化させることによって、試料の凹凸
情報等を原子サイズオーダで三次元的に捕らえることが
できる。
【0004】更に、上記AFMは10-18 〜10-10 N
程度の微弱な力で動作するため、AFMを用いて材料の
ナノニュートンオーダでの加工及びメモリ操作が可能で
ある。例えば、1990年にA.L.Weisenho
rnらは、AFMを用いてゼオライト表面に“X”の文
字を書いていた。
程度の微弱な力で動作するため、AFMを用いて材料の
ナノニュートンオーダでの加工及びメモリ操作が可能で
ある。例えば、1990年にA.L.Weisenho
rnらは、AFMを用いてゼオライト表面に“X”の文
字を書いていた。
【0005】このように、原子レベルでの試料表面の加
工、材料の摩耗の測定といった表面修飾の場合には、S
TM及びAFMは原子・分子のマニピュレータとして使
用が可能となってくる。
工、材料の摩耗の測定といった表面修飾の場合には、S
TM及びAFMは原子・分子のマニピュレータとして使
用が可能となってくる。
【0006】走査型プローブ顕微鏡に於いては、圧電体
アクチュエータの共振特性による画像品質の劣化を防止
するために、高速で且つ高精度の位置制御技術の開発が
要求されている。したがって、その基本となるミクロン
及びナノメートルオーダの位置制御系の精度を高めるの
は、重要な課題の1つとなっている。
アクチュエータの共振特性による画像品質の劣化を防止
するために、高速で且つ高精度の位置制御技術の開発が
要求されている。したがって、その基本となるミクロン
及びナノメートルオーダの位置制御系の精度を高めるの
は、重要な課題の1つとなっている。
【0007】図8は、従来の走査型プローブ顕微鏡の構
成の一例を示した図である。同図に於いて、円筒型圧電
体を用いた圧電アクチュエータ1及びX,Y位置指令部
2からは、XY位置制御回路3に対して、下記(1)
式、(2)式で表される走査信号と、実際変位のxp,
ypが出力される。
成の一例を示した図である。同図に於いて、円筒型圧電
体を用いた圧電アクチュエータ1及びX,Y位置指令部
2からは、XY位置制御回路3に対して、下記(1)
式、(2)式で表される走査信号と、実際変位のxp,
ypが出力される。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】そして、このXY位置制御回路3とZ変位
サーボ制御部4から、下記(3)式、(4)式及び
(5)式で表されるX制御信号(X方向の圧電体の駆動
電圧)、Y制御信号(Y方向の圧電体の駆動電圧)及び
Z制御信号(Z方向の圧電体の駆動電圧)が、上記圧電
アクチュエータ1に出力される。
サーボ制御部4から、下記(3)式、(4)式及び
(5)式で表されるX制御信号(X方向の圧電体の駆動
電圧)、Y制御信号(Y方向の圧電体の駆動電圧)及び
Z制御信号(Z方向の圧電体の駆動電圧)が、上記圧電
アクチュエータ1に出力される。
【0011】
【数3】
【0012】
【数4】
【0013】
【数5】
【0014】圧電アクチュエータ1の内部には、その圧
電体の上端にX、Y方向の変位を測定するためのミラー
5が取付けられ、略中央部にレーザ光を集光するレンズ
6が設けられている。また、圧電アクチュエータ1は、
その下端がX変位センサ7及びY変位センサ8を有する
ユニットに固定されている。上記X変位センサ7及びY
変位センサ8は、試料台9の2次元方向の移動量を検出
するためのセンサであり、その詳細は、例えば特開平6
−229753号公報のスキャンシステムに記載されて
いるので、ここでは説明を省略する。
電体の上端にX、Y方向の変位を測定するためのミラー
5が取付けられ、略中央部にレーザ光を集光するレンズ
6が設けられている。また、圧電アクチュエータ1は、
その下端がX変位センサ7及びY変位センサ8を有する
ユニットに固定されている。上記X変位センサ7及びY
変位センサ8は、試料台9の2次元方向の移動量を検出
するためのセンサであり、その詳細は、例えば特開平6
−229753号公報のスキャンシステムに記載されて
いるので、ここでは説明を省略する。
【0015】一方、圧電アクチュエータ1の上端には、
試料10を保持する試料台9が設置されている。そし
て、その先端部にカンチレバー11を有するプローブ変
位検出部12によって、カンチレバー11の変位は光学
的及び電気的に検出される。上記プローブ変位検出部1
2からは、変位信号S1がZ変位サーボ制御部4へ出力
される。
試料10を保持する試料台9が設置されている。そし
て、その先端部にカンチレバー11を有するプローブ変
位検出部12によって、カンチレバー11の変位は光学
的及び電気的に検出される。上記プローブ変位検出部1
2からは、変位信号S1がZ変位サーボ制御部4へ出力
される。
【0016】Z変位サーボ制御部4は、カンチレバー1
1の変位を一定に保持するようにフィードバック制御
し、圧電アクチュエータ1をZ方向に伸縮させるZ制御
信号、すなわち試料凹凸情報をSPM像表示装置13に
出力する。このSPM像表示装置13は、転送された測
定データを格納し、画像形成するものである。
1の変位を一定に保持するようにフィードバック制御
し、圧電アクチュエータ1をZ方向に伸縮させるZ制御
信号、すなわち試料凹凸情報をSPM像表示装置13に
出力する。このSPM像表示装置13は、転送された測
定データを格納し、画像形成するものである。
【0017】尚、図中のXはX方向の位置、YはY方向
の位置、ZはZ方向の位置を表している。図9は、図8
に示される従来の圧電アクチュエータ1のXY走査フィ
ードバック制御系の構成を示すブロック図である。尚、
ここでは、X走査フィードバック制御系のみ記すが、Y
走査フィードバック制御系についても同様である。
の位置、ZはZ方向の位置を表している。図9は、図8
に示される従来の圧電アクチュエータ1のXY走査フィ
ードバック制御系の構成を示すブロック図である。尚、
ここでは、X走査フィードバック制御系のみ記すが、Y
走査フィードバック制御系についても同様である。
【0018】図9に於いて、上記(1)式で示される走
査信号と実際変位xp が比較器14に入力され、その出
力が積分(I)補償器15に供給される。この積分補償
器15の出力は、高圧アンプ16を介して圧電体を用い
た圧電アクチュエータ17に供給される。圧電アクチュ
エータ17の出力は実際の変位であり、これが変位セン
サ18を介して比較器14に変位xp として供給され
る。
査信号と実際変位xp が比較器14に入力され、その出
力が積分(I)補償器15に供給される。この積分補償
器15の出力は、高圧アンプ16を介して圧電体を用い
た圧電アクチュエータ17に供給される。圧電アクチュ
エータ17の出力は実際の変位であり、これが変位セン
サ18を介して比較器14に変位xp として供給され
る。
【0019】ここで、積分補償器15に示されているK
ci/Sは、積分ゲインをラプラス変換のS領域で割った
もので、積分制御の一般式である。また、圧電アクチュ
エータ17に示されている式は、圧電体から成るチュー
ブスキャナの変位モデルを関数化して示したものであ
る。
ci/Sは、積分ゲインをラプラス変換のS領域で割った
もので、積分制御の一般式である。また、圧電アクチュ
エータ17に示されている式は、圧電体から成るチュー
ブスキャナの変位モデルを関数化して示したものであ
る。
【0020】このように構成されたXY走査フィードバ
ック制御系は、圧電アクチュエータ1のヒステリシスや
スクープ等の非線形特性が位置制御の精度に与える影響
を除去するために、図8に示されるようなX、Y変位セ
ンサ7、8とフィードバック制御回路(XY位置制御回
路3)を設け、実際変位xp 、yp が(1)式及び
(2)式で表される走査信号に追従するようにフィード
バック制御する。
ック制御系は、圧電アクチュエータ1のヒステリシスや
スクープ等の非線形特性が位置制御の精度に与える影響
を除去するために、図8に示されるようなX、Y変位セ
ンサ7、8とフィードバック制御回路(XY位置制御回
路3)を設け、実際変位xp 、yp が(1)式及び
(2)式で表される走査信号に追従するようにフィード
バック制御する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示される円筒型の圧電アクチュエータのX方向に実測
した周波数特性からわかるように、圧電アクチュエータ
の振動は1900Hzに於いてピークが現れている。こ
の場合、ダンピング係数ζp (=0.0169)は、振
動しない場合の理想値である0.7に比べてかなり小さ
い値であり、円筒型圧電アクチュエータは減衰性が悪い
機械振動系であることがわかる。
に示される円筒型の圧電アクチュエータのX方向に実測
した周波数特性からわかるように、圧電アクチュエータ
の振動は1900Hzに於いてピークが現れている。こ
の場合、ダンピング係数ζp (=0.0169)は、振
動しない場合の理想値である0.7に比べてかなり小さ
い値であり、円筒型圧電アクチュエータは減衰性が悪い
機械振動系であることがわかる。
【0022】また、図9に示される走査型プローブ顕微
鏡の位置制御方式では、圧電体の位置をフィードバック
する閉ループ制御系として構成されることが普通であ
る。このとき、圧電体の共振特性が制御ループに入るこ
とに注意しなければならない。
鏡の位置制御方式では、圧電体の位置をフィードバック
する閉ループ制御系として構成されることが普通であ
る。このとき、圧電体の共振特性が制御ループに入るこ
とに注意しなければならない。
【0023】ところで、制御系は、ピーク値が0dBを
越えると不安定になってしまう。したがって、図10に
示されるような、減衰性が悪い機械振動系に対して、従
来の位置制御系は、圧電アクチュエータの振動を起こし
やすいものであった。このため、従来は積分補償器にて
積分ゲインKciを操作することによって、圧電アクチュ
エータの振動のピーク値が0dBを越えないように制御
していた。
越えると不安定になってしまう。したがって、図10に
示されるような、減衰性が悪い機械振動系に対して、従
来の位置制御系は、圧電アクチュエータの振動を起こし
やすいものであった。このため、従来は積分補償器にて
積分ゲインKciを操作することによって、圧電アクチュ
エータの振動のピーク値が0dBを越えないように制御
していた。
【0024】XY変位センサを有する従来の走査型プロ
ーブ顕微鏡の走査制御系では、図11(a)に示される
1Hzの走査速度で走査信号に対して、同図(b)に示
される応答信号が追従している。しかしながら、走査速
度が10Hzと速くなると、図12(a)及び(b)に
示されるように、走査の折り返す時点で圧電体が走査指
令信号に追従しなくなる。加えて、追従誤差は折り返し
の速度に比例するため、走査速度が速くなる程、追従誤
差は大きくなってしまうものであった。
ーブ顕微鏡の走査制御系では、図11(a)に示される
1Hzの走査速度で走査信号に対して、同図(b)に示
される応答信号が追従している。しかしながら、走査速
度が10Hzと速くなると、図12(a)及び(b)に
示されるように、走査の折り返す時点で圧電体が走査指
令信号に追従しなくなる。加えて、追従誤差は折り返し
の速度に比例するため、走査速度が速くなる程、追従誤
差は大きくなってしまうものであった。
【0025】また、XY走査制御系の位置決め精度向上
は、圧電体の高い剛性及び制御系の高ゲイン化によって
達成することができると考えられる。しかしながら、全
ての機械材料が有限の質量と剛性を有する限り、固有振
動数の増大には限界がある。更に、制御系ゲインの増大
と共に、振動特性はますます安定性を失ってしまう。
は、圧電体の高い剛性及び制御系の高ゲイン化によって
達成することができると考えられる。しかしながら、全
ての機械材料が有限の質量と剛性を有する限り、固有振
動数の増大には限界がある。更に、制御系ゲインの増大
と共に、振動特性はますます安定性を失ってしまう。
【0026】図13(a)は、従来の積分ゲインKci=
250の時のステップ応答特性を示した図である。この
積分ゲインでは、立上がりが安定するまで約25mse
cを要している。積分ゲインKciが500以上になる
と、図13(b)に示されるように、ステップ応答は速
くなる(約15msec)ものの、制御系が不安定にな
り、ついには発振して制御が不可能になってしまう。し
たがって、SPMの最大走査速度が圧電体のXY方向の
振動特性によって制限される。
250の時のステップ応答特性を示した図である。この
積分ゲインでは、立上がりが安定するまで約25mse
cを要している。積分ゲインKciが500以上になる
と、図13(b)に示されるように、ステップ応答は速
くなる(約15msec)ものの、制御系が不安定にな
り、ついには発振して制御が不可能になってしまう。し
たがって、SPMの最大走査速度が圧電体のXY方向の
振動特性によって制限される。
【0027】圧電体の振動特性を抑制するために、例え
ば特開昭63−189911号公報には、加速度センサ
を使用して加速度信号1次遅れ回路に入力し、その速度
信号を印加電圧指令に加算する構成の制御手段が記載さ
れている。しかしながら、この方法では、加速度センサ
が必要になると共に処理回路を必要とするので、システ
ムの複雑化、装置の大型化は避けられないものであっ
た。
ば特開昭63−189911号公報には、加速度センサ
を使用して加速度信号1次遅れ回路に入力し、その速度
信号を印加電圧指令に加算する構成の制御手段が記載さ
れている。しかしながら、この方法では、加速度センサ
が必要になると共に処理回路を必要とするので、システ
ムの複雑化、装置の大型化は避けられないものであっ
た。
【0028】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、制御系を安定させて応答性を速めると共に、システ
ムの複雑化や装置の大型化を招くことのない走査型プロ
ーブ顕微鏡の位置制御システムを提供することを目的と
する。
で、制御系を安定させて応答性を速めると共に、システ
ムの複雑化や装置の大型化を招くことのない走査型プロ
ーブ顕微鏡の位置制御システムを提供することを目的と
する。
【0029】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、圧
電体を用いた走査型プローブ顕微鏡の位置制御システム
に於いて、上記圧電体に入力される走査電圧に基いて上
記圧電体の固有共振周波数が平坦な特性となるべく変位
を演算する第1の演算手段と、この第1の演算手段で演
算された変位と上記圧電体の変位出力とを比較して誤差
を求める比較手段と、この比較手段で求められた上記誤
差に基いて補正電圧を演算する第2の演算手段と、この
第2の演算手段で演算された補正電圧と上記入力電圧と
を加算して上記圧電体に制御電圧を供給する加算手段と
を具備することを特徴とする。
電体を用いた走査型プローブ顕微鏡の位置制御システム
に於いて、上記圧電体に入力される走査電圧に基いて上
記圧電体の固有共振周波数が平坦な特性となるべく変位
を演算する第1の演算手段と、この第1の演算手段で演
算された変位と上記圧電体の変位出力とを比較して誤差
を求める比較手段と、この比較手段で求められた上記誤
差に基いて補正電圧を演算する第2の演算手段と、この
第2の演算手段で演算された補正電圧と上記入力電圧と
を加算して上記圧電体に制御電圧を供給する加算手段と
を具備することを特徴とする。
【0030】
【作用】この発明にあっては、圧電体アクチュエータを
用いた走査型プローブ顕微鏡のXY走査制御系にて、従
来の走査制御系に圧電体の固有共振周波数ωpに於いて
平坦な周波数特性を有するような伝達関数Ga(s)の
規範モデル部によって、圧電アクチュエータの伝達関数
Gp(s)の振動極点を移動させ、圧電アクチュエータ
の共振ピークを平坦な特性に従って抑制して、制御系の
速応性及び安定性を高める。これによって、減衰性の悪
い機械振動系を安定化することができ、更にこれによ
り、位置制御ループのゲインを高く設定することがで
き、位置制御系の応答を速くすると共に精度を高めるこ
とができる。こうして、積分補償器を用いた位置制御系
で走査速度を上げられないという問題を解決し、圧電体
をXY2次元方向に高速移動することができる。
用いた走査型プローブ顕微鏡のXY走査制御系にて、従
来の走査制御系に圧電体の固有共振周波数ωpに於いて
平坦な周波数特性を有するような伝達関数Ga(s)の
規範モデル部によって、圧電アクチュエータの伝達関数
Gp(s)の振動極点を移動させ、圧電アクチュエータ
の共振ピークを平坦な特性に従って抑制して、制御系の
速応性及び安定性を高める。これによって、減衰性の悪
い機械振動系を安定化することができ、更にこれによ
り、位置制御ループのゲインを高く設定することがで
き、位置制御系の応答を速くすると共に精度を高めるこ
とができる。こうして、積分補償器を用いた位置制御系
で走査速度を上げられないという問題を解決し、圧電体
をXY2次元方向に高速移動することができる。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。図1は、この発明の走査型プローブ顕微鏡の位
置制御システムによる位置制御系の構成を示すブロック
図である。走査型プローブ顕微鏡の構成については、図
8に示されるものと同様であるので、ここでは説明を省
略する。尚、ここではX走査フィードバック制御系のみ
記すが、Y走査フィードバック制御系についても同様で
ある。
明する。図1は、この発明の走査型プローブ顕微鏡の位
置制御システムによる位置制御系の構成を示すブロック
図である。走査型プローブ顕微鏡の構成については、図
8に示されるものと同様であるので、ここでは説明を省
略する。尚、ここではX走査フィードバック制御系のみ
記すが、Y走査フィードバック制御系についても同様で
ある。
【0032】図1に於いて、この位置制御系は、適応機
構部と適応モデルによる追従制御部とから構成される。
同図の破線内が追従制御部である。位置制御回路の外部
より供給される上記(1)式に示される走査信号は、比
較器14を介して積分補償器15に入力される。この積
分補償器15の出力は、加算器20から高圧アンプ16
を介して圧電アクチュエータ17に供給されると共に、
規範モデル部21に供給される。
構部と適応モデルによる追従制御部とから構成される。
同図の破線内が追従制御部である。位置制御回路の外部
より供給される上記(1)式に示される走査信号は、比
較器14を介して積分補償器15に入力される。この積
分補償器15の出力は、加算器20から高圧アンプ16
を介して圧電アクチュエータ17に供給されると共に、
規範モデル部21に供給される。
【0033】圧電アクチュエータ17の出力は変位出力
であり、上記規範モデル部21の出力と共に比較器22
に供給されると共に、変位センサ18を介して比較器1
4にフィードバックされる。また、比較器22からは適
応機構部23を経て、補正電圧Vaが加算器20に入力
される。
であり、上記規範モデル部21の出力と共に比較器22
に供給されると共に、変位センサ18を介して比較器1
4にフィードバックされる。また、比較器22からは適
応機構部23を経て、補正電圧Vaが加算器20に入力
される。
【0034】追従制御部では、積分補償器15から下記
(6)式に表される走査電圧が入力されて、規範モデル
としての変位Xm、すなわち、振動や外乱といった外乱
的な要素の影響を受けない変位が、規範モデル部21に
て計算される。
(6)式に表される走査電圧が入力されて、規範モデル
としての変位Xm、すなわち、振動や外乱といった外乱
的な要素の影響を受けない変位が、規範モデル部21に
て計算される。
【0035】
【数6】
【0036】適応機構部23では、規範モデル部21の
位置Xmと圧電アクチュエータ17の実際変位xp との
位置偏差が適当に増幅されて、補正電圧Vaが計算され
る。そして、ここで計算された補正電圧Vaが、(6)
式の走査電圧に加算される。
位置Xmと圧電アクチュエータ17の実際変位xp との
位置偏差が適当に増幅されて、補正電圧Vaが計算され
る。そして、ここで計算された補正電圧Vaが、(6)
式の走査電圧に加算される。
【0037】したがって、圧電アクチュエータ17の変
位xp が規範モデル部21の出力Xmに追従するよう
に、適応機構部23によって、制御入力(補正電圧)V
aを発生させる。圧電アクチュエータ17の伝達関数G
p(s)が規範モデル部21の伝達関数Gm(s)と完
全に一致していれば、Va=0となり、図9に示される
ような従来の制御系と等価になることがわかる。
位xp が規範モデル部21の出力Xmに追従するよう
に、適応機構部23によって、制御入力(補正電圧)V
aを発生させる。圧電アクチュエータ17の伝達関数G
p(s)が規範モデル部21の伝達関数Gm(s)と完
全に一致していれば、Va=0となり、図9に示される
ような従来の制御系と等価になることがわかる。
【0038】具体的には、(1)式の走査信号が、変位
センサ18によって検出された圧電アクチュエータ17
の変位と比較され、その比較結果の誤差が積分補償器1
5で演算される。これにより、圧電アクチュエータ17
に印加される(6)式の走査電圧が生成される。
センサ18によって検出された圧電アクチュエータ17
の変位と比較され、その比較結果の誤差が積分補償器1
5で演算される。これにより、圧電アクチュエータ17
に印加される(6)式の走査電圧が生成される。
【0039】この(6)式の走査電圧は、規範モデル部
21に入力される。そして、規範モデル部21からの出
力Xmと、圧電アクチュエータ17の実際変位xp が、
比較器22にて比較される。この比較器22で比較され
た結果の誤差εが、適応機構部23であるPD補償器で
補正されることにより補正電圧Vaが生成される。こう
して、補正電圧Vaが加算器20にて、走査電圧に加算
される。その後、高圧アンプ16で増幅されて、制御電
圧Vpとして圧電アクチュエータ17に供給される。
21に入力される。そして、規範モデル部21からの出
力Xmと、圧電アクチュエータ17の実際変位xp が、
比較器22にて比較される。この比較器22で比較され
た結果の誤差εが、適応機構部23であるPD補償器で
補正されることにより補正電圧Vaが生成される。こう
して、補正電圧Vaが加算器20にて、走査電圧に加算
される。その後、高圧アンプ16で増幅されて、制御電
圧Vpとして圧電アクチュエータ17に供給される。
【0040】ここで、従来の積分補償器を用いた位置制
御と、この発明による位置制御の違いを説明する。図9
に示されるような、従来の一般的な積分補償器を用いた
位置制御の場合、制御系のループの伝達関数は次のよう
になる。
御と、この発明による位置制御の違いを説明する。図9
に示されるような、従来の一般的な積分補償器を用いた
位置制御の場合、制御系のループの伝達関数は次のよう
になる。
【0041】
【数7】
【0042】図2は、従来の制御系の積分ゲインKciに
対する閉ループの極の変化を示す根軌跡を表した図であ
る。同図に於いて、×印は極を表している。圧電アクチ
ュエータ(圧電体)17のダンピング係数がζp <1で
あるため、一組共役複数根は下記(8)式のようにな
る。
対する閉ループの極の変化を示す根軌跡を表した図であ
る。同図に於いて、×印は極を表している。圧電アクチ
ュエータ(圧電体)17のダンピング係数がζp <1で
あるため、一組共役複数根は下記(8)式のようにな
る。
【0043】
【数8】
【0044】図2に示されるように、振動極p2 、p3
より出発する根軌跡は、ゲインKciの増大と共に、同図
に示されるように、虚軸の左側半面から虚軸の右側に入
る。故に、図13(b)に示されるステップ応答特性の
ように、制御系が不安定となる。したがって、実用に
は、Kciを限界ゲインKlim =500より小さな値で使
用しなくてはならない。
より出発する根軌跡は、ゲインKciの増大と共に、同図
に示されるように、虚軸の左側半面から虚軸の右側に入
る。故に、図13(b)に示されるステップ応答特性の
ように、制御系が不安定となる。したがって、実用に
は、Kciを限界ゲインKlim =500より小さな値で使
用しなくてはならない。
【0045】このように、従来の走査型プローブ顕微鏡
の位置制御系では、減衰性の悪い振動系の場合閉ループ
のゲインを大きくすることができないため、閉ループの
応答が悪くなる。そのため、走査速度が速くなると圧電
体が折り返す点で走査信号に追従できなくなるものであ
った。また、試料台及び試料の重さの増加に伴って圧電
体の共振点が低い方にシフトするため、制御ゲインを更
に下げなければならない。そのため、追従性が更に悪く
なる。
の位置制御系では、減衰性の悪い振動系の場合閉ループ
のゲインを大きくすることができないため、閉ループの
応答が悪くなる。そのため、走査速度が速くなると圧電
体が折り返す点で走査信号に追従できなくなるものであ
った。また、試料台及び試料の重さの増加に伴って圧電
体の共振点が低い方にシフトするため、制御ゲインを更
に下げなければならない。そのため、追従性が更に悪く
なる。
【0046】一方、この発明による位置制御の抑制効果
は、次の通りである。図1に示される制御系に於いて、
Gc(s)を積分補償器15の伝達関数、Gp(s)を
圧電アクチュエータ17の伝達関数、Gm(s)を規範
モデル部21の伝達関数、Ga(s)を適応機構部23
の伝達関数とする。すると、積分補償器15、圧電アク
チュエータ17、規範モデル部21及び適応機構部23
の各々の伝達関数は、下記(9)〜(12)式のように
なる。
は、次の通りである。図1に示される制御系に於いて、
Gc(s)を積分補償器15の伝達関数、Gp(s)を
圧電アクチュエータ17の伝達関数、Gm(s)を規範
モデル部21の伝達関数、Ga(s)を適応機構部23
の伝達関数とする。すると、積分補償器15、圧電アク
チュエータ17、規範モデル部21及び適応機構部23
の各々の伝達関数は、下記(9)〜(12)式のように
なる。
【0047】
【数9】 ここで、Kciは積分補償器15の積分ゲイン、Khは高
圧アンプ16のゲイン、Kap,Kadは適応機構部23の
比例・微分ゲイン、Ap ,ζp ,ωp は圧電アクチュエ
ータ17のパラメータ、Am,ζm ,ωm は規範モデル
部21のパラメータを表している。
圧アンプ16のゲイン、Kap,Kadは適応機構部23の
比例・微分ゲイン、Ap ,ζp ,ωp は圧電アクチュエ
ータ17のパラメータ、Am,ζm ,ωm は規範モデル
部21のパラメータを表している。
【0048】上記適応機構部23には、上記(9)式の
比例微分補償器を使用する。圧電体の規範モデル部21
には、上記(12)式で表されるように、2次ローパス
フィルタが用いられる。
比例微分補償器を使用する。圧電体の規範モデル部21
には、上記(12)式で表されるように、2次ローパス
フィルタが用いられる。
【0049】図1からわかるように、この発明による位
置制御系は、従来の位置制御系に規範モデル部21と比
例微分補償器(適応機構部23)だけを追加したもので
ある。これら規範モデル部21と適応機構部23がなけ
れば、図9に示されるような従来のフィードバック制御
系と同じである。同実施例によるXY走査制御系の開ル
ープの伝達関数は、下記(13)式のようにして得られ
る。
置制御系は、従来の位置制御系に規範モデル部21と比
例微分補償器(適応機構部23)だけを追加したもので
ある。これら規範モデル部21と適応機構部23がなけ
れば、図9に示されるような従来のフィードバック制御
系と同じである。同実施例によるXY走査制御系の開ル
ープの伝達関数は、下記(13)式のようにして得られ
る。
【0050】
【数10】
【0051】制御系の特性を表す上記(13)式の中に
は、機械定数としてζp ,ωp 、ゲインKap,Kadが用
いられているため、上式を用いて圧電体とする適応追従
モデル制御の動作を検討することができる。
は、機械定数としてζp ,ωp 、ゲインKap,Kadが用
いられているため、上式を用いて圧電体とする適応追従
モデル制御の動作を検討することができる。
【0052】上記(13)式に於いて、Kap=0、Kad
=0とすると、上記(7)式と全く同じ式が得られる。
本来、ダンピングの悪い機械系であっても、同実施例の
ような制御系を付加し、適応機構部の比例微分ゲインK
ap,Kadを適当に選択することにより、系のダンピング
は改善される。
=0とすると、上記(7)式と全く同じ式が得られる。
本来、ダンピングの悪い機械系であっても、同実施例の
ような制御系を付加し、適応機構部の比例微分ゲインK
ap,Kadを適当に選択することにより、系のダンピング
は改善される。
【0053】このように、同実施例で示されたような制
御系を追加すると、開ループの伝達関数は(7)式から
(13)式に変化する。この伝達関数の極を調べること
により、この系のダンピングや応答を推察することがで
きる。
御系を追加すると、開ループの伝達関数は(7)式から
(13)式に変化する。この伝達関数の極を調べること
により、この系のダンピングや応答を推察することがで
きる。
【0054】ここで、図10に示されるような、ダンピ
ング係数ζp =0.016、固有共振周波数ωp =11
938[rad/s]、パラメータAp =0.04の定
数を有した圧電体を考える。この圧電体は、非常にダン
ピングの悪い系である。この圧電体に、上述した実施例
による制御系を適用した場合には、適応機構部のゲイン
Kap,Kadは、上記(13)式の根軌跡を調べることに
より決定することができる。
ング係数ζp =0.016、固有共振周波数ωp =11
938[rad/s]、パラメータAp =0.04の定
数を有した圧電体を考える。この圧電体は、非常にダン
ピングの悪い系である。この圧電体に、上述した実施例
による制御系を適用した場合には、適応機構部のゲイン
Kap,Kadは、上記(13)式の根軌跡を調べることに
より決定することができる。
【0055】図3は、Kap=100、Kad=1をパラメ
ータとして描いた閉ループの根軌跡を表したものであ
る。同図より、適応機構部23のゲインKap,Kadを適
当に選択することにより、圧電体の振動極が、それぞれ
図示AからB点、A′からB′点へ、図中実線で示され
るように移動されることがわかる。その結果、系のダン
ピング係数ζが0.016から0.707に改善され
る。しかも、図3に示されるように、積分ゲインKi の
限界Klim が、従来の制御系の500から4000にな
る。
ータとして描いた閉ループの根軌跡を表したものであ
る。同図より、適応機構部23のゲインKap,Kadを適
当に選択することにより、圧電体の振動極が、それぞれ
図示AからB点、A′からB′点へ、図中実線で示され
るように移動されることがわかる。その結果、系のダン
ピング係数ζが0.016から0.707に改善され
る。しかも、図3に示されるように、積分ゲインKi の
限界Klim が、従来の制御系の500から4000にな
る。
【0056】すなわち、従来制御系の微分ゲインの選択
範囲の根軌跡曲線上のA(A′)点からC(C′)点ま
での距離に対して、同実施例の制御法の積分ゲインの選
択範囲は、根軌跡曲線上のB(B′)点からC(C′)
点まで拡大された。
範囲の根軌跡曲線上のA(A′)点からC(C′)点ま
での距離に対して、同実施例の制御法の積分ゲインの選
択範囲は、根軌跡曲線上のB(B′)点からC(C′)
点まで拡大された。
【0057】また、このように構成することによって、
圧電アクチュエータ17の伝達関数Gp(s)の振動極
点を移動させ、図4に破線で示されるような円筒型圧電
アクチュエータの共振ピークを、同図に実線で示される
ような平坦な特性を有する規範モデル部に従って抑制し
て、制御系の速応性及び安定性を高めることができる。
圧電アクチュエータ17の伝達関数Gp(s)の振動極
点を移動させ、図4に破線で示されるような円筒型圧電
アクチュエータの共振ピークを、同図に実線で示される
ような平坦な特性を有する規範モデル部に従って抑制し
て、制御系の速応性及び安定性を高めることができる。
【0058】図5は、上述した実施例による制御系の1
0Hz三角波走査信号の応答特性を示した図である。図
11に示される従来の制御系の応答特性図と比べ、圧電
体が走査信号に完全に追従しているのがわかる。
0Hz三角波走査信号の応答特性を示した図である。図
11に示される従来の制御系の応答特性図と比べ、圧電
体が走査信号に完全に追従しているのがわかる。
【0059】更に、図6は、同実施例による制御系の5
0Hz三角波走査信号の応答特性図である。同図から明
らかなように、50Hz三角波が走査しても、良好な追
従特性を示している。その結果、高速走査が可能である
ことがわかる。
0Hz三角波走査信号の応答特性図である。同図から明
らかなように、50Hz三角波が走査しても、良好な追
従特性を示している。その結果、高速走査が可能である
ことがわかる。
【0060】また、図7は、同実施例による制御系のス
テップ応答特性図である。図13に示される従来の制御
系の応答特性図と比べ、立上がり時間が大幅に短くなっ
ているのがわかる。
テップ応答特性図である。図13に示される従来の制御
系の応答特性図と比べ、立上がり時間が大幅に短くなっ
ているのがわかる。
【0061】ところで、この発明による制御系を付加し
ていない従来の走査型プローブ顕微鏡の位置制御系は、
ζp =0.016とダンピング係数が非常に悪いため、
制御ゲインを高めると制御系の振動は発生する恐れがあ
る。この振動の振幅は、位置制御系の応答を速くする
(ゲインKciを大きくする)ほど大きくなり、測定に悪
い影響を及ぼすため、高速走査は望めない。したがっ
て、上述した制御系を適用すれば、ダンピング係数は大
幅に改善され、且つ制御ゲインも大きくすることができ
るため、振動を抑制することが可能となる。
ていない従来の走査型プローブ顕微鏡の位置制御系は、
ζp =0.016とダンピング係数が非常に悪いため、
制御ゲインを高めると制御系の振動は発生する恐れがあ
る。この振動の振幅は、位置制御系の応答を速くする
(ゲインKciを大きくする)ほど大きくなり、測定に悪
い影響を及ぼすため、高速走査は望めない。したがっ
て、上述した制御系を適用すれば、ダンピング係数は大
幅に改善され、且つ制御ゲインも大きくすることができ
るため、振動を抑制することが可能となる。
【0062】このように、圧電体のダンピング係数ζp
と固有共振周波数ωp が既知の場合には、規範モデル部
及び適応機構部のゲインKap,Kadを適切に選択するこ
とができ、共振振動の抑制も大きな効果を発揮すること
ができる。
と固有共振周波数ωp が既知の場合には、規範モデル部
及び適応機構部のゲインKap,Kadを適切に選択するこ
とができ、共振振動の抑制も大きな効果を発揮すること
ができる。
【0063】尚、この発明による走査型プローブ顕微鏡
の位置制御システムでは、規範モデル部としては単なる
低次ローパスフィルタ、例えば2次ローパスフィルタで
構成し、適応機構部としては比例、微分制御というよう
に非常に簡単に構成することができ、特別な検出器を用
いることがないため、従来マイクロコンピュータを用い
て単なるフィードバックによる積分制御を行っていた位
置制御システムに対しても、僅かなソフトウエアを追加
するだけで容易に適用できるため、実用性の高いもので
ある。
の位置制御システムでは、規範モデル部としては単なる
低次ローパスフィルタ、例えば2次ローパスフィルタで
構成し、適応機構部としては比例、微分制御というよう
に非常に簡単に構成することができ、特別な検出器を用
いることがないため、従来マイクロコンピュータを用い
て単なるフィードバックによる積分制御を行っていた位
置制御システムに対しても、僅かなソフトウエアを追加
するだけで容易に適用できるため、実用性の高いもので
ある。
【0064】このように、走査型プローブ顕微鏡のXY
走査位置制御システムに対し、上述した制御系を適用す
ると、次のような効果がある。 (i)圧電体の共振振動を抑制し、制御系の速応性及び
安定性を高める。
走査位置制御システムに対し、上述した制御系を適用す
ると、次のような効果がある。 (i)圧電体の共振振動を抑制し、制御系の速応性及び
安定性を高める。
【0065】(ii)走査型プローブ顕微鏡では、従来の
フィードバック制御で走査ラインの折返す点での追従特
性の悪化による2次元方向に走査速度を上げられないと
いう問題を解決する。
フィードバック制御で走査ラインの折返す点での追従特
性の悪化による2次元方向に走査速度を上げられないと
いう問題を解決する。
【0066】上記に示したこの発明の制御系は、走査型
プローブ顕微鏡のXY走査制御に用いたが、Z方向のサ
ーボ制御にも用いることが可能であるのは勿論である。
また、上記に示した走査型プローブ顕微鏡として用いた
が、半導体製造に於ける露光装置の位置決め装置にもこ
の発明が適用可能であるのは勿論である。
プローブ顕微鏡のXY走査制御に用いたが、Z方向のサ
ーボ制御にも用いることが可能であるのは勿論である。
また、上記に示した走査型プローブ顕微鏡として用いた
が、半導体製造に於ける露光装置の位置決め装置にもこ
の発明が適用可能であるのは勿論である。
【0067】尚、この発明の上記実施態様によれば、以
下の如き構成が得られる。 (1) 圧電体を用いた走査型プローブ顕微鏡の位置制
御システムに於いて、上記圧電体に入力される走査電圧
に基いて上記圧電体の固有共振周波数が平坦な特性とな
るべく変位を演算する第1の演算手段と、この第1の演
算手段で演算された変位と上記圧電体の変位出力とを比
較して誤差を求める比較手段と、この比較手段で求めら
れた上記誤差に基いて補正電圧を演算する第2の演算手
段と、この第2の演算手段で演算された補正電圧と上記
入力電圧とを加算して上記圧電体に制御電圧を供給する
加算手段とを具備することを特徴とする走査型プローブ
顕微鏡の位置制御システム。
下の如き構成が得られる。 (1) 圧電体を用いた走査型プローブ顕微鏡の位置制
御システムに於いて、上記圧電体に入力される走査電圧
に基いて上記圧電体の固有共振周波数が平坦な特性とな
るべく変位を演算する第1の演算手段と、この第1の演
算手段で演算された変位と上記圧電体の変位出力とを比
較して誤差を求める比較手段と、この比較手段で求めら
れた上記誤差に基いて補正電圧を演算する第2の演算手
段と、この第2の演算手段で演算された補正電圧と上記
入力電圧とを加算して上記圧電体に制御電圧を供給する
加算手段とを具備することを特徴とする走査型プローブ
顕微鏡の位置制御システム。
【0068】(2) 上記第1の演算手段は、上記圧電
体の固有共振周波数を予め設定された所定の周波数特性
とするためにローパスフィルタを用いて演算することを
特徴とする上記(1)に記載の走査型プローブ顕微鏡の
位置制御システム。
体の固有共振周波数を予め設定された所定の周波数特性
とするためにローパスフィルタを用いて演算することを
特徴とする上記(1)に記載の走査型プローブ顕微鏡の
位置制御システム。
【0069】(3) 上記第2の演算手段は、上記圧電
体の実際変位が上記第1の演算手段の出力に追従するよ
うに上記誤差に基いて比例微分ゲインを選択して補正電
圧を演算することを特徴とする上記(1)若しくは
(2)に記載の走査型プローブ顕微鏡装置の位置制御シ
ステム。
体の実際変位が上記第1の演算手段の出力に追従するよ
うに上記誤差に基いて比例微分ゲインを選択して補正電
圧を演算することを特徴とする上記(1)若しくは
(2)に記載の走査型プローブ顕微鏡装置の位置制御シ
ステム。
【0070】上記(1)の構成によれば、減衰性の悪い
機械振動系を安定化することができ、圧電体を2次元方
向に高速走査することができる。上記(2)の構成によ
れば、単なる低次ローパスフィルタで構成できるため、
システム全体を簡単な構成で実現することができる。上
記(3)の構成によれば、比例、微分制御というように
非常に簡単に構成でき、特別な検出器も不要なため、マ
イクロコンピュータを用いて単なるフィードバックによ
る積分制御を行っていた位置制御システムに対しても、
わずかなソウトウエアを追加するだけで容易に適用でき
る。
機械振動系を安定化することができ、圧電体を2次元方
向に高速走査することができる。上記(2)の構成によ
れば、単なる低次ローパスフィルタで構成できるため、
システム全体を簡単な構成で実現することができる。上
記(3)の構成によれば、比例、微分制御というように
非常に簡単に構成でき、特別な検出器も不要なため、マ
イクロコンピュータを用いて単なるフィードバックによ
る積分制御を行っていた位置制御システムに対しても、
わずかなソウトウエアを追加するだけで容易に適用でき
る。
【0071】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、制御系
を安定させて応答性を速めると共に、位置決め精度を高
め、システムの複雑化や装置の大型化を招くことのない
走査型プローブ顕微鏡の位置制御システムを提供するこ
とができる。
を安定させて応答性を速めると共に、位置決め精度を高
め、システムの複雑化や装置の大型化を招くことのない
走査型プローブ顕微鏡の位置制御システムを提供するこ
とができる。
【図1】この発明の走査型プローブ顕微鏡の位置制御シ
ステムによる位置制御系の構成を示すブロック図であ
る。
ステムによる位置制御系の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】従来の制御系の積分ゲインKciに対する閉ルー
プの極の変化を示す根軌跡を表した図である。
プの極の変化を示す根軌跡を表した図である。
【図3】この発明に於いて、Kap=100、Kad=1を
パラメータとして描いた閉ループの根軌跡を表した図で
ある。
パラメータとして描いた閉ループの根軌跡を表した図で
ある。
【図4】円筒型圧電アクチュエータのX方向の周波数特
性(破線)と規範モデル部の周波数特性(実線)とを比
較した図である。
性(破線)と規範モデル部の周波数特性(実線)とを比
較した図である。
【図5】図1の走査プローブ顕微鏡の走査制御系の10
Hz三角波走査信号の応答特性を示すタイミングチャー
トで、(a)は走査信号の波形図、(b)は応答信号の
波形図である。
Hz三角波走査信号の応答特性を示すタイミングチャー
トで、(a)は走査信号の波形図、(b)は応答信号の
波形図である。
【図6】図1の走査プローブ顕微鏡の走査制御系の50
Hz三角波走査信号の応答特性を示すタイミングチャー
トで、(a)は走査信号の波形図、(b)は応答信号の
波形図である。
Hz三角波走査信号の応答特性を示すタイミングチャー
トで、(a)は走査信号の波形図、(b)は応答信号の
波形図である。
【図7】同実施例による制御系のステップ応答特性図で
ある。
ある。
【図8】従来の走査型プローブ顕微鏡の構成の一例を示
した図である。
した図である。
【図9】図8に示される従来の圧電アクチュエータ1の
XY走査フィードバック制御系の構成を示すブロック線
図である。
XY走査フィードバック制御系の構成を示すブロック線
図である。
【図10】円筒型圧電アクチュエータのX方向の周波数
特性図である。
特性図である。
【図11】XY変位センサを有する従来の走査型プロー
ブ顕微鏡の走査制御系の1Hz三角波走査信号の応答特
性を示すタイミングチャートで、(a)は走査信号の波
形図、(b)は応答信号の波形図である。
ブ顕微鏡の走査制御系の1Hz三角波走査信号の応答特
性を示すタイミングチャートで、(a)は走査信号の波
形図、(b)は応答信号の波形図である。
【図12】XY変位センサを有する従来の走査型プロー
ブ顕微鏡の走査制御系の10Hz三角波走査信号の応答
特性を示すタイミングチャートで、(a)は走査信号の
波形図、(b)は応答信号の波形図である。
ブ顕微鏡の走査制御系の10Hz三角波走査信号の応答
特性を示すタイミングチャートで、(a)は走査信号の
波形図、(b)は応答信号の波形図である。
【図13】(a)は従来の積分ゲインKci=250の時
のステップ応答特性図、(b)は積分ゲインKciが50
0以上の時のステップ応答特性図である。
のステップ応答特性図、(b)は積分ゲインKciが50
0以上の時のステップ応答特性図である。
1、17…圧電アクチュエータ、2…X,Y位置指令
部、3…XY位置制御回路、4…Z変位サーボ制御部、
5…ミラー、6…レンズ、7…X変位センサ8…Y変位
センサ、9…試料台、10…試料、11…カンチレバ
ー、12…プローブ変位検出部、13…SPM像表示装
置、14、22…比較器、15…積分(I)補償器、1
6…高圧アンプ、18…変位センサ、20…加算器、2
1…規範モデル部、23…適応機構部。
部、3…XY位置制御回路、4…Z変位サーボ制御部、
5…ミラー、6…レンズ、7…X変位センサ8…Y変位
センサ、9…試料台、10…試料、11…カンチレバ
ー、12…プローブ変位検出部、13…SPM像表示装
置、14、22…比較器、15…積分(I)補償器、1
6…高圧アンプ、18…変位センサ、20…加算器、2
1…規範モデル部、23…適応機構部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【作用】この発明にあっては、圧電体アクチュエータを
用いた走査型プローブ顕微鏡のXY走査制御系にて、従
来の走査制御系に圧電体の固有共振周波数ωpに於いて
平坦な周波数特性を有するような伝達関数Gm(s)の
規範モデル部によって、圧電アクチュエータの伝達関数
Gp(s)の振動極点を移動させ、圧電アクチュエータ
の共振ピークを平坦な特性に従って抑制して、制御系の
速応性及び安定性を高める。これによって、減衰性の悪
い機械振動系を安定化することができ、更にこれによ
り、位置制御ループのゲインを高く設定することがで
き、位置制御系の応答を速くすると共に精度を高めるこ
とができる。こうして、積分補償器を用いた位置制御系
で走査速度を上げられないという問題を解決し、圧電体
をXY2次元方向に高速移動することができる。
用いた走査型プローブ顕微鏡のXY走査制御系にて、従
来の走査制御系に圧電体の固有共振周波数ωpに於いて
平坦な周波数特性を有するような伝達関数Gm(s)の
規範モデル部によって、圧電アクチュエータの伝達関数
Gp(s)の振動極点を移動させ、圧電アクチュエータ
の共振ピークを平坦な特性に従って抑制して、制御系の
速応性及び安定性を高める。これによって、減衰性の悪
い機械振動系を安定化することができ、更にこれによ
り、位置制御ループのゲインを高く設定することがで
き、位置制御系の応答を速くすると共に精度を高めるこ
とができる。こうして、積分補償器を用いた位置制御系
で走査速度を上げられないという問題を解決し、圧電体
をXY2次元方向に高速移動することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】ここで、従来の積分補償器を用いた位置制
御と、この発明による位置制御の違いを説明する。図9
に示されるような、従来の一般的な積分補償器を用いた
位置制御の場合、制御系の開ループの伝達関数は次のよ
うになる。
御と、この発明による位置制御の違いを説明する。図9
に示されるような、従来の一般的な積分補償器を用いた
位置制御の場合、制御系の開ループの伝達関数は次のよ
うになる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【数1】 ここで、Khは高圧アンプ16のゲイン、Ksは変位セ
ンサ18のゲインを表している。
ンサ18のゲインを表している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【数2】 ここで、Kciは積分補償器15の積分ゲイン、K ap,K
adは適応機構部23の比例・微分ゲイン、Ap ,ζp ,
ωp は圧電アクチュエータ17のパラメータ、Am,ζ
m ,ωm は規範モデル部21のパラメータを表してい
る。
adは適応機構部23の比例・微分ゲイン、Ap ,ζp ,
ωp は圧電アクチュエータ17のパラメータ、Am,ζ
m ,ωm は規範モデル部21のパラメータを表してい
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【数3】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】尚、この発明による走査型プローブ顕微鏡
の位置制御システムでは、規範モデル部としては単なる
ローパスフィルタ、例えば2次ローパスフィルタで構成
し、適応機構部としては比例、微分制御というように非
常に簡単に構成することができ、特別な検出器を用いる
ことがないため、従来マイクロコンピュータを用いて単
なるフィードバックによる積分制御を行っていた位置制
御システムに対しても、僅かなソフトウエアを追加する
だけで容易に適用できるため、実用性の高いものであ
る。
の位置制御システムでは、規範モデル部としては単なる
ローパスフィルタ、例えば2次ローパスフィルタで構成
し、適応機構部としては比例、微分制御というように非
常に簡単に構成することができ、特別な検出器を用いる
ことがないため、従来マイクロコンピュータを用いて単
なるフィードバックによる積分制御を行っていた位置制
御システムに対しても、僅かなソフトウエアを追加する
だけで容易に適用できるため、実用性の高いものであ
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】上記(1)の構成によれば、減衰性の悪い
機械振動系を安定化することができ、圧電体を2次元方
向に高速走査することができる。上記(2)の構成によ
れば、単なるローパスフィルタで構成できるため、シス
テム全体を簡単な構成で実現することができる。上記
(3)の構成によれば、比例、微分制御というように非
常に簡単に構成でき、特別な検出器も不要なため、マイ
クロコンピュータを用いて単なるフィードバックによる
積分制御を行っていた位置制御システムに対しても、わ
ずかなソウトウエアを追加するだけで容易に適用でき
る。
機械振動系を安定化することができ、圧電体を2次元方
向に高速走査することができる。上記(2)の構成によ
れば、単なるローパスフィルタで構成できるため、シス
テム全体を簡単な構成で実現することができる。上記
(3)の構成によれば、比例、微分制御というように非
常に簡単に構成でき、特別な検出器も不要なため、マイ
クロコンピュータを用いて単なるフィードバックによる
積分制御を行っていた位置制御システムに対しても、わ
ずかなソウトウエアを追加するだけで容易に適用でき
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】(a)は従来の積分ゲインKci=250の時
のステップ応答特性図、(b)は積分ゲインKciが50
0の時のステップ応答特性図である。
のステップ応答特性図、(b)は積分ゲインKciが50
0の時のステップ応答特性図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 圧電体を用いた走査型プローブ顕微鏡の
位置制御システムに於いて、 上記圧電体に入力される走査電圧に基いて上記圧電体の
固有共振周波数が平坦な特性となるべく変位を演算する
第1の演算手段と、 この第1の演算手段で演算された変位と上記圧電体の変
位出力とを比較して誤差を求める比較手段と、 この比較手段で求められた上記誤差に基いて補正電圧を
演算する第2の演算手段と、 この第2の演算手段で演算された補正電圧と上記入力電
圧とを加算して上記圧電体に制御電圧を供給する加算手
段とを具備することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡
の位置制御システム。 - 【請求項2】 上記第1の演算手段は、上記圧電体の固
有共振周波数を予め設定された所定の周波数特性とする
ためにローパスフィルタを用いて演算することを特徴と
する請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡の位置制御
システム。 - 【請求項3】 上記第2の演算手段は、上記圧電体の実
際変位が上記第1の演算手段の出力に追従するように上
記誤差に基いて比例微分ゲインを選択して補正電圧を演
算することを特徴とする請求項1若しくは2に記載の走
査型プローブ顕微鏡装置の位置制御システム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1247295A JPH08201402A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 走査型プローブ顕微鏡の位置制御システム |
US08/591,092 US5729015A (en) | 1995-01-30 | 1996-01-25 | Position control system for scanning probe microscope |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1247295A JPH08201402A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 走査型プローブ顕微鏡の位置制御システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08201402A true JPH08201402A (ja) | 1996-08-09 |
Family
ID=11806323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1247295A Withdrawn JPH08201402A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 走査型プローブ顕微鏡の位置制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08201402A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7085484B2 (en) | 2002-07-17 | 2006-08-01 | Minolta Co., Ltd. | Driving device, position controller provided with driving device, and camera provided with position controller |
FR2916107A1 (fr) * | 2007-05-11 | 2008-11-14 | Cnes Epic | Actionneur alternatif a asservissement en boucle fermee |
JPWO2008029561A1 (ja) * | 2006-09-06 | 2010-01-21 | 国立大学法人金沢大学 | 走査型プローブ顕微鏡およびアクティブダンピング駆動制御装置 |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP1247295A patent/JPH08201402A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7085484B2 (en) | 2002-07-17 | 2006-08-01 | Minolta Co., Ltd. | Driving device, position controller provided with driving device, and camera provided with position controller |
JPWO2008029561A1 (ja) * | 2006-09-06 | 2010-01-21 | 国立大学法人金沢大学 | 走査型プローブ顕微鏡およびアクティブダンピング駆動制御装置 |
FR2916107A1 (fr) * | 2007-05-11 | 2008-11-14 | Cnes Epic | Actionneur alternatif a asservissement en boucle fermee |
WO2008152236A2 (fr) * | 2007-05-11 | 2008-12-18 | Centre National D'etudes Spatiales (C.N.E.S.) | Actionneur alternatif a asservissement en boucle fermée |
WO2008152236A3 (fr) * | 2007-05-11 | 2009-09-24 | Centre National D'etudes Spatiales (C.N.E.S.) | Actionneur alternatif a asservissement en boucle fermée |
US8179080B2 (en) | 2007-05-11 | 2012-05-15 | Centre National D'etudes Spatiales (C.N.E.S.) | Reciprocating actuator with closed loop servocontrol |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020402 |