JPH08200186A - ホール型燃料噴射ノズル - Google Patents
ホール型燃料噴射ノズルInfo
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- JPH08200186A JPH08200186A JP7031380A JP3138095A JPH08200186A JP H08200186 A JPH08200186 A JP H08200186A JP 7031380 A JP7031380 A JP 7031380A JP 3138095 A JP3138095 A JP 3138095A JP H08200186 A JPH08200186 A JP H08200186A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B23/00—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
- F02B23/02—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition
- F02B23/06—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition the combustion space being arranged in working piston
- F02B23/0672—Omega-piston bowl, i.e. the combustion space having a central projection pointing towards the cylinder head and the surrounding wall being inclined towards the cylinder center axis
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B23/00—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
- F02B23/02—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition
- F02B23/06—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition the combustion space being arranged in working piston
- F02B23/0645—Details related to the fuel injector or the fuel spray
- F02B23/0669—Details related to the fuel injector or the fuel spray having multiple fuel spray jets per injector nozzle
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- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B2275/00—Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
- F02B2275/14—Direct injection into combustion chamber
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 噴射量が多い領域での噴射期間の長期化を予
防し、初期噴射率を低くして着火時点までの噴射量を可
及的に少なくしてNOxの生成を抑制することができる
とともに、空気利用率を高くして黒煙の排出量を削減で
きる燃料噴射ノズルをする。 【構成】 ピストンに設けたキャビティの周壁に向って
開口する主噴口2と、隣接する主噴口2の間に位置して
該主噴口2より上方に向って開口する副噴口3をノズル
1に設ける。副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口
面積の35%〜65%にするとともに、主噴口2を基準
としてスワール6の下流側に位置する副噴口3を等間隔
よりもスワール6の上流側に変位させたことにより、新
気を取り込んだ安定燃焼を最終段階まで継続させてNO
xおよび黒煙の発生を抑制するようにした。
防し、初期噴射率を低くして着火時点までの噴射量を可
及的に少なくしてNOxの生成を抑制することができる
とともに、空気利用率を高くして黒煙の排出量を削減で
きる燃料噴射ノズルをする。 【構成】 ピストンに設けたキャビティの周壁に向って
開口する主噴口2と、隣接する主噴口2の間に位置して
該主噴口2より上方に向って開口する副噴口3をノズル
1に設ける。副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口
面積の35%〜65%にするとともに、主噴口2を基準
としてスワール6の下流側に位置する副噴口3を等間隔
よりもスワール6の上流側に変位させたことにより、新
気を取り込んだ安定燃焼を最終段階まで継続させてNO
xおよび黒煙の発生を抑制するようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンに用
いられる燃料噴射ノズルに係り、詳しくは、直接噴射式
ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(以下、
NOxという)および黒煙を効果的に低減できるように
したホール型の燃料噴射ノズルに関するものである。
いられる燃料噴射ノズルに係り、詳しくは、直接噴射式
ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(以下、
NOxという)および黒煙を効果的に低減できるように
したホール型の燃料噴射ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の直接噴射式ディーゼルエンジンに
用いられるホール型の燃料噴射ノズルとしては、例えば
実開昭57−158974号公報などに見られるように
コーン角の異なる複数の噴口を交互に設けたもの、ある
いは、実開平2−59260号公報に見られるように複
数個の噴口の開口面積を当該噴口到達時点での流量係数
に応じて設定したものがある。
用いられるホール型の燃料噴射ノズルとしては、例えば
実開昭57−158974号公報などに見られるように
コーン角の異なる複数の噴口を交互に設けたもの、ある
いは、実開平2−59260号公報に見られるように複
数個の噴口の開口面積を当該噴口到達時点での流量係数
に応じて設定したものがある。
【0003】ところが、自動車用ディーゼルエンジンの
ように使用する回転・負荷域が広いエンジンにおいて
は、燃料供給量の制御範囲が広い。従って、例えば低負
荷域のように燃料の供給量が少ない領域での初期噴射率
を低くしてNOxの生成を抑制すべく噴口径を小さくす
ると、燃料の噴射量が多い高負荷域で噴射期間が必要以
上に長くなり過ぎる。また、逆に高負荷域での噴射期間
を適正化すべく噴口径を大きくすると、低負荷域におい
ても初期噴射率が高くなって着火時点までの噴射量が多
くなるために、NOxが生成され易くなるという不具合
がある。
ように使用する回転・負荷域が広いエンジンにおいて
は、燃料供給量の制御範囲が広い。従って、例えば低負
荷域のように燃料の供給量が少ない領域での初期噴射率
を低くしてNOxの生成を抑制すべく噴口径を小さくす
ると、燃料の噴射量が多い高負荷域で噴射期間が必要以
上に長くなり過ぎる。また、逆に高負荷域での噴射期間
を適正化すべく噴口径を大きくすると、低負荷域におい
ても初期噴射率が高くなって着火時点までの噴射量が多
くなるために、NOxが生成され易くなるという不具合
がある。
【0004】上記のような不具合を解消するためには副
室式ディーゼルエンジンに用いられるピントル型、スロ
ットル型あるいはピントークス型の燃料噴射ノズルを用
いることが考えられ、もしくは、二段開弁圧ノズルとす
ることが有効である。ところが、前者の副室式ディーゼ
ルエンジン用のノズルを直噴式ディーゼルエンジンに用
いることは実質的に不可能であり、後者の二段開弁圧ノ
ズルは構成が複雑で高価であるという問題点がある。
室式ディーゼルエンジンに用いられるピントル型、スロ
ットル型あるいはピントークス型の燃料噴射ノズルを用
いることが考えられ、もしくは、二段開弁圧ノズルとす
ることが有効である。ところが、前者の副室式ディーゼ
ルエンジン用のノズルを直噴式ディーゼルエンジンに用
いることは実質的に不可能であり、後者の二段開弁圧ノ
ズルは構成が複雑で高価であるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、噴射量が多い領域での噴射期
間の長期化を予防し、初期噴射率を低くして着火時点ま
での噴射量を可及的に少なくしてNOxの生成を抑制す
ることができるとともに、空気利用率を高くして黒煙の
排出量を削減できる燃料噴射ノズルをすることを課題と
している。
みてなされたものであり、噴射量が多い領域での噴射期
間の長期化を予防し、初期噴射率を低くして着火時点ま
での噴射量を可及的に少なくしてNOxの生成を抑制す
ることができるとともに、空気利用率を高くして黒煙の
排出量を削減できる燃料噴射ノズルをすることを課題と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ピストンに設けたキャビティの周壁に向っ
て開口する主噴口を設ける一方、該主噴口より上方に向
って開口する副噴口を隣接する主噴口の間に設けてい
る。そして、副噴口の総開口面積を主噴口の総開口面積
の35%〜65%にするとともに、主噴口を基準として
スワールの下流側に位置する副噴口を等間隔よりもスワ
ールの上流側に変位させたことを特徴としている。
に本発明は、ピストンに設けたキャビティの周壁に向っ
て開口する主噴口を設ける一方、該主噴口より上方に向
って開口する副噴口を隣接する主噴口の間に設けてい
る。そして、副噴口の総開口面積を主噴口の総開口面積
の35%〜65%にするとともに、主噴口を基準として
スワールの下流側に位置する副噴口を等間隔よりもスワ
ールの上流側に変位させたことを特徴としている。
【0007】また本発明は、主噴口を副噴口より大径の
噴口で構成して副噴口の総開口面積を主噴口の総開口面
積の35%〜65%にし、もしくは、主噴口を副噴口と
ほぼ同径の噴口で構成したうえで、2つの主噴口に対し
て1つの副噴口を設けて副噴口の総開口面積を主噴口の
総開口面積の35%〜65%にすることができる。
噴口で構成して副噴口の総開口面積を主噴口の総開口面
積の35%〜65%にし、もしくは、主噴口を副噴口と
ほぼ同径の噴口で構成したうえで、2つの主噴口に対し
て1つの副噴口を設けて副噴口の総開口面積を主噴口の
総開口面積の35%〜65%にすることができる。
【0008】
【作用】燃料噴射ポンプから吐出された燃料の圧力が上
昇すると、燃料噴射ノズルに設けたニードルがリフトさ
れて噴口から燃料が噴射される。また、主噴口をキャビ
ティの周壁に向って開口させるとともに、副噴口のコー
ン角を主噴口のコーン角より大きくし、もしくは、副噴
口を主噴口よりもノズルの基端側に位置させるなどして
副噴口を主噴口より上方に向って開口させ、かつ、主噴
口と副噴口の流量係数ならびに流路抵抗を異ならせてい
る。
昇すると、燃料噴射ノズルに設けたニードルがリフトさ
れて噴口から燃料が噴射される。また、主噴口をキャビ
ティの周壁に向って開口させるとともに、副噴口のコー
ン角を主噴口のコーン角より大きくし、もしくは、副噴
口を主噴口よりもノズルの基端側に位置させるなどして
副噴口を主噴口より上方に向って開口させ、かつ、主噴
口と副噴口の流量係数ならびに流路抵抗を異ならせてい
る。
【0009】すなわち、噴口の流量抵抗は口径を小さく
するにつれて大きくなり、口径が同一である場合はコー
ン角を大きくするにつれて大きくなる。また、ノズルの
先端側に位置する噴口ほど流量係数が大きくなる。
するにつれて大きくなり、口径が同一である場合はコー
ン角を大きくするにつれて大きくなる。また、ノズルの
先端側に位置する噴口ほど流量係数が大きくなる。
【0010】このために、燃料噴射ポンプの送油率が低
い領域では流路抵抗が大きい副噴口からの噴射量は少な
くなる。従って、低負荷域での運転のように送油率が低
いときは初期噴射率が抑えられるために、静粛な燃焼が
行なわれて燃焼音が低減されるとともに、NOxの生成
が抑制される。
い領域では流路抵抗が大きい副噴口からの噴射量は少な
くなる。従って、低負荷域での運転のように送油率が低
いときは初期噴射率が抑えられるために、静粛な燃焼が
行なわれて燃焼音が低減されるとともに、NOxの生成
が抑制される。
【0011】ところが、高負荷域での運転のように噴射
量が増大した場合は、燃料噴射ポンプの送油率が高くな
り、燃料の供給圧力が上昇する。すると、流路抵抗が大
きな副噴口からもある程度の量の燃料が噴射されること
になり、噴口の有効開口面積および有効数が増大して噴
射された燃料と空気との混合性が改善されるために、黒
煙の発生が抑制される。
量が増大した場合は、燃料噴射ポンプの送油率が高くな
り、燃料の供給圧力が上昇する。すると、流路抵抗が大
きな副噴口からもある程度の量の燃料が噴射されること
になり、噴口の有効開口面積および有効数が増大して噴
射された燃料と空気との混合性が改善されるために、黒
煙の発生が抑制される。
【0012】一方、主噴口をキャビティの周壁に向って
開口させるとともに、副噴口を主噴口より上方に向って
開口させているために、主噴口から噴射された燃料噴霧
は主としてキャビティ内において空気と混合されるが、
副噴口から噴射された燃料噴霧の一部はピストン頂面の
スキッシュエリアにおいて空気と混合される。
開口させるとともに、副噴口を主噴口より上方に向って
開口させているために、主噴口から噴射された燃料噴霧
は主としてキャビティ内において空気と混合されるが、
副噴口から噴射された燃料噴霧の一部はピストン頂面の
スキッシュエリアにおいて空気と混合される。
【0013】また、燃料噴霧を押し流しつつ拡散させる
スワールは、スキッシュエリアよりもキャビティ内にお
いて非常に強くなっている。そして、主噴口から噴射さ
れた燃料噴霧はキャビティ内に誘起されたスワールで押
し流されつつ拡散するが、副噴口から噴射された燃料噴
霧はスキッシュエリアに位置するスワールによる押し流
し作用を受けつつ拡散する。
スワールは、スキッシュエリアよりもキャビティ内にお
いて非常に強くなっている。そして、主噴口から噴射さ
れた燃料噴霧はキャビティ内に誘起されたスワールで押
し流されつつ拡散するが、副噴口から噴射された燃料噴
霧はスキッシュエリアに位置するスワールによる押し流
し作用を受けつつ拡散する。
【0014】さらに、主噴口を基準としてスワールの下
流側に位置する副噴口を等間隔よりもスワールの上流側
に変位させており、しかも、キャビティ内とスキッシュ
エリアのスワール強度の相違により主噴口から噴射され
た燃料噴霧の単位時間あたりの拡散角度が大きく、副噴
口から噴射された燃料噴霧の単位時間あたりの拡散角度
が小さい。従って、燃焼が進行して逆スキッシュで混合
気がキャビティからスキッシュエリアに流出し始める時
点においては主噴口から噴射された燃料噴霧による混合
気が副噴口から噴射された燃料噴霧による混合気に追い
ついて重なりあうこともある。
流側に位置する副噴口を等間隔よりもスワールの上流側
に変位させており、しかも、キャビティ内とスキッシュ
エリアのスワール強度の相違により主噴口から噴射され
た燃料噴霧の単位時間あたりの拡散角度が大きく、副噴
口から噴射された燃料噴霧の単位時間あたりの拡散角度
が小さい。従って、燃焼が進行して逆スキッシュで混合
気がキャビティからスキッシュエリアに流出し始める時
点においては主噴口から噴射された燃料噴霧による混合
気が副噴口から噴射された燃料噴霧による混合気に追い
ついて重なりあうこともある。
【0015】しかしながら、前記したように副噴口を予
めスワール6の上流側に変位させているために、主噴口
から噴射された燃料噴霧による混合気が副噴口から噴射
された燃料噴霧による混合気に追いついたとしても、万
一にも副噴口から噴射された燃料噴霧による混合気が主
噴口から噴射された燃料噴霧による混合気に追いつくこ
とがなく、副噴口から噴射された燃料噴霧による混合気
の前方に常に新気が確保される。
めスワール6の上流側に変位させているために、主噴口
から噴射された燃料噴霧による混合気が副噴口から噴射
された燃料噴霧による混合気に追いついたとしても、万
一にも副噴口から噴射された燃料噴霧による混合気が主
噴口から噴射された燃料噴霧による混合気に追いつくこ
とがなく、副噴口から噴射された燃料噴霧による混合気
の前方に常に新気が確保される。
【0016】そして、ピストンがさらに下ってキャビテ
ィからスキッシュエリアに大量の混合気が流出した状態
においても前記混合気の分布状態が継続されて混合気の
前方に存在する新気を取り込みつつ燃焼が進行するため
に、空気の利用率が高くなって黒煙の発生が予防され
る。また、副噴口から噴射された燃料噴霧の一部はキャ
ビティに流入する激しい空気の流れによる撹拌作用を受
けつつスキッシュエリアに到達して空気と混合されるた
めに、黒煙の抑制効果がより高くなる。
ィからスキッシュエリアに大量の混合気が流出した状態
においても前記混合気の分布状態が継続されて混合気の
前方に存在する新気を取り込みつつ燃焼が進行するため
に、空気の利用率が高くなって黒煙の発生が予防され
る。また、副噴口から噴射された燃料噴霧の一部はキャ
ビティに流入する激しい空気の流れによる撹拌作用を受
けつつスキッシュエリアに到達して空気と混合されるた
めに、黒煙の抑制効果がより高くなる。
【0017】なお、主噴口を副噴口より大径にした場合
は該主噴口から噴射された燃料噴霧の貫徹力が大きくな
ってキャビティの周壁に付着してしまうことが懸念され
る。ところが、主噴口の外端部に例えばザグリ加工を施
して噴口の有効長さを小さくすることにより、主噴口か
ら噴射された燃料噴霧の貫徹力を減少補正することがで
きる。よって、主噴口を大径化したことにより懸念され
るキャビティの周壁への燃料噴霧の付着による不具合を
回避することができる。
は該主噴口から噴射された燃料噴霧の貫徹力が大きくな
ってキャビティの周壁に付着してしまうことが懸念され
る。ところが、主噴口の外端部に例えばザグリ加工を施
して噴口の有効長さを小さくすることにより、主噴口か
ら噴射された燃料噴霧の貫徹力を減少補正することがで
きる。よって、主噴口を大径化したことにより懸念され
るキャビティの周壁への燃料噴霧の付着による不具合を
回避することができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明に係るホール型燃料噴射ノズル
の一実施例を示すノズル先端側から見た正面図、図2は
図1のA−A断面図であり、放射方向に向って開口する
6個の噴口をノズル1の先端に設けている。噴口は大径
の主噴口2と小径の副噴口3の組合せで構成されてお
り、3個の主噴口2と3個の副噴口3を交互に配設して
いる。
説明する。図1は本発明に係るホール型燃料噴射ノズル
の一実施例を示すノズル先端側から見た正面図、図2は
図1のA−A断面図であり、放射方向に向って開口する
6個の噴口をノズル1の先端に設けている。噴口は大径
の主噴口2と小径の副噴口3の組合せで構成されてお
り、3個の主噴口2と3個の副噴口3を交互に配設して
いる。
【0019】また、副噴口3の総開口面積を主噴口2の
総開口面積の35%〜65%に設定するとともに、副噴
口3のコーン角βを主噴口2のコーン角αより大きくす
ることにより、主噴口2をピストン4に設けたキャビテ
ィ5の周壁に向って開口させるとともに、副噴口3をキ
ャビティ5のエッジ部に向って開口させている(なお、
図2においては主噴口2のコーン角αおよび副噴口3の
コーン角βの2分の1に相当するα/2、β/2を示し
ている)。
総開口面積の35%〜65%に設定するとともに、副噴
口3のコーン角βを主噴口2のコーン角αより大きくす
ることにより、主噴口2をピストン4に設けたキャビテ
ィ5の周壁に向って開口させるとともに、副噴口3をキ
ャビティ5のエッジ部に向って開口させている(なお、
図2においては主噴口2のコーン角αおよび副噴口3の
コーン角βの2分の1に相当するα/2、β/2を示し
ている)。
【0020】また、主噴口2を基準として、スワール6
の下流側に位置する副噴口3をそれぞれ等間隔よりもス
ワール6の上流側に変位させている。なお、ノズル1の
内部には従来のホール型燃料噴射ノズルの場合と同様に
図示しないニードルなどを設けており、図示しない燃料
噴射ポンプから供給された燃料の圧力が上昇すると、こ
の燃料の圧力でニードルがリフトされて噴口2、3を経
て燃料が噴射されるようにしている。
の下流側に位置する副噴口3をそれぞれ等間隔よりもス
ワール6の上流側に変位させている。なお、ノズル1の
内部には従来のホール型燃料噴射ノズルの場合と同様に
図示しないニードルなどを設けており、図示しない燃料
噴射ポンプから供給された燃料の圧力が上昇すると、こ
の燃料の圧力でニードルがリフトされて噴口2、3を経
て燃料が噴射されるようにしている。
【0021】以上のような構成になる燃料噴射ノズルに
おいて、図示しない燃料噴射ポンプから吐出された燃料
の圧力が上昇すると、ノズル1に設けているニードル
(図示省略)がリフトされて噴口2、3から燃料が噴射
される。また、このときにおける噴射量は、各噴口2、
3の流路抵抗および噴口2、3の開口位置による流量係
数に依存して変化する。そして、噴口の通路抵抗は口径
を小さくするにつれて大きくなり、口径が同一である場
合はコーン角を大きくするにつれて流路抵抗が大きくな
る。なお、ノズルの先端側に位置する噴口ほど流量係数
が大きくなる。
おいて、図示しない燃料噴射ポンプから吐出された燃料
の圧力が上昇すると、ノズル1に設けているニードル
(図示省略)がリフトされて噴口2、3から燃料が噴射
される。また、このときにおける噴射量は、各噴口2、
3の流路抵抗および噴口2、3の開口位置による流量係
数に依存して変化する。そして、噴口の通路抵抗は口径
を小さくするにつれて大きくなり、口径が同一である場
合はコーン角を大きくするにつれて流路抵抗が大きくな
る。なお、ノズルの先端側に位置する噴口ほど流量係数
が大きくなる。
【0022】従って、燃料噴射ポンプの送油率が低い領
域では流路抵抗が大きい小径の副噴口3からの噴射量が
少なくなり、流路抵抗が小さい大径の主噴口2から主と
して燃料が噴射される。このために、低負荷域での運転
のように噴射量が少ないときは噴口の有効数(全体とし
ての噴口の有効開口面積)が少なくなるために初期噴射
率が抑えられ、静粛な燃焼が行なわれて燃焼音が低減さ
れるとともに、NOxの生成が抑制される。
域では流路抵抗が大きい小径の副噴口3からの噴射量が
少なくなり、流路抵抗が小さい大径の主噴口2から主と
して燃料が噴射される。このために、低負荷域での運転
のように噴射量が少ないときは噴口の有効数(全体とし
ての噴口の有効開口面積)が少なくなるために初期噴射
率が抑えられ、静粛な燃焼が行なわれて燃焼音が低減さ
れるとともに、NOxの生成が抑制される。
【0023】なお、主噴口2をキャビティ5の周壁の中
間部に向って開口させている。よって、主噴口2から噴
射された燃料噴霧はキャビティ5の深い部分においてス
ワール6による押し流し作用を受けて拡散されつつ燃焼
し、逆スキッシュによる誘導作用でスキッシュエリアに
流出して充分な量の新気を取り込みながら燃焼する。
間部に向って開口させている。よって、主噴口2から噴
射された燃料噴霧はキャビティ5の深い部分においてス
ワール6による押し流し作用を受けて拡散されつつ燃焼
し、逆スキッシュによる誘導作用でスキッシュエリアに
流出して充分な量の新気を取り込みながら燃焼する。
【0024】一方、高負荷域での運転時のように噴射量
が増大した場合は、燃料噴射ポンプの送油率が高くな
り、これにともなって燃料の供給圧力が上昇する。する
と、流路抵抗が大きな小径の副噴口3からもかなりの量
の燃料が噴射されるために、噴口の有効数および有効開
口面積が増加する。
が増大した場合は、燃料噴射ポンプの送油率が高くな
り、これにともなって燃料の供給圧力が上昇する。する
と、流路抵抗が大きな小径の副噴口3からもかなりの量
の燃料が噴射されるために、噴口の有効数および有効開
口面積が増加する。
【0025】このために、初期噴射率を低くできるにも
拘らず噴射期間が必要以上に長くなることがなく、噴射
された燃料と空気との混合性が改善されて黒煙の発生が
抑制される。なお、副噴口3から噴射された燃料噴霧は
キャビティ5に流入する強い流れによる拡散作用を受け
つつスキッシュエリアに到達してスワール6による押し
流し拡散作用を受けて空気と混合されるために、空気の
導入が改善される。
拘らず噴射期間が必要以上に長くなることがなく、噴射
された燃料と空気との混合性が改善されて黒煙の発生が
抑制される。なお、副噴口3から噴射された燃料噴霧は
キャビティ5に流入する強い流れによる拡散作用を受け
つつスキッシュエリアに到達してスワール6による押し
流し拡散作用を受けて空気と混合されるために、空気の
導入が改善される。
【0026】ところで、燃料噴霧を押し流しつつ拡散さ
せるスワール6は、スキッシュエリアよりもキャビティ
5内において非常に強くなっている。そして、主噴口2
から噴射された燃料噴霧はキャビティ5内に誘起された
スワールで押し流されつつ拡散するが、副噴口3から噴
射された燃料噴霧はスキッシュエリアに位置するスワー
ル6による押し流し作用を受けつつ拡散する。
せるスワール6は、スキッシュエリアよりもキャビティ
5内において非常に強くなっている。そして、主噴口2
から噴射された燃料噴霧はキャビティ5内に誘起された
スワールで押し流されつつ拡散するが、副噴口3から噴
射された燃料噴霧はスキッシュエリアに位置するスワー
ル6による押し流し作用を受けつつ拡散する。
【0027】また、主噴口2を基準としてスワール6の
下流側に位置する副噴口3を等間隔よりもスワール6の
上流側に変位させており、しかも、キャビティ5内とス
キッシュエリアのスワール強度が相違する。従って、主
噴口2から噴射された燃料噴霧の単位時間あたりの拡散
角度が大きく、副噴口から噴射された燃料噴霧の単位時
間あたりの拡散角度が小さくなる。
下流側に位置する副噴口3を等間隔よりもスワール6の
上流側に変位させており、しかも、キャビティ5内とス
キッシュエリアのスワール強度が相違する。従って、主
噴口2から噴射された燃料噴霧の単位時間あたりの拡散
角度が大きく、副噴口から噴射された燃料噴霧の単位時
間あたりの拡散角度が小さくなる。
【0028】このために、噴射直後は主副の噴口2、3
から噴射された燃料噴霧a、bが図3(A)に示したよ
うにほとんど拡散しない状態を示す。ところが、主噴口
2から噴射された燃料噴霧aに作用するスワール6が副
噴口3から噴射された燃料噴霧bに作用するスワール6
よりも強い。従って、燃焼が進行して混合気がキャビテ
ィ5からスキッシュエリアに流出し始める時点において
は、図3(B)に示したように主噴口2から噴射された
燃料噴霧aによる混合気Aが副噴口3から噴射された燃
料噴霧bによる混合気Bに追いついて一部重なりあう。
から噴射された燃料噴霧a、bが図3(A)に示したよ
うにほとんど拡散しない状態を示す。ところが、主噴口
2から噴射された燃料噴霧aに作用するスワール6が副
噴口3から噴射された燃料噴霧bに作用するスワール6
よりも強い。従って、燃焼が進行して混合気がキャビテ
ィ5からスキッシュエリアに流出し始める時点において
は、図3(B)に示したように主噴口2から噴射された
燃料噴霧aによる混合気Aが副噴口3から噴射された燃
料噴霧bによる混合気Bに追いついて一部重なりあう。
【0029】しかしながら、副噴口3を予めスワール6
の上流側に変位させているために、主噴口2から噴射さ
れた燃料噴霧aによる混合気Aが副噴口3から噴射され
た燃料噴霧bによる混合気Bに追いついた場合において
も、副噴口3から噴射された燃料噴霧bによる混合気B
が主噴口2から噴射された燃料噴霧aによる混合気Aに
追いつくことがなく、副噴口3から噴射された燃料噴霧
bによる混合気Bの前方に新気Cが確保される。
の上流側に変位させているために、主噴口2から噴射さ
れた燃料噴霧aによる混合気Aが副噴口3から噴射され
た燃料噴霧bによる混合気Bに追いついた場合において
も、副噴口3から噴射された燃料噴霧bによる混合気B
が主噴口2から噴射された燃料噴霧aによる混合気Aに
追いつくことがなく、副噴口3から噴射された燃料噴霧
bによる混合気Bの前方に新気Cが確保される。
【0030】また、ピストン4がさらに下ってキャビテ
ィ5から逆スキッシュに誘導されてスキッシュエリアに
大量の混合気が流出した状態においても前記混合気の分
布状態が継続されるために、図3(C)に示したように
混合気の前方に新気Cが確保される。そして、その後の
燃焼過程においても同図(D)に示したように混合気の
前方に新気Cが存在し続けるために、この新気Cを取り
込みつつ燃焼が遂行されることになり、空気の利用率が
高くなって黒煙の発生が予防される。
ィ5から逆スキッシュに誘導されてスキッシュエリアに
大量の混合気が流出した状態においても前記混合気の分
布状態が継続されるために、図3(C)に示したように
混合気の前方に新気Cが確保される。そして、その後の
燃焼過程においても同図(D)に示したように混合気の
前方に新気Cが存在し続けるために、この新気Cを取り
込みつつ燃焼が遂行されることになり、空気の利用率が
高くなって黒煙の発生が予防される。
【0031】なお、副噴口3から噴射された燃料噴霧b
の一部はキャビティ5に流入する激しい空気の流れによ
る撹拌作用を受けつつスキッシュエリアに到達してスワ
ール6による押し流し作用を受けて空気と混合されるた
めに、黒煙の抑制効果がより高くなる。
の一部はキャビティ5に流入する激しい空気の流れによ
る撹拌作用を受けつつスキッシュエリアに到達してスワ
ール6による押し流し作用を受けて空気と混合されるた
めに、黒煙の抑制効果がより高くなる。
【0032】また、本発明においては副噴口3の総開口
面積を主噴口2の総開口面積の35%〜65%に設定し
ているために、黒煙およびNOxの生成をともに効果的
に抑制することができる。すなわち、図4は噴射ノズル
全体としての噴口の総開口面積および噴射タイミングを
一定にして主噴口2の総開口面積に対する副噴口3の総
開口面積の割合を変化させた場合におけるNOxおよび
黒煙の排出特性を示している。
面積を主噴口2の総開口面積の35%〜65%に設定し
ているために、黒煙およびNOxの生成をともに効果的
に抑制することができる。すなわち、図4は噴射ノズル
全体としての噴口の総開口面積および噴射タイミングを
一定にして主噴口2の総開口面積に対する副噴口3の総
開口面積の割合を変化させた場合におけるNOxおよび
黒煙の排出特性を示している。
【0033】この図4からも明らかなように、副噴口3
の総開口面積を主噴口2の総開口面積の35%より小さ
くした場合は、主噴口2の総開口面積が相対的に増大し
て低負荷域における初期噴射率が高くなるとともに燃料
噴霧の微粒化性能が低下するためにNOxおよび黒煙の
生成量が増大する。
の総開口面積を主噴口2の総開口面積の35%より小さ
くした場合は、主噴口2の総開口面積が相対的に増大し
て低負荷域における初期噴射率が高くなるとともに燃料
噴霧の微粒化性能が低下するためにNOxおよび黒煙の
生成量が増大する。
【0034】一方、副噴口3の総開口面積を主噴口2の
総開口面積の65%より大きくした場合は、黒煙の発生
を抑制する点では好ましい。ところが、この場合は低負
荷域において副噴口3からの噴射量が増加して初期噴射
率が高くなるために、NOxの生成が多くなってしま
う。従って、エンジンの要求性能によっても相違する
が、副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口面積の3
5%〜65%に設定することで黒煙およびNOxの生成
をともに効果的に抑制することができる。
総開口面積の65%より大きくした場合は、黒煙の発生
を抑制する点では好ましい。ところが、この場合は低負
荷域において副噴口3からの噴射量が増加して初期噴射
率が高くなるために、NOxの生成が多くなってしま
う。従って、エンジンの要求性能によっても相違する
が、副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口面積の3
5%〜65%に設定することで黒煙およびNOxの生成
をともに効果的に抑制することができる。
【0035】図5は本発明に係るホール型燃料噴射ノズ
ルの他の実施例を示す側面図、図6は図5に示したノズ
ルを先端側から見た正面図である。この実施例において
は、主噴口2を副噴口3とほぼ同径の噴口で構成したう
えで、2つの主噴口2に対して1つの副噴口3を設けて
副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口面積の35%
〜65%にしている。
ルの他の実施例を示す側面図、図6は図5に示したノズ
ルを先端側から見た正面図である。この実施例において
は、主噴口2を副噴口3とほぼ同径の噴口で構成したう
えで、2つの主噴口2に対して1つの副噴口3を設けて
副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口面積の35%
〜65%にしている。
【0036】そして、対をなす主噴口2の中心点7を基
準としてスワール6の下流側に位置する副噴口3をスワ
ールの上流側に変位させている。また、主噴口2を副噴
口3よりもノズル1の先端側に位置させてるとともに、
副噴口3のコーン角を主噴口2のコーン角よりも大きく
することにより、副噴口3をキャビティ5のエッジ部に
向って開口させている。従って、主噴口2と副噴口3の
口径が同一であったとしてもコーン角の大きな副噴口3
の流路抵抗が大きく、ノズル1の先端側に位置する主噴
口2の流量係数が大きくなっている。
準としてスワール6の下流側に位置する副噴口3をスワ
ールの上流側に変位させている。また、主噴口2を副噴
口3よりもノズル1の先端側に位置させてるとともに、
副噴口3のコーン角を主噴口2のコーン角よりも大きく
することにより、副噴口3をキャビティ5のエッジ部に
向って開口させている。従って、主噴口2と副噴口3の
口径が同一であったとしてもコーン角の大きな副噴口3
の流路抵抗が大きく、ノズル1の先端側に位置する主噴
口2の流量係数が大きくなっている。
【0037】よって、燃料噴射ポンプの送油率が低い領
域では流路抵抗が大きくて流量係数が小さい副噴口3か
らの噴射量は少なくなり、高負荷域での運転のように噴
射量が増大して燃料噴射ポンプの送油率が高くなった場
合は、流路抵抗が大きくて流量係数が小さい副噴口3か
らもある程度の量の燃料が噴射される。従って、この実
施例の場合においても前記実施例同様の作用効果が得ら
れることになる。
域では流路抵抗が大きくて流量係数が小さい副噴口3か
らの噴射量は少なくなり、高負荷域での運転のように噴
射量が増大して燃料噴射ポンプの送油率が高くなった場
合は、流路抵抗が大きくて流量係数が小さい副噴口3か
らもある程度の量の燃料が噴射される。従って、この実
施例の場合においても前記実施例同様の作用効果が得ら
れることになる。
【0038】なお、図示はしないがキャビティ5の底壁
の中央部に向って開口する補助噴口を設け、この補助噴
口の総開口面積を副噴口2の総開口面積の50%〜80
%に設定することにより、キャビティの中心付近の空気
を有効に利用することもできる。すなわち、このように
キャビティ5の底壁中央部に向って開口する補助噴口を
設けた場合は、噴射量がきわめて多い高負荷域において
は補助噴口からも燃料を噴射してキャビティ5の中央部
に燃料を直接に供給できる。
の中央部に向って開口する補助噴口を設け、この補助噴
口の総開口面積を副噴口2の総開口面積の50%〜80
%に設定することにより、キャビティの中心付近の空気
を有効に利用することもできる。すなわち、このように
キャビティ5の底壁中央部に向って開口する補助噴口を
設けた場合は、噴射量がきわめて多い高負荷域において
は補助噴口からも燃料を噴射してキャビティ5の中央部
に燃料を直接に供給できる。
【0039】このために、従来は必ずしも有効利用され
ていなかったキャビティ5の中央部の空気も燃焼に供す
ることができ、しかも、噴射量が増加するにつれて噴口
の有効開口面積が増大する。よって、初期噴射率の増加
をともなうことなく噴射期間をより短縮できるために、
ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび黒煙を
充分に少なくして燃焼効率をより改善することができ
る。
ていなかったキャビティ5の中央部の空気も燃焼に供す
ることができ、しかも、噴射量が増加するにつれて噴口
の有効開口面積が増大する。よって、初期噴射率の増加
をともなうことなく噴射期間をより短縮できるために、
ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび黒煙を
充分に少なくして燃焼効率をより改善することができ
る。
【0040】さらに、図1および図2に示した実施例の
ように主噴口2を副噴口3より大径にした場合は、該主
噴口2から噴射された燃料噴霧の貫徹力が大きくなり過
ぎてキャビティ5の周壁に付着することが懸念される。
ところが、主噴口2の外端部に例えばザグリ加工を施し
て該主噴口2の有効長さを小さくして主噴口2から噴射
された燃料噴霧の貫徹力を減少補正した場合は、主噴口
2を大径化したことにより懸念されるキャビティ5の周
壁への燃料噴霧の付着による空気利用率の低下を予防す
ることができるとともに、排気中に含まれるNOxおよ
び黒煙をより効果的に低減することができる。
ように主噴口2を副噴口3より大径にした場合は、該主
噴口2から噴射された燃料噴霧の貫徹力が大きくなり過
ぎてキャビティ5の周壁に付着することが懸念される。
ところが、主噴口2の外端部に例えばザグリ加工を施し
て該主噴口2の有効長さを小さくして主噴口2から噴射
された燃料噴霧の貫徹力を減少補正した場合は、主噴口
2を大径化したことにより懸念されるキャビティ5の周
壁への燃料噴霧の付着による空気利用率の低下を予防す
ることができるとともに、排気中に含まれるNOxおよ
び黒煙をより効果的に低減することができる。
【0041】上記実施例においてはいずれも合計6個の
噴口を設けているが、噴口の総数は必ずしも6個である
必要性はなく、燃料の噴射特性に応じて主噴口2および
副噴口3の数、口径、コーン角および形成位置を設定す
ればよい。また、本発明を二段開弁圧ノズルの噴口に適
用してNOxの低減効果をより改善することもできる。
噴口を設けているが、噴口の総数は必ずしも6個である
必要性はなく、燃料の噴射特性に応じて主噴口2および
副噴口3の数、口径、コーン角および形成位置を設定す
ればよい。また、本発明を二段開弁圧ノズルの噴口に適
用してNOxの低減効果をより改善することもできる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明したように本発明に係るホー
ル型燃料噴射ノズルによれば、噴射期間が長期化される
ことを予防しつつ初期噴射率を低くすることができる。
また、燃焼の最終段階まで新気を取り込む安定的な燃焼
が継続されるために、燃焼温度の上昇をともなうことな
く空気利用を飛躍的に高くすることができる。よって、
ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび黒煙を
より効果的に抑制できるとともに、例えば二段開弁圧ノ
ズルに比較してノズルの構成を簡略化できるために、燃
料噴射ノズルを安価に提供することもできる。
ル型燃料噴射ノズルによれば、噴射期間が長期化される
ことを予防しつつ初期噴射率を低くすることができる。
また、燃焼の最終段階まで新気を取り込む安定的な燃焼
が継続されるために、燃焼温度の上昇をともなうことな
く空気利用を飛躍的に高くすることができる。よって、
ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび黒煙を
より効果的に抑制できるとともに、例えば二段開弁圧ノ
ズルに比較してノズルの構成を簡略化できるために、燃
料噴射ノズルを安価に提供することもできる。
【図1】本発明に係る燃料噴射ノズルの一実施例を示す
先端側から見た正面図である。
先端側から見た正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】燃料噴霧(混合気)の拡散過程を示すピストン
上方からの概略平面図である。
上方からの概略平面図である。
【図4】主噴口と副噴口の開口面積比によるNOxおよ
び黒煙の排出特性を示す図である。
び黒煙の排出特性を示す図である。
【図5】本発明に係るホール型燃料噴射ノズルの他の実
施例を示す側面図である。
施例を示す側面図である。
【図6】図5に示したノズルを先端側から見た正面図で
ある。
ある。
1 ノズル 2 主噴口 3 副噴口 4 ピストン 5 キャビティ 6 スワール 7 対をなす主噴口の中心点 a 燃料噴霧 b 燃料噴霧 A 混合気 B 混合気 C 新気
Claims (3)
- 【請求項1】 放射方向に向って開口する複数個の噴口
を備えたホール型燃料噴射ノズルにおいて、ピストンに
設けたキャビティの周壁に向って開口する主噴口と、隣
接する主噴口の間に位置して該主噴口より上方に向って
開口する副噴口で前記噴口を構成し、副噴口の総開口面
積を主噴口の総開口面積の35%〜65%にするととも
に、主噴口を基準としてスワールの下流側に位置する副
噴口を等間隔よりもスワールの上流側に変位させたこと
を特徴とするホール型燃料噴射ノズル。 - 【請求項2】 主噴口を副噴口より大径の噴口で構成し
たことを特徴とする請求項1に記載のホール型燃料噴射
ノズル。 - 【請求項3】 放射方向に向って開口する複数個の噴口
を備えたホール型燃料噴射ノズルにおいて、ピストンに
設けたキャビティの周壁に向って開口する主噴口と、該
主噴口より上方に向って開口する副噴口で前記噴口を構
成し、主噴口を副噴口とほぼ同径の噴口で構成するとと
もに、2つの主噴口に対して1つの副噴口を設けて副噴
口の総開口面積を主噴口の総開口面積の35%〜65%
に設定し、かつ、対をなす主噴口の中心点を基準として
スワールの下流側に位置する副噴口を等間隔よりもスワ
ールの上流側に変位させたことを特徴とする請求項1に
記載のホール型燃料噴射ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03138095A JP3707563B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | ホール型燃料噴射ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03138095A JP3707563B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | ホール型燃料噴射ノズル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08200186A true JPH08200186A (ja) | 1996-08-06 |
JP3707563B2 JP3707563B2 (ja) | 2005-10-19 |
Family
ID=12329657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03138095A Expired - Fee Related JP3707563B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | ホール型燃料噴射ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3707563B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000020735A1 (fr) * | 1997-04-11 | 2000-04-13 | Yanmar Diesel Engine Co., Ltd. | Systeme de combustion pour moteurs diesel a injection |
CN114586473A (zh) * | 2019-10-22 | 2022-06-03 | 株式会社富士 | 等离子体产生装置及等离子体处理方法 |
-
1995
- 1995-01-27 JP JP03138095A patent/JP3707563B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000020735A1 (fr) * | 1997-04-11 | 2000-04-13 | Yanmar Diesel Engine Co., Ltd. | Systeme de combustion pour moteurs diesel a injection |
CN1099525C (zh) * | 1997-04-11 | 2003-01-22 | 洋马柴油机株式会社 | 直喷式柴油机的燃烧系统 |
US6553960B1 (en) | 1997-04-11 | 2003-04-29 | Yanmar Co., Ltd. | Combustion system for direct injection diesel engines |
CN114586473A (zh) * | 2019-10-22 | 2022-06-03 | 株式会社富士 | 等离子体产生装置及等离子体处理方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3707563B2 (ja) | 2005-10-19 |
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Legal Events
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