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JPH08199372A - 傾斜機能材料の製法および装置 - Google Patents

傾斜機能材料の製法および装置

Info

Publication number
JPH08199372A
JPH08199372A JP7028882A JP2888295A JPH08199372A JP H08199372 A JPH08199372 A JP H08199372A JP 7028882 A JP7028882 A JP 7028882A JP 2888295 A JP2888295 A JP 2888295A JP H08199372 A JPH08199372 A JP H08199372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
substrate
raw material
powder
furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7028882A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Otsuka
昭彦 大塚
Masato Araiyama
政人 新井山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP7028882A priority Critical patent/JPH08199372A/ja
Publication of JPH08199372A publication Critical patent/JPH08199372A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜厚方向に連続した組成勾配をもつ微細組織
の傾斜機能材料を製造する。 【構成】 プラズマフレームが炉内に放射するようにプ
ラズマトーチを取り付けたプラズマ炉において,該プラ
ズマ中に粉状原料を投入して該原料をガス化し,このガ
ス化した成分を互いに会合させて粒径が1μm以下の超
微粒子を該プラズマ炉内で生成させ,この超微粒子を同
伴した流体を基板表面に衝突させることにより,基板表
面に該超微粒子の付着層を形成し,そのさい,付着層の
形成時間帯の間,プラズマ中に投入する粉状原料の組成
を変化させることにより傾斜組成をもつ付着層を形成さ
せ,得られた付着層をロールで圧延することからなる傾
斜機能材料の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,超微細組織を有し且つ
連続した傾斜組成をもつ傾斜機能材料の製法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一方の面と他方の面とでは異なる物理的
または化学的特性をもつ材料は,その特性を生かした各
種の用途がある。例えば板状体の一方の面は耐熱性や耐
摩耗性に優れる超硬合金やセラミックスからなり,他方
の面は基材との接合性のよい金属や合金からなり,両者
が内部にゆくほど順次組成を変えながら融合し,全体と
しては一体的な板状体として形成されている材料は,耐
熱分野や耐摩耗分野の材料として有用である。
【0003】一般に,所定の組成を有する金属材料に異
なる組成を有する金属やセラミックス材料を順次接合す
る場合には各材料の物性(ヤング率,熱膨張係数等)が
異なることから,接合界面において機能及び物性の不連
続性が生じる。このような物性の不連続性は,各々の材
料物性のミスマッチに起因する耐久性の低下,界面から
の脱落剥離等を招く。これに対して異物質間の界面構造
を制御し,組成を連続的に遷移させたいわゆる「傾斜機
能材料」では,機能の傾斜化はもちろんのこと物性の変
化がゆるやかに勾配することから前述の不連続性に起因
する材料の欠点を克服することが可能であり,種々の産
業分野で有用である。
【0004】このような傾斜機能材料の合成は,粉末冶
金法,プラズマ溶射法,CVD法などの方法で可能であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし,前記の方法で
得られた材料は一般に圧延加工ができないという問題が
ある。例えば,粉末冶金法は一般に焼結中に粒成長が起
きるので焼結組織は比較的大きなものとなる。このため
焼結品を圧延加工するようなことは困難である。またプ
ラズマ溶射法は,高温のフレームにて金属粒子の一部も
しくは全部を溶融しつつ基材上に順次積層する方法であ
るが,溶けた粒子が基材上で瞬間的に固化することから
皮膜組織は組織サイズ,気孔率ともに大きなものとな
り,やはり圧延加工は困難である。
【0006】またCVD法では,未反応物質や分解生成
ガスが発生するので,構成する金属には制限があり,ま
た必要な膜厚を得るには生産性の面から多大のコストを
要するという問題がある。
【0007】したがって,従来の技術では,圧延可能な
超微細組織を有し且つ連続した傾斜組成をもつ傾斜機能
材料を安定して製造することはできなかった。本発明は
この課題を克服し,新規特性を有する傾斜機能材料を得
ることを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,プラズ
マフレームが炉内に放射するようにプラズマトーチを取
り付けたプラズマ炉において,該プラズマ中に粉状原料
を投入して該原料をガス化し,このガス化した成分を互
いに会合させて粒径が1μm以下の超微粒子を該プラズ
マ炉内で生成させ,この超微粒子を同伴した流体を基板
表面に衝突させることにより,基板表面に該超微粒子の
付着層を形成し,そのさい,付着層の形成時間帯の間,
プラズマ中に投入する粉状原料の組成を変化させること
により傾斜組成をもつ付着層を形成させ,得られた付着
層をロールで圧延することからなる傾斜機能材料の製法
を提供する。
【0009】また本発明によれば,前記の製法を有利に
実施する装置として,高周波プラズマトーチを,そのプ
ラズマフレームが炉内に放射するように取付けてなるプ
ラズマ炉と,該プラズマ炉に設けた排気口から炉内ガス
を連続的に排出する排気装置と,該プラズマトーチで発
生するプラズマ中に粉状原料を連続的に供給する粉末原
料供給装置と,該プラズマ炉内においてプラズマフレー
ムの照射方向に該フレーム流とは直交する方向に基板を
配置するための試料台と,該プラズマ炉内に冷却ガスを
送気する冷却ガス供給装置と,からなる傾斜機能材料の
製造装置を提供する。
【0010】
【作用】プラズマトーチで発生するプラズマ中に粉状原
料を投入すると,瞬時に該原料はガス化する。このガス
化した成分はプラズマガス共にプラズマフレームの後端
部から炉内に拡散する過程で互いに会合して粒径が1μ
m以下の超微粒子を形成し,雰囲気ガス中に拡散してエ
アロゾルを形成する。そのさい,雰囲気ガス中に拡散す
る前に,この超微粒子を同伴したフレーム後続流をその
噴流エネルギーを保持したまま基板に衝突させると基板
上に当該超微粒子を付着させることができる。
【0011】とくに,粉状原料が投入されたプラズマフ
レーム流に対し,冷却用の不活性ガス例えばアルゴンガ
スを,該フレーム流を加速するように吹き付けると,フ
レーム中のガス化した成分は急冷されて瞬時に超微粒子
を形成すると共に,この加速された超微粒子同伴流が基
板上に高い衝突エネルギーで衝突するので,高い効率で
基板上に超微粒子が付着堆積する。
【0012】そのさい,該同伴流中の超微粒子の組成が
経時的に変化するように,プラズマ中に投入する粉状原
料を連続的に変えると,基板上には下層から上層に向け
て組成が連続的に傾斜した付着層が得られる。この付着
層は粒径が1μm以下の超微粒子が堆積した超微細組織
を有するので,粒界の存在する割合が非常に大きく,こ
のために粒界滑りによる塑性変形能が高いという特性が
ある。従って付着層には超硬合金やセラミックス等の本
来は塑性変形しないような成分組成のものを含んでいて
もロール圧延できる。
【0013】原料粉体としては,目的とする傾斜機能材
料の成分組成に応じて金属,合金,無機物質,セラミツ
クス等の粉体を使用する。そのさい,二成分以上の混合
粉体を供給すると,多成分系の傾斜機能材料が得られ
る。金属または合金系の原料粉末としては,例えばニッ
ケル粉末,クロム粉末,ステンレス鋼粉末,タングステ
ン粉末,チタンとアルミニウムの粉末,ニオブとアルミ
ニウムの粉末,チタンまたはニオブとアルミニウムとの
金属間化合物粉末などがある。また,セラミックス系の
原料粉末としては,アルミニウム,クロム,タングステ
ン,シリコンなどの金属の炭化物系,酸化物系または窒
化物系セラミックス粉末が挙げられる。
【0014】
【実施例】図1に本発明方法を実施する装置の例を示し
た。
【0015】この装置は,高周波プラズマトーチ1を,
そのプラズマフレーム2が炉内に放射するように取付け
たプラズマ炉3を用いて1μm以下の超微粒子を連続的
に生成させる超微粒子製造部を有する。高周波プラズマ
トーチ1はRFコイル4を外周に有し,その頂部には冷
却手段を介して,プラズマガス供給口5と粉体供給口6
が設けられている。プラズマガスとしては,Arガスと
水素ガスの混合ガスを使用し,本例では熱源として50
kWの高周波を使用している。電極材料の汚染が許容さ
れる材料の製造であれば直流(DC)プラズマジェット
を用いても構わない。
【0016】プラズマトーチ1の粉体供給口6には,複
数基の粉体供給装置(図にはA,BおよびCの3基を示
している)からキヤリヤガスで複数の原料粉体がその組
成比を変えながら連続的に供給される。この粉体供給装
置7の詳細は後述の図2で説明する。
【0017】プラズマ炉3は排気口8をもつ気密炉であ
り,プラズマトーチ1で発生するプラズマ中に粉状原料
が投入されると,該原料は瞬時にガス化し,このガス化
した成分はプラズマガス共にプラズマフレーム2の後端
部に搬送されるが,このプラズマフレーム2の後端部に
対して冷却ガス9(アルゴンガス)をプラズマフレーム
2を加速する方向に吹き付ける冷却用ノズル10(詳細
は後記の図3に示す)と,その噴流を下方に案内するた
めのガイド筒11を備えている。そして,この噴流が衝
突する位置に基板台12が取り付けられ,この基板台1
2の上には基板13が噴流と直交する方向(図では水平
方向)にセットされる。基板台12は炉外の駆動装置1
4によって軸回りの回転運動と上下方向の移動ができる
ようになっている。
【0018】プラズマ炉内の排ガスは,排気口8から冷
却器15およびフイルタ16と17をもつチャンバー1
8を経て排気装置19に吸引され,フイルタで集塵され
た排気は排気装置19から系外に放出される。冷却器1
5は水冷ジャケット(図示しない)をもつ容器であり,
フイルタ16と17はいずれも取外し可能なカセット式
である。
【0019】他方,粉状原料の供給側ではアルゴンガス
源21と水素ガス源22から制御盤20によって粉体供
給装置7へのアルゴンガス量,プラズマトーチ1に供給
されるプラズマガスとしてのアルゴンガス量および水素
ガス量および冷却ノズル10へのアルゴンガス量がそれ
ぞれ調節される。
【0020】図2は,本例で使用した粉体供給装置7の
詳細を示したものである。図では同形の装置を2台並置
した例を示す。この粉体供給装置7は,密閉されたホッ
パー24内に回転容器25とキヤリヤガス噴射ノズル2
6を備えたデイスパージョンフイーダ式のものである。
ホッパー内の回転容器25は電子天秤27を介してモー
タ28の回転軸に連結しており,その回転数が自由に変
えられる。この回転容器25内に収容された原料粉体
は,容器の回転によって回転運動を付与されながら,ガ
ス噴射ノズル26から噴射されるキヤリヤガス(Ar)
によってさらに流動化される。
【0021】この流動化状態にある粉末原料中に粉末取
出管29がその端部が開口するように挿入されており,
容器26の回転数を変化させると,その回転数の増減に
応じて,粉末取出管29の開口端に衝突する粒子の数が
増減する。その結果,粉末の供給量を自由に調節するこ
とができる。
【0022】各粉体供給装置7の粉末取出管29の途中
には混合器30が取付けられ,この混合器30において
各々の粉体流が合流してプラズマトーチの粉体供給5に
供給される。これら各粉体供給装置7の回転容器25の
回転数をそれぞれ制御すれば二種類の粉体の混合比を自
在に調整することができるので,プラズマトーチ1のプ
ラズマフレーム2に投入される粉末原料の成分比を経時
的に変化させることができる。
【0023】図3は,プラズマ炉3に設ける冷却ノズル
10の詳細を示したものである。図示のように,プラズ
マトーチ1によって形成されるプラズマフレーム2を取
り巻くように,該フレーム2と同心的に環状のガス路3
1をプラズマ炉3の上部に形成し,この環状ガス路31
に同間隔で多数本のノズル10が設けてある。各ノズル
10は,プラズマフレーム2の後端部の中心に向かう斜
め下方に向けられていることから,環状ガス路31に冷
却ガス(アルゴンガス)が送圧されると,各ノズル10
から冷却ガスの噴流がプラズマフレーム2を垂直下方に
加速する方向に吹き出し同時に該フレーム2を急冷す
る。また,ガイド筒11は該混合流を垂直下方に案内す
る役割を果たす。
【0024】以上の構成になる本発明の装置によれば,
プラズマ中に投入された粉状原料は瞬時にガス化し,こ
のガス化した成分はプラズマガス共にプラズマフレーム
の後端部で冷却ガスによって急冷され,粒径が1μm以
下の超微粒子を形成する。そして,この超微粒子を同伴
する混合ガスは高い噴流エネルギーを保持したまま基板
13に衝突し,この衝突によって超微粒子は基板13上
に付着堆積する。そのさい,基板13は水平を維持した
まま回転することにより,ほぼ均一厚みに超微粒子が付
着堆積し,厚膜積層が形成される。またその径も大きな
ものが得られ,粉状原料の成分比を経時的に変化させる
ことにより,組成比が連続的に変化した厚膜積層体が得
られる。
【0025】このようにして得た組成比が連続的に変化
した厚膜積層体を基板13と共にプラズマ炉3から取出
し,次いで,ロールで圧延する。図4はその圧延状態を
示している。図4において,ロール31と32の間に供
給される材料は,基板13とその上に形成された組成比
が連続的に変化した厚膜積層体33の一体品であり,こ
れが圧延されると,その基板13側から組成が連続的に
傾斜した板状の傾斜機能材料34となる。
【0026】例えば,ステンレス鋼とタングステンの傾
斜機能材料を作製する場合,ステンレス鋼基板を使用
し,先ずステンレス鋼:タングステン=90:10の成
分比の混合粉状原料をプラズマトーチに供給し,この組
成の超微粒子積層を基板上に形成させる。そして,それ
ぞれの原料粉末の供給量を連続的に変化させて積層し,
最終段階では100%タングステンの超微粒子積層を最
外層として形成させる。このようにして原料粉末供給量
の変化を等速にもしくは適切な勾配にて連続的に変化さ
せることにより,原料粉末供給時間に対し連続的な勾配
組成を持つ混合超微粒子を発生させ,これをステンレス
鋼基板上に付着積層することにより超微細組織傾斜機能
素材が得られ,次いでこの超微細組織傾斜機能材料を圧
延することによって,基板のステンレス鋼から最外表面
のタングステンに至るまで組成が連続的に変化した薄板
状の緻密な超微細組織傾斜機能材料が製造できる。
【0027】種類の異なる金属およびセラミックス原料
粉末に変えて,組成の異なる金属原料粉末,例えばSU
S304とSUS316などの組み合わせを使用するこ
ともできる。
【0028】また数台(例えば3台)の粉末供給装置を
同時に稼働し,常に3台の粉末供給装置からの原料粉末
供給量の総和が一定量となるように供給量の変化勾配を
定め,例えば表1のような条件で3台の粉末供給装置を
稼働することもできる。
【0029】
【表1】
【0030】表1において,原料粉末Aについては靱性
の高い金属,原料粉末Bについては硬度の高い炭化物系
セラミックス,原料粉末Cについては硬度の高い合金等
を想定し,靱性と硬度を併せて持つ傾斜機能材料を構成
する。表1の条件の場合,初期に発生する超微粒子は,
靱性の高い金属超微粒子Aと硬度の高い合金超微粒子C
が90:10の割合で発生し,均一に分散された状態で
基板上(材質A)に圧粉積層される。次に粉末供給装置
からの原料粉末供給量を連続的に表1の目標供給量に沿
って変化させることにより,圧粉積層される超微粒子層
の組成は随時,連続的に変化し最終的には,炭化物系セ
ラミックスと超硬合金との組み合わせとなる。次いで,
このようにして形成された超微細組織傾斜機能素材を,
圧延装置の一対の圧延ロール間に供給し,所定の厚さの
薄板からなる超微細組織傾斜機能材料を得る。
【0031】高温プラズマ超微粒子発生装置により作製
した超微細組織傾斜機能素材は,粒子が微細であること
から圧粉積層体の体積に対して粒界の存在する割合が高
く,このことにより粒界滑りを利用し,圧延装置により
容易に塑性変形させることが可能である。かくして得ら
れた超微細組織傾斜機能素材は基材上で材質Aから材質
Bが分散した材質Cのコンポジット層までの間,それぞ
れの組成がゆるやかにかつ次第に変化する機能材料とな
っている。組成の傾斜がゆるやかなほど接合性は向上す
るが,組成傾斜層の厚みや勾配は原料粉末供給装置の供
給量の変化を制御することにより自由に設定可能であ
る。
【0032】なお,前述の図例に示した装置では,粉末
供給装置として,電子天秤を用いたデイスパージョンフ
イーダ式のものを示したが,テーブル式やスクリュー式
のものも使用可能である。いずれにしても,成分比を経
時的に変化させることが必要であることから,オンライ
ン制御ができるものが望ましい。図示のデイスパージョ
ンフイーダは,リアルタイムで粉末供給量のフィードバ
ック制御を可能とするため,粉末供給装置全体を電子天
秤上に乗せ,粉末供給による粉末供給装置全体の重量減
少をオンライン制御する機能を備えている。この場合,
電子天秤の最小スケール(例えば10mg)で粉末供給
量制御するには,粉末供給装置全体の重量を電子天秤の
測定可能な重量範囲内にする必要がある。
【0033】また,図例の装置では,環状ガス路31に
は,例えば150リットル/minまでのアルゴンガス
を供給し,その全量が各ノズル10から基板台12に向
けて噴出するようになっている。基板台12は水冷機構
を備えている。ガイド筒11は円筒の石英管が使用され
ている。基板台の水冷機構は,高温プラズマフレームの
輻射熱により基板が溶損するのを防ぐためのものであ
る。また高周波コイル4には4MHzの高周波を負荷
し,5ないしは10%の水素を含有したアルゴンガスを
プラズマガスとしてプラズマを発生させるものが使用さ
れている。以下に,この装置を用いて製造した傾斜機能
材料の代表的な試験例を挙げる。
【0034】〔試験例〕
【0035】表2に,2台の粉末供給装置7を用いたと
きの混合条件を示した。ここで,原料粉末AとしてSU
S316粉末である市販のアトマイズ粉末(325メッ
シュ以下を使用し,原料粉末Bとしては市販のCoおよ
びWCの325メッシュ以下の粉末を50重量部ずつ均
一に混合したものを用いる。そして基板13にはSUS
316の板を用いる。
【0036】
【表2】
【0037】装置の稼動に当たっては,まず図1の高温
プラズマ超微粒子発生装置において適切な条件で高温プ
ラズマフレーム2を発生させてから,冷却ノズル10か
らアルゴンガスを100リットル/minの流速で噴出
させ,基板台の上下駆動機構を利用して適切な基板温度
となるように基板13の位置を調整する。
【0038】次いで,表2の粉末供給量制御条件に沿っ
て2台の粉末供給装置の各粉末供給量を制御しながら最
終のCo−WCの組成になるまでプラズマトーチに原料
粉末の供給する。プラズマフレーム中の超微粒子はフレ
ームの中心に近付く程その存在量が多く,従って基板上
にそのまま積層した場合にはガウス分布の山形の積層体
となる。これを防いで基板上に平滑に積層するために,
基板を基板台回転駆動機構にて水平方向に回転させなが
ら積層する。
【0039】積層が終えたら,その付着堆積物を基板と
共に取出し図4のように圧延装置のロール31と32の
間に基板と共に供給し,所定厚さの薄板からなる超微細
組織傾斜機能材料34を得る。付着積層された混合超微
粒子層は33は平滑でかつ組織が微細であることから圧
延装置による加工が容易にできる。かくして得られた超
微細組織傾斜機能材料34は,基板の100%のSUS
316組成からCo−WC(50:50)の組成層まで
の間,両者の混合組成が次第にかつ緩やかに変化する機
能材料となっている。また,得られた超微細組織傾斜機
能材料34を適切な温度で熱処理することにより更に接
合性を向上できる。この超微細組織傾斜機能材料34
は,例えば耐摩耗材料,超硬材料として有用な特性を有
する。
【0040】なお,本例では基材をSUS316の板,
原料粉末AをSUS316粉末,原料粉末BをCoおよ
びWCを等量部づつ混合した粉末としたが,基材をTi
板,原料粉末AをTi粉末,原料粉末Bをアルミニウム
粉末とした場合には,得られた超微細組織傾斜機能材料
を適切な温度で熱処理すると,積層したTiおよびアル
ミニウム混合超微粒子の粒径が小さく拡散距離が極めて
短いので,Ti中へのアルミニウムの拡散が容易に起こ
る。この結果,TiからTi3Alを含有する金属間化
合物系へ連続的に組成傾斜する超微細組織傾斜機能材料
を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
高温プラズマ超微粒子発生装置により得られる多種類の
金属と多種類のセラミックスの間の組み合せの混合超微
粒子を加速し基板上に圧粉積層するので,比較的厚肉で
且つ大径の超微細組織傾斜機能素材が効率よく製造で
き,この圧粉積層された素材層は超微細組織であるがゆ
えに粒界すべりを利用した組成加工が可能であることか
ら圧延を容易にかつ良好に行うことができる。
【0042】そして,原料粉末としては,金属のみなら
ずセラミックス等あらゆる材料が利用できるために組成
面での制約は無く,材料設計において意図する機能発現
に応じて基材と最終圧粉層の組成を決定すれば,その間
の組成は自由に選択可能であり,緩やかな機能勾配を有
する超微細組織傾斜機能材料を自由に製造できる。
【0043】また金属間化合物を構成成分とする傾斜機
能材料でも,発生させる超微粒子を金属間化合物を構成
する金属単体の混合超微粒子とし,それぞれの金属超微
粒子の延性を利用して圧延してから,熱処理することに
より,目的の金属間化合物を構成成分とする傾斜機能材
料を容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の例を示した機器配
置系統図である。
【図2】図1の装置の粉末供給装置の例を示す略断面図
である。
【図3】図1の装置の冷却ノズル部の詳細を示す略断面
図である。
【図4】図1の装置によって得られた付着積層体の圧延
状況を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマトーチ 2 プラズマフレーム 3 プラズマ炉 4 RFコイル4 5 プラズマガス供給口 6 粉体供給口 7 粉体供給装置 8 排気口 9 冷却ガス 10 冷却ノズル 11 ガイド筒 12 基板台 13 基板 14 モータ 15 冷却器 16 フイルタ 17 フイルタ 19 排気装置 20 制御盤 21 アルゴンガス源 22 水素ガス源 27 電子天秤 30 粉状原料の混合器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/22 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマフレームが炉内に放射するよう
    にプラズマトーチを取り付けたプラズマ炉において,該
    プラズマ中に粉状原料を投入して該原料をガス化し,こ
    のガス化した成分を互いに会合させて粒径が1μm以下
    の超微粒子を該プラズマ炉内で生成させ,この超微粒子
    を同伴した流体を基板表面に衝突させることにより,基
    板表面に該超微粒子の付着層を形成し,そのさい,付着
    層の形成時間帯の間,プラズマ中に投入する粉状原料の
    組成を変化させることにより傾斜組成をもつ付着層を形
    成させ,得られた付着層をロールで圧延することからな
    る傾斜機能材料の製法。
  2. 【請求項2】 プラズマ中に投入する粉状原料は2種以
    上の成分からなり,各成分の組成比を経時的に変化させ
    る請求項1に記載の傾斜機能材料の製法。
  3. 【請求項3】 基板は,プラズマ炉内のプラズマフレー
    ム照射方向に設置され,この基板に対しプラズマフレー
    ムが冷却ガスとともに照射される請求項1または2に記
    載の傾斜機能材料の製法。
  4. 【請求項4】 付着層の圧延は,基板と共に行う請求項
    1,2または3に記載の傾斜機能材料の製法。
  5. 【請求項5】 高周波プラズマトーチを,そのプラズマ
    フレームが炉内に放射するように取付けてなるプラズマ
    炉と,該プラズマ炉に設けた排気口から炉内ガスを連続
    的に排出する排気装置と,該プラズマトーチで発生する
    プラズマ中に粉状原料を連続的に供給する粉末原料供給
    装置と,該プラズマ炉内においてプラズマフレームの照
    射方向に該フレーム流とは直交する方向に基板を配置す
    るための試料台と,該プラズマ炉内に冷却ガスを送気す
    る冷却ガス供給装置と,からなる傾斜機能材料の製造装
    置。
  6. 【請求項6】 冷却ガス供給装置は,プラズマフレーム
    の流れを加速する方向に冷却ガスを噴射するノズルを備
    えている請求項5に記載の傾斜機能材料の製造装置。
  7. 【請求項7】 粉末原料供給装置は,2基以上の粉末容
    器と,各粉末容器からプラズマトーチの原料供給口に通
    ずる管路と,この管路の途中に設けた混合器と,各粉末
    容器に接続されるキヤリヤガス源と,各粉末容器から該
    管路に送り出す粉末量を調節する装置と,からなる請求
    項5または6に記載の傾斜機能材料の製造装置。
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