JPH0819322B2 - ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents
ポリエステル系樹脂組成物Info
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- JPH0819322B2 JPH0819322B2 JP3058088A JP3058088A JPH0819322B2 JP H0819322 B2 JPH0819322 B2 JP H0819322B2 JP 3058088 A JP3058088 A JP 3058088A JP 3058088 A JP3058088 A JP 3058088A JP H0819322 B2 JPH0819322 B2 JP H0819322B2
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- Japan
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- copolyester
- acid
- thermotropic liquid
- liquid crystalline
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- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,サーモトロピック液晶性含リンコポリエス
テルと他の熱可塑性樹脂とからなる,耐熱性,難燃性及
び成形性に優れたポリエステル系樹脂組成物に関するも
のである。
テルと他の熱可塑性樹脂とからなる,耐熱性,難燃性及
び成形性に優れたポリエステル系樹脂組成物に関するも
のである。
(従来の技術) 従来,耐熱性高分子として全芳香族ポリエステル(ポ
リアリレート)が知られている。一般に,全芳香族ポリ
エステルは,物性に優れているにもかかわらず,非常に
融点が高く,また同時に溶融粘度が高いため,高温高圧
で加工しなければならないという極めて不都合なもので
あり,その上,高温に長時間暴露することは,ポリエス
テルの分解の面から見ても得策ではなく,経済的にも不
利である。
リアリレート)が知られている。一般に,全芳香族ポリ
エステルは,物性に優れているにもかかわらず,非常に
融点が高く,また同時に溶融粘度が高いため,高温高圧
で加工しなければならないという極めて不都合なもので
あり,その上,高温に長時間暴露することは,ポリエス
テルの分解の面から見ても得策ではなく,経済的にも不
利である。
近年,加工性に優れたサーモトロピック液晶性ポリエ
ステルが注目されており,盛んに研究されている。
ステルが注目されており,盛んに研究されている。
しかしながら,従来提案されているサーモトロピック
液晶性ポリエステルは,溶融加工性や耐熱性,難燃性が
十分でなかった。
液晶性ポリエステルは,溶融加工性や耐熱性,難燃性が
十分でなかった。
一方,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテ
レフタレート,ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂は,
成形性の良いエンジニアリングプラスチックとして広く
使用されているが,要求される性能が年々高度化してお
り,耐熱変形性や難燃性が十分でないという問題が生じ
てきた。
レフタレート,ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂は,
成形性の良いエンジニアリングプラスチックとして広く
使用されているが,要求される性能が年々高度化してお
り,耐熱変形性や難燃性が十分でないという問題が生じ
てきた。
また,サーモトロピック液晶性ポリエステルの成形性
や機械的性質の改良を目的として,他の重合体をブレン
ドすることも試みられており,例えば,2,6−ナフタレン
基を有するサーモトロピック液晶性ポリエステルにポリ
アルキレンテレフタレートやポリカーボネート等をブレ
ンドすることが提案されている(特開昭57−25234,同57
−44551号)。しかし,このような組成物では,成形性
や機械的性質はある程度改良されるものの,十分ではな
いとともに,難燃性は全く改良されない。
や機械的性質の改良を目的として,他の重合体をブレン
ドすることも試みられており,例えば,2,6−ナフタレン
基を有するサーモトロピック液晶性ポリエステルにポリ
アルキレンテレフタレートやポリカーボネート等をブレ
ンドすることが提案されている(特開昭57−25234,同57
−44551号)。しかし,このような組成物では,成形性
や機械的性質はある程度改良されるものの,十分ではな
いとともに,難燃性は全く改良されない。
このような問題を解消したものとして,本発明者ら
は,先に,特定のサーモトロピック液晶性含リンコポリ
エステルと他の熱可塑性樹脂とからなる組成物を提案し
た(特開昭62−265341号)。
は,先に,特定のサーモトロピック液晶性含リンコポリ
エステルと他の熱可塑性樹脂とからなる組成物を提案し
た(特開昭62−265341号)。
しかし,この組成物におけるコポリエステルは原料の
含リン芳香族ジオールが高価であるという問題があっ
た。
含リン芳香族ジオールが高価であるという問題があっ
た。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,従来のサーモトロピック液晶性ポリエステ
ル及びエンジニアリングプラスチックスとしての熱可塑
性樹脂の欠点を解消し,成形性に優れ,耐熱性が良く,
しかも高度な難燃性をも有したポリエステル系樹脂組成
物を安価に提供しようとするものである。
ル及びエンジニアリングプラスチックスとしての熱可塑
性樹脂の欠点を解消し,成形性に優れ,耐熱性が良く,
しかも高度な難燃性をも有したポリエステル系樹脂組成
物を安価に提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,上記の課題を解決するために鋭意研究
の結果,特定の構造のサーモトロピック液晶性を有する
含リンコポリエステルと他の熱可塑性樹脂との組成物と
することが有効であることを知見し,本発明に到達し
た。
の結果,特定の構造のサーモトロピック液晶性を有する
含リンコポリエステルと他の熱可塑性樹脂との組成物と
することが有効であることを知見し,本発明に到達し
た。
すなわち,本発明の要旨は,次のとおりである。
下記構造式〜で表される構成単位から主としてな
り,各単位のモル比が,ととが実質的に等しく,
ととが5/95〜95/5であり,極限粘度が0.5以上のサー
モトロピック液晶性ランダムコポリエステルとポリエチ
レンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート及び
ポリカーボネートから選ばれた熱可塑性樹脂とからな
り,前者が組成物の8〜80重量%を占めるポリエステル
系樹脂組成物。
り,各単位のモル比が,ととが実質的に等しく,
ととが5/95〜95/5であり,極限粘度が0.5以上のサー
モトロピック液晶性ランダムコポリエステルとポリエチ
レンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート及び
ポリカーボネートから選ばれた熱可塑性樹脂とからな
り,前者が組成物の8〜80重量%を占めるポリエステル
系樹脂組成物。
−OC−Ar2−CO− −O−Ar3−CO− 〔Ar1は3価の芳香族基,Ar2及びAr3は2価の芳香族基
を示す。ただし,芳香環は置換基を有していてもよ
い。〕 式におけるAr1としては,ベンゼン環及びナフタリ
ン環が最も好ましい。また,式において芳香環の水素
原子は炭素原子数1〜20のアルキル基,アリール基,ア
ルコキシ基,アリロキシ基もしくはハロゲン原子で置換
されていてもよい。
を示す。ただし,芳香環は置換基を有していてもよ
い。〕 式におけるAr1としては,ベンゼン環及びナフタリ
ン環が最も好ましい。また,式において芳香環の水素
原子は炭素原子数1〜20のアルキル基,アリール基,ア
ルコキシ基,アリロキシ基もしくはハロゲン原子で置換
されていてもよい。
式の単位を形成する芳香族ジオールの具体例として
は,次の式(a)〜(d)で表されるものが挙げられ,
特に好ましいものは,式(a)及び式(b)で表される
ものである。
は,次の式(a)〜(d)で表されるものが挙げられ,
特に好ましいものは,式(a)及び式(b)で表される
ものである。
また,式の単位を形成する芳香族ジカルボン酸の具
体例としては,テレフタル酸及びイソフタル酸が好適で
あり,テレフタル酸とイソフタル酸とをモル比で100/0
〜0/100,好ましくは100/0〜50/50,最適には100/0〜70/3
0の割合で用いるのが適当である。
体例としては,テレフタル酸及びイソフタル酸が好適で
あり,テレフタル酸とイソフタル酸とをモル比で100/0
〜0/100,好ましくは100/0〜50/50,最適には100/0〜70/3
0の割合で用いるのが適当である。
テレフタル酸及びイソフタル酸の他に,2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸,4,4′−ジカルボキシジフェニル,2,2−
ビス(4′−カルボキシフェニル)プロパン,ビス(4
−カルボキシフェニル)メタン,ビス(4−カルボキシ
フェニル)エーテル等を使用することもできる。
ンジカルボン酸,4,4′−ジカルボキシジフェニル,2,2−
ビス(4′−カルボキシフェニル)プロパン,ビス(4
−カルボキシフェニル)メタン,ビス(4−カルボキシ
フェニル)エーテル等を使用することもできる。
さらに,式の単位を形成する芳香族ヒドロキシカル
ボン酸の具体例としては,4−ヒドロキシ安息香酸,4−ヒ
ドロキシ−3−フェニル安息香酸,4−ヒドロキシ−3−
クロル安息香酸,2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸及び1
−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸等が挙げられるが,最も
好ましいものは,4−ヒドロキシ安息香酸である。
ボン酸の具体例としては,4−ヒドロキシ安息香酸,4−ヒ
ドロキシ−3−フェニル安息香酸,4−ヒドロキシ−3−
クロル安息香酸,2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸及び1
−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸等が挙げられるが,最も
好ましいものは,4−ヒドロキシ安息香酸である。
本発明におけるコポリエステルにおいて,各構成単位
の割合は,モル比で,単位ととが実質的に等しく,
単位ととが5/95〜95/5,好ましくは20/80〜70/30,最
適に30/70〜50/50である。
の割合は,モル比で,単位ととが実質的に等しく,
単位ととが5/95〜95/5,好ましくは20/80〜70/30,最
適に30/70〜50/50である。
単位ととが実質的に等モルでないと高重合度のコ
ポリエステルが得られない。また,単位の割合が多く
なりすぎると成形品としたとき強度が低下し,一方,単
位の割合が少なすぎると融点が高くなりすぎたり,難
燃性が低下したりして好ましくない。
ポリエステルが得られない。また,単位の割合が多く
なりすぎると成形品としたとき強度が低下し,一方,単
位の割合が少なすぎると融点が高くなりすぎたり,難
燃性が低下したりして好ましくない。
また,溶融成形性の良好なサーモトロピック液晶性コ
ポリエステルを形成する範囲で,上記以外の成分を共重
合してもよく,そのような共重合成分としては,ハイド
ロキノン,レゾルシン,1,4−ナフトハイドロキノン,2,6
−ナフトハイドロキノン,4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル,2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン,
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン,ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル,エチレングリコール,1,4
−シクロヘキサンジメタノール,ペンタエリスリトー
ル,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸,アジピン酸,ト
リメリット酸等が挙げられる。
ポリエステルを形成する範囲で,上記以外の成分を共重
合してもよく,そのような共重合成分としては,ハイド
ロキノン,レゾルシン,1,4−ナフトハイドロキノン,2,6
−ナフトハイドロキノン,4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル,2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン,
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン,ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル,エチレングリコール,1,4
−シクロヘキサンジメタノール,ペンタエリスリトー
ル,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸,アジピン酸,ト
リメリット酸等が挙げられる。
次に,本発明におけるコポリエステルの製造法の一例
を説明する。
を説明する。
(イ)含リン芳香族ジオールのジアセテート,芳香族ジ
カルボン酸及び芳香族ヒドロキシカルボン酸のアセテー
トをヒドロキシル残基とカルボキシル基とが当量となる
量(及び好ましくは同時に全ヒドロキシル基の量の0.01
〜0.25当量の無水酢酸),もしくは(ロ)含リン芳香族
ジオール,芳香族ジカルボン酸及び芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸をヒドロキシル基とカルボキシル基とが当量と
なる量及び全ヒドロキシル基の量の1.05〜1.25倍当量の
無水酢酸を反応器に仕込み,常圧下,140℃程度の温度で
約2時間程度エステル化反応もしくは酸交換反応させ
る。その後順次昇温し,必要なら減圧しながら酢酸を溜
出させ,280℃程度に昇温する。その後,最終的に通常,2
80〜320℃の温度下,1トル未満の高減圧下に数十分〜数
時間,溶融相又は固相で重縮合反応させることによっ
て,サーモトロピック液晶性コポリエステルを得ること
ができる。
カルボン酸及び芳香族ヒドロキシカルボン酸のアセテー
トをヒドロキシル残基とカルボキシル基とが当量となる
量(及び好ましくは同時に全ヒドロキシル基の量の0.01
〜0.25当量の無水酢酸),もしくは(ロ)含リン芳香族
ジオール,芳香族ジカルボン酸及び芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸をヒドロキシル基とカルボキシル基とが当量と
なる量及び全ヒドロキシル基の量の1.05〜1.25倍当量の
無水酢酸を反応器に仕込み,常圧下,140℃程度の温度で
約2時間程度エステル化反応もしくは酸交換反応させ
る。その後順次昇温し,必要なら減圧しながら酢酸を溜
出させ,280℃程度に昇温する。その後,最終的に通常,2
80〜320℃の温度下,1トル未満の高減圧下に数十分〜数
時間,溶融相又は固相で重縮合反応させることによっ
て,サーモトロピック液晶性コポリエステルを得ること
ができる。
通常,重縮合反応には触媒が用いられるが,本発明に
おけるコポリエステルの製造には,各種金属化合物及び
有機スルホン酸化合物の中から選ばれた1種以上の化合
物が用いられる。
おけるコポリエステルの製造には,各種金属化合物及び
有機スルホン酸化合物の中から選ばれた1種以上の化合
物が用いられる。
金属化合物としては,アンチモン,チタン,ゲルマニ
ウム,スズ,亜鉛,アルミニウム,マグネシウム,カル
シウム,マンガン,ナトリウムあるいはコバルト等の化
合物が用いられ,一方,有機スルホン酸化合物として
は,スルホサリチル酸,o−スルホ安息香酸無水物等の化
合物が用いられる。特に好ましいものは,ジメチルスズ
マレエートやo−スルホ安息香酸無水物である。
ウム,スズ,亜鉛,アルミニウム,マグネシウム,カル
シウム,マンガン,ナトリウムあるいはコバルト等の化
合物が用いられ,一方,有機スルホン酸化合物として
は,スルホサリチル酸,o−スルホ安息香酸無水物等の化
合物が用いられる。特に好ましいものは,ジメチルスズ
マレエートやo−スルホ安息香酸無水物である。
触媒の添加量は,ポリエステルの繰り返し単位1モル
に対し通常0.1×10-4〜100×10-4モル,好ましくは0.5
×10-4〜50×10-4モル,最適には1×10-4〜10×10-4モ
ルが適当である。
に対し通常0.1×10-4〜100×10-4モル,好ましくは0.5
×10-4〜50×10-4モル,最適には1×10-4〜10×10-4モ
ルが適当である。
本発明におけるコポリエステルは,極限粘度〔η〕が
0.5以上であることが必要であり,好ましくは1.0〜10.
0,最適には3.0〜6.0である。〔η〕がこの範囲より小さ
いと耐熱性を始めとする各種の物理的,機械的特性値が
劣り,一方,〔η〕がこの範囲より大きいと溶融粘度が
高くなりすぐて流動性等が損なわれたり,融点が高くな
りすぎて成形温度を著しく高くしなければならないくな
ったりして好ましくない。
0.5以上であることが必要であり,好ましくは1.0〜10.
0,最適には3.0〜6.0である。〔η〕がこの範囲より小さ
いと耐熱性を始めとする各種の物理的,機械的特性値が
劣り,一方,〔η〕がこの範囲より大きいと溶融粘度が
高くなりすぐて流動性等が損なわれたり,融点が高くな
りすぎて成形温度を著しく高くしなければならないくな
ったりして好ましくない。
また,本発明におけるコポリエステルの熱的特性値と
しては,流動開始温度が330℃以下,好ましくは240〜28
0℃,熱変形温度が155℃以上,好ましくは160〜220℃で
あるのが,耐熱性と各種の物理的,機械的特性値とを両
立させる点で適当である。
しては,流動開始温度が330℃以下,好ましくは240〜28
0℃,熱変形温度が155℃以上,好ましくは160〜220℃で
あるのが,耐熱性と各種の物理的,機械的特性値とを両
立させる点で適当である。
次に,サーモトロピック液晶性コポリエステルに配合
する熱可塑性樹脂は,サーモトロピック液晶性コポリエ
ステルの成形性を向上させるものであればよく,結晶
性,非晶性,サーモトロピック液晶性のいずれのもので
もよいが,通常,サーモトロピック液晶性を有しないも
のが用いられる。
する熱可塑性樹脂は,サーモトロピック液晶性コポリエ
ステルの成形性を向上させるものであればよく,結晶
性,非晶性,サーモトロピック液晶性のいずれのもので
もよいが,通常,サーモトロピック液晶性を有しないも
のが用いられる。
このような熱可塑性樹脂として,本発明ではポリエチ
レンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート(こ
れらを主体とする共重合体を含む)及びポリカーボネー
トが好ましく用いられる。
レンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート(こ
れらを主体とする共重合体を含む)及びポリカーボネー
トが好ましく用いられる。
ポリカーボネートとしては,特に4,4′−ジオキシジ
アリルアルカン系ポリカーボネートが好適であり,例え
ば,ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン,ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン,2,2−ビス(4′−ヒド
ロキシフェニル)プロパン,ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)メタン,2,2−ビス(4′−ヒド
ロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)プロパン,ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン等の4,4′
−ジヒドロキシジフェニルアルカンとホスゲン又はジフ
ェニルカーボネートとから得られるポリカーボネートが
好ましく用いられる。
アリルアルカン系ポリカーボネートが好適であり,例え
ば,ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン,ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン,2,2−ビス(4′−ヒド
ロキシフェニル)プロパン,ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)メタン,2,2−ビス(4′−ヒド
ロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)プロパン,ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン等の4,4′
−ジヒドロキシジフェニルアルカンとホスゲン又はジフ
ェニルカーボネートとから得られるポリカーボネートが
好ましく用いられる。
サーモトロピック液晶性コポリエステルと熱可塑性樹
脂との割合は,前者が組成物の8〜80重量%,好ましく
は20〜80重量%,最適には50〜80重量%となるようにす
るのがよい。コポリエステルの量が多過ぎると成形物の
強度が低下するようになり,一方,この量が少な過ぎる
とガラス転移温度が低くなったり,難燃性が十分でなく
なったりして好ましくない。
脂との割合は,前者が組成物の8〜80重量%,好ましく
は20〜80重量%,最適には50〜80重量%となるようにす
るのがよい。コポリエステルの量が多過ぎると成形物の
強度が低下するようになり,一方,この量が少な過ぎる
とガラス転移温度が低くなったり,難燃性が十分でなく
なったりして好ましくない。
サーモトロピック液晶性コポリエステルと他の熱可塑
性樹脂とを混合して組成物を得るには,溶液ブレンド法
又は2本ロール,バンバリーミキサー,溶融押出機その
他の混合機による混合法によって両成分を均一に混合す
ればよい。
性樹脂とを混合して組成物を得るには,溶液ブレンド法
又は2本ロール,バンバリーミキサー,溶融押出機その
他の混合機による混合法によって両成分を均一に混合す
ればよい。
(作用) 本発明の組成物が,高度な耐熱性を有し,しかも優れ
た成形性を示す理由は,明らかではないが耐熱性に優れ
たサーモトロピック液晶性コポリエステルと熱可塑性樹
脂とが容易に均一に混合されてサーモトロピック液晶性
を示す組成物が得られ,両者の優れた物性が相乗される
ためと推察される。
た成形性を示す理由は,明らかではないが耐熱性に優れ
たサーモトロピック液晶性コポリエステルと熱可塑性樹
脂とが容易に均一に混合されてサーモトロピック液晶性
を示す組成物が得られ,両者の優れた物性が相乗される
ためと推察される。
また,本発明におけるコポリエステルは,リン原子を
含有した芳香族コポリエステルであるため,高度な難燃
性を示す。
含有した芳香族コポリエステルであるため,高度な難燃
性を示す。
(実施例) 次に,実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。
る。
特性値の測定法は,次のとおりである。
極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用
い,20℃で測定した溶液粘度から求めた。
い,20℃で測定した溶液粘度から求めた。
流動開始温度Tf フローテスター(島津製作所製CTF−500型)を用い,
荷重100kg/cm2,ダイのノズル口径0.5mm,長さ2.0mmの条
件で,初期温度200℃より昇温速度10℃/分で昇温して
い行き,ポリマーが流出し始める温度として求めた。
荷重100kg/cm2,ダイのノズル口径0.5mm,長さ2.0mmの条
件で,初期温度200℃より昇温速度10℃/分で昇温して
い行き,ポリマーが流出し始める温度として求めた。
熱変形温度HDT ASTM D648に準拠して,大荷重にて測定した。
曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D790規格により,厚さ1/8インチの試験片につい
て測定した。
て測定した。
アイゾット衝撃強度IZ ASTM D256規格により,厚さ1/8インチ,ノッチ付で測
定した。(単位はkgf・cm/cm) 難燃性 厚さ1/16インチの試料についてUL−94規格による難燃
性の級(HB,V−2,V−1,V−0)及びJIS K 7201規格によ
る限界酸素指数(LOI)を求めた。
定した。(単位はkgf・cm/cm) 難燃性 厚さ1/16インチの試料についてUL−94規格による難燃
性の級(HB,V−2,V−1,V−0)及びJIS K 7201規格によ
る限界酸素指数(LOI)を求めた。
成形性 日本製鋼所製J−100−S型射出成形機を用い,100φ
×1/8インチの円板状試験片を成形し,その際の条件に
より,次の基準で評価した。
×1/8インチの円板状試験片を成形し,その際の条件に
より,次の基準で評価した。
◎:射出時間が10秒以下で,かつ成形温度が330℃以下 ○:射出時間が10〜15秒で,かつ成形温度が330℃未満 △:射出時間が15〜30秒で,かつ成形温度が330℃未満 ×:射出時間が30秒以上又は成形温度が330℃以上 なお,サーモトロピック液晶性は,ホットステージ付
Leitz偏光顕微鏡で確認した。
Leitz偏光顕微鏡で確認した。
実施例1〜9 反応装置に前記式(a)の芳香族ジオール(PPQ),4
−ヒドロキシ安息香酸(4HBA)及び無水酢酸をモル比で
35/65/145及びPPQと等モルのテレフタル酸(TPA)を仕
込み,触媒としてジメチルスズマレエートをポリエステ
ルの繰り返し単位1モルに対し4×10-4モルを加え,窒
素雰囲気下,常圧,140℃で2時間混合しながら反応させ
た。この反応物を,さらに,常圧下,240℃で2時間,280
℃で2時間反応させた。次いで,この徐々に減圧して0.
1トルの減圧下、順次昇温して反応を行い,最終的に320
℃まで温度を上げて,その温度で3時間溶融重合した。
−ヒドロキシ安息香酸(4HBA)及び無水酢酸をモル比で
35/65/145及びPPQと等モルのテレフタル酸(TPA)を仕
込み,触媒としてジメチルスズマレエートをポリエステ
ルの繰り返し単位1モルに対し4×10-4モルを加え,窒
素雰囲気下,常圧,140℃で2時間混合しながら反応させ
た。この反応物を,さらに,常圧下,240℃で2時間,280
℃で2時間反応させた。次いで,この徐々に減圧して0.
1トルの減圧下、順次昇温して反応を行い,最終的に320
℃まで温度を上げて,その温度で3時間溶融重合した。
得られたコポリエステルは,〔η〕2.1,Tf253℃,LOI6
3で,色調の良い液晶性コポリエステルであった。
3で,色調の良い液晶性コポリエステルであった。
このコポリエステルとポリエチレンテレフタレート樹
脂(PET),ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)又
はポリカーボネート樹脂(PC)とを第1表に示す割合で
十分混合した後,先端に直径4mmのダイを装着したスク
リュー式溶融押出機(スクリューの直径30mm,L/D20)に
供給し,スクリュー回転数30rpmで,組成に応じた加工
温度で,ストランド状に押し出し,冷却後,長さ3mmに
切断して,粒状物を得た。
脂(PET),ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)又
はポリカーボネート樹脂(PC)とを第1表に示す割合で
十分混合した後,先端に直径4mmのダイを装着したスク
リュー式溶融押出機(スクリューの直径30mm,L/D20)に
供給し,スクリュー回転数30rpmで,組成に応じた加工
温度で,ストランド状に押し出し,冷却後,長さ3mmに
切断して,粒状物を得た。
この粒状物を用いて,1/8×1/8×5(インチ)の試料
片を成形し,物性を測定した結果を第1表に示す。
片を成形し,物性を測定した結果を第1表に示す。
比較例1〜3として,上記の各樹脂を単独で成形した
結果を,第1表に付記した。
結果を,第1表に付記した。
実施例10〜12 実施例1においてPPQの代わりに,前記式(b),
(c),(d)の芳香族ジオールを用いた以外は,実施
例1と同様にして得た試験片の物性を第2表に示す。
(c),(d)の芳香族ジオールを用いた以外は,実施
例1と同様にして得た試験片の物性を第2表に示す。
比較例4〜5 PPQ,TPA,イソフタル酸(IPA)及び4HBAの仕込みモル
比を99/90/9/(比較例4)又は1/1/0/99(比較例5)と
して,実施例1と同様にして得たサーモトロピック液晶
性を示さないコポリエステルを用いて実施例1と同様な
実験を行った。
比を99/90/9/(比較例4)又は1/1/0/99(比較例5)と
して,実施例1と同様にして得たサーモトロピック液晶
性を示さないコポリエステルを用いて実施例1と同様な
実験を行った。
比較例4ではPETと均一に混合することができず,比
較例5ではコポリエステルの融点及び溶融粘度が高くな
り過ぎて,汎用の成形機では成形できなかった。
較例5ではコポリエステルの融点及び溶融粘度が高くな
り過ぎて,汎用の成形機では成形できなかった。
(発明の効果) 本発明によれば,含リンサーモトロピック液晶性コポ
リエステルのもつ高度な耐熱性と難燃性及び熱可塑性樹
脂のもつ優れた成形性がバランス良く発揮され,エンジ
ニアリングプラスチックスとして有用な耐熱性,難燃性
及び良好な成形性を兼ね備えたポリエステル系樹脂組成
物が提供される。
リエステルのもつ高度な耐熱性と難燃性及び熱可塑性樹
脂のもつ優れた成形性がバランス良く発揮され,エンジ
ニアリングプラスチックスとして有用な耐熱性,難燃性
及び良好な成形性を兼ね備えたポリエステル系樹脂組成
物が提供される。
そして,含リンサーモトロピック液晶性コポリエステ
ルが,従来のものよりも安価となるため,コストを低下
させることができる。
ルが,従来のものよりも安価となるため,コストを低下
させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−265341(JP,A) 特開 昭55−5916(JP,A) 特開 昭53−128195(JP,A) 特開 昭49−18145(JP,A) 特開 昭64−66195(JP,A) 特開 昭63−313795(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】下記構造式〜で表される構成単位から
主としてなり,各単位のモル比が,ととが実質的に
等しく,ととが5/95〜95/5であり,極限粘度が0.5
以上のサーモトロピック液晶性ランダムコポリエステル
とポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタ
レート及びポリカーボネートから選ばれた熱可塑性樹脂
とからなり,前者が組成物の8〜80重量%を占めるポリ
エステル系樹脂組成物。 −OC−Ar2−CO− −O−Ar3−CO− 〔Ar1は3価の芳香族基,Ar2及びAr3は2価の芳香族基
を示す。ただし,芳香環は置換基を有していてもよ
い。〕 - 【請求項2】コポリエステルのAr1が であり,Ar2及びAr3が である請求項1記載のポリエステル系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3058088A JPH0819322B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | ポリエステル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3058088A JPH0819322B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | ポリエステル系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01204961A JPH01204961A (ja) | 1989-08-17 |
JPH0819322B2 true JPH0819322B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=12307790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3058088A Expired - Lifetime JPH0819322B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | ポリエステル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819322B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112144140B (zh) * | 2020-09-28 | 2023-01-13 | 浙江恒逸石化研究院有限公司 | 一种热致性阻燃抗熔滴芳香族液晶共聚酯纤维的制备方法 |
CN112574402A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-03-30 | 上海思涛新材料科技有限公司 | 一种热致性抗熔滴芳香族液晶共聚酯及其制备方法 |
-
1988
- 1988-02-12 JP JP3058088A patent/JPH0819322B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01204961A (ja) | 1989-08-17 |
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