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JPH08189442A - 燃料噴射装置及びその騒音低減方法 - Google Patents

燃料噴射装置及びその騒音低減方法

Info

Publication number
JPH08189442A
JPH08189442A JP9521395A JP9521395A JPH08189442A JP H08189442 A JPH08189442 A JP H08189442A JP 9521395 A JP9521395 A JP 9521395A JP 9521395 A JP9521395 A JP 9521395A JP H08189442 A JPH08189442 A JP H08189442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil passage
spill
fuel
plunger
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9521395A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Shigyo
英明 執行
Teruo Nakada
輝男 中田
Chiharu Togashi
千晴 富樫
Mitsuo Nakano
光雄 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP9521395A priority Critical patent/JPH08189442A/ja
Publication of JPH08189442A publication Critical patent/JPH08189442A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 排ガス性能の悪化を招くことなく、プランジ
ャ室の圧力低下勾配を小さくし、以てタペット上下方向
振動加速度を減少させることにより、騒音を低減するこ
とができる燃料噴射装置及びその騒音低減方法を提供す
ること。 【構成】 燃料加圧手段(プランジャ)4と、燃料圧力
によって開閉する弁(デリバリバルブ)14と、この弁14
の閉弁時に、燃料圧力を減衰して前記燃料加圧手段4に
伝達する圧力調整手段(スピルコントロールバルブ)19
とを備えた燃料噴射装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は騒音の低減を図った内燃
機関の燃料噴射装置及びその騒音低減方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料噴射ポンプの構造の概略を図
19に示す。ポンプハウジング1の下部にはカムシャフト
2が収容されており、このカムシャフト2は、図示して
いないクランクシャフトからタイミングギアを経て駆動
されており、タペット3を介してプランジャ4を上下に
作動させる。プランジャ4はプランジャバレル5内を上
下に作動し、燃料を直接加圧するピストンの役目をして
おり、プランジャバレル5の上部には、油溜室6との間
で燃料の吸入・排出を行うための孔(スピルポート)7
が設けられている。
【0003】プランジャ4の頭部には燃料の逃がし孔8
と噴射量を加減するための溝(リード)9が設けられ、
下部には、コントロールスリーブ10の溝と嵌合する鍔部
(ドライビングフェース)11が設けられている。コント
ロールスリーブ10の下部には切り溝がありプランジャ4
のドライビングフェース11が挿入されているため、コン
トロールスリーブ10の回転によりプランジャ4が回転す
る。
【0004】噴射量調整機構は、コントロールラック1
2、コントロールスリーブ10、コントロールピニオン13
から成り立っており、コントロールラック12を左右に動
かすと、コントロールピニオン13が回転し、一体作動す
るコントロールスリーブ10も回転する。また、プランジ
ャ4もコントロールスリーブ10と共に回転することにな
り、プランジャバレル5のスピルポート7に対するリー
ド9の位置が変わって、プランジャ4の有効ストローク
が変わり、燃料の噴射量が加減できる。
【0005】デリバリバルブ14は、プランジャ4による
燃料の送出が終わった場合に閉じて、図示していないイ
ンジェクションパイプから燃料噴射ポンプへ燃料が逆流
することを防止すると共に、デリバリバルブ14自体の吸
い戻し作用によって、インジェクションノズルからの噴
射の切れを良くし、あとだれ(噴射終了後にノズルの先
端に粒状に燃料がたまる現象)を防止するものである。
【0006】プランジャ4の上昇により、プランジャバ
レル5内の燃料圧力が高まり、規定値に達すると、デリ
バリバルブ14は押し上げられ、燃料はインジェクション
パイプに圧送される。プランジャ4による送油作用が終
わると、プランジャバレル5内の圧力が急激に下がるの
で、図20に示す如くデリバリバルブ14は、デリバリバル
ブホルダ15に収容されたデリバリバルブスプリング16に
よって急速に閉じて、インジェクジションパイプからの
燃料の逆流を防止する。この時、ピストン部14aがまず
燃料通路を遮断し、更に、円錐面14bがデリバリバルブ
ガイド17のバルブシート18に密着するまでデリバリバル
ブ14が沈下するので、その沈下分だけインジェクション
パイプ内の燃料圧力を低下させることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディーゼル
エンジンは、安定した燃焼を得るために、自然着火のた
めの混合気生成を短時間に行う必要がある。即ち、燃料
を燃焼させるためには、気化させる必要があり、気化が
早く行われるよう燃料を微細な粒子にすることが必要で
ある。また、噴射された燃料粒子が燃焼室内の一部にと
どまっていると、一部の空気にしか接触できないので、
完全燃焼することができない。このため、燃料粒子は高
圧の空気の中を飛行しながら燃焼し、燃焼室内の隅々ま
で到達するだけの貫通力が必要である。
【0008】そこで、これらの条件を改善するために、
近年では、燃料噴射圧力の高圧化を図り、燃焼過程にお
いてディーゼルエンジンの排ガス中に含まれるスモーク
等の有害成分を低減する対策がとられるようになってき
ている。しかしながら、エンジン騒音の中で、燃料噴射
ポンプから発生する騒音は元来比較的高い寄与率を持っ
ているのに加え、上述の如く燃料噴射圧力を高圧化する
ことによって、燃料噴射ポンプから発生する騒音は更に
悪化する傾向にある。
【0009】そこで、本発明者等は、燃料噴射ポンプか
ら発生する騒音の主要な発生源を解明すべく、燃料噴射
ポンプのプランジャからカムシャフトまわりの回転往復
運動系の振動を解析し、図21に示す結果を得た。尚、こ
の試験運転の条件は、エンジン回転数2500rpm 、コント
ロールレバーをフルレバーとした。まず、図21(a)に
示す管内圧力の上昇に伴い、プランジャに力がかかり始
めると、図21(b)に示す如く、噴射期間T1 における
タペット上下方向振動速度が遅れ始め、次にプランジャ
室とスピルポートが連通するスピル開始の瞬間t0
ら、プランジャにかかる力が急速に小さくなり、その直
後の時間T2 の間、タペットは急激に増速し、図21
(c)に示すように、タペット上下方向振動加速度が大
きくなっている。
【0010】これは、スピル時の急激な圧力低下によ
り、タペットにかかる力が短時間で取り除かれるため、
タペット、カム軸等に蓄積されたポテンシャルエネルギ
ーが運動エネルギーに変わり、タペット上下方向の速度
が急激に増加するからである。又、図21(c)及び図21
(d)から、タペット上下方向振動加速度と燃料噴射ポ
ンプの近接音(音圧)が良く対応している事から、タペ
ット振動が燃料噴射ポンプから放射される騒音の主原因
である事が分かる。
【0011】次に、シミュレーション計算によって、プ
ランジャ室の圧力低下勾配を小さくした場合のタペット
振動を解析した結果を図22に示す。即ち、図22(a)に
示す如く、プランジャにかかる力を実線で示す特性から
鎖線で示す特性に変えることにより、圧力低下勾配を小
さくすると、図22(b)に示すタペット上下方向の速
度、及び図22(c)に示すタペット上下方向加速度が、
それぞれ実線で示す特性から鎖線で示す特性に大幅に減
少する事が分かる。
【0012】この圧力低下勾配はスピルポート径により
決定され、径を小さくすれば勾配は小さくなる。しか
し、圧力低下勾配は排ガス性能に大きな影響を及ぼすた
め、ただ単に径を小さくしただけでは、上述したあとだ
れの問題を生じ、スモーク及びHC排出量の増加を招く
ことになる。本発明は以上の問題点に鑑みて、排ガス性
能の悪化を招くことなく、プランジャ室の圧力低下勾配
を小さくし、以てタペット上下方向振動加速度を減少さ
せることにより、騒音を低減することができる燃料噴射
装置及びその騒音低減方法を提供することを目的とする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の燃料噴射装置は、燃料加圧手段と、燃料圧力
によって開閉する弁と、この弁の閉弁時に、燃料圧力を
減衰して前記燃料加圧手段に伝達する圧力調整手段とを
備えたものであり、本発明に係る燃料噴射装置の騒音低
減方法は、燃料を加圧して噴射する燃料噴射装置におい
て、燃料噴射終了後の燃料加圧手段の振動加速度を減少
させることにより放射音を低減する方法である。
【0014】この燃料噴射装置は、特にディーゼルエン
ジンの列型噴射ポンプなどに適しており、前記圧力調整
手段を構成するにあたり、デリバリバルブガイドとプラ
ンジャバレルとを連通する油路と、この油路に連通する
メインスピルポートと、この油路から前記プランジャバ
レルに形成したプランジャスピルポートに連通するスピ
ル検出油路と、これらを開閉するスライディングバルブ
とを設ける等の手段により構成すると好ましい。
【0015】また、スライディングバルブに代えて、燃
料加圧用のプランジャと同期して作動する別のプランジ
ャを使用することもでき、その場合には、デリバリバル
ブガイドとプランジャバレルとを連通する油路と、この
油路を開閉するプランジャと、このプランジャを収容す
るコントロールスリーブと、カムシャフトの回転を前記
プランジャに伝達する駆動手段と、コントロールラック
の変位を前記コントロールスリーブに伝達する別の駆動
手段とを備えている圧力調整手段を用いることができ
る。
【0016】尚、列型噴射ポンプ以外にも、高圧燃料を
スピルすることで、噴射終了制御即ち噴射量制御を行う
他の燃料噴射システム(例えば、分配型噴射ポンプ、ユ
ニットインジェクタ、ユニットポンプなど)にも適用可
能である。また、コントロールスリーブの位置制御で行
う燃料噴射システムのみならず、電磁弁のON−OFF
制御を行う噴射システムにも適用可能である。
【0017】この電磁弁のON−OFF制御を行う噴射
システムに適用する場合には、例えば、燃料加圧手段と
燃料圧力によって開閉する弁とを連通するメイン油路
と、このメイン油路に連通するリーク油路と、このリー
ク油路の途中に介装した開閉自在な第1電磁弁と、前記
メイン油路に連通するスピル検出油路と、このスピル検
出油路の途中に介装した開閉自在な第2電磁弁と、前記
スピル検出油路に連通するスピル圧室と、このスピル圧
室と前記リーク油路とを連通するスピルポートと、この
スピル圧室と前記リーク油路とをスピル油路を介して連
通する別のスピルポートと、前記スピル圧室に収容さ
れ、前記メイン油路とスピル油路と両スピルポートを開
閉するスライディングバルブとを備えている圧力調整手
段を用いると好ましい。
【0018】
【作 用】本発明の燃料噴射装置及びその騒音低減方法
によると、燃料加圧手段と燃料圧力によって開閉する弁
との間に、圧力調整手段を介在させており、燃料噴射終
了後の燃料加圧手段の振動加速度が減少するので、この
燃料加圧手段による衝撃音が低減し、その結果、燃料噴
射装置から放射される放射音が減少する。
【0019】また、圧力調整手段を、デリバリバルブガ
イドとプランジャバレルとを連通する油路と、この油路
に連通するメインスピルポートと、この油路から前記プ
ランジャバレルに形成したプランジャスピルポートに連
通するスピル検出油路と、これらを開閉するスライディ
ングバルブとにより構成した場合には、プランジャ室内
の燃料と噴射管内の燃料を別々のスピルポートからスピ
ルさせることができるので、プランジャ室内圧力をゆっ
くりと低下させながら、噴射管内圧力は急速に低下させ
ることが可能となり、排ガス性能の悪化を防止しつつ、
タペット振動を抑制してポンプ騒音の低減を図ることが
できる。
【0020】また、その場合、従来と同様のプランジ
ャ、コントロールラック等の構造を維持することができ
るので、少ない設計変更で実施することが可能となり、
新たに制御手段等を付加する必要がないので、比較的安
価に実施することができる。一方、本発明を電磁弁のO
N−OFF制御を行う噴射システムに適用した場合に
は、従来の燃料噴射ポンプにおける、プランジャバレル
のスピルポート、プランジャのリード及び逃がし孔、コ
ントロールラック等の構造を廃して簡略化することがで
き、また、電磁弁を使用して電子制御を行うことによ
り、要求燃料噴射量の変化等にも柔軟に対応できるの
で、きめ細かい制御を行うことができる。
【0021】更に、その場合には、燃料噴射中に電磁弁
を極短時間だけ開弁する制御を行うことにより、加圧さ
れた燃料圧力を瞬間的に低下させることができるため、
パイロット噴射を容易に行うことができる。また、スラ
イディングバルブに代えて、燃料加圧用のプランジャと
同期して作動する別のプランジャを使用した場合には、
電気的なシステムを用いることなく、機械的なシステム
のみで実現できるため、誤作動の発生を防止する上で有
利である。
【0022】
【実施例】次に図面を参照して、本発明の燃料噴射装置
及びその騒音低減方法を、図19に示す従来の燃料噴射ポ
ンプに適用した実施例1について説明する。まず、図1
に本発明の燃料噴射装置の要部の構成を示す。デリバリ
バルブスプリング16により下方に付勢されるデリバリバ
ルブ14は、デリバリバルブガイド17の内側に沿って上下
運動するようになっており、一方、図示していないタペ
ットを介してカムにより駆動されるプランジャ4は、プ
ランジャバレル5の内部に摺動自在に嵌合されている。
【0023】このデリバリバルブガイド17とプランジャ
バレル5との間には、圧力調整手段としてスピルコント
ロールバルブ19が介装されており、このスピルコントロ
ールバルブ19には、デリバリバルブガイド17内とプラン
ジャバレル5内を相互に連通するメイン油路20と、この
スピルコントロールバルブ19の表面に開口するメインス
ピルポート21と、スピル圧室22を経由して、プランジャ
バレル5に形成したプランジャスピルポート23に連通す
るスピル検出油路24が、それぞれ形成されている。
【0024】また、このスピルコントロールバルブ19の
内部には、スライディングバルブ25が収容されており、
このスライディングバルブ25は、一端がスピル圧室22に
摺動自在に嵌合し、このスピル圧室22とメイン油路20と
を連通又は遮断可能な第1小径部25aと、前記メイン油
路20を閉塞状態とする第1中径部25bと、前記メイン油
路20を連通状態とする第2小径部25cと、基部となる第
2中径部25dと、受圧面26及びスプリングシート27を有
し、油圧室28に摺動自在に嵌合する大径部25eとが、こ
の順で形成されている。
【0025】更に、メイン油路20と油圧室28との間に
は、前記受圧面26に燃料圧力が作用するように細油路29
が連通しており、一方、前記スライディングバルブ25の
スプリングシート27と、スピルコントロールバルブ19に
嵌合したストッパー30との間には、リターンスプリング
31が介装され、前記細油路29及びスピル検出油路24から
作用する燃料圧力に対向して、スライディングバルブ25
を左方に付勢するようになっている。
【0026】前記プランジャバレル5には、このプラン
ジャバレル5の周囲に形成された油溜室6から燃料を吸
入する吸入ポート32と、前記スピル圧室22に接続された
スピル検出油路24が連通するプランジャスピルポート23
とが形成されており、プランジャ4に形成されたリード
9は、プランジャスピルポート23との間で連通するよう
になっている。
【0027】次に図2を参照して、上記スピルコントロ
ールバルブ19の動作を説明する。まず、プランジャ4の
上昇によって吸入ポート32及びプランジャスピルポート
23が閉塞されると燃料の圧送が開始されるが、この時、
スライディングバルブ25は図2(a)に示すように、リ
ターンスプリング31の弾性力により左端に押圧された状
態となり、メインスピルポート21及びスピル検出油路24
を遮断すると共に、プランジャ4の上昇により圧送され
る燃料は、第2小径部25cにより連通状態となったメイ
ン油路20を経て、図示していない噴射ノズルへ圧送さ
れ、噴射が開始される。
【0028】プランジャ4が更に上昇すると、図1に示
すように、リード9とプランジャスピルポート23とが連
通し、逃がし孔8及びリード9を介して、メインスピル
ポート21よりも小径のプランジャスピルポート23からス
ピルが開始されると共に、スピル検出油路24を通って、
スピル圧室22に流入し、スライディングバルブ25を右側
に押す。これと同時に、この燃料の圧力は、細油路29を
介してスライディングバルブ25の受圧面26にも作用し、
前記同様にスライディングバルブ25をストッパー30に当
接するまで右側に押す。
【0029】その結果、図2(b)に示す如くメイン油
路20は第1中径部25bによって閉塞され、燃料噴射ノズ
ル及び燃料噴射パイプから引き戻される燃料の大部分
は、プランジャバレル5内に戻る前に、スライディング
バルブ25の作動により、一旦止められた後、このスライ
ディングバルブ25の右行動作の継続により、図2(c)
に示すように、直ぐにプランジャスピルポート23よりも
大径のメインスピルポート21からスピルされ、噴射パイ
プ内の圧力は急速に低下することとなり、あとだれ等の
不具合を生じること無く、噴射が終了する。
【0030】一方、プランジャバレル5内の燃料は、メ
インスピルポート21よりも小径のプランジャスピルポー
ト23からのスピルが継続される為、圧力は徐々に低下す
ることとなり、プランジャ4の上下方向振動加速度が減
少する。このようにして、プランジャバレル5内の燃料
圧力が低下すると、スライディングバルブ25はリターン
スプリング31の弾性力により、図2(a)に示す噴射時
の位置に戻り、燃料噴射の度に上記した動作が繰り返さ
れる。
【0031】このように、プランジャバレル5内の燃料
はプランジャスピルポート23から比較的ゆっくりと、ま
た、燃料噴射パイプ内の燃料はメインスピルポート21か
ら急速に、それぞれスピルされる。その結果、図3に示
す如く、噴射パイプ内の圧力は鎖線で示す圧力波形とな
るのに対し、プランジャバレル5内の圧力は実線で示す
圧力波形となり、燃料圧力の圧力波形を理想的な特性と
することが可能となった。
【0032】尚、この実施例1の場合には、従来と同様
のプランジャ4、コントロールラック12等の構造を維持
しつつ、少ない設計変更で実施することが可能であり、
新たに制御手段等を付加する必要がないという利点があ
る。次に図4〜図9を参照して本発明の実施例2につい
て説明する。本実施例において使用するスピルコントロ
ールバルブ33は、前記実施例1と同様に、プランジャバ
レル5とデリバリバルブガイド17との間に直接又はパイ
プ等を介して間接的に設けられるが、ソレノイドバルブ
34,35を使用して電気的に制御する点で、上記実施例1
との大きな違いがある。
【0033】このスピルコントロールバルブ33の構造に
ついて説明すると、まず、図4に示す如く、デリバリバ
ルブガイド17内とプランジャバレル5内を相互に連通す
るメイン油路36が、中央部縦方向に形成されており、こ
のメイン油路36には、燃料噴射ポンプの図示していない
燃料ギャラリに連通するリーク油路37が接続されてお
り、このリーク油路37の途中には、このリーク油路37を
開閉するための第1ソレノイドバルブ34が設けられてい
る。
【0034】この第1ソレノイドバルブ34の弁体38は、
基部39とこの基部39よりも大径の頭部40との間を、基部
39よりも小径の軸部41で接続し、基部39と軸部41の間及
び軸部41と頭部40の間をそれぞれ円錐状の傾斜面にて滑
らかに接続した形状となっている。そして、軸部41と頭
部40との間に形成される傾斜面42がバルブシート43に当
接するシール面となっている。
【0035】また、メイン油路36とリーク油路37との接
続部よりも上方、即ちデリバリバルブガイド17寄りのメ
イン油路36にスピル検出油路44の一端が接続されてお
り、このスピル検出油路44の他端は、スピル圧室45に接
続されている。また、このスピル検出油路44の途中に
は、このスピル検出油路44を開閉するための第2ソレノ
イドバルブ35が設けられている。この第2ソレノイドバ
ルブ35の弁体46は、上端に円錐状の傾斜面47を有する柱
状の部材から成っており、この傾斜面47がバルブシート
48に当接するシール面となっている。
【0036】更に、上記スピル圧室45は、スピルコント
ロールバルブ33の中央部横方向に延設されており、その
内部には、左右横移動可能に成したスライディングバル
ブ49が摺動可能に収容されている。このスライディング
バルブ49は図5に示すような形状をしており、図5
(b)において左側から順に、第1大径部49a、第1小
径部49b、第2大径部49c、中径部49d、第3大径部49
e、第2小径部49f、第4大径部49gが一体的に形成さ
れた軸状に形成されており、更に、第4大径部49gには
スプリングシート49hとなる切欠部を形成して、このス
プリングシート49hと、スピル圧室45の右端に形成され
たネジ部に螺合する盲ネジ50との間にリターンスプリン
グ51を介装している。
【0037】また、前記スライディングバルブ49の第1
大径部49aには、図中、左端が開放端となり右端が閉塞
端となる切欠溝49iが形成されており、スライディング
バルブ49が右方向にある程度移動した場合に、この切欠
溝49iがスピル圧室45の壁面に形成した環状溝52に連通
するようになっている。尚、この環状溝52の溝底と前記
リーク油路37との間には、これらを連通するプランジャ
側スピルポート53が形成されており、スピル検出油路44
とリーク油路37とを連通可能に成している。
【0038】更に、スライディングバルブ49よりも上
方、即ち、デリバリバルブガイド17寄りのメイン油路36
からは、スピル油路54が分岐するように形成されてお
り、このスピル油路54はスライディングバルブ49の位置
により開閉され、スピル圧室45の壁面に一端が開口し、
他端が前記リーク油路37に連通するノズル側スピルポー
ト55に、第1小径部49bの周囲に形成される空間を介し
て連通する開放状態と、第2大径部49cによって遮断さ
れる閉塞状態のいずれかの状態と成り得るように構成さ
れている。
【0039】上述した第1ソレノイドバルブ34と第2ソ
レノイドバルブ35は、共にコントローラ56によってON
−OFF制御されるようになっており、入力ポート57を
介してCPU58に入力される回転センサ59の検出信号
(エンジン回転数)とアクセルセンサ60の検出信号(ア
クセル開度)に基づき、メモリ61内に記憶された制御マ
ップに応じて、出力ポート62から出力される制御信号に
より制御されるようになっている。
【0040】次に、図6〜図9を参照して、本実施例に
おけるスピルコントロールバルブ33の動作について説明
する。先ず、図6に示す噴射前の状態では、コントロー
ラ56により第1ソレノイドバルブ34はOFF(開弁)、
第2ソレノイドバルブ35はON(閉弁)となるように制
御される。この状態では、プランジャ4が上昇し始め、
燃料を燃料噴射ノズルへ圧送しようとするが、第1ソレ
ノイドバルブ34が開弁状態にあるので、燃料はリーク油
路37を通って燃料噴射ポンプの燃料ギャラリに戻される
ことになり、燃料噴射ノズルへは供給されない。
【0041】尚、この時、スライディングバルブ49はリ
ターンスプリング51によって、図中、移動範囲の左端位
置まで押された状態となり、第2小径部49fの周囲に形
成された空間によって、プランジャバレル5内の燃料通
路とデリバリバルブガイド17内の燃料通路が連通する状
態となるが、プランジャ4の上昇によって生じる燃料圧
力は、上述した第1ソレノイドバルブ34の開弁により逃
がされることとなるので、デリバリバルブ14は開弁しな
い。
【0042】次に、図7に示す噴射中の状態に入り、予
めプログラムされた噴射時期を、回転センサ59により検
出すると、コントローラ56は第1ソレノイドバルブ34を
ON(閉弁)にする制御信号を送り、リーク油路37を閉
塞する。尚、この時、第2ソレノイドバルブ35は閉弁し
たままの状態を維持し、スライディングバルブ49も図6
と同じ位置から動かない。
【0043】この状態では、プランジャ4が上昇過程に
あり、燃料圧力が規定値に達した時点で、燃料はメイン
油路36を通ってデリバリバルブ14を押し上げ、もはやリ
ーク油路37を通って燃料噴射ポンプの燃料ギャラリに戻
ることは無い。そして、燃料噴射ノズルまで圧送された
燃料は、燃料噴射ノズルから燃焼室内に噴射されること
になる。
【0044】次に、噴射開始時期から、予めプログラム
された所定の時間が経過すると、図8に示す噴射終了の
状態となり、第2ソレノイドバルブ35はコントローラ56
から出力される制御信号によりOFF(開弁)状態とな
る。この状態では、スピル検出油路44が開放となり、プ
ランジャ4で加圧された燃料がスピル検出油路49を通っ
てスピル圧室45に導かれる。
【0045】このスピル圧室45に導入された燃料の圧力
によって、スライディングバルブ49は、リターンスプリ
ング51の弾性力に抗して、図中で右方に押される。する
と、メイン油路36はスライディングバルブ49の第3大径
部49eによって閉塞され、一方で、第1小径部49bの周
囲に形成される空間により、スピル油路54とノズル側ス
ピルポート55が連通することになる。それ故、メイン油
路36はこのスピル油路54とノズル側スピルポート55を介
してリーク油路37に連通することとなるので、燃料噴射
ノズル側の燃料は、この経路で燃料噴射ポンプの燃料ギ
ャラリに戻され、燃料噴射ノズル側の燃料圧力は急速に
低下する。
【0046】更に、上述の如くスピル圧室45に流入する
燃料の圧力により、スライディングバルブ49の右行が継
続すると、図9に示す状態となり、スライディングバル
ブ49は、それ自身の移動範囲の右端位置まで押されるこ
ととなる。この状態では、スライディングバルブ49の第
3大径部49eによりメイン油路36が遮断される状態は変
わらず、一方、第1小径部49bの周囲の空間によって連
通するスピル油路54とノズル側スピルポート55の通路断
面積は拡大する。
【0047】それに加えて、スライディングバルブ49の
第1大径部49aに形成した切欠溝49iがスピル圧室45の
壁面に形成した環状溝52に連通するので、プランジャバ
レル5側の高圧燃料は、スピル検出油路44、スピル圧室
45、切欠溝49i、環状溝52、プランジャ側スピルポート
53、リーク油路37を経由して、燃料噴射ポンプの燃料ギ
ャラリに戻される。
【0048】尚、スライディングバルブ49に形成した切
欠溝49iとスピル圧室45の壁面に形成した環状溝52とが
連通する部分における通路断面積は、スピル油路54とノ
ズル側スピルポート55とが連通する部分における通路断
面積に較べてかなり小さいので、プランジャバレル5内
の燃料圧力は、緩やかに低下していくことになる。以上
の動作により、ノズル側の燃料圧力は急速に、一方、プ
ランジャ側の燃料圧力は緩やかに低下する。
【0049】その後、プランジャ4が下降行程に入る
と、第1ソレノイドバルブ34は開弁し、第2ソレノイド
バルブ35は閉弁するように、それぞれコントローラ56に
より制御されるので、図6に示す状態に戻り、次の噴射
に備えることになる。尚、この実施例2の場合には、従
来の燃料噴射ポンプにおける、プランジャバレル5のス
ピルポート7、プランジャ4のリード9及び逃がし孔
8、コントロールラック12等の構造を廃して簡略化する
ことができ、また、ソレノイドバルブ34,35を使用して
電子制御を行うことにより、要求燃料噴射量の変化等に
も柔軟に対応できるので、きめ細かい制御を行うことが
できる。
【0050】また、上述した如く、従来の燃料噴射ポン
プでは不可欠であった構造を廃することができるので、
列型ポンプ、分配型ポンプ、ユニットポンプ、ユニット
インジェクタ、コモンレール式燃料噴射装置等、様々な
種類の噴射系に対応することができ、応用範囲を広げる
上で有利である。更に、燃料噴射中に、第1ソレノイド
バルブ34を極短時間だけ開弁する制御を行うことによ
り、メイン油路36の燃料圧力を瞬間的に低下させること
ができるため、パイロット噴射を容易に行うことができ
る。
【0051】次に、上述したスピルコントロールバルブ
19,33に代えてプランジャ機構を使用した、本発明の実
施例3について、図10〜図18を参照して説明する。先
ず、図10に示すように、カムシャフト2の回転に伴って
昇降するタペットローラ63及びタペット3の動きは、プ
ランジャスプリング64の弾性力に抗して移動するロワシ
ート65を介して、第1コントロールスリーブ66と共回り
する第1プランジャ67に伝達される。
【0052】第1コントロールスリーブ66の上部外周に
は第1コントロールピニオン68が設けられており、第1
コントロールラック69の変位に応じて回転する。また、
第1プランジャ67に設けられているドライビングフェー
ス11は、第1コントロールスリーブ66の下部に設けられ
た切り溝に係合しているので、第1プランジャ67は第1
コントロールスリーブ66と同調して回転する。
【0053】更に、この第1コントロールスリーブ66の
外周には第1傘歯車70が設けられており、第1コントロ
ールスリーブ66と共回りする第1傘歯車70は、軸71を介
してポンプハウジング1に軸支される第2傘歯車72に噛
合している。また、この第2傘歯車72には、第1平歯車
73が同軸に設けられており、これらも共回りするように
構成されている。
【0054】一方、ポンプハウジング1には、第2コン
トロールスリーブ74が回転自在に支持されており、図11
に示す如く、第2コントロールスリーブ74の外周に設け
られた第2平歯車75が、前記第1平歯車73に噛合してい
る。このような歯車機構により、第1コントロールラッ
ク69の変位は、第1コントロールスリーブ66のみなら
ず、第2コントロールスリーブ74にも伝達される。
【0055】上述した第1プランジャ67が、カムシャフ
ト2の回転に伴い、タペットローラ63、タペット3及び
ロワシート65を介して昇降することは前に述べたが、こ
のロワシート65には、上下方向に延在するプッシュロッ
ド76の下端部が係合しているので、このプッシュロッド
76は、第1プランジャ67と同調してリフトすることにな
る。
【0056】一方、軸77を介してポンプハウジング1に
軸支される第3傘歯車78には、ピン79が突設されてお
り、このピン79は、前記プッシュロッド76の上端部に形
成された穴80に挿通している。また、このピン79の先端
部には、環状溝81が形成されており、図12に示す如く、
この環状溝81に嵌合するストップリング82により、前記
プッシュロッド76の抜け止めをしている。
【0057】この第3傘歯車78は、この第3傘歯車78と
同様に、軸83を介してポンプハウジング1に軸支される
第4傘歯車84に噛合しており、この第4傘歯車84には、
この第4傘歯車84と同軸に配置された第2コントロール
ピニオン85が一体的に設けられている。また、この第2
コントロールピニオン85には、図13に示す第2コントロ
ールラック86が噛合している。
【0058】この第2コントロールラック86の端部に
は、U字形溝87を形成した係合部88が上方に向けて突設
されており、一方、前記第2コントロールスリーブ74の
内部に摺動自在に嵌合された第2プランジャ89の端部に
は、環状溝90を形成した係合部91が設けられているの
で、この環状溝90と前記U字形溝87とが互いに嵌合し合
い、第2コントロールラック86の変位に応じて、第2プ
ランジャ89が左右に移動するように構成されている。従
って、前記プッシュロッド76と歯車機構により、第1プ
ランジャ67の変位は、第2プランジャ89にも同期して伝
達される。
【0059】前記第1プランジャ67には、通常の逃がし
孔92とリード93が形成されており、この第1プランジャ
67が摺動自在に嵌合するプランジャバレル94に形成され
たスピルポート95を介して、プランジャ室96と油溜室6
とが連通するように構成されている。一方、第2プラン
ジャ89には、逃がし孔97とリード98の他に、上部プラン
ジャ室96aと下部プランジャ室96bとの間を連通可能と
するL字形通路99が形成されている。
【0060】更に、この第2プランジャ89には膨出部10
0 を形成しているので、この膨出部100 が移動可能とな
る範囲、即ち、第2コントロールスリーブ74の内側に形
成された拡張部101 の範囲内で、第2プランジャ89は移
動可能となる。また、この膨出部100 に隣接する小径部
102 には、図示していない燃料タンクに燃料を戻すため
のパイプ103 が接続され、このパイプ103 の外径寸法
が、前記拡張部101 の内径寸法よりも小さくなるように
構成されている。
【0061】上述の第2プランジャ89に形成されたリー
ド98及びL字形通路99と、プランジャバレル94の上部に
形成された切欠部との位置関係は、図14〜図18に示すよ
うに構成されている。即ち、燃料噴射前の第1プランジ
ャ67がリフトを開始する状態では、図14及び図15に示す
如く、第2プランジャ89のリード98はプランジャバレル
94によって閉塞され、一方、L字形通路99はプランジャ
バレル94の切欠部104の内側に位置しているので、上部
プランジャ室96aと下部プランジャ室96bが連通される
状態にある。また、プランジャ室96と油溜室6との間は
スピルポート95により連通されている。
【0062】この状態から、第1プランジャ67が更に上
昇し、第1プランジャ67のリード93がスピルポート95の
位置を越えるところまで来ると、プランジャ室96から油
溜室6へのリークが無くなり、プランジャ室96内の燃料
が加圧される。そして、第1プランジャ67が更に上昇
し、燃料圧力が所定値まで高まると、デリバリバルブ14
を開弁し、燃料噴射ノズルへ高圧燃料を供給する。尚、
この時、第2プランジャ89の位置は図14に示す位置から
変化していない。
【0063】その後、デリバリバルブ14が閉弁して燃料
噴射が終了すると、第1プランジャ67は下降し、一方、
それと同期して第2プランジャ89の位置も図16に示す位
置まで変位する。この状態では、L字形通路99はプラン
ジャバレル94の切欠部104 の外側に位置しているので、
上部プランジャ室96aと下部プランジャ室96bは第2プ
ランジャ89により遮断される。
【0064】この時、第2プランジャ89のリード98の位
置が、プランジャバレル94の切欠部104 の内側に入るの
で、上部プランジャ室96aに残留している燃料は、この
第2プランジャ89のリード98を通り、更に第2プランジ
ャ89の逃がし孔97を通って、パイプ103 を介して燃料タ
ンクに戻される。尚、第2プランジャ89の位置は最終的
には、図16に示す位置から更に若干右方に変位する。
【0065】一方、下部プランジャ室96bに残留してい
る燃料は、第1プランジャ67が図17に示す位置まで下降
し、第1プランジャ67のリード93とスピルポート95が連
通すると、逃がし孔92、リード93及びスピルポート95を
介して油溜室6に戻される。但し、このスピルポート95
の通路断面積は、前記第2プランジャ89のリード98の通
路断面積よりも小さく形成しているため、下部プランジ
ャ室96bの燃料圧力の低下は、上部プランジャ室96aの
燃料圧力の低下に較べてゆっくりしたものとなり、それ
故、第1プランジャ67の降下速度は緩やかになる。
【0066】尚、ラック位置が移動した時には、プラン
ジャバレル94の切欠部104 の位置に対する、第2プラン
ジャ89のL字形通路99及びリード98の位置が、例えば、
図18に示すように変位するが、上述した如く、上部プラ
ンジャ室96aの減圧率を、下部プランジャ室96bの減圧
率よりも高くして、第1プランジャ67の下降速度を低下
させる効果は、ラック位置に関係なく得ることができ
る。また、この実施例3では、実施例2のような電気的
なシステムを用いずに、機械的なシステムのみで実現で
きるため、誤作動が起き難いという利点がある。
【0067】
【発明の効果】上述したように本発明によると、燃料加
圧手段と、燃料圧力によって開閉する弁と、この弁の閉
弁時に、燃料圧力を減衰して前記燃料加圧手段に伝達す
る圧力調整手段とを備えているので、燃料噴射終了後の
燃料加圧手段の振動加速度を減少させることができ、そ
の結果、この燃料加圧手段による衝撃音を低減し、燃料
噴射装置から放射される放射音を減少させることができ
る。
【0068】また、この圧力調整手段により、燃料加圧
手段の室内圧力をゆっくりと低下させながら、噴射管内
圧力を急速に低下させることが可能となるので、排ガス
性能の悪化を防止しながら、燃料噴射装置の騒音を低減
することができる。尚、前記圧力調整手段として、電磁
弁のON−OFF制御による手段を採用した場合には、
要求燃料噴射量の変化等に柔軟に対応でき、きめ細かい
制御を行うことができるのみならず、燃料噴射中に電磁
弁を開閉制御することにより、パイロット噴射を容易に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における燃料噴射装置の要部
断面図である。
【図2】図1に示すスライディングバルブの動作状態を
示す断面図であり、(a)は燃料噴射時、(b)はスピ
ル検出時、(c)はスピル時である。
【図3】図1の燃料噴射装置のスピル時におけるプラン
ジャバレル内圧力と噴射パイプ内圧力の変動を示す圧力
波形図である。
【図4】本発明の実施例2における燃料噴射装置に使用
される圧力調整手段の要部断面図である。
【図5】図4の圧力調整手段に使用されるスライディン
グバルブを示しており、(a)は側面図、(b)は正面
図である。
【図6】図4の圧力調整手段の作動状態を示す要部断面
図である。
【図7】図4の圧力調整手段の作動状態を示す要部断面
図である。
【図8】図4の圧力調整手段の作動状態を示す要部断面
図である。
【図9】図4の圧力調整手段の作動状態を示す要部断面
図である。
【図10】本発明の実施例3における燃料噴射装置の要
部断面図である。
【図11】図10のA−A線断面図である。
【図12】図10のB−B線断面図である。
【図13】図10の第2プランジャと第2コントロール
ラックの斜視図である。
【図14】図10の第2プランジャとプランジャバレル
の切欠部との位置関係を示す平面図である。
【図15】図10の燃料噴射装置に使用される圧力調整
手段の作動状態を示す要部断面図である。
【図16】図10の第2プランジャとプランジャバレル
の切欠部との位置関係を示す平面図である。
【図17】図10の燃料噴射装置に使用される圧力調整
手段の作動状態を示す要部断面図である。
【図18】図10の第2プランジャとプランジャバレル
の切欠部との位置関係を示す平面図である。
【図19】従来の燃料噴射装置の内部斜視図である。
【図20】図19の燃料噴射装置の要部断面図である。
【図21】図19の燃料噴射装置の回転往復運動系の振
動を解析した波形図であり、(a)は管内圧力、(b)
はタペット上下方向振動速度、(c)はタペット上下方
向振動加速度、(d)は近接音である。
【図22】プランジャバレル内の圧力低下勾配を小さく
した場合のシミュレーション計算によるタペット振動を
解析した波形図であり、(a)はプランジャにかかる
力、(b)はタペット上下方向の速度、(c)はタペッ
ト上下方向加速度である。
【符号の説明】
2 カムシャフト 4 燃料加圧手段(プランジャ) 5 プランジャバレル 14 弁(デリバリバルブ) 17 デリバリバルブガイド 19 圧力調整手段(スピルコントロールバルブ) 20 油路(メイン油路) 21 メインスピルポート 23 プランジャスピルポート 24 スピル検出油路 25 スライディングバルブ 33 圧力調整手段(スピルコントロールバルブ) 34 第1電磁弁(第1ソレノイドバルブ) 35 第2電磁弁(第1ソレノイドバルブ) 36 メイン油路 37 リーク油路 44 スピル検出油路 45 スピル圧室 49 スライディングバルブ 53 スピルポート(プランジャ側スピルポート) 54 スピル油路 55 スピルポート(ノズル側スピルポート) 69 コントロールラック(第1コントロールラック) 74 コントロールスリーブ(第2コントロールスリー
ブ) 89 プランジャ(第2プランジャ) 94 プランジャバレル 96 油路(プランジャ室)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 光雄 神奈川県藤沢市土棚8 株式会社いすゞ中 央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料加圧手段と、燃料圧力によって開閉
    する弁と、この弁の閉弁時に、燃料圧力を減衰して前記
    燃料加圧手段に伝達する圧力調整手段とを備えた燃料噴
    射装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料加圧手段がプランジャであり、
    燃料圧力によって開閉する弁がデリバリバルブであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力調整手段が、デリバリバルブガ
    イドとプランジャバレルとを連通する油路と、この油路
    に連通するメインスピルポートと、この油路から前記プ
    ランジャバレルに形成したプランジャスピルポートに連
    通するスピル検出油路と、これらを開閉するスライディ
    ングバルブとを備えていることを特徴とする請求項1に
    記載の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力調整手段が、燃料加圧手段と燃
    料圧力によって開閉する弁とを連通するメイン油路と、
    このメイン油路に連通するリーク油路と、このリーク油
    路の途中に介装した開閉自在な第1電磁弁と、前記メイ
    ン油路に連通するスピル検出油路と、このスピル検出油
    路の途中に介装した開閉自在な第2電磁弁と、前記スピ
    ル検出油路に連通するスピル圧室と、このスピル圧室と
    前記リーク油路とを連通するスピルポートと、このスピ
    ル圧室と前記リーク油路とをスピル油路を介して連通す
    る別のスピルポートと、前記スピル圧室に収容され、前
    記メイン油路とスピル油路と両スピルポートを開閉する
    スライディングバルブとを備えていることを特徴とする
    請求項1に記載の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力調整手段が、デリバリバルブガ
    イドとプランジャバレルとを連通する油路と、この油路
    を開閉するプランジャと、このプランジャを収容するコ
    ントロールスリーブと、カムシャフトの回転を前記プラ
    ンジャに伝達する駆動手段と、コントロールラックの変
    位を前記コントロールスリーブに伝達する別の駆動手段
    とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料
    噴射装置。
  6. 【請求項6】 燃料を加圧して噴射する燃料噴射装置に
    おいて、燃料噴射終了後の燃料加圧手段の振動加速度を
    減少させることにより放射音を低減する燃料噴射装置の
    騒音低減方法。
JP9521395A 1994-10-31 1995-04-20 燃料噴射装置及びその騒音低減方法 Pending JPH08189442A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017517669A (ja) * 2014-04-21 2017-06-29 スタナダイン エルエルシー シングルプランジャ型燃料ポンプの圧力解放弁
GB2575537A (en) * 2018-05-21 2020-01-15 Caterpillar Inc Fuel injector and fuel system with valve train noise suppressor
US10934970B2 (en) 2018-09-10 2021-03-02 Caterpillar Inc. Crankshaft seal

Cited By (5)

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US10975815B2 (en) 2018-05-21 2021-04-13 Caterpillar Inc. Fuel injector and fuel system with valve train noise suppressor
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