JPH08180732A - 耐火絶縁シート - Google Patents
耐火絶縁シートInfo
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- JPH08180732A JPH08180732A JP6334657A JP33465794A JPH08180732A JP H08180732 A JPH08180732 A JP H08180732A JP 6334657 A JP6334657 A JP 6334657A JP 33465794 A JP33465794 A JP 33465794A JP H08180732 A JPH08180732 A JP H08180732A
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- sheet
- thermoplastic resin
- insulating sheet
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- Inorganic Insulating Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐火性、絶縁性、電線導体の被覆時における
巻き加工性に優れているとともに、接着剤の炭化に起因
するショートの危険がなく、しかも価格を低減した耐火
絶縁シートを提供する。 【構成】 50重量%以上の無機質よりなるセラミック
シート層2、熱可塑性樹脂層3、ガラスクロス層4とよ
りなる積層シートであって、該ガラスクロス層4が複数
条のガラス糸41よりなる縦糸と、熱可塑性樹脂とより
なる横糸で構成する。
巻き加工性に優れているとともに、接着剤の炭化に起因
するショートの危険がなく、しかも価格を低減した耐火
絶縁シートを提供する。 【構成】 50重量%以上の無機質よりなるセラミック
シート層2、熱可塑性樹脂層3、ガラスクロス層4とよ
りなる積層シートであって、該ガラスクロス層4が複数
条のガラス糸41よりなる縦糸と、熱可塑性樹脂とより
なる横糸で構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁シートに係わり、
更に詳しくは、耐火電線における耐火層を構成する耐火
絶縁シートに関する。
更に詳しくは、耐火電線における耐火層を構成する耐火
絶縁シートに関する。
【0002】
【従来の技術】消火設備、火災警報設備、火災時の避難
誘導照明設備などの火災関連設備は、非常電源を設ける
ことが規制されている。そして、これらの非常電源回路
に使用する電線は消防庁が定める耐久性(840℃、3
0分間)に合格することが必要であり、導体を耐火層で
被覆することにより構成されている。従来、耐火電線の
耐火層は、840℃という高温下においても絶縁耐力を
もつ軟質マイカを主成分として、結合した軟質マイカシ
ートと、この軟質マイカシートを補強するガラスクロス
とを、シリコーン系接着剤を含侵、積層して構成した耐
火絶縁シートがマイカテープとして実用に供せられてい
た。
誘導照明設備などの火災関連設備は、非常電源を設ける
ことが規制されている。そして、これらの非常電源回路
に使用する電線は消防庁が定める耐久性(840℃、3
0分間)に合格することが必要であり、導体を耐火層で
被覆することにより構成されている。従来、耐火電線の
耐火層は、840℃という高温下においても絶縁耐力を
もつ軟質マイカを主成分として、結合した軟質マイカシ
ートと、この軟質マイカシートを補強するガラスクロス
とを、シリコーン系接着剤を含侵、積層して構成した耐
火絶縁シートがマイカテープとして実用に供せられてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
マイカテープは、軟質マイカシートとガラスクロスとを
シリコーン系接着剤を含侵して接着しているため、シリ
コーン系接着剤が火災のときに高温下にさらされると、
炭化物を生成し、そしてこの炭化物が電線の導体と直接
接触してショート起こす恐れがあるという問題点があっ
た。また、耐火層を構成する従来のガラスクロスは、縦
糸、横糸ともにガラス繊維よりなるため、高価なものに
なるという問題点もあった。
マイカテープは、軟質マイカシートとガラスクロスとを
シリコーン系接着剤を含侵して接着しているため、シリ
コーン系接着剤が火災のときに高温下にさらされると、
炭化物を生成し、そしてこの炭化物が電線の導体と直接
接触してショート起こす恐れがあるという問題点があっ
た。また、耐火層を構成する従来のガラスクロスは、縦
糸、横糸ともにガラス繊維よりなるため、高価なものに
なるという問題点もあった。
【0004】本発明は、耐火性、絶縁性、電線導体の被
覆時の巻き加工性に優れているとともに、接着剤の炭化
物が導体と直接接触するために起因するショートの危険
がなく、しかも価格を低減した耐火絶縁シートを提供す
ることを目的としている。
覆時の巻き加工性に優れているとともに、接着剤の炭化
物が導体と直接接触するために起因するショートの危険
がなく、しかも価格を低減した耐火絶縁シートを提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の耐火絶縁シートは、50重量%以上の無
機質繊維よりなるセラミックシート層、熱可塑性樹脂
層、ガラスクロス層よりなる積層シートにおいて、該ガ
ラスクロス層が複数条のガラス糸を含む縦糸と、熱可塑
性樹脂よりなる横糸で構成されたものである。
めに、本発明の耐火絶縁シートは、50重量%以上の無
機質繊維よりなるセラミックシート層、熱可塑性樹脂
層、ガラスクロス層よりなる積層シートにおいて、該ガ
ラスクロス層が複数条のガラス糸を含む縦糸と、熱可塑
性樹脂よりなる横糸で構成されたものである。
【0006】本発明の耐火絶縁シート1は、図1に示す
とおり、無機質繊維よりなるセラミックシート層2、熱
可塑性樹脂層3、ガラスクロス層4よりなる積層シート
である。そして、該ガラスクロス層は、複数条のガラス
糸41を含む縦糸と、熱可塑性樹脂よりなる横糸で構成
されたものである。〔本明細書でいう縦糸とは、クロス
製造機械における糸の移送方向(machine direction)で
作られたものを意味し、電線導体の巻き方向である、ま
た、横糸とは、縦糸と交差(cross )して設けられた糸
をいう。〕
とおり、無機質繊維よりなるセラミックシート層2、熱
可塑性樹脂層3、ガラスクロス層4よりなる積層シート
である。そして、該ガラスクロス層は、複数条のガラス
糸41を含む縦糸と、熱可塑性樹脂よりなる横糸で構成
されたものである。〔本明細書でいう縦糸とは、クロス
製造機械における糸の移送方向(machine direction)で
作られたものを意味し、電線導体の巻き方向である、ま
た、横糸とは、縦糸と交差(cross )して設けられた糸
をいう。〕
【0007】セラミックシート層は、無機質繊維を主成
分とし、その含有率は、50重量%以上、好ましくは6
0重量%以上である。この含有率が50重量%未満であ
ると耐熱絶縁性が充分ではないことがある。
分とし、その含有率は、50重量%以上、好ましくは6
0重量%以上である。この含有率が50重量%未満であ
ると耐熱絶縁性が充分ではないことがある。
【0008】無機質繊維は、1000℃以上の耐熱性を
もつとともに表面抵抗率が1012Ω/sq.以上を超える数
値をもつものが好適に用いられる。具体的には、セラミ
ック繊維(アルミナ・シリカ繊維)、石英繊維、高ケイ
酸繊維、ガラス状シリカ繊維、アルミナ繊維、カオリン
繊維、ボーキサイト繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カ
リウム繊維、ほう素繊維などを挙げることができる。そ
して、これらのセラミックシート層2は、図3に示す耐
火電線を構成する導体10と直接に接触する耐火層11
を形成し、更に絶縁層12を積層するものである。この
セラミックシート層は、高い温度の下でも、高い絶縁性
をもつとともに、1000℃以上の温度でも劣化しない
耐熱性をもっている。
もつとともに表面抵抗率が1012Ω/sq.以上を超える数
値をもつものが好適に用いられる。具体的には、セラミ
ック繊維(アルミナ・シリカ繊維)、石英繊維、高ケイ
酸繊維、ガラス状シリカ繊維、アルミナ繊維、カオリン
繊維、ボーキサイト繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カ
リウム繊維、ほう素繊維などを挙げることができる。そ
して、これらのセラミックシート層2は、図3に示す耐
火電線を構成する導体10と直接に接触する耐火層11
を形成し、更に絶縁層12を積層するものである。この
セラミックシート層は、高い温度の下でも、高い絶縁性
をもつとともに、1000℃以上の温度でも劣化しない
耐熱性をもっている。
【0009】セラミックシート層は、無機質繊維を結合
剤によりシート化したものである。セラミックシートを
形成する結合剤は、各種の有機系、又は無機系の結合剤
の中から適宜に選択される。具体的には、メチルシリケ
ート、エチルシリケート、プロピルシリケート、ブチル
シリケート、2−メトキシエチルシリケートなどのアル
キルシリケート、ケイ酸ゾル、アルミナゾル、シリカゾ
ルの他にセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げ
られる。セラミックシート層を形成する結合剤の含有率
は、通常35重量%未満が好ましい。この含有率が35
重量%以上であると、絶縁耐熱性が充分でないことがあ
る。また、セラミックシート層の厚さは、60〜200
μmであるが、電線被覆加工などを考慮すると80〜1
60μmが好ましい。この厚さが60μm未満であると
絶縁耐熱性が充分でないことがある。また、材質にもよ
るが厚さが200μm以上になると、電線の導体への被
覆加工が困難になることがある。
剤によりシート化したものである。セラミックシートを
形成する結合剤は、各種の有機系、又は無機系の結合剤
の中から適宜に選択される。具体的には、メチルシリケ
ート、エチルシリケート、プロピルシリケート、ブチル
シリケート、2−メトキシエチルシリケートなどのアル
キルシリケート、ケイ酸ゾル、アルミナゾル、シリカゾ
ルの他にセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げ
られる。セラミックシート層を形成する結合剤の含有率
は、通常35重量%未満が好ましい。この含有率が35
重量%以上であると、絶縁耐熱性が充分でないことがあ
る。また、セラミックシート層の厚さは、60〜200
μmであるが、電線被覆加工などを考慮すると80〜1
60μmが好ましい。この厚さが60μm未満であると
絶縁耐熱性が充分でないことがある。また、材質にもよ
るが厚さが200μm以上になると、電線の導体への被
覆加工が困難になることがある。
【0010】熱可塑性樹脂層は、耐火絶縁シートの絶縁
性能を向上するとともに、補強作用をもつものである。
熱可塑性樹脂層は、通常のポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミドなどが用いられるが、好ま
しいものは、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、4−メチル−ペンテン−1などの
ポリオレフィンが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂層
には、難燃性をもたせる目的で難燃剤を含有してもよ
く、火災時の高温状態で炭化物の生成を防止するために
無機系の難燃剤を使用することが好ましい。無機系の難
燃剤としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化
錫、メタほう酸バリウムなどが挙げられる。これらの中
でも、好ましいものは、価格的に安価で難燃効果の高い
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水
酸化物である。
性能を向上するとともに、補強作用をもつものである。
熱可塑性樹脂層は、通常のポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミドなどが用いられるが、好ま
しいものは、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、4−メチル−ペンテン−1などの
ポリオレフィンが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂層
には、難燃性をもたせる目的で難燃剤を含有してもよ
く、火災時の高温状態で炭化物の生成を防止するために
無機系の難燃剤を使用することが好ましい。無機系の難
燃剤としては、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化
錫、メタほう酸バリウムなどが挙げられる。これらの中
でも、好ましいものは、価格的に安価で難燃効果の高い
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水
酸化物である。
【0011】熱可塑性樹脂層の厚さは10〜60μm、
好ましくは20〜40μmである。この厚さが10μm
未満であると、耐熱絶縁シートの絶縁補強材としての作
用が充分でないことがある。また、60μm以上の厚さ
になると、耐熱絶縁シートの総厚さが増して導体への巻
き加工が困難となることがある。
好ましくは20〜40μmである。この厚さが10μm
未満であると、耐熱絶縁シートの絶縁補強材としての作
用が充分でないことがある。また、60μm以上の厚さ
になると、耐熱絶縁シートの総厚さが増して導体への巻
き加工が困難となることがある。
【0012】耐熱絶縁シートに積層するガラスクロス層
は、図1に示すように複数状のガラス糸41よりなる縦
糸と熱可塑性樹脂よりなる横糸で形成されている。これ
は、縦糸として用いるガラス糸の引っ張り強度を補強材
に活用し、そして横糸の熱可塑性樹脂によりセラミック
シート層と接着し積層するものである。縦糸に含まれる
複数状のガラス糸は、15〜25本/25mm巾が好ま
しく使用できる。横糸の熱可塑性樹脂は、ガラスクロス
層を形成するために縦糸のガラス糸を結合するととも
に、セラミックシート層と溶融接着する作用をもつもの
である。縦糸となるガラス糸は、通常E−ガラス(Si
O2: 52〜56% 、Al2O3:12〜16% 、CaO:15〜25% 、 MgO:0
〜6%、B2O3: 8〜13% 、Na2O+Ka2O: 0〜1%)の組成物よ
りなる無機成分である。また、横糸の繊維となる熱可塑
性樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共重合体系を主成分と
するホットメルト接着剤よりなるものが好適に使用され
る。
は、図1に示すように複数状のガラス糸41よりなる縦
糸と熱可塑性樹脂よりなる横糸で形成されている。これ
は、縦糸として用いるガラス糸の引っ張り強度を補強材
に活用し、そして横糸の熱可塑性樹脂によりセラミック
シート層と接着し積層するものである。縦糸に含まれる
複数状のガラス糸は、15〜25本/25mm巾が好ま
しく使用できる。横糸の熱可塑性樹脂は、ガラスクロス
層を形成するために縦糸のガラス糸を結合するととも
に、セラミックシート層と溶融接着する作用をもつもの
である。縦糸となるガラス糸は、通常E−ガラス(Si
O2: 52〜56% 、Al2O3:12〜16% 、CaO:15〜25% 、 MgO:0
〜6%、B2O3: 8〜13% 、Na2O+Ka2O: 0〜1%)の組成物よ
りなる無機成分である。また、横糸の繊維となる熱可塑
性樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共重合体系を主成分と
するホットメルト接着剤よりなるものが好適に使用され
る。
【0013】本発明の耐火絶縁シートの積層について図
1に基づいて説明する。セラミックシート層2に、難燃
剤を含むポリエチレンを250〜330℃の溶融押出し
コーティングにより熱可塑性樹脂層3を設け耐熱絶縁性
向上シート23を形成する。次に、耐熱絶縁性向上シー
ト23の熱可塑性樹脂層3とガラスクロス層4とを相接
して80〜100℃の加熱ロールで圧着後冷却して積層
し、本発明の耐火絶縁シート1を構成する。尚、必要に
よっては、上記の溶融押出しコーティングを行うとき
に、セラミックシート層に、コロナ放電処理を施した
り、及び/又は溶融したポリエチレン樹脂にオゾンガス
による処理を施すことにより、接着を安定化し、強固に
することもできる。また、図2に示すようにセラミック
シート層2にガラスクロス層4とを、加熱ロールで圧着
した後、熱可塑性樹脂層3を溶融押出しコーティングに
よって積層し、耐火絶縁シート1を構成することもでき
る。
1に基づいて説明する。セラミックシート層2に、難燃
剤を含むポリエチレンを250〜330℃の溶融押出し
コーティングにより熱可塑性樹脂層3を設け耐熱絶縁性
向上シート23を形成する。次に、耐熱絶縁性向上シー
ト23の熱可塑性樹脂層3とガラスクロス層4とを相接
して80〜100℃の加熱ロールで圧着後冷却して積層
し、本発明の耐火絶縁シート1を構成する。尚、必要に
よっては、上記の溶融押出しコーティングを行うとき
に、セラミックシート層に、コロナ放電処理を施した
り、及び/又は溶融したポリエチレン樹脂にオゾンガス
による処理を施すことにより、接着を安定化し、強固に
することもできる。また、図2に示すようにセラミック
シート層2にガラスクロス層4とを、加熱ロールで圧着
した後、熱可塑性樹脂層3を溶融押出しコーティングに
よって積層し、耐火絶縁シート1を構成することもでき
る。
【0014】本発明の耐火絶縁シートは、図3に示すよ
うに、導体10と耐火絶縁シート1のセラミックシート
層2とが直接に接するようにして巻きつけて、耐火層1
1を形成し、その外側に絶縁層12とシース層13を設
けて、単芯の耐火電線を構成できる。あるいは、図4に
示すように、単芯の耐火電線の絶縁層12とシース13
との間に介在物14を設けて3芯の耐火電線を構成する
こともできる。なお、絶縁層12及びシース13はプラ
スチック又はゴムを、また介在物14は紙等を用いるこ
とができる。
うに、導体10と耐火絶縁シート1のセラミックシート
層2とが直接に接するようにして巻きつけて、耐火層1
1を形成し、その外側に絶縁層12とシース層13を設
けて、単芯の耐火電線を構成できる。あるいは、図4に
示すように、単芯の耐火電線の絶縁層12とシース13
との間に介在物14を設けて3芯の耐火電線を構成する
こともできる。なお、絶縁層12及びシース13はプラ
スチック又はゴムを、また介在物14は紙等を用いるこ
とができる。
【0015】
【作用】上記の構成からなる、本発明の耐火絶縁シート
は、無機質繊維を主成分とするセラミックシート層、無
機系難燃剤を含む熱可塑性樹脂層、ガラス糸を縦糸とす
るガラスクロス層との積層シートであるため、含侵する
接着剤層を設ける必要がないものである。したがって、
火災で高温下に晒されても、炭化物はセラミックシート
層で遮断されて導体との接触がないため、炭化物に起因
するショートの発生を防止でる。また、縦糸がガラスよ
り形成されたガラスクロスは、耐火絶縁シートの導体へ
の巻き加工を支障なくできるように、引っ張り強度を補
強すると共に、そのガラス糸が、無機成分より形成され
ているために、火災時の高温下でも耐火絶縁シートがそ
の形状を維持するように作用する。また、横糸が熱可塑
性樹脂からなるガラスクロス層は、従来の耐火絶縁シー
トにおいて補強材に用いられていた縦糸と横糸とがガラ
ス糸よりなるものより安価であり、そして、セラミック
シート層も軟質マイカシートと比較して安価であるた
め、耐火電線の価格を低減することができる。
は、無機質繊維を主成分とするセラミックシート層、無
機系難燃剤を含む熱可塑性樹脂層、ガラス糸を縦糸とす
るガラスクロス層との積層シートであるため、含侵する
接着剤層を設ける必要がないものである。したがって、
火災で高温下に晒されても、炭化物はセラミックシート
層で遮断されて導体との接触がないため、炭化物に起因
するショートの発生を防止でる。また、縦糸がガラスよ
り形成されたガラスクロスは、耐火絶縁シートの導体へ
の巻き加工を支障なくできるように、引っ張り強度を補
強すると共に、そのガラス糸が、無機成分より形成され
ているために、火災時の高温下でも耐火絶縁シートがそ
の形状を維持するように作用する。また、横糸が熱可塑
性樹脂からなるガラスクロス層は、従来の耐火絶縁シー
トにおいて補強材に用いられていた縦糸と横糸とがガラ
ス糸よりなるものより安価であり、そして、セラミック
シート層も軟質マイカシートと比較して安価であるた
め、耐火電線の価格を低減することができる。
【0016】
〔実施例 1〕厚さ120μmのセラミックシート層2
(本州製紙(株)製アルミナシリカ絶縁基材、無機質繊
維含有量65重量%)に、300℃で溶融した低密度ポ
リエチレン(三井石油化学工業(株)製、M−16P、
MFR3.7g/10min)を厚さ30μmで、押出
しコーティングして、熱可塑性樹脂層3を設けて耐熱絶
縁性向上セラミックシート23を形成した。次いで、横
糸が熱可塑性樹脂からなるガラスクロス層4(日東紡績
(株)製、KL 2000E102EV4)30μm
と、熱可塑性樹脂層3とガラスクロス層4とを相接して
100℃の加熱ロールで圧着後冷却して積層し、図1に
示す本発明の耐火絶縁シート1を構成した。
(本州製紙(株)製アルミナシリカ絶縁基材、無機質繊
維含有量65重量%)に、300℃で溶融した低密度ポ
リエチレン(三井石油化学工業(株)製、M−16P、
MFR3.7g/10min)を厚さ30μmで、押出
しコーティングして、熱可塑性樹脂層3を設けて耐熱絶
縁性向上セラミックシート23を形成した。次いで、横
糸が熱可塑性樹脂からなるガラスクロス層4(日東紡績
(株)製、KL 2000E102EV4)30μm
と、熱可塑性樹脂層3とガラスクロス層4とを相接して
100℃の加熱ロールで圧着後冷却して積層し、図1に
示す本発明の耐火絶縁シート1を構成した。
【0017】〔比較例 1〕厚さ80μmの軟質マイカ
シートと、厚さ40μmのガラスクロスを、シリコーン
系接着剤を用いて積層し、厚さ120μmの比較例1の
耐火絶縁シートを構成した。
シートと、厚さ40μmのガラスクロスを、シリコーン
系接着剤を用いて積層し、厚さ120μmの比較例1の
耐火絶縁シートを構成した。
【0018】〔比較例 2〕実施例1において、ガラス
クロス層を積層する前の耐熱絶縁性向上セラミックシー
ト23を比較例2の試料とした。
クロス層を積層する前の耐熱絶縁性向上セラミックシー
ト23を比較例2の試料とした。
【0019】実施例及び、比較例について、以下の評価
を行った結果を表1に示す。 ・引っ張り強度:巻き加工適性を評価するため、縦方向
の引っ張り強度をJIS C 2116(電気絶縁用マ
イカ製品試験方法)に準拠して調査した。 ・耐火試験:絶縁シートを、セラミックシート側を導体
に1/2ラップで2枚巻きして、図4に示す耐火層11
を形成し、この耐火層に架橋ポリエチレンからなる絶縁
層12を設け、更にこの絶縁層をポリ塩化ビニルからな
るシース13で被覆して、3芯の耐火電線(3×6mm
2 )を作成した。この耐火電線について、消防庁告示第
7号(昭和53年10月16日付け)に基づいて耐火試
験を行い、絶縁耐力、及び絶縁抵抗ともに基準を満たす
場合は、「合格」、絶縁耐力、又は絶縁抵抗のいずれか
でも基準を満たさない場合は「不合格」との評価をし
た。また、軟質マイカシートとガラスクロスとの積層体
からなる従来の耐火絶縁シートである〔比較例1〕のコ
ストを100とする相対コストを試算した。
を行った結果を表1に示す。 ・引っ張り強度:巻き加工適性を評価するため、縦方向
の引っ張り強度をJIS C 2116(電気絶縁用マ
イカ製品試験方法)に準拠して調査した。 ・耐火試験:絶縁シートを、セラミックシート側を導体
に1/2ラップで2枚巻きして、図4に示す耐火層11
を形成し、この耐火層に架橋ポリエチレンからなる絶縁
層12を設け、更にこの絶縁層をポリ塩化ビニルからな
るシース13で被覆して、3芯の耐火電線(3×6mm
2 )を作成した。この耐火電線について、消防庁告示第
7号(昭和53年10月16日付け)に基づいて耐火試
験を行い、絶縁耐力、及び絶縁抵抗ともに基準を満たす
場合は、「合格」、絶縁耐力、又は絶縁抵抗のいずれか
でも基準を満たさない場合は「不合格」との評価をし
た。また、軟質マイカシートとガラスクロスとの積層体
からなる従来の耐火絶縁シートである〔比較例1〕のコ
ストを100とする相対コストを試算した。
【0020】
【0021】
【発明の効果】本発明の耐火絶縁シートは、無機質繊維
を主成分とするセラミックシート層と、熱可塑性樹脂層
と、縦糸がガラス糸よりなるガラスクロス層とから構成
されているので、高温下に晒されたときも、電線の導体
に直接炭化物が接触する事がなく、炭化物に起因するシ
ョートのおそれがなく、絶縁性を維持できるものであ
る。そして、マイカシートを用いたものと比較して安価
で、導体に巻き加工に必要な引っ張り強度もある耐火絶
縁シートを提供することができる。
を主成分とするセラミックシート層と、熱可塑性樹脂層
と、縦糸がガラス糸よりなるガラスクロス層とから構成
されているので、高温下に晒されたときも、電線の導体
に直接炭化物が接触する事がなく、炭化物に起因するシ
ョートのおそれがなく、絶縁性を維持できるものであ
る。そして、マイカシートを用いたものと比較して安価
で、導体に巻き加工に必要な引っ張り強度もある耐火絶
縁シートを提供することができる。
【図1】本発明の耐火絶縁シートの一例を示す概略の斜
視図である。
視図である。
【図2】耐火絶縁シートの他の例を示す概略の斜視図で
ある。
ある。
【図3】耐火絶縁シートを用いた耐火電線の一例を示す
断面概略図である。
断面概略図である。
【図4】耐火電線の他の例を示す断面概略図である。
1 耐火絶縁シート 2 セラミックシート層 23 耐熱絶縁性向上セラミックシート 3 熱可塑性樹脂層 4 ガラスクロス層 41 ガラス糸 10 導体 11 巻き付けた耐火絶縁層 12 絶縁層 13 シース 14 介在物 M 移送方向
Claims (1)
- 【請求項1】 50重量%以上の無機質繊維よりなるセ
ラミックシート層、熱可塑性樹脂層、ガラスクロス層よ
りなる積層シートにであって、該ガラスクロス層が複数
条のガラス糸を含む縦糸と、熱可塑性樹脂よりなる横糸
で構成されたものであることを特徴とする耐火絶縁シー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6334657A JPH08180732A (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 耐火絶縁シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6334657A JPH08180732A (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 耐火絶縁シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08180732A true JPH08180732A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18279810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6334657A Pending JPH08180732A (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 耐火絶縁シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08180732A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001033037A (ja) * | 1999-07-02 | 2001-02-09 | Beru Ag | セラミック加熱ロッド及び該セラミック加熱ロッドを備えたグロープラグ及びこれらの製造方法 |
JP2008035625A (ja) * | 2006-07-28 | 2008-02-14 | Somar Corp | 電力用絶縁機器の製造方法、電力用絶縁機器および絶縁用フィルム |
US11465002B2 (en) | 2014-09-10 | 2022-10-11 | Dymat Construction Products, Inc. | Systems and methods for fireproofing cables and other structural members |
-
1994
- 1994-12-20 JP JP6334657A patent/JPH08180732A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001033037A (ja) * | 1999-07-02 | 2001-02-09 | Beru Ag | セラミック加熱ロッド及び該セラミック加熱ロッドを備えたグロープラグ及びこれらの製造方法 |
JP2008035625A (ja) * | 2006-07-28 | 2008-02-14 | Somar Corp | 電力用絶縁機器の製造方法、電力用絶縁機器および絶縁用フィルム |
US11465002B2 (en) | 2014-09-10 | 2022-10-11 | Dymat Construction Products, Inc. | Systems and methods for fireproofing cables and other structural members |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030520 |