JPH08179344A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents
液晶表示素子およびその製造方法Info
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- JPH08179344A JPH08179344A JP32183394A JP32183394A JPH08179344A JP H08179344 A JPH08179344 A JP H08179344A JP 32183394 A JP32183394 A JP 32183394A JP 32183394 A JP32183394 A JP 32183394A JP H08179344 A JPH08179344 A JP H08179344A
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
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- G02F1/1337—Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
- G02F1/133707—Structures for producing distorted electric fields, e.g. bumps, protrusions, recesses, slits in pixel electrodes
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】電極を分割して各分割電極にそれぞれ異なる電
圧値の駆動信号を供給することなく、液晶に印加する電
界の強さを各画素部内において部分的に変えて視野角を
改善することができる、広視野角でかつ駆動の容易な液
晶表示素子を提供する。 【構成】一方の基板2の電極7aの上に、各画素部にそ
れぞれ部分的に対応させて、比抵抗と誘電率の少なくと
も一方が配向膜とは異なる感光性有機物で形成された電
界調整層13を設け、その上に配向膜9を設けて、両基
板1,2の電極3,7a間のインピーダンスを、電界調
整層13を設けた領域D2 と、電界調整層がない領域D
1 とで異ならせ、液晶10に前記インピーダンスの差に
応じた異なる強さの電界が印加されるようにした。
圧値の駆動信号を供給することなく、液晶に印加する電
界の強さを各画素部内において部分的に変えて視野角を
改善することができる、広視野角でかつ駆動の容易な液
晶表示素子を提供する。 【構成】一方の基板2の電極7aの上に、各画素部にそ
れぞれ部分的に対応させて、比抵抗と誘電率の少なくと
も一方が配向膜とは異なる感光性有機物で形成された電
界調整層13を設け、その上に配向膜9を設けて、両基
板1,2の電極3,7a間のインピーダンスを、電界調
整層13を設けた領域D2 と、電界調整層がない領域D
1 とで異ならせ、液晶10に前記インピーダンスの差に
応じた異なる強さの電界が印加されるようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示素子および
その製造方法に関するものである。
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子としては、一般に、TN
(ツイステッド・ネマティック)モード、またはSTN
(スーパー・ツイステッド・ネマティック)モードのも
のが利用されている。
(ツイステッド・ネマティック)モード、またはSTN
(スーパー・ツイステッド・ネマティック)モードのも
のが利用されている。
【0003】上記TNモードおよびSTNモードの液晶
表示素子は、透明電極と水平配向膜とを設けた一対の透
明基板間に誘電異方性が正のネマティック液晶を封入
し、この液晶の分子を両基板間においてツイスト配向さ
せたもので、両基板間における液晶分子のツイスト角
は、TNモードではほぼ90°、STNモードでは18
0〜270°とされている。
表示素子は、透明電極と水平配向膜とを設けた一対の透
明基板間に誘電異方性が正のネマティック液晶を封入
し、この液晶の分子を両基板間においてツイスト配向さ
せたもので、両基板間における液晶分子のツイスト角
は、TNモードではほぼ90°、STNモードでは18
0〜270°とされている。
【0004】図5は従来の液晶表示素子の一部分の断面
図であり、図6はその電界印加時の液晶分子配向状態を
示している。この液晶表示素子は、TFT(薄膜トラン
ジスタ)をアクティブ素子とするアクティブマトリック
ス型のものであり、図において上側の基板(以下、表側
基板という)1の内面には、行方向および列方向に配列
された複数の画素電極3と、これら画素電極3にそれぞ
れ対応する複数のTFT4とが設けられ、図において下
側の基板(以下、裏側基板という)2の内面には、全て
の画素電極3に対向する1枚膜状の対向電極7が設けら
れている。
図であり、図6はその電界印加時の液晶分子配向状態を
示している。この液晶表示素子は、TFT(薄膜トラン
ジスタ)をアクティブ素子とするアクティブマトリック
ス型のものであり、図において上側の基板(以下、表側
基板という)1の内面には、行方向および列方向に配列
された複数の画素電極3と、これら画素電極3にそれぞ
れ対応する複数のTFT4とが設けられ、図において下
側の基板(以下、裏側基板という)2の内面には、全て
の画素電極3に対向する1枚膜状の対向電極7が設けら
れている。
【0005】なお、表側基板1の内面には、一般にブラ
ックマトリックスと呼ばれている、各画素電極3,3間
の間隙に対応する格子状パターンの遮光膜5がCr (ク
ロム)等の金属膜によって形成されており、上記画素電
極3およびTFT4は、前記遮光膜5を覆う透明な絶縁
膜6の上に設けられている。
ックマトリックスと呼ばれている、各画素電極3,3間
の間隙に対応する格子状パターンの遮光膜5がCr (ク
ロム)等の金属膜によって形成されており、上記画素電
極3およびTFT4は、前記遮光膜5を覆う透明な絶縁
膜6の上に設けられている。
【0006】また、図では上記TFT4を簡略化して示
しているが、このTFT4は、上記絶縁膜6の上に形成
されたゲート電極と、このゲート電極を覆うゲート絶縁
膜と、このゲート絶縁膜の上に前記ゲート電極と対向さ
せて形成されたi型半導体膜と、このi型半導体膜の両
側部の上にn型半導体膜を介して形成されたソース電極
およびドレイン電極とからなっている。
しているが、このTFT4は、上記絶縁膜6の上に形成
されたゲート電極と、このゲート電極を覆うゲート絶縁
膜と、このゲート絶縁膜の上に前記ゲート電極と対向さ
せて形成されたi型半導体膜と、このi型半導体膜の両
側部の上にn型半導体膜を介して形成されたソース電極
およびドレイン電極とからなっている。
【0007】さらに、図では省略しているが、表側基板
1には、各行のTFT4にゲート信号を供給するゲート
ラインと、各列のTFT4にデータ信号を供給するデー
タラインとが設けられている。
1には、各行のTFT4にゲート信号を供給するゲート
ラインと、各列のTFT4にデータ信号を供給するデー
タラインとが設けられている。
【0008】上記ゲートラインは、上記絶縁膜6の上に
配線されており、上記TFT4のゲート電極は前記ゲー
トラインに一体に形成されている。また、TFT4のゲ
ート絶縁膜(透明膜)は、基板1のほぼ全面にわたって
形成されており、上記データラインは、前記ゲート絶縁
膜の上に配線されてTFT4のドレイン電極に接続さ
れ、画素電極3はゲート絶縁膜の上に形成されてTFT
4のソース電極に接続されている。なお、この画素電極
3と、裏側基板2に設けられた対向電極7は、ITO等
からなる透明導電膜で形成されている。
配線されており、上記TFT4のゲート電極は前記ゲー
トラインに一体に形成されている。また、TFT4のゲ
ート絶縁膜(透明膜)は、基板1のほぼ全面にわたって
形成されており、上記データラインは、前記ゲート絶縁
膜の上に配線されてTFT4のドレイン電極に接続さ
れ、画素電極3はゲート絶縁膜の上に形成されてTFT
4のソース電極に接続されている。なお、この画素電極
3と、裏側基板2に設けられた対向電極7は、ITO等
からなる透明導電膜で形成されている。
【0009】また、両基板1,2の電極形成面上にはそ
れぞれ水平配向膜8,9が設けられている。この配向膜
8,9は、ポリイミド系配向材等の水平配向材で形成さ
れており、その膜面にはラビングによる配向処理が施さ
れている。これら配向膜8,9の配向処理方向(ラビン
グ方向)は互いに所定角度(TNモードではほぼ90
°、STNモードでは180〜270°)ずれている。
れぞれ水平配向膜8,9が設けられている。この配向膜
8,9は、ポリイミド系配向材等の水平配向材で形成さ
れており、その膜面にはラビングによる配向処理が施さ
れている。これら配向膜8,9の配向処理方向(ラビン
グ方向)は互いに所定角度(TNモードではほぼ90
°、STNモードでは180〜270°)ずれている。
【0010】そして、両基板1,2は、その電極形成面
を互いに対向させた状態で図示しない枠状のシール材を
介して接合されており、この両基板1,2間の間隙に、
誘電異方性が正のネマティック液晶10が挟持されてい
る。
を互いに対向させた状態で図示しない枠状のシール材を
介して接合されており、この両基板1,2間の間隙に、
誘電異方性が正のネマティック液晶10が挟持されてい
る。
【0011】このネマティック液晶10には、左旋性ま
たは右旋性の光学活性物質(例えばカイラル液晶)が添
加されており、この液晶10の分子10aは、両基板
1,2側においてその配向膜8,9面に対しあるプレチ
ルト角をもってその配向処理方向に配向され、両基板
1,2間においてツイスト配向している。
たは右旋性の光学活性物質(例えばカイラル液晶)が添
加されており、この液晶10の分子10aは、両基板
1,2側においてその配向膜8,9面に対しあるプレチ
ルト角をもってその配向処理方向に配向され、両基板
1,2間においてツイスト配向している。
【0012】なお、図5では、両基板1,2側での液晶
分子10aのプレチルト状態を分かりやすくするため
に、全ての液晶分子10aを紙面に沿う方向に分子長軸
が向いている状態で示したが、液晶分子10aは、基板
1,2面に対してプレチルトした状態で左回りまたは右
回りにツイスト配向している。
分子10aのプレチルト状態を分かりやすくするため
に、全ての液晶分子10aを紙面に沿う方向に分子長軸
が向いている状態で示したが、液晶分子10aは、基板
1,2面に対してプレチルトした状態で左回りまたは右
回りにツイスト配向している。
【0013】上記液晶表示素子は、その両面(両基板
1,2の外面)に配置された一対の偏光板11,12と
の組合わせにより光の透過を制御して画像を表示するも
ので、液晶表示素子への入射光は、一方の偏光板、例え
ば裏面側の偏光板12により直線偏光されて液晶層に入
射し、この液晶層を透過する過程で複屈折作用を受け、
その光のうち、表面側の偏光板11を透過する偏光成分
の光がこの偏光板11を透過して出射する。
1,2の外面)に配置された一対の偏光板11,12と
の組合わせにより光の透過を制御して画像を表示するも
ので、液晶表示素子への入射光は、一方の偏光板、例え
ば裏面側の偏光板12により直線偏光されて液晶層に入
射し、この液晶層を透過する過程で複屈折作用を受け、
その光のうち、表面側の偏光板11を透過する偏光成分
の光がこの偏光板11を透過して出射する。
【0014】そして、液晶層の液晶分子10aは、電極
3,7間に印加される電圧に応じて図6に示すように立
上り配向するが、液晶分子10aの配向状態が変化する
と、それに応じて液晶層での光の複屈折作用が変化する
ため、電極3,7間への印加電圧を制御して液晶分子1
0aの配向状態を変化させることにより、各画素部Dの
光の透過を制御して画像を表示することができる。
3,7間に印加される電圧に応じて図6に示すように立
上り配向するが、液晶分子10aの配向状態が変化する
と、それに応じて液晶層での光の複屈折作用が変化する
ため、電極3,7間への印加電圧を制御して液晶分子1
0aの配向状態を変化させることにより、各画素部Dの
光の透過を制御して画像を表示することができる。
【0015】なお、上記液晶表示素子には、バックライ
トからの光を利用して表示する透過型のものと、外光
(自然光または室内照明光)を利用して表示する反射型
のものとがあり、反射型の液晶表示素子は、その裏面
(いずれか一方の基板の偏光板の外面)に反射板を配置
した構成とされている。
トからの光を利用して表示する透過型のものと、外光
(自然光または室内照明光)を利用して表示する反射型
のものとがあり、反射型の液晶表示素子は、その裏面
(いずれか一方の基板の偏光板の外面)に反射板を配置
した構成とされている。
【0016】ところで、TNモードやSTNモードのよ
うな液晶分子をツイスト配向させている液晶表示素子
は、視野角が狭いという問題をもっている。これは、液
晶表示素子のΔn・d(液晶の屈折率異方性Δnと液晶
層厚Dとの積)のが視角(表示の観察角)によって見か
け上変化するためであり、したがって、電極3,7間へ
の印加電圧が同じであっても、つまり基板1,2面に対
する液晶分子10aの立上がり角が同じであっても、光
の透過率は視角によって異なるから、上記液晶表示素子
の電圧−透過率特性には視角依存性がある。
うな液晶分子をツイスト配向させている液晶表示素子
は、視野角が狭いという問題をもっている。これは、液
晶表示素子のΔn・d(液晶の屈折率異方性Δnと液晶
層厚Dとの積)のが視角(表示の観察角)によって見か
け上変化するためであり、したがって、電極3,7間へ
の印加電圧が同じであっても、つまり基板1,2面に対
する液晶分子10aの立上がり角が同じであっても、光
の透過率は視角によって異なるから、上記液晶表示素子
の電圧−透過率特性には視角依存性がある。
【0017】そして、この視角依存性は、電極3,7間
への印加電圧が、液晶10のしきい値電圧Vth以下、あ
るいは液晶分子10aが基板1,2面に対してほぼ垂直
に近い状態まで立上がり配向する電圧Va 以上であると
きは比較的小さいが、VthとVa の間の値の電圧では視
角依存性が大きくなるため、明るさに階調をもたせた階
調表示を行なわせると、中間調の表示の明るさが視角に
よって大きく変化し、極端なコントラスト低下や階調の
反転等を生じてしまう。
への印加電圧が、液晶10のしきい値電圧Vth以下、あ
るいは液晶分子10aが基板1,2面に対してほぼ垂直
に近い状態まで立上がり配向する電圧Va 以上であると
きは比較的小さいが、VthとVa の間の値の電圧では視
角依存性が大きくなるため、明るさに階調をもたせた階
調表示を行なわせると、中間調の表示の明るさが視角に
よって大きく変化し、極端なコントラスト低下や階調の
反転等を生じてしまう。
【0018】このため、従来の液晶表示素子は、その表
示を良好な品位の画像として観察できる視角の範囲が限
られ、したがって視野角が狭いという問題をもってい
る。そこで従来から、上記液晶表示素子の視野角を改善
する手段として、配向制御方式と、電圧制御方式とが提
案されている。
示を良好な品位の画像として観察できる視角の範囲が限
られ、したがって視野角が狭いという問題をもってい
る。そこで従来から、上記液晶表示素子の視野角を改善
する手段として、配向制御方式と、電圧制御方式とが提
案されている。
【0019】上記配向制御方式は、液晶表示素子の一方
または両方の基板に液晶分子を部分的に異なるプレチル
ト角で配向させる配向処理を施すことにより、液晶分子
の初期配向状態を画素部の各部において異ならせておい
て、電極間に電圧を印加したときの液晶分子の立上がり
角を、画素部の各部において異ならせるようにしたもの
である。
または両方の基板に液晶分子を部分的に異なるプレチル
ト角で配向させる配向処理を施すことにより、液晶分子
の初期配向状態を画素部の各部において異ならせておい
て、電極間に電圧を印加したときの液晶分子の立上がり
角を、画素部の各部において異ならせるようにしたもの
である。
【0020】また、上記電圧制御方式は、液晶表示素子
の一方の基板の電極を各画素部ごとに複数の電極に分割
し、これら各分割電極と他方の基板の電極との間にそれ
ぞれ異なる電圧値の駆動電圧を印加することにより、液
晶に印加する電界の強さを部分的に変えて、液晶分子の
立上がり角を画素部の各部において異ならせるようにし
たものである。
の一方の基板の電極を各画素部ごとに複数の電極に分割
し、これら各分割電極と他方の基板の電極との間にそれ
ぞれ異なる電圧値の駆動電圧を印加することにより、液
晶に印加する電界の強さを部分的に変えて、液晶分子の
立上がり角を画素部の各部において異ならせるようにし
たものである。
【0021】すなわち、上記配向制御方式および電圧制
御方式は、液晶分子の立上がり配向状態を部分的に変え
ることによって、視角による見かけ上のΔn・dの変化
を画素部の各部において異ならせたものであり、このよ
うにすれば、視角が変化しても画素部全体での平均的な
Δn・dの値はあまり変化しないから、電圧−透過率特
性の視角依存性が軽減されて、視野角が広くなる。
御方式は、液晶分子の立上がり配向状態を部分的に変え
ることによって、視角による見かけ上のΔn・dの変化
を画素部の各部において異ならせたものであり、このよ
うにすれば、視角が変化しても画素部全体での平均的な
Δn・dの値はあまり変化しないから、電圧−透過率特
性の視角依存性が軽減されて、視野角が広くなる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記配向制御
方式は、液晶表示素子の基板に液晶分子を部分的に異な
るプレチルト角で配向させるための配向処理が困難であ
り、したがって、実用化が難しいという問題をもってい
る。
方式は、液晶表示素子の基板に液晶分子を部分的に異な
るプレチルト角で配向させるための配向処理が困難であ
り、したがって、実用化が難しいという問題をもってい
る。
【0023】一方、上記電圧制御方式では、配向処理が
通常の処理でよく、また分割電極も現在のフォトリソグ
ラフィ技術で形成できるため、実用化が十分可能であ
る。しかしながら、この電圧制御方式では、各分割電極
にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給しなければな
らないため、液晶表示素子の駆動制御が複雑になってし
まう。
通常の処理でよく、また分割電極も現在のフォトリソグ
ラフィ技術で形成できるため、実用化が十分可能であ
る。しかしながら、この電圧制御方式では、各分割電極
にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給しなければな
らないため、液晶表示素子の駆動制御が複雑になってし
まう。
【0024】この発明の目的は、従来考えられている電
圧制御方式のように電極を分割してその各分割電極にそ
れぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給することなく、液
晶分子の立上り配向状態を各画素部内において部分的に
異ならせて視野角を改善することができる、広視野角で
かつ表示駆動が簡単な液晶表示素子を提供するととも
に、あわせてその製造方法を提供することにある。
圧制御方式のように電極を分割してその各分割電極にそ
れぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給することなく、液
晶分子の立上り配向状態を各画素部内において部分的に
異ならせて視野角を改善することができる、広視野角で
かつ表示駆動が簡単な液晶表示素子を提供するととも
に、あわせてその製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示素子
は、少なくとも一方の基板の電極の上に、各画素部にそ
れぞれ部分的に対応させて、感光性有機物で形成された
電界調整層を設け、その上に配向膜を設けたことを特徴
とするものである。
は、少なくとも一方の基板の電極の上に、各画素部にそ
れぞれ部分的に対応させて、感光性有機物で形成された
電界調整層を設け、その上に配向膜を設けたことを特徴
とするものである。
【0026】この発明の液晶表示素子において、前記電
界調整層は、その比抵抗と誘電率の少なくとも一方が配
向膜と異なっているまた、この発明の液晶表示素子の製
造方法は、少なくとも一方の基板の電極上に設ける前記
電界調整層を、感光性有機物を塗布し、その有機物膜を
所定パターンに露光および現像処理して形成することを
特徴とするものである。
界調整層は、その比抵抗と誘電率の少なくとも一方が配
向膜と異なっているまた、この発明の液晶表示素子の製
造方法は、少なくとも一方の基板の電極上に設ける前記
電界調整層を、感光性有機物を塗布し、その有機物膜を
所定パターンに露光および現像処理して形成することを
特徴とするものである。
【0027】
【作用】この発明の液晶表示素子においては、少なくと
も一方の基板の電極の上に、各画素部にそれぞれ部分的
に対応させて感光性有機物で形成された電界調整層を設
け、その上に配向膜を設けているため、各画素部の電極
間のインピーダンスが、電界調整層のある領域と、前記
電界調整層がない領域とで異なっており、したがって、
電極間に印加される電圧が画素部の全域において同じで
あっても、電界調整層のある領域の液晶と、電界調整層
がない領域の液晶とには、前記インピーダンスの差に応
じた異なる強さの電界が印加され、これらの領域の液晶
分子が異なる立上がり状態に配向する。
も一方の基板の電極の上に、各画素部にそれぞれ部分的
に対応させて感光性有機物で形成された電界調整層を設
け、その上に配向膜を設けているため、各画素部の電極
間のインピーダンスが、電界調整層のある領域と、前記
電界調整層がない領域とで異なっており、したがって、
電極間に印加される電圧が画素部の全域において同じで
あっても、電界調整層のある領域の液晶と、電界調整層
がない領域の液晶とには、前記インピーダンスの差に応
じた異なる強さの電界が印加され、これらの領域の液晶
分子が異なる立上がり状態に配向する。
【0028】このため、この液晶表示素子によれば、従
来考えられている電圧制御方式のように電極を分割して
その各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供
給することなく、液晶分子の立上り配向状態を各画素部
内において部分的に異ならせて視野角を改善し、広い視
野角が得ることができる。
来考えられている電圧制御方式のように電極を分割して
その各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供
給することなく、液晶分子の立上り配向状態を各画素部
内において部分的に異ならせて視野角を改善し、広い視
野角が得ることができる。
【0029】そして、この液晶表示素子は、前記電圧制
御方式のように各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆
動信号を供給する必要がないため、その表示駆動を簡単
に行なうことができる。
御方式のように各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆
動信号を供給する必要がないため、その表示駆動を簡単
に行なうことができる。
【0030】また、この発明の液晶表示素子の製造方法
は、前記電界調整層を、感光性有機物を塗布してその有
機物膜を所定パターンに露光および現像処理して形成す
るものであるから、電界調整層を少ない工程数で容易に
かつ高精度に形成することができる。
は、前記電界調整層を、感光性有機物を塗布してその有
機物膜を所定パターンに露光および現像処理して形成す
るものであるから、電界調整層を少ない工程数で容易に
かつ高精度に形成することができる。
【0031】
【実施例】以下、この発明をTFTをアクティブ素子と
するアクティブマトリックス型の液晶表示素子に適用し
た一実施例を図1〜図3を参照して説明する。まず、液
晶表示素子の構成を説明すると、図1は液晶表示素子の
一部分の断面図であり、図2はその電界印加時の液晶分
子配向状態を示している。なお、図1および図2におい
て、図5および図6に示した従来の液晶表示素子に対応
するものには同符号を付し、従来の液晶表示素子と同一
のものについてはその説明を省略する。
するアクティブマトリックス型の液晶表示素子に適用し
た一実施例を図1〜図3を参照して説明する。まず、液
晶表示素子の構成を説明すると、図1は液晶表示素子の
一部分の断面図であり、図2はその電界印加時の液晶分
子配向状態を示している。なお、図1および図2におい
て、図5および図6に示した従来の液晶表示素子に対応
するものには同符号を付し、従来の液晶表示素子と同一
のものについてはその説明を省略する。
【0032】この実施例の液晶表示素子は反射型のもの
であり、その表側基板(図において上側の基板)1の内
面には、遮光膜(ブラックマトリックス)5と、この遮
光膜5を覆う透明な絶縁膜6と、画素電極3およびTF
T4と、配向膜8とが設けられている。なお、前記表側
基板1は、図5および図6に示した従来の液晶表示素子
の表側基板1と同じ構成のものである。
であり、その表側基板(図において上側の基板)1の内
面には、遮光膜(ブラックマトリックス)5と、この遮
光膜5を覆う透明な絶縁膜6と、画素電極3およびTF
T4と、配向膜8とが設けられている。なお、前記表側
基板1は、図5および図6に示した従来の液晶表示素子
の表側基板1と同じ構成のものである。
【0033】一方、裏側基板(図において下側の基板)
2の内面には、表側基板1に設けた全ての画素電極3に
対向する1枚膜状の対向電極7aが設けられるととも
に、その上に配向膜9が設けられている。
2の内面には、表側基板1に設けた全ての画素電極3に
対向する1枚膜状の対向電極7aが設けられるととも
に、その上に配向膜9が設けられている。
【0034】そして、この実施例では、前記対向電極7
aを、Al (アルミニウム)またはAl 系合金等からな
る光反射率の高い金属膜で形成し、この対向電極7aに
反射膜を兼ねさせている。
aを、Al (アルミニウム)またはAl 系合金等からな
る光反射率の高い金属膜で形成し、この対向電極7aに
反射膜を兼ねさせている。
【0035】さらに、この液晶表示素子では、上記裏側
基板2の内面に設けた対向電極7aの上に、各画素部D
にそれぞれ部分的に対応させて、透明な有機物膜からな
る電界調整層13を設け、その上に配向膜9を設けてい
る。なお、前記画素部Dは、1つ1つの画素電極3に対
応する領域であり、この画素部Dの面積は遮光膜5によ
って規制されている。
基板2の内面に設けた対向電極7aの上に、各画素部D
にそれぞれ部分的に対応させて、透明な有機物膜からな
る電界調整層13を設け、その上に配向膜9を設けてい
る。なお、前記画素部Dは、1つ1つの画素電極3に対
応する領域であり、この画素部Dの面積は遮光膜5によ
って規制されている。
【0036】上記電界調整層13は、その上の配向膜
(例えばポリイミド系配向膜)9とは比抵抗と誘電率の
少なくとも一方が異なる感光性有機物、例えば、硬化状
態での比抵抗と誘電率の両方が前記配向膜5より大きい
アクリル系の感光性樹脂によって形成されている。
(例えばポリイミド系配向膜)9とは比抵抗と誘電率の
少なくとも一方が異なる感光性有機物、例えば、硬化状
態での比抵抗と誘電率の両方が前記配向膜5より大きい
アクリル系の感光性樹脂によって形成されている。
【0037】なお、この実施例では、各画素部Dをそれ
ぞれ図において左右にほぼ二等分した2つの領域D1 ,
D2 に分け、その一方の領域D2 の全体に対応させて電
界調整層13を設けている。
ぞれ図において左右にほぼ二等分した2つの領域D1 ,
D2 に分け、その一方の領域D2 の全体に対応させて電
界調整層13を設けている。
【0038】そして、上記表側基板1と裏側基板2は、
その電極形成面を互いに対向させた状態で図示しない枠
状のシール材を介して接合されており、この両基板1,
2間の間隙に、左旋性または右旋性の光学活性物質(例
えばカイラル液晶)を添加した誘電異方性が正のネマテ
ィック液晶10が挟持されている。
その電極形成面を互いに対向させた状態で図示しない枠
状のシール材を介して接合されており、この両基板1,
2間の間隙に、左旋性または右旋性の光学活性物質(例
えばカイラル液晶)を添加した誘電異方性が正のネマテ
ィック液晶10が挟持されている。
【0039】なお、図1では、両基板1,2側での液晶
分子10aのプレチルト状態を分かりやすくするため
に、全ての液晶分子10aを紙面に沿う方向に分子長軸
が向いている状態で示したが、液晶分子10aは、基板
1,2面に対しプレチルトした状態で左回りまたは右回
りにツイスト配向している。
分子10aのプレチルト状態を分かりやすくするため
に、全ての液晶分子10aを紙面に沿う方向に分子長軸
が向いている状態で示したが、液晶分子10aは、基板
1,2面に対しプレチルトした状態で左回りまたは右回
りにツイスト配向している。
【0040】また、この液晶表示素子では、その表側基
板1の外面だけに1枚の偏光板11を配置して、この偏
光板11に、液晶表示素子への入射光(外光)を直線偏
光させるための偏光子と、液晶層を通った光のうちの所
定の偏光成分の光を透過させるための検光子との両方の
機能をもたせている。
板1の外面だけに1枚の偏光板11を配置して、この偏
光板11に、液晶表示素子への入射光(外光)を直線偏
光させるための偏光子と、液晶層を通った光のうちの所
定の偏光成分の光を透過させるための検光子との両方の
機能をもたせている。
【0041】次に、上記液晶表示素子の製造方法を説明
すると、この液晶表示素子は、表側基板1に、遮光膜5
と、それを覆う透明な絶縁膜6と、TFT4および図示
しないゲートラインとデータラインと、画素電極3と、
配向膜8とを形成し、裏側基板2に、対向電極7aと、
電界調整層13と、配向膜9とを形成した後、前記表側
基板1と裏側基板2とを接合し、その間に液晶9を挟持
させて製造する。
すると、この液晶表示素子は、表側基板1に、遮光膜5
と、それを覆う透明な絶縁膜6と、TFT4および図示
しないゲートラインとデータラインと、画素電極3と、
配向膜8とを形成し、裏側基板2に、対向電極7aと、
電界調整層13と、配向膜9とを形成した後、前記表側
基板1と裏側基板2とを接合し、その間に液晶9を挟持
させて製造する。
【0042】なお、この製造方法において、表側基板1
への遮光膜5、絶縁膜6、TFT4およびゲート,デー
タライン、画素電極3、配向膜8の形成は、一般に知ら
れている方法で行なうから、その説明は省略する。
への遮光膜5、絶縁膜6、TFT4およびゲート,デー
タライン、画素電極3、配向膜8の形成は、一般に知ら
れている方法で行なうから、その説明は省略する。
【0043】一方、裏側基板2に設ける対向電極7a
は、基板2の上にAl またはAl 系合金等からなる金属
膜をスッパタ装置等により成膜し、この金属膜をフォト
リソグラフィ法によりパターニングして形成し、この対
向電極7aの上に設ける電界調整層13は、次のように
して形成する。
は、基板2の上にAl またはAl 系合金等からなる金属
膜をスッパタ装置等により成膜し、この金属膜をフォト
リソグラフィ法によりパターニングして形成し、この対
向電極7aの上に設ける電界調整層13は、次のように
して形成する。
【0044】図3は上記電界調整層13の形成工程を示
しており、(a)は感光性有機物膜の露光処理状態の断
面図、(b)はおよび電界調整層13を形成した状態の
断面図である。
しており、(a)は感光性有機物膜の露光処理状態の断
面図、(b)はおよび電界調整層13を形成した状態の
断面図である。
【0045】まず、上記裏側基板2の上に形成されてい
る対向電極7aの上にその全体にわたって、ネガ型の感
光性有機物の溶液、例えば上述したアクリル系感光性樹
脂の溶液を、ローラコート法、転写法、スピンコート法
等によって均一厚さに塗布し、その塗膜を乾燥させて、
図3の(a)のように、所望の膜厚(例えば2μm程
度)の感光性有機物膜13aを形成する。
る対向電極7aの上にその全体にわたって、ネガ型の感
光性有機物の溶液、例えば上述したアクリル系感光性樹
脂の溶液を、ローラコート法、転写法、スピンコート法
等によって均一厚さに塗布し、その塗膜を乾燥させて、
図3の(a)のように、所望の膜厚(例えば2μm程
度)の感光性有機物膜13aを形成する。
【0046】次に、図3の(a)に示したように、前記
感光性有機物膜13aを、露光マスク20を介して所定
のパターン、つまり、図1および図2に示した各画素部
Dの一方の領域D2 に対応するパターンに露光処理し、
この感光性有機物膜13aの露光部分を硬化させる。
感光性有機物膜13aを、露光マスク20を介して所定
のパターン、つまり、図1および図2に示した各画素部
Dの一方の領域D2 に対応するパターンに露光処理し、
この感光性有機物膜13aの露光部分を硬化させる。
【0047】この後は、前記有機物膜13aを現像処理
してその非露光部分を除去し、洗浄後、対向電極7a上
に残された有機物膜13aを焼成して、図3の(b)に
示した電界調整層13を形成する。なお、ここでは、対
向電極7a上に残された有機物膜13aを焼成している
が、この有機物膜13aの光による硬化状態が充分であ
れば、その焼成は省略してもよい。
してその非露光部分を除去し、洗浄後、対向電極7a上
に残された有機物膜13aを焼成して、図3の(b)に
示した電界調整層13を形成する。なお、ここでは、対
向電極7a上に残された有機物膜13aを焼成している
が、この有機物膜13aの光による硬化状態が充分であ
れば、その焼成は省略してもよい。
【0048】そして、裏側基板2の対向電極7aの上に
上記電界調整層13を形成した後は、その上に配向膜9
を一般に知られている方法で形成し、その後、表側基板
1と裏側基板2とをその電極形成面を互いに対向させて
図示しない枠状のシール材を介して接合し、この両基板
1,2間に液晶9を挟持させて液晶表示素子を完成す
る。
上記電界調整層13を形成した後は、その上に配向膜9
を一般に知られている方法で形成し、その後、表側基板
1と裏側基板2とをその電極形成面を互いに対向させて
図示しない枠状のシール材を介して接合し、この両基板
1,2間に液晶9を挟持させて液晶表示素子を完成す
る。
【0049】なお、液晶9は、両基板1,2を前記シー
ル材を介して接合した後に真空注入法によって基板1,
2間に充填してもよいし、両基板1,2を接合する前に
いずれかの基板上に適量供給しておいて、基板1,2の
接合により両基板1,2間に挟持させてもよい。
ル材を介して接合した後に真空注入法によって基板1,
2間に充填してもよいし、両基板1,2を接合する前に
いずれかの基板上に適量供給しておいて、基板1,2の
接合により両基板1,2間に挟持させてもよい。
【0050】この実施例の液晶表示素子は、その表面側
から入射する外光を裏側基板2の内面において反射膜を
兼ねる対向電極7aにより反射させて表示するものであ
り、液晶表示素子にその表面側から入射する外光は、表
側基板1の外面に配置されている偏光板11により直線
偏光されて液晶層に入射する。そして、この入射した光
は、液晶層を透過する過程でそのΔn・dの値に応じた
複屈折作用を受けるとともに、裏側基板2の内面におい
て対向電極7aで反射されて再び液晶層を透過し、その
光のうち、前記偏光板11を透過する偏光成分の光がこ
の偏光板11を透過して出射する。
から入射する外光を裏側基板2の内面において反射膜を
兼ねる対向電極7aにより反射させて表示するものであ
り、液晶表示素子にその表面側から入射する外光は、表
側基板1の外面に配置されている偏光板11により直線
偏光されて液晶層に入射する。そして、この入射した光
は、液晶層を透過する過程でそのΔn・dの値に応じた
複屈折作用を受けるとともに、裏側基板2の内面におい
て対向電極7aで反射されて再び液晶層を透過し、その
光のうち、前記偏光板11を透過する偏光成分の光がこ
の偏光板11を透過して出射する。
【0051】なお、この液晶表示素子においては、光が
液晶層を往復する過程で二度の複屈折作用を受けるが、
液晶分子10aのツイスト角を適当に選んでおけば、電
極3,7a間への印加電圧を制御して液晶分子10aの
配向状態を変化させることにより、両基板の外面にそれ
ぞれ偏光板をその透過軸を互いに平行にして配置してい
る通常の液晶表示素子と同様な表示を得ることができ
る。
液晶層を往復する過程で二度の複屈折作用を受けるが、
液晶分子10aのツイスト角を適当に選んでおけば、電
極3,7a間への印加電圧を制御して液晶分子10aの
配向状態を変化させることにより、両基板の外面にそれ
ぞれ偏光板をその透過軸を互いに平行にして配置してい
る通常の液晶表示素子と同様な表示を得ることができ
る。
【0052】そして、この液晶表示素子においては、そ
の下基板2側の対向電極7aの上に、各画素部Dにそれ
ぞれ部分的に対応させて感光性有機物で形成された電界
調整層13を設け、その上に配向膜9を設けているた
め、各画素部Dの電極3,7a間のインピーダンスが、
電界調整層13のある領域D2 と、前記電界調整層13
がない領域D1 とで異なっており、したがって、電極
3,7a間に印加される電圧が画素部Dの全域において
同じであっても、電界調整層13のある領域D2 の液晶
と、電界調整層13がない領域D1 の液晶とには、前記
インピーダンスの差に応じた異なる強さの電界が印加さ
れる。
の下基板2側の対向電極7aの上に、各画素部Dにそれ
ぞれ部分的に対応させて感光性有機物で形成された電界
調整層13を設け、その上に配向膜9を設けているた
め、各画素部Dの電極3,7a間のインピーダンスが、
電界調整層13のある領域D2 と、前記電界調整層13
がない領域D1 とで異なっており、したがって、電極
3,7a間に印加される電圧が画素部Dの全域において
同じであっても、電界調整層13のある領域D2 の液晶
と、電界調整層13がない領域D1 の液晶とには、前記
インピーダンスの差に応じた異なる強さの電界が印加さ
れる。
【0053】上記電極3,7a間のインピーダンスは、
電界調整層13がない領域D1 では両基板1,2の配向
膜8,9とその間の液晶10とのトータルのインピーダ
ンス、電界調整層13を設けた領域D2 では、配向膜
8,9とその間の液晶10および電界調整層13とのト
ータルのインピーダンスであり、この実施例では、電界
調整層13を比抵抗と誘電率との両方が配向膜9より大
きいアクリル系の感光性樹脂によって形成しているた
め、電界調整層13を設けている領域D2 の電極間イン
ピーダンスが、電界調整層13がない領域D1 のインピ
ーダンスより大きくなっている。
電界調整層13がない領域D1 では両基板1,2の配向
膜8,9とその間の液晶10とのトータルのインピーダ
ンス、電界調整層13を設けた領域D2 では、配向膜
8,9とその間の液晶10および電界調整層13とのト
ータルのインピーダンスであり、この実施例では、電界
調整層13を比抵抗と誘電率との両方が配向膜9より大
きいアクリル系の感光性樹脂によって形成しているた
め、電界調整層13を設けている領域D2 の電極間イン
ピーダンスが、電界調整層13がない領域D1 のインピ
ーダンスより大きくなっている。
【0054】したがって、同じ画素部D内でも、電界調
整層13がない領域D1 における液晶10への印加電界
の強さV1 と、電界調整層13のある領域D2 における
液晶10への印加電界の強さV2 とは、V1 >V2 とな
る。
整層13がない領域D1 における液晶10への印加電界
の強さV1 と、電界調整層13のある領域D2 における
液晶10への印加電界の強さV2 とは、V1 >V2 とな
る。
【0055】また、液晶分子10aは印加電界の強さに
応じた立上り角で立上り配向するため、電極3,7a間
に電界を印加したときの液晶分子10aの立上り角(基
板1,2面に対する角度)は、図2のように、画素部D
のうちの電界調整層13がない領域D1 では大きく、電
界調整層10のある領域D2 では小さい。
応じた立上り角で立上り配向するため、電極3,7a間
に電界を印加したときの液晶分子10aの立上り角(基
板1,2面に対する角度)は、図2のように、画素部D
のうちの電界調整層13がない領域D1 では大きく、電
界調整層10のある領域D2 では小さい。
【0056】すなわち、上記液晶表示素子においては、
電極3,7a間に印加される電圧が画素部Dの全域にお
いて同じであっても、電界調整層13のある領域D2 の
液晶10と、電界調整層13がない領域D2 の液晶とに
は、前記インピーダンスの差に応じた異なる強さの電界
が印加され、これらの領域の液晶分子10aが異なる立
上がり状態に配向する。
電極3,7a間に印加される電圧が画素部Dの全域にお
いて同じであっても、電界調整層13のある領域D2 の
液晶10と、電界調整層13がない領域D2 の液晶とに
は、前記インピーダンスの差に応じた異なる強さの電界
が印加され、これらの領域の液晶分子10aが異なる立
上がり状態に配向する。
【0057】このため、上記液晶表示素子は、電極3,
7a間に電圧を印加したときの液晶分子10aの立上り
配向状態が画素部Dの各領域D1 ,D2 において異な
り、したがって、視角による見かけ上のΔn・dの値の
変化、つまり電圧−透過率特性の視角依存性が各領域D
1 ,D2 で異なる。
7a間に電圧を印加したときの液晶分子10aの立上り
配向状態が画素部Dの各領域D1 ,D2 において異な
り、したがって、視角による見かけ上のΔn・dの値の
変化、つまり電圧−透過率特性の視角依存性が各領域D
1 ,D2 で異なる。
【0058】そして、上記液晶表示素子は、1つの画素
部D内に、電圧−透過率特性の視角依存性が異なる2つ
の領域D1 ,D2 が存在するため、画素部全体での見か
け上の視角依存性が軽減され、したがって、階調表示に
おける中間調の表示の際にも広い視野角が得られる。
部D内に、電圧−透過率特性の視角依存性が異なる2つ
の領域D1 ,D2 が存在するため、画素部全体での見か
け上の視角依存性が軽減され、したがって、階調表示に
おける中間調の表示の際にも広い視野角が得られる。
【0059】なお、液晶表示素子の画素の大きさ(面
積)は、通常の観察距離からは人間の目では1つ1つの
画素を認識することができない極く小さい大きさであ
り、例えばパーソナルコンピュータ等のOA機器用のも
のでも画素幅が100μm〜200μm程度であるた
め、各領域D1 ,D2 は人間の目の分解能では認識でき
ず、したがって、画素は、各領域D1 ,D2 の出射光の
強度を平均した明るさの画素として認識される。
積)は、通常の観察距離からは人間の目では1つ1つの
画素を認識することができない極く小さい大きさであ
り、例えばパーソナルコンピュータ等のOA機器用のも
のでも画素幅が100μm〜200μm程度であるた
め、各領域D1 ,D2 は人間の目の分解能では認識でき
ず、したがって、画素は、各領域D1 ,D2 の出射光の
強度を平均した明るさの画素として認識される。
【0060】このように、上記液晶表示素子によれば、
従来考えられている電圧制御方式のように電極を分割し
てその各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を
供給することなく、液晶分子10aの立上り配向状態を
各画素部D内において部分的に異ならせて視野角を改善
し、広い視野角が得ることができる。
従来考えられている電圧制御方式のように電極を分割し
てその各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を
供給することなく、液晶分子10aの立上り配向状態を
各画素部D内において部分的に異ならせて視野角を改善
し、広い視野角が得ることができる。
【0061】なお、この実施例では、上記電界調整層1
3をアクリル系感光性樹脂で形成しているが、このアク
リル系感光性樹脂で形成された電界調整層13は、その
厚さが2μm程度であれば光の透過率はほぼ100%に
近いから、電界調整層13を設けても表示画像の画質が
悪くなることはない。
3をアクリル系感光性樹脂で形成しているが、このアク
リル系感光性樹脂で形成された電界調整層13は、その
厚さが2μm程度であれば光の透過率はほぼ100%に
近いから、電界調整層13を設けても表示画像の画質が
悪くなることはない。
【0062】そして、上記液晶表示素子は、一方の基板
2の電極7aの上に、比抵抗と誘電率が配向膜9とは異
なる電界調整層13を部分的に設けることにより、各画
素部Dの電極3,7a間のインピーダンスを部分的に異
ならせて、液晶10に前記インピーダンスの差に応じた
異なる強さの電界が印加されるようにしたものであるか
ら、従来考えられている電圧制御方式のように電極を分
割して各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を
供給しなくても、液晶10に印加する電界の強さを部分
的に変えて視野角を改善することができ、したがって、
前記電圧制御方式のように各分割電極にそれぞれ異なる
電圧値の駆動信号を供給する必要がないため、表示駆動
を簡単に行なうことができる。
2の電極7aの上に、比抵抗と誘電率が配向膜9とは異
なる電界調整層13を部分的に設けることにより、各画
素部Dの電極3,7a間のインピーダンスを部分的に異
ならせて、液晶10に前記インピーダンスの差に応じた
異なる強さの電界が印加されるようにしたものであるか
ら、従来考えられている電圧制御方式のように電極を分
割して各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を
供給しなくても、液晶10に印加する電界の強さを部分
的に変えて視野角を改善することができ、したがって、
前記電圧制御方式のように各分割電極にそれぞれ異なる
電圧値の駆動信号を供給する必要がないため、表示駆動
を簡単に行なうことができる。
【0063】しかも、上記液晶表示素子では、裏側基板
2の内面に設けた対向電極7aの上に、各画素部Dにそ
れぞれ部分的に対応させて電界調整層13を設け、その
上に配向膜9を設けているため、裏側基板2側の配向膜
9の膜面を図1のような電界調整層13上の部分が盛り
上がった凹凸のある面として、各画素部Dの液晶層厚d
1 ,d2 に差をもたせることができ、したがって、領域
D1 の初期のΔn・d(Δn・d1 )の値と、領域D2
の初期のΔn・d(Δn・d2 )の値とを異ならせて、
画素部全体での視角依存性をより効果的に軽減すること
ができる。
2の内面に設けた対向電極7aの上に、各画素部Dにそ
れぞれ部分的に対応させて電界調整層13を設け、その
上に配向膜9を設けているため、裏側基板2側の配向膜
9の膜面を図1のような電界調整層13上の部分が盛り
上がった凹凸のある面として、各画素部Dの液晶層厚d
1 ,d2 に差をもたせることができ、したがって、領域
D1 の初期のΔn・d(Δn・d1 )の値と、領域D2
の初期のΔn・d(Δn・d2 )の値とを異ならせて、
画素部全体での視角依存性をより効果的に軽減すること
ができる。
【0064】また、上記液晶表示素子は、裏側基板2の
内面に設ける対向電極7aをAl またはAl 系合金等の
金属膜で形成してこの対向電極7aに反射膜を兼ねさせ
るとともに、表側基板1の外面だけに1枚の偏光板11
を配置して、この偏光板11に偏光子と検光子との両方
の機能をもたせたものであるため、表裏両面にそれぞれ
偏光板を配置している液晶表示素子に比べて偏光板によ
る光吸収が少なく、したがって、光のロスを少なくして
表示をより明るくすることができる。
内面に設ける対向電極7aをAl またはAl 系合金等の
金属膜で形成してこの対向電極7aに反射膜を兼ねさせ
るとともに、表側基板1の外面だけに1枚の偏光板11
を配置して、この偏光板11に偏光子と検光子との両方
の機能をもたせたものであるため、表裏両面にそれぞれ
偏光板を配置している液晶表示素子に比べて偏光板によ
る光吸収が少なく、したがって、光のロスを少なくして
表示をより明るくすることができる。
【0065】さらに、上記液晶表示素子は、上記電界調
整層13を、アクリル系感光性樹脂等の感光性有機物で
形成しているため、この電界調整層13を、上述した製
造方法のように、感光性有機物を塗布し、その有機物膜
を所定パターンに露光および現像処理することによって
形成することができ、したがって、前記電界調整層13
を、少ない工程数で容易に、かつ高精度に形成すること
ができる。
整層13を、アクリル系感光性樹脂等の感光性有機物で
形成しているため、この電界調整層13を、上述した製
造方法のように、感光性有機物を塗布し、その有機物膜
を所定パターンに露光および現像処理することによって
形成することができ、したがって、前記電界調整層13
を、少ない工程数で容易に、かつ高精度に形成すること
ができる。
【0066】すなわち、上記電界調整層13は、例えば
Si O2 (酸化硅素)を主成分とする透明絶縁物によっ
ても形成することができ、その形成方法としては、(1)
Si O2 を主成分とする液状物質を電極上に部分的に印
刷し、その印刷膜を焼成して電界調整層を形成する方
法、(2) Si O2 を主成分とする液状物質をスプレーガ
ン等により噴霧してその液滴を電極上に付着させ、この
付着物を焼成して電界調整層を形成する方法、(1) Si
O2 を主成分とする絶縁物膜をプラズマCVD装置等に
よって電極上に成膜し、その膜をフォトリソグラフィ法
によりパターニングして電界調整層を形成する方法、が
考えられる。
Si O2 (酸化硅素)を主成分とする透明絶縁物によっ
ても形成することができ、その形成方法としては、(1)
Si O2 を主成分とする液状物質を電極上に部分的に印
刷し、その印刷膜を焼成して電界調整層を形成する方
法、(2) Si O2 を主成分とする液状物質をスプレーガ
ン等により噴霧してその液滴を電極上に付着させ、この
付着物を焼成して電界調整層を形成する方法、(1) Si
O2 を主成分とする絶縁物膜をプラズマCVD装置等に
よって電極上に成膜し、その膜をフォトリソグラフィ法
によりパターニングして電界調整層を形成する方法、が
考えられる。
【0067】しかし、上記 (1)の方法は、電界調整層の
形成工程は少ないが、極く小さい画素面積内の限られた
領域に上記液状物質を印刷することは非常に高度な印刷
技術を必要とするため、電界調整層を容易に形成できる
とはいえない。
形成工程は少ないが、極く小さい画素面積内の限られた
領域に上記液状物質を印刷することは非常に高度な印刷
技術を必要とするため、電界調整層を容易に形成できる
とはいえない。
【0068】(2)の方法は、電界調整層を少ない工程数
でしかも容易に形成できるが、電極上に付着する液滴の
大きさの制御が難しく、またその付着箇所も一定しない
ため、所望の面積および形状の電界調整層を精度よく形
成することができない。
でしかも容易に形成できるが、電極上に付着する液滴の
大きさの制御が難しく、またその付着箇所も一定しない
ため、所望の面積および形状の電界調整層を精度よく形
成することができない。
【0069】(3)の方法は、絶縁物膜の成膜にプラズマ
CVD装置等を必要とするだけでなく、そのパターニン
グを、前記絶縁物膜の上にフォトレジストを塗布して乾
燥し、そのフォトレジスト膜を露光および現像処理して
エッチングマスクを形成した後、前記絶縁物膜をエッチ
ングする方法で行なわなければならず、したがって、電
界調整層の形成工程数が多いし、また、フォトレジスト
膜の露光および現像処理によって形成されるエッチング
マスクの寸法精度は高いが、前記絶縁物膜をエッチング
する際のサイドエッチング量の制御が難しいため、形成
された電界調整層の寸法精度にもある程度の誤差があ
る。
CVD装置等を必要とするだけでなく、そのパターニン
グを、前記絶縁物膜の上にフォトレジストを塗布して乾
燥し、そのフォトレジスト膜を露光および現像処理して
エッチングマスクを形成した後、前記絶縁物膜をエッチ
ングする方法で行なわなければならず、したがって、電
界調整層の形成工程数が多いし、また、フォトレジスト
膜の露光および現像処理によって形成されるエッチング
マスクの寸法精度は高いが、前記絶縁物膜をエッチング
する際のサイドエッチング量の制御が難しいため、形成
された電界調整層の寸法精度にもある程度の誤差があ
る。
【0070】この点、上記液晶表示素子は、電界調整層
13を感光性有機物で形成しているため、感光性有機物
を塗布して所定パターンに露光および現像処理すること
により、少ない工程数で容易に電界調整層13を形成す
ることができるし、また50μm四方程度の極く小さい
大きさまで電界調整層13を高い寸法精度で形成するこ
とができるため、画素幅が100μm〜200μm程度
の画素面積内の限られた領域に電界調整層13を形成す
るのに有利である。
13を感光性有機物で形成しているため、感光性有機物
を塗布して所定パターンに露光および現像処理すること
により、少ない工程数で容易に電界調整層13を形成す
ることができるし、また50μm四方程度の極く小さい
大きさまで電界調整層13を高い寸法精度で形成するこ
とができるため、画素幅が100μm〜200μm程度
の画素面積内の限られた領域に電界調整層13を形成す
るのに有利である。
【0071】しかも、上記実施例の液晶表示素子は、裏
側基板2の内面に設ける対向電極7aをAl またはAl
系合金等の金属膜で形成してこの対向電極7aに反射膜
を兼ねさせたものであるため、その上に設ける電界調整
層13を上記 (3)の方法で形成すると、Si O2 を主成
分とする絶縁物膜のエッチング時に対向電極7がエッチ
ングされてダメージを受けるが、電界調整層13を感光
性有機物で形成すれば、その形成時に対向電極7にダメ
ージを与えることはない。
側基板2の内面に設ける対向電極7aをAl またはAl
系合金等の金属膜で形成してこの対向電極7aに反射膜
を兼ねさせたものであるため、その上に設ける電界調整
層13を上記 (3)の方法で形成すると、Si O2 を主成
分とする絶縁物膜のエッチング時に対向電極7がエッチ
ングされてダメージを受けるが、電界調整層13を感光
性有機物で形成すれば、その形成時に対向電極7にダメ
ージを与えることはない。
【0072】なお、上記実施例では、裏側基板2側に電
界調整層13を設けているが、この電界調整層13は、
表側基板1の画素電極3の上に設けてもよいし、両方の
基板1,2の電極3,7aの上にそれぞれ設けてもよ
い。
界調整層13を設けているが、この電界調整層13は、
表側基板1の画素電極3の上に設けてもよいし、両方の
基板1,2の電極3,7aの上にそれぞれ設けてもよ
い。
【0073】また、上記実施例では、表側基板1に画素
電極3とTFT4を設け、裏側基板2に対向電極7aを
設けているが、これと逆に、裏側基板に画素電極とTF
Tを設け、表側基板に対向電極を設けてもよく、その場
合は対向電極をITO等からなる透明電極とし、画素電
極を金属膜で形成してこの画素電極に反射膜を兼ねさせ
ればよい。
電極3とTFT4を設け、裏側基板2に対向電極7aを
設けているが、これと逆に、裏側基板に画素電極とTF
Tを設け、表側基板に対向電極を設けてもよく、その場
合は対向電極をITO等からなる透明電極とし、画素電
極を金属膜で形成してこの画素電極に反射膜を兼ねさせ
ればよい。
【0074】さらに、上記実施例の液晶表示素子は、裏
側基板2側の電極7aに反射膜を兼ねさせて、表側基板
1の外面だけに1枚の偏光板11を配置したものである
が、この発明は、両基板に設ける電極をそれぞれ透明電
極とし、両基板の外面にそれぞれ偏光板を配置した液晶
表示素子にも適用できるし、また反射型に限らず、透過
型の液晶表示素子にも適用することができる。
側基板2側の電極7aに反射膜を兼ねさせて、表側基板
1の外面だけに1枚の偏光板11を配置したものである
が、この発明は、両基板に設ける電極をそれぞれ透明電
極とし、両基板の外面にそれぞれ偏光板を配置した液晶
表示素子にも適用できるし、また反射型に限らず、透過
型の液晶表示素子にも適用することができる。
【0075】図4はこの発明の他の実施例を示す液晶表
示素子の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表示
素子は、多色カラー画像を表示する透過型のアクティブ
マトリックス液晶表示素子である。
示素子の一部分の断面図であり、この実施例の液晶表示
素子は、多色カラー画像を表示する透過型のアクティブ
マトリックス液晶表示素子である。
【0076】この液晶表示素子は、表側基板1の内面
に、遮光膜(ブラックマトリックス)5と、複数の色の
カラーフィルタ、例えば赤色フィルタ14Rと緑色フィ
ルタ14Rと青色フィルタ14Bとを設け、これらカラ
ーフィルタ14R,14G,14Bを覆う透明な保護膜
15の上に形成した透明な対向電極7bの上に、各画素
部にそれぞれ部分的に対応させて感光性有機物で形成さ
れた電界調整層13を設けてその上に配向膜9を設ける
とともに、裏側基板2の内面に、透明な画素電極3およ
びTFT4と配向膜8とを設けたものであり、この液晶
表示素子では、両基板1,2の外面にそれぞれ偏光板1
1,12を配置している。
に、遮光膜(ブラックマトリックス)5と、複数の色の
カラーフィルタ、例えば赤色フィルタ14Rと緑色フィ
ルタ14Rと青色フィルタ14Bとを設け、これらカラ
ーフィルタ14R,14G,14Bを覆う透明な保護膜
15の上に形成した透明な対向電極7bの上に、各画素
部にそれぞれ部分的に対応させて感光性有機物で形成さ
れた電界調整層13を設けてその上に配向膜9を設ける
とともに、裏側基板2の内面に、透明な画素電極3およ
びTFT4と配向膜8とを設けたものであり、この液晶
表示素子では、両基板1,2の外面にそれぞれ偏光板1
1,12を配置している。
【0077】なお、この実施例の液晶表示素子は、表側
基板1に遮光膜5とカラーフィルタ14R,14G,1
4Bと対向電極7bおよび電界調整層13を設け、裏側
基板2に画素電極3とTFT4を設けたものであるが、
基本的な構成は図1に示した実施例の液晶表示素子と同
じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略
する。
基板1に遮光膜5とカラーフィルタ14R,14G,1
4Bと対向電極7bおよび電界調整層13を設け、裏側
基板2に画素電極3とTFT4を設けたものであるが、
基本的な構成は図1に示した実施例の液晶表示素子と同
じであるから、重複する説明は図に同符号を付して省略
する。
【0078】また、図1および図4に示した実施例で
は、各画素部Dをそれぞれ左右にほぼ二等分した2つの
領域D1 ,D2 に分け、その一方の領域D2 に対応させ
て電界調整層13を設けているが、これに限らず、例え
ば画素部を上下および左右にそれぞれほぼ二等分した4
つの領域に分け、そのうちの2つの領域に対応させて電
界調整層を設けてもよい。
は、各画素部Dをそれぞれ左右にほぼ二等分した2つの
領域D1 ,D2 に分け、その一方の領域D2 に対応させ
て電界調整層13を設けているが、これに限らず、例え
ば画素部を上下および左右にそれぞれほぼ二等分した4
つの領域に分け、そのうちの2つの領域に対応させて電
界調整層を設けてもよい。
【0079】さらに、上記実施例では、電界調整層13
を設けた基板側の配向膜9の膜面を、電界調整層13上
の部分が盛り上がった凹凸のある面としているが、この
配向膜9は、その膜面がほぼ平坦になるように形成して
もよく、その場合でも、電界調整層13を、比抵抗と誘
電率の少なくとも一方が配向膜9より大きい感光性有機
物で形成すれば、各画素部の電極間のインピーダンス
を、電界調整層13のある領域と、前記電界調整層13
がない領域とで異ならせて、広い視野角を得ることがで
きる。
を設けた基板側の配向膜9の膜面を、電界調整層13上
の部分が盛り上がった凹凸のある面としているが、この
配向膜9は、その膜面がほぼ平坦になるように形成して
もよく、その場合でも、電界調整層13を、比抵抗と誘
電率の少なくとも一方が配向膜9より大きい感光性有機
物で形成すれば、各画素部の電極間のインピーダンス
を、電界調整層13のある領域と、前記電界調整層13
がない領域とで異ならせて、広い視野角を得ることがで
きる。
【0080】また、上記実施例の液晶表示素子は、TF
Tをアクティブ素子とするアクティブマトリックス型の
ものであるが、この発明は、MIM等の2端子の非線形
抵抗素子をアクティブ素子とするアクティブマトリック
ス液晶表示素子や、単純マトリックス型の液晶表示素子
にも、また単純マトリックス型の液晶表示素子にも、さ
らにはセグメント表示型の液晶表示素子にも適用でき
る。
Tをアクティブ素子とするアクティブマトリックス型の
ものであるが、この発明は、MIM等の2端子の非線形
抵抗素子をアクティブ素子とするアクティブマトリック
ス液晶表示素子や、単純マトリックス型の液晶表示素子
にも、また単純マトリックス型の液晶表示素子にも、さ
らにはセグメント表示型の液晶表示素子にも適用でき
る。
【0081】
【発明の効果】この発明の液晶表示素子は、少なくとも
一方の基板の電極の上に、各画素部にそれぞれ部分的に
対応させて、感光性有機物で形成された電界調整層を設
け、その上に配向膜を設けたものであるから、従来考え
られている電圧制御方式のように電極を分割してその各
分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給する
ことなく、液晶分子の立上り配向状態を各画素部内にお
いて部分的に異ならせて視野角を改善し、広い視野角が
得ることができるし、また、前記電圧制御方式のように
各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給す
る必要がないため、その表示駆動を簡単に行なうことが
できる。
一方の基板の電極の上に、各画素部にそれぞれ部分的に
対応させて、感光性有機物で形成された電界調整層を設
け、その上に配向膜を設けたものであるから、従来考え
られている電圧制御方式のように電極を分割してその各
分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給する
ことなく、液晶分子の立上り配向状態を各画素部内にお
いて部分的に異ならせて視野角を改善し、広い視野角が
得ることができるし、また、前記電圧制御方式のように
各分割電極にそれぞれ異なる電圧値の駆動信号を供給す
る必要がないため、その表示駆動を簡単に行なうことが
できる。
【0082】また、この発明の液晶表示素子の製造方法
は、前記電界調整層を、感光性有機物を塗布してその有
機物膜を所定パターンに露光および現像処理して形成す
るものであるから、電界調整層を少ない工程数で容易に
かつ高精度に形成することができる。
は、前記電界調整層を、感光性有機物を塗布してその有
機物膜を所定パターンに露光および現像処理して形成す
るものであるから、電界調整層を少ない工程数で容易に
かつ高精度に形成することができる。
【図1】この発明の一実施例を示す液晶表示素子の一部
分の断面図。
分の断面図。
【図2】同じく電界印加状態における液晶分子配向状態
を示す図。
を示す図。
【図3】電界調整層13の形成工程を示す、感光性有機
物膜の露光処理状態の断面図および電界調整層を形成し
た状態の断面図。
物膜の露光処理状態の断面図および電界調整層を形成し
た状態の断面図。
【図4】この発明の他の実施例を示す液晶表示素子の一
部分の断面図。
部分の断面図。
【図5】従来の液晶表示素子の一部分の断面図。
【図6】従来の液晶表示素子の電界印加状態における液
晶分子配向状態を示す図。
晶分子配向状態を示す図。
【符号の説明】 1,2…基板 3…画素電極 4…TFT 5…遮光膜 6…絶縁膜 7a…対向電極(反射膜を兼ねる電極) 7b…対向電極(透明電極) 8,9…配向膜 10…液晶 10a…液晶分子 11,12…偏光板 13…電界調整層 14R,14G,14B…カラーフィルタ 15…保護膜 D…画素部
Claims (3)
- 【請求項1】電極と配向膜とを設けた一対の基板間に液
晶を挟持してなり、かつ前記液晶の分子を両基板間にお
いてツイスト配向させた液晶表示素子において、 少なくとも一方の基板の電極の上に、各画素部にそれぞ
れ部分的に対応させて、感光性有機物で形成された電界
調整層を設け、その上に前記配向膜を設けたことを特徴
とする液晶表示素子。 - 【請求項2】電界調整層は、その比抵抗と誘電率の少な
くとも一方が配向膜と異なっていることを特徴とする請
求項1に記載の液晶表示素子。 - 【請求項3】請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法
であって、少なくとも一方の基板の電極上に設ける電界
調整層を、感光性有機物を塗布し、その有機物膜を所定
パターンに露光および現像処理して形成することを特徴
とする液晶表示素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32183394A JPH08179344A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 液晶表示素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32183394A JPH08179344A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 液晶表示素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08179344A true JPH08179344A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18136940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32183394A Pending JPH08179344A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 液晶表示素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08179344A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000039630A1 (fr) * | 1998-12-24 | 2000-07-06 | Fujitsu Limited | Ecran a cristaux liquides |
JP2005241709A (ja) * | 2004-02-24 | 2005-09-08 | Fujitsu Display Technologies Corp | 液晶表示装置 |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP32183394A patent/JPH08179344A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000039630A1 (fr) * | 1998-12-24 | 2000-07-06 | Fujitsu Limited | Ecran a cristaux liquides |
US7113240B2 (en) | 1998-12-24 | 2006-09-26 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display device having insulating patterns with width larger than gap in between |
US7982836B2 (en) | 1998-12-24 | 2011-07-19 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display device |
JP2005241709A (ja) * | 2004-02-24 | 2005-09-08 | Fujitsu Display Technologies Corp | 液晶表示装置 |
JP4657613B2 (ja) * | 2004-02-24 | 2011-03-23 | 富士通株式会社 | 液晶表示装置 |
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