JPH08176977A - ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤ - Google Patents
ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤInfo
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- JPH08176977A JPH08176977A JP6322925A JP32292594A JPH08176977A JP H08176977 A JPH08176977 A JP H08176977A JP 6322925 A JP6322925 A JP 6322925A JP 32292594 A JP32292594 A JP 32292594A JP H08176977 A JPH08176977 A JP H08176977A
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Classifications
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- D—TEXTILES; PAPER
- D07—ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/062—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
- D07B1/0633—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration having a multiple-layer configuration
-
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- D07B1/0626—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration the reinforcing cords consisting of three core wires or filaments and at least one layer of outer wires or filaments, i.e. a 3+N configuration
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Landscapes
- Ropes Or Cables (AREA)
- Tires In General (AREA)
- Tyre Moulding (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スチールコードの耐疲労性、強力保持性を向
上させ、それを特に空気入りタイヤのカーカスプライに
適応することにより、タイヤの耐久性の向上を図る。 【構成】 1〜3本のスチールフィラメントから成る中
心基本構造と、この基本構造のまわりに配列した多数本
のスチールフィラメントからなる少なくとも2層の同軸
層とを、撚り合わせた層撚り構造スチールコードにおい
て、フィラメントの撚り方向が総て同一方向撚りであ
り、該スチールコードのフィラメント配置が中心基本構
造は最密配置であり、そのまわりに配置された同軸層内
においては同一の線径で、その1層内層あるいは中心基
本構造の外接円上に、配置され得るだけの素線数を有
し、最外層同軸層についてはその1層内層の外接円に配
置され得るだけの素線数より1本ないし2本少ない素線
数を有し、かつスパイラルのラップフィラメントが最外
層同軸層のまわりに存在しない、いわゆるノンスパイラ
ル構造であることを特徴とするゴム補強用スチールコー
ド。
上させ、それを特に空気入りタイヤのカーカスプライに
適応することにより、タイヤの耐久性の向上を図る。 【構成】 1〜3本のスチールフィラメントから成る中
心基本構造と、この基本構造のまわりに配列した多数本
のスチールフィラメントからなる少なくとも2層の同軸
層とを、撚り合わせた層撚り構造スチールコードにおい
て、フィラメントの撚り方向が総て同一方向撚りであ
り、該スチールコードのフィラメント配置が中心基本構
造は最密配置であり、そのまわりに配置された同軸層内
においては同一の線径で、その1層内層あるいは中心基
本構造の外接円上に、配置され得るだけの素線数を有
し、最外層同軸層についてはその1層内層の外接円に配
置され得るだけの素線数より1本ないし2本少ない素線
数を有し、かつスパイラルのラップフィラメントが最外
層同軸層のまわりに存在しない、いわゆるノンスパイラ
ル構造であることを特徴とするゴム補強用スチールコー
ド。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に耐疲労性・強力保持
性を向上させたスチールコードに関するものであり、そ
れを特にトラック・バス及びライトトラック用重荷重ラ
ジアルタイヤのカーカスプライに適用し、タイヤの耐久
性を向上させたものである。
性を向上させたスチールコードに関するものであり、そ
れを特にトラック・バス及びライトトラック用重荷重ラ
ジアルタイヤのカーカスプライに適用し、タイヤの耐久
性を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般的に、タイヤ走行中、スチール
コードはコード内のフィラメント同士のフレッティング
摩耗により、フィラメント断面積が減少し、コード強力
が低下していく。その時コード内の一部のフィラメント
だけ断面積の減少が激しければ、そのフィラメントは衝
撃引張り、繰り返し曲げに対して破断を起こしやすくな
る。一旦フィラメントが破断すると、他のフィラメント
の引張り応力が増大し、コードの疲労破壊が促進される
という問題があった。
コードはコード内のフィラメント同士のフレッティング
摩耗により、フィラメント断面積が減少し、コード強力
が低下していく。その時コード内の一部のフィラメント
だけ断面積の減少が激しければ、そのフィラメントは衝
撃引張り、繰り返し曲げに対して破断を起こしやすくな
る。一旦フィラメントが破断すると、他のフィラメント
の引張り応力が増大し、コードの疲労破壊が促進される
という問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなコードの耐
久性を増すためには、コード内の一部のフィラメントが
先行的に早期破断することを避ける必要があり、コード
内のフィラメント強力低下は一様であることが望まし
い。
久性を増すためには、コード内の一部のフィラメントが
先行的に早期破断することを避ける必要があり、コード
内のフィラメント強力低下は一様であることが望まし
い。
【0004】ここで本発明者等はタイヤ走行によるカー
カスプライフィラメントの強力低下を、層撚り構造を持
ちスパイラルのラップフィラメントでコードをラッピン
グし安定化したコードにつき調査した結果、最外層同軸
層のフィラメントの強力低下が極度に大きいこと、また
強力低下の主要因がスパイラルのラップフィラメントと
のフレッティング摩耗であることを見いだした。
カスプライフィラメントの強力低下を、層撚り構造を持
ちスパイラルのラップフィラメントでコードをラッピン
グし安定化したコードにつき調査した結果、最外層同軸
層のフィラメントの強力低下が極度に大きいこと、また
強力低下の主要因がスパイラルのラップフィラメントと
のフレッティング摩耗であることを見いだした。
【0005】そこで強力低下の主要因であるスパイラル
のラップフィラメントを除去し、これによるフレッティ
ングが発生しないようにしたコードにつき調査した結
果、スパイラルのラップフィラメントによるフレッティ
ングは無くなり、最外層同軸層のフィラメントの強力低
下は少なくなった。
のラップフィラメントを除去し、これによるフレッティ
ングが発生しないようにしたコードにつき調査した結
果、スパイラルのラップフィラメントによるフレッティ
ングは無くなり、最外層同軸層のフィラメントの強力低
下は少なくなった。
【0006】しかし、ラップフィラメントが無くなった
為、コードの拘束性が悪く、コードを極端に曲げるとフ
ィラメントがバラバラになり、一部のフィラメントに異
常入力が入りフィラメントが破断する現象が2層撚りコ
ードについて見られた。この場合コードの破断寿命がス
パイラルのラップフィラメントでコードをラッピングし
安定化したコードに比べ、大幅に低下した。この現象よ
り、極端な曲げ入力によるコード寿命の低下を防止する
為に、フィラメントがなんらかの形で拘束されている必
要があることが明らかになった。
為、コードの拘束性が悪く、コードを極端に曲げるとフ
ィラメントがバラバラになり、一部のフィラメントに異
常入力が入りフィラメントが破断する現象が2層撚りコ
ードについて見られた。この場合コードの破断寿命がス
パイラルのラップフィラメントでコードをラッピングし
安定化したコードに比べ、大幅に低下した。この現象よ
り、極端な曲げ入力によるコード寿命の低下を防止する
為に、フィラメントがなんらかの形で拘束されている必
要があることが明らかになった。
【0007】上述のように層撚り構造のカーカスプライ
コードにおいて、フィラメントの拘束を維持し、コード
大曲げ入力時のフィラメントへの異常入力を抑制しつ
つ、スパイラルのラップフィラメントと最外層同軸層の
フィラメント間のフレッティング摩耗を軽減し、最外層
同軸層フィラメントの強力低下を防止することが早急に
解決すべき問題点として残されている。
コードにおいて、フィラメントの拘束を維持し、コード
大曲げ入力時のフィラメントへの異常入力を抑制しつ
つ、スパイラルのラップフィラメントと最外層同軸層の
フィラメント間のフレッティング摩耗を軽減し、最外層
同軸層フィラメントの強力低下を防止することが早急に
解決すべき問題点として残されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)1〜3
本のスチールフィラメントから成る中心基本構造と、こ
の基本構造のまわりに配列した多数本のスチールフィラ
メントからなる少なくとも2層の同軸層とを、撚り合わ
せた層撚り構造スチールコードにおいて、フィラメント
の撚り方向が総て同一方向撚りであり、該スチールコー
ドのフィラメント配置が中心基本構造は最密配置であ
り、そのまわりに配置された同軸層内においては同一の
線径で、その1層内層あるいは中心基本構造の外接円上
に、配置され得るだけの素線数を有し、最外層同軸層に
ついては、その1層内層の外接円に配置され得るだけの
素線数より1本ないし2本少ない素線数を有し、かつス
パイラルのラップフィラメントが最外層同軸層のまわり
に存在しない、いわゆるノンスパイラル構造であること
を特徴とするゴム補強用スチールコードに関する。
本のスチールフィラメントから成る中心基本構造と、こ
の基本構造のまわりに配列した多数本のスチールフィラ
メントからなる少なくとも2層の同軸層とを、撚り合わ
せた層撚り構造スチールコードにおいて、フィラメント
の撚り方向が総て同一方向撚りであり、該スチールコー
ドのフィラメント配置が中心基本構造は最密配置であ
り、そのまわりに配置された同軸層内においては同一の
線径で、その1層内層あるいは中心基本構造の外接円上
に、配置され得るだけの素線数を有し、最外層同軸層に
ついては、その1層内層の外接円に配置され得るだけの
素線数より1本ないし2本少ない素線数を有し、かつス
パイラルのラップフィラメントが最外層同軸層のまわり
に存在しない、いわゆるノンスパイラル構造であること
を特徴とするゴム補強用スチールコードに関する。
【0009】(2)上記(1)において好ましくは最外
層同軸層とその1層内層の同軸層の撚りピッチが異なる
ことを特徴とするゴム補強用スチールコード。
層同軸層とその1層内層の同軸層の撚りピッチが異なる
ことを特徴とするゴム補強用スチールコード。
【0010】(3)上記(2)において好ましくはスチ
ールコードの中心基本構造を除くフィラメント径が0.
150mm以上0.200mm以下であることを特徴と
するゴム補強用スチールコード。
ールコードの中心基本構造を除くフィラメント径が0.
150mm以上0.200mm以下であることを特徴と
するゴム補強用スチールコード。
【0011】(4)上記(3)におけるゴム補強用スチ
ールコードを好ましくは重荷重用空気入りタイヤのカー
カスプライに適用されるものである。
ールコードを好ましくは重荷重用空気入りタイヤのカー
カスプライに適用されるものである。
【0012】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。層撚りコード
のフィラメント強力低下の不均一性、特にタイヤ走行中
の最外層同軸層フィラメントの極度の強力低下は、スパ
イラルのラップフィラメントが最外層同軸層フィラメン
トの撚り方向と異方向に撚られていることによるもので
ある。この場合は最外層同軸層フィラメントとスパイラ
ルのラップフィラメントの接触面積が小さいので単位面
積当たりの接触圧は大きくなる。
のフィラメント強力低下の不均一性、特にタイヤ走行中
の最外層同軸層フィラメントの極度の強力低下は、スパ
イラルのラップフィラメントが最外層同軸層フィラメン
トの撚り方向と異方向に撚られていることによるもので
ある。この場合は最外層同軸層フィラメントとスパイラ
ルのラップフィラメントの接触面積が小さいので単位面
積当たりの接触圧は大きくなる。
【0013】また、タイヤ転動時、タイヤの接地部のカ
ーカスプライコードには、コード長手方向に対して捻れ
入力が生じる。仮に最外層同軸層の撚りがほぐれる方向
に捻れ入力が生じた場合、スパイラルのラップフィラメ
ントが最外層同軸層フィラメントの撚り方向と異方向に
撚られていると、スパイラルのラップフィラメントは撚
りが締まる方向に捻れ入力が生じ、両フィラメントの間
で相対的な移動が起こる。接触圧が大きい上に大きな相
対移動が起こると、スパイラルのラップフィラメントに
よって最外層同軸層フィラメントの断面積減少が進行
し、その結果、最外層同軸層フィラメントの強力低下が
生じる。
ーカスプライコードには、コード長手方向に対して捻れ
入力が生じる。仮に最外層同軸層の撚りがほぐれる方向
に捻れ入力が生じた場合、スパイラルのラップフィラメ
ントが最外層同軸層フィラメントの撚り方向と異方向に
撚られていると、スパイラルのラップフィラメントは撚
りが締まる方向に捻れ入力が生じ、両フィラメントの間
で相対的な移動が起こる。接触圧が大きい上に大きな相
対移動が起こると、スパイラルのラップフィラメントに
よって最外層同軸層フィラメントの断面積減少が進行
し、その結果、最外層同軸層フィラメントの強力低下が
生じる。
【0014】同様にコードの同軸層間に異方向撚りがあ
ると、その部分の層間のフィラメント同士の接触圧が高
くなり、フィラメント断面積の減少が進行し、その結
果、同軸層フィラメントの強力低下が生じる。
ると、その部分の層間のフィラメント同士の接触圧が高
くなり、フィラメント断面積の減少が進行し、その結
果、同軸層フィラメントの強力低下が生じる。
【0015】また、断面積が減少した部分(フレッティ
ング部)は、フィラメントの表面処理(メッキ)が露出
して、フィラメントが腐蝕しやすくなり、コードの腐蝕
疲労性にも悪影響を与える。
ング部)は、フィラメントの表面処理(メッキ)が露出
して、フィラメントが腐蝕しやすくなり、コードの腐蝕
疲労性にも悪影響を与える。
【0016】そこで、全ての同軸層が同方向撚りの層撚
りコードをラッピングするスパイラルのラップフィラメ
ントを除去したコードでは、フィラメントの強力低下は
生じないが、各層のフィラメントが最密に配置されてい
るコードにおいては、先に述べたように大曲げ入力が生
じると、フィラメントがバラバラになり、一部のフィラ
メントに異常入力が生じフィラメントが破断して、コー
ドの破断寿命が低下する。
りコードをラッピングするスパイラルのラップフィラメ
ントを除去したコードでは、フィラメントの強力低下は
生じないが、各層のフィラメントが最密に配置されてい
るコードにおいては、先に述べたように大曲げ入力が生
じると、フィラメントがバラバラになり、一部のフィラ
メントに異常入力が生じフィラメントが破断して、コー
ドの破断寿命が低下する。
【0017】これに対して、最外層の素線数がその1層
内側の同軸層の外接円上に配置され得る素線数より1本
ないし2本少ないコードでは、最外層の素線間にコーテ
ィングゴムが入ることにより、最外層フィラメントが拘
束されて、スパイラルと同等の効果を得られ、フィラメ
ントの強力低下を抑制した上で、大曲げ入力時のコード
破断寿命の低下を抑えることができる。
内側の同軸層の外接円上に配置され得る素線数より1本
ないし2本少ないコードでは、最外層の素線間にコーテ
ィングゴムが入ることにより、最外層フィラメントが拘
束されて、スパイラルと同等の効果を得られ、フィラメ
ントの強力低下を抑制した上で、大曲げ入力時のコード
破断寿命の低下を抑えることができる。
【0018】また、上記の対策を施したコードでも、素
線径が太くなると、コードに極端な曲げ入力が加えられ
た時、素線の破断が発生する。それを回避する為には、
素線の表面歪みを低減する事が有効である。一般に素線
の表面歪みεは、ε=D/2R(D:素線径,R:コー
ドを曲げた時の曲率半径)で近似される。つまり、一定
の曲げ入力Rの下で、素線の表面歪みεを低減する為に
は、素線径Dを出来るだけ細くする事が有効である。
線径が太くなると、コードに極端な曲げ入力が加えられ
た時、素線の破断が発生する。それを回避する為には、
素線の表面歪みを低減する事が有効である。一般に素線
の表面歪みεは、ε=D/2R(D:素線径,R:コー
ドを曲げた時の曲率半径)で近似される。つまり、一定
の曲げ入力Rの下で、素線の表面歪みεを低減する為に
は、素線径Dを出来るだけ細くする事が有効である。
【0019】ここで、重荷重用ラジアルタイヤのカーカ
スプライに加えられる極端な曲げ入力により、素線が破
断しないための素線径は、上記の効果を加味したコード
において、中心基本構造を除いては0.20mm以下で
あれば特に好ましいことが、出願者等の実験によって確
認されている。すなわちフィラメント径は0.15mm
より小さいとコードとして十分な強力を持つことができ
ず、0.20mmより大きいと表面歪みが大きくなり好
ましくない。
スプライに加えられる極端な曲げ入力により、素線が破
断しないための素線径は、上記の効果を加味したコード
において、中心基本構造を除いては0.20mm以下で
あれば特に好ましいことが、出願者等の実験によって確
認されている。すなわちフィラメント径は0.15mm
より小さいとコードとして十分な強力を持つことができ
ず、0.20mmより大きいと表面歪みが大きくなり好
ましくない。
【0020】また出来るだけ線径を細くして、必要なコ
ード強力を確保する為には、3層以上の同軸層を有する
ことが必要であり、さらには素線の単位断面積当たりの
強力(抗張力)を330kg/cm2 以上にした、いわ
ゆる高強力鋼材を用いる事が好ましい。
ード強力を確保する為には、3層以上の同軸層を有する
ことが必要であり、さらには素線の単位断面積当たりの
強力(抗張力)を330kg/cm2 以上にした、いわ
ゆる高強力鋼材を用いる事が好ましい。
【0021】
【実施例】以下に実施例、比較例により本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこの実施例によってなんら
限定されるものではない。 タイヤサイズ :10,00R20 16PR (トラックバス用ラジアルタイヤ) 打ち込み数 :22.0 本/5cm ドラム走行条件:速度 60km/h 内圧 8 kgf/cm2 (通常時) 1 kgf/cm2 (大曲げ入力時) 荷重 JIS 100% 荷重(通常時) JIS 40% 荷重(大曲げ入力時) の試験条件を共通にして実験を行った。
体的に説明するが、本発明はこの実施例によってなんら
限定されるものではない。 タイヤサイズ :10,00R20 16PR (トラックバス用ラジアルタイヤ) 打ち込み数 :22.0 本/5cm ドラム走行条件:速度 60km/h 内圧 8 kgf/cm2 (通常時) 1 kgf/cm2 (大曲げ入力時) 荷重 JIS 100% 荷重(通常時) JIS 40% 荷重(大曲げ入力時) の試験条件を共通にして実験を行った。
【0022】この発明に従う3層同方向撚りノンスパイ
ラルゴムペネコードとして、1+6+11構造(実施例
1:∞/S/S撚り)、線径をより細くした1+6+1
1構造(実施例2:∞/S/S撚り)、3+9+13構
造(実施例3:S/S/S撚り)を対比して、新品時の
コード強力を100とする指数表示により表す各コード
の通常走行後のコード強力保持性及び、大曲げ入力走行
後のフィラメント破断率、フレッティング深さについて
実験を行った。
ラルゴムペネコードとして、1+6+11構造(実施例
1:∞/S/S撚り)、線径をより細くした1+6+1
1構造(実施例2:∞/S/S撚り)、3+9+13構
造(実施例3:S/S/S撚り)を対比して、新品時の
コード強力を100とする指数表示により表す各コード
の通常走行後のコード強力保持性及び、大曲げ入力走行
後のフィラメント破断率、フレッティング深さについて
実験を行った。
【0023】また比較例として3層撚りスパイラルつき
コードである撚り構造1+6+12+1(比較例1:コ
ントロール,∞/S/S/Z撚り)、3層撚りノンスパ
イラルコードである撚り構造1+6+12(比較例2:
∞/S/S撚り)、1+6+12(比較例3:∞/S/
Z撚り)、3層撚りスパイラルつきコードである撚り構
造3+9+15+1(比較例4:S/S/Z/S撚
り)、3層撚りノンスパイラル構造である撚り構造3+
9+15(比較例5:S/S/Z撚り)、3+9+15
(比較例6:S/S/S撚り)について実験を行った。
これらの結果を表1表2にまとめて示す。尚、比較例
1、比較例2におけるスチールコードのスパイラルフィ
ラメントの径は0.15mmである。
コードである撚り構造1+6+12+1(比較例1:コ
ントロール,∞/S/S/Z撚り)、3層撚りノンスパ
イラルコードである撚り構造1+6+12(比較例2:
∞/S/S撚り)、1+6+12(比較例3:∞/S/
Z撚り)、3層撚りスパイラルつきコードである撚り構
造3+9+15+1(比較例4:S/S/Z/S撚
り)、3層撚りノンスパイラル構造である撚り構造3+
9+15(比較例5:S/S/Z撚り)、3+9+15
(比較例6:S/S/S撚り)について実験を行った。
これらの結果を表1表2にまとめて示す。尚、比較例
1、比較例2におけるスチールコードのスパイラルフィ
ラメントの径は0.15mmである。
【0024】評価方法 (1)コード強力保持率 コード強力保持率は、通常条件のドラム走行タイヤより
取り出したカーカスコード10本をインストロン式引っ
張り試験機にて破断破断強力を測定し、その平均値を、
新品タイヤより引き抜いたコード10本の破断強力の平
均値で除したものをコード強力保持率として、
取り出したカーカスコード10本をインストロン式引っ
張り試験機にて破断破断強力を測定し、その平均値を、
新品タイヤより引き抜いたコード10本の破断強力の平
均値で除したものをコード強力保持率として、
【数1】 で表した。
【0025】(2)フレッティング深さ 通常条件のドラム走行タイヤより取り出したカーカスコ
ード1本の各層の素線を2本づつ取り出し、タイヤの中
心から両側に13cm±2cmの範囲のフレッティング
摩耗による素線径の減少を測定し、その最大値を比較し
た。
ード1本の各層の素線を2本づつ取り出し、タイヤの中
心から両側に13cm±2cmの範囲のフレッティング
摩耗による素線径の減少を測定し、その最大値を比較し
た。
【0026】(3)大曲げ入力時のフィラメント破断率 大曲げ入力条件で1万kmドラム走行させたタイヤのカ
ーカスコード10本分を取り出して、破断したフィラメ
ントの本数を数え、コード10本分のフィラメント総数
で除したものを百分率表示したものをフィラメント破断
率とした。フィラメント破断率は低い方が良い。
ーカスコード10本分を取り出して、破断したフィラメ
ントの本数を数え、コード10本分のフィラメント総数
で除したものを百分率表示したものをフィラメント破断
率とした。フィラメント破断率は低い方が良い。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のスチ
ールコードによれば、最外層同軸層フィラメントのスパ
イラルのラップフィラメントによるフレッティング摩耗
が低減され、かつコード内フィラメントの強力低下が抑
制されるため、コードの寿命が向上する。またそれを使
用した空気入りタイヤも、タイヤの耐久性が向上すると
いう効果が得られる。
ールコードによれば、最外層同軸層フィラメントのスパ
イラルのラップフィラメントによるフレッティング摩耗
が低減され、かつコード内フィラメントの強力低下が抑
制されるため、コードの寿命が向上する。またそれを使
用した空気入りタイヤも、タイヤの耐久性が向上すると
いう効果が得られる。
【0030】
【図1】第1図は、本発明の実施例である1+6+11
構造の層撚りコードの断面図である。
構造の層撚りコードの断面図である。
【図2】第2図は、本発明の実施例である3+9+13
構造の層撚りコードの断面図である。
構造の層撚りコードの断面図である。
【図3】第3図は、本発明の比較例である1+6+12
+1構造の層撚りコードの断面図である。
+1構造の層撚りコードの断面図である。
【図4】第4図は、本発明の比較例である3+9+15
+1構造の層撚りコードの断面図である。
+1構造の層撚りコードの断面図である。
【図5】第5図は、フィラメントの振幅を表す。
【図6】第6図は、フレッティング深さを表す。
【符号の説明】 1 …コアフィラメント 2 …第1シースフィラメント 3 …第2シースフィラメント 4 …スパイラルのラップフィラメント H …フィラメントの振幅 Df …フレッティング深さ
Claims (4)
- 【請求項1】 1〜3本のスチールフィラメントから成
る中心基本構造と、この基本構造のまわりに配列した多
数本のスチールフィラメントからなる少なくとも2層の
同軸層とを、撚り合わせた層撚り構造スチールコードに
おいて、フィラメントの撚り方向が総て同一方向撚りで
あり、該スチールコードのフィラメント配置が中心基本
構造は最密配置であり、そのまわりに配置された同軸層
内においては同一線径の素線で、その1層内層あるいは
中心基本構造の外接円上に、配置され得るだけの素線数
を有し、最外層同軸層についてはその1層内層の外接円
に配置され得るだけの素線数より1本ないし2本少ない
素線数を有し、かつスパイラルのラップフィラメントが
最外層同軸層のまわりに存在しない、いわゆるノンスパ
イラル構造であることを特徴とするゴム補強用スチール
コード。 - 【請求項2】 上記請求項1におけるスチールコードの
最外層同軸層とその1層内層の同軸層の撚りピッチが異
なることを特徴とするゴム補強用スチールコード。 - 【請求項3】 上記請求項1におけるスチールコードの
中心基本構造を除くフィラメント径が0.150mm以
上0.200mm以下であることを特徴とするゴム補強
用スチールコード。 - 【請求項4】 上記請求項1〜3におけるゴム補強用ス
チールコードをカーカスプライに適用したことを特徴と
する重荷重用ラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6322925A JPH08176977A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6322925A JPH08176977A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08176977A true JPH08176977A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18149167
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6322925A Pending JPH08176977A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | ゴム補強用スチールコード及びそれを使用したラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08176977A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003503605A (ja) * | 1999-06-29 | 2003-01-28 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | タイヤカーカス用多層スチールケーブル |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP6322925A patent/JPH08176977A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003503605A (ja) * | 1999-06-29 | 2003-01-28 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | タイヤカーカス用多層スチールケーブル |
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