[go: up one dir, main page]

JPH08173192A - 特定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法 - Google Patents

特定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法

Info

Publication number
JPH08173192A
JPH08173192A JP6335000A JP33500094A JPH08173192A JP H08173192 A JPH08173192 A JP H08173192A JP 6335000 A JP6335000 A JP 6335000A JP 33500094 A JP33500094 A JP 33500094A JP H08173192 A JPH08173192 A JP H08173192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
gene
cell
base sequence
specific base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6335000A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Hosoi
茂 細井
Makiko Hiyoshi
牧子 日吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP6335000A priority Critical patent/JPH08173192A/ja
Publication of JPH08173192A publication Critical patent/JPH08173192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動化が容易であり、かつ、精度良く迅速に
特定の塩基配列を有する遺伝子の検出が可能な特定の塩
基配列を有する遺伝子の検出方法を提供する。 【構成】 本発明の特定の塩基配列を有する遺伝子の検
出方法では、まず、測定対象の遺伝子を含む細胞もしく
はその細胞を含む組織切片を固定化するとともに、細胞
内の測定対象の遺伝子の存在する領域と細胞の外部領域
とを連通する。次に、細胞内に蛍光性の核酸塩基を含む
ポリメラーゼ連鎖反応による特定の塩基配列を有する遺
伝子の増幅に必要な反応液一式を導入する。引き続き、
細胞の周囲温度を調節して、特定の塩基配列を有する遺
伝子を選択的に細胞内で増幅する。この後、細胞から遺
伝子増幅に使用されなかった蛍光物質を洗浄して排出す
る。次いで、細胞で発生する蛍光を観察し、細胞内の特
定の塩基配列を有する遺伝子を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞内に存在する可能
性のある、特定の塩基配列を有する遺伝子を細胞から取
り出すことなく検出する、特定の塩基配列を有する遺伝
子の検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞もしくはその細胞を含む組織切片内
に特定の塩基配列を有する遺伝子(種特異遺伝子,突然
変異遺伝子,ウィルス遺伝子,ガン変異遺伝子等)が存
在するか否かの決定は、生物学の研究や医療診断の上で
重要である。そして、顕微鏡による形態観察や、抗体染
色法(ELISA法など)を施した後に顕微鏡観察して
染色状態で判断することが従来から行われてきた。ま
た、近年では遺伝子や遺伝子を直接検出する方法の実施
されているが、こうした場合には通常、細胞から遺伝子
を抽出後あるいは細胞から抽出した遺伝子をポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)法などにより遺伝子増幅した後に
ゲル電気泳動にかけ、発生するバンドパターンから特定
の塩基配列を有する遺伝子が存在するか否かを決定する
(特開平4−267895号公報、特開平5−0685
96号公報など)。
【0003】一方、PCR法の改良や進展は近年目覚ま
しく、細胞から遺伝子を取り出さずに細胞内(細胞核
内)で遺伝子の増幅(いわゆる、in situ PCR )が報告
されている(B.K.Patterson et al., SCIENCE, 1993.3.
14, vol.260, pp976-979)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の特定の塩基配列
を有する遺伝子の検出は上記のようにして行われるの
で、操作が複雑であり、かつ、パターン(形態、染色状
態、およびバンドパターン)の認識にあたっては人間の
判断が必要となるため自動化が困難であり、精度良く迅
速に特定の塩基配列を有する遺伝子の検出できない、と
いう問題点があった。
【0005】また、ゲル電気泳動後のバンドパターンの
観察に換って、遺伝子増幅を実施すると否とに拘らず、
アイソトープ、蛍光物質、または発光反応に関するラベ
ルされたプローブ(特定の遺伝子またはその一部に結合
可能な物質)を結合させ、未結合のプローブを洗浄後、
プローブをその特徴に従って検出する方法も提案されて
いる。この方法を採用した場合には、測定対象である特
定の遺伝子にプローブを結合させる工程が必要となる。
【0006】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、自動化が容易であり、かつ、精度良く迅速に特定の
塩基配列を有する遺伝子の検出が可能な特定の塩基配列
を有する遺伝子の検出方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特定の塩基配列
を有する遺伝子の検出方法は、特定の塩基配列から成る
遺伝子の増幅にあたって増幅遺伝子の構成の一部をラベ
ル化物質とし、遺伝子を構成しなかったラベル化物質を
洗浄後に、ラベル化特性を測定することを特徴とする。
【0008】すなわち、本発明の特定の塩基配列を有す
る遺伝子の検出方法は、(a)測定対象の遺伝子を含む
可能性がある細胞もしくはその細胞を含む組織切片を固
定化するとともに、細胞内の測定対象の遺伝子の存在す
る可能性のある領域と細胞の外部領域とを連通する第1
の工程と、(b)測定対象の遺伝子の存在する可能性の
ある領域と細胞の外部領域とが連通された細胞内に、ラ
ベル化核酸塩基を含むポリメラーゼ連鎖反応による特定
の塩基配列を有する遺伝子の増幅に必要な反応液一式を
導入する第2の工程と、(c)反応液が導入された細胞
の周囲温度を調節して、特定の塩基配列を有する遺伝子
を選択的に細胞内で増幅する第3の工程と、(d)選択
的に増幅された特定の塩基配列を有する遺伝子を有する
細胞から遺伝子増幅に使用されなかったラベル化核酸塩
基を洗浄して排出する第4の工程と、(e)洗浄された
細胞で発生するラベル化特性を観察し、細胞内の特定の
塩基配列を有する遺伝子を検出する第5の工程と、を備
えることを特徴とする。
【0009】ここで、第1の工程は、細胞もしくはそ
の細胞を含む組織切片をガラスの表面に固着し、細胞
もしくはその細胞を含む組織切片が固着したガラスを第
1の時間にわたって細胞固定液に浸した後にリンスし、
固定された細胞もしくはその細胞を含む組織切片をタ
ンパク質分解酵素の溶液で処理する、ことを特徴として
もよい。
【0010】また、第1の工程は、細胞もしくはその
細胞を含む組織切片の懸濁液を遠心して前記細胞を集
め、集められた細胞もしくはその細胞を含む組織切片
を第2の時間にわたって細胞固定液に浸した後にリンス
し、固定された細胞もしくはその細胞を含む組織切片
を再度遠心して集め、再度遠心して集められた細胞も
しくはその細胞を含む組織切片をタンパク質分解酵素の
溶液で処理する、ことを特徴としてもよい。
【0011】また、ラベル化特性は蛍光性であり、第5
の工程での蛍光観察は蛍光顕微鏡および高感度テレビカ
メラで行うことが好適である。
【0012】
【作用】本発明の特定の塩基配列を有する遺伝子の検出
方法では、特定の塩基配列から成る遺伝子の増幅にあた
って増幅遺伝子の構成の一部をラベル化物質とし、遺伝
子を構成しなかったラベル化物質を洗浄後に、ラベル化
特性を測定する。以後、ラベル化特性を蛍光性として、
本発明の作用を説明する。
【0013】図1および図2は、本発明の特定の塩基配
列を有する遺伝子の検出方法の概要工程図である。図1
は特定の塩基配列を有する遺伝子が細胞内に存在しない
場合であり、図2は特定の塩基配列を有する遺伝子が細
胞内に存在する場合である。本発明の特定の塩基配列を
有する遺伝子の検出方法では、まず、測定対象の遺伝子
を含む細胞を固定化するとともに、細胞内の測定対象の
遺伝子の存在する領域と細胞の外部領域とを連通する
(図1および図2の(a)参照)。こうした細胞の固定
化には、ガラス表面に細胞を固着し、細胞固定液に第
1の時間だけ浸した後に蛋白質分解酵素で第2の時間だ
け処理する方法、または、遠心により集められた細胞
を細胞固定液に第3の時間だけ浸した後に蛋白質分解酵
素で第4の時間だけ処理し、再懸濁して用いるする方法
がある。
【0014】次に、測定対象の遺伝子の存在する領域と
細胞の外部領域とが連通された細胞内に、蛍光性の核酸
塩基を含むポリメラーゼ連鎖反応による特定の塩基配列
を有する遺伝子の増幅に必要な反応液一式を導入する
(図1および図2の(b)参照)。引き続き、反応液が
導入された細胞の周囲温度を調節して、特定の塩基配列
を有する遺伝子を選択的に細胞内で増幅する(図1およ
び図2の(c)参照)。この後、選択的に増幅された特
定の塩基配列を有する遺伝子を有する細胞から遺伝子増
幅に使用されなかった蛍光物質を洗浄して排出する(図
1および図2の(d)参照)。
【0015】次いで、洗浄された細胞で発生する蛍光を
観察し、細胞内の特定の塩基配列を有する遺伝子を検出
する。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の特定の塩
基配列を有する遺伝子の検出方法の実施例を説明する。
なお、図面の説明にあたって同一の要素には同一の符号
を付し、重複する説明を省略する。
【0017】(第1実施例)本実施例は、測定対象の細
胞をガラス表面に固着した後に、細胞内の特定の塩基配
列を有する遺伝子を自動的に検出する。
【0018】図3は、本実施例の特定の塩基配列を有す
る遺伝子の検出方法で使用する自動化装置の構成図であ
る。この装置は、(a)検出動作を制御する検出制御部
200と、(b)検出制御部200から出力された透過
観察用のプローブ光を測定対象の細胞900へ導く光学
系300と、(c)検出制御部200から出力された蛍
光観察用のプローブ光を測定対象の細胞900へ導く光
学系600と、(d)細胞900を保持するとともに、
検出制御部200からの指示により細胞900の温度制
御および観測位置の移動を行う観察ステージ400と、
(e)PCR用試料を細胞に供給する試料注入器530
と、(f)細胞900の洗浄液を格納する洗浄液だめ5
10と、(g)観察ステージ400から排出された廃液
を格納する廃液だめ520と、(h)透過観察用のプロ
ーブ光または蛍光観察用のプローブ光の照射による細胞
900の透過光像または蛍光像を撮像する高感度テレビ
カメラ700と、(i)高感度テレビカメラ700の撮
像結果を収集して画像処理を行う画像処理器800と、
(j)画像処理器800の処理結果を表示する表示装置
100とを備える。そして、観察ステージ400と洗浄
液だめ510とは検出制御部200からの指示により開
閉する弁512およびガラス管512を介して接続さ
れ、観察ステージ400と廃液だめ520とはガラス管
521を介して接続され、また、観察ステージ400と
試料注入器530とはガラス管531を介して接続され
る。なお、光学系600は、細胞900を介した透過光
または細胞900で発生した蛍光を高感度テレビカメラ
700に導く光学系としても機能する。
【0019】検出制御部200は、透過光観察用プロ
ーブ光を発生する光源210と、弁511の開閉を指
示する開閉指示器220と、観測位置の指示をする位
置指示器230と、細胞900の温度調整を指示する
温度指示器240と、落射蛍光観察用プローブ光を発
生する光源250と、これら〜を制御するととも
に画像処理器800に動作指示を通知するマイクロプロ
セッサを備えた制御部290と、を備える。
【0020】光学系600は、対物レンズ610と、
蛍光および細胞900の透過光を透過し、蛍光観察用
プローブ光を反射するダイクロイックミラー620とを
備える。
【0021】光学系300は、透過光観察用プローブ
光の進行方向を制御する偏向器310と、透過光観察
用プローブ光を集光するコンデンサレンズ320とを備
える。
【0022】図4は、観察ステージ400の詳細な構成
の説明図である。図2に示すように、観察ステージ40
0は、位置指示器230からの指示で移動する基材プ
レート432と、温度指示器240からの指示により
細胞900の温度を調整する基材プレート432上に配
置されたペルチェ素子入りヒートブロック420と、
ヒートブロック420上に配置された細胞900が固着
されカバーガラス413と、カバーガラス413上に
配置されたチャンバスペーサ412と、チャンバスペ
ーサ412上に配置されたカバーガラス411と、カ
バーガラス411上に配置され、前述の〜を固定す
る押えプレート431と、を備える。
【0023】本実施例では、以下のようにして、測定対
象の細胞900内の特定の塩基配列を有する遺伝子を検
出する。
【0024】まず、カバーガラス413単体をポリリジ
ンで処理(カバーガラス上に500 μg/mlのPoly-L-lysin
e の水溶液を数滴落とし、乾燥させる)する。
【0025】次に、採取した細胞を遠心(5000rpm, 5mi
n )した後に、ポリリジン処理したカバーガラス413
上に塗り付けて風乾し、このカバーグラス413を使用
して観察ステージ400を構成する。ここで、採取細胞
900を塗り付けたカバーガラス413をシャーレ内に
置き、細胞懸濁液をシャーレ内に入れて細胞培養を行っ
て観察ステージ400を構成してもよいし、この後に風
乾して観察ステージ400を構成してもよい。
【0026】次いで、細胞の付着した注入器530から
細胞固定液であるストレックティッシュフィクサティブ
(Streck Tissue Fixative;STF)原液をチャンバス
ペース412内に供給し、カバーガラス413をSTF
原液中に約15分間浸した後、開閉指示器220からの
指示により、洗浄液だめ510からリン酸緩衝液(PB
S)をチャンバスペース412内に供給して洗浄する。
なお、洗浄液には水もしくは洗剤を含む水ないし緩衝液
を採用することも可能である。
【0027】引き続き、注入器530からプロテナーゼ
(Proteinase K)溶液(濃度=1μg/ml)をチャンバス
ペース412内に供給し、細胞の付着したカバーガラス
413をProteinaseK 溶液中に、温度調整器240から
の指示により37℃で15分間の条件で浸す。この結
果、細胞900の膜には細孔が形成される。この後、開
閉指示器220からの指示により、洗浄液だめ510か
らリン酸緩衝液(PBS)をチャンバスペース412内
に供給して洗浄する。
【0028】次に、注入器530から表1の組成のPC
R反応液をチャンバスペース412内に供給する。
【0029】 表1 PCR反応液の組成 10×PCR バッファ 5 μl 2.5mM 3dNTP (dATP, dCTP, dGTP) 5 μl 250 μM dTTP 8 μl 250 μM ロータ゛ミン-4-dUTP (FluoroRed) 2 μl 25μM ヒト型β-ク゛ロヒ゛ン フ゜ライマ KM29 2μl 25μM ヒト型βーク゛ロヒ゛ン フ゜ライマ KM38 2μl 5U/ μl AmpliTaq DNA ホ゜リメラーセ゛ 0.2 μl 超純水(MiliQ ) 23.8 μl 計 50.0 μl なお、本実施例で増幅したβ−グロビン(ヒト型)遺伝
子の増幅用プライマ(KM29およびKM38)のゲノ
ム上の位置と塩基配列を図5に示す。
【0030】引き続き、温度調整器240からの指示に
より表2のような温度サイクルを細胞900に施してP
CR法により遺伝子増幅する。
【0031】 表2 温度サイクル 94℃, 3 分 (1 サイクル) 45℃, 2 分 / 72 ℃, 3 分 / 94 ℃, 1 分 (30サイク
ル) 45℃, 5 分 / 72 ℃, 7 分 (1 サイクル) なお、温度サイクルは使用するプライマや増幅する遺伝
子の長さ等によって異なる。
【0032】この後、開閉指示器220からの指示によ
り、洗浄液だめ510からリン酸緩衝液および超純水
(MiliQ)をチャンバスペース412内に供給して
洗浄する。
【0033】以上で、透過光観察および蛍光観察の対象
の試料が準備される。そして、以下の手順で細胞900
内の特定の塩基配列を有する遺伝子の観察が実施され
る。
【0034】まず、制御部290の指示により、光源2
10から透過光観察用プローブ光が出力される。透過光
観察用プローブ光は光学系300を介して観察ステージ
400の試料に照射される。試料に照射され、透過した
光は光学系600を介して高感度テレビカメラに入力
し、透過光が形成する細胞900の像が撮像される。撮
像データは画像処理器800に通知され、観察位置情報
とともに格納される。
【0035】次に、制御部290の指示により、光源2
50から蛍光用プローブ光が出力される。蛍光観察用プ
ローブ光は光学系600を介して観察ステージ400の
試料に照射される。試料に照射されて発生した蛍光した
光は光学系600を介して高感度テレビカメラに入力
し、蛍光像が撮像される。撮像データは画像処理器80
0に通知され、観察位置情報とともに格納される。
【0036】次いで、制御部290の指示により、移動
制御器230から観察ステージ400へ移動指示が通知
され、観察ステージ400が移動する。引き続き、上記
と同様に細胞900の透過光像および蛍光像が撮像さ
れ、画像処理器800に観察位置情報とともに格納され
る。
【0037】更に、制御部290の指示により観察ステ
ージ400を移動させながら、観測したい領域に関する
細胞900の透過光像データおよび蛍光像データを画像
処理器800に観察位置情報とともに格納する。
【0038】撮像データの収集が終了すると、画像処理
器800は制御部290の指示に従って、指示された観
察位置の透過光像、蛍光像、または透過光像と蛍光像と
の合成像を表示器100に表示する。
【0039】図6および図7は、検出結果の表示器10
0の表示を示す写真である。図6(a)および図7
(a)は蛍光像を、図6(b)および図7(b)は透過
光像を示す。図6(a)および図7(a)から蛍光像で
輝点が観察される。蛍光像と透過光像と重ねると、輝点
の位置は細胞の中の核の位置に相当する。これは、細胞
核内に多量の蛍光核酸物質の存在を意味する。つまり、
細胞核内でPCRが起こり、蛍光核酸物質でラベルされ
たPCR産物が多量に産出されたことが確認できる。
【0040】図8は、コントロール系の検出結果であ
り、上記の検出工程においてPCRが起こらないように
プライマを添加しないPCR反応液をした場合の検出結
果である。図8(a)は蛍光像を、図8(b)は透過光
像を示す。図8(a)に示されるように、蛍光像に輝点
は無く、PCR反応は起きなかったことが確認できる。
【0041】(第2実施例)本実施例は、測定対象の細
胞で、あらかじめ本方法により自動もしくは手動で遺伝
子増幅ラベル化されたものを懸濁液の状態で観察して、
細胞内の特定の塩基配列を有する遺伝子を検出する。
【0042】図9は、本実施例で所用する検出装置の構
成図である。図9に示すように、この装置は第1実施例
と比べて、検出制御部には、開閉制御器220と温度調
整器240がなく、これらの制御を行わない分だけ制御
部の構成が異なるとともに、観察ステージが基材423
のみから構成されることが異なる。そして、測定対象の
細胞910が実装されたスライドガラスサンプル490
を基材423に乗せて、検出を実行する。本実施例の検
出は、測定対象の試料の作成までが第1実施例と異な
る。
【0043】本実施例では、採取した細胞を培養し、細
胞培養液を遠心(5000rpm, 5min )して細胞を集める。
集めた細胞を細胞固定液であるSTF原液中に約15分
間浸した後、再度遠心して細胞を集める。再度集められ
た細胞を水またはPBSで細胞を洗浄した後、プロテナ
ーゼK溶液(濃度=1μg/ml)に37℃で15分間の条
件で浸す。この後、更に遠心して細胞を集め、水または
PBSで洗浄する。
【0044】引き続き、第1実施例と同様のPCR反応
液を加え、第1実施例と同様の温度サイクルを施す。こ
の後、もう一度遠心して細胞を集め、水またはPBSで
洗浄する。
【0045】次に、PBSで再懸濁して細胞懸濁液とし
て、スライドグラス上にのせ、カバーガラスを被せて測
定試料490とする。
【0046】以後、第1実施例と同様にして、透過光像
と蛍光像とを収集し、表示する。本実施例においても第
1実施例と同様の結果を得る。
【0047】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
ではなく変形が可能である。例えば、上記の実施例では
ラベル化核酸塩基として蛍光性核酸塩基としたが、放射
性同位元素を含む核酸塩基や発光性もしくは吸光性核酸
塩基を使用することも可能である。なお、こうした場合
には、ラベル化特性を検出することになるので、ラベル
化特性に応じた検出器を使用する必要がある。また、本
実施例ではヒトのβ−グロビン遺伝子増幅用プライマを
用いてヒト特異的遺伝子を検出したが、本方法は疾患原
因となる突然変異遺伝子、病因ウィルス特異的遺伝子,
ガンにより変異を起こした遺伝子等のプライマを用いる
ことによりそれらの存在の検出をすることが可能であ
る。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の特
定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法によれば、特定
の塩基配列を有する遺伝子を増幅するとともに、増幅遺
伝子にラベル化した核酸塩基を取り込ませることとした
ので、自動化可能であり、かつ、精度良く迅速に細胞内
の特定の塩基配列を有する遺伝子を検出することができ
る。
【0049】
【配列表】
配列番号 :1 (KM29) 配列の長さ:22 配列の型 :ヌクレオチド 鎖の数 :一重鎖 トポロジー:線状 配列 GGTTGGCCAA TCTACTCCCA GG 配列番号 :2 (KM38) 配列の長さ:22 配列の型 :ヌクレオチド 鎖の数 :一重鎖 トポロジー:線状 配列 TGGTCTCCTT AAACCTGTCT TG
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特定の塩基配列を有する遺伝子の検出
方法の概要説明図である。
【図2】本発明の特定の塩基配列を有する遺伝子の検出
方法の概要説明図である。
【図3】本発明の第1実施例で使用する検出装置の構成
図である。
【図4】図3の検出装置の観察ステージの詳細構成図で
ある。
【図5】β−グロビン(ヒト型)プライマの位置と配列
との説明図である。
【図6】実施例での細胞(生物の形態)の検出結果を示
す顕微鏡写真である。
【図7】実施例での細胞(生物の形態)の検出結果を示
す顕微鏡写真である。
【図8】コントロール系での細胞(生物の形態)に関す
る検出結果を示す顕微鏡写真である。
【図9】本発明の第2実施例で使用する検出装置の構成
図である。
【符号の説明】
100…表示器、200,260…検出制御部、30
0,600…光学系、400…観察ステージ、510…
洗浄液ため、520…廃液ため、530…注入器、70
0…高感度テレビカメラ、800…画像処理器、90
0,910…測定対象細胞。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の遺伝子を有する可能性のある
    細胞もしくはその細胞を含む組織切片を固定化するとと
    もに、前記細胞内の前記測定対象の遺伝子の存在する可
    能性のある領域と前記細胞の外部領域とを連通する第1
    の工程と、 前記測定対象の遺伝子の存在する可能性のある領域と前
    記細胞の外部領域とが連通された前記細胞内に、ラベル
    化核酸塩基を含むポリメラーゼ連鎖反応による特定の塩
    基配列を有する遺伝子の増幅に必要な反応液一式を導入
    する第2の工程と、 前記反応液が導入された前記細胞もしくはその細胞を含
    む組織切片の周囲温度を調節して、前記特定の塩基配列
    を有する遺伝子を選択的に前記細胞内で増幅する第3の
    工程と、 選択的に増幅された前記特定の塩基配列を有する遺伝子
    を有する前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片から
    遺伝子増幅に使用されなかったラベル化核酸塩基を洗浄
    して排出する第4の工程と、 洗浄された前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片で
    発生するラベル化特性を観察し、前記細胞もしくはその
    細胞を含む組織切片内の前記特定の塩基配列を有する遺
    伝子を検出する第5の工程と、 を備えることを特徴とする特定の塩基配列を有する遺伝
    子の検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程は、 前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片をガラスの表
    面に固着し、 前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片が固着した前
    記ガラスを第1の時間にわたって細胞固定液に浸した後
    にリンスし、 固定された前記細胞をタンパク質分解酵素の溶液で第2
    の時間にわたって処理する、 ことを特徴とする請求項1記載の特定の塩基配列を有す
    る遺伝子の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程は、 前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片の懸濁液を遠
    心して前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片を集
    め、 集められた前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片を
    第3の時間にわたって細胞固定液に浸した後にリンス
    し、 固定された前記細胞もしくはその細胞を含む組織切片を
    再度遠心して集め、 再度遠心して集められた前記細胞もしくはその細胞を含
    む組織切片をタンパク質分解酵素の溶液で第4の時間に
    わたって処理する、 ことを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の特定
    の塩基配列を有する遺伝子の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記ラベル化特性は蛍光性であり、前記
    第5の工程での蛍光観察は蛍光顕微鏡および高感度テレ
    ビカメラで行う、ことを特徴とする請求項1記載の特定
    の塩基配列を有する遺伝子の検出方法。
JP6335000A 1994-12-20 1994-12-20 特定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法 Pending JPH08173192A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6335000A JPH08173192A (ja) 1994-12-20 1994-12-20 特定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6335000A JPH08173192A (ja) 1994-12-20 1994-12-20 特定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08173192A true JPH08173192A (ja) 1996-07-09

Family

ID=18283619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6335000A Pending JPH08173192A (ja) 1994-12-20 1994-12-20 特定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08173192A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075680A1 (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. 核酸検出方法およびその利用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075680A1 (ja) * 2004-02-09 2005-08-18 Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. 核酸検出方法およびその利用
JPWO2005075680A1 (ja) * 2004-02-09 2007-11-22 扶桑薬品工業株式会社 核酸検出方法およびその利用
US8187805B2 (en) 2004-02-09 2012-05-29 Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. Method of detecting nucleic acid and utilization thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5258835B2 (ja) ポリヌクレオチドの検出及び定量装置
JP3581297B2 (ja) 核酸試料分析法および装置
CN105026562B (zh) 基因定量、序列分析用二维细胞阵列器件及装置
EP2302072B1 (en) Real time-PCR of targets on a micro-array
AU2009231582A1 (en) Amplicon rescue multiplex polymerase chain reaction for amplificaton of multiple targets
CN101065498A (zh) 在微阵列上的靶的实时pcr
JP6307179B2 (ja) 単一細胞解析用フローセルデバイス及び単一細胞解析装置
KR20170024827A (ko) 미세유로 필름 반응기, 핵산 추출 모듈 및 qPCR 반응조성물 모듈이 구비된 qPCR 카트리지 및 이를 이용한 고속 qPCR 시스템
AU7058691A (en) Immunologically active proteines from borrelia burgdorferi, related test kits and vaccine
CA2755234A1 (en) Method of integrated real-time nucleic acid analysis for simultaneously detecting a plurality of target nucleic acids
CN106987641A (zh) 一种检测食源性致病菌生物芯片的制备方法
CN101016564B (zh) 一种检测线粒体糖尿病的45个基因位点微阵列芯片
US20080254472A1 (en) Method for detecting nucleic acid in sample, method for designing probes, system for designing probes therefor
JPH08173192A (ja) 特定の塩基配列を有する遺伝子の検出方法
JP2009109402A (ja) 画像情報処理装置
JP4250554B2 (ja) Dnaプローブ設計装置及びdnaプローブ設計のための情報処理方法
CN112941161A (zh) 评价脑梗死的风险的方法
JP4914142B2 (ja) 検査装置
JP2004028775A (ja) 遺伝子検査装置およびそれを用いた検出方法
CN1970791A (zh) 一种检测线粒体糖尿病45个基因位点膜芯片
WO2000077253A1 (fr) Appareil et procede d'examen des genes
US20060240430A1 (en) Method for hybridisation of immobilized genomic dna
JP2004279336A (ja) 生体関連物質の反応容器
JP6244439B2 (ja) 遺伝子定量・配列解析用2次元セルアレイデバイスおよび装置
JP2007010325A (ja) 生体分子検出方法及び光学読み取り装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050307

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050705