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JPH08170171A - Ito透明導電膜の作製方法 - Google Patents

Ito透明導電膜の作製方法

Info

Publication number
JPH08170171A
JPH08170171A JP6334267A JP33426794A JPH08170171A JP H08170171 A JPH08170171 A JP H08170171A JP 6334267 A JP6334267 A JP 6334267A JP 33426794 A JP33426794 A JP 33426794A JP H08170171 A JPH08170171 A JP H08170171A
Authority
JP
Japan
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conductive film
transparent conductive
target
ito transparent
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6334267A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Ishibashi
啓次 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ANERUBA KK
Original Assignee
ANERUBA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ANERUBA KK filed Critical ANERUBA KK
Priority to JP6334267A priority Critical patent/JPH08170171A/ja
Priority to TW084107511A priority patent/TW334479B/zh
Priority to KR1019950027084A priority patent/KR100200005B1/ko
Priority to US08/532,937 priority patent/US5605610A/en
Publication of JPH08170171A publication Critical patent/JPH08170171A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/34Sputtering
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/0021Reactive sputtering or evaporation
    • C23C14/0036Reactive sputtering
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C23C14/086Oxides of zinc, germanium, cadmium, indium, tin, thallium or bismuth

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  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マグネトロンスパッタにより継続して多数枚
の基板または単一基板の上へITO透明導電膜の作製す
ることにおいてターゲットのライフエンドまで低比抵抗
を有する膜を作製する。 【構成】 InおよびSnの酸化物の混合焼結体をター
ゲットとして用い、希ガスと酸素を導入して作られる雰
囲気中で、マグネトロンスパッタ法により、InとOを
基本構成元素としSnをドナーとして添加したITO透
明導電膜作製方法であり、成膜を行う第1の工程と、第
1の工程を中断しターゲットが食刻される速度がターゲ
ット表面の酸素欠乏層の形成速度よりも速くなる電力密
度で放電を行って第1の工程中に形成されたターゲット
表面の酸素欠乏層を除去する第2の工程とを含み、第1
の工程と第2の工程を交互に繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はITO透明導電膜の作製
方法に関し、特に、液晶表示装置、太陽電池等の電極に
利用されるITO透明導電膜をスパッタ法を利用して作
製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜としてIn(インジウム)と
O(酸素)を基本構成元素として使用し、これにSn
(スズ)をドナーとして添加したITO透明導電膜が従
来知られている。このITO透明導電膜の従来の作製方
法には、スプレー法、CVD法、ディップ法といった化
学反応を利用した化学的成膜法と、真空蒸着法、スパッ
タ法といった真空中での物理現象を利用した物理的成膜
法がある。
【0003】上記の薄膜作製方法のうち、スパッタ法
は、比較的に低い抵抗値のITO透明導電膜が得られる
と共に大面積の基板上で均一にITO透明導電膜を形成
できるという点で、他の成膜法よりも優れている。
【0004】スパッタ法には直流(DC)放電方式と高
周波(RF)放電方式があるが、コストが低い、放電が
安定である、制御性が良いという点で、現在、直流放電
方式のスパッタ法(DCスパッタ法という)が主流であ
る。また成膜速度が速く量産性に優れている点で、ター
ゲット背後に配置したマグネットによる磁界でターゲッ
ト表面にプラズマを収束させるようにしたマグネトロン
スパッタ法が主流である。以上のことから、ITO透明
導電膜の量産装置として、現在一般的に、直流放電方式
とマグネトロン方式を組合せてなるDCマグネトロンス
パッタ法が用いられている。最近では、ターゲットの背
後に配置したマグネットを往復運動(揺動)させあるい
は偏心回転させることによってターゲットの全面をスパ
ッタする方式が開発されている。
【0005】ところでスパッタ法では、一般に、ITO
透明導電膜の比抵抗に影響を与える要因として基板温度
と酸素分圧が知られている。基板温度では、温度が高い
ほど膜の比抵抗が小さくなる。酸素分圧では、分圧が低
い領域では膜中の酸素空孔が多いためキャリア密度は高
くなるが、移動度は低くなる。一方、分圧が高い領域で
は酸素空孔が少なくなるためキャリア密度は低くなる
が、移動度は高くなる。比抵抗はこれらのキャリア密度
と移動度の積の逆数になるため、キャリア密度と移動度
の兼ね合いで比抵抗が極小となる最適な酸素分圧が存在
する。そこで、従来のスパッタ法では、基板温度と酸素
分圧の各々をパラメータとして調節することによって、
低比抵抗のITO透明導電膜を作製していた。
【0006】上記のように行われるITO透明導電膜の
作製は、通常100nm/min前後の成膜速度で行われてい
る。この成膜速度を得るための電力は、ターゲットと基
板との間隔やターゲットの密度(または充填密度)等に
より異なるが、通常のマグネット静止の場合、ターゲッ
トに投入する電力をターゲットの食刻面積で割った値に
換算して、約1〜2W/cm2 程度である。またマグネッ
トを揺動あるいは偏心回転等により動かす場合でも、マ
グネットを静止した場合に形成されるターゲットの食刻
部の面積で、ターゲットに投入する電力を割った値に換
算すると、同様に約1〜2W/cm2 程度である。
【0007】なお上記において、ターゲットの密度(充
填密度)とは、In2 3 の結晶構造から計算される理
論密度に対する実際のターゲット密度の割合関係を意味
する。また以下において、ターゲットに投入する電力を
ターゲットの食刻面積で割った値を「電力密度」と呼
び、さらに、マグネットを動かす方式の場合では、マグ
ネットを静止したときに形成されるターゲットの食刻部
の面積で、ターゲットに投入する電力を割った値を「電
力密度」と呼ぶこととする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
電力密度で連続的にスパッタを行い、多数枚の基板のそ
れぞれの上にITO透明導電膜の作製を行っていると、
基板上に形成されるITO透明導電膜の比抵抗の値が徐
々に上昇してしまい、同一の比抵抗値を持つITO透明
導電膜が得られなくなる。すなわち、連続的なスパッタ
に伴って、基板上に成膜されるITO透明導電膜は経時
的に比抵抗が増大してしまうという問題があった。
【0009】図3に、DCマグネトロンスパッタ法を用
い、電力密度を1.0W/cm2 および2.0W/cm2
して、連続的なスパッタにより多数枚の基板上にITO
透明導電膜を作製したときの、ターゲットに投入した積
算電力に対する膜の比抵抗の値の変化を示す。この例
は、ターゲットとしてIn2 3 にSn2 3 を10wt
%添加した焼結体ターゲット(密度95%)を用い、2
00℃に加熱した基板上に0.4Paの圧力で成膜を行
ったもので、スパッタガスにはArとO2 の混合ガスを
用い、そのスパッタガス中のO2 濃度は、一定積算電力
(3kWh )毎に比抵抗が最低となるように調節を行っ
た。図から明らかなように、2.0W/cm2の方が1.
0W/cm2 よりも積算電力に対する変化は少ないもの
の、いずれも積算電力の増加に伴って比抵抗は増加す
る。
【0010】上記の例のように、従来のような電力密度
を用いたマグネトロンスパッタ法では、成膜されるIT
O透明導電膜において比抵抗が一定であるものが得られ
ず、デバイス性能を保証できる所定の範囲内の比抵抗を
得るためには、ターゲットをライフエンドまで使い切ら
ないうちに表面を機械的に削ったり、或はターゲットそ
のものを交換しなければならないこともあり、そのた
め、生産性が上がらない、あるいはコストがかかるとい
う問題があった。
【0011】また図3では、連続的なスパッタにより多
数枚の基板上にITO透明導電膜の作製を行った場合、
積算電力の増加につれて膜の比抵抗が増加してしまうこ
とを示したが、このような積算電力に対する膜の比抵抗
の増加は、厳密に言えば1枚の基板上への成膜中にも起
きている。すなわち1枚の基板上の膜においても膜の厚
さ方向に比抵抗が高くなっている。従って、ある程度厚
い膜を形成しようとする場合には、膜厚が厚くなるに従
って膜全体としての比抵抗が高くなってしまうという問
題もあった。
【0012】本発明の目的は、上記の問題を解決するこ
とにあり、連続的なスパッタにより継続して多数枚の基
板上へITO透明導電膜の作製することにおいてターゲ
ットのライフエンドまで所定の範囲内の低比抵抗を有す
るITO透明導電膜を作製でき、また、単一の基板上へ
のITO透明導電膜の作製において膜厚が厚くても所定
の低比抵抗を持つITO透明導電膜を作製できるITO
透明導電膜の作製方法を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、基板のITO透明導
電膜の比抵抗が高くなる理由を考察することにより、タ
ーゲットに供給される電力に関する電力密度の制御とい
う新しい観点で、低比抵抗のITO透明導電膜を作製で
きると共にターゲットの使用効率を高め、生産性を向上
することのできるITO透明導電膜の作製方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の本発明に係るIT
O透明導電膜の作製方法は、InおよびSnの酸化物の
混合焼結体をターゲットとして用い、希ガスと酸素を導
入して作られる雰囲気中で、マグネトロンスパッタ法に
より、InとOを基本構成元素としSnをドナーとして
添加したITO透明導電膜作製方法であり、基板の上に
ITO透明導電膜を形成する第1の工程と、第1の工程
を中断しターゲットが食刻される速度がターゲット表面
の酸素欠乏層の形成速度よりも速くなる電力密度で放電
を行って第1の工程中に形成されたターゲット表面の酸
素欠乏層を除去する第2の工程とを含み、第1の工程と
第2の工程を交互に繰り返すことを特徴とする。
【0015】第2の本発明は、第1の発明において、タ
ーゲットの密度に応じて上記の電力密度が決定されるこ
とを特徴とする。
【0016】第3の本発明は、第2の発明において、タ
ーゲットの密度が高密度(例えば95%程度)であると
きには、電力密度が2.5W/cm2 以上の値であること
を特徴とする。
【0017】第4の本発明は、第2の発明において、タ
ーゲットの密度が低密度(例えば70%程度)であると
きには、電力密度が4W/cm2 以上の値であることを特
徴とする。
【0018】第5の本発明は、第1の発明において、タ
ーゲットが冷却手段で冷却されることを特徴とする。
【0019】第6の本発明は、第1の発明において、I
TO透明導電膜の比抵抗が設定値より高くなったとき第
1の工程を中断して第2の工程に移行し、この第2の工
程を所定の時間行った後、再び第1の工程を開始し、そ
の後同様にして第1の工程と第2の工程を交互に繰り返
すことを特徴とする。
【0020】第7の本発明は、前記の各発明において、
第1の工程によって、継続して複数の基板のそれぞれに
ITO透明導電膜を形成し、その後第2の工程を行うこ
とを特徴とする。
【0021】第8の本発明は、前記の各発明において、
1枚の基板に対して第1の工程と第2の工程を交互に繰
り返すことを特徴とする。
【0022】第9の本発明は、InおよびSnの酸化物
の混合体をターゲットとして用い、希ガスと酸素を導入
して作られる雰囲気中で、マグネトロンスパッタ法によ
り、InとOを基本構成元素としSnをドナーとして添
加したITO透明導電膜を基板に作製する方法であり、
ターゲットが食刻される速度がターゲット表面の酸素欠
乏層の形成速度よりも速くなる電力密度で放電を行うこ
とにより、ターゲット表面の酸素欠乏層を除去する工程
を含むことを特徴とする。
【0023】第10の本発明は、第9の発明において、
ターゲットの密度に応じて電力密度が決定されることを
特徴とする。
【0024】第11の本発明は、第10の発明におい
て、ターゲットの密度が高密度(例えば95%程度)で
あるとき、電力密度は2.5W/cm2 以上でかつ4W/
cm2 よりも小さい範囲の値であることを特徴とする。
【0025】第12の本発明は、第10の発明におい
て、ターゲットの密度が低密度(例えば70%程度)で
あるとき、電力密度は4W/cm2 以上の値であることを
特徴とする。
【0026】第13の本発明は、前記の第9から第12
の発明において、ターゲットは冷却手段で冷却されるこ
とを特徴とする。
【0027】
【作用】本発明では、マグネトロンスパッタによって基
板上にITO透明導電膜を製作することにおいて、ター
ゲットが食刻される速度がターゲット表面における酸素
欠乏層の形成速度よりも速くなるという速度関係の条件
を満たす電力密度を用いてスパッタを行う工程を含ませ
るようにした。この工程を設けることによって、ターゲ
ット表面に形成される酸素欠乏層を除去できるので、I
TO透明導電膜の作製において成膜時間が経過するに伴
い膜の比抵抗を増加させる原因となるターゲット表面の
酸素欠乏層の形成を阻止し、ターゲット中の酸素濃度の
低下を阻止することが可能となる。これによって、連続
的なスパッタによって、多数枚の基板のそれぞれの上へ
ITO透明導電膜を成膜しても、あるいは単一の基板の
上に厚みのあるITO透明導電膜を成膜しても、作製さ
れる膜の比抵抗値を所定範囲に含まれる相対的に低い値
に保つことが可能となる。従って、ターゲットをそのラ
イフエンドまで有効に使用でき、使用効率を高めると共
に、このように使用してもほぼ同一の低比抵抗を持つI
TO透明導電膜を得ることができる。
【0028】また本発明では、従来のような電力密度で
成膜を行う場合においても、従来の電力密度により第1
の成膜工程と、上記速度関係の条件を満たす上記電力密
度による第2の放電工程とを組み合わせ、第1および第
2の工程を交互に必要に応じて行うことにより、成膜中
に形成されたターゲット表面の酸素欠乏層も除去し、タ
ーゲット表面を初期と同様の状態に保持し、成膜中に増
大した膜の比抵抗をターゲット使用初期の値まで戻すこ
とが可能である。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の好適実施例を添付図面に基
づいて説明する。
【0030】最初に、本発明によるITO透明導電膜の
作製方法が考え出された根拠を説明する。
【0031】例えばDCマグネトロンスパッタ法におい
て、スパッタを連続的に行い継続して2枚以上の基板に
対して1枚ごと各基板の上にITO透明導電膜を成膜し
た場合に経時的に比抵抗が増大するという問題の発生原
因は、本発明者による調査・研究の結果、連続的なスパ
ッタに伴ってターゲットの表面近傍で酸素濃度が徐々に
低下することであるという結論に至った。ターゲットの
表面近傍で酸素濃度が徐々に低下するのは、酸素の選択
スパッタまたはスパッタの際のイオン衝撃に伴う表面温
度上昇によって、ターゲットの表面近傍の領域で酸素が
離脱することが原因である。またターゲットの中では酸
素の欠乏している表面近傍の領域へ酸素が拡散し、酸素
欠乏層がスパッタ時間の経過と共に広がるという要因も
ある。
【0032】またターゲットの表面からスパッタされる
酸素の中には原子状の酸素が存在する。原子状酸素は、
スパッタガス中へ導入される分子状の酸素よりも活性で
あるので、膜成長の際の結晶性向上に寄与する。このた
め、ターゲットからスパッタされる原子状酸素が多いほ
ど低比抵抗の膜が得られる。
【0033】前述の図3に示したグラフは一定積算電力
毎に膜の比抵抗が極小となるようにO2 導入量を調整し
て成膜を行ったときのものである。この図に示されるよ
うに電力密度1.0W/cm2 および2.0W/cm2 の両
方とも積算電力の増加に伴って膜の比抵抗は増加してし
まっている。このように連続的なスパッタによる成膜を
行っていくと、ある時点(図3に示した例では3 kWh
毎)で膜の比抵抗が極小となるようにO2 導入量を調整
しても、その比抵抗の極小値をターゲット使用初期の極
小値にすることはできない。これは、前述のようにター
ゲット中の酸素が欠乏してしまい、ターゲットからスパ
ッタされる原子状の酸素が減少するためである。
【0034】ところで従来のスパッタ法では、前述のよ
うに一定積算電力毎に比抵抗が極小となるようにスパッ
タガス中へ適量(通常数%)のO2 を導入している。こ
のスパッタガス中へ導入したO2 の一部はターゲット表
面の酸化に寄与し、ターゲット表面では酸素が補充され
ているはずである。しかし従来のスパッタ法においては
スパッタガス中へ適量のO2 を導入しても、図3に示し
たように膜の比抵抗は積算電力の増加に伴い増加してし
まう。これは、この程度のO2 導入量では、導入したO
2 によるターゲットの酸化よりも選択スパッタあるいは
表面温度上昇による酸素の離脱の方が速く、結局ターゲ
ット表面での酸素の欠乏が起こり、酸素欠乏層が形成さ
れてしまうからである。
【0035】以上の知見に基づいて、本発明では、ター
ゲット表面に形成された酸素欠乏層を除去することによ
り、あるいはターゲット表面の酸素欠乏層の形成を抑制
することにより、基板上に作製されるITO透明導電膜
の比抵抗が増大することを防止する対策をとるもので、
上記酸素欠乏層の除去あるいは酸素欠乏層形成の抑制
を、スパッタ放電の電力密度を望ましい値に制御するこ
とにより実行する。
【0036】本発明の第1の実施例を説明する。この実
施例は、本発明の基本的な考え方を示すものである。図
1は、第1実施例による方法によってITO透明導電膜
を作製した場合における、ターゲットに投入した積算電
力に対する膜の比抵抗の変化を示すグラフである。
【0037】第1の実施例は、マグネットを静止した通
常のDCマグネトロンスパッタ法により成膜した例に関
し、ターゲットとしてIn2 3 にSnO2 を10wt%
添加した混合焼結体のターゲット(密度95%)を用
い、さらに電力密度2.5W/cm2 の電力を供給し、加
熱装置で200℃に加熱した基板上に、圧力0.4Pa
で成膜を行ったものである。スパッタガスにはArとO
2 の混合ガスを用い、そのスパッタガス中のO2 の濃度
は、スパッタ初期に比抵抗が極小となった4%の一定値
で行った。図1のグラフから分かるように、積算電力が
増加しても比抵抗はほとんど変化せず、ターゲットのラ
イフエンドまでほぼ一定である。すなわち、連続的なス
パッタにより多数枚の基板のそれぞれの上にITO透明
導電膜を作製しても、ほぼ同一の比抵抗値を持つITO
透明導電膜を得ることができる。
【0038】なお上記の工程で成膜の諸条件の各数値は
一例であって、これらの数値に限定されるものではな
い。
【0039】上記の実施例によれば、密度95%の焼結
体ターゲットで基板にマグネトロンスパッタ法によりI
TO透明導電膜を形成することにおいて、「ターゲット
がスパッタにより食刻される速度が酸素欠乏層の形成速
度よりも速くなる」という速度関係に関する条件を満た
す電力密度、すなわち本実施例の場合には2.5W/cm
2 の電力を供給することによって、ターゲット表面上に
形成された酸素欠乏層を除去し、ターゲットの表面に酸
素欠乏層が形成されるのを阻止するようにしたため、ほ
ぼ同一の低い比抵抗値を持つITO透明導電膜を基板上
に作製することができる。
【0040】上記実施例では、供給される電力の電力密
度を2.5W/cm2 の場合を示したが、本発明に到る実
験の過程で、ターゲット表面における酸素欠乏層の形成
速度は、本実施例に示した密度が95%のターゲットで
は最大でも20nm/secであると見積もられたからであ
る。密度95%のターゲットがスパッタにより食刻され
る速度が20nm/sec程度の速度となる電力密度は、ちょ
うど本実施例に示した2.5W/cm2 程度であった。従
って、本実施例のような密度が95%のターゲットに対
しては、電力密度を2.5W/cm2 以上にすれば、ター
ゲットが食刻される速度がターゲット表面における酸素
欠乏層の形成速度よりも速くなるため、連続的にスパッ
タを行っても、図1に示したように膜における比抵抗の
増大を抑制できる。
【0041】なお、ターゲットの密度が例えば95%程
度の高密度で、かつ前述の成膜条件を満たす場合におい
て、ターゲット表面上に形成された酸素欠乏層を除去し
てほぼ同一の比抵抗値を持つITO透明導電膜を基板上
に作製するという効果を達成し、投入電力のターゲット
表面における熱変換に伴うターゲット表裏間の熱膨脹差
によるターゲットの破損を防止するという観点で電力密
度は、2.5W/cm2以上で4W/cm2 よりも少ない範
囲の値をとることが望ましい。
【0042】また上記実施例では、現在、再現性良く得
られる最も高い密度のターゲットである密度95%のタ
ーゲットの例を説明したが、これよりも密度の低いター
ゲットでは、本実施例に示したような高密度のターゲッ
トに比べて熱伝導性が悪く、ターゲット表面の温度はさ
らに上昇してしまい、このためターゲット表面近傍での
酸素の拡散速度が速くなってしまう。すなわちターゲッ
ト表面における酸素欠乏層の形成速度が速くなる。従っ
て、この形成速度よりもスパッタによる食刻速度を速く
するためには、さらに電力密度を高くする必要がある。
例えば、本発明に到る実験の過程においては、密度が例
えば70%程度の低密度のターゲットの場合には、4W
/cm2 以上の電力密度とする必要があった。密度が70
%程度と低いターゲットの場合でも、このような電力密
度以上であれば、ターゲットのライフエンドまで同一の
比抵抗を持つITO透明導電膜を得ることができる。
【0043】上に述べたように、「ターゲットがスパッ
タにより食刻される速度が酸素欠乏層の形成速度よりも
速くなる」という速度関係に関する条件を満たす電力密
度は、ターゲット密度に応じて変化し、一般的にターゲ
ット密度が低くなると電力密度は高くなる。このよう
に、ターゲット密度に応じて決まる上記の速度関係が成
立する電力密度でスパッタすれば、連続的なスパッタを
行ってもほぼ同一の低い比抵抗を持つITO透明導電膜
を得ることができる。
【0044】なお、ターゲットが食刻される速度をター
ゲット表面における酸素欠乏層の形成速度よりも速くす
るために電力密度を高くすると、ターゲットに与えられ
る熱量も増加してしまい、ターゲット表面温度の上昇、
ひいては酸素の拡散速度(すなわち酸素欠乏層の形成速
度)が上昇するおそれがある。そのため、ターゲットを
冷却するための冷却装置を設け、この冷却装置を用いて
スパッタ中のターゲット冷却を十分に行い、ターゲット
表面温度の温度上昇を押さえる必要がある。
【0045】図2は、本発明によるITO透明導電膜の
作製方法の第2の実施例を説明するための図である。こ
の実施例によるITO透明導電膜の作製方法では、連続
的なDCマグネトロンスパッタにより、継続して多数枚
の基板上にITO透明導電膜の成膜を行う第1の工程を
例えば電力密度1.5W/cm2 で行い、基板上に作製さ
れるITO透明導電膜の比抵抗が3.7Ωcmとなったと
ころで第1の工程を中断し、第1の工程中に形成された
ターゲット表面の酸素欠乏層の除去を行う第2の工程に
移行し、この第2の工程を電力密度4.5W/cm2 で3
0分間行い、ターゲットのライフエンドまで上記の第1
および第2の工程を繰返し行うように構成される。
【0046】図2は、上記作製方法を実行した場合の、
積算電力に対する膜の比抵抗の変化を示すグラフであ
る。この実施例は、マグネットを静止した通常のDCマ
グネトロンスパッタ法により成膜した場合のものであ
り、ターゲットとしてIn2 3にSnO2 を10wt%
添加した焼結体ターゲット(密度95%)を用い、20
0℃に加熱した基板上に、圧力0.4Paで成膜を行っ
たものである。スパッタガスにはArとO2 の混合ガス
を用い、そのスパッタガス中のO2 濃度は、初期に比抵
抗が極小となった2%で、終始一定で行った。図中の実
線11は、第1の工程におけるの膜の比抵抗の変化を示
し、点線12は第2の工程を行うことによって第1の工
程中に増加した膜の比抵抗が初期の値に戻る変化を示し
ている。
【0047】なお上記の各工程で、電力密度、比抵抗、
時間等、および他の成膜の諸条件の各数値は一例であっ
て、これらの数値に限定されるものではない。
【0048】第2の実施例によれば、図2に示したよう
に、第1の工程中に形成されたターゲット表面の酸素欠
乏層が、電力密度4.5W/cm2 での30分間の第2の
工程で食刻してしまうことができ、第1の工程中に3.
7Ωcmまで増加してしまった膜の比抵抗をほとんど初期
と同じ2.4Ωcmに戻すことができる。このように第1
の工程と第2の工程とを交互に繰返し行うことで、ター
ゲットのライフエンドまで所定の範囲(本実施例では、
好ましくは2.4〜3.7Ωcmの範囲)の比抵抗を持つ
ITO透明導電膜を得ることができる。
【0049】ここで第2の実施例では、電力密度4.5
W/cm2 、30分間の第2の工程で比抵抗を初期値に戻
しているが、第2の工程の電力密度はターゲットが食刻
される速度がターゲット表面における酸素欠乏層の形成
速度よりも速くなればよく、密度が95%程度のターゲ
ットでは第1実施例で示したように2.5W/cm2 以上
の電力密度であればよい。ただし、この第2の工程での
電力密度は、高ければ高いほど第2の工程に要する時間
を短くできる。
【0050】また第1の工程を中断して第2の工程に移
行するときの膜の比抵抗値の設定を小さくすれば、第1
の工程中に形成される酸素欠乏層は薄く、第2の工程に
要する時間を短くできる。
【0051】さらに第2の実施例では、第2の工程中も
スパッタガスをArとO2 の混合ガスで行っているが、
Arのみで行えば、ターゲットが食刻される速度がより
速くなるため、第2の工程に要する時間をより短縮でき
る。
【0052】第2の実施例では、膜の比抵抗が所定の値
(3.7Ωcm)になったところで、第1の工程から第2
の工程に移行しているが、この第1の工程から第2の工
程に移行するタイミングは、第1の工程の経過時間で決
めることもできる。ちなみに本実施例において第1の工
程で膜の比抵抗が3.7Ωcmまで増大するのに要する時
間は10時間程度であったので、10時間が経過した後
に、第1工程から第2工程に移行させるようにしてもよ
い。
【0053】上記第2の実施例では例えば密度95%の
高密度のターゲットの場合を示したが、ターゲットの密
度が低い場合には、酸素欠乏層を食刻する第2の工程の
電力密度は、第1実施例で述べた場合と同様に本実施例
よりも高くしなければならない。例えば70%程度の低
密度のターゲットに対しては4W/cm2 以上にする必要
がある。
【0054】以上に説明した第2の実施例は、継続して
多数枚の基板上に成膜を行う第1の工程と、第1の工程
を中断して電力密度を増加し、第1の工程中に形成され
たターゲット表面の酸素欠乏層の除去を行う第2の工程
とを繰返し行った場合の例であった。次に、第1の工程
が継続した多数枚の基板上への成膜ではなく、単一基板
上への成膜である場合の第3の実施例を説明する。
【0055】第1の工程での成膜が全て同一基板上への
成膜であったとした場合には、図2に示した実施例から
考えて、作製される膜の比抵抗が膜の厚さ方向に2.4
Ωcmから3.7Ωcmの間の変化を繰り返すことは容易に
推測できる。また第2の工程を入れずに連続して単一の
基板上への成膜を行なった場合には、図3に示した従来
例から考えて、作製される膜の比抵抗は膜の厚さ方向に
2.4Ωcmから3.7Ωcmの間の値よりもさらに高い値
まで増大することが容易に推測される。これら両者の膜
を比較すると、前者の膜の方が後者の膜よりも膜全体と
しての比抵抗が低くなることは明らかである。このよう
に単一基板上への成膜においても、スパッタにより成膜
を行う第1の工程と、ターゲット表面の酸素欠乏層を除
去する第2の工程とを繰り返し行えば、膜厚が厚くなっ
ても比抵抗の増大を小さくすることができる。また、第
1の工程から第2の工程への移行を比抵抗値の設定によ
り行うことで、望ましい所定の比抵抗を持つITO透明
導電膜を作製することができる。以上のように単一基板
上への膜形成においても、成膜を行う第1の工程と、タ
ーゲット表面近傍の欠乏酸素層を除去する第2の工程と
を交互に繰り返すITO透明導電膜を作製方法は、膜の
低比抵抗化、あるいは膜の厚さ方向の一様性が求められ
る場合に有効である。
【0056】上記の各実施例では、マグネットを静止し
た通常のDCマグネトロンスパッタ法による成膜の場合
の例を説明したが、他のACマグネトロンスパッタ法の
場合、あるいは、ターゲットの背後に配置するマグネッ
トを揺動または偏心回転させる等、マグネットを動かす
方式においても、電力密度に対するターゲットの食刻速
度と酸素欠乏層の形成速度との間の速度関係は本質的に
マグネット静止の場合と同じであるため、基板上に成膜
されるITO透明導電膜に関し比抵抗の増大が抑制され
る。
【0057】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、次のような効果を奏する。
【0058】本発明によれば、ターゲットが食刻される
速度がターゲット表面における酸素欠乏層の形成速度よ
りも速くなる電力密度でスパッタする工程を含むように
したため、ターゲット表面に酸素欠乏層が形成されず、
ターゲット中の酸素濃度の低下が生じなくなる。これに
より、連続的なスパッタによる多数枚の基板上へのIT
O透明導電膜の作製を行っても、経時的な比抵抗の増大
を抑制することができ、ターゲットのライフエンドまで
ほぼ同一の低比抵抗を持つITO透明導電膜を得ること
ができる。
【0059】また、従来のような電力密度で成膜を行う
場合においても、所定の条件に基づき途中で成膜を行う
工程を中断し、ターゲットが食刻される速度がターゲッ
ト表面における酸素欠乏層の形成速度よりも速くなる電
力密度で放電を行う工程を実行することにより、成膜工
程中に形成されたターゲット表面の酸素欠乏層を除去す
ることができ、ターゲット表面を初期と同様の状態に戻
すことができる。これにより、成膜中に増大した膜の比
抵抗をターゲット使用初期の値まで戻すことができる。
【0060】多数枚の基板上へのITO透明導電膜の形
成では、従来の電力密度で継続して多数枚の基板上に薄
膜を形成する第1の工程と、第1の工程中に形成された
ターゲット表面の酸素欠乏層を除去する第2の工程とを
繰り返すことにより、スパッタにおける経時的な比抵抗
の増大を抑制することができる。また単一基板上への膜
形成においても、スパッタにより成膜を行う第1の工程
と、前記と同様なターゲット表面の酸素欠乏領域を除去
する第2の工程とを交互に繰り返し行うことにより、膜
の厚さ方向の比抵抗の増大を抑制できる。この結果、膜
厚が厚くなっても比較的低い比抵抗を持つITO透明導
電膜を得ることができる。
【0061】特に第1の工程で作製されるITO透明導
電膜の比抵抗が所定値より高くなったことを確認したと
ころで第2の工程に移行し、必要な時間第2の工程を行
った後、再び第1の工程を開始し、これらの第1の工程
と第2の工程を繰り返すことで、連続的なスパッタによ
る多数枚の基板上へのITO透明導電膜の作製を行って
も、ターゲットのライフエンドまで所定の範囲内に含ま
れる比抵抗値を持つITO透明導電膜を得ることがで
き、また単一基板上への膜形成では膜厚が厚くなっても
所定の低比抵抗値を有するITO透明導電膜を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による方法で作製したI
TO透明導電膜の、積算電力に対する膜の比抵抗の変化
を示すグラフである。
【図2】本発明の第2の実施例による方法で作製したI
TO透明導電膜の、積算電力に対する膜の比抵抗の変化
を示すグラフである。
【図3】従来の方法で作製したITO透明導電膜の、積
算電力に対する膜の比抵抗の変化を示すグラフである。
【符号の説明】 11 第1の工程における膜の比抵抗の変化状
態 12 第2の工程における膜の比抵抗が初期の
値に戻る状態
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/203 S 9545−4M

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 InおよびSnの酸化物の混合体をター
    ゲットとして用い、希ガスと酸素を導入して作られる雰
    囲気中で、マグネトロンスパッタ法により、InとOを
    基本構成元素としSnをドナーとして添加したITO透
    明導電膜を作製する方法において、 基板の上に前記ITO透明導電膜を形成する第1の工程
    と、前記第1の工程を中断し前記ターゲットが食刻され
    る速度がターゲット表面の酸素欠乏層の形成速度よりも
    速くなる電力密度で放電を行って前記第1の工程中に形
    成された前記ターゲット表面の酸素欠乏層を除去する第
    2の工程とを含み、前記第1の工程と前記第2の工程を
    交互に繰り返すことを特徴とするITO透明導電膜の作
    製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のITO透明導電膜の作製
    方法において、前記ターゲットの密度に応じて前記電力
    密度が決定されることを特徴とするITO透明導電膜の
    作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のITO透明導電膜の作製
    方法において、前記ターゲットの密度が高密度であると
    き、前記電力密度は2.5W/cm2 以上の値であること
    を特徴とするITO透明導電膜の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のITO透明導電膜の作製
    方法において、前記ターゲットの密度が低密度であると
    き、前記電力密度は4W/cm2 以上の値であることを特
    徴とするITO透明導電膜の作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のITO透明導電膜の作製
    方法において、前記ターゲットは冷却手段で冷却される
    ことを特徴とするITO透明導電膜の作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載ITO透明導電膜の作製方
    法において、前記ITO透明導電膜の比抵抗が設定値よ
    り高くなったとき前記第1の工程を中断して前記第2の
    工程に移行し、この第2の工程を所定の時間行った後、
    再び前記第1の工程を開始し、その後同様にして前記第
    1の工程と前記第2の工程を交互に繰り返すことを特徴
    とするITO透明導電膜の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のI
    TO透明導電膜の作製方法において、前記第1の工程に
    よって、継続して複数の基板のそれぞれに前記ITO透
    明導電膜を形成し、その後前記第2の工程を行うことを
    特徴とするITO透明導電膜の作製方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のI
    TO透明導電膜の作製方法において、1枚の基板に対し
    て前記第1の工程と前記第2の工程を交互に繰り返すこ
    とを特徴とするITO透明導電膜の作製方法。
  9. 【請求項9】 InおよびSnの酸化物の混合体をター
    ゲットとして用い、希ガスと酸素を導入して作られる雰
    囲気中で、マグネトロンスパッタ法により、InとOを
    基本構成元素としSnをドナーとして添加したITO透
    明導電膜を基板に作製する方法において、 前記ターゲットが食刻される速度がターゲット表面の酸
    素欠乏層の形成速度よりも速くなる電力密度で放電を行
    うことにより、前記ターゲット表面の酸素欠乏層を除去
    する工程を含むことを特徴とするITO透明導電膜の作
    製方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のITO透明導電膜の作
    製方法において、前記ターゲットの密度に応じて前記電
    力密度が決定されることを特徴とするITO透明導電膜
    の作製方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のITO透明導電膜の
    作製方法において、前記ターゲットの密度が高密度であ
    るとき、前記電力密度は2.5W/cm2 以上でかつ4W
    /cm2 よりも小さい範囲の値であることを特徴とするI
    TO透明導電膜の作製方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のITO透明導電膜の
    作製方法において、前記ターゲットの密度が低密度であ
    るとき、前記電力密度は4W/cm2 以上の値であること
    を特徴とするITO透明導電膜の作製方法。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれか1項に記載
    のITO透明導電膜の作製方法において、前記ターゲッ
    トは冷却手段で冷却されることを特徴とするITO透明
    導電膜の作製方法。
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