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JPH08169965A - 配向ポリエステルフイルム - Google Patents

配向ポリエステルフイルム

Info

Publication number
JPH08169965A
JPH08169965A JP8038695A JP8038695A JPH08169965A JP H08169965 A JPH08169965 A JP H08169965A JP 8038695 A JP8038695 A JP 8038695A JP 8038695 A JP8038695 A JP 8038695A JP H08169965 A JPH08169965 A JP H08169965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium carbonate
particles
particle size
film
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8038695A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Nishino
Yujiro Matsuyama
雄二郎 松山
泰弘 西野
Katsuro Kuze
勝朗 久世
Ryuichi Murashige
隆一 村重
Osamu Makimura
修 牧村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Magphane KK, Toyobo Co Ltd filed Critical Nippon Magphane KK
Priority to JP8038695A priority Critical patent/JPH08169965A/ja
Publication of JPH08169965A publication Critical patent/JPH08169965A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は配向ポリエステルフイルムに関し、
特に易滑性、表面平滑性に高度に優れ、かつ粗大突起数
の少ない配向ポリエステルフイルムに関する。 【構成】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
トからなるポリエステル中に、外接円に対する面積率が
60%以上であり、かつ粒径のばらつき度が30%以下
の平均粒子径が0.5μm以上2.0μm以下である炭
酸カルシウム粒子(A)、および外接円に対する面積率
が60%以上であり、かつ粒径のばらつき度が30%以
下の平均粒子径が0.2μm以上1.5μm以下であ
り、かつ粒子(A)より小なる平均粒子径を有する炭酸
カルシウム粒子(B)をそれぞれ0.01〜0.5重量
%を含有してなる事を特徴とする配向ポリエステルフイ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配向ポリエステルフイ
ルムに関し、特に易滑性、表面平滑性に高度に優れ、か
つ粗大突起数の少ない配向ポリエステルフイルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエチレンテレフタレートに代
表されるごときポリエステルは、その優れた物理的およ
び化学的諸特性の故に、繊維用、成型品用の他、磁気テ
ープ用、写真用、コンデンサー用、包装用などのフイル
ム用としても多種の用途で広く用いられている。これら
フイルム用として用いられる場合、その滑り性はフイル
ムの製造工程および各用途における加工工程の作業性の
良否、更にはその製品品質の良否を左右する大きな要因
となっている。特にポリエステルフイルム表面に磁性層
を塗布し磁気テープとして用いる場合には、磁性層塗布
時におけるコーティングロールとフイルム表面との摩擦
および摩耗が極めて激しく、フイルム表面へのしわおよ
び擦り傷が発生しやすい。また磁性層塗布後のフイルム
をスリットしてオーディオ、ビデオまたはコンピュータ
ー用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等か
らの引き出し巻き上げその他の操作の際に、多くのガイ
ド部、再生ヘッド等との間に摩擦および摩耗が著しく生
じ、擦り傷、歪の発生更にはポリエステルフイルム表面
の削れ等による白粉状物質を析出させる結果、磁気記録
信号の欠落、即ちドロップアウトの大きな原因となるこ
とが多い。
【0003】一般にフイルムの滑り性の改良には、フイ
ルム表面に凹凸を付与することによりガイドロール等と
の間の接触面積を減少せしめる方法が採用されており、
この表面凹凸を形成させる方法として(1) フイルム原料
に用いる高分子の触媒残渣から不溶性の粒子を析出せし
める内部粒子析出法(特公昭49−13234号公報お
よび特公昭50−6493号公報など)、(2) 不活性の
無機粒子を添加せしめる外部粒子添加法(特公昭55−
2225号公報および特公昭55−41648号公報な
ど)がある。しかしながら内部粒子析出法は、ポリエス
テルとの親和性は良好であるが、ポリマー中に析出する
粒子の生成量および粒子径をコントロールする事が困難
であるため、フイルムの表面形態を精密に調整すること
が困難であり、かつ易滑性も不充分という欠点があっ
た。また外部粒子添加法では、フイルム表面形態の設計
は前者と比べ容易であるけれども、(1) 粗大粒子の混
入、(2) 粒子の二次凝集、(3) ポリエステルとの親和性
不良のため表面平滑性及び易滑性をすべて満足すること
が困難であった。
【0004】一般に原料高分子中の粒子は、その大きさ
が大きい程、滑り性の改良効果が大であるのが一般的で
あるが、磁気テープ用のごとき精密用途にはその粒子が
大きいこと自体がドロップアウト等の欠点発生の原因と
なり、さらに電磁変換特性も著しく悪化するため、フイ
ルム表面の凹凸は出来るだけ微細である必要がある。こ
の相反する特性を解決する手段の1つとして、大粒径の
粒子と小粒径の粒子とを併用する手段が用いられてい
る。例えば特公昭52−78953号公報、特公昭55
−40929号公報、USP3,821,156および
USP3,884,870などが知られている。しかし
ながらこれら文献に記載されている大粒径の粒子径の範
囲では、磁気テープ用のごとき高級用途に適用するには
表面平滑性が不充分であり、さらにドロップアウト等の
欠点発生の原因となるフイルム表面の粗大突起の生成を
抑制し難いという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は特に磁気テー
プ用基材として配向ポリエステルフイルムを用いた場合
における前記従来技術の欠点を解消し、粗大突起数が少
なく、かつ滑り性および表面平滑性が高度に優れた配向
ポリエステルフイルムを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は主たる繰り
返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステ
ル中に、外接円に対する面積率が60%以上でありかつ
粒径のばらつき度が30%以下である平均粒子径が0.
5μm以上2.0μm以下である炭酸カルシウム粒子
(A)、および外接円に対する面積率が60%以上であ
り、かつ粒径のばらつき度が30%以下である平均粒子
径が0.2μm以上1.5μm以下であり、かつ粒子
(A)より小なる平均粒子径を有する炭酸カルシウム粒
子(B)をそれぞれ0.01〜0.5重量%を含有して
なる事を特徴とする配向ポリエステルフイルムである。
【0007】本発明で用いられるポリエステルとはポリ
エチレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート
等との結晶性ポリエステルであり特に限定はされないが
とりわけポリエチレンテレフタレートが適しており、な
かんずくその繰り返し単位の80モル%以上がエチレン
テレフタレートからなるものであり、他の共重合成分と
してはイソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジカ
ルボキシルジフェニール、4,4′−ジカルボキシルベ
ンゾフェノン、ビス(4−カルボキシルフェニール)エ
タン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸
等のジカルボン酸成分、プロピレングリコール、ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等のグリコール成分、p−オキシ安息香酸など
のオキシカルボン酸成分等を任意に選択使用することが
できる。この他共重合成分として少量のアミド結合、ウ
レタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有
する化合物を含んでいてもよい。
【0008】該ポリエステルの製造法としては、芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させるいわゆる
直接直接重合法、芳香族ジカルボン酸のジメチルエステ
ルとグリコールとをエステル交換反応させるいわゆるエ
ステル交換法など任意の製造法を適用することが出来
る。なお、フイルムとしては一軸配向フイルム、二軸配
向フイルムいずれでもよいが二軸配向フイルムが特に好
適である。
【0009】本発明において、平均粒径の大きい方の炭
酸カルシウム(A)の平均粒径は0.5μm以上2.0
μm以下である必要があり、好ましくは0.6μm以上
1.8μm以下である。特に好ましくは0.8μm以上
1.6μm以下である。0.5μm未満では滑り性の向
上効果が不充分となるので好ましくない。逆に2.0μ
mを越えると特に磁気テープ用として表面平滑性が低下
し、かつドロップアウト等の欠点発生の原因となる粗大
突起数も増大するので好ましくない。また平均粒径の小
さい方の炭酸カルシウム(B)の平均粒径は0.2μm
以上1.5μm以下である必要があり、好ましくは0.
25μm以上1.2μm以下である。特に好ましくは
0.3μm以上0.8μm以下である。0.2μm未満
では滑り性の向上効果が不充分となるので好ましくな
い。逆に1.5μmを越えると、特に磁気テープ用とし
て表面平滑性が低下し、かつドロップアウト等の欠点発
生の原因となる粗大突起数も増大するので好ましくな
い。なお、粒径の大きい方の炭酸カルシウム(A)と粒
径の小さい方の炭酸カルシウム(B)の平均粒径の差は
少なくとも0.3μm以上であることが、滑り性向上の
ために好ましい。
【0010】また炭酸カルシウム(A)および炭酸カル
シウム(B)の添加量はそれぞれ0.01重量%以上
0.5重量%以下である必要があり、好ましくは0.0
3重量%以上0.4重量%以下である。特に好ましくは
0.05重量%以上0.3重量%以下である。0.01
重量%未満では滑り性の向上効果が不充分となるので好
ましくない。各粒子とも添加量が0.5重量%を越える
と、特に磁気テープ用として表面平滑性が低下し、かつ
ドロップアウト等の欠点発生の原因となる粗大突起数も
増大するので好ましくない。また該炭酸カルシウムの粒
子形状は本発明において特に重要な要件の一つである。
粒子形状に関しては、フイルム表面形態を精密に調整す
る必要性を考慮すれば従来用いられてきた体積形状係数
による評価のみでは不充分である。
【0011】本発明者らは粒子形状を定量的に把握する
ために、粒子形状を粒子の投影断面積と粒子の投影図に
外接する円の面積との比を、「外接円に対する面積率」
と定義した。面積率は100%に近づくほど塊状もしく
は球状に近づく。炭酸カルシウム(A)及び(B)の外
接円に対する面積率は60%以上である必要があり、好
ましくは65%以上である。特に好ましくは70%以上
である。炭酸カルシウム(A)及び(B)の面積率が6
0%未満では滑り性の改良効果が不充分となるので好ま
しくない。
【0012】さらに炭酸カルシウム(A)及び(B)の
粒径のばらつか度は30%以下である必要があり、好ま
しくは27%以下である。特に好ましくは20%以下で
ある。すなわち粒度分布が単分散に近いものであれば、
フイルム表面に形成される突起の高さおよび形状が均一
に近くなり、本発明の意図するところに合致する。炭酸
カルシウム(A)及び(B)の粒径のばらつき度が30
%を越えると、フイルム表面の突起形態は不規則なもの
となり、フイルム表面突起を精密に調整することを意図
する本発明の目的には合致しない。本発明において用い
る炭酸カルシウムは先に規定した条件を満せば製法その
他に何ら限定はなく、天然品および合成品のいずれも使
用可能である。たとえば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸
カルシウムおよび膠質炭酸カルシウムのいずれを用いて
もよい。
【0013】また該炭酸カルシウムは表面処理をしない
ものを用いてもよいが、粒子のエチレングリコール中お
よびポリマー中への分散性の向上およびポリマーとの親
和性の向上のために該炭酸カルシウムは表面処理したも
のを用いるのが本発明をさらに効果的にするのでより好
ましい。さらに凝集防止剤や分散処理剤の使用の有無も
特に限定されない。
【0014】本発明における不活性粒子のポリエステル
中への添加方法は、該ポリエステル製造過程における任
意の段階で添加することができるが、エステル交換が終
了してから、初期縮合が終了するまでに添加するのが特
に好ましい。またポリエステル製造過程への不活性粒子
の添加方法はスラリー状および粉末状のいずれの状態で
添加してもよいが、粒子の飛散防止、供給精度や均一性
の向上の点からスラリー状に分散させて添加するのが好
ましく、特にエチレングリコール(EG)のスラリーと
して添加するのが好ましい。スラリー状に分散させる場
合には、それぞれの粒子本来の一次粒子を出来る限り再
現するような均一な分散を行う必要がある。また所定の
平均粒径の粒子を得るために、市販微粒子の粉砕処理や
分級操作等を採用してもかまわない。
【0015】該粒子をスラリーとして添加する時は、ス
ラリー中の5μm以上の粒子の割合が全粒子に対して実
質上0重量%以下にして添加するのが粗大突起数を低下
させる点より特に好ましい。
【0016】また、該粒子をスラリーとしてポリエステ
ル製造過程へ添加する場合は、平均粒径の異なる2種の
炭酸カルシウムを同時に添加してもよいし、また別個に
添加してもよい。同時に添加する場合は別個の供給口か
ら添加してもよいし、またポリエステル製造工程へ添加
する前に該スラリーを均一に混合してから添加してもよ
い。また上記炭酸カルシウムをリン酸および、または亜
リン酸アルカリ金属塩と共存させて微分散させたスラリ
ーとしてポリエステル製造過程に添加する事が該炭酸カ
ルシウムの凝集防止の点から好ましい。
【0017】リン酸および亜リン酸類のアルカリ金属塩
としては正リン酸、ピロリン酸、ポリメタリン酸、ポリ
リン酸、正亜リン酸、ピロ亜リン酸、ポリ亜リン酸、ポ
リメタ亜リン酸のナトリウム塩およびカリウム塩等で具
体的には第一リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、
第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第三リン
酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリ
ウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸二水素ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カ
リウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カ
リウム、亜リン酸ナトリウム、ピロ亜リン酸ナトリウ
ム、ピロ亜リン酸カリウム、メタ亜リン酸ナトリウム、
メタ亜リン酸カリウム等が挙げられる。該アルカリ塩は
単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよ
い。前記のリン酸あるいは亜リン酸類のアルカリ塩の該
スラリーへの添加はスラリー調整開始時よりのポリエス
テルの製造過程への添加までのいずれの段階で行っても
よい。
【0018】また、凝集しない範囲内で個々の粒子を高
濃度に含有するポリエステルを予め別個に製造し、次い
で所定の粒子濃度になる様にブレンドしてもよい。粗大
粒子数を増加させず、かつ表面平滑性に対し悪い影響を
およぼさない程度の平均粒径および含有量であれば、ポ
リエステルの製造工程で析出した微粒子、いわゆる内部
粒子を含んでいてもかまわない。なおフイルムの用途
が、その片面だけと金属ロールが接触するような場合
は、接触面積のみを本発明の不活性無機粒子を含有せし
め、他面は目的に応じて不活性無機粒子を含有せしめな
い別の層であってもかまわない。
【0019】(作用)本発明は上述の如く構成される
が、要は粒子形状および粒径のばらつき度が同じ2種の
炭酸カルシウムを特定粒径範囲内で特定量併用すること
により、該炭酸カルシウム単独では到底達成し得ないよ
うな滑り性および表面平滑性が高度に優れた配向ポリエ
ステルフイルムが得られる。すなわち本発明者らは、粒
子形状が塊状または球形に近く、かつ粒径の均一な2種
の炭酸カルシウムを特定粒径範囲内で特定量併用するこ
とにより、滑り性および表面平滑性が高度に優れ、かつ
粗大粒子の少ない配向ポリエステルフイルムを見出した
のである。
【0020】(実施例)次に本発明の実施例および比較
例を示す。実施例中の部は特にことわらないかぎりすべ
て重量部を意味する。また、用いた測定法を以下に示
す。 平均粒子径 エチレングリコールスラリー中で炭酸カルシウム粒子を
十分に分散して得られたスラリー中における粒度分布
を、光透過型遠心沈降式粒度分布測定機(SA−CP3
型 島津製作所)を用いて測定し、その積算50%の値
を用いた。
【0021】外接円に対する面積率 不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立 S−510型)
で観察、写真撮影したものを拡大コピーし、さらにトレ
ースを行ってランダムに200個の粒子を黒く塗りつぶ
した。このトレース像より任意に20個の粒子を選び、
それぞれの粒子について投影断面積を画像解析装置(ニ
レコ株式会社ルーゼックス500型)で測定した。ま
た、各粒子に外接する円の面積を算出することにより下
式を用いて面積率を求めた。
【0022】
【数1】
【0023】粒径のばらつき度 不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立 S−510型)
で観察、写真撮影したものを拡大コピーし、さらにトレ
ースを行ってランダムに200個の粒子を黒く塗りつぶ
した。この像を画像解析装置(ニレコ株式会社製ルーゼ
ックス500型)を用いて、水平方向のフエレ径を測定
し、その平均値を下式で使用する平均粒子径とした。ま
た、粒子径のばらつき度は下式により算出した。
【0024】
【数2】
【0025】フイルムの表面平滑性(TAR) フイルム表面を小坂研究所社製触針式3次元表面粗さ計
(SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30
mgの条件下に、フイルム長手方向にカットオフ値0.
25mmで、測定長1mmにわたって測定し、2μmお
きに高さ方向のデータを量子化幅0.00312μmで
外部記憶装置に取り込ませる。このような測定をフイル
ムの横手方向について2μm間隔で連続的に150回、
つまりフイルムの横手方向0.3mmの幅にわたって測
定する。このときの高さ方向のデータをh(i,j)
〔i=1〜500,j=1〜150〕としたとき、次の
計算を行って得られたものをμm単位で表したものがT
AR〔スリー・デイメンジョナル・アベレージ・ラフネ
ス〕である。
【0026】
【数3】
【0027】
【数4】
【0028】フイルムの滑り性 細幅にスリットしたフイルムを金属製ドラムにこすりつ
けて高速、長時間走行させるとき、一定の供給張力に対
してドラム擦過後の張力の大小をそれぞれ5段階に評価
し次のランク付けで表わす。 5級……張力極めて小(擦り傷まったくなし) 4級……張力小(擦り傷ほとんどなし) 3級……張力中(擦り傷ややあり) 2級……張力やや大(擦り傷かなり多い) 1級……張力大(擦り傷多い)
【0029】フイルム表面の粗大突起数 フイルム表面にアルミニウムを薄く蒸着したのち、二光
束干渉顕微鏡を用いて四重環以上の粗大突起(測定面積
1mm2 当りの個数)をカウントし、粗大突起数の多少
により次のランク付けで表わす。 5級……1個/mm2 未満 4級……1〜3個/mm2 3級……4〜6個/mm2 2級……7〜9個/mm2 1級……10個以上/mm2
【0030】実施例1 撹拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口
を設けた2段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応
装置を用い、その第1エステル化反応缶のエステル化反
応生成物が存在する系へテレフタル酸(TPA)に対す
るEGのモル比率1.7に調整し、かつ三酸化アンチモ
ンをアンチモン原子としてTPA単位当り289ppm
を含むTPAのEGスラリーを連続的に供給した。同時
にTPAのEGスラリー供給口とは別の供給口より、酢
酸マグネシウム四水塩のEG溶液を反応缶内を通過する
反応生成物中のポリエステル単位ユニットに当りそれぞ
れMg原子として100ppmとなるように連続的に供
給し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255℃
で反応させた。
【0031】この反応生成物を連続的に系外に取り出し
て、第2エステル化反応缶に供給した。大2エステル化
反応缶内を通過する反応生成物中のポリエステル単位ユ
ニットに対して0.5重量部のEG、トリメチルホスフ
ェートのEG溶液をP原子として64ppmおよび本発
明で規定した範囲内の平均粒子径、外接円に対する面積
率および粒径のばらつき度を有する2種類の炭酸カルシ
ウムのEGスラリーにトリポリリン酸ナトリウムの水溶
液をNa原子として0.80重量%となるよう各々添加
し、該トリポリリン酸ナトリウム含有スラリーを炭酸カ
ルトウムとして第1表に示す条件で規定量となるように
それぞれ別個の供給口より連続的に供給して常圧に平均
滞留時間5.0時間、温度260℃で反応させた。
【0032】該エステル化反応生成物を撹拌装置、分縮
器、原料仕込口および生成物取り出し口を設けた2段の
連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行な
い、固有粘度0.620のポリエステルを得た。該ポリ
マーおよび該ポリマーを290℃で溶融押出しし、90
℃で縦方向に3.5倍、130℃で横方向に3.5倍延
伸した後220℃で熱処理して得られた15μmのフイ
ルム特性を第1表に示した。本実施例で得たフイルムは
易滑性、表面平滑性に高度に優れ、かつ粗大突起数の点
でも良好であった。
【0033】比較例1〜2 第1表に示した大粒径炭酸カルシウム(A)または小粒
径炭酸カルシウム(B)を各々単独で用いる以外は実施
例1と同じ方法でフイルムを得た。得られたフイルム特
性を第1表に示すが、いずれの場合も平滑性、表面平滑
性および粗大突起数といった相反する特性をすべて同時
に満足する事は出来なかった。
【0034】
【発明の効果】以上述べた如く本発明でよれば、すなわ
ち粒子形状が塊状または球形に近く、かつ粒径の均一な
2種の炭酸カルシウムを特定粒径範囲内で特定量併用す
る事により、次のような優れた効果がある。 (1) 滑り性と表面平滑性を高度に改善する事が出来る。 (2) ドロップアウト等の欠点発生の原因となる粗大突起
が極めて少ない。
【0035】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 105:16 B29L 7:00 (72)発明者 西野 泰弘 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内 (72)発明者 久世 勝朗 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内 (72)発明者 村重 隆一 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内 (72)発明者 牧村 修 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社総合研究所敦賀分室内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
    レートからなるポリエステル中に、外接円に対する面積
    率が60%以上であり、かつ粒径のばらつき度が30%
    以下の平均粒子径が0.5μm以上2.0μm以下であ
    る炭酸カルシウム粒子(A)、および外接円に対する面
    積率が60%以上であり、かつ粒径のばらつき度が30
    %以下の平均粒子径が0.2μm以上1.5μm以下で
    あり、かつ粒子(A)より小なる平均粒子径を有する炭
    酸カルシウム粒子(B)をそれぞれ0.01〜0.5重
    量%を含有してなる事を特徴とする配向ポリエステルフ
    イルム。
  2. 【請求項2】 炭酸カルシウム粒子(A)と炭酸カルシ
    ウム粒子(B)との平均粒径の差が0.3μm以上であ
    る事を特徴とする特許請求の範囲第1項および第2項記
    載の配向ポリエステルフイルム。
JP8038695A 1995-04-05 1995-04-05 配向ポリエステルフイルム Pending JPH08169965A (ja)

Priority Applications (1)

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JP8038695A JPH08169965A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 配向ポリエステルフイルム

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JP8038695A JPH08169965A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 配向ポリエステルフイルム

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JP12158487A Division JPH0623262B2 (ja) 1987-05-19 1987-05-19 配向ポリエステルフイルム

Publications (1)

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JPH08169965A true JPH08169965A (ja) 1996-07-02

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ID=13716858

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