JPH08167769A - レーザーによる回路形成方法及び導電回路形成部品 - Google Patents
レーザーによる回路形成方法及び導電回路形成部品Info
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- JPH08167769A JPH08167769A JP6307539A JP30753994A JPH08167769A JP H08167769 A JPH08167769 A JP H08167769A JP 6307539 A JP6307539 A JP 6307539A JP 30753994 A JP30753994 A JP 30753994A JP H08167769 A JPH08167769 A JP H08167769A
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- circuit
- conductive
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- conductive circuit
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 表面に正確な導電回路を有する成形品、特に
独立した回路が存在する成形品を効率よく、且つ外観、
形状、絶縁性等を損なうことなく比較的簡単に製造する
方法を提供する。 【構成】 合成樹脂成形品の表面に予め金属被覆加工を
行って厚さが1〜10μmの範囲の初期金属膜を形成し、
次いで該金属膜表面に電着または静電塗装により厚さが
1〜20μmの範囲のレジスト膜を形成した後、導電回路
部分にレーザー光を照射してレジストを除去することに
より導電回路部分の金属膜を露出させ、電気メッキによ
り導電回路部分に第2の金属膜を形成し所望の厚さにし
た後、残っているレジストを除去し、エッチング液によ
り絶縁回路となる部分に残った金属膜を除去し回路形成
を行う。
独立した回路が存在する成形品を効率よく、且つ外観、
形状、絶縁性等を損なうことなく比較的簡単に製造する
方法を提供する。 【構成】 合成樹脂成形品の表面に予め金属被覆加工を
行って厚さが1〜10μmの範囲の初期金属膜を形成し、
次いで該金属膜表面に電着または静電塗装により厚さが
1〜20μmの範囲のレジスト膜を形成した後、導電回路
部分にレーザー光を照射してレジストを除去することに
より導電回路部分の金属膜を露出させ、電気メッキによ
り導電回路部分に第2の金属膜を形成し所望の厚さにし
た後、残っているレジストを除去し、エッチング液によ
り絶縁回路となる部分に残った金属膜を除去し回路形成
を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂成形品の表面
に導電回路を形成する方法に関し、電気・電子機器等の
分野で回路部品として使用される、表面に正確な導電回
路を有する成形品、特に独立した回路が存在する成形品
を効率よく製造する方法に関するものである。
に導電回路を形成する方法に関し、電気・電子機器等の
分野で回路部品として使用される、表面に正確な導電回
路を有する成形品、特に独立した回路が存在する成形品
を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
合成樹脂成形品の表面に回路を形成する方法としては、
例えばメッキ性の異なる2種の樹脂材料を用いて二重成
形して、回路形成部と他の部分とのメッキ性の差を利用
して回路部を選択的にメッキ加工し、金属回路を形成す
るSKW法、またはPCK法などがあるが、これらの方
法は2回の成形工程が必要なため、煩雑、不経済である
ばかりでなく、2種の樹脂界面の密着性を良くすること
が困難で、例えばメッキ液の浸入、残留等による問題を
生じる場合がある。一方、従来のフォトレジストを用い
る回路形成法では、回路パターン露光、パターン現像と
いった暗室内での煩雑な工程があり、さらに立体形状を
有する成形品の表面に立体的な導電回路を形成しようと
する場合、平行光による投影露光によりある程度の回路
は形成できるが、精度上問題があり、また基板の立体形
状によっては限界がある。また、近年、レーザー光線を
用いた回路形成法が開発されつつあり、例えば成形品の
表面に予め導電回路として充分な厚さの金属膜を形成
し、導電回路以外の部分の金属膜をレーザー光線により
飛散除去して、そのまま導電回路とする方法(特開昭64
−83391 号公報)が考えられ、この方法によれば二重成
形やレジスト使用の必要がなく、極めて簡単であるが、
この方法では導体金属膜の厚さを回路としての導電性が
充分な比較的厚い層(例えば10μm以上)とする必要が
あり、レーザー光にて金属膜の不要部を除去する場合に
レーザー光の出力を高くする必要があるため、下地の合
成樹脂成形品まで損傷してその外観形状を著しく阻害
し、又、合成樹脂を炭化させて絶縁性に支障を生じる等
の問題がある。また、成形品の表面に金属薄膜を形成
し、導電回路部以外の部分の金属薄膜を除去し回路パタ
ーンを形成し、電気メッキを行い導電回路とする方法
(特開平6−164105号公報) が考えられ、この方法によ
ればレーザー光の出力を下げて照射するため合成樹脂が
炭化されず絶縁性の問題はないが、この方法では広面積
の絶縁部を形成する場合、レーザー光を絶縁部とする場
所全てに照射する必要があり、レーザー照射時間が長く
なるため生産性が悪くなり且つ不経済でもあり、又、電
気メッキにより回路部分の膜厚を所望の厚さとするため
全ての回路が電気的に接続されている必要があり、独立
した回路の形成が困難である。
合成樹脂成形品の表面に回路を形成する方法としては、
例えばメッキ性の異なる2種の樹脂材料を用いて二重成
形して、回路形成部と他の部分とのメッキ性の差を利用
して回路部を選択的にメッキ加工し、金属回路を形成す
るSKW法、またはPCK法などがあるが、これらの方
法は2回の成形工程が必要なため、煩雑、不経済である
ばかりでなく、2種の樹脂界面の密着性を良くすること
が困難で、例えばメッキ液の浸入、残留等による問題を
生じる場合がある。一方、従来のフォトレジストを用い
る回路形成法では、回路パターン露光、パターン現像と
いった暗室内での煩雑な工程があり、さらに立体形状を
有する成形品の表面に立体的な導電回路を形成しようと
する場合、平行光による投影露光によりある程度の回路
は形成できるが、精度上問題があり、また基板の立体形
状によっては限界がある。また、近年、レーザー光線を
用いた回路形成法が開発されつつあり、例えば成形品の
表面に予め導電回路として充分な厚さの金属膜を形成
し、導電回路以外の部分の金属膜をレーザー光線により
飛散除去して、そのまま導電回路とする方法(特開昭64
−83391 号公報)が考えられ、この方法によれば二重成
形やレジスト使用の必要がなく、極めて簡単であるが、
この方法では導体金属膜の厚さを回路としての導電性が
充分な比較的厚い層(例えば10μm以上)とする必要が
あり、レーザー光にて金属膜の不要部を除去する場合に
レーザー光の出力を高くする必要があるため、下地の合
成樹脂成形品まで損傷してその外観形状を著しく阻害
し、又、合成樹脂を炭化させて絶縁性に支障を生じる等
の問題がある。また、成形品の表面に金属薄膜を形成
し、導電回路部以外の部分の金属薄膜を除去し回路パタ
ーンを形成し、電気メッキを行い導電回路とする方法
(特開平6−164105号公報) が考えられ、この方法によ
ればレーザー光の出力を下げて照射するため合成樹脂が
炭化されず絶縁性の問題はないが、この方法では広面積
の絶縁部を形成する場合、レーザー光を絶縁部とする場
所全てに照射する必要があり、レーザー照射時間が長く
なるため生産性が悪くなり且つ不経済でもあり、又、電
気メッキにより回路部分の膜厚を所望の厚さとするため
全ての回路が電気的に接続されている必要があり、独立
した回路の形成が困難である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これら従
来法の問題を解決し、簡便な方法で複雑な形状の成形品
にも精度良く回路を形成する方法、特にレーザー光を利
用して導電回路を形成する方法に関し、上記問題を解決
すべく詳細に検討した結果、合成樹脂成形品の表面に予
め付与する金属膜の厚さを特定の厚さとした初期金属膜
に特定の厚さにレジストを塗布した後、レーザー光にて
導電回路となる部分の不要レジスト膜を除去することに
より、複雑な立体表面上に精度良く且つ短時間で回路パ
ターンが形成でき、その導電回路パターン上に電気メッ
キにより所望の厚さの金属層を付与し、その後、レジス
トを溶解除去し絶縁部に残っている初期金属膜をエッチ
ングし除去することにより、外観、形状、絶縁性等を損
なうことなく比較的簡単に所望の独立回路を形成し得る
ことを見出し、本発明に到達した。即ち本発明は、合成
樹脂成形品の表面に導電回路を形成するにあたり、金属
被覆可能な合成樹脂成形品の表面に予め化学メッキ、ス
ッパタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、転写
法及び導電剤塗装の何れか1種類または2種類以上の組
合せによる方法により金属被覆加工を行って厚さが1〜
10μmの範囲の初期金属膜を形成し、次いで該金属膜表
面に電着または静電塗装により厚さが1〜20μmの範囲
のレジスト膜を形成した後、導電回路部分にレーザー光
を照射してレジストを除去することにより導電回路部分
の金属膜を露出させ、電気メッキにより導電回路部分に
第2の金属膜を形成し所望の厚さにした後、残っている
レジストを除去し、エッチング液により絶縁回路となる
部分に残った金属膜を除去し回路形成を行うことを特徴
とするレーザーによる回路形成方法、及び上記方法によ
り製造された導電回路形成部品である。
来法の問題を解決し、簡便な方法で複雑な形状の成形品
にも精度良く回路を形成する方法、特にレーザー光を利
用して導電回路を形成する方法に関し、上記問題を解決
すべく詳細に検討した結果、合成樹脂成形品の表面に予
め付与する金属膜の厚さを特定の厚さとした初期金属膜
に特定の厚さにレジストを塗布した後、レーザー光にて
導電回路となる部分の不要レジスト膜を除去することに
より、複雑な立体表面上に精度良く且つ短時間で回路パ
ターンが形成でき、その導電回路パターン上に電気メッ
キにより所望の厚さの金属層を付与し、その後、レジス
トを溶解除去し絶縁部に残っている初期金属膜をエッチ
ングし除去することにより、外観、形状、絶縁性等を損
なうことなく比較的簡単に所望の独立回路を形成し得る
ことを見出し、本発明に到達した。即ち本発明は、合成
樹脂成形品の表面に導電回路を形成するにあたり、金属
被覆可能な合成樹脂成形品の表面に予め化学メッキ、ス
ッパタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、転写
法及び導電剤塗装の何れか1種類または2種類以上の組
合せによる方法により金属被覆加工を行って厚さが1〜
10μmの範囲の初期金属膜を形成し、次いで該金属膜表
面に電着または静電塗装により厚さが1〜20μmの範囲
のレジスト膜を形成した後、導電回路部分にレーザー光
を照射してレジストを除去することにより導電回路部分
の金属膜を露出させ、電気メッキにより導電回路部分に
第2の金属膜を形成し所望の厚さにした後、残っている
レジストを除去し、エッチング液により絶縁回路となる
部分に残った金属膜を除去し回路形成を行うことを特徴
とするレーザーによる回路形成方法、及び上記方法によ
り製造された導電回路形成部品である。
【0004】以下、添付図面を参照し、順を追って本発
明の方法を説明する。本発明で用いる基体成形品の材質
は、金属膜を強固に付着することのできる合成樹脂であ
れば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂材料の何れでも良い
が、かかる成形品が後にハンダ付加工等の苛酷な処理を
受けることを考慮すると、耐熱性が高く、かつ機械的強
度の優れたものが望ましく、また多量産性の点では射出
成形可能な熱可塑性樹脂が好ましい。その例を挙げれ
ば、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリアリーレンサルファイド、ポリサルホン、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルケト
ン、ポリアリレート及びこれらの組成物が挙げられ、特
に高融点、高強度、高剛性、成形加工性等の観点から液
晶性ポリマー(例えば液晶性ポリエステル、液晶性ポリ
エステルアミド)、ポリアリーレンサルファイドは特に
好適であるが、これらに限定されるものではない。ま
た、金属膜の密着性を高めるため、必要に応じその材料
に適当な物質を配合しても良い。
明の方法を説明する。本発明で用いる基体成形品の材質
は、金属膜を強固に付着することのできる合成樹脂であ
れば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂材料の何れでも良い
が、かかる成形品が後にハンダ付加工等の苛酷な処理を
受けることを考慮すると、耐熱性が高く、かつ機械的強
度の優れたものが望ましく、また多量産性の点では射出
成形可能な熱可塑性樹脂が好ましい。その例を挙げれ
ば、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリアリーレンサルファイド、ポリサルホン、ポリ
フェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルケト
ン、ポリアリレート及びこれらの組成物が挙げられ、特
に高融点、高強度、高剛性、成形加工性等の観点から液
晶性ポリマー(例えば液晶性ポリエステル、液晶性ポリ
エステルアミド)、ポリアリーレンサルファイドは特に
好適であるが、これらに限定されるものではない。ま
た、金属膜の密着性を高めるため、必要に応じその材料
に適当な物質を配合しても良い。
【0005】基体成形品(図1)は、射出成形等により
成形される。又、その表面の金属膜との密着性を良くす
るため、更に酸、アルカリその他による化学的エッチン
グ、或いはコロナ放電、プラズマ処理等の物理的表面処
理を行っても良い。次にこの成形品の表面に金属被覆加
工を行い、初期金属層を形成する(図2)。ここで付与
する金属膜の厚さは重要であり、薄すぎると次工程での
レジスト塗布時に通電ができず電着塗装での塗布が不可
能となり、静電塗装での塗布だけとなり、複雑な形状の
成形品の場合、均一に塗布することが困難となる。又、
仮に均一なレジスト層が形成できたとしても、その次工
程のレーザーによるレジスト除去時にレジストと共に初
期金属層も除去される可能性が高くなるため好ましくな
い。また、逆に厚すぎると最終工程で絶縁部分の初期金
属層をエッチング除去する時、時間がかかりすぎ生産性
が極端に下がるため好ましくない。かかる見地から基体
成形品の表面に付与される金属膜の厚さは1〜10μmの
範囲であり、好ましくは2〜5μmである。かかる範囲
の厚さであれば電着塗装によるレジスト塗布及び電気メ
ッキに必要な程度の導電性は保たれ、また最終的な回路
形成のためのエッチング除去を行う際に短時間でエッチ
ングでき好適である。かかる初期金属層を形成する方法
としては、化学メッキ(無電解メッキ)、スパッタリン
グ、真空蒸着、イオンプレーティング、転写法、導電剤
塗装等、従来公知の何れの方法でも良いが、均一な金属
膜を形成するためには化学メッキ、スパッタリング、真
空蒸着、イオンプレーティングが適当である。
成形される。又、その表面の金属膜との密着性を良くす
るため、更に酸、アルカリその他による化学的エッチン
グ、或いはコロナ放電、プラズマ処理等の物理的表面処
理を行っても良い。次にこの成形品の表面に金属被覆加
工を行い、初期金属層を形成する(図2)。ここで付与
する金属膜の厚さは重要であり、薄すぎると次工程での
レジスト塗布時に通電ができず電着塗装での塗布が不可
能となり、静電塗装での塗布だけとなり、複雑な形状の
成形品の場合、均一に塗布することが困難となる。又、
仮に均一なレジスト層が形成できたとしても、その次工
程のレーザーによるレジスト除去時にレジストと共に初
期金属層も除去される可能性が高くなるため好ましくな
い。また、逆に厚すぎると最終工程で絶縁部分の初期金
属層をエッチング除去する時、時間がかかりすぎ生産性
が極端に下がるため好ましくない。かかる見地から基体
成形品の表面に付与される金属膜の厚さは1〜10μmの
範囲であり、好ましくは2〜5μmである。かかる範囲
の厚さであれば電着塗装によるレジスト塗布及び電気メ
ッキに必要な程度の導電性は保たれ、また最終的な回路
形成のためのエッチング除去を行う際に短時間でエッチ
ングでき好適である。かかる初期金属層を形成する方法
としては、化学メッキ(無電解メッキ)、スパッタリン
グ、真空蒸着、イオンプレーティング、転写法、導電剤
塗装等、従来公知の何れの方法でも良いが、均一な金属
膜を形成するためには化学メッキ、スパッタリング、真
空蒸着、イオンプレーティングが適当である。
【0006】次に表面に初期金属膜を形成した成形品
(図2)について、電着塗装または静電塗装により表面
にレジスト膜を形成する(図3)。ここで塗布するレジ
スト膜の厚さは重要であり、薄すぎると後の電気メッキ
工程時に剥離を起こす危険性やレジストのピンホールが
発生し絶縁部分にも電気メッキが析出する等の不具合が
発生し好ましくない。また、逆に厚すぎると次工程での
レーザーによる除去時に充分に除去できなくなり好まし
くない。かかる見地から初期金属層を形成した成形品の
表面に塗布するレジスト膜の厚さは1〜20μmの範囲で
あり、好ましくは2〜10μmである。かかる範囲の厚さ
であればレジストの剥離が起きず、またレーザーにより
充分除去できるため好適である。また、ここで用いるレ
ジストは後の工程の電気メッキ時に耐え得り且つ剥離時
に容易に剥離が可能な材質のものであれば如何なる材料
でも良い。
(図2)について、電着塗装または静電塗装により表面
にレジスト膜を形成する(図3)。ここで塗布するレジ
スト膜の厚さは重要であり、薄すぎると後の電気メッキ
工程時に剥離を起こす危険性やレジストのピンホールが
発生し絶縁部分にも電気メッキが析出する等の不具合が
発生し好ましくない。また、逆に厚すぎると次工程での
レーザーによる除去時に充分に除去できなくなり好まし
くない。かかる見地から初期金属層を形成した成形品の
表面に塗布するレジスト膜の厚さは1〜20μmの範囲で
あり、好ましくは2〜10μmである。かかる範囲の厚さ
であればレジストの剥離が起きず、またレーザーにより
充分除去できるため好適である。また、ここで用いるレ
ジストは後の工程の電気メッキ時に耐え得り且つ剥離時
に容易に剥離が可能な材質のものであれば如何なる材料
でも良い。
【0007】次に表面にレジストを塗布した成形品(図
3)の導電回路となる部分に出力を適宜調節したレーザ
ー光を照射することにより、この部分のレジスト膜を飛
散除去し、初期金属膜が露出した回路パターンを形成す
る(図4)。ここで照射するレーザー光はYAGレーザ
ー、炭酸ガスレーザー等の赤外領域の波長を有し、予め
設定された回路パターンを、コンピュータによって制御
されたXY方向のスキャン機構を有するレーザーマーカ
ーにより選択的に照射する。また、複雑な立体成形品に
回路を形成する必要のある場合には、レーザー光を光フ
ァイバ、プリズム等により立体的な方向に導き、コンピ
ュータ制御により立体的に所定の領域を正確に照射する
ことができる。またはXY方向のスキャン機構を有する
レーザーマーカーとコンピュータにより同調して動くX
YZ方向、回転、傾斜の5軸のテーブルを組み合わせる
ことによっても立体的に照射することができる。また、
この方法によれば、パターンの作成及び修正等はレーザ
ー照射域の描画プログラムの変更だけで簡単に行える利
点を有する。また、レーザーによってレジスト膜を選択
的に飛散除去するので、レーザーのスポット径(現行50
〜100 μm)の細線回路の形成が可能である。
3)の導電回路となる部分に出力を適宜調節したレーザ
ー光を照射することにより、この部分のレジスト膜を飛
散除去し、初期金属膜が露出した回路パターンを形成す
る(図4)。ここで照射するレーザー光はYAGレーザ
ー、炭酸ガスレーザー等の赤外領域の波長を有し、予め
設定された回路パターンを、コンピュータによって制御
されたXY方向のスキャン機構を有するレーザーマーカ
ーにより選択的に照射する。また、複雑な立体成形品に
回路を形成する必要のある場合には、レーザー光を光フ
ァイバ、プリズム等により立体的な方向に導き、コンピ
ュータ制御により立体的に所定の領域を正確に照射する
ことができる。またはXY方向のスキャン機構を有する
レーザーマーカーとコンピュータにより同調して動くX
YZ方向、回転、傾斜の5軸のテーブルを組み合わせる
ことによっても立体的に照射することができる。また、
この方法によれば、パターンの作成及び修正等はレーザ
ー照射域の描画プログラムの変更だけで簡単に行える利
点を有する。また、レーザーによってレジスト膜を選択
的に飛散除去するので、レーザーのスポット径(現行50
〜100 μm)の細線回路の形成が可能である。
【0008】次に初期金属膜による回路パターンを形成
した成形品(図4)について、電気メッキにより所望の
厚さの金属膜を付加して目的とする導電回路(図5)を
形成する。この第2の金属膜の厚さは、最終的に回路に
なった場合の導電性表面の平滑性及びフラッシュエッチ
ングにより初期金属膜膜を除去する際に充分な厚さを考
慮すると、10μm 以上が好ましい。ここで用いる電気メ
ッキの金属は、初期金属膜の金属と同一の金属でも良い
が、初期金属膜よりもエッチング液に対し耐エッチング
性の高い金属を用いるほうが好ましい。
した成形品(図4)について、電気メッキにより所望の
厚さの金属膜を付加して目的とする導電回路(図5)を
形成する。この第2の金属膜の厚さは、最終的に回路に
なった場合の導電性表面の平滑性及びフラッシュエッチ
ングにより初期金属膜膜を除去する際に充分な厚さを考
慮すると、10μm 以上が好ましい。ここで用いる電気メ
ッキの金属は、初期金属膜の金属と同一の金属でも良い
が、初期金属膜よりもエッチング液に対し耐エッチング
性の高い金属を用いるほうが好ましい。
【0009】次に電気メッキにより導電回路を形成した
成形品は、レジストを溶解除去した後、エッチング液に
より絶縁部分に残った初期金属膜を溶解除去し、最終的
な回路を形成する(図6)。最終的な回路の金属膜の厚
さは、第2の金属膜の厚さにほぼ依存されるが、導電性
の点で、あるいは使用中の摩擦等による損傷・断線等の
点で、フラッシュエッチング後に10μm 以上の厚さがあ
ることが好ましい。かかるエッチング液は一般的な金属
エッチング液(例えば、塩化鉄等)を用いれば良い。
成形品は、レジストを溶解除去した後、エッチング液に
より絶縁部分に残った初期金属膜を溶解除去し、最終的
な回路を形成する(図6)。最終的な回路の金属膜の厚
さは、第2の金属膜の厚さにほぼ依存されるが、導電性
の点で、あるいは使用中の摩擦等による損傷・断線等の
点で、フラッシュエッチング後に10μm 以上の厚さがあ
ることが好ましい。かかるエッチング液は一般的な金属
エッチング液(例えば、塩化鉄等)を用いれば良い。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、SKW法やPCK法の
ように煩雑な複合成形の必要がなく、またフォトレジス
トを用いる場合のように回路パターン露光や現像といっ
た暗室内での煩雑な工程の必要もなく、またレーザー光
を使用する際の基体成形品の損傷による外観、形状、さ
らには絶縁性等に対する支障を避けることができ、ま
た、独立した回路が存在する場合も効率良く形成するこ
とができ、経済的にも有利である。
ように煩雑な複合成形の必要がなく、またフォトレジス
トを用いる場合のように回路パターン露光や現像といっ
た暗室内での煩雑な工程の必要もなく、またレーザー光
を使用する際の基体成形品の損傷による外観、形状、さ
らには絶縁性等に対する支障を避けることができ、ま
た、独立した回路が存在する場合も効率良く形成するこ
とができ、経済的にも有利である。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 液晶性ポリエステル(商品名「ベクトラ」、ポリプラス
チックス(株)製)を主体とする金属密着性(メッキ
性)樹脂組成物を用いて射出成形し立体的な成形品1を
作成した(図1)。次いでこれを脱脂し、KOH水溶液
にてその表面のほぼ全面をエッチング処理した後、HC
l水溶液にて中和し、洗浄後、触媒(商品名「キャタリ
ストA−30」、奥野製薬工業(株)製)を付与して表面
を活性化した後、化学銅メッキ液(商品名「OPC−7
50」、奥野製薬工業(株)製)に浸漬して成形品の表
面に、厚さ2μmの化学銅メッキ2を施し(図2)、よ
く洗浄後、電着レジスト液中にて、厚さ5μmのレジス
ト膜3を形成した(図3)。次に、レーザーパワーが
0.5WのYAGレーザー4をほぼ垂直に照射して、導電
回路部分5のレジスト膜3を除去することにより回路パ
ターンを形成した(図4)。次に、この回路パターンを
形成した成形品に、電気銅メッキを行い、導電回路部分
5に銅膜の厚さが30μmで、絶縁部分の化学銅メッキ2
の上にレジスト膜3が残った成形品(図5)を得た。次
に、この絶縁部分にレジスト膜3が残った成形品を、水
酸化合物ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジスト膜3を
剥離除去した後(図6)、塩化鉄(III)水溶液に浸漬
し、絶縁部分に残った化学銅メッキ2を溶解除去し、正
確で立体的な導電回路部分5を有する回路形成品(図
7)を得た。
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 液晶性ポリエステル(商品名「ベクトラ」、ポリプラス
チックス(株)製)を主体とする金属密着性(メッキ
性)樹脂組成物を用いて射出成形し立体的な成形品1を
作成した(図1)。次いでこれを脱脂し、KOH水溶液
にてその表面のほぼ全面をエッチング処理した後、HC
l水溶液にて中和し、洗浄後、触媒(商品名「キャタリ
ストA−30」、奥野製薬工業(株)製)を付与して表面
を活性化した後、化学銅メッキ液(商品名「OPC−7
50」、奥野製薬工業(株)製)に浸漬して成形品の表
面に、厚さ2μmの化学銅メッキ2を施し(図2)、よ
く洗浄後、電着レジスト液中にて、厚さ5μmのレジス
ト膜3を形成した(図3)。次に、レーザーパワーが
0.5WのYAGレーザー4をほぼ垂直に照射して、導電
回路部分5のレジスト膜3を除去することにより回路パ
ターンを形成した(図4)。次に、この回路パターンを
形成した成形品に、電気銅メッキを行い、導電回路部分
5に銅膜の厚さが30μmで、絶縁部分の化学銅メッキ2
の上にレジスト膜3が残った成形品(図5)を得た。次
に、この絶縁部分にレジスト膜3が残った成形品を、水
酸化合物ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジスト膜3を
剥離除去した後(図6)、塩化鉄(III)水溶液に浸漬
し、絶縁部分に残った化学銅メッキ2を溶解除去し、正
確で立体的な導電回路部分5を有する回路形成品(図
7)を得た。
【図1】 本発明の一例として立体回路成形部品となる
基体成形品を示す図であり、(a) は上面図、(b) は側面
図である。
基体成形品を示す図であり、(a) は上面図、(b) は側面
図である。
【図2】 図1に示す基体成形品の表面に化学銅メッキ
を施し、銅膜を付与した状態を示す上面図である。
を施し、銅膜を付与した状態を示す上面図である。
【図3】 図2に示す化学銅メッキを施した成形品にレ
ジスト膜を形成した状態を示す上面図である。
ジスト膜を形成した状態を示す上面図である。
【図4】 図3に示すレジスト膜を形成した成形品の導
電回路部分のレジストをYAGレーザーにより除去し、
回路パターンを形成した状態を示す上面図である。
電回路部分のレジストをYAGレーザーにより除去し、
回路パターンを形成した状態を示す上面図である。
【図5】 図4に示す回路パターンを形成した成形品の
導電回路部分に電気銅メッキを施し、所望の厚さの金属
膜よりなる回路を形成した状態を示す上面図である。
導電回路部分に電気銅メッキを施し、所望の厚さの金属
膜よりなる回路を形成した状態を示す上面図である。
【図6】 図5に示す電気銅メッキにより導電回路部分
に所望の厚さの金属膜を形成した成形品の絶縁部分に残
っているレジスト膜を剥離除去した状態を示す上面図で
ある。
に所望の厚さの金属膜を形成した成形品の絶縁部分に残
っているレジスト膜を剥離除去した状態を示す上面図で
ある。
【図7】 図6に示すレジスト膜を剥離除去した成形品
に、エッチングを施し、絶縁部分に残った化学銅メッキ
膜を除去し回路を形成した状態を示す上面図である。
に、エッチングを施し、絶縁部分に残った化学銅メッキ
膜を除去し回路を形成した状態を示す上面図である。
1 … 基体成形品 2 … 化学銅メッキによる銅膜 3 … レジスト膜 4 … レーザー光 5 … レーザー光により形成された導電回路部分
Claims (5)
- 【請求項1】 合成樹脂成形品の表面に導電回路を形成
するにあたり、金属被覆可能な合成樹脂成形品の表面に
予め化学メッキ、スッパタリング、真空蒸着、イオンプ
レーティング、転写法及び導電剤塗装の何れか1種類ま
たは2種類以上の組合せによる方法により金属被覆加工
を行って厚さが1〜10μmの範囲の初期金属膜を形成
し、次いで該金属膜表面に電着または静電塗装により厚
さが1〜20μmの範囲のレジスト膜を形成した後、導電
回路部分にレーザー光を照射してレジストを除去するこ
とにより導電回路部分の金属膜を露出させ、電気メッキ
により導電回路部分に第2の金属膜を形成し所望の厚さ
にした後、残っているレジストを除去し、エッチング液
により絶縁回路となる部分に残った金属膜を除去し回路
形成を行うことを特徴とするレーザーによる回路形成方
法。 - 【請求項2】 合成樹脂成形品の表面に形成された導電
回路に独立した回路が存在することを特徴とする請求項
1記載のレーザーによる回路形成方法。 - 【請求項3】 第2の金属膜の金属が初期金属膜の金属
と異なる金属である請求項1又は2記載のレーザーによ
る回路形成方法。 - 【請求項4】 合成樹脂成形品が立体的な表面形状を有
するものである請求項1〜3の何れか1項記載のレーザ
ーによる回路形成方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の方法に
より製造された導電回路形成部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6307539A JPH08167769A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | レーザーによる回路形成方法及び導電回路形成部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6307539A JPH08167769A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | レーザーによる回路形成方法及び導電回路形成部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08167769A true JPH08167769A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=17970317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6307539A Pending JPH08167769A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | レーザーによる回路形成方法及び導電回路形成部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08167769A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998041070A1 (de) * | 1997-03-11 | 1998-09-17 | Siemens S.A. | Verfahren zur bildung metallischer leitermuster auf elektrisch isolierenden unterlagen |
US6777172B2 (en) * | 2001-07-31 | 2004-08-17 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Method and apparatus for using an excimer laser to pattern electrodeposited photoresist |
-
1994
- 1994-12-12 JP JP6307539A patent/JPH08167769A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998041070A1 (de) * | 1997-03-11 | 1998-09-17 | Siemens S.A. | Verfahren zur bildung metallischer leitermuster auf elektrisch isolierenden unterlagen |
US6777172B2 (en) * | 2001-07-31 | 2004-08-17 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Method and apparatus for using an excimer laser to pattern electrodeposited photoresist |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050524 |