JPH08148501A - シリコン半導体装置の製造方法 - Google Patents
シリコン半導体装置の製造方法Info
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- JPH08148501A JPH08148501A JP28312494A JP28312494A JPH08148501A JP H08148501 A JPH08148501 A JP H08148501A JP 28312494 A JP28312494 A JP 28312494A JP 28312494 A JP28312494 A JP 28312494A JP H08148501 A JPH08148501 A JP H08148501A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】シリコン半導体素子製造プロセスの高温プロセ
ス完了後に、シリコン基板の抵抗率を所望の値に高精度
に制御する。 【構成】シリコン半導体素子製造プロセスの高温プロセ
ス完了後に、抵抗率の測定と約450℃の低温熱処理を
繰り返す。ゲッタリング効果や結晶中の酸素のドナー化
等により、シリコン基板の抵抗率を所望の値に精度良く
制御できる。 【効果】シリコン半導体素子の特性の安定化及びその歩
留まり向上が達成できる。
ス完了後に、シリコン基板の抵抗率を所望の値に高精度
に制御する。 【構成】シリコン半導体素子製造プロセスの高温プロセ
ス完了後に、抵抗率の測定と約450℃の低温熱処理を
繰り返す。ゲッタリング効果や結晶中の酸素のドナー化
等により、シリコン基板の抵抗率を所望の値に精度良く
制御できる。 【効果】シリコン半導体素子の特性の安定化及びその歩
留まり向上が達成できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン半導体装置の製
造方法に係り、特にシリコン半導体基板のほぼ全域を能
動層として用いる高耐圧半導体装置を安定に製造する方
法に関する。
造方法に係り、特にシリコン半導体基板のほぼ全域を能
動層として用いる高耐圧半導体装置を安定に製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン高耐圧半導体装置の製造
方法においては、まず、n型またはp型の導電型及び抵
抗率が所望の値に調整されたシリコン半導体を素材とし
て準備し、それを用いて製造プロセスが開始されてい
る。これは、pn接合のアバランシェブレイクダウン電
圧がシリコン基板の抵抗率によって決定されるためであ
る。この種の半導体装置の製造方法に関連しては、種々
の半導体の教科書や論文,特許公報等に記載されてい
る。
方法においては、まず、n型またはp型の導電型及び抵
抗率が所望の値に調整されたシリコン半導体を素材とし
て準備し、それを用いて製造プロセスが開始されてい
る。これは、pn接合のアバランシェブレイクダウン電
圧がシリコン基板の抵抗率によって決定されるためであ
る。この種の半導体装置の製造方法に関連しては、種々
の半導体の教科書や論文,特許公報等に記載されてい
る。
【0003】また、高濃度の酸素を含有したシリコン半
導体基板を拡散等の高温熱処理が終了後、450℃付近
の比較的低温で熱処理して結晶中の酸素をドナー化して
抵抗率を制御する方法が知られている。この種の方法と
して関連するものには特開昭58−56426号公報,特開昭6
3−90140号公報等が挙げられる。
導体基板を拡散等の高温熱処理が終了後、450℃付近
の比較的低温で熱処理して結晶中の酸素をドナー化して
抵抗率を制御する方法が知られている。この種の方法と
して関連するものには特開昭58−56426号公報,特開昭6
3−90140号公報等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、シ
リコン半導体基板の当初の導電型及び抵抗率により素子
特性が決定されるため、その選定は厳密にされる必要が
ある。
リコン半導体基板の当初の導電型及び抵抗率により素子
特性が決定されるため、その選定は厳密にされる必要が
ある。
【0005】しかし、数1000V以上の高耐圧素子の
製作にあたっては、必要なシリコン半導体基板の抵抗率
は数百Ω−cm以上となるが、このような高抵抗ではシリ
コン結晶の抵抗率のばらつきを小さく作成することは困
難であり、任意の抵抗率を選定するためには歩留まりが
著しく低下してしまう。このため、シリコン結晶の抵抗
率に大きな幅があるとして素子の耐圧設計をし、他の特
性を犠牲にしている。また、素子製造工程中の高温プロ
セス後において、シリコン結晶基板の抵抗率が数%以上
変動する場合があり、工程毎に詳細な抵抗率の評価を必
要としている。抵抗率が規格値からはずれた場合は素子
特性が不良となり歩留まり低下を引き起こす。
製作にあたっては、必要なシリコン半導体基板の抵抗率
は数百Ω−cm以上となるが、このような高抵抗ではシリ
コン結晶の抵抗率のばらつきを小さく作成することは困
難であり、任意の抵抗率を選定するためには歩留まりが
著しく低下してしまう。このため、シリコン結晶の抵抗
率に大きな幅があるとして素子の耐圧設計をし、他の特
性を犠牲にしている。また、素子製造工程中の高温プロ
セス後において、シリコン結晶基板の抵抗率が数%以上
変動する場合があり、工程毎に詳細な抵抗率の評価を必
要としている。抵抗率が規格値からはずれた場合は素子
特性が不良となり歩留まり低下を引き起こす。
【0006】また更に、高温プロセス後に結晶中の酸素
をドナー化する方法では、酸素ドナーによる抵抗率変化
の効果は有るが、結晶中の酸素の析出による素子特性の
劣化や、他の要因による抵抗率の変化については考慮さ
れていない。
をドナー化する方法では、酸素ドナーによる抵抗率変化
の効果は有るが、結晶中の酸素の析出による素子特性の
劣化や、他の要因による抵抗率の変化については考慮さ
れていない。
【0007】本発明は、シリコン基板の抵抗率を、初期
値及びプロセス中の変動に関わりなく、高温プロセス後
に所望の設定値に制御し、素子特性を安定に確保する方
法を提供するものである。
値及びプロセス中の変動に関わりなく、高温プロセス後
に所望の設定値に制御し、素子特性を安定に確保する方
法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、酸化や拡散
等の高温のプロセスを終了後、該シリコン半導体基板を
500℃以下の低温で熱処理して、(1)ドーパントの
活性化を制御し、(2)重金属等の有害不純物をゲッタリ
ングし、(3)また結晶中の酸素をドナー化すること等
により抵抗率(導電率)を制御することにより達成され
る。
等の高温のプロセスを終了後、該シリコン半導体基板を
500℃以下の低温で熱処理して、(1)ドーパントの
活性化を制御し、(2)重金属等の有害不純物をゲッタリ
ングし、(3)また結晶中の酸素をドナー化すること等
により抵抗率(導電率)を制御することにより達成され
る。
【0009】
【作用】シリコン半導体結晶の抵抗率の制御は、まず第
一にドーパントの濃度によって決定される。主なドーパ
ントとしては、p型用にはボロン,ガリウム,アルミニ
ウム等、n型用にはリン,ヒ素,アンチモン等が用いら
れている。
一にドーパントの濃度によって決定される。主なドーパ
ントとしては、p型用にはボロン,ガリウム,アルミニ
ウム等、n型用にはリン,ヒ素,アンチモン等が用いら
れている。
【0010】高温プロセスにより、シリコン基板の抵抗
率が変動するのは種々の原因が複雑に絡んで発生するた
めである。例えば、 (1)金,鉄等の重金属が混入すると、キャリアのトラ
ップとして作用しモビリティの減少を引起し、抵抗率が
増大する。
率が変動するのは種々の原因が複雑に絡んで発生するた
めである。例えば、 (1)金,鉄等の重金属が混入すると、キャリアのトラ
ップとして作用しモビリティの減少を引起し、抵抗率が
増大する。
【0011】(2)低温熱処理により、ドーパントが凝
集し、実効的なキャリア濃度が低下して抵抗率が増大す
る。
集し、実効的なキャリア濃度が低下して抵抗率が増大す
る。
【0012】(3)元の結晶中のドーパントの活性化が
不充分であったり、凝集していた場合には、高温熱処理
により活性化や凝集の解離により抵抗率が低下する。
不充分であったり、凝集していた場合には、高温熱処理
により活性化や凝集の解離により抵抗率が低下する。
【0013】(4)ドーパントとシリコン結晶中の他の
不純物例えば酸素や炭素等の導電型に影響を与えない不
純物との相互作用により、ドーパントが不活性化し抵抗
率が増大する。
不純物例えば酸素や炭素等の導電型に影響を与えない不
純物との相互作用により、ドーパントが不活性化し抵抗
率が増大する。
【0014】(5)高温プロセス中に引起こされた転移
等の結晶欠陥によりキャリアのモビリティが低下し抵抗
率が増大する。
等の結晶欠陥によりキャリアのモビリティが低下し抵抗
率が増大する。
【0015】(6)初期の結晶中や高温プロセス中に結
晶中に拡散導入された酸素が、冷却中の低温熱処理によ
りドナー化し、n型導電型の抵抗率を低下させる。
晶中に拡散導入された酸素が、冷却中の低温熱処理によ
りドナー化し、n型導電型の抵抗率を低下させる。
【0016】(7)シリコン結晶中に混入し、キャリア
のトラップとして作用しモビリティの減少を引起してい
た重金属がゲッタリングされ、抵抗率が低下する。
のトラップとして作用しモビリティの減少を引起してい
た重金属がゲッタリングされ、抵抗率が低下する。
【0017】(8)シリコン結晶に中性子を照射して、
30Si(n,γ)→31P+βの核反応によりリンを生成
させる場合は、700℃以上の熱処理により結晶格子の
乱れを回復させるが、熱中性子と高速中性子の割合によ
り回復状態が異なり、後者が多いと回復が難しく抵抗率
ばらつきの要因となる。
30Si(n,γ)→31P+βの核反応によりリンを生成
させる場合は、700℃以上の熱処理により結晶格子の
乱れを回復させるが、熱中性子と高速中性子の割合によ
り回復状態が異なり、後者が多いと回復が難しく抵抗率
ばらつきの要因となる。
【0018】以上の様に、シリコン半導体基板の抵抗率
は、高温プロセス中の様々な要因により変動する。
は、高温プロセス中の様々な要因により変動する。
【0019】本発明では、拡散,酸化等の高温プロセス
後、シリコン半導体基板を低温熱処理することにより、
特に上記(2),(6),(7)の効果を発起させ、抵抗率
を所定の値に制御することができる。
後、シリコン半導体基板を低温熱処理することにより、
特に上記(2),(6),(7)の効果を発起させ、抵抗率
を所定の値に制御することができる。
【0020】
(実施例1)高耐圧サイリスタの製造方法を、図1によ
り詳細に説明する。
り詳細に説明する。
【0021】(a)はシリコン半導体基板10を示す。
その品位は、製法FZ(フローティングゾーン:帯域溶
融法),結晶方位〈111〉,直径150mm,厚み1.
5mm,エッチング表面仕上げである。結晶成長後のイン
ゴットの側面の抵抗率は約8000Ω−cm以上であり、
その後重水炉で中性子照射した。その後、所定の厚みの
ウエハにスライスして表面仕上げしたものである。
その品位は、製法FZ(フローティングゾーン:帯域溶
融法),結晶方位〈111〉,直径150mm,厚み1.
5mm,エッチング表面仕上げである。結晶成長後のイン
ゴットの側面の抵抗率は約8000Ω−cm以上であり、
その後重水炉で中性子照射した。その後、所定の厚みの
ウエハにスライスして表面仕上げしたものである。
【0022】(b)はサイリスタ作製のため、次の工程
によりpnpn4層構造を形成した状態を示す。
によりpnpn4層構造を形成した状態を示す。
【0023】まず、金属アルミニウムをソースとし、温
度1000〜1100℃の気相拡散により表面濃度約5
×1018atoms/cm3,深さ9〜10μmのアルミニウム
高濃度拡散層を形成する。
度1000〜1100℃の気相拡散により表面濃度約5
×1018atoms/cm3,深さ9〜10μmのアルミニウム
高濃度拡散層を形成する。
【0024】次に、温度1250℃、酸素気流中で25
〜35時間熱処理し、表面最大濃度約3×1016atoms
/cm3,深さ約100μmのアルミニウム低濃度拡散層
11,12を形成し、pnp3層構造とする。
〜35時間熱処理し、表面最大濃度約3×1016atoms
/cm3,深さ約100μmのアルミニウム低濃度拡散層
11,12を形成し、pnp3層構造とする。
【0025】次に、上記熱処理中に形成されたシリコン
酸化膜を拡散マスクとして用い、リンを選択拡散させ
る。リンの拡散は、温度950〜1050℃、POCl
3 をソースとして用いた気相拡散であり、表面濃度約1
×1020atoms/cm3,深さ10〜11μmである。
酸化膜を拡散マスクとして用い、リンを選択拡散させ
る。リンの拡散は、温度950〜1050℃、POCl
3 をソースとして用いた気相拡散であり、表面濃度約1
×1020atoms/cm3,深さ10〜11μmである。
【0026】上記高温の拡散プロセスにより、pnpn
4層構造が形成でき、それぞれ、p型エミッタ層11,
n型ベース層10′,p型ベース層12,n型エミッタ
層13として作用する。
4層構造が形成でき、それぞれ、p型エミッタ層11,
n型ベース層10′,p型ベース層12,n型エミッタ
層13として作用する。
【0027】(c)は上記シリコン基板の両主表面にア
ルミニウムを蒸着し、ホトリソグラフィによりパターン
加工後、温度540℃、窒素気流中で50分間熱処理
(シンタリング)し、電極14,15を形成した状態を
示す。
ルミニウムを蒸着し、ホトリソグラフィによりパターン
加工後、温度540℃、窒素気流中で50分間熱処理
(シンタリング)し、電極14,15を形成した状態を
示す。
【0028】(d)は上記シリコン基板10を、温度4
50℃,酸素気流中で1.5 〜3時間熱処理しnベース
層の抵抗率を制御した状態を示す。シリコン基板の周辺
部のp型拡散層をエッチング除去し、その部分の8ケ所
を非接触抵抗率測定装置で抵抗率の測定した。熱処理と
抵抗値測定を繰り返し、所望の抵抗値となるように熱処
理時間を定めた。
50℃,酸素気流中で1.5 〜3時間熱処理しnベース
層の抵抗率を制御した状態を示す。シリコン基板の周辺
部のp型拡散層をエッチング除去し、その部分の8ケ所
を非接触抵抗率測定装置で抵抗率の測定した。熱処理と
抵抗値測定を繰り返し、所望の抵抗値となるように熱処
理時間を定めた。
【0029】上記の例では、熱処理前の抵抗率は、ウエ
ハ内530〜630Ω−cm(±8.6%)、ロット内及び
ロット間520〜660Ω−cm(±12%)のものが、
熱処理により抵抗率はウエハ内,ロット内,ロット間と
も全て、510〜550(530±20)Ω−cm(±
3.8% )にできた。また、その後、結晶中の少数キャ
リアのライフタイム制御のため、コバルト−60(60C
o)を線源とするγ線(エネルギー:1.25MeV)
を2×106R照射しアニールを実施した。アニールは
酸素・窒素混合気流中で355〜395℃,30分〜2
時間である。このアニール条件では、結晶中の少数キャ
リアのライフタイムは約80〜90μsであり、シリコ
ン基板の抵抗率の変動は見られない。更に、上記シリコ
ン基板の端面を加工後、ポリイミド樹脂やシリコーンゴ
ムのパッシベーション膜コーティングし、セラミックパ
ッケージに組込み、特性評価してサイリスタが完成す
る。
ハ内530〜630Ω−cm(±8.6%)、ロット内及び
ロット間520〜660Ω−cm(±12%)のものが、
熱処理により抵抗率はウエハ内,ロット内,ロット間と
も全て、510〜550(530±20)Ω−cm(±
3.8% )にできた。また、その後、結晶中の少数キャ
リアのライフタイム制御のため、コバルト−60(60C
o)を線源とするγ線(エネルギー:1.25MeV)
を2×106R照射しアニールを実施した。アニールは
酸素・窒素混合気流中で355〜395℃,30分〜2
時間である。このアニール条件では、結晶中の少数キャ
リアのライフタイムは約80〜90μsであり、シリコ
ン基板の抵抗率の変動は見られない。更に、上記シリコ
ン基板の端面を加工後、ポリイミド樹脂やシリコーンゴ
ムのパッシベーション膜コーティングし、セラミックパ
ッケージに組込み、特性評価してサイリスタが完成す
る。
【0030】上記実施例では、半導体装置としてサイリ
スタを、p型及びn型拡散層の形成にそれぞれアルミニ
ウム及びリンを用いたが、その他の半導体装置やドーパ
ントにも適用できる。
スタを、p型及びn型拡散層の形成にそれぞれアルミニ
ウム及びリンを用いたが、その他の半導体装置やドーパ
ントにも適用できる。
【0031】(実施例2)シリコン半導体基板の低温熱
処理条件と抵抗率の変化を図2により詳細に説明する。
処理条件と抵抗率の変化を図2により詳細に説明する。
【0032】(a)はシリコン半導体基板の低温熱処理
時間と抵抗率の変化を示す。
時間と抵抗率の変化を示す。
【0033】熱処理時間とともに、シリコン半導体基板
の抵抗率は低下し、約1.5 〜3時間の熱処理によりほ
ぼ一定値に飽和する。熱処理温度が高い程、抵抗率が一
定値に飽和するまでの時間は短い。
の抵抗率は低下し、約1.5 〜3時間の熱処理によりほ
ぼ一定値に飽和する。熱処理温度が高い程、抵抗率が一
定値に飽和するまでの時間は短い。
【0034】(b)はシリコン半導体基板の低温熱処理
温度と抵抗率の変化を示す。
温度と抵抗率の変化を示す。
【0035】約450〜460℃の熱処理温度が、シリ
コン半導体基板の抵抗率を最も低下させる。これは、結
晶中の酸素のドナー化の効果が最も大きいためと考えら
れる。熱処理温度が500℃を越えると、抵抗率の低下
は少なく、抵抗率制御は困難になる。
コン半導体基板の抵抗率を最も低下させる。これは、結
晶中の酸素のドナー化の効果が最も大きいためと考えら
れる。熱処理温度が500℃を越えると、抵抗率の低下
は少なく、抵抗率制御は困難になる。
【0036】低温熱処理の雰囲気として、酸素気流中及
び窒素気流中では差異は見られない。
び窒素気流中では差異は見られない。
【0037】また、結晶中の酸素ドナーの濃度を制御す
るため、高温プロセスの前に酸素イオンのイオン打ち込
みを施し他のドーパントの拡散時に酸素も同時に拡散さ
せることもできる。シリコン中における酸素の拡散係数
は、リンやボロンの拡散係数の数10倍、アルミニウム
の拡散係数の数倍大きく、シリコン基板の奥深く拡散で
きるからであり、それゆえ、基板の抵抗率制御が可能と
なる。
るため、高温プロセスの前に酸素イオンのイオン打ち込
みを施し他のドーパントの拡散時に酸素も同時に拡散さ
せることもできる。シリコン中における酸素の拡散係数
は、リンやボロンの拡散係数の数10倍、アルミニウム
の拡散係数の数倍大きく、シリコン基板の奥深く拡散で
きるからであり、それゆえ、基板の抵抗率制御が可能と
なる。
【0038】図3はシリコン結晶中の酸素濃度〔OT 〕
と低温熱処理後の最大酸素ドナー濃度〔OD 〕の関係を
示す。その関係は log〔OD〕∝n・log〔OT〕 n=3〜4 で示される。
と低温熱処理後の最大酸素ドナー濃度〔OD 〕の関係を
示す。その関係は log〔OD〕∝n・log〔OT〕 n=3〜4 で示される。
【0039】シリコン結晶中の酸素濃度〔OT〕が増加
すると最大酸素ドナー濃度〔OD〕は対数的に急激に増
加する。
すると最大酸素ドナー濃度〔OD〕は対数的に急激に増
加する。
【0040】シリコン基板の抵抗率を制御するために
は、実用的にはドナー濃度は1012ions/cm3 以上が必
要であリ、そのためにはシリコン結晶中の酸素濃度は4
×1016atoms/cm3以上が必要である。
は、実用的にはドナー濃度は1012ions/cm3 以上が必
要であリ、そのためにはシリコン結晶中の酸素濃度は4
×1016atoms/cm3以上が必要である。
【0041】しかし酸素濃度が1.1×1018atoms/cm
3 以上となると、固溶限以上の過剰酸素の結晶内析出が
発生し、抵抗率の制御に役立たないのみらず、素子特性
の低下、例えば、pn接合のリーク電流の増大等を引き
起こす。
3 以上となると、固溶限以上の過剰酸素の結晶内析出が
発生し、抵抗率の制御に役立たないのみらず、素子特性
の低下、例えば、pn接合のリーク電流の増大等を引き
起こす。
【0042】このため、シリコン結晶中の酸素濃度は、
4×1016〜1.1×1018atoms/cm3 が望ましい。
4×1016〜1.1×1018atoms/cm3 が望ましい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン半導体基板の
抵抗率を高精度に制御でき、素子特性の安定化及び歩留
まり向上の効果が得られる。
抵抗率を高精度に制御でき、素子特性の安定化及び歩留
まり向上の効果が得られる。
【図1】本発明の一実施例の半導体装置の製造工程を示
す断面模式図である。
す断面模式図である。
【図2】本発明の実験条件を示すグラフである。
【図3】シリコン結晶中の酸素濃度と低温熱処理後の最
大酸素ドナー濃度の関係。
大酸素ドナー濃度の関係。
10…シリコン半導体基板、11,12,13…拡散
層、14,15…電極。
層、14,15…電極。
Claims (6)
- 【請求項1】シリコン半導体装置の製造方法において、
拡散やアニール等の高温プロセスを終了後、シリコン半
導体基板を、500℃以下で熱処理して、該シリコン半
導体基板の抵抗率を所定の値に制御することを特徴とす
るシリコン半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】請求項1において、500℃以下の熱処理
によりシリコン半導体基板の抵抗率を所定の値に制御さ
せる方法は、シリコン基板結晶中に4×1016〜1.1
×1018atoms/cm3の濃度の酸素を含有させ、500℃
以下の熱処理により該酸素を析出させることなくドナー
化させることを特徴とするシリコン半導体装置の製造方
法。 - 【請求項3】請求項2において、シリコン半導体基板の
導電型はn型であることを特徴とするシリコン半導体装
置の製造方法。 - 【請求項4】請求項1において、元のシリコン半導体基
板に、導電型及び抵抗率を制御する不純物をドーピング
しない領域も素子動作上の能動層の一部として用いるこ
とを特徴とするシリコン半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】請求項1において、シリコン半導体基板は
中性子照射によりシリコンがリンに変換されてドーピン
グされていることを特徴とするシリコン半導体装置の製
造方法。 - 【請求項6】請求項1において、シリコン半導体基板の
抵抗率をモニタしながら熱処理し、該シリコン半導体基
板の抵抗率を所定の値に制御することを特徴とするシリ
コン半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28312494A JPH08148501A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | シリコン半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28312494A JPH08148501A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | シリコン半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08148501A true JPH08148501A (ja) | 1996-06-07 |
Family
ID=17661544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28312494A Pending JPH08148501A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | シリコン半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08148501A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001156299A (ja) * | 1999-11-26 | 2001-06-08 | Fuji Electric Co Ltd | 半導体装置及びその製造方法 |
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