[go: up one dir, main page]

JPH08145147A - ギヤ、プーリ等の回転体 - Google Patents

ギヤ、プーリ等の回転体

Info

Publication number
JPH08145147A
JPH08145147A JP30707794A JP30707794A JPH08145147A JP H08145147 A JPH08145147 A JP H08145147A JP 30707794 A JP30707794 A JP 30707794A JP 30707794 A JP30707794 A JP 30707794A JP H08145147 A JPH08145147 A JP H08145147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
snap ring
annular groove
gear
rotating body
pulley
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30707794A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuhisa Yamazaki
哲央 山崎
Susumu Arai
進 新井
Ryutaro Shimogama
竜太郎 下釜
Haruhiko Maeda
春彦 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Motors Ltd filed Critical Hino Motors Ltd
Priority to JP30707794A priority Critical patent/JPH08145147A/ja
Priority to CN 95106953 priority patent/CN1123378A/zh
Publication of JPH08145147A publication Critical patent/JPH08145147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gears, Cams (AREA)
  • Pulleys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ギヤ、プーリ等の回転体を制振するスナップ
リングが環状溝の底面に沿って周方向に回転するのを防
止する。 【構成】 ギヤ本体18の環状溝20にスナップリング
22を係入する。スナップリング22は、環状溝20の
底面に圧接される。スナップリング22の合い口部22
aの間にはギヤ本体18に固定された回り止めブロック
26が配置されてスナップリング22が単独で回転する
のを防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン用タイミング
ギヤ、各種のタイミングプーリ、ダンパ、車輪等の回転
体の改良に関し、更に詳細に述べると、回転体本体の内
周面に振動抑制用のスナップリングが設けられた回転体
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ギヤ、プーリ等の回転体は、種々の原因
で回転中にトルク変動を受ける。例えば、エンジンその
他の各種機械に用いられる動力伝達用ギヤは、通常噛み
合わせられる他のギヤとの間にバックラッシュが設けら
れているため、回転中のトルク変動等を受けて騒音が発
生し、またギヤその他の振動がプーリに伝達されてプー
リからも騒音が発生する。このような騒音を低減するた
め、シザースギヤ等により、噛み合い部のバックラッシ
ュを制御することが知られているが、構造が複雑である
上に高価となる欠点がある。
【0003】このため、簡易な構造で騒音を防止するた
め、図11及び図12に示すように、ギヤ、プーリ等の
回転体本体18’の内周面の環状溝20’内に挿入して
この環状溝20’の底面に圧接するスナップリング2
2’から成るダンパを備えたギヤ、プーリ等の回転体が
提案されている。この回転体10’は、スナップリング
22’が回転体本体18’の外周方向へ抑え付けられる
ことにより、ギヤ、プーリ等に伝達される軸線方向の振
動を回転体本体18’とスナップリング22’との間の
摩擦力によって吸収して振動を抑制し、騒音を低減す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の回転
体は、種々の原因で回転変動を受けることがあるが、こ
の場合、スナップリング22’は、この回転変動によっ
て回転体本体に対して独立して周方向に大きく回転する
傾向があり、スナップリング22’のこのような動き
は、スナップリング22’及び回転体本体18’の双方
の摩耗を助長して振動抑制効果を低減し、耐久性を低下
する欠点があった。
【0005】また、従来技術のこの種の回転体におい
て、スナップリング22’は、図11及び図13に示す
ように、回転体本体18’の軸線方向に平行な方向が平
坦である外周面を有するので、スナップリング22’が
それ自体のねじれ又は挿入時の傾斜等によって図13に
示すように回転体本体18’の軸線に一致しない状態に
あると、スナップリング22’が環状溝20’の底面2
0’aに接触する面積が小さく、振動抑制効果が低くな
る欠点があった。
【0006】本発明の1つの課題は、回転体本体が大き
な回転変動を受けてもスナップリングが回転体本体の環
状溝内を独立して回転変位することがなく、従って大き
な摩耗によって振動抑制効果が短期間に低減することが
ないギヤ、プーリ等の回転体を提供することにある。
【0007】本発明の他の課題は、スナップリングが変
形していたり回転体本体の環状溝内に傾斜して挿入され
ても環状溝の底面に大きな接触面積で接触することがで
き、従って大きな摩擦によって振動抑制効果を有するギ
ヤ、プーリ等の回転体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、ギヤ、プーリ等の回転体本体と前記回転体本体
の周面の環状溝内に係入してこの環状溝の底面に圧接さ
れたスナップリングとから成るギヤ、プーリ等の回転体
において、回転体本体が振動を受けたときにこの回転体
本体に対するスナップリングの摩擦変位を許しつつ回転
体本体の環状溝内でスナップリングが独立して回転する
のを防止するスナップリング回り止め手段を備えている
ことを特徴とするギヤ、プーリ等の回転体を提供するこ
とにある。
【0009】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段によるギヤ、プーリ等の回転体であって、ス
ナップリング回り止め手段は、回転体本体の環状溝内に
固定されてスナップリングの合い口部に係入された回り
止め部材から成っていることを特徴とするギヤ、プーリ
等の回転体を提供することにある。
【0010】本発明の第3の課題解決手段は、第1の課
題解決手段によるギヤ、プーリ等の回転体であって、ス
ナップリング回り止め手段は、回転体本体の環状溝の底
面にスナップリングの合い口部のエッジが係入するよう
に形成された2つのエッジ係入凹部から成っていること
を特徴とするギヤ、プーリ等の回転体を提供することに
ある。
【0011】本発明の第4の課題解決手段は、第1の課
題解決手段によるギヤ、プーリ等の回転体であって、ス
ナップリング回り止め手段は、スナップリングの両面と
回転体本体の環状溝の内側面とに跨がって形成された弾
性連結部から成っていることを特徴とするギヤ、プーリ
等の回転体を提供することにある。
【0012】本発明の第5の課題解決手段は、ギヤ、プ
ーリ等の回転体本体とこの回転体本体の周面の環状溝内
に係入してこの環状溝内に挿入されたスナップリングと
から成り、スナップリングは、その合い口部付近に相対
して設けられ環状溝の土手に係合してスナップリングを
心合わせする少なくとも2つの外側ゴム突起と、スナッ
プリングの周方向に間隔をあけて設けられ回転体本体に
係合してスナップリングの軸線方向の位置を設定する内
側ゴム突起とを有し、スナップリングの外周面と環状溝
の底面及び両側面との間に充填されたゴム質量体を備え
ていることを特徴とするギヤ、プーリ等の回転体を提供
することにある。
【0013】本発明の第6の課題解決手段は、ギヤ、プ
ーリ等の回転体本体とこの回転体本体の周面の環状溝内
に係入してこの環状溝の底面に圧接されたスナップリン
グとから成るギヤ、プーリ等の回転体において、環状溝
の底面とスナップリングの環状溝の底面に係合する面と
が回転体本体の軸線方向に平行な方向に湾曲するような
湾曲面から成っていることを特徴とするギヤ、プーリ等
の回転体を提供することにある。
【0014】
【作用】このように、回転体本体が振動を受けたときに
スナップリングはこの回転体本体に対して摩擦変位して
振動を抑制するが、回転体本体の回転変動があると、回
転体本体の環状溝内でスナップリングが回転するのを防
止するスナップリング回り止め手段を備えていると、回
転体の振動抑制効果を維持しつつ、回転体の大きな回転
変動があっても、スナップリングが回転体本体の環状溝
内を独立して回転することがなく、従って回転体本体と
スナップリングとの摩耗を低減し、回転体の寿命を長期
にわたって維持することができる。
【0015】このスナップリング回り止め手段は、回転
体本体の環状溝内に固定されてスナップリングの合い口
部に係入された回り止め部材(回り止めブロック)とす
ることができるが、この場合には、スナップリング回り
止め手段は、簡単な回り止め部材をスナップリングの合
い口部の間に位置するように環状溝内に固定するだけで
形成することができるので、回転体の組立てが簡単で経
済的に得ることができる。
【0016】また、このスナップリング回り止め手段
は、回転体本体の環状溝の底面にスナップリングの合い
口部のエッジが係入するように形成された2つのエッジ
係入凹部とすることができるが、この場合には、スナッ
プリング回り止め手段は、回転体本体に環状溝を形成す
る際に、その底面に簡単な凹部を形成するだけで得るこ
とができるので、回転体を同様に経済的に得ることがで
きる。
【0017】更に、スナップリング回り止め手段は、ス
ナップリングの両面と回転体本体の環状溝の内側面とに
跨がって形成された弾性連結部とすることができるが、
この弾性連結部は、環状溝内に挿入されたスナップリン
グを環状溝に弾性的に連結するように少なくとも部分的
にラバーを加硫成形するだけで形成することができ、従
ってスナップリング回り止め手段を容易に形成すること
ができる。
【0018】スナップリングの合い口部付近に相対して
設けられた外側ゴム突起が環状溝の土手に係合してスナ
ップリングを心合わせし、またスナップリングの周方向
に間隔をあけて設けられた内側ゴム突起が回転体本体に
係合してスナップリングの軸線方向の位置を設定する
と、スナップリングは環状溝に心合わせして重心を一定
に維持し、且つ環状溝内で軸線方向の適切な位置に設定
され、またこのようにして位置設定されたスナップリン
グの外周面と環状溝の底面との間にゴム質量体が充填さ
れていると、スナップリングと一体のゴム質量体が回転
体の振動を抑制することができる。
【0019】また、環状溝の底面とスナップリングの環
状溝の底面に係合する面とが回転体本体の軸線方向に平
行な方向に湾曲するような湾曲面から成っていると、ス
ナップリングが変形したり環状溝内に傾斜して挿入され
ることがあっても、環状溝の底面とスナップリングとの
接触を確実に維持することができ、従って回転体の振動
抑制効果を妨げることはない。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に述べ
ると、図1及び図2は本発明をギヤ10に適用した例を
示し、このギヤ(回転体)10は、ボス12とリム14
とこれらのボス12とリム14との間を連結するウエブ
16とを含むギヤ本体(回転体本体)18と、このギヤ
本体18の内周面の環状溝20内に係入されたスナップ
リング22とから成っている。尚、図1及び図2におい
て符号14aはギヤ本体18の歯を示す。
【0021】環状溝20は、図3に示すように、リム1
4の内周面に形成され、スナップリング22の幅よりも
多少大きめに設定され、また、スナップリング22が面
接触できるような底面を有するように角形の形状に形成
されている。
【0022】スナップリング22は、それ自体のばね力
により外側に拡がるように付勢され、先端の自由端(合
い口部)22a(図2参照)を摘んで径を縮小しつつギ
ヤ本体18の環状溝20内に係入して保持される。ま
た、このスナップリング22は、図1及び図3に示すよ
うに、四角形状の断面を有し、その一面で環状溝20の
底面20aに係合する。従って、このスナップリング2
2は、その外側へ拡がろうとする付勢力(図1の矢印方
向の力F)により、環状溝20の底面20aに圧接しギ
ヤ本体18の外周方向に抑え付けられて、ギヤ10の振
動方向の力(図1の中心線Xに平行な方向の力F´参
照)を抑制する。
【0023】本発明のギヤ10は、ギヤ本体18が振動
を受けたときにギヤ本体18に対するスナップリング2
2の摩擦変位を許すが、ギヤ本体18の環状溝20内で
スナップリング22が独立して回転するのを防止するス
ナップリング回り止め手段24を備えている。
【0024】図1乃至図3の実施例では、このスナップ
リング回り止め手段24は、ギヤ本体18の環状溝20
内に固定されてスナップリング22の合い口部22aに
係入された回り止め部材(回り止めブロック)26から
成っている。この回り止め部材26は、例えば、スチー
ル等の金属ブロックから成っている。
【0025】このように、回り止め部材26がスナップ
リング22の合い口部22aの間に位置するように環状
溝20内に固定されていると、ギヤ本体18が回転変動
を受けてもスナップリング22が環状溝20内を独立し
てその周方向に回転することがなく、従ってスナップリ
ング22と環状溝20の底面との間で摩耗を生ずること
がない。一方、ギヤ本体18に伝達される軸線方向の振
動(図1のF’参照)は、スナップリング22が環状溝
20に対して摩擦変位して抑制される。従って、ギヤ本
体18とスナップリング22との摩耗を低減し、ギヤ1
0の寿命を長期にわたって維持することができる。
【0026】図4及び図5の実施例では、スナップリン
グ回り止め手段24は、ギヤ本体18の環状溝20の底
面20aにスナップリング22の合い口部22aのエッ
ジ22bが係入するように形成された2つのエッジ係入
凹部20bから成っている。スナップリング22の合い
口部22aの間の隙間Gは、通常4〜10mm程度であ
り、従って2つのエッジ係入凹部20bの間隔もこのス
ナップリング22の合い口部22aの隙間Gに合わせて
設定される。
【0027】スナップリング22は、先に述べたよう
に、その合い口部22aをすぼめて環状溝20内に挿入
され解放すると、それ自体の弾性によって径方向の外側
に広げられるので、エッジ22bは、エッジ係入凹部2
0bに係入する。従って、ギヤ本体18が回転変動を受
けても、スナップリング22が環状溝20内を独立して
その周方向に回転することがなく、従ってスナップリン
グ22と環状溝20の底面との間で摩耗を生ずることが
ない。一方、ギヤ本体18に伝達される軸線方向の振動
は、スナップリング22が環状溝20に対して摩擦変位
して抑制される。従って、図1乃至図3の実施例と同様
に、ギヤ本体18とスナップリング22との摩耗を低減
し、ギヤ10の寿命を長期にわたって維持することがで
きる。
【0028】図6の実施例では、スナップリング回り止
め手段24は、スナップリング22の両面とギヤ本体1
8の環状溝20の内側面とに跨がって形成された弾性連
結部28から成っている。この弾性連結部28は、スナ
ップリング22を環状溝20内に組み込んだ後、環状溝
20内にラバーを加硫成形して形成される。この弾性連
結部28は、環状溝20の全周に形成してもよいし、周
方向に間隔をあけて形成してもよい。
【0029】この弾性連結部28は、スナップリング2
2をギヤ本体18の環状溝20内に弾性的に連結してい
るので、ギヤ本体18が回転変動を受けてもスナップリ
ング22が環状溝20内を独立してその周方向に回転す
ることがなく、従ってスナップリング22と環状溝20
の底面との間で摩耗を生ずることがない。一方、ギヤ本
体18に伝達される軸線方向の振動は、スナップリング
22が弾性連結部28の弾性に抗して環状溝20に対し
て摩擦変位して抑制される。従って、図1乃至図3の実
施例及び図4の実施例と同様に、ギヤ本体18とスナッ
プリング22との摩耗を低減し、ギヤ10の寿命を長期
にわたって維持することができる。
【0030】弾性連結部28は、ゴムの低い固有振動数
を有するにすぎないので、外部に騒音を発生するような
高い周波数の振動を抑制する効果を減殺することはな
い。
【0031】図7乃至図9は、本発明のギヤ10の更に
他の実施例を示し、この実施例では、スナップリング2
2がギヤ本体18の環状溝20の底面に接触していない
が、後に述べるゴム質量体34を介して振動を抑制して
いる。
【0032】この実施例のギヤ10もスナップリング2
2を備えているが、このスナップリング22は、その合
い口部22a付近に相対して設けられ環状溝20の土手
20cに係合してスナップリング22をギヤ本体18に
対して心合わせする少なくとも2つの外側ゴム突起3
0、30’を有する。これらの外側ゴム突起30、3
0’は、スナップリング22が環状溝20の底面に接触
することがないように維持すると共に、スナップリング
22をギヤ本体18に対して心合わせしてギヤ10の回
転中の重心を変化させることがないように維持する機能
を有する。
【0033】また、スナップリング22は、その周方向
に間隔をあけて設けられギヤ本体18の側面に係合して
スナップリング22の軸線方向の位置を設定する複数の
内側ゴム突起32を有する。この内側ゴム突起32は、
スナップリング22を環状溝20軸線方向の適切な位置
に維持してギヤ本体18との間に後に述べるゴム質量体
34を成形する空間を維持する機能を有する。
【0034】更に、この実施例のギヤ10は、スナップ
リング22の外周面と環状溝20の両側面と底面との間
に充填されて固定されたゴム質量体34を備え、このゴ
ム質量体34は、環状溝20内にラバーを加硫成形して
形成される。このゴム質量体34は、環状溝20の全周
に連続して設けてもよいし、周方向に間隔をあけて設け
てもよい。
【0035】このゴム質量体34は、スナップリング2
2と共にギヤ本体18にダンパ作用を付与してギヤ10
の振動を抑制する機能を有する。スナップリング22
は、外側ゴム突起30、30’によって心合わせされて
ギヤ10の回転中にその重心を常に一定に保っているの
で、ギヤ10を安定して回転することができる。
【0036】最後に、本発明の更に他の実施例によるギ
ヤ10が図10に示されており、この実施例では、スナ
ップリング22は、ギヤ本体18の環状溝20の底面2
0aに圧接しているが、この環状溝20の底面20aと
スナップリング22の環状溝の底面20aに係合する面
22cとがギヤ本体18の軸線方向に平行な方向に湾曲
するような湾曲面から成っている。
【0037】このように、環状溝20の底面20aとス
ナップリング22の環状溝係合面22cとが湾曲してい
ると、スナップリング22が変形したり環状溝20内に
傾斜した状態で挿入されることがあっても、環状溝20
の底面20aとスナップリング22とは大きな接触面積
で接触することができ、従ってギヤ10の振動抑制効果
を妨げることはない。また、ギヤ10に軸線方向に平行
な方向の振動が付与されると、スナップリング22は、
図10の実線と想像線とで示すように、環状溝係合面2
2cが環状溝20の底面20a上を転動するようにして
摩擦変位し、振動を抑制することができる。
【0038】尚、上記実施例では、回転体がギヤ10で
ある場合について説明したが、本発明は、プーリその他
の種々の形態の回転体にも適用することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、回転体
本体に対するスナップリングの摩擦変位を許しつつ回転
体本体の環状溝内でスナップリングが回転するのを防止
するスナップリング回転止め手段を備えているので、回
転体の振動を抑制することができる上に、回転体の大き
なトクル変動があっても、スナップリングが回転体本体
の環状溝内を独立して回転することがなく、従って回転
体本体とスナップリングとの摩耗を低減し、回転体の寿
命を長期にわたって維持することができる実益がある。
【0040】このスナップリング回り止め手段が回転体
本体の環状溝内に固定されてスナップリングの合い口部
に係入された回り止め部材から成っている場合には、ス
ナップリング回り止め手段は、簡単な回り止め部材をス
ナップリングの合い口部の間に位置するように環状溝内
に固定するだけで形成することができるので、回転体の
組立てが簡単で回転体を経済的に得ることができる。
【0041】また、このスナップリング回り止め手段が
回転体本体の環状溝の底面にスナップリングの合い口部
のエッジが係入するように形成された2つのエッジ係入
凹部から成っている場合には、スナップリング回り止め
手段は、回転体本体に環状溝を形成する際にその底面に
簡単な凹部を形成するだけで得ることができるので、同
様にして回転体を経済的に得ることができる。
【0042】更に、スナップリング回り止め手段がスナ
ップリングの両面と回転体本体の環状溝の内側面とに跨
がって形成された弾性連結部から成っている場合には、
この弾性連結部は、環状溝内に挿入されたスナップリン
グを環状溝に弾性的に連結するように少なくとも部分的
にラバーを加硫成形するだけで形成することができ、従
ってスナップリング回り止め手段を容易に形成すること
ができる。
【0043】スナップリングを回転体本体の環状溝の底
面に接触することなく、スナップリングをゴム質量体を
介して環状溝に取り付けると、スナップリングと回転体
本体との間に回転体本体の回転変動があっても、スナッ
プリングが環状溝内を独立して回転することがないが、
この場合のスナップリングは、スナップリングの合い口
部付近に相対して設けられて環状溝の土手に係合する外
側ゴム突起によって心合わせされて回転体を常に一定の
重心を保って回転するので回転体の回転を不安定にする
ことがない。
【0044】また、この外側ゴム突起と併用される内側
ゴム突起がスナップリングを環状溝内で軸線方向の適切
な位置に設定するため、ゴム質量体を形成する空間を容
易に設定することができるので、回転体の組立てが容易
であって回転体を経済的に得ることができる。
【0045】また、環状溝の底面とスナップリングの環
状溝の底面に係合する面とが回転体本体の軸線方向に平
行な方向に湾曲するような湾曲面から成っていると、ス
ナップリングが変形したり環状溝内に傾斜して挿入され
ることがあっても、環状溝の底面とスナップリングとの
接触を確実に維持することができ、従って回転体の振動
抑制効果を妨げることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された回転体(タイミングギヤ)
の縦断面図である。
【図2】本発明の回転体の一実施例の正面図である。
【図3】図2の回転体の要部の断面を示し、同図(A)
は図2のA−A線断面図、同図(B)は図2のB−B線
断面図である。
【図4】本発明の他の実施例の一部の正面図である。
【図5】図4の実施例の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施例の一部の断面図であ
る。
【図7】本発明の更に他の実施例の一部の断面図であ
る。
【図8】図7の実施例の要部拡大正面図である。
【図9】図7の実施例の全体正面図である。
【図10】本発明の更に他の実施例の要部拡大断面図で
ある。
【図11】従来技術の回転体(タイミングギヤ)の要部
の断面図である。
【図12】図11の回転体の一部の正面図である。
【図13】図11の回転体においてスナップリングが傾
斜して挿入された状態の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ギヤ 12 ボス 14 リム 14a 歯 16 ウエブ 18 ギヤ本体 20 環状溝 20a 底面 20b エッジ係入凹部 22 スナップリング 22a 合い口部(自由端) 22b エッジ 22c 環状溝係合面 24 スナップリング回り止め手段 26 回り止め部材 28 弾性連結部 30 外側ゴム突起 30’ 外側ゴム突起 32 内側ゴム突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 春彦 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギヤ、プーリ等の回転体本体と前記回転
    体本体の周面の環状溝内に係入して前記環状溝の底面に
    圧接されたスナップリングとから成るギヤ、プーリ等の
    回転体において、前記回転体本体が振動を受けたときに
    前記回転体本体に対する前記スナップリングの摩擦変位
    を許しつつ前記回転体本体の環状溝内で前記スナップリ
    ングが独立して回転するのを防止するスナップリング回
    り止め手段を備えていることを特徴とするギヤ、プーリ
    等の回転体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のギヤ、プーリ等の回転
    体であって、前記スナップリング回り止め手段は、回転
    体本体の環状溝内に固定されて前記スナップリングの合
    い口部に係入された回り止め部材から成っていることを
    特徴とするギヤ、プーリ等の回転体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のギヤ、プーリ等の回転
    体であって、前記スナップリング回り止め手段は、前記
    回転体本体の環状溝の底面に前記スナップリングの合い
    口部のエッジが係入するように形成された2つのエッジ
    係入凹部から成っていることを特徴とするギヤ、プーリ
    等の回転体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のギヤ、プーリ等の回転
    体であって、前記スナップリング回り止め手段は、前記
    スナップリングの両面と前記回転体本体の環状溝の内側
    面とに跨がって形成された弾性連結部から成っているこ
    とを特徴とするギヤ、プーリ等の回転体。
  5. 【請求項5】 ギヤ、プーリ等の回転体本体と前記回転
    体本体の周面の環状溝内に係入して前記環状溝内に挿入
    されたスナップリングとから成り、前記スナップリング
    は、その合い口部付近に相対して設けられ前記環状溝の
    土手に係合して前記スナップリングを心合わせする少な
    くとも2つの外側ゴム突起と、前記スナップリングの周
    方向に間隔をあけて設けられ前記回転体本体に係合して
    前記スナップリングの軸線方向の位置を設定する内側ゴ
    ム突起とを有し、前記スナップリングの外周面と前記環
    状溝の底面及び両側面との間に充填されたゴム質量体を
    備えていることを特徴とするギヤ、プーリ等の回転体。
  6. 【請求項6】 ギヤ、プーリ等の回転体本体と前記回転
    体本体の周面の環状溝内に係入して前記環状溝の底面に
    圧接されたスナップリングとから成るギヤ、プーリ等の
    回転体において、前記環状溝の底面と前記スナップリン
    グの前記環状溝の底面に係合する面とが前記回転体本体
    の軸線方向に平行な方向に湾曲するような湾曲面から成
    っていることを特徴とするギヤ、プーリ等の回転体。
JP30707794A 1994-11-17 1994-11-17 ギヤ、プーリ等の回転体 Pending JPH08145147A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30707794A JPH08145147A (ja) 1994-11-17 1994-11-17 ギヤ、プーリ等の回転体
CN 95106953 CN1123378A (zh) 1994-11-17 1995-05-29 齿轮、皮带轮等回转体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30707794A JPH08145147A (ja) 1994-11-17 1994-11-17 ギヤ、プーリ等の回転体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08145147A true JPH08145147A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17964765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30707794A Pending JPH08145147A (ja) 1994-11-17 1994-11-17 ギヤ、プーリ等の回転体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH08145147A (ja)
CN (1) CN1123378A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001082544A (ja) * 1999-08-05 2001-03-27 General Electric Co <Ge> ロータの振動減衰のための装置と方法
JP2009168206A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Kayaba Ind Co Ltd アジャスタ構造
WO2011145562A1 (ja) * 2010-05-15 2011-11-24 株式会社豊田自動織機 容量可変型圧縮機
KR101418526B1 (ko) * 2012-11-23 2014-07-10 한국파워트레인 주식회사 풀리
CN108278350A (zh) * 2018-04-17 2018-07-13 杨庆华 有固定调节机构的谐波发生器
US10823234B2 (en) 2017-04-14 2020-11-03 Honda Motor Co., Ltd. Annular member stopping structure for friction engaging device

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102678882A (zh) * 2012-06-06 2012-09-19 镇江市松协电器有限公司 一种能够防止随同旋转的异形齿轮
CN103307254A (zh) * 2013-07-11 2013-09-18 中国船舶重工集团公司第七�三研究所 重载齿轮用干摩擦阻尼减振套筒
CN105090343A (zh) * 2015-07-02 2015-11-25 哈尔滨工业大学 一种用于轻薄化齿轮上的减振降噪阻尼环
CN111022611A (zh) * 2019-12-05 2020-04-17 中国航发四川燃气涡轮研究院 一种航空锥齿轮开口阻尼环
AT523426B1 (de) 2020-04-02 2021-08-15 Siemens Mobility Austria Gmbh Schalldämpfungsvorrichtung für Fahrzeugräder

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001082544A (ja) * 1999-08-05 2001-03-27 General Electric Co <Ge> ロータの振動減衰のための装置と方法
JP2009168206A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Kayaba Ind Co Ltd アジャスタ構造
WO2011145562A1 (ja) * 2010-05-15 2011-11-24 株式会社豊田自動織機 容量可変型圧縮機
US20130094941A1 (en) * 2010-05-15 2013-04-18 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Variable-capacity compressor
JP5494802B2 (ja) * 2010-05-15 2014-05-21 株式会社豊田自動織機 容量可変型圧縮機
EP2573394A4 (en) * 2010-05-15 2015-07-15 Toyota Jidoshokki Kk COMPRESSOR OF VARIABLE CAPACITY
KR101418526B1 (ko) * 2012-11-23 2014-07-10 한국파워트레인 주식회사 풀리
US10823234B2 (en) 2017-04-14 2020-11-03 Honda Motor Co., Ltd. Annular member stopping structure for friction engaging device
CN108278350A (zh) * 2018-04-17 2018-07-13 杨庆华 有固定调节机构的谐波发生器

Also Published As

Publication number Publication date
CN1123378A (zh) 1996-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08145147A (ja) ギヤ、プーリ等の回転体
JP3043280B2 (ja) 等速ジョイント
US20060185959A1 (en) Double mass flywheel
JP2007113634A (ja) プーリ構造体
TWI667423B (zh) 扭轉振動衰減裝置
US11708886B2 (en) Single spring, torsionally compliant, overrunning decoupler
US20060260898A1 (en) Flywheel assembly
JP2007333166A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP3434040B2 (ja) 遠心振り子式吸振器
WO2007074691A1 (ja) トリポード型等速自在継手
KR101549330B1 (ko) 토크 전달 장치의 댐퍼 기구
JPH0988993A (ja) 弾性軸継手
JPS58196324A (ja) クラツチデイスク
JPH058367Y2 (ja)
JPH1061751A (ja) 歯車構造
JPH08145071A (ja) トリポード型等速ジョイント
JP2006226453A (ja) ブーツ付き等速自在継手
JP4737626B2 (ja) 回転体機構
JPH089473Y2 (ja) センタリングブッシュ
JP2002039323A (ja) ロックアップダンパー装置
JPH066285Y2 (ja) スライド式ユニバ−サルジョイント
JPS6313058B2 (ja)
JPH09287649A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2021071192A (ja) プーリ
JP2009150431A (ja) 捩り振動低減装置