JPH08144028A - 摺動部材用の低摩擦性複合材料 - Google Patents
摺動部材用の低摩擦性複合材料Info
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- JPH08144028A JPH08144028A JP6315476A JP31547694A JPH08144028A JP H08144028 A JPH08144028 A JP H08144028A JP 6315476 A JP6315476 A JP 6315476A JP 31547694 A JP31547694 A JP 31547694A JP H08144028 A JPH08144028 A JP H08144028A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 摺動時の摩擦係数が小さく、かつ潤滑油に対
して化学的に安定であり、長期間の使用に対しても摩耗
しにくい摺動部材用の低摩擦性複合材料を提供する。 【構成】 本発明の摺動部材用の低摩擦性複合材料にお
いては、Feを含む母相にFeOまたはFe3 O4 等の
Feの酸化物が17.5重量%以下の割合で含まれてい
るので、材料表面に潤滑油中の清浄材成分が付着するこ
とがない。したがって、材料表面での油膜の形成が妨げ
られず、摺動時の摩擦係数を非常に小さくすることがで
きる。
して化学的に安定であり、長期間の使用に対しても摩耗
しにくい摺動部材用の低摩擦性複合材料を提供する。 【構成】 本発明の摺動部材用の低摩擦性複合材料にお
いては、Feを含む母相にFeOまたはFe3 O4 等の
Feの酸化物が17.5重量%以下の割合で含まれてい
るので、材料表面に潤滑油中の清浄材成分が付着するこ
とがない。したがって、材料表面での油膜の形成が妨げ
られず、摺動時の摩擦係数を非常に小さくすることがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低摩擦性複合材料に関
し、特に摺動部材用として潤滑油とともに使用される低
摩擦性複合材料に関する。
し、特に摺動部材用として潤滑油とともに使用される低
摩擦性複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのシリンダとシリンダ内を往復
運動するピストンのように、摺動部材として使用される
ものは、耐磨耗性に優れていること、すなわち、摺動時
の摩擦係数が小さいことが必要である。また、通常、摺
動部材は摺動時の摩擦係数を小さくするために潤滑油と
ともに使用される。したがって、一般に摺動部材は潤滑
油の濡れ性が良く、かつ潤滑油に対して化学的に安定で
あることが必要である。
運動するピストンのように、摺動部材として使用される
ものは、耐磨耗性に優れていること、すなわち、摺動時
の摩擦係数が小さいことが必要である。また、通常、摺
動部材は摺動時の摩擦係数を小さくするために潤滑油と
ともに使用される。したがって、一般に摺動部材は潤滑
油の濡れ性が良く、かつ潤滑油に対して化学的に安定で
あることが必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この低摩擦性を有する
摺動部材として、例えば鋳鉄表面上に化学的な処理によ
ってFe3 O4 の膜を形成したものがある。しかしなが
ら、この場合、摺動中の摩耗によって短時間のうちにF
e3 O4 の膜が無くなってしまうという問題がある。
摺動部材として、例えば鋳鉄表面上に化学的な処理によ
ってFe3 O4 の膜を形成したものがある。しかしなが
ら、この場合、摺動中の摩耗によって短時間のうちにF
e3 O4 の膜が無くなってしまうという問題がある。
【0004】また、特開昭62−127454号公報に
は、耐摩耗性の摺動部材として、酸化物等が5〜25重
量%と黒鉛が2〜15重量%と残りがFeとからなる複
合焼結体が開示されている。しかしながら、この場合、
酸化物等がAl2 O3 のようなセラミックスであるため
に、セラミックスと潤滑油中に含まれる清浄材成分とが
反応してセラミックス表面に清浄材成分が付着してしま
う。その結果、油膜の形成が妨げられて摺動時の摩擦係
数が大きくなってしまうという問題がある。
は、耐摩耗性の摺動部材として、酸化物等が5〜25重
量%と黒鉛が2〜15重量%と残りがFeとからなる複
合焼結体が開示されている。しかしながら、この場合、
酸化物等がAl2 O3 のようなセラミックスであるため
に、セラミックスと潤滑油中に含まれる清浄材成分とが
反応してセラミックス表面に清浄材成分が付着してしま
う。その結果、油膜の形成が妨げられて摺動時の摩擦係
数が大きくなってしまうという問題がある。
【0005】本発明は上述した問題を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、摺動時の摩擦
係数が小さく、かつ潤滑油に対して化学的に安定であ
り、長期間の使用に対しても摩耗しにくい摺動部材用の
低摩擦性複合材料を提供することである。
されたもので、その目的とするところは、摺動時の摩擦
係数が小さく、かつ潤滑油に対して化学的に安定であ
り、長期間の使用に対しても摩耗しにくい摺動部材用の
低摩擦性複合材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、Feを含む母相にFeOまたはF
e3 O4 等のFeの酸化物が17.5重量%以下の割合
で含まれていることを特徴とする摺動部材用の低摩擦性
複合材料が提供される。
に、本発明によれば、Feを含む母相にFeOまたはF
e3 O4 等のFeの酸化物が17.5重量%以下の割合
で含まれていることを特徴とする摺動部材用の低摩擦性
複合材料が提供される。
【0007】
【作用】本発明の摺動部材用の低摩擦性複合材料におい
ては、Feを母相とし、この母相にFeOまたはFe3
O4 等のFeの酸化物が17.5重量%以下の割合で含
まれているので、材料表面に潤滑油中の清浄材成分が付
着することがない。したがって、材料表面での油膜の形
成が妨げられず、摺動時の摩擦係数を非常に小さくする
ことができる。
ては、Feを母相とし、この母相にFeOまたはFe3
O4 等のFeの酸化物が17.5重量%以下の割合で含
まれているので、材料表面に潤滑油中の清浄材成分が付
着することがない。したがって、材料表面での油膜の形
成が妨げられず、摺動時の摩擦係数を非常に小さくする
ことができる。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は、本発明の一実施例の摺動部材
用の低摩擦性複合材料のFe3 O4 の添加量に対する摩
擦特性を示した図である。同図において、横軸はFe3
O4 の添加量であり、縦軸は摩擦係数である。同図に表
される本発明の低摩擦性複合材料は、Feの母相に対し
てFe3 O4 を0〜20重量%の範囲で含んだ複合材料
である。この複合材料は、FeおよびFe3 O4 の粉末
にさらにPおよびNiの粉末を混合したものを焼結して
得られる。ここで、PおよびNiは焼結後の材料を緻密
にするための助剤として使用している。
ながら説明する。図1は、本発明の一実施例の摺動部材
用の低摩擦性複合材料のFe3 O4 の添加量に対する摩
擦特性を示した図である。同図において、横軸はFe3
O4 の添加量であり、縦軸は摩擦係数である。同図に表
される本発明の低摩擦性複合材料は、Feの母相に対し
てFe3 O4 を0〜20重量%の範囲で含んだ複合材料
である。この複合材料は、FeおよびFe3 O4 の粉末
にさらにPおよびNiの粉末を混合したものを焼結して
得られる。ここで、PおよびNiは焼結後の材料を緻密
にするための助剤として使用している。
【0009】図1から、Fe3 O4 を0〜17.5重量
%の範囲で添加した場合、摩擦係数が従来材に比べて小
さくなることがわかる。特に、Fe母相に対してFe3
O4を10重量%程度の割合で添加した場合が最も摩擦
係数が小さくなっている。なお、10重量%程度を越え
る範囲でFe3 O4 を添加した場合に、摩擦係数が上昇
しているのは、Fe3 O4 の量が増えるにしたがって焼
結状態が悪くなり、焼結後の材料表面が粗くなるためで
あると考えられる。したがって、Fe母相に対してFe
3 O4 を0〜17.5重量%の範囲、特に10重量%前
後で添加することが望ましい。
%の範囲で添加した場合、摩擦係数が従来材に比べて小
さくなることがわかる。特に、Fe母相に対してFe3
O4を10重量%程度の割合で添加した場合が最も摩擦
係数が小さくなっている。なお、10重量%程度を越え
る範囲でFe3 O4 を添加した場合に、摩擦係数が上昇
しているのは、Fe3 O4 の量が増えるにしたがって焼
結状態が悪くなり、焼結後の材料表面が粗くなるためで
あると考えられる。したがって、Fe母相に対してFe
3 O4 を0〜17.5重量%の範囲、特に10重量%前
後で添加することが望ましい。
【0010】図2は、本発明の一実施例の摺動部材用の
低摩擦性複合材料の摩擦特性を示した図である。同図は
いわゆるストライベック曲線を求めたものであり、横軸
は摺動部材の((速度x粘度)/荷重)の対数であり、
縦軸は摩擦係数である。線1および線2は、本発明の低
摩擦性複合材料の特性を示したものである。線1で表さ
れる本発明の低摩擦性複合材料は、Feの母相に対して
Fe3 O4 を10重量%の割合で含んだ複合材料であ
る。また、線2で表される本発明の低摩擦性複合材料
は、線1の複合材料にさらにマイカを分散させたもので
ある。マイカは固体潤滑材として、摺動時の摩擦係数を
下げる働きをする。なお、線1および線2の本発明の低
摩擦性複合材料は、Fe、Fe3 O4 、P、Niの各粉
末をそれぞれ79.8、10.0、0.8、10.0の
重量%の割合で混合したものを焼結して得られる。ここ
で、PおよびNiは焼結後の材料を緻密にするための助
剤として使用している。
低摩擦性複合材料の摩擦特性を示した図である。同図は
いわゆるストライベック曲線を求めたものであり、横軸
は摺動部材の((速度x粘度)/荷重)の対数であり、
縦軸は摩擦係数である。線1および線2は、本発明の低
摩擦性複合材料の特性を示したものである。線1で表さ
れる本発明の低摩擦性複合材料は、Feの母相に対して
Fe3 O4 を10重量%の割合で含んだ複合材料であ
る。また、線2で表される本発明の低摩擦性複合材料
は、線1の複合材料にさらにマイカを分散させたもので
ある。マイカは固体潤滑材として、摺動時の摩擦係数を
下げる働きをする。なお、線1および線2の本発明の低
摩擦性複合材料は、Fe、Fe3 O4 、P、Niの各粉
末をそれぞれ79.8、10.0、0.8、10.0の
重量%の割合で混合したものを焼結して得られる。ここ
で、PおよびNiは焼結後の材料を緻密にするための助
剤として使用している。
【0011】図2の線3および線4は、従来の複合材料
の特性を示したものである。線3はス−パ−タ−カロイ
の特性であり、線4はAl2 O3 の母相に35重量%の
Fe3 O4 を含んだ複合材料である。図2から、((速
度x粘度)/荷重)の対数の値が小さい、いわゆる境界
〜混合潤滑領域において、線1および線2の本発明の低
摩擦性複合材料はいずれも摩擦係数が従来材に比べて小
さくなっていることがわかる。また、マイカを固体潤滑
材として分散させた線2の材料は、線1の材料よりもさ
らに摩擦係数が小さくなっている。
の特性を示したものである。線3はス−パ−タ−カロイ
の特性であり、線4はAl2 O3 の母相に35重量%の
Fe3 O4 を含んだ複合材料である。図2から、((速
度x粘度)/荷重)の対数の値が小さい、いわゆる境界
〜混合潤滑領域において、線1および線2の本発明の低
摩擦性複合材料はいずれも摩擦係数が従来材に比べて小
さくなっていることがわかる。また、マイカを固体潤滑
材として分散させた線2の材料は、線1の材料よりもさ
らに摩擦係数が小さくなっている。
【0012】図3は、本発明の一実施例の摺動部材用の
低摩擦性複合材料の潤滑油の濡れ性を示した図である。
同図において、横軸は各種材料であり、縦軸は材料表面
と材料表面上に付着した潤滑油との接触角である。ま
た、A〜Eまではいずれも従来材であり、具体的には、
Aはス−パ−タ−カロイ、Bは図2の線4の材料と同じ
Al2 O3 の母相に35重量%のFe3 O4 を含んだ複
合材料、Cは溶射形成されたZrO2 材、DはCrをメ
ッキした鋳鉄、そしてEはイオン窒化鋳鉄である。な
お、A〜Cまでの材料は、シリンダ−・ライナ用として
使用されるものであり、DおよびEの材料は、ピストン
・リング用として使用されるものである。
低摩擦性複合材料の潤滑油の濡れ性を示した図である。
同図において、横軸は各種材料であり、縦軸は材料表面
と材料表面上に付着した潤滑油との接触角である。ま
た、A〜Eまではいずれも従来材であり、具体的には、
Aはス−パ−タ−カロイ、Bは図2の線4の材料と同じ
Al2 O3 の母相に35重量%のFe3 O4 を含んだ複
合材料、Cは溶射形成されたZrO2 材、DはCrをメ
ッキした鋳鉄、そしてEはイオン窒化鋳鉄である。な
お、A〜Cまでの材料は、シリンダ−・ライナ用として
使用されるものであり、DおよびEの材料は、ピストン
・リング用として使用されるものである。
【0013】図3の5は、本発明の材料であり、図2の
線1の材料と同じFeの母相に対して10重量%の割合
でFe3 O4 を含んだ複合材料である。図3から、本発
明の複合材料5は接触角が一番小さく、潤滑油の濡れ性
が最も良くなっていることがわかる。また、この結果か
ら、図2において本発明の複合材料の摩擦係数が従来材
に比べて小さくなっているのは、潤滑油の濡れ性が良く
なっていることが原因であることがわかる。
線1の材料と同じFeの母相に対して10重量%の割合
でFe3 O4 を含んだ複合材料である。図3から、本発
明の複合材料5は接触角が一番小さく、潤滑油の濡れ性
が最も良くなっていることがわかる。また、この結果か
ら、図2において本発明の複合材料の摩擦係数が従来材
に比べて小さくなっているのは、潤滑油の濡れ性が良く
なっていることが原因であることがわかる。
【0014】
【表1】 表1は、ESCAおよびEPMAを用いて、本発明の一
実施例の複合材料の表面における清浄材料成分の有無を
調べた結果である。本発明のFeの母相に対してFe3
O4 を含んだ複合材料(4)Fe3 O4 −Feは、鋳鉄
(1)の場合と同様にまったく材料表面に清浄材料成分
が検出されなかった。これに対して、従来材である母相
にSiNを用いた材料(2)および母相にAl2 O3 を
用いた材料(3)の場合は、明らかに表面に清浄材料成
分が検出された。これらのことから、図3において、本
発明の複合材料5の潤滑油の濡れ性が最も良くなってい
るのは、表面に清浄材料成分の付着がないことが原因で
あることがわかる。
実施例の複合材料の表面における清浄材料成分の有無を
調べた結果である。本発明のFeの母相に対してFe3
O4 を含んだ複合材料(4)Fe3 O4 −Feは、鋳鉄
(1)の場合と同様にまったく材料表面に清浄材料成分
が検出されなかった。これに対して、従来材である母相
にSiNを用いた材料(2)および母相にAl2 O3 を
用いた材料(3)の場合は、明らかに表面に清浄材料成
分が検出された。これらのことから、図3において、本
発明の複合材料5の潤滑油の濡れ性が最も良くなってい
るのは、表面に清浄材料成分の付着がないことが原因で
あることがわかる。
【0015】図4は、本発明の一実施例の摺動部材用の
低摩擦性複合材料の組織を模式的に示した図である。こ
れは、図1から図3までの材料と同様なFeの母相に対
してFe3 O4 を含んだ複合材料の組織を表したもので
ある。同図から、符合6で表されたFe3 O4 が島状と
なってFe母相中に分散していることがわかる。
低摩擦性複合材料の組織を模式的に示した図である。こ
れは、図1から図3までの材料と同様なFeの母相に対
してFe3 O4 を含んだ複合材料の組織を表したもので
ある。同図から、符合6で表されたFe3 O4 が島状と
なってFe母相中に分散していることがわかる。
【0016】以上好ましい実施例について説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明
の要旨を変更しない範囲内において各種の変更が可能で
ある。例えば、Fe母相材にFeの酸化物の代わりに、
Feの硫化物、窒化物あるいは珪化物を添加しても同様
な特性を得ることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明
の要旨を変更しない範囲内において各種の変更が可能で
ある。例えば、Fe母相材にFeの酸化物の代わりに、
Feの硫化物、窒化物あるいは珪化物を添加しても同様
な特性を得ることができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の摺動部材
用の低摩擦性複合材料は、Feを含む母相にFeOまた
はFe3 O4 等のFeの酸化物が17.5重量%以下の
割合で含まれているので、材料表面に潤滑油中の清浄材
成分が付着することがない。したがって、材料表面での
油膜の形成が妨げられず、摺動時の摩擦係数を非常に小
さくすることができる。また、Feを母相としているの
で、耐久性に優れ、過酷な摺動条件に対しても長期間そ
の良好な摩擦特性を維持することができる。
用の低摩擦性複合材料は、Feを含む母相にFeOまた
はFe3 O4 等のFeの酸化物が17.5重量%以下の
割合で含まれているので、材料表面に潤滑油中の清浄材
成分が付着することがない。したがって、材料表面での
油膜の形成が妨げられず、摺動時の摩擦係数を非常に小
さくすることができる。また、Feを母相としているの
で、耐久性に優れ、過酷な摺動条件に対しても長期間そ
の良好な摩擦特性を維持することができる。
【図1】本発明の一実施例の複合材料のFe3 O4 の添
加量に対する摩擦特性を示した図である。
加量に対する摩擦特性を示した図である。
【図2】本発明の一実施例の複合材料の摩擦特性を示し
た図である。
た図である。
【図3】本発明の一実施例の複合材料の潤滑油の濡れ性
を示した図である。
を示した図である。
【図4】本発明の一実施例の複合材料の組織を模式的に
示した図である。
示した図である。
1 本発明の複合材料の摩擦特性 2 本発明の複合材料の摩擦特性 3 従来材の摩擦特性 4 従来材の摩擦特性 5 本発明の複合材料の潤滑油の濡れ性 6 Fe3 O4
Claims (7)
- 【請求項1】Feを含む母相にFeの化合物が17.5
重量%以下の割合で含まれていることを特徴とする摺動
部材用の低摩擦性複合材料。 - 【請求項2】前記Feの化合物が前記母相中に島状とな
って分散していることを特徴とする請求項1記載の摺動
部材用の低摩擦性複合材料。 - 【請求項3】前記Feの化合物が酸化物、珪化物、窒化
物、硫化物であることを特徴とする請求項1記載の摺動
部材用の低摩擦性複合材料。 - 【請求項4】前記Feの酸化物がFeOまたはFe3 O
4 であることを特徴とする請求項1記載の摺動部材用の
低摩擦性複合材料。 - 【請求項5】前記母相にNiおよびPが含まれているこ
とを特徴とする請求項1記載の摺動部材用の低摩擦性複
合材料。 - 【請求項6】前記母相に固体潤滑材として層状化合物が
含まれていることを特徴とする請求項1記載の摺動部材
用の低摩擦性複合材料。 - 【請求項7】前記層状化合物がマイカであることを特徴
とする請求項5記載の摺動部材用の低摩擦性複合材料。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6315476A JPH08144028A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 摺動部材用の低摩擦性複合材料 |
DE69518447T DE69518447T2 (de) | 1994-02-03 | 1995-02-02 | Verbundkörper mit geringem Reibungskoeffizienten für Gleitteil |
EP95101420A EP0668253B1 (en) | 1994-02-03 | 1995-02-02 | Low frictional composite material for sliding member |
EP97100310A EP0776871A1 (en) | 1994-02-03 | 1995-02-02 | Low frictional composite material for sliding member |
US08/383,114 US5846644A (en) | 1994-02-03 | 1995-02-03 | Low friction engine cylinder and production method therefor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6315476A JPH08144028A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 摺動部材用の低摩擦性複合材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08144028A true JPH08144028A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=18065821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6315476A Pending JPH08144028A (ja) | 1994-02-03 | 1994-11-25 | 摺動部材用の低摩擦性複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08144028A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012513538A (ja) * | 2008-12-22 | 2012-06-14 | ホガナス アクチボラグ (パブル) | 機械加工性改善組成物 |
-
1994
- 1994-11-25 JP JP6315476A patent/JPH08144028A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012513538A (ja) * | 2008-12-22 | 2012-06-14 | ホガナス アクチボラグ (パブル) | 機械加工性改善組成物 |
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