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JPH08142846A - 車輪ブレ−キ圧制御装置 - Google Patents

車輪ブレ−キ圧制御装置

Info

Publication number
JPH08142846A
JPH08142846A JP6292702A JP29270294A JPH08142846A JP H08142846 A JPH08142846 A JP H08142846A JP 6292702 A JP6292702 A JP 6292702A JP 29270294 A JP29270294 A JP 29270294A JP H08142846 A JPH08142846 A JP H08142846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
control
pressure
value
detecting means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6292702A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Mihara
原 純 三
Kenji Toutsu
津 憲 司 十
Yoshiyuki Yasui
井 由 行 安
Masanobu Fukami
見 昌 伸 深
Takayuki Ito
藤 孝 之 伊
Yoshiharu Nishizawa
沢 義 治 西
Norio Yamazaki
崎 憲 雄 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP6292702A priority Critical patent/JPH08142846A/ja
Publication of JPH08142846A publication Critical patent/JPH08142846A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両スピン抑制の安定性を向上。車体姿勢の
乱れを早期に抑制しかつ大きな車両スピンに至った場合
でもその抑止効果を高くする。 【構成】 横すべり角βおよびその他の検出値又は算出
値に基づいて、車両走行安定性および操舵性を確保する
ために増,減圧する車輪ブレ−キを決定しそれを増,減
圧する車輪ブレ−キ圧制御装置において、路面の摩擦係
数μを推定算出するμ検出手段(11);横すべり角βおよ
び摩擦係数μに対応して、βが大きいと大きく、μが大
きいと大きい目標スリップ率Soiを定める目標設定手段
(図16,17&21);車輪の実スリップ率を推定算出する実ス
リップ率検出手段(図22の736));および、実スリップ率
を目標スリップ率Soiに合致させるための車輪ブレ−キ
圧の増,減圧を決定する増減圧決定手段(図22&23);を
備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪ブレ−キに与える
ブレ−キ液圧を制御する装置に関し、特に、これに限定
する意図ではないが、転舵,加減速,路面の傾斜,凹凸
等車両の運転状態あるいは走行状態に応じて、それらが
あっても走行安定性および操舵性を確保するための前後
左右車輪ブレ−キの制動力配分を算出しその配分に従っ
て各車輪ブレ−キ圧を個別に増,減する制動力配分制
御、に好適な車輪ブレ−キ圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車輪ブレ−キには通常、ドライバが操作
するブレ−キペダルの押込み圧に対応するブレ−キ圧
(第1圧力)が、ブレ−キマスタシリンダから与えられ
る。複数個の車輪の回転速度から車体の移動速度(基準
速度)を推定演算し、基準速度と車輪の回転速度から車
輪のスリップ率あるいは路面の摩擦係数μを算出もしく
は推定し、車体が移動しているにもかかわらず車輪回転
が完全停止(車輪ロック)するのを回避するように車輪
ブレ−キ圧を減圧し、その後制動距離が可及的に短くな
るように増圧し、更に必要に応じて減,増圧を繰返すア
ンチスキッド制御(ABS制御)のために、車輪ブレ−
キ圧を減,増圧するための増減圧弁ならびに増減圧弁に
第1圧力よりも高い圧力(第2圧力)を第1圧力ライン
に与える、流体ポンプおよびそれを駆動する電気モ−タ
でなる圧力源が備えられ、ABS制御を実行する電子制
御装置が、車輪ブレ−キ圧の変更(自動介入)が必要と
判定すると、前記圧力源より第2圧力を増減圧弁に与
え、そして増減圧弁を使用して車輪ブレ−キを低圧(ド
レイン圧)と第2圧力に選択的に切換える。低圧供給に
より車輪ブレ−キ圧は低下し第2圧力供給により車輪ブ
レ−キ圧が上昇する。この種のABS制御の1つが、特
開平2−38175号公報に提示されている。
【0003】最近は、車両制動時の車輪のスリップ率お
よび制動距離に視点を置いて車輪ブレ−キ圧を制御する
ばかりでなく、車両の運転状態および走行状態ならびに
車両上の荷重分布に応じた、制動中の車両の方向安定性
を確保するための前後左右車輪ブレ−キの制動力配分を
電子制御装置で算出し、この配分を満すように、増減圧
弁を使用して車輪ブレ−キ圧を調整する制動力配分制御
が提案されている。本発明者等は、例えば、特開平5−
85327号公報,特開平5−85340号公報および
特開平5−85336号公報において提示した。
【0004】特表平3−500868号公報(特許出願
公表番号)には、車両の横すべり角を検出し、横すべり
角が過大になる傾向にあるときには前輪ブレ−キを増圧
して前輪を高スリップ(例えば車輪ロック)とする提案
が開示されている。また、特開平5−221300号公
報には、横すべり角速度Dβを、 Dβ=Gy/Vso−γ Gy:横加速度, Vso:推定車体速度 γ :ヨ−レ−ト で算出して、横すべり角速度Dβの絶対値が所定値以上
であると、角速度Dβの極性に応じて、正のとき後左車
輪ブレ−キ圧を増圧し、負のときには後右車輪ブレ−キ
圧を増圧して、過大なヨ−イングを抑制するブレ−キ圧
制御が開示されている。また、横すべり角速度Dβを積
分して横すべり角βを算出し、横すべり角βをパラメ−
タとして過大なヨ−イングを制御するとの提案もある。
横すべり角βは、図25に示すように、車体の前後軸X
に対する車体の進向方向のなす角度であるが、通常その
値が小さく、上述の横すべり角速度演算式Dβ=Gy/
Vso−γは、β≒Vy/Vxとの近似を用い更にVx≒
Vsoとの近似を用いてβ≒Vy/Vso→Dβ≒DVy/
Vsoと見なし、横すべり運動方程式Gy=DVy+Vso
・γ→DVy/Vso=Gy/Vso−γとDβ≒DVy/
VsoからDβ≒Gy/Vso−γと近似計算するものであ
る。なお、 Gy:横加速度, Vy:横速度,Vx:前後
軸X方向速度, DVy:横加速度 である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特表平3−500
868号公報の提案のように、横すべりを2値的に判定
し、横すべりと判定したとき前輪ブレ−キ圧を車輪ロッ
クを生じる程に高圧(強ブレ−キ)にする。すなわちブ
レ−キ圧の制御も2値的である。これは、路面を特定し
た場合には異常な過旋回(スピン)の停止には効果があ
る。しかも、それが小さい間に可及的に早く抑制するの
が好ましい。このためには、横すべり角βを高分解能で
検出又は推定算出し、車輪ブレ−キ圧も多段で、できる
だけ連続的(直線状又は曲線状)に制御するのが好まし
いが、特表平3−500868号公報の提案は、路面摩
擦係数が変化するような場合横すべり角の過度の増大の
早期抑制はむつかしいと推察する。
【0006】前記特開平5−221300号公報には、
車速対応の目標横すべり角速度βo’を算出し、横加速
度Gy,車速Vおよびヨ−レ−トに基づいて実横すべの
角速度β’を推定算出して、目標横すべり角速度βo’
に対する実横すべの角速度β’の偏差に比例する車輪ブ
レ−キ圧変更量を算出して車輪ブレ−キ圧をその分調整
する提案があるが、横すべり角の検出(算出)方法は、
β≒Vy/VxおよびVx≒Vsoなる近似を用いている
ので、すなわちβの値が0に近い値であることを仮定し
ているので、βが大きいときには、その分横すべり角β
(および角速度Dβ)の推定精度が低い。したがって特
開平5−221300号公報に提示の車輪ブレ−キ圧制
御は、横すべり角βが小さい領域すなわち初期の車両ス
ピンの早期抑制に効果があると推察するが、例えば車体
の実移動方向に対して車体が後向きになるような車体姿
勢(異常旋回)に至った場合には、それを立て直すのに
最も効果のある輪の車輪ブレ−キ圧の配分制御により異
常旋回を抑制する必要があるが、このようなときに車輪
ブレ−キ圧制御の精度が低下してしまうと推察する。
【0007】上記2態様の従来例のいずれも、それぞ
れ、横すべり角が小さい領域、又は、大きい領域で、車
両スピンを防止又は抑制する効果が低いという問題があ
ると推察する。加えて、車輪ブレ−キの増圧による車両
スピンの抑制効果は、路面の摩擦係数μにも依存し、摩
擦係数μの如何んに関わらず、車両スピンを効果的に抑
止するのが望ましい。
【0008】本発明は、車両スピン抑制の安定性を向上
することを第1の目的とし、横すべり角増大による車体
姿勢の乱れを早期に抑制しかつ路面摩擦係数が変化(低
下)した場合でもその抑止効果を高くすることを第2の
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、車輪回転速度
検出手段(41〜44,11),車輪回転速度(Vwi)より車体速度
(Vso)を推定算出する車体速検出手段(11),車体前後方
向加速度検出手段(11),車体横方向加速度検出手段(1
1),ヨ−レ−ト検出手段(YA),車体横すべり角βを推定
算出する横すべり角検出手段(11),これらの検出手段の
検出値又は算出値に基づいて、車両走行安定性および操
舵性を確保するためにブレ−キ圧を増,減圧する車輪ブ
レ−キを決定する情報処理手段(11)、および、該決定に
従って車輪ブレ−キ圧を増,減圧するブレ−キ圧操作手
段(11,19b〜19m,31〜64)を備える車輪ブレ−キ圧制御装
置において、前記検出手段の検出値又は算出値に基づい
て、路面の摩擦係数μを推定算出するμ検出手段(11);
を更に備え、前記情報処理手段(11)は、前記車体横すべ
り角βおよび摩擦係数μに対応して、βが大きいと大き
くμが大きいと大きい目標スリップ率Soiを定める目標
設定手段(図16,17&21);前記検出手段の検出値又は算出
値に基づいて、車輪の実スリップ率を推定算出する実ス
リップ率検出手段(図22の736));および、実スリップ率
を目標スリップ率Soiに合致させるための車輪ブレ−キ
圧の増,減圧を決定する増減圧決定手段(図22&23);を
含む、ことを特徴とする。
【0010】なお、カッコ内には、理解を容易にするた
めに、図面に示す実施例の対応要素又は対応事項に付し
た記号を、参考までに示した。
【0011】
【作用】例えば横すべり角βが増大したとき、目標設定
手段が、目標スリップ率Soiを大きい値に定めるので、
増減圧決定手段が、実スリップ率が大きくなるように、
車輪ブレ−キ圧の増圧を決定する。これにより車輪ブレ
−キ圧が上昇し、スピンモ−メントに対する車輪の抵抗
が大きくなり、横すべり角の増大が抑制される。摩擦係
数μが高いと、車輪ブレ−キ圧の増圧による効果的なス
ピン挙動の抑止が期待される。この場合には目標設定手
段が目標スリップ率Soiを大きい値に定めるので、車両
スピン抑制効果が高い。逆に、摩擦係数μが低いと車輪
ブレ−キ圧の増圧による車両スピン抑制効果が低いのみ
ならず、かえって車体のヨー運動を乱すおそれがある。
この場合、目標設定手段が、目標スリップ率Soiを小さ
い値に定めるので、車輪ブレ−キ圧の過増圧が抑制され
る。このように摩擦係数μをオーバーステア補償のため
の車輪ブレ−キ圧制御のパラメ−タにしているので、オ
ーバーステア補償の安定性が向上する。
【0012】本発明の後述の実施例では、目標設定手段
は、車体横すべり角βおよび摩擦係数μならびに横すべ
り角速度Dβに基づいて、横すべり角速度Dβが大きい
と大きい目標スリップ率Soiを定め、増減圧決定手段
は、 スリップ率偏差ESoi=目標スリップ率Soi−実スリッ
プ率、および、 加速度偏差EDi=制御輪選択で選択されなかった車輪
の車体加速度DNVso−制御輪選択で選択された車輪の加
速度DNVsoi、 に対応して、偏差ESoiおよびEDiが正でそれらの絶
対値が大きいとき増圧を決定し、負で絶対値が大きいと
き減圧を決定する。これによれば、制御輪に決定した車
輪が目標スリップ率Soi近くのスリップ率に制御され
る。これにより、他の非制御輪よりスリップ率が大きく
なりスピン抑止モーメントが作られる。
【0013】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0014】
【実施例】図1に本発明の一実施例の車輪ブレ−キ圧系
統を示し、図2には該車輪ブレ−キ圧系統の各種電磁弁
およびセンサが接続された、車輪ブレ−キ51〜54の
それぞれの圧力を制御するための電気系統の概要を示
す。
【0015】まず図1を参照すると、ブレ−キペダル3
をドライバ(運転者)が踏込むと、シングル型のマスタ
シリンダ2が踏込圧対応の前輪ブレ−キ用流体圧を発生
し、ハイドロブ−スタ5が踏込圧に比例した後輪ブレ−
キ用流体圧を発生する。図1に示す状態において、前輪
ブレ−キ用流体圧は電磁切換弁61および62を通して
前右車輪FRの車輪ブレ−キ51および前左車輪FLの
車輪ブレ−キ52に加わる。後輪ブレ−キ用流体圧は、
電磁切換弁63並びに、電磁弁35を介して後右車輪R
Rの車輪ブレ−キ53に、また電磁弁37を介して後左
車輪RLの車輪ブレ−キ54に加わる。
【0016】ポンプ21は電気モ−タ24で駆動されて
リザ−バ4のブレ−キ液を吸引してチェックバルブ25
を通してアキュムレ−タ22に供給する。アキュムレ−
タ22の高圧は、ハイドロブ−スタ5ならびに電磁切換
弁64に供給される。アキュムレ−タ22のブレ−キ液
の圧力は圧力センサ46で検出される。アキュムレ−タ
22の圧力が下限値以下に下がると低圧スイッチ47が
閉となる。リザ−バ4とアキュムレ−タ22の間にはリ
リ−フバルブ23が介挿されており、アキュムレ−タ2
2の圧力が上限値に達するとリリ−フバルブ23がアキ
ュム−タ22のブレ−キ液を、その圧力が上限値未満に
なるまでリザ−バ4に放出する。なお、図2に示し後述
する電子制御装置10が、低圧スイッチ47の閉(圧力
が下限値を越えた)/開(圧力が下限値以下)を監視し
かつ圧力センサ46の検出圧を読んで、低圧スイッチ4
7が開(圧力が下限値以下)のときには電気モ−タ24
を駆動し、圧力センサ46の検出圧が設定値に達すると
電気モ−タ24を止めて、アキュムレ−タ22の圧力を
実質上一定圧(下限値と設定値の間の範囲)に維持す
る。
【0017】アキュムレ−タ22の圧力はハイドロブ−
スタ5に印加され、ハイドロブ−スタ5は、該圧力を、
ブレ−キペダル3の押し込み力に比例する圧力に調圧し
て、電磁切換弁63および64に与える。これがブ−ス
タ圧であり、ブレ−キマスタシリンダ2から出力する圧
力の約120%程度の圧力となる。
【0018】電磁切換弁64には、アキュムレ−タ圧と
ブ−スタ圧が与えられる。電磁切換弁64は、その電気
コイルに通電がないときには図1に示すように、ブ−ス
タ圧を、前右車輪ブレ−キ51の増圧用電磁弁31なら
びに前左車輪ブレ−キ52の増圧用電磁弁33、の入力
ポ−トに与えるが、電気コイルに通電があると、ブ−ス
タ圧に代えてアキュムレ−タ圧を増圧用電磁弁31およ
び33の入力ポ−トに与える。電磁切換弁63には、ブ
−スタ圧と、比例制御弁6の出力圧が与えられる。電磁
切換弁63は、その電気コイルに通電がないときには図
1に示すように、ブ−スタ圧を電磁弁35,37に与え
るが、電気コイルに通電があると、ブ−スタ圧に代えて
比例制御弁6の出力圧を電磁弁35,37に与える。
【0019】電磁弁31,33,35および37に通電
してそれらを閉(弁閉)とし、電磁弁32,34,36
および38に通電してそれらを開(弁開)とすると、そ
れぞれ前右車輪ブレ−キ51,前左車輪ブレ−キ52,
後右車輪ブレ−キ53および後左車輪ブレ−キ54の圧
力が、電磁弁32,34,36および38を通してリザ
−バ4に抜ける。
【0020】図1に示すブレ−キ圧系統の、ブレ−キマ
スタシリンダ2の出力圧のみを車輪ブレ−キに与えるブ
レ−キ圧伝達系,アンチスキッド制御中のブレ−キ圧伝
達系,トラクション制御中のブレ−キ圧伝達系および制
動力配分制御中のブレ−キ圧伝達系、のそれぞれを構成
する要素を、各車輪ブレ−キ別で、表1および表2に示
す。なおこれらの表において、各伝達系を構成する要素
は、車輪ブレ−キを出発点にしてブレ−キ圧源に向かう
方向に摘出し表示した。また、表1および表2ならびに
図面においては、「アンチスキッド制御」を「ABS制
御」と、「トラクション制御」を「TRC制御」と表記
した。本書では「ABS」は「アンチスキッド」を意味
し、「TRC」は「トラクションコントロ−ル」を意味
する。制動力配分制御は、この実施例では大きくは全輪
ブレ−キを対象とする「B−STR制御」と後2輪のブ
レ−キを対象とする「2−BDC制御」とがあり、全輪
ブレ−キを対象とする「B−STR制御」は更に、オ−
バステアを抑制するための「B−STR−OS」制御と
アンダ−ステアを抑制するための「B−STR−US」
制御の2つに分けられている。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】「2−BDC制御」,「B−STR制御」
および「TRC制御」において、増圧が必要なときに
は、電子制御装置10(図2)により、電磁弁32,3
4,36,38は非通電(弁閉)、電磁弁31,33,
35,37も非通電(弁開)とされ、減圧が必要なとき
には、電磁弁32,34,36,38は通電(弁開)、
電磁弁31,33,35,37も非通電(弁閉)とさ
れ、ホ−ルド(現ブレ−キ圧をそのまま維持)が必要な
ときには、電磁弁32,34,36,38は非通電(弁
閉)、電磁弁31,33,35,37は通電(弁閉)と
される。
【0024】図2を参照する。電子制御装置10の主体
はマイクロコンピュ−タ11であり、このマイクロコン
ピュ−タ11の主要素はCPU14,ROM15,RA
M16およびタイマ17である。電子制御装置10に
は、更に、センサを付勢(通電)し検出信号を発生する
信号処理回路18a〜18m,検出信号の入力をマイク
ロコンピュ−タ11に与え、マイクロコンピュ−タ11
の制御信号をドライバ19a〜19mに与えるための電
気回路すなわち入,出力インタ−フェイス12,13、
モ−タドライバおよびソレノイドドライバ19a〜19
mがある。
【0025】前右,前左,後右および後左の車輪51〜
54それぞれの回転速度を車輪速度センサ41〜44の
それぞれが検知し、各車輪速度を表わす電気信号(車輪
速度信号)を信号処理回路18a〜18dが発生して入
力インタ−フェイス12に与える。ブレ−キペダル3の
踏込み中閉となるストップスイッチ45の開(ペダル3
の踏込みなし:オフ)/閉(ペダル3の踏込みあり:オ
ン)を表わす電気信号を信号処理回路18eが発生して
入力インタ−フェイス12に与える。圧力センサ46が
アキュムレ−タ22の液圧を検知し、信号処理回路18
fが、検知圧を表わす電気信号(圧力信号)を発生して
入力インタ−フェイス12に与える。アキュムレ−タ2
2の液圧が下限値以下のとき開となる低圧スイッチ47
の閉(下限値を越える圧力:オン)/開(下限値以下:
オフ)を表わす電気信号を信号処理回路18gが発生し
て入力インタ−フェイス12に与える。
【0026】車体のヨ−レ−トをヨ−レ−トセンサYA
が検知し、信号処理回路18iが、ヨ−レ−ト(実ヨ−
レ−ト)γを表わす電気信号を発生して入力インタ−フ
ェイス12に与える。ステアリングホイ−ルの回転角度
を前輪舵角センサθFが検知し信号処理回路18jが、
前輪舵角θfを表わす電気信号を発生して入力インタ−
フェイス12に与える。後輪の舵角は後輪舵角センサθ
Rが検知し信号処理回路18kが、後輪舵角θrを表わ
す電気信号を発生して入力インタ−フェイス12に与え
る。車体の前後加速度gxを加速度センサ(GXセン
サ)が検知し信号処理回路18lが、前後加速度を表わ
す電気信号を発生して入力インタ−フェイス12に与え
る。車体の横加速度gyを加速度センサ(GYセンサ)
が検知し信号処理回路18mが、横加速度を表わす電気
信号を発生して入力インタ−フェイス12に与える。
【0027】図3および図4に、図2に示すマイクロコ
ンピュ−タ11の処理機能の概要を示す。図3は処理機
能をハ−ドウェア形式にブロック区分して示し、図4は
同様なブロック区分をフロ−チャ−ト形式で示す。図5
に、処理の繰返し全体のフロ−チャ−トを示す。
【0028】図5を参照すると、車両上のエンジンが起
動され、車両上電気系統の電源が投入され該系統の電圧
が安定した後に電子制御装置10に動作電圧が印加され
る(図3のステップ1;以下、カッコ内ではステップと
いう語を省略して、ステップNo.数字のみを記す)。
動作電圧が加わるとマイクロコンピュ−タ11は、内部
レジスタ,入出力ポ−トおよび内部タイマを初期状態に
設定し、入,出力インタ−フェイス12,13を、待機
時の入力読取接続および出力信号レベルに設定する
(2)。そして、モ−タドライバ19aに電気モ−タ2
4(ポンプ21)の駆動を指示して、アキュムレ−タ2
2の液圧制御を開始すると共に、この液圧制御と併行し
て、実質上所定周期で、処理周期を定めるためのタイマ
Δtをスタ−トして(3)、「センサ読取り」(4)か
ら「出力制御」(800)までの処理すなわち車輪ブレ
−キ圧制御を、実質上Δt周期で繰返し実行する。な
お、アキュムレ−タの液圧制御では、圧力センサ46に
よる検出圧が上限値に達すると電気モ−タ24(ポンプ
21)を停止し、低圧スイッチ47が開(液圧が下限値
以下)になると電気モ−タ24(ポンプ21)を駆動す
る。
【0029】実質上Δt周期で繰返す、「センサ読取
り」(4)から「出力制御」(800)までの処理すな
わち車輪ブレ−キ圧制御の中の、「センサ読取り」
(4)では、まず、入力インタ−フェイス12に接続さ
れた入力手段(センサ,スイッチ等)のすべての情報を
読込む。そして、ABS制御,2−BDC制御(後2輪
のブレ−キを対象とした制動力配分制御),TRC制御
およびB−STR制御(4輪を対象とした制動力配分制
御)に使用するデ−タを「車輪速演算&車輪加速度演
算」(100)および「車両状態量推定」(200)で
整え、そして整えたデ−タに基づいて、「制御モ−ド開
始・終了処理」(300)で、上述の各種制御の開始,
継続,終了の要否を判定し、そして、判定に応じて「A
BS制御」(400),「2−BDC制御」(50
0),「TRC制御」(600)および/又は「B−S
TR制御」(700)を実行してこれら各制御のため
の、車輪ブレ−キ圧操作出力(電磁弁の開,閉およびタ
イミング)を生成し、そして、「出力制御」(800)
で、上述の各種制御の優先順に基づいて車輪ブレ−キ圧
操作出力を調整して、出力ポ−ト13に設定する。すな
わち電磁弁を操作する。
【0030】「車輪速演算&車輪加速度演算」(10
0)以下の各処理の内容を以下に説明するが、本実施例
での参照情報のうちの主たるものをリストすると、次の
通りである: 情報 情報源 実ヨ−レ−トγ ヨ−レ−トセンサYAによる検出値 車輪速度Vwi,i=FR,FL,RR,RL:車輪速度センサ41〜44の検出値より算出 (車輪速度VwFR 車輪速度センサ41の検出値より算出 車輪速度VwFL 車輪速度センサ42の検出値より算出 車輪速度VwRR 車輪速度センサ43の検出値より算出 車輪速度VwRL 車輪速度センサ44の検出値より算出) 前後加速度gx 前後加速度センサGXによる検出値 横加速度gy 横加速度センサGYによる検出値 前輪舵角θf 舵角センサθFによる検出値 後輪舵角θr 舵角センサθRによる検出値 車輪制動有/無 ストップスイッチ45のオン/オフ 車輪加速度DVwi,i=FR,FL,RR,RL:車輪速度センサ41〜44の検出値より算出 (車輪加速度DVwFR 車輪速度センサ41の検出値より算出 車輪加速度DVwFL 車輪速度センサ42の検出値より算出 車輪加速度DVwRR 車輪速度センサ43の検出値より算出 車輪加速度DVwRL 車輪速度センサ44の検出値より算出) 推定車速Vso VwiおよびDVwiに基づいて算出 車両の加速度DVso VwiおよびDVwiに基づいて算出 車輪スリップ率Si,i=FR,FL,RR,RL:VwiおよびDVwiに基づいて算出 (車輪スリップ率SFR VwFRとVsoFRに基づいて算出 車輪スリップ率SFL VwFLとVsoFLに基づいて算出 車輪スリップ率SRR VwRRとVsoRRに基づいて算出 車輪スリップ率SRL VwRLとVsoRLに基づいて算出) 走行路面の摩擦係数μ DVsoおよびgyに基づいて算出 車体横すべり角β γ,gyc,Vsoに基づいて算出 車体横すべり角速度Dβ γ,gyc,Vsoに基づいて算出。
【0031】(1)「車輪速演算&車輪加速度演算」
(100):図6 この内容を図6に示す。この処理ではまず、カウンタP
i(カウントレジスタPFR,PFL,PRR,PRLの4個、以
下、iはFR,FL,RR,RL各車輪ブレ−キあてのもの4個を
意味するが、2−BDC制御及びTRC制御は後2輪を
制御対象とするので、2−BDC制御,TRC制御にお
いてはiはRR,RL各車輪ブレーキあてのものを示
す。)のデ−タをレジスタPiに書込んで、カウンタP
iをクリアする。なお、カウンタPiは、車輪速度セン
サ41〜44のそれぞれが発生する、前右,前左,後右
および後左の車輪51〜54それぞれの回転速度(周速
度)に周波数が比例する電気パルスに応答して割込処理
により電気パルスの到来数をカウントするものであり、
例えば、センサ41が1パルスを発生するとマイクロコ
ンピュ−タ11は、割込処理によりカウンタPi,i=
FRの内容を1インクレメントするので、レジスタP
i,i=FRの内容は、Δtの間のセンサ41が発生し
たパルス数(車輪速度に比例した値)を表わす。そし
て、車輪のタイヤ径対応の補正係数Ksiを算出(決
定)する(101)。そして、車輪速度のLSB(Leas
t Significant Bit)設定用補正係数(定数)を用いて各
車輪速度Vwiを算出する(102)。算出式を、図6の
ステップ102のブロック中に示す。
【0032】次に、今回算出した各車輪速度Vwi(n)と
前回(Δt前に)算出した各車輪速度Vwi(n-1)から各
車輪の加速度DVwiを算出する(103)。そしてフィ
ルタリング処理により、算出した加速度DVwiおよび車
輪速度Vwiの、時系列平滑化した値DVwiおよびVwiを
算出し、これを検出した加速度DVwiおよび車輪速度V
wiとし、レジスタDVwiおよびVwiに書込む(104,
105)。
【0033】次に、各車輪部の車体速度(各輪部推定車
体速)Vsoiを算出する(106)。ここでは、車輪速
度の今回値Vwi(n),前回算出した車輪部車体速度Vsoi
(n)より、所定の減速度でのΔtの間の減速量αdn・Δ
tを減算した値Vsoi(n)−αdn・Δt、および、前回算
出した車輪部車体速度Vsoi(n)に、所定の増速度でのΔ
tの間の増速量αup・Δtを加算した値Vsoi(n)+αup
・Δt、の3者の中間値Vsoiを算出し、これを各車輪
部車体速度VsoiとしてレジスタVsoiに書込む。次に、
各車輪部車体速度Vsoi(4輪それぞれ計4個)の最大
値を示すものを車両全体の車体速(通称の車体速)Vso
としてレジスタVsoに書込む(107)。
【0034】次に、車両が旋回している場合の、車両の
進行方向に対する車輪の向きの偏差分に対応する、各輪
部車体速Vsoiの、車輪部車体の車両進行方向の速度に
対する各輪部車体速Vsoiの偏差Δiを、横加速度gy
(ヨ−レ−トγでもよい)に対応して算出して、その分
各車輪部車体速度Vsoiを補正して、補正した値NVsoi
=Vsoi−Δiを正規化車輪部車体速度としてレジスタ
NVsoiに書込む(108)。次に、今回算出した正規
化車輪部車体速度NVsoi(n)と前回(Δt前に)算出した
正規化車輪部車体速度NVsoi(n-1)より、正規化車輪部
車体加速度DNVsoiを算出し(4輪それぞれ計4個)
その最大値を示すものを車両全体の車体加速度(通称の
車体加速度)DVsoとしてレジスタDVsoに書込む(1
09)。
【0035】(2)「車両状態量推定」(200):図
7 この内容を図7に示す。この処理ではまず、センサーが
検出した横加速度gyより車両の横方向の傾きを補正し
た真の横加速度gycを算出し、これをレジスタgyc
に書込む(201)。次に路面の摩擦係数μを推定演算
してレジスタμに書込む(202)。演算式はステップ
202のブロック内に示す。次に、横すべり角速度Dβ
および横すべり角βを次のように算出して、算出したD
β,βをレジスタDβ,βに書込む(203〜20
4)。
【0036】Dβ=(gyc/Vso)−γ ・・・(1) β=∫Dβ ・・・(3) (3)「制御モ−ド開始・終了処理」(300):図8 この内容を図8に示す。この処理ではまず、「ABS開
始/終了判別」300Aで、4輪FR,FL,RR,R
L各車輪ブレ−キ51〜54のそれぞれにつき、車輪ブ
レ−キ時の車輪ロックを防止するためのブレ−キ圧制御
すなわちABS制御を開始していない(ABSFi=
0;ABSF=0)ときには、それを開始する必要があ
るか(開始条件が成立しているか)をチェックし、1輪
ブレ−キでもABS制御要を判定するとレジスタABS
Fに1を書込む。各車輪ブレーキ51〜54のそれぞれ
につきABS制御を開始している(ABSFi=1)と
きには、それを終了する必要があるか(終了条件が成立
しているか)をチェックし、各輪ブレーキのABS制御
不要と判定するとレジスタABSFiに0を書込み、全
輪ブレ−キのABS制御不要を判定するとレジスタAB
SFに0を書込む(レジスタABSFのクリアと同
義)。
【0037】次に、「2−BDC開始/終了判別」30
0Bで、2輪RR,RL各車輪ブレ−キ53,54を対
象とする制動力配分制御すなわち2−BDC制御を開始
していない(BDCFi=0;BDCF=0)ときには
各車輪ブレーキ53,54のそれぞれにつき、それを開
始する必要があるか(開始条件が成立しているか)をチ
ェックし、2−BDC制御要を判定するとレジスタBD
CFi及びBDCFに1を書込む。各輪ブレーキ53,
54のそれぞれにつき、2−BDC制御を開始している
(BDCFi=1)ときには、それを終了する必要があ
るか(終了条件が成立しているか)をチェックし、各輪
ブレーキの2−BDC制御不要と判定するとレジスタB
DCFiに0を書込み、2輪ブレーキとも2−BDC制
御不要を判定するとレジスタBDCFに0を書込む(レ
ジスタBDCFのクリアと同義)。
【0038】次に、「TRC開始/終了判別」300C
で、2輪RR,RL各車輪ブレ−キ53〜54のそれぞ
れにつき、加速スリップを低減するための車輪ブレ−キ
圧制御すなわちTRC制御を開始していない(TRCF
i=0)ときには、それを開始する必要があるか(開始
条件が成立しているか)をチェックし、各輪ブレーキに
つきTRC制御要を判定するとレジスタTRCFiに1
を書込み、1輪ブレ−キでもTRC制御要を判定すると
レジスタTRCFに1を書込む。TRC制御を開始して
いる(TRCFi=1;TRCF=1)ときには、それ
を終了する必要があるか(終了条件が成立しているか)
をチェックし、各輪ブレーキにつきTRC制御不要と判
定するとレジスタTRCFiに0を書込み、全輪ブレ−
キにつきTRC制御不要を判定するとレジスタTRCF
に0を書込む(レジスタTRCFのクリアと同義)。
【0039】次に、「B−STR−OS開始/終了判
別」300Dを実行する。この内容を図9に示す。ここ
ではまず、オ−バステアを抑制するための4車輪ブレ−
キの制動力配分制御すなわちB−STR−OS制御を開
始している(STRoF=1)か否(STRoF=0)
をチェックして(301)、開始していないと、オ−バ
ステア方向である(Dβ・γ<0:横すべり角速度Dβ
とヨ−レ−トγが逆方向&gyc・γ>0:横加速度g
ycとヨ−レ−トγが同方向)かをチエックする(30
2,303)。オ−バステア方向と判定すると、すなわ
ちDβ・γ<0&gyc・γ>0であると、車体速度Vs
oと横すべり角速度Dβの組合せが、開始域1(図9の
ステップ304のブロック中に示す)にあるかをチェッ
クする。すなわち、車体速度Vsoが高く(Vso≧V1
2)、横すべり角速度Dβが大きい(Dβの絶対値≧
α1〜α2)か(オ−バステアを増大する傾向にあるか)
をチェックする(304)。そうであるとB−STR−
OS制御要と判定し、レジスタSTRoFに1を書込む
(306)。オ−バステア増大傾向と判定しないときに
は、すでに過度のオ−バステアになっているかをチェッ
クする(305)。すなわち、車体速度Vsoが高く(V
so≧V3〜V4)、横すべり角βが大きい(βの絶対値≧
α3〜α4)開始域2(図9のステップ305中に示す)
にあるかをチェックして、そうであるとB−STR−O
S制御要と判定し、レジスタSTRoFに1を書込む
(306)。
【0040】すでにB−STR−OS制御を開始してい
る(STRoF=1)ときには、車体速度Vsoと横すべ
り角速度Dβの組合せが、終了域1(図9のステップ3
07のブロック中に示す)にあるかをチェックする。す
なわち、車体速度Vsoが低い(Vso<V5)か、横すべ
り角速度Dβが小さい(Dβの絶対値<α5)かをチェ
ックする(307)。そうであると更に、車体速度Vso
が低い(Vso<V6〜V7)か、横すべり角βが小さい
(βの絶対値<α6〜α7)終了域2(図9のステップ3
08中に示す)にあるかをチェックして(308)、そ
うであるとB−STR−OS制御不要と判定し、レジス
タSTRoFに0を書込む(309)。
【0041】次に、「B−STR−US開始/終了判
別」300Eを実行する。この内容を図10に示す。こ
こではまず、現在の前輪ステアリング角度θfおよび車
体速度Vsoで現われる横加速度gyeを、次のように算
出(推定)する(311): gye=Vso2・θf/〔(1+Kh・Vso2)・N・L〕 ・・・(7) N:オーバオールステアリング比 L:ホイ−ルベ−ス Kh:スタビリティファクタ 次に、前輪ステアリング角速度Dθf=θf(n)−θf
(n-1)を算出する(312)。θf(n)は今回読込んだ前
輪ステアリング角度θf、θf(n-1)は前回(Δt前
に)読込んだ前輪ステアリング角度θfである。次に、
ステアリング角速度Dθfに対応する遅れ時間Tdoと、
車体速度Vsoに対応する遅れ係数k1をメモリより読出
して(313,314)、遅れ時間td=Tdo×k1を算
出(推定)する(315)。そして、この遅れ時間t
d,演算(サンプリング)周期Δt,今回ステップ31
1で算出した横加速度gye(n)および前回(Δt前に)
算出した横加速度gye(n-1)に基づいて、現在の確から
しい横加速度gyeaを、 gyea=〔Δt/(Δt+td)〕・gye(n)+〔td/(Δt+td)〕・gye(n-1) ・・・( 8) で算出(推定)する(316)。そして、ステアリング
角度θfおよび車体速度Vsoより推定される横加速度g
yeaに対する実横加速度gycの比gyc/gyeaが所定値k
2より小さく、実横加速度gycが所定値k3を越える
(実横加速度gycはあるが、ステアリングによって生ず
るはずの横加速度gyeaに対して実横加速度gycが低
い:アンダ−ステア)かをチェックする(317)。そ
うであるとレジスタSTRuFに1を書込み、そうでな
いとレジスタSTRuFに0を書込む(318,31
9)。
【0042】再度図8を参照する。上述のように「B−
STR−US開始/終了判別」300Eを実行すると、
コンピュ−タ11は次に「制御優先処理」300Fを実
行する。上述のように、ABS制御,2−BDC制御,
TRC制御,B−STR−OS制御およびB−STR−
US制御の開始/終了判別をして、それぞれが要のとき
にはレジスタABSF,BDCF,TRCF,STRo
FおよびSTRuFに1が書込まれている。ただし、例
えばレジスタSTRoF,STRuFの内容が1であっ
ても、4輪ブレ−キのすべてについてB−STR制御
(減圧,ホ−ルド,増圧)が行なわれるとは限らず、B
−STR制御を行なう車輪ブレ−キは、「B−STR制
御」700で定まる。
【0043】この実施例では、優先順を「ABS制御」
400,「2−BDC制御」500および「TRC制
御」600の順に定めており、「制御優先処理」300
Fでは、「ABS制御」400の実行中(ABSF=
1)は「2−BDC制御」500および「TRC制御」
600は禁止する(レジスタBDCF,TRCFをクリ
アしてその内容を0にする)。「2−BDC制御」50
0の実行中(BDCF=1)には、「TRC制御」60
0は禁止する(レジスタTRCFをクリアする)。「B
−STR制御」700は他の制御によらず実行される。
【0044】「ABS制御」400,「B−STR制
御」700,「2−BDC制御」500および「TRC
制御」600のいずれも、センサYA,θF,θR,G
X,GYの検出値,「車輪速演算&車輪加速度演算」1
00での算出値および「車両状態量推定」200での算
出値に基づいて、制御輪(ブレ−キ圧を制御する車輪ブ
レ−キ)を決定し、制御輪それぞれの、目標スリップ率
Soiおよび実スリップ率(推定値)を算出し、これらに
基づいてスリップ率偏差Esoiを演算し、一方、基準加
速度に対する車輪加速度の偏差(車輪加速度偏差)ED
iを算出して、スリップ率偏差Esoiおよび車輪加速度
偏差EDiの組合せが、予め定めている急減圧領域,
パルス減圧領域,ホ−ルド領域,パルス増圧領域
および急増圧領域のいずれにあるかを判別して、制御
輪のブレ−キ圧制御モ−ド(急減圧,パルス減圧,ホ−
ルド,パルス増圧,急増圧)を決定する。加えて、この
ようなブレ−キ圧制御における増,減圧の遅れを補償す
るための増減圧補償処理,ブレ−キ圧制御開始時のブレ
−キ圧変動を滑らかにするための初期特定モ−ド演算、
および、ブレ−キ圧制御終了時のブレ−キ圧変動を滑ら
かにするための終了特定モ−ド演算を実行する。これら
の処理ロジックの大要は「ABS制御」400,「B−
STR制御」700,「2−BDC制御」500および
「TRC制御」600で共通であるが、機能が異なるの
で、それぞれの制御において、制御輪の選択,スリップ
率偏差Esoiおよび車輪加速度偏差EDiの組合せに対
応付けられたブレ−キ圧制御モ−ド、ならびに、演算定
数等は異なる。処理ロジックの大要は同様であるので、
以下においては、「B−STR制御」700の内容を詳
細に説明する。
【0045】(4)「B−STR制御」(700):図
11 この内容を図11に示す。この処理では、「B−STR
−OS制御」700A,「B−STR−US制御」70
0Bおよび「スリップ率サ−ボ演算」700Cをこの順
に実行する。
【0046】(4A) 「B−STR−OS制御」70
0A:図12〜図19 まず図12を参照する。まずヨ−レ−トγを参照して車
両の旋回方向を判別し、旋回方向レジスタに、旋回方向
デ−タを書込む(701〜704)。この実施例では、
ヨ−レ−トγの極性の+(正)は左旋回、−(負)は右
旋回である。次にABS制御中(ABSF=1)である
かをチェックする。
【0047】ABS制御中であると、横すべり角βの大
きさ(絶対値)と旋回方向(旋回方向レジスタのデ−
タ)に対応して、ブレ−キ圧を制御する車輪(車輪ブレ
−キ)を、図12のステップ708のブロック中に示す
ように決定する。例えば、旋回方向が左旋回の場合、横
すべり角βの絶対値が90°未満のときには車輪RLを
ブレ−キ圧制御対象輪と決定(車輪ブレ−キ54を圧力
制御対象に決定)し、βの絶対値が90°以上270°
未満のときには車輪FRをブレ−キ圧制御対象輪と決定
(車輪ブレ−キ51を圧力制御対象に決定)し、βの絶
対値が270°以上360°未満のときには車輪RLを
ブレ−キ圧制御対象輪と決定(車輪ブレ−キ54を圧力
制御対象に決定)する。
【0048】ABS制御中でない(ABSF=0であ
る)と、横すべり角βの大きさ(絶対値)と旋回方向
(旋回方向レジスタのデ−タ)に対応して、ブレ−キ圧
を制御する車輪(車輪ブレ−キ)を、図12のステップ
707のブロック中に示すように決定する。例えば、旋
回方向が左旋回の場合、横すべり角βの絶対値が90°
未満のときには車輪FRをブレ−キ圧制御対象輪と決定
(車輪ブレ−キ51を圧力制御対象に決定)し、βの絶
対値が90°以上270°未満のときには車輪RLをブ
レ−キ圧制御対象輪と決定(車輪ブレ−キ54を圧力制
御対象に決定)し、βの絶対値が270°以上360°
未満のときには車輪FRをブレ−キ圧制御対象輪と決定
(車輪ブレ−キ51を圧力制御対象に決定)する。
【0049】図12のステップ707に示すように、0
°≦|β|<90°および270°≦|β|<360°
(車体がその実移動方向に対して前向き)のとき、前車
輪ブレ−キFR,FLを制御対象輪(その車輪ブレ−キ
圧を増圧)に指定し、90°≦|β|<270°(車体
がその実移動方向に対して横向き又は後向き)のとき
は、後車輪ブレ−キRL,RRを制御対象輪(その車輪
ブレ−キ圧を増圧)に指定する。0°≦|β|<90°
および270°≦|β|<360°のときは、従来例
(特表平3−500868号公報)と同様に車両のスピ
ンモ−メントが抑制され、車両の異常旋回又はスピンの
抑制に効果がある。90°≦|β|<270°のとき従
来例では異常旋回又はスピンが助長されてしまうが、本
実施例では後車輪ブレ−キ(車体の実移動方向に関して
前側の車輪ブレ−キ)が増圧されるので、やはりスピン
モ−メントが抑制され、車両の異常旋回又はスピンの抑
制に効果がある。
【0050】上述の制御輪選択(707)に対して、ド
ライバによる制動時のABS制御は、操舵性を確保する
ことを1つの目的としている。ABS制御中は、B−S
TR−OS制御として或る車輪ブレーキ圧を加圧して
も、その車輪ではそれ以上の制動力は得られず、かえっ
て逆効果となる。そこで、ABS制御時のB−STR−
OS制御では、加圧する車輪ブレーキに代って、その車
輪の対角位置にある1輪のブレーキを減圧する。
【0051】例えば、ABS制御を指定していない(A
BSF=0)ときには、ステップ707により、B−S
TR−OS制御の対象輪を、0°≦|β|<90°およ
び270°≦|β|<360°のとき前車輪FR/FL
(の車輪ブレ−キ)に決定し、90°≦|β|<270
°のとき後車輪RL/RRに決定する。ABS制御指定
がある(ABSF=1)ときには、0°≦|β|<90
°および270°≦|β|<360°のとき後車輪RL
/RRをブレ−キ圧制御対象輪とし、90°≦|β|<
270°のとき前車輪ブレ−キFR/FLを制御対象輪
とする。これによりABS制御およびB−STR−OS
制御が調和する。
【0052】なお、図12に示す「制御輪選択」705
では、1車輪ブレ−キのみを制御対象ブレ−キに決定す
るが、「制御輪選択」705を図13に示す「制御輪選
択」705Aに置換して、2車輪ブレ−キを制御対象ブ
レ−キに決定するようにしてもよい。また、「制御輪選
択」705を図14に示す「制御輪選択」705Bに置
換して、ABS制御中には1車輪ブレ−キを制御対象ブ
レ−キに決定し、ABS制御をしないときには2車輪ブ
レ−キを制御対象ブレ−キに決定するようにしてもよ
い。更には、「制御輪選択」705を図15に示す「制
御輪選択」705Cに置換して、ABS制御中には2車
輪ブレ−キを制御対象ブレ−キに決定し、ABS制御を
しないときには1車輪ブレ−キを制御対象ブレ−キに決
定するようにしてもよい。
【0053】次に図16を参照する。ブレ−キ圧を制御
する輪を決定すると、路面摩擦係数μ(レジスタμのデ
−タ)に対応するゲインKをメモリより読出してレジス
タにセ−ブし(706)、次に、横すべり角速度Dβの
絶対値と横すべり角βの絶対値の組合せが、図16のス
テップ707のブロック中に示す領域A0〜A7のいず
れにあるかを決定する(707)。すなわち横すべり角
速度Dβの絶対値と横すべり角βの絶対値の組合せが属
する領域Aj、j=0〜7、を決定する。次に、図17
を参照すると、領域Ajに割当てられている各輪のスリ
ップ率補正量ΔSi(%)をメモリより読出す(70
8)。「B−STR制御」700および「2−BDC制
御」500でのスリップ率偏差目標値ΔS(%)は、図
17のステップ708のブロック中に示すように、領域
Ajに対してスリップ率補正量ΔSi(%)はjであ
る。なお、図17のステップ708のブロック中には、
「ABC制御」400および「TRC制御」600での
領域Ajに対して割当てられているスリップ率補正量Δ
Si(%)をも示す。
【0054】次にコンピュ−タ11は、ステップ706
(図16)で得たμ対応ゲインKを、領域Aj対応のス
リップ率補正量ΔSi(%)に乗算して、各車輪ブレ−
キのスリップ率補正量ΔSio=K・ΔSiを算出する
(709)。
【0055】次に図18を参照するとコンピュ−タ11
は、「B−STR−OS制御」が要(STRoF=1)
かをチェックして(710)、要であると、旋回方向レ
ジスタのデ−タを参照して、それが左旋回を示すと、ス
テップ712のブロック中に示す、横すべり角βの絶対
値対応の目標舵角δrの中の、レジスタβの値の絶対値
に対応するものをメモリより読出してレジスタδrに書
込む(712)。旋回方向レジスタのデ−タが右旋回を
示すと、ステップ713のブロック中に示す、横すべり
角βの絶対値対応の目標舵角δrの中の、レジスタβの
値の絶対値に対応するものをメモリより読出してレジス
タδrに書込む(713)。
【0056】レジスタSTRoFのデ−タとレジスタδ
rのデ−タ、ならびにヨ−レ−トγ,前輪舵角θfおよ
び車速Vsoは、その後の「出力制御」800(図5)
で、4WSコントロ−ラ70(図2)に転送される。後
述するように、4WSコントロ−ラ70は、与えられた
操舵量δr(方向と量)を実現するように、後輪RR,
RLを操舵する。
【0057】上述の操舵量δrの決定(図18の710
〜713)において、横すべり角βの絶対値|β|に対
応して、0°からの|β|の増大に伴って操舵量δrを
大きくし|β|が90°に近づくに伴って操舵量δrを
小さくし、90°で車両前後軸Xに対する操舵方向(δ
rの極性)を反転し、90°からのβの増大に伴って操
舵量δrを大きくし|β|が360°に近づくに伴って
操舵量δrを小さくする。
【0058】このように、0°からの横すべり角βの絶
対値|β|の増大に伴って操舵量を大きくするので、車
体の、意図しない方向の変化量が大きくなるにつれてこ
れを抑制する方向の操舵量δrが大きくなる。|β|が
実移動方向に対して車体の向きが反転する90°に近づ
くに伴って操舵量δrを小さくし、90°で車両前後軸
Xに対する操舵方向を反転するので、車体の向きがその
実移動方向に対して逆向きに切換わるとき該逆向きを助
長する操舵はなく、しかも逆向きに切換わったとき操舵
方向(δrの極性)もスピンを抑止する方向に切換わる
ので、車両の異常旋回又はスピンの抑制効果がきわめて
高い。
【0059】4WSコントロ−ラ70の構成を図19に
示す。4WSコントロ−ラ70は、簡単に言えば、前輪
舵角θfに車速Vso対応の係数(ゲイン)を乗算して主
操舵対応の舵角を算出し、かつ外乱(横風)時や車輌タ
−ン時の車輌進行方向のふらつきを抑止するためヨ−レ
−トγ,前輪舵角速度および車速に対応して舵角補正分
を算出し、これら算出した舵角および舵角補正分より目
標舵角AGLAを定める。詳しくは、前輪舵角値θf
に、変換部21AS,21BSに通して低角度値は0に
過大角度は飽和値に、不感帯処理およびリミット処理を
施して検出舵角値を制御演算用の舵角値に変換し、しか
も掛算部23Sによって制御演算用の舵角値(変換値)
に車速対応ゲインを乗算して実舵角対応の補助操舵舵角
(所要値)を算出する。一方、ヨ−レ−トγは、まず変
換部51Sおよび55S〜59Sで前輪舵角速度に対応
する不感帯幅2Wyoおよび変換係数Icで演算用ヨ−
レ−トAYsに変換し、車速Vsoに対応するゲインG
yを変換部52Sで算出し、乗算部53で該演算用ヨ−
レ−トAYsに該ゲインGyを乗算して舵角補正分を算
出する。そして、加算部54Sにて、補助(後輪)操舵
舵角(所要値)に検出ヨ−レ−トγ対応の舵角補正分を
加えて目標舵角AGLAとして、フィ−ドバック制御部
60Sに出力する。
【0060】フィ−ドバック制御部60Sは、基本的に
はPD(比例・微分)制御系を構成しており、目標舵角
AGLAと、検出された実舵角RAGLとの偏差ΔAG
Lに応じた制御量を出力するように構成してある。微分
制御系61Sの出力DAGLAと比例制御系52Sの出
力PAGLAとが加算部35で加算され、制御量HPI
Dとして出力されるが、コンピュ−タ11から転送され
たレジスタSTRoFのデ−タが1(B−STR−OS
制御 要)のときには、目標舵角AGLAはコンピュ−
タ11から転送されたδrに変更される。
【0061】比例制御系62Sにおいては、入力値ΔA
GLは変換部31BSを通ってETH3に変換され、掛
算部36Sで比例ゲインGa17と掛算され、その結果
が出力PAGLAになる。この例では、ゲインGa17
は定数である。
【0062】微分制御系61Sにおいては、入力値ΔA
GLは変換部31ASを通ってETH2に変換され、減
算部33Sにおいて、入力値ETH2(最新の値)と遅
延部32Sを通った入力値ETH2(所定時間前の値)
との差分が計算され、それによってETH2の変化速
度、即ち微分値SETH2が得られる。掛算部34Sで
は、微分値SETH2と微分ゲインYTDIFGAIN
とを掛けた値が、微分制御系61Sの出力DAGLAと
して得られる。
【0063】微分ゲインYTDIFGAINは、この例
では、STRoF=0のときには目標舵角AGLAの微
分値(変化速度)に基づいて決定される変数であり、S
TRoF=1のときには、δrの微分値(変化速度)に
基づいて決定される変数である。即ち、減算部38Sに
おいて、入力値AGLA(最新の値)又はδr(最新の
値)と遅延部37を通った入力値AGLA(Δt前の
値)又はδr(Δt前の値)との差分が計算され、それ
によってAGLA又はδrの変化速度、即ち微分値SA
GLAが得られ、微分値SAGLAを変換部39に通し
た結果が、微分ゲインYTDIFGAINになる。な
お、変換部31AS,31BS及び39Sの各ブロック
内に示すグラフは、各々の変換特性を示しており、横軸
が入力値、縦軸が出力値を示している。
【0064】加算器35Sから出力される制御量HPI
Dは、変換部43Sを通ってHPID2になり、更に変
換部44Sを通ってデュ−ティ値DUTYになる。変換
部43Sはリミッタとして機能する。また変換部44S
は、偏差舵角値からデュ−ティ値への変換機能を有す
る。デュ−ティ値DUTYは、パルス幅変調(PWM)
部45Sに入力される。パルス幅変調部45Sは、入力
値に対応するデュ−ティのパルス信号を生成し、ドライ
バDV1に印加する。後輪操舵電気モ−タM1が回転す
ると、その回転量に応じたパルスが磁極センサRSから
出力される。舵角変換部46Sでは、磁極センサRSが
出力する三相のパルスの位相から回転方向を識別し、そ
の方向に応じて加算方向又は減算方向にパルス数を計数
し、後輪舵角を計算する。舵角変換部46Sは実舵角R
AGLを出力する。減算部47Sは、目標舵角AGLA
と実舵角RAGLとの差分、即ち舵角偏差ΔAGLを制
御部30Sに入力する。
【0065】後輪操舵電気モ−タM1は、後輪RRおよ
びRLを操舵する機構(図示せず)を駆動する。コンピ
ュ−タ11から転送されたレジスタSTRoFのデ−タ
が1(B−STR−OS制御 要)のときには、4WS
コントロ−ラ70が上述のように、目標舵角AGLAを
コンピュ−タ11から転送されたδrに変更し、この舵
角をもたらすようにモ−タM1を付勢するので、オ−バ
ステアを抑制するためδrが大きく変化するとき、後輪
操舵量が大きくなり、4WSコントロ−ラ70による、
車両進行方向の安定性を確保するための後輪操舵が強く
作用しオ−バステアが強く抑制される。
【0066】なお、「B−STR−OS制御」700A
で算出された各輪スリップ率補正量ΔSioは、後述の
「スリップ率サ−ボ演算」700Cで、車輪ブレ−キ圧
制御(増圧,ホ−ルド,減圧)の入力パラメ−タとして
利用され、車輪ブレ−キ圧制御に反映される。
【0067】(4B) 「B−STR−US制御」70
0B:図20 コンピュ−タ11は、規範車速度Vsouを次のように算
出する(717): Vsou=√〔(1+Kh・Vso2)・N・L・gyc/θf〕 ・・・(9)。
【0068】次に、車体速度Vsoに対する規範車速度V
souの偏差ΔV=Vsou−Vsoを算出し、かつ、各輪スリ
ップ率補正量ΔSiuを算出する(718)。すなわち、
各輪に割当てている定数KiとΔVとμ対応ゲインK
(706,図16)の積に−(マイナス)を乗じた値と
0の内、大きいものを、各輪スリップ率補正量ΔSiuと
する。
【0069】(4C) 「スリップ率サ−ボ演算」70
0C:図21 まず、「B−STR−OS制御」要であるか「B−ST
R−US制御」要であるかをチェックして、「B−ST
R−OS制御」要(STRoF=1)であるとスリップ
率偏差ΔSiとして、レジスタΔSioのデ−タ(ステッ
プ709で算出)を選択し、「B−STR−US制御」
要(STRuF=1)であるとスリップ率偏差ΔSiと
して、レジスタΔSiuのデ−タ(ステップ718で算
出)を選択する(721〜726)。「B−STR−O
S制御」不要(STRoF=0)および「B−STR−
US制御」不要(STRuF=0)であるときには、ス
リップ率補正量ΔSiは0とする(721〜726)。
【0070】次に、まずスリップ率目標値Soiをスリッ
プ率補正量ΔSiとして(727)、「ABS制御」要
(ABSFi=1)であると、このスリップ率目標値S
oiに「ABS制御」に定められているスリップ率目標値
SoABSiを加算し、和をスリップ率目標値Soiとして更
新し(728,729)、「2−BDC制御」要(BD
CFi=1)であると、スリップ率目標値Soiに「2−
BDC制御」に定められているスリップ率目標値SoBDC
iを加算し、和をスリップ率目標値Soiとして更新し
(730,731)、「TRC制御」要(TRCFi=
1)であると、スリップ率目標値Soiに「TRC制御」
に定められているスリップ率目標値SoTRCiを加算し、
和をスリップ率目標値Soiとして更新し(732)、
「B−STR制御」要(STRoF=1又はSTRuF
=1)であると、スリップ率目標値Soiに「B−STR
制御」に定められているスリップ率目標値SoSTRiを加
算し、和をスリップ率目標値Soiとして更新する(73
4,735)。
【0071】この実施例では、スリップ率目標値SoABS
i,SoBDCi,SoTRCiおよびSoSTRiは固定値であり、S
oABSi=0.15,SoBDCi=0.01,SoTRCi=−
0.07およびSoSTRi=0である。
【0072】なお、上述の「制御優先処理」300F
で、「ABS制御」400の実行中(ABSFi=1)
は「B−STR制御」700は実行する(レジスタST
RoFおよびSTRuFのデ−タは変更しない)が、
「2−BDC制御」500および「TRC制御」600
は禁止し(レジスタBDCF,TRCFをクリアしてそ
の内容を0にする)、「B−STR制御」700の実行
中(STRoF=1又はSTRuF=1)は「ABS制
御」400を実行する(レジスタABSFをクリアしな
い)が、「2−BDC制御」500および「TRC制
御」600は禁止し(レジスタBDCF,TRCFをク
リアしてその内容を0にする)、「2−BDC制御」5
00の実行中(BDCF=1)には、「TRC制御」6
00は禁止する(レジスタTRCFをクリアする)の
で、ABSF=1,STRoF=1又はSTRuF=1
のときには、BDCF=0,TRCF=0であり、ステ
ップ728〜735で算出するスリップ率目標値Soiに
は、SoBDCiおよびSoTRCiは含まれない。ABSF=
0,STRoF=0およびSTRuF=0で、BDCF
=1のときには、BTRC=0であるので、スリップ率
目標値Soiは、「2−BDC制御」のために(上記ステ
ップ721〜727対応の演算で)算出したスリップ率
補正量(上記ΔSiに対応するもの)+SoBDCiとな
る。ABSF=0,STRoF=0,STRuF=0お
よびBDCF=0でTRCF=1のときには、スリップ
率目標値Soiは、「TRC制御」のために(上記ステッ
プ721〜727対応の演算で)算出したスリップ率補
正量(上記ΔSiに対応するもの)+SoTRCiとなる。
【0073】ABSF=1,STRoF=0およびST
RuF=0のときには、BDCF=0,TRCF=0で
あり、スリップ率目標値Soiは、「ABS制御」のため
に(上記ステップ721〜727対応の演算で)算出し
たスリップ率補正量(上記ΔSiに対応するもの)+S
oABSiとなる。ABSF=0,STRoF=1又はST
RuF=1のときには、BDCF=0,TRCF=0で
あり、スリップ率目標値Soiは、「B−STR制御」の
ために上記ステップ721〜727の演算で算出したス
リップ率補正量ΔSi+SoSTRiとなる。
【0074】図22を参照する。上述のようにスリップ
率目標値Soiを算出すると、コンピュ−タ11は、各輪
のスリップ率偏差Esoiおよび車輪加速度偏差EDiを次
のように算出する(736): Esoi=Soi−(基準速度−制御輪速度−BVWi)/基準速度 ・・・(10) EDi=基準加速度−制御輪加速度 ・・・(11) ここでの処理は、B−STR制御のためのものであるの
で、基準速度,制御輪速度,基準加速度および制御輪加
速度は、ステップ736のブロック中の表中の「B−S
TR制御」の欄に示すものである。
【0075】次に、スリップ率偏差Esoiの絶対値が所
定値ε未満であるかをチェックして(737A)、所定
値ε以上であるとスリップ率偏差Esoiの積分値IEsoi
を算出する(737B)。すなわち、前回算出したスリ
ップ率偏差積分値IEsoiに、ゲインGIi×今回算出し
たスリップ率偏差Esoiを加算した値を、今回算出した
スリップ率偏差積分値IEsoiとする。ゲインGIiはこ
の実施例では1である。このスリップ率偏差積分値IE
soiを、上限値IEsoiU以下、下限値IEsoiL以上に
制限するために、IEsoiがIEsoiU以上であるとスリ
ップ率偏差積分値IEsoiの値を上限値IEsoiUに更新
し、IEsoiL以下であるとスリップ率偏差積分値IEs
oiの値を下限値IEsoiLに更新する(738〜74
1)。IEsoiは、|Esoi|<所定値εの時に0にクリ
アする(737C)。
【0076】次に、ブレ−キ圧制御モ−ド判定用のパラ
メ−タYを、 Y=Gsoi・(Esoi+IEsoi) ・・・(12) と算出する。Gsoiはゲインであり、図24に示すよう
に、横すべり角βの絶対値が小さいときには小さい値、
大きいときには大きい値である。
【0077】次に、ブレ−キ圧制御モ−ド判定用のもう
1つのパラメ−タXを、 X=GEDi・EDi ・・・(14) と算出する。GEDiは定数(固定値)である。
【0078】図23を参照する。コンピュ−タ11は次
に、メモリアクセスにより、パラメ−タXとYの組合せ
(X,Y)が、予め定められている急減圧領域,パ
ルス減圧領域,ホ−ルド領域,パルス増圧領域およ
び急増圧領域のいずれにあるかを判定する(74
6)。なお、例えば制御輪がFR(車輪ブレ−キ51)
の場合、以後の制御(「出力制御」800)で、急減
圧領域と判定した場合には、減圧〔電磁切換弁61通
電,電磁弁31通電(弁閉)および電磁弁32通電(弁
開)〕の継続(連続)を設定する。パルス減圧領域と
判定した場合には、所定時間の上記減圧と、所定時間の
ホ−ルド〔電磁切換弁61通電,電磁弁31通電(弁
閉)および電磁弁32非通電(弁閉)〕の繰返しを設定
する。ホ−ルド領域と判定した場合には、上記ホ−ル
ドの継続(連続)を設定する。パルス増圧領域と判定
した場合には、所定時間の増圧〔電磁切換弁61通電,
電磁弁31非通電(弁開)および電磁弁32非通電(弁
閉)〕と、所定時間の上記ホ−ルドの繰返しを設定す
る。急増圧領域と判定した場合には、上記増圧の継続
(連続)を設定する。
【0079】ここで、オ−バステア補償制御(B−ST
R−OS制御)でこれら増,減圧等の設定に至る過程を
要約すると、「車両状態量推定」200のステップ20
2(図7)において摩擦係数μを算出しており、この摩
擦係数μに対応した係数K、すなわちμが高いと大きい
値の係数Kを、「B−STR−OS制御」700Aのス
テップ706(図16)で算出している。次のステップ
707(図16)で、横すべり角βと横すべり角速度D
βの組合せがA0〜A7のどの領域であるかを判定し
て、次のステップ708(図17)で、領域対応でスリ
ップ率補正量ΔSを決定している。すなわち、横すべり
角βと横すべり角速度Dβに対応して、横すべり角βが
大きいほど、また横すべり角速度Dβが大きいほど大き
い値のスリップ率補正量ΔSを決定している。そして、
係数Kとスリップ率補正量ΔSの積K・ΔSを各輪補正
量ΔSioとし(図17の709)、この各輪補正量Δ
SioとB−STR制御用の目標値SoSTRiの和を目標
スリップ率Soiとしている(図21の723,725,727,734,73
5)。そして、スリップ率偏差Esoiと、加速度偏差EDi
を算出して(図22の736)、スリップ率偏差Esoiの積分値
IEsoiを算出してこれをYとし、加速度偏差EDiをX
として(図22の737〜745)、X,Yに従って、X,Yが
正で、それらの値が共に大きいとパルス増圧あるいは急
増圧を設定し、X,Yが負で、それらの絶対値が共に大
きいとパルス減圧あるいは急減圧を設定する(図23の74
6)。
【0080】このような車輪ブレ−キ圧の設定により、
例えば横すべり角βが増大したとき、目標スリップ率S
oiを大きい値に定めるので、実スリップ率が大きくなる
ように、車輪ブレ−キ圧が調圧される(この調圧を行な
う実際の出力は、後述の「出力制御」800(図5)で
行なう)。これにより車輪ブレ−キ圧が上昇し、横すべ
り角が増加して発生するスピンモ−メントに対する逆の
モーメントが作られ、横すべり角の増大が抑制される。
【0081】摩擦係数μが高いと、車輪ブレ−キ圧の増
圧による効果的な横すべり角増大抑止、すなわちスピン
挙動の抑止が期待される。この場合には706(図1
6)により目標スリップ率Soiが大きい値に定まるの
で、車両スピン抑制効果が高い。逆に、摩擦係数μが低
いと車輪ブレ−キ圧の増圧による車両スピン抑制効果が
低いのみならず、かえって車体ヨー運動を乱すおそれが
ある。この場合、706(図16)により目標スリップ
率Soiが小さい値に定まるので、車輪ブレ−キ圧の過増
圧が抑制される。このように摩擦係数μをオーバーステ
ア補償のための車輪ブレ−キ圧制御のパラメ−タにして
いるので、オーバーステア補償の安定性が向上する。
【0082】車体横すべり角βおよび摩擦係数μならび
に横すべり角速度Dβに基づいて、横すべり角速度Dβ
が大きいと大きい目標スリップ率Soiを定め、 スリップ率偏差ESoi=目標スリップ率Soi−実スリッ
プ率、および、 加速度偏差EDi=増,減圧に決定しなかった車輪の加
速度DNVso−増,減圧に決定した車輪の加速度DNV
soi、 に対応して、偏差ESoiおよびEDiが正でそれらの絶
対値が大きいとき増圧を決定し、負で絶対値が大きいと
き減圧を決定するので、制御対象輪に決定した車輪が目
標スリップ率Soi近くのスリップ率に制御される。こ
れにより、他の非制御輪よりスリップ率が大きくなり、
アンチスピンモーメントが作られる。
【0083】次にアンダ−ステア補償制御(B−STR
−US制御)で増,減圧等の設定(図23のステップ7
46)に至る過程を要約すると、横加速度センサGYが
検出する横加速度gyc(正確には、図7のステップ2
01で補正した値)は、車体の実際の旋回に対応する値
となり、旋回速度が高いと大きく、旋回速度が低いと小
さい。操舵量θfおよび車体速度Vsoに対応して、図
10のステップ311で基準横加速度gyeを算出し、
ステップ312〜316で、基準横加速度gyeに転舵
に対する旋回の遅れ相当の補正を施して、基準横加速度
gyeaとして、gyc<k2・gyeaのとき、gy
c>k3を条件に、レジスタSTRuFに1を書込む
(図10の312〜318)。
【0084】図20のステップ717で、操舵量θfで
横加速度gycを車体に生ずる規範車体速度Vsouを
推定算出し、規範車体速度Vsouに対する車体速度V
soの偏差ΔVに対応する目標スリップ率偏差ΔSiu
を決定し、これをB−STR−US制御に定めている基
準スリップ率SoSTRiに加算して、和を目標スリッ
プ率Soiとする(図21の724,726,727,
734,735)。そして車輪回転速度Vwiおよび車
体速度Vsoに基づいて車輪の実スリップ率を推定算出
しかつスリップ率偏差Esoiおよび加速度偏差EDi
を算出して(図22の736)、スリップ率偏差Eso
iの積分値IEsoiを算出し、スリップ率偏差Eso
i+積分値IEsoiに比例する値を増,減圧判定用の
1つのパラメ−タYとし、加速度偏差EDiに比例する
値を増,減圧判定用のもう1つのパラメ−タXとする
(図23の737〜745)。そして、図23のステッ
プ746で、増,減圧モ−ドを決定する。
【0085】このような車輪ブレ−キ圧の設定により、
例えば基準横加速度gyeに対して、検出横加速度gy
cが相対的に低いと、制御輪が増圧される(この増圧を
行なう実際の出力は、後述の「出力制御」800(図
5)で行なう)。これにより、検出横加速度gycが基
準横加速度gyeに達しないと、車体に制動が加えら
れ、この制動により車体速度Vsoが低下して、基準横
加速度gyeの旋回がもたらされる。車体速度が高い場
合、摩擦係数μが低い場合あるいはタイヤ摩耗が進んで
いる場合、操舵量θfに対して旋回不足を生じ易いが、
この旋回(不足)が車体横加速度検出手段(GY)が検
出する横加速度gycに現われ、車輪ブレ−キ圧の増圧
判定に導入されてこの場合車輪ブレ−キ圧が増圧され
る。したがってアンダ−ステア補償制御の安定性および
信頼性が向上する。具体時には、基準横加速度gyeに
転舵に対する旋回の遅れ相当の補正を施して、検出横加
速度gycを基準横加速度gyeaと対比するので、操
舵速度に対応して最適な遅れを含むアンダ−ステア補償
制御が行なわれるので、その安定性および信頼性が更に
向上する。
【0086】図21のステップ728〜734に示すよ
うに、ABS制御と同様に本件アンダ−ステア補償制御
(B−STR−US制御)宛ての目標スリップ率を算出
し、ABS制御宛ての目標スリップ率に加算し、加算値
に対応して図22のステップ736から図23のステッ
プ746に示すように車輪ブレ−キの増,減圧を定める
ので、ブレ−キ圧制御出力が相反することがなくなり、
ABS制御と本件アンダ−ステア補償制御とが整合す
る。
【0087】上述のように増,減圧等を設定すると、次
にコンピュ−タ11は、今回判定した領域と前回判定し
た領域に対応して、判定した領域が、減圧から増圧(パ
ルス増圧,急増圧)に切換わるか、あるいは増圧から減
圧(パルス減圧,急減圧)に切換わると、車輪ブレ−キ
圧の立上り/立下がりを滑らかにするためのブレ−キ圧
制御モ−ド調整を行なう(747)。例えば、ABS時
急減からパルス増圧に変わるときには、それから所定時
間の間、パルス増圧の増圧デュ−ティ(増圧時間/(ホ
ールド時間))を0から、パルス増圧領域に定められ
た所定値まで次第に立上げる(ための増圧デュ−ティの
設定を行なう)。
【0088】次にコンピュ−タ11は、例えばB−ST
R制御の開始(STRoF=0→STRoF=1又はS
TRuF=0→STRuF=1の切換わり)があったと
きには、ブレーキ力応答性を上げる初期加圧を行なう
(748)。また、例えばB−STR制御の終了(ST
RoF=1→STRoF=0又はSTRuF=1→ST
RuF=0の切換わり)があったときには、制御輪の直
前の制御油圧とマスタシリンダ油圧とを合わせるためブ
レ−キ圧制御を行ない、調圧を行い制御を終了する。
【0089】(5) 「出力制御」800 「ABS制御」400,「2−BDC制御」500,
「TRC制御」600および「B−STR制御」700
それぞれの「スリップ率サ−ボ演算」(図3)で決定し
たブレ−キ圧制御モ−ドを実現する出力(電磁弁の通電
/非通電)を生成し、電磁弁ドライバ19b〜19mに
出力する。
【0090】
【発明の効果】以上のように、例えば横すべり角βが増
大したとき、目標設定手段が、目標スリップ率Soiを大
きい値に定めるので、増減圧決定手段が、実スリップ率
が大きくなるように、車輪ブレ−キ圧の増圧を決定す
る。これにより車輪ブレ−キ圧が上昇し、スピンモ−メ
ントに対する車輪の抵抗が大きくなり、横すべり角βの
増大が抑制される。
【0091】摩擦係数μが高いと、車輪ブレ−キ圧の増
圧による効果的なスピンモ−メント抑止が期待される。
この場合には目標設定手段が目標スリップ率Soiを大き
い値に定めるので、スピンモ−メント抑制効果が高く、
摩擦係数μが高いほど高いスピン抑制効果が得られる。
逆に、摩擦係数μが小さいと車輪ブレ−キ圧の増圧によ
り車輪がスリップし易くスピン抑制効果が低いのみなら
ず、車輪ブレ−キ圧の増圧が車輪スリップを助長してか
えってスピン抑制効果が低くなるおそれがある。この場
合、目標設定手段が、目標スリップ率Soiを小さい値に
定めるので、車輪ブレ−キ圧の過増圧が抑制される。こ
のように摩擦係数μを横すべり抑制のための車輪ブレ−
キ圧制御のパラメ−タにしているので、スピン抑制の安
定性が向上し、しかも、摩擦係数μが高い場合にはスピ
ンによる車体姿勢の乱れが早期にかつ効果的に抑止され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1に示す車輪ブレ−キ圧系統の電磁弁等の
通電を制御する電子制御装置の構成概要を示すブロック
図である。
【図3】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の車輪
ブレ−キ圧制御に関連する制御機能をブロック区分で示
すブロック図である。
【図4】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の車輪
ブレ−キ圧制御の内容の概要を、情報の流れを主体に示
すフロ−チャ−トである。
【図5】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の車輪
ブレ−キ圧制御の概要を、制御動作を主体に示すフロ−
チャ−トである。
【図6】 図5に示す「車輪速演算&車輪加速度演算」
100の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図5に示す「車両状態量推定」200の内容
を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図5に示す「制御モ−ド開始・終了処理」3
00の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図9】 図8に示す「B−STR−OS開始/終了判
別」300Dの内容を示すフロ−チャ−トである。
【図10】 図8に示す「B−STR−US開始/終了
判別」300Eの内容を示すフロ−チャ−トである。
【図11】 図5に示す「B−STR制御」700の内
容を示すフロ−チャ−トである。
【図12】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図13】 図12に示す「制御輪選択」705の第1
変形例を示すフロ−チャ−トである。
【図14】 図12に示す「制御輪選択」705の第2
変形例を示すフロ−チャ−トである。
【図15】 図12に示す「制御輪選択」705の第3
変形例を示すフロ−チャ−トである。
【図16】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図17】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図18】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図19】 図2に示す4WSコントロ−ラ70の機能
概要を示すブロック図である。
【図20】 図11に示す「B−STR−US制御」7
00Bの内容を示すフロ−チャ−トである。
【図21】 図11に示す「スリップ率サ−ボ演算」7
00Cの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図22】 図11に示す「スリップ率サ−ボ演算」7
00Cの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図23】 図11に示す「スリップ率サ−ボ演算」7
00Cの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図24】 図22のステップ743中に示すゲインG
soiの、横すべり角βの変化に対する変化傾向を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
2:ブレ−キマスタシリンダ 3:ブレ−
キペダル 4:ブレ−キ液リザ−バ 5:ハイド
ロブ−スタ 6:比例制御弁 10:電子
制御装置 11:マイクロコンピュ−タ 12:入力
インタ−フェイス 13:出力インタ−フェイス 14:CP
U 15:ROM 16:RA
M 17:タイマ 18a〜1
8m:信号処理回路 19a〜19m:モ−タドライバおよびソレノイドドラ
イバ 20:高圧力源 21:ポン
プ 22:アキュムレ−タ 23:リリ
−フバルブ 24:電気モ−タ 25:チェ
ックバルブ 31,33,35,37:増圧用電磁弁 32,34,36,38:減圧用電磁弁 41〜44:車輪速度センサ 45:スト
ップスイッチ 46:圧力センサ 47:低圧
スイッチ YA:ヨ−レ−トセンサ θF:前輪舵角センサ θR:後輪
舵角センサ GX:前後加速度センサ GY:横加
速度センサ 51〜54:車輪ブレ−キ 61,62,63,64:電磁切換弁 139〜142:チェックバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深 見 昌 伸 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 伊 藤 孝 之 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 西 沢 義 治 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 山 崎 憲 雄 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪回転速度検出手段,車輪回転速度より
    車体速度を推定算出する車体速検出手段,車体前後方向
    加速度検出手段,車体横方向加速度検出手段,ヨ−レ−
    ト検出手段,車体横すべり角βを推定算出する横すべり
    角検出手段,これらの検出手段の検出値又は算出値に基
    づいて、車両走行安定性および操舵性を確保するために
    ブレ−キ圧を増,減圧する車輪ブレ−キを決定する情報
    処理手段、および、該決定された車輪ブレ−キ圧を増,
    減圧するブレ−キ圧操作手段を備える車輪ブレ−キ圧制
    御装置において、 前記検出手段の検出値又は算出値に基づいて、路面の摩
    擦係数μを推定算出するμ検出手段;を更に備え、 前記情報処理手段は、前記車体横すべり角βおよび摩擦
    係数μに対応して、βが大きいと大きくμが大きいと大
    きい目標スリップ率Soiを定める目標設定手段;前記検
    出手段の検出値又は算出値に基づいて、車輪の実スリッ
    プ率を推定算出する実スリップ率検出手段;および、実
    スリップ率を目標スリップ率Soiに合致させるための車
    輪ブレ−キ圧の増,減圧を決定する増減圧決定手段;を
    含む、ことを特徴とする、車輪ブレ−キ圧制御装置。
  2. 【請求項2】目標設定手段は、車体横すべり角βおよび
    摩擦係数μならびに横すべり角速度Dβに基づいて、横
    すべり角速度Dβが大きいと大きい目標スリップ率Soi
    を定める、請求項1記載の車輪ブレ−キ圧制御装置。
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