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JPH08136728A - 偏光フィルム - Google Patents

偏光フィルム

Info

Publication number
JPH08136728A
JPH08136728A JP27614194A JP27614194A JPH08136728A JP H08136728 A JPH08136728 A JP H08136728A JP 27614194 A JP27614194 A JP 27614194A JP 27614194 A JP27614194 A JP 27614194A JP H08136728 A JPH08136728 A JP H08136728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polarizing film
degree
pva
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27614194A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Isozaki
孝徳 磯崎
Masahiro Nagao
昌浩 長尾
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP27614194A priority Critical patent/JPH08136728A/ja
Publication of JPH08136728A publication Critical patent/JPH08136728A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温延伸性に優れ、光学特性の向上した偏光
フィルム及びその製造法を提供する。 【構成】 1,2−グリコール結合量が1.8モル%以
上であるポリビニルアルコール系重合体からなる一軸延
伸フィルムを基材とする偏光フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は偏光フィルムに関する。
更に詳しくは延伸性が良好であり、光学特性に優れる偏
光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置は時計、電卓、ワー
プロおよび機械の計器類等の比較的小画面の表示装置と
して用いられ、表示品質に対する要求は特にきびしくな
かった。しかし、近年液晶表示装置がラップトップワー
プロ、ラップトップパソコン、ノートブックパソコン用
のディスプレイとしてや自動車、航空機のインパネ用デ
ィスプレイまた液晶プロジェクター等として幅広く利用
されるようになり、大型化、表示品質の高級化、耐久性
の向上が要求されている。したがって、液晶表示装置の
構成要素である偏光フィルムに関しても、上記課題を達
成するために、大面積化、高偏光度かつ高透過度といっ
た光学特性の向上が求められている。
【0003】従来、偏光膜としてはヨウ素や二色性色素
を吸着させたポリビニルアルコールの一軸延伸フィルム
がよく用いられているが、この偏光フィルムは偏光度が
上記要求に十分応えられるものではない。これに対し
て、高重合度のポリビニルアルコールの一軸延伸フィル
ムを基材として使用する提案(例えば、特開平1−10
5204号)がなされている。しかしながら、これらの
発明を本発明者らが検討したところ、ポリビニルアルコ
ールの重合度およびけん化度の両者が高くなると、延伸
性が低下し通常より高温で延伸する必要が生じ、高温延
伸を行うには新たな設備が必要となり、また、ヨウ素染
色の場合にはヨウ素の昇華により染色性が低下し、製品
品質がばらつくなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】かかる状況下、本発明は
比較的低温での延伸性に優れ、偏光度および透過度等の
光学特性に優れた偏光フィルムを提供しようとするもの
である。特に2色性比が高いこと(高偏光度かつ高透過
度)を特徴とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
解決に向けて鋭意検討した結果、1,2−グリコール結
合量が1.8モル%以上のポリビニルアルコール(以
下、ポリビニルアルコールをPVAと略記することがあ
る。)系重合体からなる一軸延伸フィルムを基材として
用いることにより上記課題を達成することを見いだし、
本発明を完成したものである。従来、偏光フィルムの基
材として使用されているPVA系重合体の1,2−グリ
コール結合量はおよそ1.7モル%である。それに対し
て、本発明の偏光フィルムは1,2−グリコール結合量
が1.8モル%以上のPVA系重合体からなる。そのた
め、結晶化度が低下し、ヨウ素や染料等の二色性物質の
配向を比較的低温の一軸延伸で行うことが可能となる。
【0006】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
偏光フィルムは従来の偏光フィルムに用いられてきたP
VA系重合体よりも1,2−グリコール結合量の高いP
VA系重合体の一軸延伸フィルムを基材とすることを特
徴とする。本発明においてPVA系重合体の1,2−グ
リコール結合量は1.8モル%以上にすることが必要で
あり、好ましくは2.0モル%以上である。延伸性の向
上の目的からすれば、PVA系重合体の1,2−グリコ
ール結合量は高いほど好ましいが、1,2−グリコール
結合量が高すぎると結晶化度が低下してフィルム強度が
低下するため、1,2−グリコール結合量は10.0モ
ル%以下が好ましく、5.0モル%以下がより好まし
い。1,2−グリコール結合量はNMRスペクトルの解
析から求めることができる。
【0007】PVA系重合体の重合度およびケン化度に
ついても本発明の偏光フィルムの性能に影響を与える。
重合度としては、本発明の効果を得るためにはPVA系
重合体の重合度は1000以上が好ましく、1700以
上がより好ましく、3500〜8000がさらにより好
ましく、製膜や延伸等の加工特性の点からは30000
以下が好ましい。ここでPVA系重合体の重合度は該P
VA系重合体を再酢化したポリ酢酸ビニルのアセトン
中、30℃で測定した極限粘度から次式により求めた粘
度平均重合度で表したものである。 P=([η]×1000/7.94)(1/0.62) PVA系重合体のケン化度は、少なくとも85モル%以
上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、98モ
ル%以上がさらにより好ましい。
【0008】1,2−グリコール結合量が1.8モル%
以上のPVA系重合体を、通常の偏光フィルムの基材と
して用いられる公知の1,2−グリコール結合量が1.
7モル%のPVAに混合することによっても延伸性向上
の目的を達することができる。1,2−グリコール結合
量が1.8モル%以上のPVA系重合体の混合割合は少
なくとも5重量%以上、好ましくは20重量%以上、さ
らに好ましくは50重量%以上である。本発明の効果を
得るためには混合後のPVA系重合体の重合度およびケ
ン化度は、上記の混合しないPVA系重合体の好適な値
と同様である。
【0009】本発明の1,2−グリコール結合量が1.
8モル%以上のPVA系重合体は、酢酸ビニル等のビニ
ルエステル系モノマーを70℃以上でラジカル重合して
得られたポリビニルエステル系重合体あるいはビニルエ
ステルとビニレンカーボネートの共重合体をケン化する
ことにより得られる。該ポリビニルエステル系重合体の
重合法としては塊状重合法、懸濁重合法および乳化重合
法が挙げられる。
【0010】かかるポリビニルエステル系重合体として
はギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレ
リン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、
ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ルおよびバーサテイツク酸ビニル等のビニルエステル類
のポリマーが挙げられるが、とりわけ酢酸ビニルのポリ
マーが好ましい。
【0011】また上記のビニルエステルモノマー類に共
重合可能なモノマーを共重合した共重合体であることも
差し支えなく、本発明の主旨を損なわない範囲で使用さ
れる。このようなコモノマーとして例えば、エチレン、
プロピレン,1−ブテン,イソブテン等のオレフィン
類、アクリル酸およびその塩とアクリル酸メチル,アク
リル酸エチル,アクリル酸n−プロピル,アクリル酸i
−プロピル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸i−ブ
チル,アクリル酸t−ブチル,アクリル酸2−エチルヘ
キシル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクタデシル
等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその
塩、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸n−プロピル,メタクリル酸i−プロピル,メタ
クリル酸n−ブチル,メタクリル酸i−ブチル,メタク
リル酸t−ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,
メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸オクタデシル等の
メタクリル酸エステル類、アクリルアミド,N−メチル
アクリルアミド,N−エチルアクリルアミド,N, N−
ジメチルアクリルアミド,ジアセトンアクリルアミド,
アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩,アク
リルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩または
その4級塩,N−メチロールアクリルアミドおよびその
誘導体等のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド,
N−メチルメタクリルアミド,N−エチルメタクリルア
ミド,メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩,メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびそ
の塩またはその4級塩,N−メチロールメタクリルアミ
ドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導体、メチ
ルビニルエーテル,エチルビニルエーテル,n−プロピ
ルビニルエーテル,i−プロピルビニルエーテルn−ブ
チルビニルエーテル,i−ブチルビニルエーテル,t−
ブチルビニルエーテル,ドデシルビニルエーテル,ステ
アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロ
ニトリル,メタクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビ
ニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニル,フッ化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニル,酢酸アリル,塩化アリル等の
アリル化合物、マレイン酸およびその塩またはそのエス
テル、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合
物、酢酸イソプロペニル等がある。
【0012】本発明のPVA系重合体は、上記の方法等
によって得られた1,2−グリコール結合量が1.8モ
ル%以上のポリビニルエステル系重合体を公知の方法に
よりケン化することにより得られる。
【0013】本発明の偏光膜に使用される二色性物質
は、ヨウ素化合物のほか、いわゆる二色性染料が単独ま
たは混合して用いられる。代表的なものとしてたとえば
Directblack 17 ,19,154 、Direct brown 44 ,106
,195 ,210 ,223 、Direct red 2,23,28,31,3
7,39,79,81,240 ,242 ,2 47、Direct blue 1 ,1
5,22,78,90,98,151 ,168 ,202 ,236 ,249 ,2
70 、Direct violet 9 ,12,51,98、Direct green
1,85、Direct yellow 8 ,12,44,86,87、Direct or
ange 26、39,106 ,107 等が挙げられる。
【0014】フィルム中の該二色性物質の量は、少なす
ぎると偏光フィルムの光学的性質を発揮できず、多すぎ
ても光学的性質や耐水性、耐熱性を低下させる要因とな
ることから通常ポリビニルアルコール系重合体に対し
て、0.01重量%から1重量%の範囲に調整される。
【0015】本発明の偏光膜は、たとえば以下の方法に
よって製造される。一つの方法としては、1,2−グリ
コール結合量が1.8モル%以上のPVA系重合体のフ
ィルムを調製した後にヨウ素化合物や染料などの二色性
物質の吸着と一軸延伸を行う方法であり、二色性物質の
吸着と延伸処理の順序は任意である。もう一つの方法と
してはフィルムの製造時に二色性物質を添加し、得られ
た二色性物質を含有するフィルムを一軸延伸する方法で
あり、本発明の偏光膜はどちらの方法でも製造可能であ
る。
【0016】1,2−グリコール結合量が1.8モル%
以上のPVA系重合体のフィルムの製膜は、キャスト製
膜、乾式製膜(空気中や窒素等不活性気体中への押し出
し)、湿式製膜、乾湿式製膜、ゲル製膜(PVA系重合
体溶液を一旦ゲル化させた後フィルムを得る方法)によ
って行われるが、このときに使用される溶剤としてはジ
メチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、エチレングリコール、グリセリン、メタ
ノール、n−プロパノール、i−プロパノール、フェノ
ールおよび水等が単独または混合して使用される。また
塩化リチウム、塩化カルシウム等の無機塩の水溶液も単
独または前記有機溶媒と混合して使用できる。この中で
水、ジメチルスルホキシドやジメチルスルホキシドと水
の混合溶媒またはn−プロパノールと水との混合溶媒が
好んで使用される。
【0017】上記製膜法によって得られたPVA系重合
体のフィルムは二色性物質の吸着と一軸延伸による配向
処理が行われるか、もしくは製膜時に二色性物質を添加
したフィルムについては一軸延伸のみが行われる。吸着
処理と配向処理は同時に行っても別々に行っても問題な
く、その順序は任意である。二色性物質の基材フィルム
への吸着は、通常二色性物質を含有する液体中に浸漬さ
せることにより行われるがその処理条件や方法等に特に
制限はなく、たとえば通常ヨウ素化合物を用いる場合に
はヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、染料の
場合には染料水溶液が用いられる。また、これらの水溶
液にホウ酸,ホウ砂等のホウ素系化合物を添加しても良
い。
【0018】延伸は湿式延伸や乾熱式延伸で行われ、一
軸方向に3倍以上に行うことが好ましく、5倍以上の延
伸を行うことがより好ましい。延伸時の温度は延伸の条
件によっても異なるが、通常20℃から250℃の間で
ある。また乾熱延伸時は不活性気体中で処理を実施する
のが好ましい。延伸後の膜厚は特に制限は無いが3〜1
00μmが好ましく、5〜40μmが特に好ましい。
【0019】吸着と延伸が行われたフィルムは定長下で
空気中または不活性気体中で乾燥される。乾燥されたフ
ィルムは耐水性および耐湿熱性などを付与するため、さ
らに80〜230℃の温度で熱処理を行っても良い。ま
た、基材フィルムへの二色性物質の吸着を強固にするこ
とを目的にホウ酸やホウ砂のようなホウ素化合物を添加
することがあるが、これは吸着や延伸と同時に実施して
もこれらの処理の前後や間のどの時点で実施しても任意
である。
【0020】このようにして得られた偏光膜は、その両
面あるいは片面に光学的に透明で、かつ機械的強度を有
した保護膜を貼り合わせて偏光板として使用される。保
護膜としては通常セルロースアセテート系フィルム、ア
クリル系フィルム、ポリエステル系フィルム等が使用さ
れる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例によりなんら制限されるも
のではない。なお、実施例中の「%」および「部」は特
にことわりのない限りそれぞれ「重量%」および「重量
部」を表す。透過度、偏光度、色相の測定は日本電子機
械工業会規格(EIAJ)LD−201−1983に準
拠し、分光光度計を用いて、C光源,二度視野にて計算
した。また2色性比Rdは以下の計算式により求めた。 Rd=log(T・(1−V))/log(T・(1+
V)) ここで、Tは透過度(%)を100で割った値、Vは偏
光度(%)を100で割った値である。偏光フィルムは
通常保護フィルムをラミネートした状態で使用される
が、以下の実施例および比較例では、保護フィルムのな
い偏光フィルム単独について測定した。
【0022】実施例1 酢酸ビニルの70℃での塊状重合法により得られた高
1,2−グリコール結合量のPVA(重合度4000、
ケン化度99.7モル%、1,2−グリコール結合量
1.8モル%)を、PVA濃度が7重量%になるよう
に、ジメチルスルホキシドの窒素置換を充分行った後、
80℃の加温下で溶解し、PVA溶液を得た。該溶液を
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延し、メタ
ノール凝固浴に浸漬してフィルム化した後に、メタノー
ル抽出浴に導入し、ジメチルスルホキシドの脱溶媒化を
行った。次いで、室温で自然乾燥し、130℃で6.2
倍に一軸延伸し、更に定長下で窒素ガス雰囲気中190
℃で3分間熱固定した。該延伸フィルムをヨウ素0.4
g/リットル(以下、「g/リットル」を「g/l」と
略記する)、ヨウ化カリウム40g/l、ホウ酸40g
/lを溶解した水溶液中に、30℃で6分間浸漬した。
続いて、ホウ酸40g/l、ヨウ化カリウム40g/
l、塩化亜鉛10g/lを溶解した水溶液中で室温にて
5分間のほう酸処理を行った後、定長下で40℃の熱風
下で乾燥して、厚さ18μmの偏光フィルムを得た。該
偏光フィルム中のヨウ素量をチオ硫酸ナトリウムで滴定
して求めたところ、I2 として、0.3重量%であっ
た。得られた偏光フィルムの透過度は42.5%、偏光
度は99.6%、2色性比は38.8であった。
【0023】実施例2 実施例1と同様のPVAを用いて、PVA濃度が7重量
%になるように、95℃の加温下で蒸留水に溶解し、P
VA水溶液を得た。該水溶液をポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に流延し、室温下で自然乾燥してフィル
ム化した。原反フィルムをヨウ素0.2g/l、ヨウ化
カリウム20g/l、ホウ酸40g/lを溶解した水溶
液中に、30℃で3分間浸漬した。続いて、ホウ酸40
g/lを溶かした水溶液中で、50℃で5.2倍に一軸
延伸し、ヨウ化カリウム40g/l、ホウ酸40g/
l、塩化亜鉛10g/lを溶解した水溶液中に4分間の
浸漬処理を行った後、定長下で40℃の熱風下に乾燥し
て、厚さ18μmの偏光フィルムとした。該偏光フィル
ム中のヨウ素量をチオ硫酸ナトリウムで滴定して求めた
ところ、I2 として、0.3重量%であった。得られた
偏光フィルムの透過度は42.5%、偏光度は98.7
%、2色性比は40.6であった。
【0024】実施例3 90℃で酢酸ビニルの乳化重合法により、高1,2−グ
リコール結合量のPVA(重合度1800、ケン化度9
9.7モル%、1,2−グリコール結合量2.0モル
%)を得た。該PVAを用いて40℃で4.6倍に一軸
延伸する以外は実施例2と同様にして、厚さ16μmの
偏光フィルムを調整した。得られた偏光フィルムの透過
度は43.0%、偏光度は98.4%、2色性比は3
1.3であった。
【0025】実施例4 実施例3と同様のPVA(重合度1800、ケン化度9
9.7モル%、1,2−グリコール結合量2.0モル
%)を80部と公知のPVA(重合度3500、ケン化
度99.7モル%、1,2−グリコール結合量1.7モ
ル%)を20部を混合し、粘度平均重合度2100、ケ
ン化度99.7モル%、1,2−グリコール結合量1.
9モル%のPVAを得た。該PVAを用いて45℃で
5.0倍に一軸延伸する以外は実施例2と同様にして、
厚さ16μmの偏光フィルムを調整した。得られた偏光
フィルムの透過度は43.0%、偏光度は99.0%、
2色性比は35.0であった。
【0026】比較例1 重合度3500、ケン化度99.7モル%、1,2−グ
リコール結合量1.70モル%のPVAを使用して50
℃で4.4倍に延伸する以外は、実施例2と全く同様に
して、厚さ18μmの偏光フィルムを調整した。該偏光
フィルムの透過度は43.0%、偏光度は97.9%、
2色性比は29.2であった。
【0027】比較例2 重合度1750、ケン化度99.9モル%、1,2−グ
リコール結合量1.70モル%のPVAを使用して40
℃で3.8倍に延伸する以外は、実施例2と同様にして
厚さ18μmの偏光フィルムを調整した。該偏光フィル
ムの透過度は43.3%、偏光度は95.5%、2色性
比は23.6であった。
【0028】
【発明の効果】上記実施例で明らかなように、本発明の
PVA系重合体から得られた偏光フィルムは延伸温度が
比較的低温にもかかわらず高倍率延伸が可能であり、特
に高重合度化による延伸性低下といった従来からの問題
が解決され、かつ光学性能を向上させることが可能であ
る。偏光フィルムの特徴は2色性比が高い(すなわち高
偏光度かつ高透過度)という顕著な効果を奏する。この
理由は明かでないが、本発明の偏光フィルムは、1,2
−グリコール結合量が従来の偏光フィルムよりも多いP
VA系重合体から成るため非晶部分の割合が高く延伸性
が優れているためと推定される。本発明で得られた偏光
膜は上記特徴を生かして、高性能の要求される液晶ディ
スプレイ、例えば液晶テレビ、ワープロ用ディスプレイ
などに用いられるなど工業的な価値が極めて高いもので
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−グリコール結合量が1.8モル
    %以上であるポリビニルアルコール系重合体からなる一
    軸延伸フィルムを基材とする偏光フィルム。
  2. 【請求項2】 1,2−グリコール結合量が1.8モル
    %以上であるポリビニルアルコール系重合体を5重量%
    以上含有するポリビニルアルコール系重合体からなる一
    軸延伸フィルムを基材とする偏光フィルム。
JP27614194A 1994-11-10 1994-11-10 偏光フィルム Pending JPH08136728A (ja)

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