JPH08134216A - 硫黄系ガス発生量の少ないポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents
硫黄系ガス発生量の少ないポリアリーレンスルフィドの製造方法Info
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- JPH08134216A JPH08134216A JP6269573A JP26957394A JPH08134216A JP H08134216 A JPH08134216 A JP H08134216A JP 6269573 A JP6269573 A JP 6269573A JP 26957394 A JP26957394 A JP 26957394A JP H08134216 A JPH08134216 A JP H08134216A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性及び結晶性を損なうことなく、加熱溶
融時における硫黄系ガス発生量を減少させたポリアリー
レンスルフィドを得る。 【構成】 硫化ナトリウム(A)と1,4−ジクロロベ
ンゼン(b1)を有機極性溶媒存在下で反応させ、反応
率98%以上とこの反応が実質的に完了した後に、1,
3−ジクロロベンゼン(b2)を硫化物(A)に対して
モル比で0.005〜0.1添加し、反応させるポリア
リーレンスルフィドの製造方法。
融時における硫黄系ガス発生量を減少させたポリアリー
レンスルフィドを得る。 【構成】 硫化ナトリウム(A)と1,4−ジクロロベ
ンゼン(b1)を有機極性溶媒存在下で反応させ、反応
率98%以上とこの反応が実質的に完了した後に、1,
3−ジクロロベンゼン(b2)を硫化物(A)に対して
モル比で0.005〜0.1添加し、反応させるポリア
リーレンスルフィドの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性及び結晶性を損
なうことなく加熱溶融時の硫黄系ガス発生量を減少させ
た、成形時の金型の腐食が起こりにくいポリアリーレン
スルフィドを製造する方法に関するものである。得られ
たポリアリーレンスルフィドは、射出成形、押し出し成
形、ブロー成形等各種の成形加工分野において利用され
るものである。
なうことなく加熱溶融時の硫黄系ガス発生量を減少させ
た、成形時の金型の腐食が起こりにくいポリアリーレン
スルフィドを製造する方法に関するものである。得られ
たポリアリーレンスルフィドは、射出成形、押し出し成
形、ブロー成形等各種の成形加工分野において利用され
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド(以下PAS
と略す)は、耐熱性、耐薬品性に優れた熱可塑性ポリマ
ーであり、各種の成形加工分野に利用されている。とこ
ろが、PASを成形加工するために、その融点以上に加
熱し溶融させると、PASからは数々の有機系、無機系
のガスが発生し、これらのガスの発生によって、PAS
の成形加工時においてはその金型が腐食してしまうとい
った欠点があった。このような欠点を改善するために、
たとえば、熱架橋、または反応溶剤での洗浄等によって
オリゴマー成分を減少させたり、減圧下で溶融押し出し
ペレット化したりする事によって数々のガス成分を減少
させる試みがなされてきたが、十分な効果は得られてい
なかった。また、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ンに代表されるジハロスルホン類、4−クロロビフェニ
ルに代表されるモノハロアリーレン類等でPAS末端を
封鎖することによりポリマーを安定化させる方法(US
P4301274,USP4952671)も提示され
ているが、前者ではモノマーの反応速度が速すぎて末端
のみに結合させることは困難であり、後者では逆に反応
速度が遅くまた結晶化速度を低下させるため現実に使用
することは難しかった。
と略す)は、耐熱性、耐薬品性に優れた熱可塑性ポリマ
ーであり、各種の成形加工分野に利用されている。とこ
ろが、PASを成形加工するために、その融点以上に加
熱し溶融させると、PASからは数々の有機系、無機系
のガスが発生し、これらのガスの発生によって、PAS
の成形加工時においてはその金型が腐食してしまうとい
った欠点があった。このような欠点を改善するために、
たとえば、熱架橋、または反応溶剤での洗浄等によって
オリゴマー成分を減少させたり、減圧下で溶融押し出し
ペレット化したりする事によって数々のガス成分を減少
させる試みがなされてきたが、十分な効果は得られてい
なかった。また、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ンに代表されるジハロスルホン類、4−クロロビフェニ
ルに代表されるモノハロアリーレン類等でPAS末端を
封鎖することによりポリマーを安定化させる方法(US
P4301274,USP4952671)も提示され
ているが、前者ではモノマーの反応速度が速すぎて末端
のみに結合させることは困難であり、後者では逆に反応
速度が遅くまた結晶化速度を低下させるため現実に使用
することは難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】PASを成形加工する
際に上記のような金型の腐食といった問題は深刻であ
り、早急な解決が望まれているところである。本発明が
解決しようとする課題は、この様な問題を引きおこす原
因となる腐食性ガスの中で、特に硫黄系のガスに着目
し、このガスの発生量を減少させることにある。
際に上記のような金型の腐食といった問題は深刻であ
り、早急な解決が望まれているところである。本発明が
解決しようとする課題は、この様な問題を引きおこす原
因となる腐食性ガスの中で、特に硫黄系のガスに着目
し、このガスの発生量を減少させることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは検討を積み
重ねた結果、PASの末端を1,3−ジハロベンゼンで
封鎖することにより、その耐熱性及び結晶性を損なうこ
となく、従来のPASと比較して、加熱溶融時における
硫黄系ガス発生量が少ないPASを合成することに成功
した。
重ねた結果、PASの末端を1,3−ジハロベンゼンで
封鎖することにより、その耐熱性及び結晶性を損なうこ
となく、従来のPASと比較して、加熱溶融時における
硫黄系ガス発生量が少ないPASを合成することに成功
した。
【0005】すなわち本発明は、アルカリ金属硫化物
(A)と、ポリハロ芳香族化合物(B)とを必須成分と
して反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する方
法において、硫化物(A)と1,4−ジハロベンゼンま
たはジハロナフタレン(b1)を反応させ(主反応)、
その反応が実質的に完了した後に、1,3−ジハロベン
ゼン(b2)を添加し反応させることを特徴とするポリ
アリーレンスルフィドの製造方法にある。本発明方法
は、耐熱性及び結晶性を損なうことなく加熱溶融時にお
ける硫黄系ガス発生量を減少させたPASを製造する方
法を提供するものである。
(A)と、ポリハロ芳香族化合物(B)とを必須成分と
して反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する方
法において、硫化物(A)と1,4−ジハロベンゼンま
たはジハロナフタレン(b1)を反応させ(主反応)、
その反応が実質的に完了した後に、1,3−ジハロベン
ゼン(b2)を添加し反応させることを特徴とするポリ
アリーレンスルフィドの製造方法にある。本発明方法
は、耐熱性及び結晶性を損なうことなく加熱溶融時にお
ける硫黄系ガス発生量を減少させたPASを製造する方
法を提供するものである。
【0006】一般的に、PASは、アルカリ金属硫化
物、ポリハロ芳香族化合物とを有機極性溶媒存在下で重
合して製造されるものであって、例えば特公昭45−3
368号、USP3919177、USP441572
9、USP4645826等に開示されているような方
法で製造され得る。
物、ポリハロ芳香族化合物とを有機極性溶媒存在下で重
合して製造されるものであって、例えば特公昭45−3
368号、USP3919177、USP441572
9、USP4645826等に開示されているような方
法で製造され得る。
【0007】本発明の方法によって加熱溶融時における
硫黄系ガス発生量が少ないPASを製造するためには、
この様な方法において、アルカリ金属硫化物と1,4−
ジハロベンゼン等との重合反応(主反応)が実質的に完
了した後に1,3−ジハロベンゼンを添加させることが
必要である。
硫黄系ガス発生量が少ないPASを製造するためには、
この様な方法において、アルカリ金属硫化物と1,4−
ジハロベンゼン等との重合反応(主反応)が実質的に完
了した後に1,3−ジハロベンゼンを添加させることが
必要である。
【0008】ところで重合反応途中に1,3−ジハロベ
ンゼンを添加するPASの製造方法が特開平2−103
232号公報に開示されている。しかしながら、同公報
の実施例を追試してみると、1,4−ハロベンゼンの反
応率が50%強と低い時期に1,3−ジハロベンゼンを
添加しており、この方法は、当該公報中にも記載されて
いるように共重合体中に1,3−フェニレンスルフィド
の構造単位を不規則に分布させるものである。このため
かかる方法では依然としてPPSの特徴である耐熱性、
結晶性は損なわれ、融点の低下、結晶化度、結晶化速度
の低下はあるし、また硫黄系ガス発生量の低減効果も小
さい。
ンゼンを添加するPASの製造方法が特開平2−103
232号公報に開示されている。しかしながら、同公報
の実施例を追試してみると、1,4−ハロベンゼンの反
応率が50%強と低い時期に1,3−ジハロベンゼンを
添加しており、この方法は、当該公報中にも記載されて
いるように共重合体中に1,3−フェニレンスルフィド
の構造単位を不規則に分布させるものである。このため
かかる方法では依然としてPPSの特徴である耐熱性、
結晶性は損なわれ、融点の低下、結晶化度、結晶化速度
の低下はあるし、また硫黄系ガス発生量の低減効果も小
さい。
【0009】一方、本発明は、アルカリ金属硫化物と
1,4−ジハロベンゼン等との重合反応(主反応)が実
質的に完了した後に1,3−ジハロベンゼンを添加し、
反応させて加熱溶融時における硫黄系ガス発生量が少な
いPASを製造する方法である。本発明者等は、重合反
応が実質的に完了した時期に1,3−ジハロベンゼンを
添加し反応させる本発明方法では、末端がアルカリ金属
塩となっているポリマー末端が封鎖されて、分子末端が
3−モノハロフェニル基であるPASとする反応が行わ
れていると考える。そしてこのためにその耐熱性及び結
晶性を損なうことなく、従来のPASと比較して、加熱
溶融時における硫黄系ガス発生量が少ないPASが得ら
れると考える。
1,4−ジハロベンゼン等との重合反応(主反応)が実
質的に完了した後に1,3−ジハロベンゼンを添加し、
反応させて加熱溶融時における硫黄系ガス発生量が少な
いPASを製造する方法である。本発明者等は、重合反
応が実質的に完了した時期に1,3−ジハロベンゼンを
添加し反応させる本発明方法では、末端がアルカリ金属
塩となっているポリマー末端が封鎖されて、分子末端が
3−モノハロフェニル基であるPASとする反応が行わ
れていると考える。そしてこのためにその耐熱性及び結
晶性を損なうことなく、従来のPASと比較して、加熱
溶融時における硫黄系ガス発生量が少ないPASが得ら
れると考える。
【0010】本発明で用いられるアルカリ金属硫化物と
しては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウ
ム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びその混合物が含
まれる。また、かかるアルカリ金属水酸化物としては、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ルビジウム、水酸化セシウム及びその混合物が含
まれる。なお、通常アルカリ金属硫化物中には、アルカ
リ金属水硫化物、アルカリ金属チオ硫化物が微量存在す
るので、これらとの反応に対応する当量のアルカリ金属
水酸化物を過剰に加えておくことができる。また、これ
らのアルカリ金属硫化物は、反応中にアルカリ金属水硫
化物とアルカリ金属水酸化物とから合成されてもよい。
かかるアルカリ金属水硫化物としては、水硫化リチウ
ム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビジ
ウム、水硫化セシウム及びその混合物が含まれる。かか
るアルカリ金属硫化物、アルカリ金属水酸化物及びアル
カリ金属水硫化物は水和物および/または水性混合物あ
るいは無水の形で用いることができ、その形状にも制限
はなく、結晶、フレーク状、溶液状、溶融状態いずれで
もよい。
しては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウ
ム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びその混合物が含
まれる。また、かかるアルカリ金属水酸化物としては、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ルビジウム、水酸化セシウム及びその混合物が含
まれる。なお、通常アルカリ金属硫化物中には、アルカ
リ金属水硫化物、アルカリ金属チオ硫化物が微量存在す
るので、これらとの反応に対応する当量のアルカリ金属
水酸化物を過剰に加えておくことができる。また、これ
らのアルカリ金属硫化物は、反応中にアルカリ金属水硫
化物とアルカリ金属水酸化物とから合成されてもよい。
かかるアルカリ金属水硫化物としては、水硫化リチウ
ム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビジ
ウム、水硫化セシウム及びその混合物が含まれる。かか
るアルカリ金属硫化物、アルカリ金属水酸化物及びアル
カリ金属水硫化物は水和物および/または水性混合物あ
るいは無水の形で用いることができ、その形状にも制限
はなく、結晶、フレーク状、溶液状、溶融状態いずれで
もよい。
【0011】前記した本発明の主反応で用いられるポリ
ハロ芳香族化合物は、耐熱性及び結晶性優れる1,4−
ジハロベンゼンまたはジハロナフタレンである。具体的
には、1,4−ジクロロベンゼン、1,4−ジブロモベ
ンゼン、1−クロロ−4−ブロムベンゼン、ジヨードベ
ンゼン、ジクロロナフタレン、ジブロモナフタレン等が
挙げられる。得られるPASの耐熱性、結晶性を損なわ
ない範囲でその他のポリハロ芳香族化合物を用いること
ができる。具体的には、1,3−ジクロロベンゼン、
1,2−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テト
ラクロロベンゼン、トリクロロナフタレン、トリブロモ
ベンゼン、トリヨードベンゼン、ジクロロジフェニルス
ルホン、ジブロモジフェニルスルホン、ジクロロベンゾ
フェノン、ジブロモベンゾフェノン、ジクロロジフェニ
ルエーテル、ジブロモジフェニルエーテル、ジクロロジ
フェニルスルフィド、ジブロモジフェニルスルフィド、
ジクロロビフェニル、ジブロモビフェニル、トリクロロ
ビフェニル、トリブロモビフェニル、トリブロモナフタ
レンや、ジハロアニリン、ジハロ安息香酸、ジハロベン
ゾニトリル等の変性ポリハロ芳香族等及びこれらの混合
物があげられる。通常、PASの合成ではジハロ芳香族
化合物が使用されるが、ポリマーに分岐構造をもたせ、
粘度増大を図るために1分子中に3個以上のハロゲン置
換基をもつポリハロ芳香族化合物を少量ジハロ芳香族化
合物と併用させることもできる。具体的にはポリフェニ
レンスルフィド(PPS)の合成において1,4−ジハ
ロベンゼンにトリハロベンゼン又はテトラハロベンゼン
を併用する例が好適に挙げられる。高粘度のPASが必
要となる場合においては、酸素存在下における熱架橋に
よって硫黄系発生ガスを増加させることなく、任意の粘
度を有するPASを得ることができるため、これは非常
に有効な手段となり得る。
ハロ芳香族化合物は、耐熱性及び結晶性優れる1,4−
ジハロベンゼンまたはジハロナフタレンである。具体的
には、1,4−ジクロロベンゼン、1,4−ジブロモベ
ンゼン、1−クロロ−4−ブロムベンゼン、ジヨードベ
ンゼン、ジクロロナフタレン、ジブロモナフタレン等が
挙げられる。得られるPASの耐熱性、結晶性を損なわ
ない範囲でその他のポリハロ芳香族化合物を用いること
ができる。具体的には、1,3−ジクロロベンゼン、
1,2−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テト
ラクロロベンゼン、トリクロロナフタレン、トリブロモ
ベンゼン、トリヨードベンゼン、ジクロロジフェニルス
ルホン、ジブロモジフェニルスルホン、ジクロロベンゾ
フェノン、ジブロモベンゾフェノン、ジクロロジフェニ
ルエーテル、ジブロモジフェニルエーテル、ジクロロジ
フェニルスルフィド、ジブロモジフェニルスルフィド、
ジクロロビフェニル、ジブロモビフェニル、トリクロロ
ビフェニル、トリブロモビフェニル、トリブロモナフタ
レンや、ジハロアニリン、ジハロ安息香酸、ジハロベン
ゾニトリル等の変性ポリハロ芳香族等及びこれらの混合
物があげられる。通常、PASの合成ではジハロ芳香族
化合物が使用されるが、ポリマーに分岐構造をもたせ、
粘度増大を図るために1分子中に3個以上のハロゲン置
換基をもつポリハロ芳香族化合物を少量ジハロ芳香族化
合物と併用させることもできる。具体的にはポリフェニ
レンスルフィド(PPS)の合成において1,4−ジハ
ロベンゼンにトリハロベンゼン又はテトラハロベンゼン
を併用する例が好適に挙げられる。高粘度のPASが必
要となる場合においては、酸素存在下における熱架橋に
よって硫黄系発生ガスを増加させることなく、任意の粘
度を有するPASを得ることができるため、これは非常
に有効な手段となり得る。
【0012】本発明で用いる極性有機溶媒としては、ホ
ルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−エチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタ
ム、N−メチル−ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホ
スホルアミド、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルプ
ロピレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン酸のアミド尿素及びラクタム類;スルホラン、ジメチ
ルスルホラン等のスルホン類;ベンゾニトリル等のニト
リル類;メチルフェニルケトン等のケトン類;ポリエチ
レングリコール等及びその混合物があげられる。
ルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−エチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタ
ム、N−メチル−ε−カプロラクタム、ヘキサメチルホ
スホルアミド、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルプ
ロピレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン酸のアミド尿素及びラクタム類;スルホラン、ジメチ
ルスルホラン等のスルホン類;ベンゾニトリル等のニト
リル類;メチルフェニルケトン等のケトン類;ポリエチ
レングリコール等及びその混合物があげられる。
【0013】本発明方法においては、必要に応じて重合
助剤の存在下で反応を行うこともできる。用いられる重
合助剤としては、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロ
ゲン化リチウム;ギ酸リチウム、酢酸リチウム等のカル
ボン酸リチウム;炭酸リチウム、酸化リチウム等のリチ
ウム化合物等あるいは、塩化ナトリウム、臭化ナトリウ
ム等のハロゲン化ナトリウム;ギ酸ナトリウム、酢酸ナ
トリウム等のカルボン酸ナトリウム;炭酸ナトリウム、
酸化ナトリウム等のナトリウム化合物等が挙げられる。
上記リチウム化合物あるいはナトリウム化合物の中で
は、塩化リチウム、酢酸リチウム、炭酸リチウムあるい
は酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。本発
明において、上記リチウム化合物あるいはナトリウム化
合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
助剤の存在下で反応を行うこともできる。用いられる重
合助剤としては、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロ
ゲン化リチウム;ギ酸リチウム、酢酸リチウム等のカル
ボン酸リチウム;炭酸リチウム、酸化リチウム等のリチ
ウム化合物等あるいは、塩化ナトリウム、臭化ナトリウ
ム等のハロゲン化ナトリウム;ギ酸ナトリウム、酢酸ナ
トリウム等のカルボン酸ナトリウム;炭酸ナトリウム、
酸化ナトリウム等のナトリウム化合物等が挙げられる。
上記リチウム化合物あるいはナトリウム化合物の中で
は、塩化リチウム、酢酸リチウム、炭酸リチウムあるい
は酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。本発
明において、上記リチウム化合物あるいはナトリウム化
合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0014】本発明における極性有機溶媒の使用量は、
アルカリ金属硫化物に対するモル比で10〜2.0、好
ましくは8.0〜3.0の範囲である。また、本発明で
主反応中で用いるポリハロ芳香族化合物の使用量は、ア
ルカリ金属硫化物に対するモル比で、0.50〜10.
0、好ましくは0.80〜5.0、より好ましくは0.
9〜1.1の範囲である。
アルカリ金属硫化物に対するモル比で10〜2.0、好
ましくは8.0〜3.0の範囲である。また、本発明で
主反応中で用いるポリハロ芳香族化合物の使用量は、ア
ルカリ金属硫化物に対するモル比で、0.50〜10.
0、好ましくは0.80〜5.0、より好ましくは0.
9〜1.1の範囲である。
【0015】本発明方法においては、アルカリ金属硫化
物(A)と1,4−ジハロベンゼンまたはジハロナフタ
レン(b1)との反応(主反応)が実質的に完了した後
に、1,3−ジハロベンゼン(b2)を添加し反応させ
る。
物(A)と1,4−ジハロベンゼンまたはジハロナフタ
レン(b1)との反応(主反応)が実質的に完了した後
に、1,3−ジハロベンゼン(b2)を添加し反応させ
る。
【0016】使用する1,3−ジハロベンゼンとして
は、例えば1,3−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロ
モベンゼン、1−クロロ−3−ブロモベンゼン等が挙げ
られる。
は、例えば1,3−ジクロロベンゼン、1,3−ジブロ
モベンゼン、1−クロロ−3−ブロモベンゼン等が挙げ
られる。
【0017】主反応完了後における1,3−ジハロベン
ゼンの添加量は、アルカリ金属硫化物に対するモル比
で、0.001〜0.5、好ましくは0.002〜0.
3、より好ましくは0.005〜0.1である。分子末
端が3−モノハロフェニル基で封鎖されたPASを得る
との本発明者等の考えによれば、1,3−ジハロベンゼ
ンの添加量は少量でその目的は達成されうる。しかしP
AS末端Sアルカリ金属塩との反応を速やかに完結させ
るためには、未反応の1,3−ジハロベンゼンが系内に
残存し回収されることにはなるが過剰量の1,3−ジハ
ロベンゼンを添加しておくほうがよい。
ゼンの添加量は、アルカリ金属硫化物に対するモル比
で、0.001〜0.5、好ましくは0.002〜0.
3、より好ましくは0.005〜0.1である。分子末
端が3−モノハロフェニル基で封鎖されたPASを得る
との本発明者等の考えによれば、1,3−ジハロベンゼ
ンの添加量は少量でその目的は達成されうる。しかしP
AS末端Sアルカリ金属塩との反応を速やかに完結させ
るためには、未反応の1,3−ジハロベンゼンが系内に
残存し回収されることにはなるが過剰量の1,3−ジハ
ロベンゼンを添加しておくほうがよい。
【0018】1,3−ジハロベンゼンは主反応が実質的
に完了した後に添加される。ここで主反応が実質的に完
了するとは、反応率が95%以上、好ましくは98%以
上になるまで反応が進行したことをいう。ここで反応率
とは、主反応に使用したアルカリ金属硫化物のモル数も
しくはポリハロ芳香族化合物のモル数の小さい方を基準
として、主反応終了後のその成分の消費された割合をい
い、この値が95%を超えると、反応をそのまま続行し
ても残存する原料の減少はほとんどおこらなくなるた
め、反応は実質的に完了したと見なすことができる。こ
れより早い段階、即ち主反応が実質的に完了する以前の
段階で1,3−ジハロベンゼンを添加すると、分子量の
増加が妨げられたり、メタ構造がポリマー主鎖中に組み
込まれる量が増加し結晶化率や結晶化速度の低下を引き
おこしたりする。
に完了した後に添加される。ここで主反応が実質的に完
了するとは、反応率が95%以上、好ましくは98%以
上になるまで反応が進行したことをいう。ここで反応率
とは、主反応に使用したアルカリ金属硫化物のモル数も
しくはポリハロ芳香族化合物のモル数の小さい方を基準
として、主反応終了後のその成分の消費された割合をい
い、この値が95%を超えると、反応をそのまま続行し
ても残存する原料の減少はほとんどおこらなくなるた
め、反応は実質的に完了したと見なすことができる。こ
れより早い段階、即ち主反応が実質的に完了する以前の
段階で1,3−ジハロベンゼンを添加すると、分子量の
増加が妨げられたり、メタ構造がポリマー主鎖中に組み
込まれる量が増加し結晶化率や結晶化速度の低下を引き
おこしたりする。
【0019】本発明において重合助剤を用いる場合、そ
の重合助剤の量は、アルカリ金属硫化物に対するモル比
で、0.01〜2.0、好ましくは0.02〜1.6で
ある。この重合助剤量が上記範囲より少ないと、その効
果が小さく、また上記範囲を超えると添加量の割に重合
助剤の効果が十分に発揮されず、むしろ生成した重合体
中に重合助剤が高濃度で残存する可能性があり、洗浄工
程の繁雑化を招くために好ましくない。
の重合助剤の量は、アルカリ金属硫化物に対するモル比
で、0.01〜2.0、好ましくは0.02〜1.6で
ある。この重合助剤量が上記範囲より少ないと、その効
果が小さく、また上記範囲を超えると添加量の割に重合
助剤の効果が十分に発揮されず、むしろ生成した重合体
中に重合助剤が高濃度で残存する可能性があり、洗浄工
程の繁雑化を招くために好ましくない。
【0020】本発明において、反応温度は80〜300
℃の範囲であり、反応途中でその温度を段階的に、もし
くは連続的に変化させることができる。また反応時間
は、反応温度にも影響されるが、0.5〜30時間、好
ましくは1〜15時間の範囲である。反応時間がこの範
囲より短いと、十分な粘度のポリマーを得ることが困難
になり、また反応時間がこの範囲より長いと、生産性が
悪くなる。またこの反応は、好ましくは、不活性ガスの
雰囲気下で行われる。
℃の範囲であり、反応途中でその温度を段階的に、もし
くは連続的に変化させることができる。また反応時間
は、反応温度にも影響されるが、0.5〜30時間、好
ましくは1〜15時間の範囲である。反応時間がこの範
囲より短いと、十分な粘度のポリマーを得ることが困難
になり、また反応時間がこの範囲より長いと、生産性が
悪くなる。またこの反応は、好ましくは、不活性ガスの
雰囲気下で行われる。
【0021】本発明における反応装置としては、槽型、
管型等いずれでもよく、また回分操作、半回分操作、流
通操作のいずれで反応を行ってもかまわない。本発明の
方法によって得られるPASは通常の方法、例えば、反
応終了後の反応混合物のろ過、引き続く水洗により、ま
たは反応混合物の水による希釈、引き続くろ過及び水洗
により、さらには、反応混合物から反応溶媒を留去し、
引き続いて水洗及び有機溶媒洗する方法等によって反応
混合物から分離、精製することができる。
管型等いずれでもよく、また回分操作、半回分操作、流
通操作のいずれで反応を行ってもかまわない。本発明の
方法によって得られるPASは通常の方法、例えば、反
応終了後の反応混合物のろ過、引き続く水洗により、ま
たは反応混合物の水による希釈、引き続くろ過及び水洗
により、さらには、反応混合物から反応溶媒を留去し、
引き続いて水洗及び有機溶媒洗する方法等によって反応
混合物から分離、精製することができる。
【0022】本発明の方法によって製造されるPASの
具体例として、代表的にはPPS(ポリフェニレンスル
フィド)があげられる。しかし本発明の方法によって製
造されるPASはこのものに限らず、前記の原料によっ
て製造しうるすべてのポリマー及びその共重合体があ
る。また、これらのポリマーは、必要に応じて熱架橋し
て用いることもできる。これらのPASは、加熱溶融時
における硫黄系ガス発生量が少ないという非常に優れた
性質を持っており、共重合成分や、分子量、粘度を調整
することにより、射出成形用、圧縮成形用、フィルム・
繊維・シート・管・チューブなどの押出成形品及びブロ
ー成形品用等の各種成形用に、さらにトランジスタ・コ
ンデンサ・IC等の電子部品の封止用等に用いることが
できる。必要ならばこのポリマーに、充填剤、顔料、難
燃剤、安定化剤、シランカップリング剤や他のポリマー
を配合することも好適である。例えば、機械的強度及び
耐熱性を向上させるために、ガラス繊維あるいは炭素繊
維を配合することもできる。
具体例として、代表的にはPPS(ポリフェニレンスル
フィド)があげられる。しかし本発明の方法によって製
造されるPASはこのものに限らず、前記の原料によっ
て製造しうるすべてのポリマー及びその共重合体があ
る。また、これらのポリマーは、必要に応じて熱架橋し
て用いることもできる。これらのPASは、加熱溶融時
における硫黄系ガス発生量が少ないという非常に優れた
性質を持っており、共重合成分や、分子量、粘度を調整
することにより、射出成形用、圧縮成形用、フィルム・
繊維・シート・管・チューブなどの押出成形品及びブロ
ー成形品用等の各種成形用に、さらにトランジスタ・コ
ンデンサ・IC等の電子部品の封止用等に用いることが
できる。必要ならばこのポリマーに、充填剤、顔料、難
燃剤、安定化剤、シランカップリング剤や他のポリマー
を配合することも好適である。例えば、機械的強度及び
耐熱性を向上させるために、ガラス繊維あるいは炭素繊
維を配合することもできる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例及び比較例によ
り具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
り具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0024】ここで、PAS加熱溶融時の硫黄系ガス発
生量は以下の方法にて測定を行った。まず、PASポリ
マー約0.100gをバイアル瓶に取り精秤した。次に
密閉状態で320℃の半田浴に15分間浸漬した後取り
出し、室温にて15分間放冷後−80℃のドライアイス
/メタノール混合物中に15分間浸漬した。さらに0.
03%過酸化水素水2mlを加え、発生した硫黄系ガス
成分を吸収させた後、ふたをあけ、さらに0.03%過
酸化水素水、3×10-3M炭酸ナトリウム、3×10-3
M炭酸水素ナトリウムをそれぞれ5ml加えろ過したも
のを試料溶液とした。このとき発生した硫黄系ガス成分
は酸化され、硫酸イオンの形になっているため、これを
イオンクロマトグラフィ測定により定量し、さらにこれ
をポリマー1g当たりのSO2重量に換算して、硫黄系
ガス発生量として評価した。
生量は以下の方法にて測定を行った。まず、PASポリ
マー約0.100gをバイアル瓶に取り精秤した。次に
密閉状態で320℃の半田浴に15分間浸漬した後取り
出し、室温にて15分間放冷後−80℃のドライアイス
/メタノール混合物中に15分間浸漬した。さらに0.
03%過酸化水素水2mlを加え、発生した硫黄系ガス
成分を吸収させた後、ふたをあけ、さらに0.03%過
酸化水素水、3×10-3M炭酸ナトリウム、3×10-3
M炭酸水素ナトリウムをそれぞれ5ml加えろ過したも
のを試料溶液とした。このとき発生した硫黄系ガス成分
は酸化され、硫酸イオンの形になっているため、これを
イオンクロマトグラフィ測定により定量し、さらにこれ
をポリマー1g当たりのSO2重量に換算して、硫黄系
ガス発生量として評価した。
【0025】〔実施例1〕底弁を有する撹拌機付4.5
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物556.
1g(4.271モル)、N−メチルピロリドン1500g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液10.7g(0.128モル)を仕込
み、窒素雰囲気下で200℃まで2時間かけて150r
pmで撹拌しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メ
チルピロリドンの混合物を留出させた。最終的な留出分
は146.01gであった。本留出分中の水分及び硫黄分を測
定したところ、水分125.28g(理論留出水量228.51g)、
硫黄分15.3ミリモル(仕込硫黄分に対して0.36%)を含有
していた。
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物556.
1g(4.271モル)、N−メチルピロリドン1500g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液10.7g(0.128モル)を仕込
み、窒素雰囲気下で200℃まで2時間かけて150r
pmで撹拌しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メ
チルピロリドンの混合物を留出させた。最終的な留出分
は146.01gであった。本留出分中の水分及び硫黄分を測
定したところ、水分125.28g(理論留出水量228.51g)、
硫黄分15.3ミリモル(仕込硫黄分に対して0.36%)を含有
していた。
【0026】次いでこの系を密閉し、1,4−ジクロロ
ベンゼン628.76g(4.277モル)及びN−メチルピロリド
ン338.6gを加え、220℃で4.5時間重合を行っ
た。その後30分かけて255℃まで昇温し、さらに3
時間反応を続行した。このときの反応率は99.0%で
あった。
ベンゼン628.76g(4.277モル)及びN−メチルピロリド
ン338.6gを加え、220℃で4.5時間重合を行っ
た。その後30分かけて255℃まで昇温し、さらに3
時間反応を続行した。このときの反応率は99.0%で
あった。
【0027】この系を255℃に保ったまま、1,3−
ジクロロベンゼン6.26g(0.0426モル)及びN−メチルピ
ロリドン3.4gを加え、さらに1時間反応を続行した。
反応終了後、室温まで冷却した後に、反応混合物スラリ
ーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗洗浄、乾燥し
て、白色の粉末状ポリフェニレンスルフィド445.6g(収
率97.0%)を得た。本ポリマーの、315.6℃、
200sec-1にて測定した溶融粘度は850poise、
融点Tm=284.2℃、結晶化温度Tc=232.1
℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算でポリマー1g当た
り15μgであった。
ジクロロベンゼン6.26g(0.0426モル)及びN−メチルピ
ロリドン3.4gを加え、さらに1時間反応を続行した。
反応終了後、室温まで冷却した後に、反応混合物スラリ
ーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗洗浄、乾燥し
て、白色の粉末状ポリフェニレンスルフィド445.6g(収
率97.0%)を得た。本ポリマーの、315.6℃、
200sec-1にて測定した溶融粘度は850poise、
融点Tm=284.2℃、結晶化温度Tc=232.1
℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算でポリマー1g当た
り15μgであった。
【0028】〔実施例2〕底弁を有する撹拌機付4.5
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物556.
1g(4.271モル)、N−メチルピロリドン1500g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液7.13g(0.0856モル)を仕込
み、窒素雰囲気下で200℃まで2時間かけて150r
pmで撹拌しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メ
チルピロリドンの混合物を留出させた。最終的な留出分
は144.55gであった。本留出分中の水分及び硫黄分を測
定したところ、水分123.60g(理論留出水量226.65g)、
硫黄分13.6ミリモル(仕込硫黄分に対して0.32%)を含有
していた。
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物556.
1g(4.271モル)、N−メチルピロリドン1500g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液7.13g(0.0856モル)を仕込
み、窒素雰囲気下で200℃まで2時間かけて150r
pmで撹拌しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メ
チルピロリドンの混合物を留出させた。最終的な留出分
は144.55gであった。本留出分中の水分及び硫黄分を測
定したところ、水分123.60g(理論留出水量226.65g)、
硫黄分13.6ミリモル(仕込硫黄分に対して0.32%)を含有
していた。
【0029】次いでこの系を密閉し、1,4−ジクロロ
ベンゼン624.32g(4.247モル)、1,2,4−トリクロ
ロベンゼン3.86g(0.0213モル)及びN−メチルピロリド
ン338.7gを加え、220℃で5.5時間重合を行っ
た。その後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2
時間反応を続行した。このときの反応率は99.3%、
1,2,4−トリクロロベンゼンの消費率は100%で
あった(ガスクロマトグラフィ測定にて残存する1,
2,4−トリクロロベンゼンは検出できなかった)。
ベンゼン624.32g(4.247モル)、1,2,4−トリクロ
ロベンゼン3.86g(0.0213モル)及びN−メチルピロリド
ン338.7gを加え、220℃で5.5時間重合を行っ
た。その後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2
時間反応を続行した。このときの反応率は99.3%、
1,2,4−トリクロロベンゼンの消費率は100%で
あった(ガスクロマトグラフィ測定にて残存する1,
2,4−トリクロロベンゼンは検出できなかった)。
【0030】この系を260℃に保ったまま、1,3−
ジクロロベンゼン31.29g(0.213モル)及びN−メチルピ
ロリドン16.8gを加え、さらに1時間反応を続行した。
反応終了後、室温まで冷却した後に、反応混合物スラリ
ーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗洗浄、乾燥し
て、白色の粉末状ポリフェニレンスルフィド447.2g(収
率97.3%)を得た。本ポリマーの溶融粘度は230
00poise、Tm=279.7℃、Tc=218.7
℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算でポリマー1g当た
り28μgであった。
ジクロロベンゼン31.29g(0.213モル)及びN−メチルピ
ロリドン16.8gを加え、さらに1時間反応を続行した。
反応終了後、室温まで冷却した後に、反応混合物スラリ
ーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗洗浄、乾燥し
て、白色の粉末状ポリフェニレンスルフィド447.2g(収
率97.3%)を得た。本ポリマーの溶融粘度は230
00poise、Tm=279.7℃、Tc=218.7
℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算でポリマー1g当た
り28μgであった。
【0031】〔実施例3〕底弁を有する撹拌機付4.5
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物278.
1g(2.136モル)、N−メチルピロリドン750g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液3.56g(0.0427モル)及び酢
酸ナトリウム175.2g(2.136モル)を仕込み、窒素雰囲気
下で200℃まで2時間かけて150rpmで撹拌しな
がら徐々に昇温し、水及び若干のN−メチルピロリドン
の混合物を留出させた。最終的な留出分は71.3gであっ
た。本留出分中の水分及び硫黄分を測定したところ、水
分61.25g(理論留出水量113.33g)、硫黄分7.2ミリモル
(仕込硫黄分に対して0.34%)を含有していた。
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物278.
1g(2.136モル)、N−メチルピロリドン750g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液3.56g(0.0427モル)及び酢
酸ナトリウム175.2g(2.136モル)を仕込み、窒素雰囲気
下で200℃まで2時間かけて150rpmで撹拌しな
がら徐々に昇温し、水及び若干のN−メチルピロリドン
の混合物を留出させた。最終的な留出分は71.3gであっ
た。本留出分中の水分及び硫黄分を測定したところ、水
分61.25g(理論留出水量113.33g)、硫黄分7.2ミリモル
(仕込硫黄分に対して0.34%)を含有していた。
【0032】次いでこの系を密閉し、1,4−ジクロロ
ベンゼン313.11g(2.130モル)、1,2,4−トリクロ
ロベンゼン1.16g(0.00639モル)及びN−メチルピロリ
ドン169.4gを加え、220℃で5時間重合を行った。
その後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2.5
時間反応を続行した。このときの反応率は99.4%、
1,2,4−トリクロロベンゼンの消費率は100%で
あった(ガスクロマトグラフィ測定にて残存する1,
2,4−トリクロロベンゼンは検出できなかった)。
ベンゼン313.11g(2.130モル)、1,2,4−トリクロ
ロベンゼン1.16g(0.00639モル)及びN−メチルピロリ
ドン169.4gを加え、220℃で5時間重合を行った。
その後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2.5
時間反応を続行した。このときの反応率は99.4%、
1,2,4−トリクロロベンゼンの消費率は100%で
あった(ガスクロマトグラフィ測定にて残存する1,
2,4−トリクロロベンゼンは検出できなかった)。
【0033】この系を260℃に保ったまま、1,3−
ジクロロベンゼン9.39g(0.0639モル)及びN−メチルピ
ロリドン5.1gを加え、さらに1.5時間反応を続行し
た。反応終了後、室温まで冷却した後に、反応混合物ス
ラリーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗洗浄、乾
燥して、白色の顆粒状ポリフェニレンスルフィド226.1
g(収率98.3%)を得た。本ポリマーの溶融粘度は1
60000poise、Tm=281.7℃、Tc=22
4.0℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算でポリマー1
g当たり24μgであった。
ジクロロベンゼン9.39g(0.0639モル)及びN−メチルピ
ロリドン5.1gを加え、さらに1.5時間反応を続行し
た。反応終了後、室温まで冷却した後に、反応混合物ス
ラリーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗洗浄、乾
燥して、白色の顆粒状ポリフェニレンスルフィド226.1
g(収率98.3%)を得た。本ポリマーの溶融粘度は1
60000poise、Tm=281.7℃、Tc=22
4.0℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算でポリマー1
g当たり24μgであった。
【0034】〔比較例1〕255℃にて3時間加熱攪拌
した後に1,3−ジクロロベンゼンを添加せずに、さら
にそのまま1時間反応を続行させること以外は実施例1
と同様の操作を行った。
した後に1,3−ジクロロベンゼンを添加せずに、さら
にそのまま1時間反応を続行させること以外は実施例1
と同様の操作を行った。
【0035】本操作によって白色の粉末状ポリフェニレ
ンスルフィド444.8g(収率96.8%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は870poise、Tm=283.3℃、
Tc=233.1℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算で
ポリマー1g当たり143μgであった。
ンスルフィド444.8g(収率96.8%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は870poise、Tm=283.3℃、
Tc=233.1℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算で
ポリマー1g当たり143μgであった。
【0036】〔比較例2〕1,3−ジクロロベンゼンを
主反応終了後ではなく、1,4−ジクロロベンゼン、
1,2,4−トリクロロベンゼンと同時に添加すること
以外は、実施例2と同様の操作を行った。
主反応終了後ではなく、1,4−ジクロロベンゼン、
1,2,4−トリクロロベンゼンと同時に添加すること
以外は、実施例2と同様の操作を行った。
【0037】本操作によって白色の粉末状ポリフェニレ
ンスルフィド446.1g(収率97.0%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は9200poise、Tm=258.8
℃、Tc=162.4℃、硫黄系ガス発生量はSO2換
算でポリマー1g当たり108μgであった。
ンスルフィド446.1g(収率97.0%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は9200poise、Tm=258.8
℃、Tc=162.4℃、硫黄系ガス発生量はSO2換
算でポリマー1g当たり108μgであった。
【0038】〔比較例3〕1,3−ジクロロベンゼン
を、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロ
ロベンゼンを添加して220℃にて1.5時間反応させ
た後に添加すること以外は、実施例2と同様の操作を行
った。ここで、1,3−ジクロロベンゼンを添加したと
き、1,4−ジクロロベンゼンの反応率は72.3%、
1,2,4−トリクロロベンゼンの消費率は99.9%
であった。
を、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロ
ロベンゼンを添加して220℃にて1.5時間反応させ
た後に添加すること以外は、実施例2と同様の操作を行
った。ここで、1,3−ジクロロベンゼンを添加したと
き、1,4−ジクロロベンゼンの反応率は72.3%、
1,2,4−トリクロロベンゼンの消費率は99.9%
であった。
【0039】本操作によって白色の粉末状ポリフェニレ
ンスルフィド446.3g(収率97.0%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は13000poise、Tm=272.8
℃、Tc=185.9℃、硫黄系ガス発生量はSO2換
算でポリマー1g当たり82μgであった。
ンスルフィド446.3g(収率97.0%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は13000poise、Tm=272.8
℃、Tc=185.9℃、硫黄系ガス発生量はSO2換
算でポリマー1g当たり82μgであった。
【0040】〔比較例4〕底弁を有する撹拌機付4.5
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物545.
0g(4.186モル)、N−メチルピロリドン1470g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液10.5g(0.125モル)を仕込
み、窒素雰囲気下で200℃まで2時間かけて150r
pmで撹拌しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メ
チルピロリドンの混合物を留出させた。最終的な留出分
は143.09gであった。本留出分中の水分及び硫黄分を測
定したところ、水分122.77g(理論留出水量223.94g)、
硫黄分15.0ミリモル(仕込硫黄分に対して0.36%)を含有
していた。
lオートクレーブに、硫化ナトリウム2.9水和物545.
0g(4.186モル)、N−メチルピロリドン1470g、48.
0%水酸化ナトリウム水溶液10.5g(0.125モル)を仕込
み、窒素雰囲気下で200℃まで2時間かけて150r
pmで撹拌しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メ
チルピロリドンの混合物を留出させた。最終的な留出分
は143.09gであった。本留出分中の水分及び硫黄分を測
定したところ、水分122.77g(理論留出水量223.94g)、
硫黄分15.0ミリモル(仕込硫黄分に対して0.36%)を含有
していた。
【0041】次いでこの系を密閉し、1,4−ジクロロ
ベンゼン616.18g(4.191モル)及びN−メチルピロリド
ン332.9gを加え、220℃で5時間重合を行った。そ
の後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2.5時
間反応を続行した後に冷却した。このときの反応率は9
9.1%であった。この反応混合物をスラリー1とす
る。
ベンゼン616.18g(4.191モル)及びN−メチルピロリド
ン332.9gを加え、220℃で5時間重合を行った。そ
の後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2.5時
間反応を続行した後に冷却した。このときの反応率は9
9.1%であった。この反応混合物をスラリー1とす
る。
【0042】底弁を有する撹拌機付4.5lオートクレ
ーブに、硫化ナトリウム2.9水和物556.1g(4.271モ
ル)、N−メチルピロリドン1500g、48.0%水酸化
ナトリウム水溶液10.7g(0.128モル)を仕込み、窒素雰
囲気下で200℃まで2時間かけて150rpmで撹拌
しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メチルピロリ
ドンの混合物を留出させた。最終的な留出分は145.32g
であった。本留出分中の水分及び硫黄分を測定したとこ
ろ、水分126.37g(理論留出水量228.51g)、硫黄分15.8
ミリモル(仕込硫黄分に対して0.37%)を含有していた。
ーブに、硫化ナトリウム2.9水和物556.1g(4.271モ
ル)、N−メチルピロリドン1500g、48.0%水酸化
ナトリウム水溶液10.7g(0.128モル)を仕込み、窒素雰
囲気下で200℃まで2時間かけて150rpmで撹拌
しながら徐々に昇温し、水及び若干のN−メチルピロリ
ドンの混合物を留出させた。最終的な留出分は145.32g
であった。本留出分中の水分及び硫黄分を測定したとこ
ろ、水分126.37g(理論留出水量228.51g)、硫黄分15.8
ミリモル(仕込硫黄分に対して0.37%)を含有していた。
【0043】次いでこの系を密閉し、1,3−ジクロロ
ベンゼン622.43g(4.234モル)及びN−メチルピロリド
ン335.2gを加え、220℃で5時間重合を行った。そ
の後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2.5時
間反応を続行した後に冷却した。このときの反応率は9
8.6%であった。この反応混合物をスラリー2とす
る。
ベンゼン622.43g(4.234モル)及びN−メチルピロリド
ン335.2gを加え、220℃で5時間重合を行った。そ
の後30分かけて260℃まで昇温し、さらに2.5時
間反応を続行した後に冷却した。このときの反応率は9
8.6%であった。この反応混合物をスラリー2とす
る。
【0044】上記反応で得られたスラリー1の全量及び
スラリー2のうち57.59gを混合し、底弁を有する撹拌
機付4.5lオートクレーブに仕込み、窒素で置換した
後昇温し、260℃で3時間反応させた。
スラリー2のうち57.59gを混合し、底弁を有する撹拌
機付4.5lオートクレーブに仕込み、窒素で置換した
後昇温し、260℃で3時間反応させた。
【0045】反応終了後、室温まで冷却した後に、反応
混合物スラリーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗
洗浄、乾燥して、白色の粉末状の(ポリ1,4−フェニ
レンスルフィド)/(ポリ1,3−フェニレンスルフィ
ド)のブロック共重合体445.9g(収率97.0%)を得
た。本ポリマーの溶融粘度は520poise、Tm=28
1.7℃、Tc=224.0℃、硫黄系ガス発生量はS
O2換算でポリマー1g当たり113μgであった。
混合物スラリーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗
洗浄、乾燥して、白色の粉末状の(ポリ1,4−フェニ
レンスルフィド)/(ポリ1,3−フェニレンスルフィ
ド)のブロック共重合体445.9g(収率97.0%)を得
た。本ポリマーの溶融粘度は520poise、Tm=28
1.7℃、Tc=224.0℃、硫黄系ガス発生量はS
O2換算でポリマー1g当たり113μgであった。
【0046】〔比較例5〕特開平2−103232号号
公報に開示されている方法に準じてPASを製造した。
公報に開示されている方法に準じてPASを製造した。
【0047】滴下装置2つ、還流冷却器及び加温可能な
水−有機物分離装置を備えた撹拌機付4.5lオートク
レーブに、1,4−ジクロロベンゼン459.84g(3.128モ
ル)、N−メチルカプロラクタム2430gを仕込み、窒素
雰囲気下で215℃まで3時間かけて300rpmで撹
拌しながら徐々に昇温した。これに硫化ナトリウム2.
9水和物931.19g(7.152モル)、水253g、N−メチルカ
プロラクタム113g、48%水酸化ナトリウム7.2g(0.3
75モル)からなる混合溶液及び1,4−ジクロロベンゼ
ン489.20g(3.328モル)をN−メチルカプロラクタム270
gに溶解させた溶液を、それぞれ2つの滴下装置から同
時に2時間かけて滴下した。滴下を開始すると、水及び
1,4−ジクロロベンゼンを主成分とした液体が留出し
てくるため、その潜熱で系の温度は198℃まで低下し
た。留出してきた液体は、水と1,4−ジクロロベンゼ
ンとに分離し、1,4−ジクロロベンゼンは系内に戻し
た。滴下終了後に系内の反応混合物を一部サンプリング
し、残存する1,4−ジクロロベンゼンとスルフィド化
剤を分析して反応率を求めたところ、53%であった。
ここに、1,3−ジクロロベンゼン31.54g(0.215モル)
を添加しさらに反応を続行した。この間系の温度は徐々
に上昇し、3時間後には230℃に達した。その後この
温度で8時間加熱攪拌し反応を進行させた。
水−有機物分離装置を備えた撹拌機付4.5lオートク
レーブに、1,4−ジクロロベンゼン459.84g(3.128モ
ル)、N−メチルカプロラクタム2430gを仕込み、窒素
雰囲気下で215℃まで3時間かけて300rpmで撹
拌しながら徐々に昇温した。これに硫化ナトリウム2.
9水和物931.19g(7.152モル)、水253g、N−メチルカ
プロラクタム113g、48%水酸化ナトリウム7.2g(0.3
75モル)からなる混合溶液及び1,4−ジクロロベンゼ
ン489.20g(3.328モル)をN−メチルカプロラクタム270
gに溶解させた溶液を、それぞれ2つの滴下装置から同
時に2時間かけて滴下した。滴下を開始すると、水及び
1,4−ジクロロベンゼンを主成分とした液体が留出し
てくるため、その潜熱で系の温度は198℃まで低下し
た。留出してきた液体は、水と1,4−ジクロロベンゼ
ンとに分離し、1,4−ジクロロベンゼンは系内に戻し
た。滴下終了後に系内の反応混合物を一部サンプリング
し、残存する1,4−ジクロロベンゼンとスルフィド化
剤を分析して反応率を求めたところ、53%であった。
ここに、1,3−ジクロロベンゼン31.54g(0.215モル)
を添加しさらに反応を続行した。この間系の温度は徐々
に上昇し、3時間後には230℃に達した。その後この
温度で8時間加熱攪拌し反応を進行させた。
【0048】反応終了後、室温まで冷却した後に、反応
混合物スラリーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗
洗浄、乾燥して、白色の粉末状ポリフェニレンスルフィ
ド679.4g(収率94.3%)を得た。
混合物スラリーを常法に従い多量の温水で希釈後、水洗
洗浄、乾燥して、白色の粉末状ポリフェニレンスルフィ
ド679.4g(収率94.3%)を得た。
【0049】本ポリマーの溶融粘度は440poise、T
m=269.2℃、Tc=188.9℃、硫黄系ガス発
生量はSO2換算でポリマー1g当たり56μgであっ
た。 〔比較例6〕1,4−ジクロロベンゼンを980.70g(6.6
71モル)使用し、1,3−ジクロロベンゼンを使用しな
いこと以外は、比較例5と同様の操作を行った。
m=269.2℃、Tc=188.9℃、硫黄系ガス発
生量はSO2換算でポリマー1g当たり56μgであっ
た。 〔比較例6〕1,4−ジクロロベンゼンを980.70g(6.6
71モル)使用し、1,3−ジクロロベンゼンを使用しな
いこと以外は、比較例5と同様の操作を行った。
【0050】本操作によって白色の粉末状ポリフェニレ
ンスルフィド682.1g(収率94.7%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は510poise、Tm=283.8℃、
Tc=241.0℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算で
ポリマー1g当たり73μgであった。
ンスルフィド682.1g(収率94.7%)を得た。本ポリ
マーの溶融粘度は510poise、Tm=283.8℃、
Tc=241.0℃、硫黄系ガス発生量はSO2換算で
ポリマー1g当たり73μgであった。
【0051】
【発明の効果】本発明におけるPASは、従来のPAS
に比べて、耐熱性及び結晶性を損なうことなく、加熱溶
融時における硫黄系ガス発生量が減少しており、成形時
の金型の腐食が起こりにくいという優れた特徴を有す
る。また、本発明によれば、3官能以上のポリハロベン
ゼンを併用することによって、熱架橋することによる硫
黄系ガス発生量の増加なしに多様な溶融粘度を有するポ
リアリーレンスルフィドを製造することができ、このよ
うなPASは、射出成形、押し出し成形、ブロー成形等
各種の成形加工分野において大変有用な材料となり得
る。
に比べて、耐熱性及び結晶性を損なうことなく、加熱溶
融時における硫黄系ガス発生量が減少しており、成形時
の金型の腐食が起こりにくいという優れた特徴を有す
る。また、本発明によれば、3官能以上のポリハロベン
ゼンを併用することによって、熱架橋することによる硫
黄系ガス発生量の増加なしに多様な溶融粘度を有するポ
リアリーレンスルフィドを製造することができ、このよ
うなPASは、射出成形、押し出し成形、ブロー成形等
各種の成形加工分野において大変有用な材料となり得
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 アルカリ金属硫化物(A)と、ポリハロ
芳香族化合物(B)とを必須成分として反応させてポリ
アリーレンスルフィドを製造する方法において、硫化物
(A)と1,4−ジハロベンゼンまたはジハロナフタレ
ン(b1)を反応させ(主反応)、その反応が実質的に
完了した後に、1,3−ジハロベンゼン(b2)を添加
し反応させることを特徴とするポリアリーレンスルフィ
ドの製造方法。 - 【請求項2】 反応率が95%以上になった後に、化合
物(b2)を硫化物(A)に対してモル比で0.005
〜0.1添加し、反応を続行させる請求項1記載の製造
方法。 - 【請求項3】 化合物(b1)が、1,4−ジハロベン
ゼンのみか、もしくは1,4−ジハロベンゼンと、トリ
ハロベンゼン又はテトラハロベンゼンとの混合物である
請求項1又は2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269573A JPH08134216A (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 硫黄系ガス発生量の少ないポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269573A JPH08134216A (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 硫黄系ガス発生量の少ないポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134216A true JPH08134216A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17474249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6269573A Pending JPH08134216A (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 硫黄系ガス発生量の少ないポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08134216A (ja) |
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001261830A (ja) * | 2000-03-23 | 2001-09-26 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | ポリアリーレンスルフィドの精製方法 |
JP2002212292A (ja) * | 2001-01-16 | 2002-07-31 | Dainippon Ink & Chem Inc | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
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US9587074B2 (en) | 2013-09-25 | 2017-03-07 | Ticona Llc | Multi-stage process for forming polyarylene sulfides |
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US9815942B2 (en) | 2015-03-25 | 2017-11-14 | Ticona Llc | Technique for forming a high melt viscosity polyarylene sulfide |
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US12024596B2 (en) | 2021-09-08 | 2024-07-02 | Ticona Llc | Anti-solvent technique for recovering an organic solvent from a polyarylene sulfide waste sludge |
-
1994
- 1994-11-02 JP JP6269573A patent/JPH08134216A/ja active Pending
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---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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