JPH08125605A - 光信号送信装置とそれを用いた光通信システム - Google Patents
光信号送信装置とそれを用いた光通信システムInfo
- Publication number
- JPH08125605A JPH08125605A JP6260712A JP26071294A JPH08125605A JP H08125605 A JPH08125605 A JP H08125605A JP 6260712 A JP6260712 A JP 6260712A JP 26071294 A JP26071294 A JP 26071294A JP H08125605 A JPH08125605 A JP H08125605A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- optical
- signal light
- light
- transmission line
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Communication System (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 自己位相変調効果による光信号波の劣化を低
減する、簡単な構成の光通信システムを提供することを
目的とする。 【構成】 送信器21は、2値信号データに対応して強
度変調された信号光を生成する光強度変調回路2と、そ
の2値信号データを反転した反転2値信号に対応して強
度変調された反転信号光を生成する光強度変調回路5
と、信号光及び反転信号光を合波して該合波信号光を光
ファイバ伝送路8へ送出する光合波器7から構成され
る。 【効果】 信号光の自己位相変調効果を反転信号光の相
互位相変調効果によって相殺することができ、従来に比
べ信号波形劣化を低減することができる。
減する、簡単な構成の光通信システムを提供することを
目的とする。 【構成】 送信器21は、2値信号データに対応して強
度変調された信号光を生成する光強度変調回路2と、そ
の2値信号データを反転した反転2値信号に対応して強
度変調された反転信号光を生成する光強度変調回路5
と、信号光及び反転信号光を合波して該合波信号光を光
ファイバ伝送路8へ送出する光合波器7から構成され
る。 【効果】 信号光の自己位相変調効果を反転信号光の相
互位相変調効果によって相殺することができ、従来に比
べ信号波形劣化を低減することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信等に用いる光信
号送信装置とそれを用いた光通信システムに関する。
号送信装置とそれを用いた光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信システムにおいて簡便かつ
高速伝送に適したものとして図4に示すような光強度変
調、直接検波方式の光通信システムが用いられている。
この光強度変調、直接検波方式の光通信システムでは、
光ファイバ伝送路108へ送信される信号光が、光源1
01からの連続光を光強度変調器102によって2値信
号源103の出力に対応させて光強度変調された強度変
調光信号として生成される。そして、この強度変調光信
号は、光ファイバ伝送路108を介し受光器111によ
って受信され、電気信号に変換される。ところで、伝送
路108に用いられる光ファイバでは、入射光電力また
は光ファイバ長の増大にともない、その非線形性が顕著
になることが知られている。特に、光増幅器を用いた中
継伝送システムにおいては、光信号が各中継器で増幅中
継されるため、この非線形性の影響を受けやすくなる
(例えば、Journal of Lightwave Technology, vol.LT-
10, No.8, Aug, pp1117-1126参照)。
高速伝送に適したものとして図4に示すような光強度変
調、直接検波方式の光通信システムが用いられている。
この光強度変調、直接検波方式の光通信システムでは、
光ファイバ伝送路108へ送信される信号光が、光源1
01からの連続光を光強度変調器102によって2値信
号源103の出力に対応させて光強度変調された強度変
調光信号として生成される。そして、この強度変調光信
号は、光ファイバ伝送路108を介し受光器111によ
って受信され、電気信号に変換される。ところで、伝送
路108に用いられる光ファイバでは、入射光電力また
は光ファイバ長の増大にともない、その非線形性が顕著
になることが知られている。特に、光増幅器を用いた中
継伝送システムにおいては、光信号が各中継器で増幅中
継されるため、この非線形性の影響を受けやすくなる
(例えば、Journal of Lightwave Technology, vol.LT-
10, No.8, Aug, pp1117-1126参照)。
【0003】光ファイバ非線形性の影響の一つに、ファ
イバ屈折率の光強度依存性に起因する自己位相変調効果
がある。この自己位相変調効果は、図5に示すように、
光ファイバ内を伝搬する強度変調光信号の信号光強度変
化(図5(a))に応じてキャリア周波数偏移あるいは位
相偏移を引き起こし(図5(b))、その強度変調光信号
のスペクトルを伝送帯域以上に拡げる作用をする。広帯
域に拡がった光信号は、帯域が拡がる前と比べ、ファイ
バ分散の影響をより強く受けるため、結果として、受信
信号波形の劣化を生じさせる。このように自己位相変調
効果は、強度変調、直接検波方式において主要な劣化要
因となる。このため、従来の強度変調、直接検波方式の
光通信システムでは、ファイバの分散値が零付近になる
信号光波長以外の波長を有する光信号を使用することが
できなかった。ただし、ファイバの分散値が零付近にな
る零分散波長付近の光信号であっても自己位相変調効果
と高次の分散による光信号波の劣化は、問題であった。
イバ屈折率の光強度依存性に起因する自己位相変調効果
がある。この自己位相変調効果は、図5に示すように、
光ファイバ内を伝搬する強度変調光信号の信号光強度変
化(図5(a))に応じてキャリア周波数偏移あるいは位
相偏移を引き起こし(図5(b))、その強度変調光信号
のスペクトルを伝送帯域以上に拡げる作用をする。広帯
域に拡がった光信号は、帯域が拡がる前と比べ、ファイ
バ分散の影響をより強く受けるため、結果として、受信
信号波形の劣化を生じさせる。このように自己位相変調
効果は、強度変調、直接検波方式において主要な劣化要
因となる。このため、従来の強度変調、直接検波方式の
光通信システムでは、ファイバの分散値が零付近になる
信号光波長以外の波長を有する光信号を使用することが
できなかった。ただし、ファイバの分散値が零付近にな
る零分散波長付近の光信号であっても自己位相変調効果
と高次の分散による光信号波の劣化は、問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
自己位相変調効果による光信号波の劣化を低減する、簡
単な構成の光通信システムを提供することにある。
自己位相変調効果による光信号波の劣化を低減する、簡
単な構成の光通信システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
2値信号データに対応して強度変調された第1の信号光
を生成する第1の光変調手段と、前記2値信号データを
反転して反転2値信号を出力する反転手段と、前記第1
の信号光の波長と異なる波長の光信号であって、前記反
転2値信号に対応して強度変調された光信号である第2
の信号光を生成する第2の光変調手段と、前記第1の信
号光及び第2の信号光を合波して該合波信号光を光ファ
イバ伝送路に送出する光合波手段を具備することを特徴
とする。
2値信号データに対応して強度変調された第1の信号光
を生成する第1の光変調手段と、前記2値信号データを
反転して反転2値信号を出力する反転手段と、前記第1
の信号光の波長と異なる波長の光信号であって、前記反
転2値信号に対応して強度変調された光信号である第2
の信号光を生成する第2の光変調手段と、前記第1の信
号光及び第2の信号光を合波して該合波信号光を光ファ
イバ伝送路に送出する光合波手段を具備することを特徴
とする。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の光信号送信装置と、該光信号送信装置から送出され
た前記合波信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、該光
ファイバ伝送路を介して前記合波信号光を受け、前記合
波信号光から前記第1の信号光を分離して検出する分離
手段を有する光信号受信装置を具備することを特徴とす
る。
載の光信号送信装置と、該光信号送信装置から送出され
た前記合波信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、該光
ファイバ伝送路を介して前記合波信号光を受け、前記合
波信号光から前記第1の信号光を分離して検出する分離
手段を有する光信号受信装置を具備することを特徴とす
る。
【0007】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の光信号送信装置において、前記第1の信号光と前記
第2の信号光を、該両者の間の偏光状態を一定に保って
合波することを特徴とする。
載の光信号送信装置において、前記第1の信号光と前記
第2の信号光を、該両者の間の偏光状態を一定に保って
合波することを特徴とする。
【0008】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の光信号送信装置において、前記第1の信号光の波長
と前記第2の信号光の波長を、前記光ファイバ伝送路の
零分散波長に対して対称に配置することを特徴とする。
載の光信号送信装置において、前記第1の信号光の波長
と前記第2の信号光の波長を、前記光ファイバ伝送路の
零分散波長に対して対称に配置することを特徴とする。
【0009】また、請求項5記載の発明は、請求項2記
載の光通信システムにおいて、前記光信号受信装置は、
前記光ファイバ伝送路を介して受けた前記合波信号光か
ら分離された前記第1の信号光に対する前記光ファイバ
伝送路の波長分散の影響を補償する補償手段を具備する
ことを特徴とする。
載の光通信システムにおいて、前記光信号受信装置は、
前記光ファイバ伝送路を介して受けた前記合波信号光か
ら分離された前記第1の信号光に対する前記光ファイバ
伝送路の波長分散の影響を補償する補償手段を具備する
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】光信号送信装置は、2値信号データに対応して
強度変調された第1の信号光と同時に、該2値信号デー
タの反転信号に対応して強度変調された第2の信号光を
光ファイバ伝送路に送信し、第1の信号光の強度変化に
よるファイバの屈折率変化(自己位相変調効果)を、第
2の信号光の強度変化が第1の信号光にもたらす周波数
偏移で相殺する。したがって、光ファイバ伝送路を伝搬
する第1の信号光の波形劣化を解消することができる。
一方、光信号受信装置は、分離手段を用い、合波信号光
から第1の信号光のみを分離して検出する。
強度変調された第1の信号光と同時に、該2値信号デー
タの反転信号に対応して強度変調された第2の信号光を
光ファイバ伝送路に送信し、第1の信号光の強度変化に
よるファイバの屈折率変化(自己位相変調効果)を、第
2の信号光の強度変化が第1の信号光にもたらす周波数
偏移で相殺する。したがって、光ファイバ伝送路を伝搬
する第1の信号光の波形劣化を解消することができる。
一方、光信号受信装置は、分離手段を用い、合波信号光
から第1の信号光のみを分離して検出する。
【0011】また、第1の信号光と第2の信号光の間の
偏光状態を一定に保って合波することによって、自己位
相変調効果に起因する位相偏移を相互位相変調効果に起
因する位相偏移で一定の条件で相殺することができるの
で、さらに信号光の波形劣化を低減することができる。
偏光状態を一定に保って合波することによって、自己位
相変調効果に起因する位相偏移を相互位相変調効果に起
因する位相偏移で一定の条件で相殺することができるの
で、さらに信号光の波形劣化を低減することができる。
【0012】また、第1の信号光の波長と第2の信号光
の波長を、光ファイバ伝送路の零分散波長に対して対称
に配置することによって、両者の群遅延を等しく保つこ
とができる。
の波長を、光ファイバ伝送路の零分散波長に対して対称
に配置することによって、両者の群遅延を等しく保つこ
とができる。
【0013】また、補償手段によって、光ファイバ伝送
路の波長分散を補償することにより、さらに波形劣化を
低減することができる。
路の波長分散を補償することにより、さらに波形劣化を
低減することができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による一実施例
について説明する。図1は、本発明による光通信システ
ムの一実施例を示すブロック図である。この図に示す光
通信システムは、送信器21と、送信器21から送信さ
れた光信号を伝送する光ファイバ伝送路8と、光ファイ
バ伝送路8を介して光信号を受信する受信器22から構
成されている。
について説明する。図1は、本発明による光通信システ
ムの一実施例を示すブロック図である。この図に示す光
通信システムは、送信器21と、送信器21から送信さ
れた光信号を伝送する光ファイバ伝送路8と、光ファイ
バ伝送路8を介して光信号を受信する受信器22から構
成されている。
【0015】この図に示す送信器21は、波長λ1の連
続光信号を出力する光源1と、2値信号を出力する信号
源3と、光源1から出力された連続光を信号源3から出
力された2値信号に対応して強度変調する光強度変調器
2と、波長λ1と異なる波長λ2の連続光信号を出力す
る光源4と、信号源3の出力を反転して2値信号を出力
する反転回路6と、光源4から出力された連続光を反転
回路6から出力された2値信号に対応して強度変調する
光強度変調器5と、光強度変調器2および5から出力さ
れた2つの光信号を合波して、光ファイバ伝送路8へ送
出する光合波器7から構成されている。
続光信号を出力する光源1と、2値信号を出力する信号
源3と、光源1から出力された連続光を信号源3から出
力された2値信号に対応して強度変調する光強度変調器
2と、波長λ1と異なる波長λ2の連続光信号を出力す
る光源4と、信号源3の出力を反転して2値信号を出力
する反転回路6と、光源4から出力された連続光を反転
回路6から出力された2値信号に対応して強度変調する
光強度変調器5と、光強度変調器2および5から出力さ
れた2つの光信号を合波して、光ファイバ伝送路8へ送
出する光合波器7から構成されている。
【0016】このような構成によって送信器21は、強
度変調器2によって光源1から出力された波長λ1の連
続光を2値信号源3の出力に対応したキャリア波長λ1
の強度変調光信号(以下、信号光と呼ぶ。)に変換する
とともに、光強度変調器5を用いて光源4から出力され
た波長λ2の連続光を反転回路6の出力信号に応じて光
強度変調することによって、キャリア波長λ2の強度変
調光信号(以下、反転信号光と呼ぶ。)を生成し、光合
波器7で光ファイバ伝送路8に結合する。
度変調器2によって光源1から出力された波長λ1の連
続光を2値信号源3の出力に対応したキャリア波長λ1
の強度変調光信号(以下、信号光と呼ぶ。)に変換する
とともに、光強度変調器5を用いて光源4から出力され
た波長λ2の連続光を反転回路6の出力信号に応じて光
強度変調することによって、キャリア波長λ2の強度変
調光信号(以下、反転信号光と呼ぶ。)を生成し、光合
波器7で光ファイバ伝送路8に結合する。
【0017】一方、受信器22は、波長λ1に近い帯域
の光フィルタ透過特性を持つ光フイルタ9(図3(b)参
照。)と、光ファイバ伝送路8の光ファイバの分散値と
逆の分散値をもつ分散補償用光ファイバ10と、光信号
を電気信号に変換する受光器11を直列に接続すること
によって構成されている。
の光フィルタ透過特性を持つ光フイルタ9(図3(b)参
照。)と、光ファイバ伝送路8の光ファイバの分散値と
逆の分散値をもつ分散補償用光ファイバ10と、光信号
を電気信号に変換する受光器11を直列に接続すること
によって構成されている。
【0018】このように構成された受信器22におい
て、光ファイバ伝送路8を伝搬してきた信号光および反
転信号光は、光フィルタ9に導かれ、波長λ1の信号光
が波長λ2の反転信号光から分離され、波長λ1の信号
光のみが検出される。次いで、この波長λ1の信号光が
分散補償用光ファイバ10へ入力され、分散補償用光フ
ァイバ10において、信号光に対する光ファイバ伝送路
8の波長分散の影響が相殺される。そして、受光器11
において、この第1の信号光が電気信号に変換される。
て、光ファイバ伝送路8を伝搬してきた信号光および反
転信号光は、光フィルタ9に導かれ、波長λ1の信号光
が波長λ2の反転信号光から分離され、波長λ1の信号
光のみが検出される。次いで、この波長λ1の信号光が
分散補償用光ファイバ10へ入力され、分散補償用光フ
ァイバ10において、信号光に対する光ファイバ伝送路
8の波長分散の影響が相殺される。そして、受光器11
において、この第1の信号光が電気信号に変換される。
【0019】次に、上述した送信器21、光ファイバ伝
送路8および受信器22からなる光通信システムにおけ
る、強度変調光信号の自己位相変調効果について説明す
る。まず、自己位相変調効果による周波数偏移に関して
説明する。上記光通信システムにおいて、波長λ1の信
号光の光強度が図2(a)に実線で示すように変化したと
する。この波長λ1の信号光自身の強度変化は、自己位
相変調効果によって、図2(b)に実線で示すような周波
数偏移を起こす。一方、波長λ1の信号光を反転した図
2(a)に破線で示す波長λ2の反転信号光は、相互位相
変調効果によって、図2(b)に破線で示すような周波数
偏移を起こす。この反転信号光の強度変化と相互位相変
調効果によって発生した周波数偏移は、信号光の強度変
化と自己位相変調効果によって生じた周波数偏移を相殺
するように変化する。
送路8および受信器22からなる光通信システムにおけ
る、強度変調光信号の自己位相変調効果について説明す
る。まず、自己位相変調効果による周波数偏移に関して
説明する。上記光通信システムにおいて、波長λ1の信
号光の光強度が図2(a)に実線で示すように変化したと
する。この波長λ1の信号光自身の強度変化は、自己位
相変調効果によって、図2(b)に実線で示すような周波
数偏移を起こす。一方、波長λ1の信号光を反転した図
2(a)に破線で示す波長λ2の反転信号光は、相互位相
変調効果によって、図2(b)に破線で示すような周波数
偏移を起こす。この反転信号光の強度変化と相互位相変
調効果によって発生した周波数偏移は、信号光の強度変
化と自己位相変調効果によって生じた周波数偏移を相殺
するように変化する。
【0020】したがって、結果として光ファイバ伝送路
8内を伝搬する信号光は、自己位相変調効果の影響を受
けなくなる。即ち、光ファイバ伝送路8内を伝搬する信
号光に過剰なスペクトル拡がりが生じなくなり、自己位
相変調効果による信号波形劣化が低減される(図2
(b))。
8内を伝搬する信号光は、自己位相変調効果の影響を受
けなくなる。即ち、光ファイバ伝送路8内を伝搬する信
号光に過剰なスペクトル拡がりが生じなくなり、自己位
相変調効果による信号波形劣化が低減される(図2
(b))。
【0021】次に、光合波器7へ入力される波長λ1の
信号光の電界をE1、波長λ2の反転信号光の電界をE
2として、自己位相変調効果による位相偏移について説
明する。信号光電界E1による自己位相変調効果および
反転信号光電界E2による相互位相変調効果に起因する
信号光の位相変化φは、次式によって表される。 φ=k2L(|E1|2 +a|E2|2)……………(1) ただし、Lはファイバ長、k2は非線形定数を表してい
る。また、aは、信号光電界E1と反転信号光電界E2
間の偏光状態に依存する係数で、両者間の偏光角をθと
すると次式によって表され、2/3から2の間の値をと
る。 a=2(1+sin2θ)/(2+cos2θ)…………(2)
信号光の電界をE1、波長λ2の反転信号光の電界をE
2として、自己位相変調効果による位相偏移について説
明する。信号光電界E1による自己位相変調効果および
反転信号光電界E2による相互位相変調効果に起因する
信号光の位相変化φは、次式によって表される。 φ=k2L(|E1|2 +a|E2|2)……………(1) ただし、Lはファイバ長、k2は非線形定数を表してい
る。また、aは、信号光電界E1と反転信号光電界E2
間の偏光状態に依存する係数で、両者間の偏光角をθと
すると次式によって表され、2/3から2の間の値をと
る。 a=2(1+sin2θ)/(2+cos2θ)…………(2)
【0022】(2)式から、sin2θ=1/3すなわち偏
光角θが約±35度のときに、a=1となる。したがっ
て、信号光電界E1および反転信号光電界E2を、両者
の偏光角が35度になるような一定の条件で、光合波器
7において合成することによって、信号光電界E1の自
己位相変調効果による位相偏移を、反転信号光電界E2
による相互位相変調効果による位相偏移によって打ち消
すことができる。
光角θが約±35度のときに、a=1となる。したがっ
て、信号光電界E1および反転信号光電界E2を、両者
の偏光角が35度になるような一定の条件で、光合波器
7において合成することによって、信号光電界E1の自
己位相変調効果による位相偏移を、反転信号光電界E2
による相互位相変調効果による位相偏移によって打ち消
すことができる。
【0023】なお、信号光の波長λ1および反転信号光
の波長λ2を、図3(a)に示すように、光ファイバ伝
送路8の零分散波長に対して対称に配置した場合、両者
の群遅延を等しくすることが可能となり、光ファイバ伝
送路8を伝搬中の両信号間の関係を一定に保つことがで
きる。
の波長λ2を、図3(a)に示すように、光ファイバ伝
送路8の零分散波長に対して対称に配置した場合、両者
の群遅延を等しくすることが可能となり、光ファイバ伝
送路8を伝搬中の両信号間の関係を一定に保つことがで
きる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、2値信号データに対応して強度変調された
第1の信号光を生成する第1の光変調手段と、その2値
信号データを反転して反転2値信号を出力する反転手段
と、第1の信号光の波長と異なる波長の光信号であっ
て、反転2値信号に対応して強度変調された光信号であ
る第2の信号光を生成する第2の光変調手段と、第1の
信号光及び第2の信号光を合波して該合波信号光を光フ
ァイバ伝送路に送出する光合波手段を設けたので、光フ
ァイバ伝送路を伝送する第1の信号光の自己位相変調効
果を第2の信号光の相互位相変調効果によって相殺する
ことができる。
明によれば、2値信号データに対応して強度変調された
第1の信号光を生成する第1の光変調手段と、その2値
信号データを反転して反転2値信号を出力する反転手段
と、第1の信号光の波長と異なる波長の光信号であっ
て、反転2値信号に対応して強度変調された光信号であ
る第2の信号光を生成する第2の光変調手段と、第1の
信号光及び第2の信号光を合波して該合波信号光を光フ
ァイバ伝送路に送出する光合波手段を設けたので、光フ
ァイバ伝送路を伝送する第1の信号光の自己位相変調効
果を第2の信号光の相互位相変調効果によって相殺する
ことができる。
【0025】また、第1の信号光と第2の信号光の波長
が異なるため、合波信号光から第1の信号光を簡単に分
離することができる。この結果、従来に比べ信号波形劣
化を低減することができる光通信のシステムを容易に構
築することができる。また、請求項2記載の発明によれ
ば、請求項1記載の発明による光信号装置を用いた光通
信システムを構築することができる。これらによって、
信号光波長に対するファイバ分散値を必ずしも零付近に
する必要がなくなる。また、零分散波長付近における高
次分散と自己位相変調効果による波形劣化の低減に対し
ても有効である。したがって、特に光増幅中継システム
等において、高性能化と同時にファイバ分散値のばらつ
きに対する要求条件を大幅に緩和することが可能とな
り、低コスト化も図ることが可能であるという大きな効
果を奏する。
が異なるため、合波信号光から第1の信号光を簡単に分
離することができる。この結果、従来に比べ信号波形劣
化を低減することができる光通信のシステムを容易に構
築することができる。また、請求項2記載の発明によれ
ば、請求項1記載の発明による光信号装置を用いた光通
信システムを構築することができる。これらによって、
信号光波長に対するファイバ分散値を必ずしも零付近に
する必要がなくなる。また、零分散波長付近における高
次分散と自己位相変調効果による波形劣化の低減に対し
ても有効である。したがって、特に光増幅中継システム
等において、高性能化と同時にファイバ分散値のばらつ
きに対する要求条件を大幅に緩和することが可能とな
り、低コスト化も図ることが可能であるという大きな効
果を奏する。
【0026】また、請求項3記載の発明によれば、第1
の信号光と第2の信号光の間の偏光状態を一定に保って
合波するので、自己位相変調効果に起因する位相偏移を
相互位相変調効果に起因する位相偏移によって一定の条
件で相殺することができ、波形劣化を低減することがで
きる。
の信号光と第2の信号光の間の偏光状態を一定に保って
合波するので、自己位相変調効果に起因する位相偏移を
相互位相変調効果に起因する位相偏移によって一定の条
件で相殺することができ、波形劣化を低減することがで
きる。
【0027】また、請求項4記載の発明によれば、第1
の信号光の波長と第2の信号光の波長を、光ファイバ伝
送路の零分散波長に対して対称に配置するので、両者の
群遅延を等しく保つことができ、光ファイバ伝送路を伝
搬中の両光信号間の関係が一定に保たれるので、さらに
波形劣化の低減を図ることができる。
の信号光の波長と第2の信号光の波長を、光ファイバ伝
送路の零分散波長に対して対称に配置するので、両者の
群遅延を等しく保つことができ、光ファイバ伝送路を伝
搬中の両光信号間の関係が一定に保たれるので、さらに
波形劣化の低減を図ることができる。
【0028】また、請求項5記載の発明によれば、光信
号受信装置において、第1の信号光を分離した後、光フ
ァイバ伝送路の波長分散を補償する補償手段を具備する
ので、光ファイバ伝送路の波長分散を、補償手段によっ
て相殺し、波長分散による波形劣化を低減することがで
きる。
号受信装置において、第1の信号光を分離した後、光フ
ァイバ伝送路の波長分散を補償する補償手段を具備する
ので、光ファイバ伝送路の波長分散を、補償手段によっ
て相殺し、波長分散による波形劣化を低減することがで
きる。
【図1】本発明に係る光通信システムの一実施例を示し
たブロック図である。
たブロック図である。
【図2】(a)横軸に時間、縦軸に光強度をとり、信号
光強度変化および反転信号光強度変化を表した波形図で
ある。 (b)横軸に図2(a)と共通の時間、縦軸に周波数偏
移をとり、信号光強度変化と自己位相変調効果による周
波数偏移および反転信号光強度変化と相互位相変調効果
による周波数偏移を表した波形図である。
光強度変化および反転信号光強度変化を表した波形図で
ある。 (b)横軸に図2(a)と共通の時間、縦軸に周波数偏
移をとり、信号光強度変化と自己位相変調効果による周
波数偏移および反転信号光強度変化と相互位相変調効果
による周波数偏移を表した波形図である。
【図3】横軸に光信号の波長、縦軸にパワー密度をと
り、(a)信号光および反転信号光の波長配置と光ファ
イバの群遅延特性、(b)光フィルタ9の透過帯域特性
を示す特性図である。
り、(a)信号光および反転信号光の波長配置と光ファ
イバの群遅延特性、(b)光フィルタ9の透過帯域特性
を示す特性図である。
【図4】従来の強度変調、直接検波方式による光通信シ
ステムの構成を示すブロック図。
ステムの構成を示すブロック図。
【図5】(a)横軸に時間、縦軸に光強度をとり、信号
光強度変化を表した波形図である。 (b)横軸に図5(a)と共通の時間、縦軸に周波数偏
移量をとり、図5(a)に示す信号光強度変化の自己位
相変調効果による周波数偏移を表した波形図である。
光強度変化を表した波形図である。 (b)横軸に図5(a)と共通の時間、縦軸に周波数偏
移量をとり、図5(a)に示す信号光強度変化の自己位
相変調効果による周波数偏移を表した波形図である。
2、5 光強度変調器 3 信号源 6 反転回路 7 光合波器 8 光ファイバ伝送路 9 光フイルタ 10 分散補償用光ファイバ 21 送信器 22 受信器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/26 10/14 10/04 10/06
Claims (5)
- 【請求項1】 2値信号データに対応して強度変調され
た第1の信号光を生成する第1の光変調手段と、 前記2値信号データを反転して反転2値信号を出力する
反転手段と、 前記第1の信号光の波長と異なる波長の光信号であっ
て、前記反転2値信号に対応して強度変調された光信号
である第2の信号光を生成する第2の光変調手段と、 前記第1の信号光及び第2の信号光を合波して該合波信
号光を光ファイバ伝送路に送出する光合波手段を具備す
ることを特徴とする光信号送信装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の光信号送信装置と、 該光信号送信装置から送出された前記合波信号光を伝送
する光ファイバ伝送路と、 該光ファイバ伝送路を介して前記合波信号光を受け、前
記合波信号光から前記第1の信号光を分離して検出する
分離手段を有する光信号受信装置を具備することを特徴
とする光通信システム。 - 【請求項3】 前記第1の信号光と前記第2の信号光
を、該両者の間の偏光状態を一定に保って合波すること
を特徴とする請求項1記載の光信号送信装置。 - 【請求項4】 前記第1の信号光の波長と前記第2の信
号光の波長を、前記光ファイバ伝送路の零分散波長に対
して対称に配置することを特徴とする請求項1記載の光
信号送信装置。 - 【請求項5】 前記光信号受信装置は、前記光ファイバ
伝送路を介して受けた前記合波信号光から分離された前
記第1の信号光に対する前記光ファイバ伝送路の波長分
散の影響を補償する補償手段を具備することを特徴とす
る請求項2記載の光通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6260712A JPH08125605A (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 光信号送信装置とそれを用いた光通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6260712A JPH08125605A (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 光信号送信装置とそれを用いた光通信システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08125605A true JPH08125605A (ja) | 1996-05-17 |
Family
ID=17351716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6260712A Pending JPH08125605A (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 光信号送信装置とそれを用いた光通信システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08125605A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008270399A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Toyota Gakuen | 光信号増幅3端子装置 |
WO2009013795A1 (ja) * | 2007-07-20 | 2009-01-29 | Fujitsu Limited | 光伝送装置,波長多重光通信システムおよび光伝送方法 |
JP2012002965A (ja) * | 2010-06-16 | 2012-01-05 | Nikon Corp | パルス光の伝送方法及びこの伝送方法を用いたレーザ装置 |
JP2014157134A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-08-28 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光パルス試験装置及び光パルス試験方法 |
WO2015145984A1 (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-01 | 日本電気株式会社 | 光送信装置、光通信システム、光送信方法及び記憶媒体 |
WO2018128117A1 (ja) * | 2017-01-04 | 2018-07-12 | 富士通株式会社 | 光位相歪補償装置および光位相歪補償方法 |
CN109196416A (zh) * | 2016-05-26 | 2019-01-11 | 株式会社尼康 | 脉冲光生成装置、脉冲光生成方法、具备脉冲光生成装置的曝光装置及检查装置 |
US11366070B2 (en) | 2016-05-26 | 2022-06-21 | Nikon Corporation | Pulsed light generation device, pulsed light generation method, exposure apparatus having pulsed light generation device and inspection apparatus having pulsed light generation device |
-
1994
- 1994-10-25 JP JP6260712A patent/JPH08125605A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008270399A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Toyota Gakuen | 光信号増幅3端子装置 |
WO2009013795A1 (ja) * | 2007-07-20 | 2009-01-29 | Fujitsu Limited | 光伝送装置,波長多重光通信システムおよび光伝送方法 |
JP4900483B2 (ja) * | 2007-07-20 | 2012-03-21 | 富士通株式会社 | 光伝送装置,波長多重光通信システムおよび光伝送方法 |
US8213798B2 (en) | 2007-07-20 | 2012-07-03 | Fujitsu Limited | Optical transmission apparatus, wavelength division multiplexing optical communication system and optical transmission method |
JP2012002965A (ja) * | 2010-06-16 | 2012-01-05 | Nikon Corp | パルス光の伝送方法及びこの伝送方法を用いたレーザ装置 |
JP2014157134A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-08-28 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光パルス試験装置及び光パルス試験方法 |
WO2015145984A1 (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-01 | 日本電気株式会社 | 光送信装置、光通信システム、光送信方法及び記憶媒体 |
CN109196416A (zh) * | 2016-05-26 | 2019-01-11 | 株式会社尼康 | 脉冲光生成装置、脉冲光生成方法、具备脉冲光生成装置的曝光装置及检查装置 |
US10559937B2 (en) | 2016-05-26 | 2020-02-11 | Nikon Corporation | Pulsed light generation device, pulsed light generation method, exposure apparatus having pulsed light generation device and inspection apparatus having pulsed light generation device |
CN109196416B (zh) * | 2016-05-26 | 2021-12-17 | 株式会社尼康 | 脉冲光生成装置、脉冲光生成方法、具备脉冲光生成装置的曝光装置及检查装置 |
US11303091B2 (en) | 2016-05-26 | 2022-04-12 | Nikon Corporation | Pulsed light generation device, pulsed light generation method, exposure apparatus having pulsed light generation device and inspection apparatus having pulsed light generation device |
US11366070B2 (en) | 2016-05-26 | 2022-06-21 | Nikon Corporation | Pulsed light generation device, pulsed light generation method, exposure apparatus having pulsed light generation device and inspection apparatus having pulsed light generation device |
US11757247B2 (en) | 2016-05-26 | 2023-09-12 | Nikon Corporation | Pulsed light generation device, pulsed light generation method, exposure apparatus having pulsed light generation device and inspection apparatus having pulsed light generation device |
WO2018128117A1 (ja) * | 2017-01-04 | 2018-07-12 | 富士通株式会社 | 光位相歪補償装置および光位相歪補償方法 |
US10749604B2 (en) | 2017-01-04 | 2020-08-18 | Fujitsu Limited | Optical phase distortion compensating device and method of compensating optical phase distortion |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6043927A (en) | Modulation instability wavelength converter | |
US6304369B1 (en) | Method and apparatus for eliminating noise in analog fiber links | |
US5940196A (en) | Optical communications system with wavelength division multiplexing | |
EP0703680B1 (en) | Apparatus and method for compensating chromatic dispersion produced in optical phase conjugation or other types of optical signal conversion | |
JP3419510B2 (ja) | 波長分散を補償した光通信システム及び該システムに適用可能な位相共役光発生装置 | |
US6175435B1 (en) | Optical communication system using optical phase conjugation to suppress waveform distortion caused by chromatic dispersion and optical kerr effect | |
JPH0799478A (ja) | ファイバオプティック送信システムの分散補償装置と方法 | |
US5949926A (en) | Minimum phase dispersion compensator | |
JPH07221706A (ja) | ソリトン光通信システム及びその光送信装置と光受信装置 | |
KR950704878A (ko) | 동일한 광섬유상에 상이한 파장을 갖는 정보 신호를 송신하는 광 통신 시스템(an optical communications system for transmitting information signals having different wavelenghts over a same optical fiber) | |
JPS63500693A (ja) | 光送信装置 | |
JPH0764131A (ja) | 光通信装置 | |
JPH06132895A (ja) | 光パワー変化補償回路及び光伝送装置 | |
JPH08125605A (ja) | 光信号送信装置とそれを用いた光通信システム | |
EP0615356A1 (en) | Technique for reducing nonlinear signal degradation and fading in a long optical transmission system | |
US20080112706A1 (en) | Optical receiving apparatus and optical communication system using same | |
JP3291370B2 (ja) | 光波長多重伝送方式 | |
EP1511207A2 (en) | Method and apparatus to reduce second order distortion in optical communications | |
RU62316U1 (ru) | Оптическая система связи | |
JPH0758699A (ja) | 波形整形装置および波形整形装置を用いた光中継伝送システム | |
JP5102144B2 (ja) | 光中継装置および光伝送システム | |
JPH039624A (ja) | 光通信システムの変復調方式 | |
JP2734715B2 (ja) | 光通信装置 | |
JP3495036B2 (ja) | 波長分散を補償した光通信システム及び該システムに適用可能な位相共役光発生装置 | |
JPH06164513A (ja) | 光伝送路及び光通信装置 |