JPH08123443A - 吸音装置 - Google Patents
吸音装置Info
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- JPH08123443A JPH08123443A JP6262971A JP26297194A JPH08123443A JP H08123443 A JPH08123443 A JP H08123443A JP 6262971 A JP6262971 A JP 6262971A JP 26297194 A JP26297194 A JP 26297194A JP H08123443 A JPH08123443 A JP H08123443A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 騒音に対する更なる防音効果の向上又は空間
の音響特性の向上を図ることが出来る吸音装置を提供す
る。 【構成】 吸音面51A〜51D側が開放された箱型の
ケーシング15を有し、ケーシング15には、その内部
を四個の空間S1に分割する仕切板14が設けられ、各
空間S1〜S4には、それぞれ、電気感応型音波吸収制
御用流体組成物を収容した図示しない一対の電極板が設
けられ、各一対の電極板には、その電極板間に電圧を印
加し且つその電圧を可変調整する可変電源60A〜60
Dが設けられて構成される。
の音響特性の向上を図ることが出来る吸音装置を提供す
る。 【構成】 吸音面51A〜51D側が開放された箱型の
ケーシング15を有し、ケーシング15には、その内部
を四個の空間S1に分割する仕切板14が設けられ、各
空間S1〜S4には、それぞれ、電気感応型音波吸収制
御用流体組成物を収容した図示しない一対の電極板が設
けられ、各一対の電極板には、その電極板間に電圧を印
加し且つその電圧を可変調整する可変電源60A〜60
Dが設けられて構成される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音の遮断のための防
音や音響特性の向上のための吸音処理等に用いるに好適
な吸音装置に関する。
音や音響特性の向上のための吸音処理等に用いるに好適
な吸音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活水準の向上につれ、騒音に対
する関心が高まり、防音は業種を問わず、避けて通れな
いテーマとなっている。特に沿道の環境への影響等高速
道路を中心とした騒音対策は、大きな社会問題となって
いる。この騒音対策に用いられているものとしては、例
えば、ポーラスコンクリート等の多孔性材料からなる吸
音板がある。この吸音板は、高い吸音効果を有するの
で、騒音対策として効果的である。また、吸音板は、吸
音効果を有するので、騒音対策以外にも、音楽ホール、
トンネル、地下空間等の音響特性の向上にも高い効果を
奏する。
する関心が高まり、防音は業種を問わず、避けて通れな
いテーマとなっている。特に沿道の環境への影響等高速
道路を中心とした騒音対策は、大きな社会問題となって
いる。この騒音対策に用いられているものとしては、例
えば、ポーラスコンクリート等の多孔性材料からなる吸
音板がある。この吸音板は、高い吸音効果を有するの
で、騒音対策として効果的である。また、吸音板は、吸
音効果を有するので、騒音対策以外にも、音楽ホール、
トンネル、地下空間等の音響特性の向上にも高い効果を
奏する。
【0003】しかし、そのような吸音板では、以下のよ
うな問題を有している。即ち、その材質により固有振動
数が一定であるため、その固有振動数と一致する成分の
音波しか吸収出来ず、吸収しようとする音波の成分を変
更する場合には、その音波の振動数に応じて吸音板を異
質なものに交換する必要がある。そのため、取扱いが煩
雑である。
うな問題を有している。即ち、その材質により固有振動
数が一定であるため、その固有振動数と一致する成分の
音波しか吸収出来ず、吸収しようとする音波の成分を変
更する場合には、その音波の振動数に応じて吸音板を異
質なものに交換する必要がある。そのため、取扱いが煩
雑である。
【0004】そこで、最近、その問題を解決するため
に、以下のような吸音装置が提案されている。その吸音
装置は、一対の電極板の間に、電界配列効果(以下、E
lectric Alignment効果を略して「E
A効果」と称する)を有する固体粒子(電界配列性粒子
を略して「EA粒子」と称する)を有する固体粒子(電
界配列性粒子を略して「EA粒子」と称する)を電気絶
縁性媒体中に含有してなる電気感応型音波吸収制御用流
体組成物(以下、Electric Noise−Co
ntrol流体組成物を略して「ENC流体組成物」と
称する)を設け、その一対の電極板に、電圧を印加しか
つその印加電圧を可変とする電圧印加調整手段を設けて
なる吸音装置である。
に、以下のような吸音装置が提案されている。その吸音
装置は、一対の電極板の間に、電界配列効果(以下、E
lectric Alignment効果を略して「E
A効果」と称する)を有する固体粒子(電界配列性粒子
を略して「EA粒子」と称する)を有する固体粒子(電
界配列性粒子を略して「EA粒子」と称する)を電気絶
縁性媒体中に含有してなる電気感応型音波吸収制御用流
体組成物(以下、Electric Noise−Co
ntrol流体組成物を略して「ENC流体組成物」と
称する)を設け、その一対の電極板に、電圧を印加しか
つその印加電圧を可変とする電圧印加調整手段を設けて
なる吸音装置である。
【0005】この吸音装置に設けられるENC流体組成
物は、印加される電圧の大小によりその粘性が変化する
ものであり、粘性が変化すれば、その特性振動数も変化
するため、吸収する音波の周波数が変化する。よって、
この吸音装置によれば、電圧印加調整手段により電圧を
増減することにより、吸収する音波の周波数を変化させ
ることが出来る。従って、従来の吸音板を用いた場合
の、吸収すべき音波の振動数に応じて吸音板を異質なも
のに交換する煩雑さを解決することが出来る。
物は、印加される電圧の大小によりその粘性が変化する
ものであり、粘性が変化すれば、その特性振動数も変化
するため、吸収する音波の周波数が変化する。よって、
この吸音装置によれば、電圧印加調整手段により電圧を
増減することにより、吸収する音波の周波数を変化させ
ることが出来る。従って、従来の吸音板を用いた場合
の、吸収すべき音波の振動数に応じて吸音板を異質なも
のに交換する煩雑さを解決することが出来る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような吸
音装置においても、騒音に対する更なる防音効果の向上
又は空間の音響特性の向上を図ろうとする場合には、以
下のような問題を有している。即ち、騒音の場合にも、
音響の場合にも、除去すべき音波の周波数は、必ずしも
一つでない。従って、そのような場合に、上述のような
吸音装置では、一方の周波数の音波は吸収出来ても、他
方の周波数の音波は吸収することが出来ないため、十分
な防音効果又は空間の音響特性の向上を図ることが出来
ない。
音装置においても、騒音に対する更なる防音効果の向上
又は空間の音響特性の向上を図ろうとする場合には、以
下のような問題を有している。即ち、騒音の場合にも、
音響の場合にも、除去すべき音波の周波数は、必ずしも
一つでない。従って、そのような場合に、上述のような
吸音装置では、一方の周波数の音波は吸収出来ても、他
方の周波数の音波は吸収することが出来ないため、十分
な防音効果又は空間の音響特性の向上を図ることが出来
ない。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、騒音に対する
更なる防音効果の向上又は空間の音響特性の向上を図る
ことが出来る吸音装置を提供することを目的としてい
る。
更なる防音効果の向上又は空間の音響特性の向上を図る
ことが出来る吸音装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の吸音装置
は、吸音面側が開放されたケーシングを有し、前記ケー
シングには、該ケーシングの内部を複数の空間に分割す
る仕切板が設けられ、前記各空間には、それぞれ、電界
配列効果を有する固体粒子を電気絶縁性媒体中に含有し
てなる電気感応型音波吸収制御用流体組成物と、間隙を
おいて互いに対向し、前記間隙に前記電気感応型音波吸
収制御用流体組成物を収容した一対の電極板とが設けら
れ、前記各一対の電極板には、該電極板間に電圧を印加
し且つ該電圧を可変調整する電圧印加調整手段が設けら
れていることを特徴とする。
は、吸音面側が開放されたケーシングを有し、前記ケー
シングには、該ケーシングの内部を複数の空間に分割す
る仕切板が設けられ、前記各空間には、それぞれ、電界
配列効果を有する固体粒子を電気絶縁性媒体中に含有し
てなる電気感応型音波吸収制御用流体組成物と、間隙を
おいて互いに対向し、前記間隙に前記電気感応型音波吸
収制御用流体組成物を収容した一対の電極板とが設けら
れ、前記各一対の電極板には、該電極板間に電圧を印加
し且つ該電圧を可変調整する電圧印加調整手段が設けら
れていることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載の吸音装置によれば、それぞれの
電圧印加調整手段により、ケーシングのそれぞれの空間
に設けられたENC流体組成物に、電極板を介してそれ
ぞれ異なる電圧を印加すると、ケーシングのそれぞれの
空間のENC流体組成物を、それぞれ異なる特性振動数
とすることが出来る。よって、本発明の吸音装置は、複
数の周波数の音波を同時に吸収することが出来るように
作用する。
電圧印加調整手段により、ケーシングのそれぞれの空間
に設けられたENC流体組成物に、電極板を介してそれ
ぞれ異なる電圧を印加すると、ケーシングのそれぞれの
空間のENC流体組成物を、それぞれ異なる特性振動数
とすることが出来る。よって、本発明の吸音装置は、複
数の周波数の音波を同時に吸収することが出来るように
作用する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1に示すように、本発明の吸音装置100
は、吸音面51A〜51D側が開放された箱型のケーシ
ング15を有している。ケーシング15の内部には、吸
音面51A〜51D側から見て十字形の仕切板14が、
ケーシング15の内部を四個の空間S1〜S4に分割す
るように装着されている。
明する。図1に示すように、本発明の吸音装置100
は、吸音面51A〜51D側が開放された箱型のケーシ
ング15を有している。ケーシング15の内部には、吸
音面51A〜51D側から見て十字形の仕切板14が、
ケーシング15の内部を四個の空間S1〜S4に分割す
るように装着されている。
【0011】各空間S1〜S4には、図2に示すよう
に、それぞれ、一対の電極板17A〜17D、18A〜
18Dが、吸音面51A〜51Dに直交する方向に間隙
をおいて対向配置されており、吸音面51A〜51D側
の電極板17A〜17Dには、音波に対して柔軟な例え
ばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム19
A〜19Dがそれぞれ一様に接着されている。一方の電
極板17A〜17D及びPETフィルム19A〜19D
は、ケーシング15の開口部を閉塞するように設けられ
ており、各PETフィルム19A〜19Dの表面が、吸
音面51A〜51Dとなっている。また、ケーシング1
5の各空間S1〜S4の一対の電極板17A〜17D、
18A〜18D間には、それぞれENC流体組成物10
が密閉された状態で収容されている。
に、それぞれ、一対の電極板17A〜17D、18A〜
18Dが、吸音面51A〜51Dに直交する方向に間隙
をおいて対向配置されており、吸音面51A〜51D側
の電極板17A〜17Dには、音波に対して柔軟な例え
ばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム19
A〜19Dがそれぞれ一様に接着されている。一方の電
極板17A〜17D及びPETフィルム19A〜19D
は、ケーシング15の開口部を閉塞するように設けられ
ており、各PETフィルム19A〜19Dの表面が、吸
音面51A〜51Dとなっている。また、ケーシング1
5の各空間S1〜S4の一対の電極板17A〜17D、
18A〜18D間には、それぞれENC流体組成物10
が密閉された状態で収容されている。
【0012】ENC流体組成物10は、図3に示すよう
に電気絶縁性媒体1中に固体粒子であるEA粒子(電界
配列性粒子)2が均一に分散されてなっている。このE
A粒子2は、有機高分子化合物からなる芯体3と、電界
配列性無機物(以下、「EA無機物」と称する)である
粒子4からなる表層5とによって形成され、無機・有機
複合粒子を形成している。この具体例において、電気絶
縁性媒体1は無色透明のシリコーン油であり、無機・有
機複合粒子の芯体3を形成する有機高分子化合物はポリ
アクリル酸エステルであり、表層5を形成するEA無機
物の粒子4は無機イオン交換体でありかつ電気半導体性
無機物でもある白色の水酸化チタンである。このEA粒
子(無機・有機複合粒子)の色は例えば白色である。ま
た、電気絶縁性媒体1中に含まれるEA粒子2の割合は
例えば7.5重量%である。
に電気絶縁性媒体1中に固体粒子であるEA粒子(電界
配列性粒子)2が均一に分散されてなっている。このE
A粒子2は、有機高分子化合物からなる芯体3と、電界
配列性無機物(以下、「EA無機物」と称する)である
粒子4からなる表層5とによって形成され、無機・有機
複合粒子を形成している。この具体例において、電気絶
縁性媒体1は無色透明のシリコーン油であり、無機・有
機複合粒子の芯体3を形成する有機高分子化合物はポリ
アクリル酸エステルであり、表層5を形成するEA無機
物の粒子4は無機イオン交換体でありかつ電気半導体性
無機物でもある白色の水酸化チタンである。このEA粒
子(無機・有機複合粒子)の色は例えば白色である。ま
た、電気絶縁性媒体1中に含まれるEA粒子2の割合は
例えば7.5重量%である。
【0013】また、図2に示すようにそれぞれの一対の
電極板17A〜17D、18A〜18D間には、その電
極板17A〜17D、18A〜18D間に電圧を印加し
且つその電圧を可変調整する可変電源60A〜60D
が、図1に示すように電気ケーブル63A〜63Dを介
して接続されている。また、可変電源60A〜60D
は、電圧の印加をON又はOFFにするスイッチ61A
〜61Dと、その印加電圧を可変調整するダイヤル62
A〜62Dとを備えている。
電極板17A〜17D、18A〜18D間には、その電
極板17A〜17D、18A〜18D間に電圧を印加し
且つその電圧を可変調整する可変電源60A〜60D
が、図1に示すように電気ケーブル63A〜63Dを介
して接続されている。また、可変電源60A〜60D
は、電圧の印加をON又はOFFにするスイッチ61A
〜61Dと、その印加電圧を可変調整するダイヤル62
A〜62Dとを備えている。
【0014】吸音装置100は以上のような構成を有す
るので、まず、可変電源60A〜60Dのスイッチ61
A〜61DがOFFのとき、即ち、図4に示すように一
対の電極板17A〜17D、18A〜18D間に電圧が
印加されていない状態では、ENC流体組成物10中の
EA効果を有するEA粒子2は電気絶縁性媒体中にラン
ダムに浮遊・分散している。このときには、ENC流体
組成物10の吸音効果は低い状態にある。
るので、まず、可変電源60A〜60Dのスイッチ61
A〜61DがOFFのとき、即ち、図4に示すように一
対の電極板17A〜17D、18A〜18D間に電圧が
印加されていない状態では、ENC流体組成物10中の
EA効果を有するEA粒子2は電気絶縁性媒体中にラン
ダムに浮遊・分散している。このときには、ENC流体
組成物10の吸音効果は低い状態にある。
【0015】次に、可変電源60A〜60Dのスイッチ
61A〜61DをONにして一対の電極板17A〜17
D、18A〜18Dに電圧を印加すると、図5に示すよ
うにEA粒子2は鎖状に配列結合して鎖状体(粒子鎖)
6を形成し、この鎖状体6が電界方向に平行して配列す
る。この状態で、一方の電極板17A〜17Dに、図2
に示すように音波(空気振動)11を入射させると、図
7の(a),(b),(c)および(d)の状態が順次
起こって、図2又は図6に示すように、この電極板17
A〜17DがPETフィルム19A〜19Dとともに他
方の電極板18A〜18Dとの対向方向に振動するが、
鎖状体6自体が弾性の性質を持っているため、鎖状体6
が引っ張られる場合には、図7の(b)に示すように、
鎖状体6は、圧縮される場合には、例えば「く」の字状
に撓んで反発力を生じ、図7の(d)に示すように、鎖
状体6は、引っ張られる場合には、向かい合うEA粒子
2同士が引き合って引力を生じる。これにより、ENC
流体組成物10中での鎖状体6の運動により、粘性抵抗
が生じ、図2に示す音波11の持つエネルギーの損失
(散逸)が起こる。
61A〜61DをONにして一対の電極板17A〜17
D、18A〜18Dに電圧を印加すると、図5に示すよ
うにEA粒子2は鎖状に配列結合して鎖状体(粒子鎖)
6を形成し、この鎖状体6が電界方向に平行して配列す
る。この状態で、一方の電極板17A〜17Dに、図2
に示すように音波(空気振動)11を入射させると、図
7の(a),(b),(c)および(d)の状態が順次
起こって、図2又は図6に示すように、この電極板17
A〜17DがPETフィルム19A〜19Dとともに他
方の電極板18A〜18Dとの対向方向に振動するが、
鎖状体6自体が弾性の性質を持っているため、鎖状体6
が引っ張られる場合には、図7の(b)に示すように、
鎖状体6は、圧縮される場合には、例えば「く」の字状
に撓んで反発力を生じ、図7の(d)に示すように、鎖
状体6は、引っ張られる場合には、向かい合うEA粒子
2同士が引き合って引力を生じる。これにより、ENC
流体組成物10中での鎖状体6の運動により、粘性抵抗
が生じ、図2に示す音波11の持つエネルギーの損失
(散逸)が起こる。
【0016】即ち、電極板17A〜17Dに入射した音
波11に、図6に示す鎖状体6を含むENC流体組成物
10と電極板17A〜17Dとが共振するのである。こ
のような鎖状体6に振動を与える音波周波数は、鎖状体
6の持つ特性振動数(鎖状体6の弾性と電極板の慣性と
のバランスからなる、いわゆる固有振動数と推定され
る)によって定まり、その特性振動数と一致した周波数
の音波が電極板17A〜17Dに入射すると、鎖状体6
は共振してその音波11を吸収する。また、図2に示す
ように他の周波数の音波12は反射されることになる。
従って、このときには、ENC流体組成物10の吸音効
果は高い状態となる。
波11に、図6に示す鎖状体6を含むENC流体組成物
10と電極板17A〜17Dとが共振するのである。こ
のような鎖状体6に振動を与える音波周波数は、鎖状体
6の持つ特性振動数(鎖状体6の弾性と電極板の慣性と
のバランスからなる、いわゆる固有振動数と推定され
る)によって定まり、その特性振動数と一致した周波数
の音波が電極板17A〜17Dに入射すると、鎖状体6
は共振してその音波11を吸収する。また、図2に示す
ように他の周波数の音波12は反射されることになる。
従って、このときには、ENC流体組成物10の吸音効
果は高い状態となる。
【0017】次に、図1に示す各々の可変電源60A〜
60Dのダイヤル62A〜62Dを回すと、ケーシング
15の各空間S1〜S4に設けられた、図5に示すEN
C流体組成物10の各EA粒子2間に働く引力(鎖状体
に生じる応力)が、一対の電極板17A〜17D、18
A〜18Dに印加される電圧の増減に伴って増減し、鎖
状体6自体の弾性率と粘性率が印加電圧の増減に伴って
増減する。
60Dのダイヤル62A〜62Dを回すと、ケーシング
15の各空間S1〜S4に設けられた、図5に示すEN
C流体組成物10の各EA粒子2間に働く引力(鎖状体
に生じる応力)が、一対の電極板17A〜17D、18
A〜18Dに印加される電圧の増減に伴って増減し、鎖
状体6自体の弾性率と粘性率が印加電圧の増減に伴って
増減する。
【0018】そして、ENC流体組成物10の鎖状体6
自体の弾性率と粘性率が増減すると、特性振動数が増減
することとなるので、ENC流体組成物10が吸収する
音波の周波数が変化する。
自体の弾性率と粘性率が増減すると、特性振動数が増減
することとなるので、ENC流体組成物10が吸収する
音波の周波数が変化する。
【0019】従って、可変電源60A〜60Dのダイヤ
ル62A〜62Dによって印加電圧を調整すると、EN
C流体組成物10の鎖状体6の特性振動数を、図2に示
す入射音波(空気振動)11のうち除去したい成分の振
動数に一致させることが出来る。すると、図5の鎖状体
6は、除去したい成分の振動数の音波に共振(共鳴)
し、その音波のエネルギーを消費する。そして、その他
の成分の音波12は図2に示すように反射されることな
る。
ル62A〜62Dによって印加電圧を調整すると、EN
C流体組成物10の鎖状体6の特性振動数を、図2に示
す入射音波(空気振動)11のうち除去したい成分の振
動数に一致させることが出来る。すると、図5の鎖状体
6は、除去したい成分の振動数の音波に共振(共鳴)
し、その音波のエネルギーを消費する。そして、その他
の成分の音波12は図2に示すように反射されることな
る。
【0020】従って、ケーシング15のそれぞれの空間
S1〜S4に設けられたENC流体組成物10は、それ
ぞれの可変電源60A〜60Dにより異なる電圧を印加
されると、それぞれ別な周波数の音波を吸収することと
なる。即ち、本発明の吸音装置100は、複数の周波数
の音波を同時に吸収することが出来る。
S1〜S4に設けられたENC流体組成物10は、それ
ぞれの可変電源60A〜60Dにより異なる電圧を印加
されると、それぞれ別な周波数の音波を吸収することと
なる。即ち、本発明の吸音装置100は、複数の周波数
の音波を同時に吸収することが出来る。
【0021】従って、この吸音装置100を、防音板と
して用いる場合には、騒音を構成する音波の周波数の
内、突出した周波数を4個選択し、その選択した周波数
に、各ENC流体組成物10の特性周波数を一致させる
ように各可変電源60A〜60Dのダイヤル62A〜6
2Dを調節すると、一つの周波数の音波をしか吸収しな
かった従来に比して、騒音に対する防音効果を向上する
ことが出来る。
して用いる場合には、騒音を構成する音波の周波数の
内、突出した周波数を4個選択し、その選択した周波数
に、各ENC流体組成物10の特性周波数を一致させる
ように各可変電源60A〜60Dのダイヤル62A〜6
2Dを調節すると、一つの周波数の音波をしか吸収しな
かった従来に比して、騒音に対する防音効果を向上する
ことが出来る。
【0022】また、音楽ホール等の空間における吸音板
として用いる場合にも、除去したい周波数の音波の内、
突出した周波数を4個選択し、その選択した周波数に、
各ENC流体組成物10の特性周波数を一致させるよう
に各可変電源60A〜60Dのダイヤル62A〜62D
を調節すると、一つの周波数の音波をしか吸収しなかっ
た従来に比して、音響特性の向上を図ることが出来る。
として用いる場合にも、除去したい周波数の音波の内、
突出した周波数を4個選択し、その選択した周波数に、
各ENC流体組成物10の特性周波数を一致させるよう
に各可変電源60A〜60Dのダイヤル62A〜62D
を調節すると、一つの周波数の音波をしか吸収しなかっ
た従来に比して、音響特性の向上を図ることが出来る。
【0023】吸音装置100の特性周波数は、EA粒子
(固体粒子)の大きさ、EA粒子間に働く弾性力、また
電極板の固有振動数および電極板間の距離等により変化
する。本発明では、電気絶縁性媒体中に粒径がほぼ均一
な球形状のEA粒子が分散されたものであるので(不定
形粒子を用いない)、一定電圧下では上述した反発力や
引力が変動せず、しかも、EA粒子間に働く弾性力と電
極板の慣性力のバランスにも変動が生じにくい。上記実
施例においては、鎖状体は「く」の字状に撓むものとさ
れているが、この他に、例えば図8の(a)に示すよう
なS字型、あるいは図8の(b)に示すようなW字型に
撓む場合もあると考えられる。
(固体粒子)の大きさ、EA粒子間に働く弾性力、また
電極板の固有振動数および電極板間の距離等により変化
する。本発明では、電気絶縁性媒体中に粒径がほぼ均一
な球形状のEA粒子が分散されたものであるので(不定
形粒子を用いない)、一定電圧下では上述した反発力や
引力が変動せず、しかも、EA粒子間に働く弾性力と電
極板の慣性力のバランスにも変動が生じにくい。上記実
施例においては、鎖状体は「く」の字状に撓むものとさ
れているが、この他に、例えば図8の(a)に示すよう
なS字型、あるいは図8の(b)に示すようなW字型に
撓む場合もあると考えられる。
【0024】また、上記実施例においては、電界の印加
によってEA粒子(無機・有機複合粒子)2が1列の鎖
状体6を形成して平行に配列する現象について説明した
が、EA粒子2の数が数重量%を越えて多くなると、1
列の鎖状体6ではなく、鎖状体6が複数列相互に接合し
て、図9の(a)の如くカラム119を構成して配列す
るようになる。このカラム119においては左右の鎖状
体のEA粒子2は1つずつずれて互い違いに隣接する。
これについて本発明者らは、図9の(b)に示すごと
く、+極部分と−極部分に誘電分極しているEA粒子2
が互い違いに隣接して+極部分と−極部分とが引き合っ
て配列した方がエネルギー的に安定なためであると推定
している。さらに、上記実施例においては、一対の電極
板間に直接ENC流体組成物を収容したものを示した
が、これに限らず、ENC流体組成物を十分に含浸させ
た多孔質体を一対の電極板間に収容してもよい。この場
合、多孔質体は、EA効果を損なわないために、連続気
泡を有するものが好ましい。
によってEA粒子(無機・有機複合粒子)2が1列の鎖
状体6を形成して平行に配列する現象について説明した
が、EA粒子2の数が数重量%を越えて多くなると、1
列の鎖状体6ではなく、鎖状体6が複数列相互に接合し
て、図9の(a)の如くカラム119を構成して配列す
るようになる。このカラム119においては左右の鎖状
体のEA粒子2は1つずつずれて互い違いに隣接する。
これについて本発明者らは、図9の(b)に示すごと
く、+極部分と−極部分に誘電分極しているEA粒子2
が互い違いに隣接して+極部分と−極部分とが引き合っ
て配列した方がエネルギー的に安定なためであると推定
している。さらに、上記実施例においては、一対の電極
板間に直接ENC流体組成物を収容したものを示した
が、これに限らず、ENC流体組成物を十分に含浸させ
た多孔質体を一対の電極板間に収容してもよい。この場
合、多孔質体は、EA効果を損なわないために、連続気
泡を有するものが好ましい。
【0025】尚、本発明のENC流体組成物に用いる図
3の電気絶縁性媒体1としては、例えば、塩化ジフェニ
ル、セバチン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アル
コールエステル、ハロフェニルアルキルエーテル、トラ
ンス油、塩化パラフィン、弗素系オイル、またはシリコ
ーン系オイルやフルオロシリコーン系オイルなど、電気
絶縁性及び電気絶縁破壊強度が高く、化学的に安定でか
つEA粒子を安定に分散させ得るものであればいずれの
流体またはこれらの混合物も使用可能である。この電気
絶縁性媒体1は、目的に応じて着色することができる。
着色する場合は、選択された電気絶縁性媒体に可溶であ
ってその電気的特性を損なわない種類と量の油溶性染料
または分散性染料を用いることが好ましい。電気絶縁性
媒体1には、この他に分散剤、界面活性剤、粘度調整
剤、酸化防止剤、安定剤などが含まれていてもよい。
3の電気絶縁性媒体1としては、例えば、塩化ジフェニ
ル、セバチン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アル
コールエステル、ハロフェニルアルキルエーテル、トラ
ンス油、塩化パラフィン、弗素系オイル、またはシリコ
ーン系オイルやフルオロシリコーン系オイルなど、電気
絶縁性及び電気絶縁破壊強度が高く、化学的に安定でか
つEA粒子を安定に分散させ得るものであればいずれの
流体またはこれらの混合物も使用可能である。この電気
絶縁性媒体1は、目的に応じて着色することができる。
着色する場合は、選択された電気絶縁性媒体に可溶であ
ってその電気的特性を損なわない種類と量の油溶性染料
または分散性染料を用いることが好ましい。電気絶縁性
媒体1には、この他に分散剤、界面活性剤、粘度調整
剤、酸化防止剤、安定剤などが含まれていてもよい。
【0026】この電気絶縁性媒体1の動粘度は、1cS
tないし30000cStの範囲内であることが好まし
い。動粘度が1cStより小さいと、流体組成物の貯蔵
安定性の面で不足を生じ、動粘度が30000cStよ
り大きいと、EA粒子の均一分散が困難になるととも
に、調整時に気泡を巻き込み、その気泡が抜けにくくな
り、取り扱いに支障を来すので好ましくない。この観点
から、動粘度は10cStないし1000cStの範囲
内、特に10cStないし100cStの範囲内である
ことが好ましい。もちろん、電気絶縁性媒体1の動粘度
は、温度により変化し、この温度影響を印加電圧によっ
て抑制することができる。
tないし30000cStの範囲内であることが好まし
い。動粘度が1cStより小さいと、流体組成物の貯蔵
安定性の面で不足を生じ、動粘度が30000cStよ
り大きいと、EA粒子の均一分散が困難になるととも
に、調整時に気泡を巻き込み、その気泡が抜けにくくな
り、取り扱いに支障を来すので好ましくない。この観点
から、動粘度は10cStないし1000cStの範囲
内、特に10cStないし100cStの範囲内である
ことが好ましい。もちろん、電気絶縁性媒体1の動粘度
は、温度により変化し、この温度影響を印加電圧によっ
て抑制することができる。
【0027】本発明に用いられるEA粒子2は、EA効
果を有する無機・有機複合粒子であれば、元素、有機化
合物、または無機化合物、またはそれらの混合物など、
いずれの素材も使用可能である。その例としては例えば
無機イオン交換体、金属酸化物、シリカゲル、電気半導
体性無機物、カーボンブラックなどの粒子、およびこれ
らを表層として有する粒子を挙げることができる。しか
し、このEA粒子2は、上記実施例に示したように、有
機高分子化合物からなる芯体3と、EA無機物の粒子4
からなる表層5とによって形成された無機・有機複合粒
子であることが特に好ましい。この無機・有機複合粒子
は、比較的比重が重いEA無機物の粒子4からなる表層
5が比較的比重の軽い有機高分子化合物である芯体3に
担持されていて、その粒子全体の比重を電気絶縁性媒体
1に対して近似するように調節できる。従ってこれを電
気絶縁性媒体1に分散して得られたENC流体組成物
は、貯蔵安定性に優れたものとなる。
果を有する無機・有機複合粒子であれば、元素、有機化
合物、または無機化合物、またはそれらの混合物など、
いずれの素材も使用可能である。その例としては例えば
無機イオン交換体、金属酸化物、シリカゲル、電気半導
体性無機物、カーボンブラックなどの粒子、およびこれ
らを表層として有する粒子を挙げることができる。しか
し、このEA粒子2は、上記実施例に示したように、有
機高分子化合物からなる芯体3と、EA無機物の粒子4
からなる表層5とによって形成された無機・有機複合粒
子であることが特に好ましい。この無機・有機複合粒子
は、比較的比重が重いEA無機物の粒子4からなる表層
5が比較的比重の軽い有機高分子化合物である芯体3に
担持されていて、その粒子全体の比重を電気絶縁性媒体
1に対して近似するように調節できる。従ってこれを電
気絶縁性媒体1に分散して得られたENC流体組成物
は、貯蔵安定性に優れたものとなる。
【0028】EA粒子(無機・有機複合粒子)2の芯体
3として使用し得る有機高分子化合物の例としては、ポ
リ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合物、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、AB
S樹脂、ナイロン、ポリビニルブチレート、アイオノマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、
ポリカーボネート樹脂などの1種または2種以上の混合
物または共重合物を挙げることができる。
3として使用し得る有機高分子化合物の例としては、ポ
リ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合物、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、AB
S樹脂、ナイロン、ポリビニルブチレート、アイオノマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、
ポリカーボネート樹脂などの1種または2種以上の混合
物または共重合物を挙げることができる。
【0029】表層5を形成するEA無機物である粒子4
としては種々のものが用い得るが、好ましい例としては
無機イオン交換体とシリカゲルと電気半導体性無機物と
を挙げることができる。これらの粒子4を用いて有機高
分子化合物からなる芯体3の上に表層5を形成すると
き、得られた無機・有機複合粒子は有用なEA粒子2と
なる。
としては種々のものが用い得るが、好ましい例としては
無機イオン交換体とシリカゲルと電気半導体性無機物と
を挙げることができる。これらの粒子4を用いて有機高
分子化合物からなる芯体3の上に表層5を形成すると
き、得られた無機・有機複合粒子は有用なEA粒子2と
なる。
【0030】上記無機イオン交換体の例としては(1)
多価金属の水酸化物、(2)ハイドロタルサイト類、
(3)多価金属の酸性塩、(4)ヒドロキシアパタイ
ト、(5)ナシコン型化合物、(6)粘土鉱物、(7)
チタン酸カリウム類、(8)ヘテロポリ酸塩、および
(9)不溶性フェロシアン化物を挙げることができる。
多価金属の水酸化物、(2)ハイドロタルサイト類、
(3)多価金属の酸性塩、(4)ヒドロキシアパタイ
ト、(5)ナシコン型化合物、(6)粘土鉱物、(7)
チタン酸カリウム類、(8)ヘテロポリ酸塩、および
(9)不溶性フェロシアン化物を挙げることができる。
【0031】以下に、それぞれの無機イオン交換体につ
いて詳しく説明する。 (1)多価金属の水酸化物。 これらの化合物は、一般式MOx(OH)y(Mは多価金
属であり、xは零以上の数であり、yは正数である)で
表され、例えば、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、
水酸化ビスマス、水酸化錫、水酸化鉛、水酸化アルミニ
ウム、水酸化タンタル、水酸化ニオブ、水酸化モリブデ
ン、水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、および水酸
化鉄などである。ここで、例えば水酸化チタンとは含水
酸化チタン(別名メタチタン酸またはβチタン酸、Ti
O(OH)2)および水酸化チタン(別名オルソチタン
酸またはαチタン酸、Ti(OH)4)の双方を含むも
のであり、他の化合物についても同様である。
いて詳しく説明する。 (1)多価金属の水酸化物。 これらの化合物は、一般式MOx(OH)y(Mは多価金
属であり、xは零以上の数であり、yは正数である)で
表され、例えば、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、
水酸化ビスマス、水酸化錫、水酸化鉛、水酸化アルミニ
ウム、水酸化タンタル、水酸化ニオブ、水酸化モリブデ
ン、水酸化マグネシウム、水酸化マンガン、および水酸
化鉄などである。ここで、例えば水酸化チタンとは含水
酸化チタン(別名メタチタン酸またはβチタン酸、Ti
O(OH)2)および水酸化チタン(別名オルソチタン
酸またはαチタン酸、Ti(OH)4)の双方を含むも
のであり、他の化合物についても同様である。
【0032】(2)ハイドロタルサイト類。 これらの化合物は、一般式M13Al6(OH)43(C
O)3・12H2O(Mは二価の金属である)で表され、
例えば二価の金属MがMg、CaまたはNiなどであ
る。 (3)多価金属の酸性塩。 これらは例えばリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リ
ン酸錫、リン酸セリウム、リン酸クロム、ヒ酸ジルコニ
ウム、ヒ酸チタン、ヒ酸錫、ヒ酸セリウム、アンチモン
酸チタン、アンチモン酸錫、アンチモン酸タンタル、ア
ンチモン酸ニオブ、タングステン酸ジルコニウム、バナ
ジン酸チタン、モリブデン酸ジルコニウム、セレン酸チ
タンおよびモリブデン酸錫などである。
O)3・12H2O(Mは二価の金属である)で表され、
例えば二価の金属MがMg、CaまたはNiなどであ
る。 (3)多価金属の酸性塩。 これらは例えばリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リ
ン酸錫、リン酸セリウム、リン酸クロム、ヒ酸ジルコニ
ウム、ヒ酸チタン、ヒ酸錫、ヒ酸セリウム、アンチモン
酸チタン、アンチモン酸錫、アンチモン酸タンタル、ア
ンチモン酸ニオブ、タングステン酸ジルコニウム、バナ
ジン酸チタン、モリブデン酸ジルコニウム、セレン酸チ
タンおよびモリブデン酸錫などである。
【0033】(4)ヒドロキシアパタイト。 これらは例えばカルシウムアパタイト、鉛アパタイト、
ストロンチウムアパタイト、カドミウムアパタイトなど
である。 (5)ナシコン型化合物。 これらには例えば(H3O)Zr2(PO4)3のようなも
のが含まれるが、本発明においてはH3OをNaと置換
したナシコン型化合物も使用できる。 (6)粘土鉱物。 これらは例えばモンモリロナイト、セピオライト、ベン
トナイトなどであり、特にセピオライトが好ましい。
ストロンチウムアパタイト、カドミウムアパタイトなど
である。 (5)ナシコン型化合物。 これらには例えば(H3O)Zr2(PO4)3のようなも
のが含まれるが、本発明においてはH3OをNaと置換
したナシコン型化合物も使用できる。 (6)粘土鉱物。 これらは例えばモンモリロナイト、セピオライト、ベン
トナイトなどであり、特にセピオライトが好ましい。
【0034】(7)チタン酸カリウム類。 これらは一般式aK2O・bTiO2・nH2O(aは0
<a≦1を満たす正数であり、bは1≦b≦6を満たす
正数であり、nは正数である)で表され、例えばK2・
TiO2・2H2O、K2O・2TiO2・2H2O、0.
5K2O・TiO2・2H2O、及びK2O・2.5TiO
2・2H2Oなどである。なお、上記化合物のうち、aま
たはbが整数でない化合物はaまたはbが適当な整数で
ある化合物を酸処理し、KとHとを置換することによっ
て容易に合成される。
<a≦1を満たす正数であり、bは1≦b≦6を満たす
正数であり、nは正数である)で表され、例えばK2・
TiO2・2H2O、K2O・2TiO2・2H2O、0.
5K2O・TiO2・2H2O、及びK2O・2.5TiO
2・2H2Oなどである。なお、上記化合物のうち、aま
たはbが整数でない化合物はaまたはbが適当な整数で
ある化合物を酸処理し、KとHとを置換することによっ
て容易に合成される。
【0035】(8)ヘテロポリ酸塩。 これらは一般式H3AE12O40・nH2O(Aはリン、ヒ
素、ゲルマニウム、またはケイ素であり、Eはモリブデ
ン、タングステン、またはバナジウムであり、nは正数
である)で表され、例えばモリブドリン酸アンモニウ
ム、およびタングストリン酸アンモニウムである。 (9)不溶性フェロシアン化物。 これらは次の一般式で表される化合物である。Mb-pxa
A[E(CN)6](Mはアルカリ金属または水素イオ
ン、Aは亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、カ
ドミウム、鉄(III)またはチタンなどの重金属イオ
ン、Eは鉄(II)、鉄(III)、またはコバルト
(II)などであり、bは4または3であり、aはAの
価数であり、pは0〜b/aの正数である。) これらには例えば、Cs2Zn[Fe(CN)6]および
K2Co[Fe(CN)6]などの不溶性フェロシアン化
合物が含まれる。
素、ゲルマニウム、またはケイ素であり、Eはモリブデ
ン、タングステン、またはバナジウムであり、nは正数
である)で表され、例えばモリブドリン酸アンモニウ
ム、およびタングストリン酸アンモニウムである。 (9)不溶性フェロシアン化物。 これらは次の一般式で表される化合物である。Mb-pxa
A[E(CN)6](Mはアルカリ金属または水素イオ
ン、Aは亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、カ
ドミウム、鉄(III)またはチタンなどの重金属イオ
ン、Eは鉄(II)、鉄(III)、またはコバルト
(II)などであり、bは4または3であり、aはAの
価数であり、pは0〜b/aの正数である。) これらには例えば、Cs2Zn[Fe(CN)6]および
K2Co[Fe(CN)6]などの不溶性フェロシアン化
合物が含まれる。
【0036】上記(1)〜(6)の無機イオン交換体は
いずれもOH基を有しており、これらの無機イオン交換
体のイオン交換サイトに存在するイオンの一部または全
部を別のイオンに置換したもの(以下、置換型無機イオ
ン交換体という)も、本発明における無機イオン交換体
に含まれるものである。即ち、前述の無機イオン交換体
をR−M1(M1は、イオン交換サイトのイオン種を表
す)と表すと、R−M1におけるM1の一部または全部
を、下記のイオン交換反応によって、M1とは異なるイ
オン種M2に置換した置換型無機イオン交換体もまた、
本発明における無機イオン交換体である。 xR−M1+yM2→Rx−(M2)y+xM1 (ここでx、yはそれぞれイオン種M2、M1の価数を表
す)。M1はOH基を有する無機イオン交換体の種類に
より異なるが、無機イオン交換体が陽イオン交換性を示
すものでは、一般にM1はH+であり、この場合のM2は
アルカリ金属、アルカリ土類金属、多価典型金属、遷移
金属または希土類金属等、H+以外の金属イオンのいず
れか任意のものである。OH基を有する無機イオン交換
体が陰イオン交換性を示すものでは、M1は一般にOH-
であり、その場合M2は例えばI、Cl、SCN、N
O2、Br、F、CH3COO、SO4またはCrO4など
や錯イオンなど、OH-以外の陰イオン全般の内の任意
のものである。
いずれもOH基を有しており、これらの無機イオン交換
体のイオン交換サイトに存在するイオンの一部または全
部を別のイオンに置換したもの(以下、置換型無機イオ
ン交換体という)も、本発明における無機イオン交換体
に含まれるものである。即ち、前述の無機イオン交換体
をR−M1(M1は、イオン交換サイトのイオン種を表
す)と表すと、R−M1におけるM1の一部または全部
を、下記のイオン交換反応によって、M1とは異なるイ
オン種M2に置換した置換型無機イオン交換体もまた、
本発明における無機イオン交換体である。 xR−M1+yM2→Rx−(M2)y+xM1 (ここでx、yはそれぞれイオン種M2、M1の価数を表
す)。M1はOH基を有する無機イオン交換体の種類に
より異なるが、無機イオン交換体が陽イオン交換性を示
すものでは、一般にM1はH+であり、この場合のM2は
アルカリ金属、アルカリ土類金属、多価典型金属、遷移
金属または希土類金属等、H+以外の金属イオンのいず
れか任意のものである。OH基を有する無機イオン交換
体が陰イオン交換性を示すものでは、M1は一般にOH-
であり、その場合M2は例えばI、Cl、SCN、N
O2、Br、F、CH3COO、SO4またはCrO4など
や錯イオンなど、OH-以外の陰イオン全般の内の任意
のものである。
【0037】また、高温加熱処理によりOH基を一旦失
ってはいるが、水に浸漬させるなどの操作によって再び
OH基を有するようになる無機イオン交換体について
は、その高温加熱処理後の無機イオン交換体なども本発
明に使用できる無機イオン交換体の一種であり、その具
体例としてはナシコン型化合物、例えば(H3O)Zr2
(PO4)3の加熱により得られるHZr2(PO4)3や
ハイドロタルサイトの高温 加熱処理物(500〜70
0℃で加熱処理したもの)などがある。これらの無機イ
オン交換体は一種類だけではなく、多種類を同時に表層
として用いることもできる。なお、上記の無機イオン交
換体として、多価金属の水酸化物、及び多価金属の酸性
塩を用いることが特に好ましい。
ってはいるが、水に浸漬させるなどの操作によって再び
OH基を有するようになる無機イオン交換体について
は、その高温加熱処理後の無機イオン交換体なども本発
明に使用できる無機イオン交換体の一種であり、その具
体例としてはナシコン型化合物、例えば(H3O)Zr2
(PO4)3の加熱により得られるHZr2(PO4)3や
ハイドロタルサイトの高温 加熱処理物(500〜70
0℃で加熱処理したもの)などがある。これらの無機イ
オン交換体は一種類だけではなく、多種類を同時に表層
として用いることもできる。なお、上記の無機イオン交
換体として、多価金属の水酸化物、及び多価金属の酸性
塩を用いることが特に好ましい。
【0038】上記EA粒子(無機・有機複合粒子)2の
表層5として使用し得る電気半導体性無機物の例は、電
気伝導度が、室温にて103〜10-11Ω-1/cmの金属
酸化物、金属水酸化物、金属酸化水酸化物、無機イオン
交換体、またはこれらの少なくともいずれか1種に金属
ドーピングしたもの、もしくは金属ドーピングの有無に
拘わらず、これらの少なくともいずれか1種を他の支持
体上に電気半導体層として施したものなどである。
表層5として使用し得る電気半導体性無機物の例は、電
気伝導度が、室温にて103〜10-11Ω-1/cmの金属
酸化物、金属水酸化物、金属酸化水酸化物、無機イオン
交換体、またはこれらの少なくともいずれか1種に金属
ドーピングしたもの、もしくは金属ドーピングの有無に
拘わらず、これらの少なくともいずれか1種を他の支持
体上に電気半導体層として施したものなどである。
【0039】好ましい電気半導体性無機物の例を以下に
示す。 (A)金属酸化物:例えばSnO2 、アモルファス型二
酸化チタン(出光石油化学社製)などである。 (B)金属水酸化物:例えば水酸化チタン、水酸化ニオ
ブなどである。ここで水酸化チタンとは、含水酸化チタ
ン(石原産業社製)、メタチタン酸(別名βチタン酸、
TiO(OH)2 )およびオルソチタン酸(別名αチタ
ン酸、Ti(OH)4 )を含むものである。 (C)金属酸化水酸化物:この例としては例えばFeO
(OH)(ゲーサイト)などを挙げることができる。 (D)多価金属の水酸化物:無機イオン交換体(1)と
同等。 (E)ハイドロタルサイト類:無機イオン交換体(2)
と同等。 (F)多価金属の酸性塩:無機イオン交換体(3)と同
等。 (G)ヒドロキシアパタイト:無機イオン交換体(4)
と同等。 (H)ナシコン型化合物:無機イオン交換体(5)と同
等。 (I)粘土鉱物:無機イオン交換体(6)と同等。 (J)チタン酸カリウム類:無機イオン交換体(7)と
同等。 (K)ヘテロポリ酸塩:無機イオン交換体(8)と同
等。 (L)不溶性フェロシアン化物:無機イオン交換体
(9)と同等。 (M)金属ドーピングEA無機物:これは上記の電気半
導体性無機物(A)〜(L)の電気伝導度を上げるため
に、アンチモン(Sb)などの金属をER無機物にドー
ピングしたものであって、例としてはアンチモン(S
b)ドーピング酸化錫(SnO2 )などを挙げることが
できる。 (N)他の支持体上に電気半導体層としてEA無機物を
施したもの:例えば支持体として酸化チタン、シリカ、
アルミナ、シリカ−アルミナなどの無機物粒子、または
ポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機高分子粒子を
用い、これに電気半導体層としてアンチモン(Sb)ド
ーピング酸化錫(SnO2 )を施したものなどを挙げる
ことができる。このように他の支持体上にEA無機物が
施された粒子も、全体としてEA無機物と見なすことが
できる。これらのEA無機物は、1種類だけでなく、2
種類またはそれ以上を同時に表層として用いることもで
きる。
示す。 (A)金属酸化物:例えばSnO2 、アモルファス型二
酸化チタン(出光石油化学社製)などである。 (B)金属水酸化物:例えば水酸化チタン、水酸化ニオ
ブなどである。ここで水酸化チタンとは、含水酸化チタ
ン(石原産業社製)、メタチタン酸(別名βチタン酸、
TiO(OH)2 )およびオルソチタン酸(別名αチタ
ン酸、Ti(OH)4 )を含むものである。 (C)金属酸化水酸化物:この例としては例えばFeO
(OH)(ゲーサイト)などを挙げることができる。 (D)多価金属の水酸化物:無機イオン交換体(1)と
同等。 (E)ハイドロタルサイト類:無機イオン交換体(2)
と同等。 (F)多価金属の酸性塩:無機イオン交換体(3)と同
等。 (G)ヒドロキシアパタイト:無機イオン交換体(4)
と同等。 (H)ナシコン型化合物:無機イオン交換体(5)と同
等。 (I)粘土鉱物:無機イオン交換体(6)と同等。 (J)チタン酸カリウム類:無機イオン交換体(7)と
同等。 (K)ヘテロポリ酸塩:無機イオン交換体(8)と同
等。 (L)不溶性フェロシアン化物:無機イオン交換体
(9)と同等。 (M)金属ドーピングEA無機物:これは上記の電気半
導体性無機物(A)〜(L)の電気伝導度を上げるため
に、アンチモン(Sb)などの金属をER無機物にドー
ピングしたものであって、例としてはアンチモン(S
b)ドーピング酸化錫(SnO2 )などを挙げることが
できる。 (N)他の支持体上に電気半導体層としてEA無機物を
施したもの:例えば支持体として酸化チタン、シリカ、
アルミナ、シリカ−アルミナなどの無機物粒子、または
ポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機高分子粒子を
用い、これに電気半導体層としてアンチモン(Sb)ド
ーピング酸化錫(SnO2 )を施したものなどを挙げる
ことができる。このように他の支持体上にEA無機物が
施された粒子も、全体としてEA無機物と見なすことが
できる。これらのEA無機物は、1種類だけでなく、2
種類またはそれ以上を同時に表層として用いることもで
きる。
【0040】EA粒子(無機・有機複合粒子)2は、種
々な方法によって製造することができる。例えば、有機
高分子化合物からなる粒子状の芯体3と微粒子状の粒子
4とをジェット気流によって搬送し、衝突させて製造す
る方法がある。この場合は粒子状の芯体3の表面に粒子
4の微粒子が高速度で衝突し、固着して表層5を形成す
る。また別の製法例としては、粒子状の芯体3を気体中
に浮遊させ、粒子4の溶液を霧状にしてその表面に噴霧
する方法がある。この場合はその溶液が芯体3の表面に
付着し乾燥することによって表層5が形成される。
々な方法によって製造することができる。例えば、有機
高分子化合物からなる粒子状の芯体3と微粒子状の粒子
4とをジェット気流によって搬送し、衝突させて製造す
る方法がある。この場合は粒子状の芯体3の表面に粒子
4の微粒子が高速度で衝突し、固着して表層5を形成す
る。また別の製法例としては、粒子状の芯体3を気体中
に浮遊させ、粒子4の溶液を霧状にしてその表面に噴霧
する方法がある。この場合はその溶液が芯体3の表面に
付着し乾燥することによって表層5が形成される。
【0041】EA粒子(無機・有機複合粒子)2を製造
する特に好ましい製法は、芯体3と同時に表層5を形成
する方法である。この方法は、例えば、芯体3を形成す
る有機高分子化合物のモノマーを重合媒体中で乳化重
合、懸濁重合または分散重合するに際して、微粒子状と
したEA無機物である粒子4を上記モノマー中、または
重合媒体中に存在させるというものである。重合媒体と
しては水が好ましいが、水と水溶性有機溶媒との混合物
を使用することもでき、また有機系の貧溶媒を使用する
こともできる。この方法によれば、重合媒体の中でモノ
マーが重合して芯体粒子3を形成すると同時に、微粒子
状のEA無機物の粒子4が芯体3の表面に層状に配向し
てこれを被覆し、表層5を形成する。
する特に好ましい製法は、芯体3と同時に表層5を形成
する方法である。この方法は、例えば、芯体3を形成す
る有機高分子化合物のモノマーを重合媒体中で乳化重
合、懸濁重合または分散重合するに際して、微粒子状と
したEA無機物である粒子4を上記モノマー中、または
重合媒体中に存在させるというものである。重合媒体と
しては水が好ましいが、水と水溶性有機溶媒との混合物
を使用することもでき、また有機系の貧溶媒を使用する
こともできる。この方法によれば、重合媒体の中でモノ
マーが重合して芯体粒子3を形成すると同時に、微粒子
状のEA無機物の粒子4が芯体3の表面に層状に配向し
てこれを被覆し、表層5を形成する。
【0042】乳化重合または懸濁重合によってEA粒子
(無機・有機複合粒子)を製造する場合には、モノマー
の疎水性の性質とEA無機物の親水性の性質を組み合わ
せることによって、EA無機物の粒子4の大部分を芯体
3の表面に付着させることができる。この芯体3と表層
5との同時形成方法によれば、有機高分子化合物からな
る芯体3の表面にEA無機物の粒子4が緻密かつ強固に
接着し、堅牢なEA粒子(無機・有機複合粒子)2が形
成される。
(無機・有機複合粒子)を製造する場合には、モノマー
の疎水性の性質とEA無機物の親水性の性質を組み合わ
せることによって、EA無機物の粒子4の大部分を芯体
3の表面に付着させることができる。この芯体3と表層
5との同時形成方法によれば、有機高分子化合物からな
る芯体3の表面にEA無機物の粒子4が緻密かつ強固に
接着し、堅牢なEA粒子(無機・有機複合粒子)2が形
成される。
【0043】本発明に使用するEA粒子2の形状は必ず
しも球形であることを要しないが、粒子状の芯体3が調
節された乳化・懸濁重合方法によって製造された場合
は、得られるEA粒子2の形状はほぼ球形となる。EA
粒子2の粒径は特に限定されるものではないが、0.1
μmないし500μm、特に5μmないし200μmの
範囲内とすることが好ましい。この際の微粒子状のEA
無機物である粒子4の粒径は特に限定されるものではな
いが、好ましくは0.005μmないし100μm、さ
らに好ましくは0.01μmないし10μmの範囲内と
する。
しも球形であることを要しないが、粒子状の芯体3が調
節された乳化・懸濁重合方法によって製造された場合
は、得られるEA粒子2の形状はほぼ球形となる。EA
粒子2の粒径は特に限定されるものではないが、0.1
μmないし500μm、特に5μmないし200μmの
範囲内とすることが好ましい。この際の微粒子状のEA
無機物である粒子4の粒径は特に限定されるものではな
いが、好ましくは0.005μmないし100μm、さ
らに好ましくは0.01μmないし10μmの範囲内と
する。
【0044】EA粒子(無機・有機複合粒子)2におい
て、表層5を形成するEA無機物である粒子4と芯体3
を形成する有機高分子化合物の重量比は特に限定される
ものではないが、保存安定性の高いENC流体組成物を
得るためには、EA無機物の粒子4と有機高分子化合物
の芯体3の合計重量に対して粒子4が1重量%ないし6
0重量%の範囲内、特に4重量%ないし30重量%の範
囲内とすることが好ましい。この芯体3の割合が1重量
%未満では、得られたEA粒子2のEA特性が不十分と
なり、60重量%を超えると、EA2粒子の比重が過大
となって保存安定性を損なう惧れがある。また、本発明
のENC流体組成物は、上記のEA粒子2を、必要なら
分散剤、他の成分とともに電気絶縁性媒体中に均一に攪
拌混合して製造することができる。この攪拌機として
は、液状分散媒に固体粒子を分散させるために通常使用
されるものがいずれも使用できる。電気絶縁性媒体中1
におけるEA粒子2の含有率は、特に限定されるもので
はないが、0.5〜75重量%、特に5〜50重量%で
あることが好ましい。その含有率が1%未満では充分な
EA効果が得られず、75%以上では電圧を印加しない
ときのENC流体組成物の初期粘度が過大となって使用
が困難になる。
て、表層5を形成するEA無機物である粒子4と芯体3
を形成する有機高分子化合物の重量比は特に限定される
ものではないが、保存安定性の高いENC流体組成物を
得るためには、EA無機物の粒子4と有機高分子化合物
の芯体3の合計重量に対して粒子4が1重量%ないし6
0重量%の範囲内、特に4重量%ないし30重量%の範
囲内とすることが好ましい。この芯体3の割合が1重量
%未満では、得られたEA粒子2のEA特性が不十分と
なり、60重量%を超えると、EA2粒子の比重が過大
となって保存安定性を損なう惧れがある。また、本発明
のENC流体組成物は、上記のEA粒子2を、必要なら
分散剤、他の成分とともに電気絶縁性媒体中に均一に攪
拌混合して製造することができる。この攪拌機として
は、液状分散媒に固体粒子を分散させるために通常使用
されるものがいずれも使用できる。電気絶縁性媒体中1
におけるEA粒子2の含有率は、特に限定されるもので
はないが、0.5〜75重量%、特に5〜50重量%で
あることが好ましい。その含有率が1%未満では充分な
EA効果が得られず、75%以上では電圧を印加しない
ときのENC流体組成物の初期粘度が過大となって使用
が困難になる。
【0045】上記の各種方法、特に芯体3と表層5とを
同時に形成する方法によって製造されたEA粒子2は、
その表層5の全部または一部分が有機高分子物質や、製
造工程で使用された分散剤、乳化剤その他の添加物質の
薄膜で覆われていて、電界配列性粒子としての電界配列
効果が充分に発揮されない場合がある。この不活性物質
の薄膜は粒子表面を研磨することによって容易に除去す
ることができる。従って芯体3と表層5とを同時に形成
する場合には、その表面を研磨することが好ましい。
同時に形成する方法によって製造されたEA粒子2は、
その表層5の全部または一部分が有機高分子物質や、製
造工程で使用された分散剤、乳化剤その他の添加物質の
薄膜で覆われていて、電界配列性粒子としての電界配列
効果が充分に発揮されない場合がある。この不活性物質
の薄膜は粒子表面を研磨することによって容易に除去す
ることができる。従って芯体3と表層5とを同時に形成
する場合には、その表面を研磨することが好ましい。
【0046】この粒子表面の研磨は、種々な方法で行う
ことができる。例えば、無機・有機複合粒子であるEA
粒子2を水などの分散媒体中に分散させて、これを攪拌
する方法によって行うことができる。この際、分散媒体
中に砂粒やボールなどの研磨材を混入してEA粒子2と
共に攪拌する方法、あるいは研削砥石を用いて攪拌する
方法などによって行うこともできる。例えばまた、分散
媒体を使用せず、EA粒子2と上記のような研磨材また
は研削砥石とを用いて乾式で攪拌して行うこともでき
る。
ことができる。例えば、無機・有機複合粒子であるEA
粒子2を水などの分散媒体中に分散させて、これを攪拌
する方法によって行うことができる。この際、分散媒体
中に砂粒やボールなどの研磨材を混入してEA粒子2と
共に攪拌する方法、あるいは研削砥石を用いて攪拌する
方法などによって行うこともできる。例えばまた、分散
媒体を使用せず、EA粒子2と上記のような研磨材また
は研削砥石とを用いて乾式で攪拌して行うこともでき
る。
【0047】さらに好ましい研磨方法は、EA粒子2を
ジェット気流などによって気流攪拌する方法である。こ
れは気相中で粒子自体を相互に激しく衝突させて研磨す
る方法であり、他の研磨材を必要とせず、研磨済みの粒
子を分級によって容易に分離し得る点で好ましい方法で
ある。上記のジェット気流攪拌においては、それに用い
られる装置の種類、攪拌速度、EA粒子2の材質などに
より研磨条件を選定する必要があるが、一般的には60
00rpmの攪拌速度で0.5min〜15min程度
ジェット気流攪拌することが好ましい。
ジェット気流などによって気流攪拌する方法である。こ
れは気相中で粒子自体を相互に激しく衝突させて研磨す
る方法であり、他の研磨材を必要とせず、研磨済みの粒
子を分級によって容易に分離し得る点で好ましい方法で
ある。上記のジェット気流攪拌においては、それに用い
られる装置の種類、攪拌速度、EA粒子2の材質などに
より研磨条件を選定する必要があるが、一般的には60
00rpmの攪拌速度で0.5min〜15min程度
ジェット気流攪拌することが好ましい。
【0048】本発明のENC流体組成物は、上記のEA
粒子2を、必要なら分散剤など他の成分と共に電気絶縁
性媒体1中に均一に攪拌混合し分散させて製造すること
ができる。この攪拌機としては、液状分散媒に固体粒子
を分散させるために通常使用されるものがいずれも使用
できる。
粒子2を、必要なら分散剤など他の成分と共に電気絶縁
性媒体1中に均一に攪拌混合し分散させて製造すること
ができる。この攪拌機としては、液状分散媒に固体粒子
を分散させるために通常使用されるものがいずれも使用
できる。
【0049】尚、上記実施例においては、ケーシング1
5内に空間S1〜S4を四個形成するように仕切板14
を設けたが、必ずしも四個である必要はなく、二個でも
三個でも、又、五個以上でも良いことは勿論である。そ
の際にも、各空間に、それぞれENC流体組成物及び一
対の電極板が設けられ、一対の電極板には、それぞれ可
変電源が設けられる。
5内に空間S1〜S4を四個形成するように仕切板14
を設けたが、必ずしも四個である必要はなく、二個でも
三個でも、又、五個以上でも良いことは勿論である。そ
の際にも、各空間に、それぞれENC流体組成物及び一
対の電極板が設けられ、一対の電極板には、それぞれ可
変電源が設けられる。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の吸音装置によれば、複数
の周波数の音波を同時に吸収することが出来るので、防
音板として用いることにより、騒音に対する更なる防音
効果の向上を図ることが出来、空間における吸音板とし
て用いることによりその空間の更なる音響特性の向上を
図ることが出来る。
の周波数の音波を同時に吸収することが出来るので、防
音板として用いることにより、騒音に対する更なる防音
効果の向上を図ることが出来、空間における吸音板とし
て用いることによりその空間の更なる音響特性の向上を
図ることが出来る。
【図1】 本発明の吸音装置の一実施例を示す図であ
る。
る。
【図2】 図1の吸音装置のケーシングの内部を示す拡
大断面図である。
大断面図である。
【図3】 本発明に係わるENC流体組成物の一実施例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図4】 本発明に係わるENC流体組成物の電源オフ
時の態様を示す断面図である。
時の態様を示す断面図である。
【図5】 本発明に係わるENC流体組成物の電源オン
時の態様を示す断面図である。
時の態様を示す断面図である。
【図6】 本発明の吸音装置において、音波が入射され
て鎖状体や一方の電極板が共振している状態を示す断面
図である。
て鎖状体や一方の電極板が共振している状態を示す断面
図である。
【図7】 本発明の吸音装置に、音波が入射されて一方
の電極板が振動している状態を示す断面図である。
の電極板が振動している状態を示す断面図である。
【図8】 本発明の吸音装置において、鎖状体の撓み状
態の別な例を示す図である。
態の別な例を示す図である。
【図9】 本発明の吸音装置において、鎖状体が複数列
相互に接合してなるカラムを示す図である。
相互に接合してなるカラムを示す図である。
2…EA粒子(固体粒子)、10…電気感応型音波吸収
制御用流体組成物、17A〜17D…電極板、18A〜
18D…電極板、60A〜60D…可変電源(電圧印加
調整手段)、100…吸音装置、S1〜S4…第一〜第
四空間。
制御用流体組成物、17A〜17D…電極板、18A〜
18D…電極板、60A〜60D…可変電源(電圧印加
調整手段)、100…吸音装置、S1〜S4…第一〜第
四空間。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/162 G10K 11/16 A (72)発明者 後藤 守孝 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 古市 健二 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 大坪 泰文 千葉県千葉市稲毛区小仲台9丁目21番1号 206
Claims (1)
- 【請求項1】 吸音面側が開放されたケーシングを有
し、 前記ケーシングには、該ケーシングの内部を複数の空間
に分割する仕切板が設けられ、 前記各空間には、それぞれ、電界配列効果を有する固体
粒子を電気絶縁性媒体中に含有してなる電気感応型音波
吸収制御用流体組成物と、間隙をおいて互いに対向し、
前記間隙に前記電気感応型音波吸収制御用流体組成物を
収容した一対の電極板とが設けられ、 前記各一対の電極板には、該電極板間に電圧を印加し且
つ該電圧を可変調整する電圧印加調整手段が設けられて
いることを特徴とする吸音装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6262971A JPH08123443A (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 吸音装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6262971A JPH08123443A (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 吸音装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08123443A true JPH08123443A (ja) | 1996-05-17 |
Family
ID=17383098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6262971A Pending JPH08123443A (ja) | 1994-10-26 | 1994-10-26 | 吸音装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08123443A (ja) |
-
1994
- 1994-10-26 JP JP6262971A patent/JPH08123443A/ja active Pending
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