JPH08110721A - 画像定着装置 - Google Patents
画像定着装置Info
- Publication number
- JPH08110721A JPH08110721A JP6246475A JP24647594A JPH08110721A JP H08110721 A JPH08110721 A JP H08110721A JP 6246475 A JP6246475 A JP 6246475A JP 24647594 A JP24647594 A JP 24647594A JP H08110721 A JPH08110721 A JP H08110721A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording sheet
- heating roll
- nip
- release layer
- fixing device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03G—ELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
- G03G15/00—Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
- G03G15/20—Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
- G03G15/2003—Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
- G03G15/2014—Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
- G03G15/2053—Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】記録シートのニップへの侵入およびニップでの
進行を円滑にする固定式の加圧手段を有する画像定着装
置を提供する。 【構成】 加熱ロール1が回転可能に配置されており、
加圧手段である耐熱弾性圧接部材11が固定配置されて
おり、耐熱弾性圧接部材11が加熱ロール1に圧接させ
られており、両者の間にニップが設けられ、このニップ
を未定着トナー像が形成された記録シート9が通過する
ことによりトナー像8が定着するようになされている。
加熱ロール1の表面にはニップを通過した記録シート9
を剥離するための離型層5が形成されている。そして、
加熱ロール1の離型層5と記録シート9の間の摩擦係数
をμ1とし、耐熱弾性圧接部材11の表面と記録シート
9の間の摩擦係数をμ2として、μ1/μ2≧5の関係が
成立している。
進行を円滑にする固定式の加圧手段を有する画像定着装
置を提供する。 【構成】 加熱ロール1が回転可能に配置されており、
加圧手段である耐熱弾性圧接部材11が固定配置されて
おり、耐熱弾性圧接部材11が加熱ロール1に圧接させ
られており、両者の間にニップが設けられ、このニップ
を未定着トナー像が形成された記録シート9が通過する
ことによりトナー像8が定着するようになされている。
加熱ロール1の表面にはニップを通過した記録シート9
を剥離するための離型層5が形成されている。そして、
加熱ロール1の離型層5と記録シート9の間の摩擦係数
をμ1とし、耐熱弾性圧接部材11の表面と記録シート
9の間の摩擦係数をμ2として、μ1/μ2≧5の関係が
成立している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の電子写真方式を用いる機器に使用さ
れる画像定着装置に係り、特に加熱ロールと固定式の加
圧手段とを備えた画像定着装置に関する。
リ、プリンター等の電子写真方式を用いる機器に使用さ
れる画像定着装置に係り、特に加熱ロールと固定式の加
圧手段とを備えた画像定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した複写機等におい
ては、記録シート上に形成された未定着トナー像を定着
して、永久画像にする必要があり、このため従来より溶
剤定着法、圧力定着法および加熱定着法が用いられてい
る。このうち溶剤定着法は、溶剤が蒸発して発散し、そ
の臭気が不快感を感じさせることがあり、圧力定着法
は、他の定着法に比べて定着性が悪く、かつ例えばカプ
セルトナーのような高価な圧力感応性トナーを使用しな
ければならないという経済上の問題があるため、現状で
は両者共、広く普及するには至っていない。
ては、記録シート上に形成された未定着トナー像を定着
して、永久画像にする必要があり、このため従来より溶
剤定着法、圧力定着法および加熱定着法が用いられてい
る。このうち溶剤定着法は、溶剤が蒸発して発散し、そ
の臭気が不快感を感じさせることがあり、圧力定着法
は、他の定着法に比べて定着性が悪く、かつ例えばカプ
セルトナーのような高価な圧力感応性トナーを使用しな
ければならないという経済上の問題があるため、現状で
は両者共、広く普及するには至っていない。
【0003】したがって、未定着トナーの定着には、加
熱によってトナーを溶融させて、これを記録シート上に
融着させる加熱定着法が広く採用されている。この方法
を実施する加熱定着装置としては、種々のものがある
が、一般には加熱ロール方式のものが利用されている。
この種の装置は、図3に示すように回転可能になされた
加熱ロール1と加圧ロール2とを備えており、加熱ロー
ル1は、金属製の円筒状のコア3の内部に赤外線ランプ
等のヒーター4を設け、コア3の外周面を離型層5で被
覆することにより構成されている。この離型層5は、コ
ア3の外周面に用紙上のトナーが付着しないように設け
られているものであって、その材料は、フッ素樹脂、シ
リコーンゴムまたはシリコーン樹脂などの耐熱性材料で
ある。
熱によってトナーを溶融させて、これを記録シート上に
融着させる加熱定着法が広く採用されている。この方法
を実施する加熱定着装置としては、種々のものがある
が、一般には加熱ロール方式のものが利用されている。
この種の装置は、図3に示すように回転可能になされた
加熱ロール1と加圧ロール2とを備えており、加熱ロー
ル1は、金属製の円筒状のコア3の内部に赤外線ランプ
等のヒーター4を設け、コア3の外周面を離型層5で被
覆することにより構成されている。この離型層5は、コ
ア3の外周面に用紙上のトナーが付着しないように設け
られているものであって、その材料は、フッ素樹脂、シ
リコーンゴムまたはシリコーン樹脂などの耐熱性材料で
ある。
【0004】一方、加圧ロール2は、加熱ロール1を圧
接することができるように配置されており、コア6と、
紙離れを良くするためにコア6の外周に被覆された耐熱
弾性材料からなる離型層7とを備えている。このような
耐熱性材料としては、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴ
ムが用いられている。そして、これらのロール1,2を
回転させて、その間のニップに未定着トナー像8が形成
された記録シート9を通過させて、加熱および加圧する
ことによって、トナー像を定着させる。
接することができるように配置されており、コア6と、
紙離れを良くするためにコア6の外周に被覆された耐熱
弾性材料からなる離型層7とを備えている。このような
耐熱性材料としては、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴ
ムが用いられている。そして、これらのロール1,2を
回転させて、その間のニップに未定着トナー像8が形成
された記録シート9を通過させて、加熱および加圧する
ことによって、トナー像を定着させる。
【0005】この加熱ロール方式は、他の加熱定着方
式、例えば熱風定着方式やオーブン定着方式と比べて、
熱効率が高く、使用電力が少なくて済むと共に、高速で
定着することができる。また、紙詰まりしたときでも、
加熱ロールの温度よりも異常に記録シート9が高温にな
らないように制御することが容易であるから、火災の危
険性が極めて少ないという利点があり、現在では最も広
く利用されている。
式、例えば熱風定着方式やオーブン定着方式と比べて、
熱効率が高く、使用電力が少なくて済むと共に、高速で
定着することができる。また、紙詰まりしたときでも、
加熱ロールの温度よりも異常に記録シート9が高温にな
らないように制御することが容易であるから、火災の危
険性が極めて少ないという利点があり、現在では最も広
く利用されている。
【0006】一般にトナー像の十分な定着を行うには、
ニップ幅W(記録シート9の進行方向におけるロール
1,2が接触している長さ)を少なくとも4mm程度は設
ける必要がある。しかしながら、従来の加熱ロール方式
の画像定着装置は、加熱ロール1と加圧ロール2とが両
方とも円柱状であるので、十分なニップ幅Wを確保する
には、加熱ロール1および加圧ロール2を大径にしなけ
ればならず、その結果装置全体が大型・複雑化する上、
装置を定着可能な温度(以下、ウォームアップタイムと
する)にまで高めるのに時間がかかるという問題もあ
る。
ニップ幅W(記録シート9の進行方向におけるロール
1,2が接触している長さ)を少なくとも4mm程度は設
ける必要がある。しかしながら、従来の加熱ロール方式
の画像定着装置は、加熱ロール1と加圧ロール2とが両
方とも円柱状であるので、十分なニップ幅Wを確保する
には、加熱ロール1および加圧ロール2を大径にしなけ
ればならず、その結果装置全体が大型・複雑化する上、
装置を定着可能な温度(以下、ウォームアップタイムと
する)にまで高めるのに時間がかかるという問題もあ
る。
【0007】そこで、この発明の出願人は、回転可能な
加圧ロール2に代えて固定配置された耐熱性弾性圧接部
材(加圧手段)を使用する画像定着装置に提案した(特
開昭59−68766号公報、実開昭60−8966号
公報、実開昭60−33362号公報、特開昭62−1
35865号公報、実開昭63−62862号公報、特
開昭50−134655号公報、特開昭50−5744
4号公報、特開昭61−11773号公報、実公平4−
52770号公報、実開昭63−52770号、実開昭
63−62861号公報)。この装置では、耐熱性弾性
圧接部材の加熱ロール1と接触する面を円弧状に形成し
ている。円柱状の加圧ロール2と異なり、耐熱性弾性圧
接部材は、円弧状の面が常に加熱ロール1に面している
ので、耐熱性弾性圧接部材の大きさとは無関係に、円弧
状の面の曲率半径を自由に設定することができる。した
がって、装置の小型化を図ることができるという利点が
ある。
加圧ロール2に代えて固定配置された耐熱性弾性圧接部
材(加圧手段)を使用する画像定着装置に提案した(特
開昭59−68766号公報、実開昭60−8966号
公報、実開昭60−33362号公報、特開昭62−1
35865号公報、実開昭63−62862号公報、特
開昭50−134655号公報、特開昭50−5744
4号公報、特開昭61−11773号公報、実公平4−
52770号公報、実開昭63−52770号、実開昭
63−62861号公報)。この装置では、耐熱性弾性
圧接部材の加熱ロール1と接触する面を円弧状に形成し
ている。円柱状の加圧ロール2と異なり、耐熱性弾性圧
接部材は、円弧状の面が常に加熱ロール1に面している
ので、耐熱性弾性圧接部材の大きさとは無関係に、円弧
状の面の曲率半径を自由に設定することができる。した
がって、装置の小型化を図ることができるという利点が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この装
置においては、耐熱性弾性圧接部材が固定されているの
で、加熱ロール1が回転していても、ニップに記録シー
ト9の先端が侵入しにくく、侵入したとしても記録シー
ト9の搬送速度が不安定になることがある。また、加熱
ロール1の長手方向(記録シート9の幅方向)での搬送
速度の相違が生じ、これにより記録シート9が左右にぶ
れることもある。
置においては、耐熱性弾性圧接部材が固定されているの
で、加熱ロール1が回転していても、ニップに記録シー
ト9の先端が侵入しにくく、侵入したとしても記録シー
ト9の搬送速度が不安定になることがある。また、加熱
ロール1の長手方向(記録シート9の幅方向)での搬送
速度の相違が生じ、これにより記録シート9が左右にぶ
れることもある。
【0009】この発明は、このような問題点を解決する
ためになされたものであり、記録シートのニップへの侵
入およびニップでの進行を円滑にする固定式の加圧手段
を有する画像定着装置を提供することを目的とする。
ためになされたものであり、記録シートのニップへの侵
入およびニップでの進行を円滑にする固定式の加圧手段
を有する画像定着装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明にあっては、回転可能に配置された加熱ロール
と、固定配置されてこの加熱ロールに圧接させられてお
り、前記加熱ロールとの間にニップが設けられ、このニ
ップを未定着トナー像が形成された記録シートが通過す
ることによりトナー像が定着するようになされた加圧手
段とを具備し、前記加熱ロールの表面には前記ニップを
通過した記録シートを剥離するための離型層が形成され
ており、前記加熱ロールの表面と前記記録シートの間の
摩擦係数をμ1とし、前記加圧手段の表面と前記記録シ
ートの間の摩擦係数をμ2として、μ1/μ2≧5の関係
が成立するようにしたことを特徴としている。
この発明にあっては、回転可能に配置された加熱ロール
と、固定配置されてこの加熱ロールに圧接させられてお
り、前記加熱ロールとの間にニップが設けられ、このニ
ップを未定着トナー像が形成された記録シートが通過す
ることによりトナー像が定着するようになされた加圧手
段とを具備し、前記加熱ロールの表面には前記ニップを
通過した記録シートを剥離するための離型層が形成され
ており、前記加熱ロールの表面と前記記録シートの間の
摩擦係数をμ1とし、前記加圧手段の表面と前記記録シ
ートの間の摩擦係数をμ2として、μ1/μ2≧5の関係
が成立するようにしたことを特徴としている。
【0011】
【作用】記録シート上のトナーを定着させる際には、加
熱ロールの回転に伴って記録シートがニップに円滑に導
入され、ここを円滑に進行することが望ましい。従来、
ニップ内に記録シートがニップに侵入しにくかったり、
侵入しても搬送性が悪かったりした要因は、固定されて
いる加圧手段と記録シートとの間の摩擦力が大きかった
ことにあると考えられる。すなわち、記録シートが加圧
手段の表面に対して滑りやすければ、前記のような記録
シートの搬送上の障害は防止しうると推察される。また
これとは逆に、回転する加熱ロールと記録シートとの摩
擦係数を、加圧手段と記録シートとの間の摩擦係数より
も大きくすることによっても、記録シートが加熱ロール
の回転に従動するようになり、記録シートの搬送が円滑
になると考えられる。この発明では、このような観点か
ら、μ1/μ2≧5の関係が成立するほど、加熱ロールと
記録シートとの間の摩擦係数μ1を加圧手段と記録シー
トの間の摩擦係数μ2よりも高くし、記録シートがニッ
プ内に円滑に導入され、さらにここを円滑に進行するよ
うにしている。
熱ロールの回転に伴って記録シートがニップに円滑に導
入され、ここを円滑に進行することが望ましい。従来、
ニップ内に記録シートがニップに侵入しにくかったり、
侵入しても搬送性が悪かったりした要因は、固定されて
いる加圧手段と記録シートとの間の摩擦力が大きかった
ことにあると考えられる。すなわち、記録シートが加圧
手段の表面に対して滑りやすければ、前記のような記録
シートの搬送上の障害は防止しうると推察される。また
これとは逆に、回転する加熱ロールと記録シートとの摩
擦係数を、加圧手段と記録シートとの間の摩擦係数より
も大きくすることによっても、記録シートが加熱ロール
の回転に従動するようになり、記録シートの搬送が円滑
になると考えられる。この発明では、このような観点か
ら、μ1/μ2≧5の関係が成立するほど、加熱ロールと
記録シートとの間の摩擦係数μ1を加圧手段と記録シー
トの間の摩擦係数μ2よりも高くし、記録シートがニッ
プ内に円滑に導入され、さらにここを円滑に進行するよ
うにしている。
【0012】
【実施例】A.実施例の構成 以下、図面を参照してこの発明の一実施例について説明
する。なお、図1において図3の各部に対応する部分に
は同一の符号を付け、その説明を省略する。この実施例
においては、加熱ロール1と接触してニップを形成する
ための手段として、固定して配置した耐熱弾性圧接部材
(加圧手段)を使用する。この耐熱弾性圧接部材11
は、加熱ロール1と接触する側である上方の面が、円弧
状に湾曲するように形成されている。耐熱弾性圧接部材
11は、ニップに定着するのに必要な圧力を安定して与
えるために、金属の枠体12に収納されている。
する。なお、図1において図3の各部に対応する部分に
は同一の符号を付け、その説明を省略する。この実施例
においては、加熱ロール1と接触してニップを形成する
ための手段として、固定して配置した耐熱弾性圧接部材
(加圧手段)を使用する。この耐熱弾性圧接部材11
は、加熱ロール1と接触する側である上方の面が、円弧
状に湾曲するように形成されている。耐熱弾性圧接部材
11は、ニップに定着するのに必要な圧力を安定して与
えるために、金属の枠体12に収納されている。
【0013】加熱ロール1のコア3は、外径15mm、肉
厚0.3mm、長さ225mmの鉄製の円筒であり、離型層
5はシリコーンLTV(Low Temperature Volcanizatio
n)ゴムによって形成されており、その厚さは8μmで
ある。このシリコーンゴムの硬度は、加熱ロールに被覆
されるのと同様に別途作製された肉厚20mmのテストピ
ースを用いて、TECLOCK社製のスプリングタイプのA型
硬度計により、JIS-K 6301に準拠して荷重1,000g
fを付加して計測した結果によると、25(duro)であ
る(後述するゴム硬度はすべてこの方法に準拠する)。
なお、ここではシリコーンLTVゴムが使用されている
が、これに限ることなく、例えばシリコーンHTV(Hi
gh Temperature Volcanization)ゴムを使用することも
可能である。
厚0.3mm、長さ225mmの鉄製の円筒であり、離型層
5はシリコーンLTV(Low Temperature Volcanizatio
n)ゴムによって形成されており、その厚さは8μmで
ある。このシリコーンゴムの硬度は、加熱ロールに被覆
されるのと同様に別途作製された肉厚20mmのテストピ
ースを用いて、TECLOCK社製のスプリングタイプのA型
硬度計により、JIS-K 6301に準拠して荷重1,000g
fを付加して計測した結果によると、25(duro)であ
る(後述するゴム硬度はすべてこの方法に準拠する)。
なお、ここではシリコーンLTVゴムが使用されている
が、これに限ることなく、例えばシリコーンHTV(Hi
gh Temperature Volcanization)ゴムを使用することも
可能である。
【0014】この加熱ロール1は、コア3の表面に接着
剤としてシリコーン系のプライマーを塗布し、この後、
加熱ロール1を回転させながら常温にて乾燥させ、離型
層5をコーティングすることにより製造した。離型層5
の原料は、20重量%の未加硫のシリコーンLTVゴム
をn−ヘキサンに溶解した溶液である。そして、加熱ロ
ール1を回転させつつ常温にて離型層5を乾燥させ、こ
の後200℃の下で4時間かけて2次加硫を行い、離型
層5を硬化した。プライマーの塗布および離型層5のコ
ーティングは、コア3を回転させながら、各原料溶液に
入れるディップコートによって行った。ただし、これら
を均一な厚さでコートできれば、スプレーなどの他の方
法で行ってもよい。
剤としてシリコーン系のプライマーを塗布し、この後、
加熱ロール1を回転させながら常温にて乾燥させ、離型
層5をコーティングすることにより製造した。離型層5
の原料は、20重量%の未加硫のシリコーンLTVゴム
をn−ヘキサンに溶解した溶液である。そして、加熱ロ
ール1を回転させつつ常温にて離型層5を乾燥させ、こ
の後200℃の下で4時間かけて2次加硫を行い、離型
層5を硬化した。プライマーの塗布および離型層5のコ
ーティングは、コア3を回転させながら、各原料溶液に
入れるディップコートによって行った。ただし、これら
を均一な厚さでコートできれば、スプレーなどの他の方
法で行ってもよい。
【0015】ヒーター4は、電圧100V、出力300
Wの赤外線ランプであり、コア3の中心軸に沿って延び
るように配置されている。加熱ロール1の表面の温度
は、温度センサーである熱電対10によって常に測定
し、図示しない温度コントローラで加熱ロール1の表面
温度が常時150°Cに維持されるように、ヒーター4
をフィードバック制御した。
Wの赤外線ランプであり、コア3の中心軸に沿って延び
るように配置されている。加熱ロール1の表面の温度
は、温度センサーである熱電対10によって常に測定
し、図示しない温度コントローラで加熱ロール1の表面
温度が常時150°Cに維持されるように、ヒーター4
をフィードバック制御した。
【0016】耐熱弾性圧接部材11はシリコーンスポン
ジ(シリコーンゴムの発泡体)によって形成されてお
り、このシリコーンスポンジの硬度は、高分子科学社製
のアスカーCタイプのスポンジ用ゴム硬度計により、荷
重300gfを付加して計測した結果によると、35±
3°である。耐熱弾性圧接部材11の厚さは最も上方に
凸になった部分で20mmであり、その上面の曲率半径は
60mmである。ここでは耐熱弾性圧接部材11をシリコ
ーンスポンジで形成しているが、適当な硬度および耐久
性を有する材料であればこれに限られず、例えばシリコ
ーンゴムで形成してもよい。
ジ(シリコーンゴムの発泡体)によって形成されてお
り、このシリコーンスポンジの硬度は、高分子科学社製
のアスカーCタイプのスポンジ用ゴム硬度計により、荷
重300gfを付加して計測した結果によると、35±
3°である。耐熱弾性圧接部材11の厚さは最も上方に
凸になった部分で20mmであり、その上面の曲率半径は
60mmである。ここでは耐熱弾性圧接部材11をシリコ
ーンスポンジで形成しているが、適当な硬度および耐久
性を有する材料であればこれに限られず、例えばシリコ
ーンゴムで形成してもよい。
【0017】通常使用されている画像定着装置では、加
熱ロールと加圧ロールの半径が20mm程度までであり、
ニップ幅Wはロールの直径の1/5までが限界であり、
最大でも4mm程度である。これに対して実施例の耐熱弾
性圧接部材11は小型でありながら大きな曲率半径を持
っており、耐熱弾性圧接部材11と加熱ロール1によっ
て大きな幅Wのニップが形成されるようになる。加熱ロ
ール1と耐熱弾性圧接部材11との間に荷重8kgfを作
用させたとき、ニップ幅は6mmとなる。また、耐熱弾性
圧接部材11は固定されているので、回転することによ
って放熱が大きい加圧ロールを用いるよりも放熱量(損
失熱量)が小さい。また荷重を加熱ロール1に対して軸
方向に等分布的にかけられるため、加熱ロール1の肉厚
を薄くすることができる。これらの理由から、大幅にウ
ォームアップタイムを短縮でき、クイックスタート化が
可能になる。
熱ロールと加圧ロールの半径が20mm程度までであり、
ニップ幅Wはロールの直径の1/5までが限界であり、
最大でも4mm程度である。これに対して実施例の耐熱弾
性圧接部材11は小型でありながら大きな曲率半径を持
っており、耐熱弾性圧接部材11と加熱ロール1によっ
て大きな幅Wのニップが形成されるようになる。加熱ロ
ール1と耐熱弾性圧接部材11との間に荷重8kgfを作
用させたとき、ニップ幅は6mmとなる。また、耐熱弾性
圧接部材11は固定されているので、回転することによ
って放熱が大きい加圧ロールを用いるよりも放熱量(損
失熱量)が小さい。また荷重を加熱ロール1に対して軸
方向に等分布的にかけられるため、加熱ロール1の肉厚
を薄くすることができる。これらの理由から、大幅にウ
ォームアップタイムを短縮でき、クイックスタート化が
可能になる。
【0018】耐熱弾性圧接部材11をなすシリコーンス
ポンジの内部には、ニップを通過した記録シート9の剥
離性を向上させるための離型剤である10000センチ
ストークスのジメチルシリコーンオイルが100g含浸
されている。また、耐熱弾性圧接部材11の上面は、離
型剤をニップに適当な量だけ供給するために離型剤浸透
制御用フィルム13で被覆されている。離型剤浸透制御
用フィルム13としては、多孔質ポリテトラフルオロエ
チレン製のフィルム(厚さ20μm、気孔直径0.1〜
2.5μm、気孔率55%)が使用されている。この条
件下でのA4サイズの用紙1枚あたりの離型剤の供給量
は5.0mgである。
ポンジの内部には、ニップを通過した記録シート9の剥
離性を向上させるための離型剤である10000センチ
ストークスのジメチルシリコーンオイルが100g含浸
されている。また、耐熱弾性圧接部材11の上面は、離
型剤をニップに適当な量だけ供給するために離型剤浸透
制御用フィルム13で被覆されている。離型剤浸透制御
用フィルム13としては、多孔質ポリテトラフルオロエ
チレン製のフィルム(厚さ20μm、気孔直径0.1〜
2.5μm、気孔率55%)が使用されている。この条
件下でのA4サイズの用紙1枚あたりの離型剤の供給量
は5.0mgである。
【0019】ただし、離型剤浸透制御用フィルム13
は、ニップに離型剤を適宜供給でき、かつ摩擦係数が小
さければよく、前記のもの以外にも、厚さ3〜100μ
m、気孔直径0.1〜100μm、気孔率30〜95%
の多孔質ポリテトラフルオロエチレン製のフィルム(ジ
ャパンゴアテックス株式会社製の商品名「ゴアテックス
GTシート」)や、厚さ5〜500μmのフッ素樹脂フ
ィルムに50μm〜2.0mmの直径の孔または50μm
〜2.0mmの幅のスリットを形成したもの、紙、不織
布、あるいはこれらの複合体を使用することができる。
は、ニップに離型剤を適宜供給でき、かつ摩擦係数が小
さければよく、前記のもの以外にも、厚さ3〜100μ
m、気孔直径0.1〜100μm、気孔率30〜95%
の多孔質ポリテトラフルオロエチレン製のフィルム(ジ
ャパンゴアテックス株式会社製の商品名「ゴアテックス
GTシート」)や、厚さ5〜500μmのフッ素樹脂フ
ィルムに50μm〜2.0mmの直径の孔または50μm
〜2.0mmの幅のスリットを形成したもの、紙、不織
布、あるいはこれらの複合体を使用することができる。
【0020】B.実施例の動作 次に、実施例の画像定着装置の動作について説明する。
まず、図示しない転写装置によって、未定着トナー像8
が転写された記録シート9が画像定着装置に向けて搬送
されて来る。そして、記録シート9は加熱ロール1と耐
熱弾性圧接部材11との間のニップに案内される。加熱
ロール1の回転により記録シート9はニップを通過する
ようになる。
まず、図示しない転写装置によって、未定着トナー像8
が転写された記録シート9が画像定着装置に向けて搬送
されて来る。そして、記録シート9は加熱ロール1と耐
熱弾性圧接部材11との間のニップに案内される。加熱
ロール1の回転により記録シート9はニップを通過する
ようになる。
【0021】ここで、前記の条件により離型剤を供給し
た状態で、記録シート9として富士ゼロックス製普通紙
L紙A4サイズを用いた場合、加熱ロール1と記録シー
ト9の間の動摩擦係数μ1は0.68であり、耐熱弾性
圧接部材11と記録シート9との間の動摩擦係数μ2は
0.12であった。なお、記録シート9を搬送するため
の加熱ロール1と記録シート9との摩擦力は、静止摩擦
によるものであるが、実際には静止摩擦係数を測定する
ことは安定性の面から非常に困難であるため、動摩擦係
数を代用的に測定した。ここで、摩擦係数μ1は摩擦係
数μ2の5.7倍ある。加熱ロール1から記録シート9
が受ける摩擦力は、前記の8kgfに0.68を乗じて
5.4kgfであり、耐熱弾性圧接部材11から記録シー
ト9が受ける摩擦力は、8kgf×0.12=0.96kgf
となる。
た状態で、記録シート9として富士ゼロックス製普通紙
L紙A4サイズを用いた場合、加熱ロール1と記録シー
ト9の間の動摩擦係数μ1は0.68であり、耐熱弾性
圧接部材11と記録シート9との間の動摩擦係数μ2は
0.12であった。なお、記録シート9を搬送するため
の加熱ロール1と記録シート9との摩擦力は、静止摩擦
によるものであるが、実際には静止摩擦係数を測定する
ことは安定性の面から非常に困難であるため、動摩擦係
数を代用的に測定した。ここで、摩擦係数μ1は摩擦係
数μ2の5.7倍ある。加熱ロール1から記録シート9
が受ける摩擦力は、前記の8kgfに0.68を乗じて
5.4kgfであり、耐熱弾性圧接部材11から記録シー
ト9が受ける摩擦力は、8kgf×0.12=0.96kgf
となる。
【0022】このように設定したところ、記録シート9
は加熱ロール1の回転に伴って、停滞することなくニッ
プ内に侵入しここを円滑に進行した。すなわち、ニップ
に記録シート9の先端が侵入しにくくなるような不都合
は全く観察されず、また、記録シート9がニップに侵入
したとしても記録シート9の搬送速度が不安定になった
り、加熱ロール1の長手方向(記録シート9の幅方向)
での搬送速度の相違が生じこれにより記録シート9が左
右にぶれたりすることもなかった。これは、記録シート
9を搬送する加熱ロール1と記録シート9との間の摩擦
力が、固定されている耐熱弾性圧接部材11と記録シー
ト9との間の摩擦力よりもはるかに大きかったためであ
ると考えられる。このような作用は、摩擦係数μ1と摩
擦係数μ2との間にμ1/μ2≧5の関係が成立すれば、
達成されると考えられる。
は加熱ロール1の回転に伴って、停滞することなくニッ
プ内に侵入しここを円滑に進行した。すなわち、ニップ
に記録シート9の先端が侵入しにくくなるような不都合
は全く観察されず、また、記録シート9がニップに侵入
したとしても記録シート9の搬送速度が不安定になった
り、加熱ロール1の長手方向(記録シート9の幅方向)
での搬送速度の相違が生じこれにより記録シート9が左
右にぶれたりすることもなかった。これは、記録シート
9を搬送する加熱ロール1と記録シート9との間の摩擦
力が、固定されている耐熱弾性圧接部材11と記録シー
ト9との間の摩擦力よりもはるかに大きかったためであ
ると考えられる。このような作用は、摩擦係数μ1と摩
擦係数μ2との間にμ1/μ2≧5の関係が成立すれば、
達成されると考えられる。
【0023】次に、このような関係が成立すれば、各種
の記録シート9に対して同様に良好な搬送を行いうるか
否かを確かめるために、坪量が55,64,76Kg/m2
の3種類の用紙および富士ゼロックス社製のOHPシー
トを搬送させる実験を行った。使用した画像形成装置は
複写機である。このとき離型剤であるジメチルシリコー
ンオイルの供給量はA4サイズの記録シート1枚あたり
2.0mgとした。このときの加熱ロール1と記録シート
との間の摩擦係数μ1は約0.9であり、耐熱弾性圧接
部材11と記録シートとの間の摩擦係数μ2は約0.1
5であり、μ1/μ2は6ないし8であった。そして、記
録シートの画像を形成しようとする面全体にわたってト
ナーを付着させ、記録シートをニップに通過させトナー
を定着した。使用したトナーは富士ゼロックス製の「Vi
vace200用トナー」であり、付着量は0.6mg/cm2と
した。この実験では、前記の3種類の記録シートおよび
OHPシートとも良好にニップ内に送り込まれて搬送さ
れた。
の記録シート9に対して同様に良好な搬送を行いうるか
否かを確かめるために、坪量が55,64,76Kg/m2
の3種類の用紙および富士ゼロックス社製のOHPシー
トを搬送させる実験を行った。使用した画像形成装置は
複写機である。このとき離型剤であるジメチルシリコー
ンオイルの供給量はA4サイズの記録シート1枚あたり
2.0mgとした。このときの加熱ロール1と記録シート
との間の摩擦係数μ1は約0.9であり、耐熱弾性圧接
部材11と記録シートとの間の摩擦係数μ2は約0.1
5であり、μ1/μ2は6ないし8であった。そして、記
録シートの画像を形成しようとする面全体にわたってト
ナーを付着させ、記録シートをニップに通過させトナー
を定着した。使用したトナーは富士ゼロックス製の「Vi
vace200用トナー」であり、付着量は0.6mg/cm2と
した。この実験では、前記の3種類の記録シートおよび
OHPシートとも良好にニップ内に送り込まれて搬送さ
れた。
【0024】さらに、比較例として、加熱ロール1の表
面の離型層5をポリテトラフルオロエチレン(商品名
「テフロン」)からなるものにし、他の条件を全く前記
と同様にして実験を行ったところ、記録シートの搬送速
度が不安定になったり搬送中に記録シートが左右にぶれ
たりしたものがあり、中には記録シートがニップ内に侵
入しないこともあった。このときの加熱ロール1と記録
シートとの間の摩擦係数μ1は0.1ないし0.2であ
り、μ1/μ2は1ないし2であった。表1はこれらの実
験の結果を示す。表1において、記号○は記録シートを
ニップ内に侵入させることができ搬送も安定していたこ
とを示し、△は記録シートをニップ内に侵入させられる
が搬送が不安であったことを示し、×は記録シートをニ
ップ内に侵入させられなかったことを示す。表1より明
らかなように、比較例では、記録シートの搬送性が悪化
した。
面の離型層5をポリテトラフルオロエチレン(商品名
「テフロン」)からなるものにし、他の条件を全く前記
と同様にして実験を行ったところ、記録シートの搬送速
度が不安定になったり搬送中に記録シートが左右にぶれ
たりしたものがあり、中には記録シートがニップ内に侵
入しないこともあった。このときの加熱ロール1と記録
シートとの間の摩擦係数μ1は0.1ないし0.2であ
り、μ1/μ2は1ないし2であった。表1はこれらの実
験の結果を示す。表1において、記号○は記録シートを
ニップ内に侵入させることができ搬送も安定していたこ
とを示し、△は記録シートをニップ内に侵入させられる
が搬送が不安であったことを示し、×は記録シートをニ
ップ内に侵入させられなかったことを示す。表1より明
らかなように、比較例では、記録シートの搬送性が悪化
した。
【0025】
【表1】
【0026】さて、実施例に係るシリコーンLTVゴム
で離型層5を形成した加熱ロール1を用いて、前記の実
験を行ったところ、縦送りで約2000枚画像定着した
時点で、セルフストリッピングしなくなった。ここで縦
送りとは、記録シートの繊維配向方向に平行に記録シー
トを搬送することである。またセルフストリッピングと
は、ニップを通過した記録シート9が剥離爪などの剥離
手段によらずとも自然に加熱ロール1から剥離する性能
をいい、画像をなすトナーが加熱ロール1に融着してし
まうと用紙はセルフストリッピングしなくなる。この時
点で、加熱ロール1の表面を観察したところ、離型層5
が摩滅していた。
で離型層5を形成した加熱ロール1を用いて、前記の実
験を行ったところ、縦送りで約2000枚画像定着した
時点で、セルフストリッピングしなくなった。ここで縦
送りとは、記録シートの繊維配向方向に平行に記録シー
トを搬送することである。またセルフストリッピングと
は、ニップを通過した記録シート9が剥離爪などの剥離
手段によらずとも自然に加熱ロール1から剥離する性能
をいい、画像をなすトナーが加熱ロール1に融着してし
まうと用紙はセルフストリッピングしなくなる。この時
点で、加熱ロール1の表面を観察したところ、離型層5
が摩滅していた。
【0027】そこで、この摩滅を軽減するために、シリ
コーンゴムに酸化鉄(FeO3)を添加して硬度を高めた離
型層5を形成した加熱ロール1を用いて、同様の条件で
連続して多数枚の画像形成(複写)を行った。離型層5
の厚さは8μmである。表2は、この実験の結果を示
す。
コーンゴムに酸化鉄(FeO3)を添加して硬度を高めた離
型層5を形成した加熱ロール1を用いて、同様の条件で
連続して多数枚の画像形成(複写)を行った。離型層5
の厚さは8μmである。表2は、この実験の結果を示
す。
【0028】
【表2】
【0029】ここで、トナー離型性は、前記のセルフス
トリッピングをすることを指し、用紙搬送性とは、用紙
が安定した速度で搬送され左右にもぶれないことをい
い、噛みこみ性とは、用紙がニップに侵入することをい
う。画質を含めて、いずれの性質も離型層5が摩滅して
いたのでは、良好にならない。記号○はこれらの性質が
良好であったこと、×は不良であったことを示す。表2
から明らかなように、硬度を増すことにより、離型層5
の耐久性が向上する。ここで5000枚を望ましい値と
すれば、この枚数以上の記録シート9の画像定着をトナ
ー離型性、画質とも良好に行いうる離型層5は、30
(duro)以上である。すなわち、シリコーンゴムの硬度
が30(duro)以上であると望ましいことが分かる。
トリッピングをすることを指し、用紙搬送性とは、用紙
が安定した速度で搬送され左右にもぶれないことをい
い、噛みこみ性とは、用紙がニップに侵入することをい
う。画質を含めて、いずれの性質も離型層5が摩滅して
いたのでは、良好にならない。記号○はこれらの性質が
良好であったこと、×は不良であったことを示す。表2
から明らかなように、硬度を増すことにより、離型層5
の耐久性が向上する。ここで5000枚を望ましい値と
すれば、この枚数以上の記録シート9の画像定着をトナ
ー離型性、画質とも良好に行いうる離型層5は、30
(duro)以上である。すなわち、シリコーンゴムの硬度
が30(duro)以上であると望ましいことが分かる。
【0030】しかし、硬度が60(duro)以上では、ト
ナー離型性および画質が5000枚の画像形成の時点で
悪化している。一般にトナー離型性は酸化鉄を離型層5
に添加すると悪化することが知られており、この実験結
果も添加剤である酸化鉄の影響により離型性が悪化し、
これに伴い画質も低下したのであると考えられる。
ナー離型性および画質が5000枚の画像形成の時点で
悪化している。一般にトナー離型性は酸化鉄を離型層5
に添加すると悪化することが知られており、この実験結
果も添加剤である酸化鉄の影響により離型性が悪化し、
これに伴い画質も低下したのであると考えられる。
【0031】そこで、この発明者は、添加剤を使用せず
シリコーンゴム自体の架橋密度を高めることによってそ
の硬度を高めるとよいことを見出した。図2に示すよう
に、架橋密度を高めると硬度が高まる。このようなシリ
コーンゴムを離型層5に使用した加熱ロール1を用いて
表2に示したのと同様の実験を行った。表3は、この実
験の結果を示す。
シリコーンゴム自体の架橋密度を高めることによってそ
の硬度を高めるとよいことを見出した。図2に示すよう
に、架橋密度を高めると硬度が高まる。このようなシリ
コーンゴムを離型層5に使用した加熱ロール1を用いて
表2に示したのと同様の実験を行った。表3は、この実
験の結果を示す。
【0032】
【表3】
【0033】このように添加剤によらず架橋密度を高め
ることにより硬度を高めたシリコーンゴムでは、全般的
に表2に実験結果を示す酸化鉄の添加により硬度を高め
たシリコーンゴムよりも耐用寿命を延長することができ
る。しかも、硬度を60(duro)以下の範囲であれば硬
度を増せば増すほど、離型層5の耐久性が向上すること
が分かる。ここで5000枚を望ましい値とすれば、こ
の枚数以上の記録シート9の画像定着をトナー離型性、
画質とも良好に行いうる離型層5は硬度30(duro)以
上である。また、さらに望ましい値として、10000
枚をとっても、30(duro)以上の硬度であると好まし
いことが分かる。さらに、図2で硬度30(duro)以上
に対応する架橋密度は、シリコーンゴムの架橋密度が2
×10-4(mol/cm3)以上であるから、好ましい架橋密
度はこの値以上である。
ることにより硬度を高めたシリコーンゴムでは、全般的
に表2に実験結果を示す酸化鉄の添加により硬度を高め
たシリコーンゴムよりも耐用寿命を延長することができ
る。しかも、硬度を60(duro)以下の範囲であれば硬
度を増せば増すほど、離型層5の耐久性が向上すること
が分かる。ここで5000枚を望ましい値とすれば、こ
の枚数以上の記録シート9の画像定着をトナー離型性、
画質とも良好に行いうる離型層5は硬度30(duro)以
上である。また、さらに望ましい値として、10000
枚をとっても、30(duro)以上の硬度であると好まし
いことが分かる。さらに、図2で硬度30(duro)以上
に対応する架橋密度は、シリコーンゴムの架橋密度が2
×10-4(mol/cm3)以上であるから、好ましい架橋密
度はこの値以上である。
【0034】さらにまた、望ましい値をさらに厳しくし
て15000枚とすると、表3において、この枚数以上
の記録シート9の画像定着をトナー離型性、画質とも良
好に行いうる離型層5は硬度40(duro)以上であり、
図2で硬度40(duro)以上に対応する架橋密度は、シ
リコーンゴムの架橋密度が3×10-4(mol/cm3)以上
であるから、好ましい架橋密度はこの値以上である。
て15000枚とすると、表3において、この枚数以上
の記録シート9の画像定着をトナー離型性、画質とも良
好に行いうる離型層5は硬度40(duro)以上であり、
図2で硬度40(duro)以上に対応する架橋密度は、シ
リコーンゴムの架橋密度が3×10-4(mol/cm3)以上
であるから、好ましい架橋密度はこの値以上である。
【0035】以上のように、離型層5の材料であるシリ
コーンゴムに酸化鉄を添加せず架橋密度を高める場合に
おいて、離型層5の好適な硬度は30(duro)以上であ
り、好適な架橋密度は2×10-4(mol/cm3)以上であ
ることが分かり、さらに好適には硬度が40(duro)以
上であり、架橋密度が3×10-4(mol/cm3)以上であ
ることが分かる。これにより、離型層5の摩滅をかなり
減少させ、多数枚の画像形成においても、前記の用紙搬
送性、噛み込み性ばかりでなく、トナー離型性および画
質も維持することができる。
コーンゴムに酸化鉄を添加せず架橋密度を高める場合に
おいて、離型層5の好適な硬度は30(duro)以上であ
り、好適な架橋密度は2×10-4(mol/cm3)以上であ
ることが分かり、さらに好適には硬度が40(duro)以
上であり、架橋密度が3×10-4(mol/cm3)以上であ
ることが分かる。これにより、離型層5の摩滅をかなり
減少させ、多数枚の画像形成においても、前記の用紙搬
送性、噛み込み性ばかりでなく、トナー離型性および画
質も維持することができる。
【0036】また、長期にわたって用紙搬送性、噛み込
み性、トナー離型性および画質を維持するためには、離
型層5を硬くしてその摩滅を減少させるだけでなく、離
型層5の厚さをも考慮する必要がある。前記の実験は全
て離型層5の厚さを8μmにして行ったが、離型層5の
厚さを5,8,10,20μmに変えて、連続複写を行
った。表4は、架橋密度を高めることにより硬度を40
(duro)にしたシリコーンゴムの離型層5の厚さとその
耐用寿命との関係を調べた実験結果を示す。
み性、トナー離型性および画質を維持するためには、離
型層5を硬くしてその摩滅を減少させるだけでなく、離
型層5の厚さをも考慮する必要がある。前記の実験は全
て離型層5の厚さを8μmにして行ったが、離型層5の
厚さを5,8,10,20μmに変えて、連続複写を行
った。表4は、架橋密度を高めることにより硬度を40
(duro)にしたシリコーンゴムの離型層5の厚さとその
耐用寿命との関係を調べた実験結果を示す。
【0037】
【表4】
【0038】表4より明らかなように、離型層5の厚さ
を大きくすればするほど、用紙搬送性、噛み込み性、ト
ナー離型性および画質を維持して、複写可能な枚数が増
えている。すなわち、離型層5の耐用寿命を長期化する
ことができる。さらに、ここで、厚さを8μmから10
μmに増すと飛躍的な寿命の伸びが確認できる。このよ
うな傾向は、離型層5の硬度が40(duro)の場合だけ
でなく、30,50,60(duro)の場合にも観察され
た。したがって、シリコーンゴムからなる離型層5の厚
さは10μm以上であると好ましいことが分かった。
を大きくすればするほど、用紙搬送性、噛み込み性、ト
ナー離型性および画質を維持して、複写可能な枚数が増
えている。すなわち、離型層5の耐用寿命を長期化する
ことができる。さらに、ここで、厚さを8μmから10
μmに増すと飛躍的な寿命の伸びが確認できる。このよ
うな傾向は、離型層5の硬度が40(duro)の場合だけ
でなく、30,50,60(duro)の場合にも観察され
た。したがって、シリコーンゴムからなる離型層5の厚
さは10μm以上であると好ましいことが分かった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明に係る画像定着装置によれば、加熱ロールの表面と
記録シートの間の摩擦係数μ1を、加圧手段の表面と記
録シートの間の摩擦係数μ2よりも十分に高くすること
によって、記録シートが加熱ロールの回転に伴って、加
圧手段と記録シートとの間の摩擦力にうちかって搬送さ
れるようになる。これにより、記録シートがニップ内に
円滑に導入され、しかもニップ内に導入された後も円滑
に搬送される。したがって、記録シートの搬送速度が不
安定になったり、搬送中に記録シートが左右にぶれたり
することを防止することができる。
発明に係る画像定着装置によれば、加熱ロールの表面と
記録シートの間の摩擦係数μ1を、加圧手段の表面と記
録シートの間の摩擦係数μ2よりも十分に高くすること
によって、記録シートが加熱ロールの回転に伴って、加
圧手段と記録シートとの間の摩擦力にうちかって搬送さ
れるようになる。これにより、記録シートがニップ内に
円滑に導入され、しかもニップ内に導入された後も円滑
に搬送される。したがって、記録シートの搬送速度が不
安定になったり、搬送中に記録シートが左右にぶれたり
することを防止することができる。
【0040】また、請求項2に記載の発明によると、離
型層の耐用寿命を長くすることができ、長期にわたって
安定に良好な記録シートの搬送性、噛み込み性、トナー
離型性および画質を確保することができる。この場合、
請求項3に記載のように、離型層の材料であるシリコー
ンゴムの架橋密度を高めることにより、シリコーンゴム
の硬度を高くすれば、酸化鉄を添加し硬度を高めたシリ
コーンゴムに比べて、耐用寿命を延長することができ
る。しかも、硬度を増せば増すほど、離型層の耐久性が
向上するようになるから、必要な耐用寿命に応じた適切
な硬度設定が容易になる。さらに、請求項4に記載の発
明にあっては、離型層の耐用寿命を飛躍的に向上させる
ことが可能である。
型層の耐用寿命を長くすることができ、長期にわたって
安定に良好な記録シートの搬送性、噛み込み性、トナー
離型性および画質を確保することができる。この場合、
請求項3に記載のように、離型層の材料であるシリコー
ンゴムの架橋密度を高めることにより、シリコーンゴム
の硬度を高くすれば、酸化鉄を添加し硬度を高めたシリ
コーンゴムに比べて、耐用寿命を延長することができ
る。しかも、硬度を増せば増すほど、離型層の耐久性が
向上するようになるから、必要な耐用寿命に応じた適切
な硬度設定が容易になる。さらに、請求項4に記載の発
明にあっては、離型層の耐用寿命を飛躍的に向上させる
ことが可能である。
【図1】 この発明の一実施例に係る画像定着装置の構
成を示す正面断面図である。
成を示す正面断面図である。
【図2】 実施例の加熱ロールの離型層に使用されるシ
リコーンゴムの架橋密度と硬度の関係を示すグラフであ
る。
リコーンゴムの架橋密度と硬度の関係を示すグラフであ
る。
【図3】 従来の画像定着装置の構成を示す正面断面図
である。
である。
1 加熱ロール、3 コア、4 ヒーター、5 離型
層、8 未定着トナー像、9 記録シート、10 熱電
対、11 耐熱弾性圧接部材(加圧手段)、12 枠
体、13 離型剤浸透制御用フィルム、W ニップ幅。
層、8 未定着トナー像、9 記録シート、10 熱電
対、11 耐熱弾性圧接部材(加圧手段)、12 枠
体、13 離型剤浸透制御用フィルム、W ニップ幅。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 康博 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 井上 徹 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 回転可能に配置された加熱ロールと、 固定配置されてこの加熱ロールに圧接させられており、
前記加熱ロールとの間にニップが設けられ、このニップ
を未定着トナー像が形成された記録シートが通過するこ
とによりトナー像が定着するようになされた加圧手段と
を具備し、 前記加熱ロールの表面には前記ニップを通過した記録シ
ートを剥離するための離型層が形成されており、 前記加熱ロールの離型層と前記記録シートの間の摩擦係
数をμ1とし、前記加圧手段の表面と前記記録シートの
間の摩擦係数をμ2として、μ1/μ2≧5の関係が成立
するようにしたことを特徴とする画像定着装置。 - 【請求項2】 前記加熱ロールの離型層はシリコーンゴ
ムで形成されており、このシリコーンゴムの硬度がスプ
リング式硬度試験機A型でJIS-K 6301により30(dur
o)以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像
定着装置。 - 【請求項3】 前記加熱ロールの離型層はシリコーンゴ
ムで形成されており、このシリコーンゴムの架橋密度が
2×10-4(mol/cm3)以上であることを特徴とする請
求項1または2に記載の画像定着装置。 - 【請求項4】 前記加熱ロールの離型層の厚さが10μ
m以上であることを特徴とする請求項3に記載の画像定
着装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6246475A JPH08110721A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 画像定着装置 |
US08/539,954 US5570171A (en) | 1994-10-12 | 1995-10-06 | Imaging fixing device including a heat roller with a release layer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6246475A JPH08110721A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 画像定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08110721A true JPH08110721A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17148959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6246475A Pending JPH08110721A (ja) | 1994-10-12 | 1994-10-12 | 画像定着装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5570171A (ja) |
JP (1) | JPH08110721A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007256834A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び画像形成装置 |
US8670702B2 (en) | 2010-09-28 | 2014-03-11 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
US8712303B2 (en) | 2010-09-15 | 2014-04-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating device |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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