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JPH08104701A - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPH08104701A
JPH08104701A JP6264493A JP26449394A JPH08104701A JP H08104701 A JPH08104701 A JP H08104701A JP 6264493 A JP6264493 A JP 6264493A JP 26449394 A JP26449394 A JP 26449394A JP H08104701 A JPH08104701 A JP H08104701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cpvc
pvc
vinyl chloride
temperature
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6264493A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nakachi
健 仲地
Yasuhiro Kawaguchi
泰広 川口
Ryuji Tamura
柳二 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Original Assignee
Tokuyama Sekisui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Sekisui Co Ltd filed Critical Tokuyama Sekisui Co Ltd
Priority to JP6264493A priority Critical patent/JPH08104701A/ja
Publication of JPH08104701A publication Critical patent/JPH08104701A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化ビニル系樹脂の持っている特性をそのま
ま保持して耐熱性が向上しており、しかも比較的低い温
度でゲル化させることのできる塩素化塩化ビニル系樹脂
を提供しようとする。 【構成】 水に溶解しないで塩化ビニル単量体に溶解す
るアニオン界面活性剤の存在下に、水溶性高分子物を懸
濁剤として使用し、水性媒体中で塩化ビニル単量体を懸
濁重合させて塩化ビニル系樹脂を作り、これを塩素化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塩素化塩化ビニル系
樹脂の製造方法に関するものである。とくに、この発明
は、得られた塩素化塩化ビニル系樹脂がゲル化し易くて
加工が容易であるという特色を持った、塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、これを
CPVCという)は、塩化ビニル系樹脂(以下、これを
PVCという)を塩素化して作られる。CPVCはPV
Cの長所と云われる特性を残し、PVCの欠点と云われ
る性質を改良したものとなっている。すなわち、CPV
CはPVCの持つ優れた耐候性、耐火炎性、耐薬品性を
そのまま残し、耐熱性が劣るというPVCの欠点を改良
したものとなっている。さらに詳しく云えば、PVCは
熱変形温度が低くて使用可能な上限温度が60〜70℃
付近であるために、熱水に対しては使用できないのに、
CPVCは熱変形温度がPVCよりも20〜40℃も高
くて、熱水に対しても使用できるものとなっている。従
って、CPVCは耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バルブな
どを作るのに適している。
【0003】上述のように、CPVCはPVCよりも熱
変形温度が高い。従って、CPVCを加工して成形体と
するには、当然PVCよりも高い温度に加熱してゲル化
させなければならない。ところが、CPVCは高温に加
熱されると分解し易く、従ってこれを加熱してゲル化さ
せようとすると、分解して着色する傾向を示す。従っ
て、CPVCはPVCよりも加熱によってゲル化させる
ことが困難である。従って、CPVCから成形体を作る
ときには、CPVCを充分にゲル化させないで成形体と
することとなった。このため、CPVCの成形体はPV
Cよりも衝撃強度が劣る、という結果を招くこととなっ
た。その結果、CPVCはその利用を狭められることと
なった。そこでさらに低い温度に加熱してゲル化させる
ことができるように、CPVCのゲル化特性を改善する
ことが要望された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の要
望に答えて生まれたものである。すなわち、この発明は
PVCの持っている優れた特性をそのまま保持してい
て、ゲル化特性が大幅に改善され、比較的低い温度に加
熱して充分にゲル化させることができるCPVCを提供
しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上記の課
題を解決するために、PVCの製造段階に立ち入って検
討を加えた。その結果、PVCを作るにあたって、特殊
な懸濁剤を使用して懸濁重合を行い、こうして得られた
PVCを従来方法で塩素化すると、得られたCPVCが
低温でゲル化し易いものとなることを見出した。懸濁剤
としては、アニオン界面活性剤であって、しかも水に溶
解しないで塩化ビニル単量体に溶解するものを用いるの
が有効であることを見出した。これまでPVCの懸濁重
合に用いられて来た界面活性剤は、すべて水に溶解する
ものであったから、水に溶解しない界面活性剤を使用し
て懸濁重合を行うことは目新しいことであり、これによ
ってCPVCのゲル化特性が改善されることは全く意外
なことである。この発明は、このような知見に基づいて
完成されたものである。
【0006】この発明は、水に溶解しないで塩化ビニル
単量体に溶解するアニオン界面活性剤の存在下に、水溶
性高分子物を懸濁剤として使用し、塩化ビニル単量体を
水性媒体中に懸濁させ、塩化ビニル単量体に溶解する重
合開始剤を添加し、塩化ビニル単量体を重合させてPV
Cを作り、その後このPVCを塩素化することを特徴と
する、CPVCの製造方法を要旨とするものである。
【0007】この発明は、大きく分けると2工程から成
るものである。そのうちの先の工程はPVCを作る工程
であり。後の工程はPVCを塩素化してCPVCにする
工程である。この発明は、PVCを作る工程において従
来法と異なっており、特異な方法によって作ったPVC
を塩素化に供するところに特徴を持っており、塩素化の
工程は従来法と異ならない。
【0008】そこでまずこの発明におけるPVCの製造
工程を説明する。PVCの製造工程は、従来の懸濁重合
法を踏襲するものである。但し、懸濁剤としては、これ
まで用いられて来た懸濁剤の中から水溶性高分子物を選
んで用いることが必要とされ、さらに懸濁剤としてこれ
までPVCの懸濁重合では用いられたことのない懸濁剤
を使用することが必要とされる。これまで使用されたこ
とのない懸濁剤とは、水に溶解しないで塩化ビニル単量
体に溶解するアニオン界面活性剤である。
【0009】この発明におけるPVCの製造工程では、
少なくとも2種の懸濁剤が使用される。そのうちの一つ
は、従来から用いられて来た水溶性高分子物である。そ
こで、まずこの水溶性高分子物を説明すると、これはセ
ルロース誘導体と合成高分子物とに分類されるが、その
うちの少なくとも一つを使用すれば足りる。セルロース
誘導体としては、前述のメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースのほか、エチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が使用でき
る。合成高分子物としては、前述のポリビニルアルコー
ル、部分鹸化ポリビニルアルコールのほか、部分鹸化ポ
リビニルアルコールの特殊なものとして0.02〜5モ
ル%の硫酸エステル又はリン酸エステルを含んだ鹸化度
60〜80モル%の変性ポリビニルアルコール、0.0
2〜10モル%の陰イオン性親水基、例えばカルボン酸
基、スルホン酸基と0.01〜5モル%の疎水基とを含
んだ鹸化度60〜90モル%の変性ポリビニルアルコー
ル、酢酸ビニル・マレイン酸共重合体、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸塩、高分子量のポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等を使用すること
ができる。ポリアクリル酸塩としてはポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリアクリル酸カリウムを用いるのが適して
いる。
【0010】この発明におけるPVCの製造工程では、
懸濁剤として水に溶解しないで塩化ビニル単量体に溶解
するアニオン界面活性剤を用いることが最大の特徴とさ
れる。このような界面活性剤としては、例えば親水基の
数を少なくした低度硫酸化油、極度に疎水基の大きい石
油スルホネート、油溶性になるように対イオンを選んで
あるアミン塩、非水溶性金属塩などを用いることができ
る。これらをさらに詳述すると次のとおりである。
【0011】親水基の数を少なくした低度硫酸化油は、
例えばロート油と呼ばれている硫酸化油の中で、結合硫
酸量/総脂肪質が5%前後からせいぜい10%までの範
囲内のものがこれに該当している。極度に疎水基の大き
い石油スルホネートは例えば炭素数が12以上好ましく
は20以上の直鎖のアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ
である。また、非水溶性金属塩は、例えばアルキルベン
ゼンスルホン酸のバリウム又はカルシウム塩
【0012】
【化1】
【0013】である。モレスコ社からスルホールの名称
で販売されているアニオン活性の界面活性剤のうち油溶
性のものは、この発明方法で使用することができる。
【0014】上述の水溶性高分子物は、塩化ビニル単量
体に対し0.005〜0.2重量%用いるのが適してお
り、その中でも0.01〜0.1重量%用いるのがさら
に好適である。また、上述の水に不溶で塩化ビニルに可
溶のアニオン界面活性剤は、塩化ビニル単量体に対し1
〜200ppm 用いるのが適しており、その中でも10〜
100ppm の範囲で用いるのがさらに好適である。その
理由は、上記のアニオン活性剤の量が1〜200ppm の
範囲内にあるときは、CPVCの加工性が良好になる
が、上記アニオン活性剤の量が1ppm 未満では添加の効
果が現れず、逆に200ppm を越えると、得られるPV
Cの粒子が大きくなり過ぎたり、重合反応が円滑に進行
しなくなったりして、良好な結果が得られなくなるから
である。
【0015】この発明におけるPVCの製造工程では、
懸濁重合を行うための媒体として水性媒体が使用され
る。水性媒体としては脱イオン水が好適である。塩化ビ
ニルと水性媒体との量比は、従来採用されて来た範囲と
変わりないが、大よその範囲は1対1ないし1対3の範
囲とするのが適している。
【0016】この発明におけるPVCの製造工程では、
懸濁重合を行うために重合開始剤が用いられるが、その
重合開始剤は塩化ビニル単量体に溶解するものであるこ
とを必要とする。その重合開始剤は、これまでに塩化ビ
ニルの懸濁重合に使用されて来たものである。例を挙げ
ると、ラウロイルパーオキサイド、α−クミルパーオキ
シネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エートのような有機過酸化物であり、また2、2′−ア
ゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物である。
【0017】この発明におけるPVCの製造工程は、単
量体として塩化ビニルだけを用いた場合に限らず、塩化
ビニルと他の単量体との混合物を用いた場合にも適用す
ることができる。他の単量体としては、エチレン、プロ
ピレン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル、アクリ
ル酸及びメタクリル酸並びにそのエステルを用いること
ができる。
【0018】この発明におけるPVCの製造工程は、懸
濁剤として上述の特殊なものを使用する以外は、従来の
懸濁重合と同じように実施する。すなわち、容器として
はオートクレーブを用い、初めこれに水性媒体例えば脱
イオン水を入れ、次いでこれに懸濁剤を加えて攪拌し溶
解したのち、オートクレーブ内を減圧脱気して酸素を除
き、その後塩化ビニル単量体を入れ、単量体を水性媒体
中に分散させて懸濁状態としたのち、これに重合開始剤
を加える。次いで、オートクレーブを加熱し、内容物を
数時間高い温度に維持して単量体の重合を行わせる。重
合が進行してオートクレーブ内にある単量体の圧力が低
下した時点で、オートクレーブを冷却して内容物の温度
を下げ、未反応の単量体を回収し、内容物を取り出す。
その後脱水し、乾燥してPVCを得る。
【0019】この発明では、上述のようにして得られた
PVCをその後塩素化する。塩素化の工程は従来法をそ
のまま踏襲して行うことができる。すなわち、塩素化は
PVCを懸濁した状態、溶剤に溶解して溶液とした状
態、又は固体状態の何れでも行うことができる。塩素化
はPVCに塩素を接触させることにより行う。
【0020】そのうち、懸濁状態で塩素化する場合は、
懸濁重合によって得られたPVCを水性媒体から分離し
ないで、懸濁重合によって得られた懸濁物そのものの中
へ直接塩素を吹き込んで塩素化を行うことができる。ま
た、上記の懸濁物からPVCを分離したのち、PVCを
再び別の水性媒体中に分散させて、この分散物中に塩素
を吹き込んで塩素化を行うこともできる。このとき、紫
外線を照射して塩素化を促進させることが好ましい。ま
た、水性媒体中には少量のアセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類を少量加えてもよく、さらに必要に応じ
て塩酸、トリクロロエチレン、四塩化炭素等の塩素系溶
剤を少量加えてもよい。
【0021】この発明における塩素化工程では、得られ
るCPVCの塩素含有率が60〜70重量%となるよう
にすることが好ましい。
【0022】
【発明の効果】この発明方法によれば、水に溶解しない
で塩化ビニル単量体に溶解するアニオン界面活性剤の存
在下に、水溶性高分子物を懸濁剤として使用し、塩化ビ
ニル単量体を水性媒体中に懸濁させ、塩化ビニル単量体
に溶解する重合開始剤を添加し、塩化ビニル単量体の重
合を行わせ、こうして得たPVCを塩素化するので、得
られたCPVCは加工するに適したものであって、しか
も熱安定性がよくてゲル化温度の低いものとなり、従っ
て加工の容易なものとなる。
【0023】
【実施例】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発明
方法のすぐれている所以を具体的に明らかにする。実施
例と比較例とにおいて、単に部というのは重量部を意味
している。また、そこでは、得られたCPVCのゲル化
温度、熱安定性及び熱変形温度等の物性を測定している
が、その測定方法は次のとおりである。
【0024】まず、物性測定のために下記割合の配合物
を作った。 CPVC 100部 三塩基性硫酸鉛 3 二塩基性ステアリン酸鉛 1 MBS樹脂 10
【0025】ゲル化温度 Haak社製のプラストミルR−90を使用して、上記
配合物55gを回転数40rpmとし、温度を150℃
から毎分5℃の昇温速度で上昇させながら混練し、混練
トルクがピークになる時の温度をゲル化温度とした。
【0026】熱安定性 上記配合物を8インチロール2本からなる混練機に供給
し、ロールの表面温度を205℃として混練し、混練物
をロールに巻き付けた。巻き付け開始時から30秒毎に
巻き付いたCPVCシートを切り返しながら、3分毎に
少量のシートを切り出して、シートの着色度を比較し、
黒褐色に変わる時間で熱安定性を示した。
【0027】熱変形温度 上記の配合物を8インチロール2本からなる混練機に供
給し、190℃で3分間混練して厚さ0.5mmのシー
トを得た。このシートを重ね合わせ、195℃の温度と
150kg/cm2 の圧力の下に8分間プレス成形し
て、厚さ6.4mmのプレス板を作った。このプレス板
を試験片としてASTM D 648に準拠し、負荷荷
重18.6kg/cm2 で熱変形温度を測定した。
【0028】
【実施例1】 (PVCの製造)この実施例では、水溶性高分子物から
なる懸濁剤として、部分鹸化ポリビニルアルコールとヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースを用い、水に溶解し
ないで塩化ビニル単量体に溶解するアニオン界面活性剤
からなる懸濁剤として、エイコシルベンゼンスルホン酸
ソーダを用いた。実施の詳細は次のとおりである。
【0029】内容積216リットルのオートクレーブに
脱イオン水143部を入れ、次いで懸濁剤として鹸化度
が72モル%の部分鹸化ポリビニルアルコール0.05
部とヒドロキシプロピルメチルセルロース0.03部、
エイコシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.005部を加
え、オートクレーブ内の酸素を減圧して除いた後、塩化
ビニル単量体100部、重合開始剤としてα−クミルパ
ーオキシネオデカノエート0.017部、t−ブチルパ
ーオキシネオデカノエート0.06部を添加した。
【0030】オートクレーブを加熱して内容物を58℃
の温度に維持して重合を行い、内容物の圧力が7.0k
g/cm2 に達したとき、未反応の塩化ビニル単量体を
回収し、内容物を取り出し、脱水してPVCを得てこれ
を乾燥した。こうして得られたPVCの重合収率は85
%であった。このPVCの平均重合度は1000であっ
た。
【0031】(CPVCの製造)内容積が300リット
ルのグラスライニング製反応槽に脱イオン水500部
と、上で得たPVC100部とを入れ、攪拌してPVC
を水中に分散させ、その後反応槽を加熱して槽内を70
℃に保った。次いで、反応槽内に窒素ガスを吹き込み槽
内を窒素ガスで置換した。その後、反応槽内に塩素ガス
を吹き込み、水銀ランプで槽内を紫外線で照射しなが
ら、PVCの塩素化を行った。槽内の塩酸濃度を測定し
て塩素化反応の進行状況を検討しながら塩素化反応を続
け、生成したCPVCの塩素含有率が68.5重量%に
達した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終
了させた。
【0032】その後、槽内に窒素ガスを吹き込んで未反
応塩素を除去し、得られた分散物を水酸化ナトリウムで
中和し、水で洗浄し、脱水し乾燥して粉末状のCPVC
を得た。
【0033】得られたCPVCの塩素含有率は68.5
重量%であり、ゲル化温度は190℃、熱安定性は28
分、熱変形温度は138℃であった。このCPVCは、
後に述べる比較例1のCPVCと比較すると、ゲル化温
度が低くて加工の容易なものであった。
【0034】
【比較例1】実施例1において、エイコシルベンゼンス
ルホン酸ソーダを用いないこととした以外は、実施例1
と全く同様に実施した。
【0035】得られたCPVCの塩素含有率は68.5
重量%であり、ゲル化温度は202℃であり、熱安定性
は25分であり、熱変形温度は137℃であった。
【0036】実施例1で得られたCPVCを比較例1で
得られたCPVCと比較すると、両者は製造過程におい
てエイコシルベンゼンスルホン酸ソーダを用いたかどう
かの点で異なるだけであり、塩素含有率が同じ68.5
重量%であって、熱変形温度がそれぞれ138℃、13
7℃というほぼ同じ値であり、熱安定性もそれぞれ28
分と25分であって大きく変わらないのに、両者はゲル
化温度において190℃と202℃という12℃もの大
きな差を示している。これにより、エイコシルベンゼン
スルホン酸ソーダのもたらす効果の顕著なことが明らか
となる。
【0037】
【実施例2】実施例1のCPVCの製造において、CP
VCの塩素含有率が66.5重量%に達した時点で塩素
ガスの供給を停止することとした以外は、実施例1と全
く同様に実施した。
【0038】従って、この実施例ではCPVCの塩素含
有率が66.5重量%であった。このCPVCのゲル化
温度は172℃であり、熱安定性は22分であり、熱変
形温度は106℃であった。このCPVCは、次の比較
例2で得られたCPVCと比較すると、ゲル化温度が低
くて加工の容易なものであった。
【0039】
【比較例2】実施例2において、エイコシルベンゼンス
ルホン酸ソーダを用いないこととした以外は、実施例2
と全く同様に実施した。
【0040】従って、得られたCPVCの塩素含有率は
66.5重量%である。このCPVCのゲル化温度は1
88℃であり、熱安定性は21分であり、熱変形温度は
104℃であった。
【0041】実施例2で得られたCPVCを比較例2で
得られたCPVCと比較すると、両者は製造過程におい
てエイコシルベンゼンスルホン酸ソーダを用いたかどう
かの点で異なるだけであり、塩素含有率が同じ66.5
重量%であって、熱変形温度がそれぞれ106℃、10
4℃というほぼ同じ値であり、熱安定性も22分と21
分というほぼ同じ値を示しているのに、ゲル化温度にお
いて172℃と188℃であって16℃にも達する大き
な差異を示している。これにより、エイコシルベンゼン
スルホン酸ソーダのもたらす効果の顕著なことが明らか
に認められる。
【0042】
【実施例3】この実施例においては、水に不溶で塩化ビ
ニル単量体に可溶のアニオン界面活性剤としてドデシル
ベンゼンスルホン酸カルシウムを用いた。詳述すれば、
実施例1において、部分鹸化ポリビニルアルコールの使
用量を増して0.06部とし、ヒドロキシメチルセルロ
ースの使用量を減らして0.02部とし、エイコシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダの代わりにドデシルベンゼンス
ルホン酸カルシウムを0.01部使用することとして、
重合を行った以外は実施例1と全く同様に実施してCP
VCを得た。
【0043】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであり、ゲル化温度は184℃であり、
熱安定性は27分であり、熱変形温度は140℃であっ
た。このCPVCは前述の比較例1で得られたCPVC
に比べると、ゲル化温度が低くて加工の容易なものであ
った。
【0044】
【実施例4】実施例1において、部分鹸化ポリビニルア
ルコールの使用量を増して0.08部とし、ヒドロキシ
メチルセルロースの量を減らして0.01部とし、エイ
コシルベンゼンスルホン酸ソーダの代わりにドデシルベ
ンゼンスルホン酸バリウムを0.002部用いることと
した以外は、実施例1と全く同様に実施した。
【0045】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであり、ゲル化温度は180℃、熱安定
性は30分、熱変形温度は136℃であった。このCP
VCは上述のような塩素含有率と熱変形温度を示すCP
VCの中では、ゲル化温度が低くて加工の容易なもので
あった。
【0046】
【実施例5】実施例1において、部分鹸化ポリビニルア
ルコールの使用量を減らして0.04部とし、ヒドロキ
シメチルセルロースの量を増して0.04部とし、エイ
コシルベンゼンスルホン酸ソーダの量を減らして0.0
01部とした以外は、実施例1と全く同様に実施した。
【0047】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであり、ゲル化温度は170℃、熱安定
性は28分、熱変形温度は137℃であった。このCP
VCは上述のような塩素含有率と熱変形温度を示すCP
VCの中では、ゲル化温度が低くて加工の容易なもので
あった。
【0048】
【実施例6】実施例1において、部分鹸化ポリビニルア
ルコールとして実施例1で用いた鹸化度が72%のもの
0.05部とともに、さらに鹸化度が50%のものを
0.03部用いることとした以外は、実施例1と全く同
様に実施した。
【0049】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであり、ゲル化温度は155℃、熱安定
性が28分、熱変形温度が142℃であった。このCP
VCは上述のような塩素含有率と熱変形温度を示すCP
VCの中では、ゲル化温度が低くて加工の容易なもので
あった。
【0050】
【実施例7】実施例1において、ヒドロキシメチルセル
ロースを使用しないこととし、代わりに部分鹸化ポリビ
ニルアルコールの使用量を増して0.07部とした以外
は、実施例1と全く同様に実施した。
【0051】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであって、ゲル化温度は180℃、熱安
定性は26分、熱変形温度は140℃であった。このC
PVCは上述のような塩素含有率と熱変形温度を示すC
PVCの中では、ゲル化温度が低くて加工の容易なもの
であった。
【0052】
【実施例8】実施例1において、部分鹸化ポリビニルア
ルコールを使用しないこととし、代わりにヒドロキシメ
チルセルロースの使用量を増して0.07部とした以外
は、実施例1と全く同様に実施した。
【0053】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであって、ゲル化温度は182℃、熱安
定性は28分、熱変形温度は139℃であった。このC
PVCは、上述のような塩素含有率と熱変形温度を示す
CPVCの中では、ゲル化温度が低くて加工の容易なも
のであった。
【0054】
【比較例3】実施例1において、エイコシルベンゼンス
ルホン酸ソーダを使用しないで、代わりにドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ0.005部を使用することとし
た以外は、実施例1と全く同様に実施した。
【0055】上記のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
は水に溶解するものである。そのために、塩化ビニル単
量体を重合させることができず、PVCを得ることがで
きなかった。
【0056】
【比較例4】実施例1において、部分鹸化ポリビニルア
ルコールとして実施例1で用いた鹸化度が72%のもの
0.05部とともに、さらに鹸化度が50%のものを
0.03部加え、またエイコシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダを用いないこととした以外は、実施例1と全く同様
に実施した。
【0057】得られたCPVCは、68.5重量%の塩
素含有率のものであって、ゲル化温度は196℃、熱安
定性は26分、熱変形温度は140℃であった。このC
PVCは、実施例で得られたCPVCのどれに比べても
ゲル化温度の高いものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に溶解しないで塩化ビニル単量体に溶
    解するアニオン界面活性剤の存在下に、水溶性高分子物
    を懸濁剤として使用し、塩化ビニル単量体を水性媒体中
    に懸濁させ、塩化ビニル単量体に溶解する重合開始剤を
    添加し、塩化ビニル単量体を重合させて塩化ビニル系樹
    脂を作り、その後この塩化ビニル系樹脂を塩素化するこ
    とを特徴とする、塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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