JPH0798150B2 - 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 - Google Patents
低濃度窒素酸化物の吸着除去剤Info
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- JPH0798150B2 JPH0798150B2 JP2340627A JP34062790A JPH0798150B2 JP H0798150 B2 JPH0798150 B2 JP H0798150B2 JP 2340627 A JP2340627 A JP 2340627A JP 34062790 A JP34062790 A JP 34062790A JP H0798150 B2 JPH0798150 B2 JP H0798150B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、各種道路トンネル、山岳トンネル、海底トン
ネル、地下道路、シェルター付道路等の各種トンネルに
おける換気ガス中に含有される低濃度の窒素酸化物を効
率よく除去する吸着除去剤に関するものである。
ネル、地下道路、シェルター付道路等の各種トンネルに
おける換気ガス中に含有される低濃度の窒素酸化物を効
率よく除去する吸着除去剤に関するものである。
[発明の背景] 各種道路トンネル、山岳トンネル、地下道路、シェルタ
ー付道路等(本明細書では、これらのトンネルを総称し
て「道路トンネル等」と呼ぶこととする)において、特
に長大で自動車交通量の多いものについては、通行者の
健康保護や明視距離の改善を目的に相当量の換気を行な
う必要がある。また、比較的単距離のトンネルでも都市
部あるいはその近郊では、出入口部に集中する一酸化炭
素(CO)、窒素酸化物(NOx)等による大気汚染を防止
する方法として、トンネル内の空気を吸引排気(換気)
する方法がある。
ー付道路等(本明細書では、これらのトンネルを総称し
て「道路トンネル等」と呼ぶこととする)において、特
に長大で自動車交通量の多いものについては、通行者の
健康保護や明視距離の改善を目的に相当量の換気を行な
う必要がある。また、比較的単距離のトンネルでも都市
部あるいはその近郊では、出入口部に集中する一酸化炭
素(CO)、窒素酸化物(NOx)等による大気汚染を防止
する方法として、トンネル内の空気を吸引排気(換気)
する方法がある。
しかしながら、換気ガスをそのまま周囲に放散したので
は、地域的な環境改善にはならず、特に自動車排ガスに
よる汚染が平面的に拡がっている都市部あるいはその近
郊では高度の汚染地域を拡大させることになりかねな
い。既設道路の公害対策としてトンネル化、シェルター
設置を図る場合も、前述の事情は全く同じである。
は、地域的な環境改善にはならず、特に自動車排ガスに
よる汚染が平面的に拡がっている都市部あるいはその近
郊では高度の汚染地域を拡大させることになりかねな
い。既設道路の公害対策としてトンネル化、シェルター
設置を図る場合も、前述の事情は全く同じである。
本発明は、このような道路トンネル等の換気ガス中に含
有される低濃度の窒素酸化物を効率よく除去する吸着除
去剤に関するものである。
有される低濃度の窒素酸化物を効率よく除去する吸着除
去剤に関するものである。
[従来の技術] 各種トンネルの換気ガスは、その中に含有される窒素酸
化物の濃度が約5ppmと低く、ガス温度は常温で、ガス量
は交通量に従って大きく変動することで特徴付けられ
る。
化物の濃度が約5ppmと低く、ガス温度は常温で、ガス量
は交通量に従って大きく変動することで特徴付けられ
る。
従来より各種ボイラー燃焼排ガスの浄化を目的に検討さ
れてきた、固定発生源からの窒素酸化物の除去方法は、
次の3つに大別される。
れてきた、固定発生源からの窒素酸化物の除去方法は、
次の3つに大別される。
(1)接触還元法 これは、アンモニアを還元剤とし排ガス中の窒素酸化物
を選択的に還元して無害な窒素と水蒸気にするもので、
ボイラー排ガスの脱硝法として最も一般的な方法であ
る。しかしながら、この方法は、処理ガス温度を200℃
以上にする必要があるため、道路トンネル等の換気ガス
のように常温でガス量が多い場合には、処理ガスの昇温
に多大のエネルギーを要するため、経済的な処理方法で
はない。
を選択的に還元して無害な窒素と水蒸気にするもので、
ボイラー排ガスの脱硝法として最も一般的な方法であ
る。しかしながら、この方法は、処理ガス温度を200℃
以上にする必要があるため、道路トンネル等の換気ガス
のように常温でガス量が多い場合には、処理ガスの昇温
に多大のエネルギーを要するため、経済的な処理方法で
はない。
(2)湿式吸収法 これは、二酸化窒素(NO2)や三酸化窒素(N2O3)が水
やアルカリ水溶液に吸収されることを利用したもので、
酸化触媒やオゾン注入により一酸化窒素(NO)を酸化し
た後に吸収させたり、吸収液に酸化性を付加する方法が
知られている。しかしながら、これらの方法では窒素酸
化物(NOx)が硝酸塩や亜硝酸塩として吸収液に蓄積さ
れるため、吸収液の管理や後処理が必要であり、プロセ
スが複雑となる。また酸化剤のモル当りの単価は接触還
元法で用いられるアンモニアと比べ高価であり、プロセ
スの経済性に問題がある。
やアルカリ水溶液に吸収されることを利用したもので、
酸化触媒やオゾン注入により一酸化窒素(NO)を酸化し
た後に吸収させたり、吸収液に酸化性を付加する方法が
知られている。しかしながら、これらの方法では窒素酸
化物(NOx)が硝酸塩や亜硝酸塩として吸収液に蓄積さ
れるため、吸収液の管理や後処理が必要であり、プロセ
スが複雑となる。また酸化剤のモル当りの単価は接触還
元法で用いられるアンモニアと比べ高価であり、プロセ
スの経済性に問題がある。
(3)乾式吸着法 これは、適当な吸着剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を
吸着除去する方法で、ボイラー排ガスの脱硝法として接
触還元法が定着するまでは数例検討された。しかしなが
ら、ボイラー排ガスは(ア)窒素酸化物の濃度が高い、
(イ)ガス温度が高い、(ウ)水分濃度が高いために、
乾式吸着法は接触還元法と比べ経済性において見劣り
し、現在まで実用化されていない。
吸着除去する方法で、ボイラー排ガスの脱硝法として接
触還元法が定着するまでは数例検討された。しかしなが
ら、ボイラー排ガスは(ア)窒素酸化物の濃度が高い、
(イ)ガス温度が高い、(ウ)水分濃度が高いために、
乾式吸着法は接触還元法と比べ経済性において見劣り
し、現在まで実用化されていない。
ところが、道路トンネル等の換気ガスの浄化方法として
乾式吸着法を評価すれば、ボイラー排ガスの場合とは全
く異なり、プロセスが簡単となり経済的な方法であるこ
とが判明した。
乾式吸着法を評価すれば、ボイラー排ガスの場合とは全
く異なり、プロセスが簡単となり経済的な方法であるこ
とが判明した。
[発明が解決しようとする課題] 吸着剤による窒素酸化物の吸着除去に関する研究の中
で、低濃度の窒素酸化物の吸着除去に関する研究として
は、(財)工業開発研究所の研究(「特殊な吸着、酸化
触媒を使用する新脱硝システムの開発に関する研究」、
昭和53年5月)がある。この中で、空気−H2−NO系の模
擬ガス(入口NO濃度:100〜120ppm、乾燥ガス(露点:−
17℃)、SV:3270Hr-1)による試験が行なわれ、吸着剤
としては天然擬灰岩に銅系金属(酸化物)を担持したも
のがよいことが報告されている。
で、低濃度の窒素酸化物の吸着除去に関する研究として
は、(財)工業開発研究所の研究(「特殊な吸着、酸化
触媒を使用する新脱硝システムの開発に関する研究」、
昭和53年5月)がある。この中で、空気−H2−NO系の模
擬ガス(入口NO濃度:100〜120ppm、乾燥ガス(露点:−
17℃)、SV:3270Hr-1)による試験が行なわれ、吸着剤
としては天然擬灰岩に銅系金属(酸化物)を担持したも
のがよいことが報告されている。
しかしながら、道路トンネル等の換気ガス中に含有され
る窒素酸化物の濃度は5ppm以下と想定されているが、上
述の研究(NOx濃度:約100ppm)で用いられている吸着
剤が、5ppmという低濃度の窒素酸化物を効率よく吸着す
るかどうかについては、その可能性も含め示唆されてい
ない。
る窒素酸化物の濃度は5ppm以下と想定されているが、上
述の研究(NOx濃度:約100ppm)で用いられている吸着
剤が、5ppmという低濃度の窒素酸化物を効率よく吸着す
るかどうかについては、その可能性も含め示唆されてい
ない。
本発明者らは、先に、5ppmという低濃度の窒素酸化物を
効率よく吸着除去することを企図した吸着剤として、天
然または合成ゼオライトに、塩化銅、塩化銅の複塩およ
び塩化銅のアンミン錯塩から選択される少なくとも1種
の銅塩を担持させて成る、低濃度窒素酸化物の吸着除去
剤を提案した(特開平1−299642号公報参照)。
効率よく吸着除去することを企図した吸着剤として、天
然または合成ゼオライトに、塩化銅、塩化銅の複塩およ
び塩化銅のアンミン錯塩から選択される少なくとも1種
の銅塩を担持させて成る、低濃度窒素酸化物の吸着除去
剤を提案した(特開平1−299642号公報参照)。
しかし、上記銅塩担持ゼオライトを脱硝触媒として使用
した場合、水分(または湿分)濃度が低くなると(約0.
1%以下)、NH3の酸化分解活性が生じるために、第6図
に示すように、触媒活性の低下(劣化現象)が認められ
た(第6図は、銅塩担持ゼオライトの脱硝触媒に対する
湿分濃度の影響を示しものであり、反応条件は、ガス組
成:10.8ppm NO+11.4ppm NH3+乾燥空気+湿分、空間速
度:40,000h-1である)。この場合、反応温度を高くする
と酸化活性が一層増大し、反応温度を低くすると充分な
脱硝活性が得られなくなる、このことは吸着剤の再生時
に必要なNH3量の増加を招き、場合によっては再生が不
十分になる可能性がある。
した場合、水分(または湿分)濃度が低くなると(約0.
1%以下)、NH3の酸化分解活性が生じるために、第6図
に示すように、触媒活性の低下(劣化現象)が認められ
た(第6図は、銅塩担持ゼオライトの脱硝触媒に対する
湿分濃度の影響を示しものであり、反応条件は、ガス組
成:10.8ppm NO+11.4ppm NH3+乾燥空気+湿分、空間速
度:40,000h-1である)。この場合、反応温度を高くする
と酸化活性が一層増大し、反応温度を低くすると充分な
脱硝活性が得られなくなる、このことは吸着剤の再生時
に必要なNH3量の増加を招き、場合によっては再生が不
十分になる可能性がある。
またゼオライトは一般に炭酸ガスCO2を強く吸着するた
め、これを脱着させるには吸着剤を200℃前後に加熱す
る必要のあることが知られている。CO2は道路トンネル
等の換気ガス中には必ず含まれるものであるため、CO2
の吸着により、NOx吸着能の低下がもたらされる可能性
がある(これはCO2吸着によりNOx吸着容量の低下が原因
していると考えられる)。
め、これを脱着させるには吸着剤を200℃前後に加熱す
る必要のあることが知られている。CO2は道路トンネル
等の換気ガス中には必ず含まれるものであるため、CO2
の吸着により、NOx吸着能の低下がもたらされる可能性
がある(これはCO2吸着によりNOx吸着容量の低下が原因
していると考えられる)。
また、脱硝触媒については、担持金属の銅塩はSO2によ
り徐々に硫酸塩化し、脱硝活性が低下することが知られ
ている。このため、換気ガス中に含まれるSO2がNOx吸着
能に影響を及ぼす可能性がある。
り徐々に硫酸塩化し、脱硝活性が低下することが知られ
ている。このため、換気ガス中に含まれるSO2がNOx吸着
能に影響を及ぼす可能性がある。
本発明の目的は、上記の点に鑑み、道路トンネル等の換
気ガス中に含有される低濃度の窒素酸化物を効率よく吸
着除去剤を提供するにある。
気ガス中に含有される低濃度の窒素酸化物を効率よく吸
着除去剤を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは種々検討した結果、低濃度の窒素酸化物を
含有するガスを、脱硝活性成分を担持する担体としてア
ナターゼ型の酸化チタンが用いられている吸着剤に接触
させることにより、窒素酸化物を効率よく吸着除去でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
含有するガスを、脱硝活性成分を担持する担体としてア
ナターゼ型の酸化チタンが用いられている吸着剤に接触
させることにより、窒素酸化物を効率よく吸着除去でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
(以下単に吸着剤という)は、アナターゼ型の酸化チタ
ンより成る担体にバナジウムを担持させて成るものであ
る。
(以下単に吸着剤という)は、アナターゼ型の酸化チタ
ンより成る担体にバナジウムを担持させて成るものであ
る。
まず、本発明による吸着剤の第1の特徴は、担体として
アナターゼ型の酸化チタンを用いる点である。
アナターゼ型の酸化チタンを用いる点である。
アナターゼ型の酸化チタンとしては、市販の酸化チタン
担体、および硫酸法酸化チタン製造時の中間品である水
和酸化チタン(チタン酸スラリー)やチタン酸スラリー
を解膠・安定化したチタニアゾルより製造される酸化チ
タンのいずれも使用することができる。
担体、および硫酸法酸化チタン製造時の中間品である水
和酸化チタン(チタン酸スラリー)やチタン酸スラリー
を解膠・安定化したチタニアゾルより製造される酸化チ
タンのいずれも使用することができる。
吸着剤担体には、酸化チタン以外に、たとえばアルミナ
ゾル、アルミナ、シリカゾル、シリカ・アルミナ等の成
形助剤(バインダーまたは希釈剤として利用する)やセ
ラミック繊維等の繊維状物質が含まれることもある。
ゾル、アルミナ、シリカゾル、シリカ・アルミナ等の成
形助剤(バインダーまたは希釈剤として利用する)やセ
ラミック繊維等の繊維状物質が含まれることもある。
吸着剤担体は、必要であればこれを成形助剤、繊維状物
質と共に混練した後、好ましい形状に成形し、乾燥およ
び焼成して得られる。
質と共に混練した後、好ましい形状に成形し、乾燥およ
び焼成して得られる。
つぎに、本発明による吸着剤の第2の特徴は、上記担体
にバナジウムを担持する点である。
にバナジウムを担持する点である。
バナジウムの担持量については、バナジウム金属として
吸着剤の約0.5〜10重量%が好ましく、特に約2〜5重
量%が好ましい。
吸着剤の約0.5〜10重量%が好ましく、特に約2〜5重
量%が好ましい。
バナジウムの担持は、一般には、メタバナジン酸アンモ
ニウム(NH4VO3)等のバナジウム化合物を適当な溶媒に
溶解させた溶液に酸化チタン担体を浸漬することにより
行なうが、この方法に限定されない。
ニウム(NH4VO3)等のバナジウム化合物を適当な溶媒に
溶解させた溶液に酸化チタン担体を浸漬することにより
行なうが、この方法に限定されない。
バナジウムの担持量は、浸漬溶液中のバナジウムの濃
度、浸漬温度または浸漬時間等により調整する。浸漬
後、吸着剤を溶液から分離し、水洗後、空気中にて約10
0〜120℃で乾燥する。また、乾燥品を必要に応じて空気
中にて約300〜500℃で焼成する。さらに、吸着、脱着、
再生等の繰返しによる連続使用の際には、吸着剤の使用
最高温度より若干高い温度での処理を行なう。
度、浸漬温度または浸漬時間等により調整する。浸漬
後、吸着剤を溶液から分離し、水洗後、空気中にて約10
0〜120℃で乾燥する。また、乾燥品を必要に応じて空気
中にて約300〜500℃で焼成する。さらに、吸着、脱着、
再生等の繰返しによる連続使用の際には、吸着剤の使用
最高温度より若干高い温度での処理を行なう。
吸着剤の形状は、特に限定するものではなく、円柱状、
ラシヒリング状またはハニカム状等のように、接触面が
大きいてガス流通の容易なものであればよい。
ラシヒリング状またはハニカム状等のように、接触面が
大きいてガス流通の容易なものであればよい。
道路トンネル等からの換気ガスのように、大量のガスを
処理する場合には、流通抵抗が少なく圧損を極力小さく
する必要がある。そのため、CP触媒(セラミックペーパ
ーにチタニアを含浸した後、バナジウムを担持したも
の)のようにハニカム状に成形することが望ましい。
処理する場合には、流通抵抗が少なく圧損を極力小さく
する必要がある。そのため、CP触媒(セラミックペーパ
ーにチタニアを含浸した後、バナジウムを担持したも
の)のようにハニカム状に成形することが望ましい。
[実施例] つぎに、本発明の実施例およびこれと比較すべき比較例
をそれぞれいくつか挙げる。
をそれぞれいくつか挙げる。
実施例1 チタン酸スラリー(TiO2含有量:約30重量%)を空気中
にて400℃で5時間焼成して、アナターゼ型の酸化チタ
ンより成る担体(比表面積:136.3m2/g)を調製した。
にて400℃で5時間焼成して、アナターゼ型の酸化チタ
ンより成る担体(比表面積:136.3m2/g)を調製した。
この担体を8〜14メッシュに破砕篩分した後、メタバナ
ジン酸アンモニウム(NH4VO3)の飽和水溶液(担体容積
の10倍容)に室温で16時間浸漬した。これを水洗後、約
110℃で2時間乾燥し、さらに400℃で1時間焼成して吸
着剤(バナジウム担持量:3.1重量%)を得た。
ジン酸アンモニウム(NH4VO3)の飽和水溶液(担体容積
の10倍容)に室温で16時間浸漬した。これを水洗後、約
110℃で2時間乾燥し、さらに400℃で1時間焼成して吸
着剤(バナジウム担持量:3.1重量%)を得た。
この吸着剤7g(11.6cm3)を内径22mmのステンレス製反
応管に充填し、乾燥空気(湿分濃度:約60ppm)の流通
(5l/min)により温度約235℃で1時間乾燥した後、室
温まで放冷した。放冷後、乾燥空気の流通を一旦止め、
吸着剤層に4.42ppmの一酸化窒素(NO)を含む乾燥空気
(5l/min)を導入し、導入直後から反応管の出口ガス中
のNO濃度を化学発光式分析計で測定した。出口ガス中の
NOx濃度の経時変化を第1図に示す。なお、第1図の縦
軸には、出口ガス中のNOx濃度を入口ガス中のNOx濃度で
除した値(「破過率」と呼ぶ)が目盛ってある。
応管に充填し、乾燥空気(湿分濃度:約60ppm)の流通
(5l/min)により温度約235℃で1時間乾燥した後、室
温まで放冷した。放冷後、乾燥空気の流通を一旦止め、
吸着剤層に4.42ppmの一酸化窒素(NO)を含む乾燥空気
(5l/min)を導入し、導入直後から反応管の出口ガス中
のNO濃度を化学発光式分析計で測定した。出口ガス中の
NOx濃度の経時変化を第1図に示す。なお、第1図の縦
軸には、出口ガス中のNOx濃度を入口ガス中のNOx濃度で
除した値(「破過率」と呼ぶ)が目盛ってある。
同図中の実施例1の曲線から明らかなように、出口ガス
中のNOx濃度が入口濃度の10%(破過率:0.1)、すなわ
ち0.44ppmに到達するまでの時間(「破過時間」と呼
ぶ)は、48.6分であった。
中のNOx濃度が入口濃度の10%(破過率:0.1)、すなわ
ち0.44ppmに到達するまでの時間(「破過時間」と呼
ぶ)は、48.6分であった。
比較例1 担体としてY型ゼオライトを用い、これに塩化第2銅
(CuCl2)を含浸担持して吸着剤を調製した。この吸着
剤を用い、実施例1と同様の条件で出口NOx濃度を測定
した。このNOx濃度の経時変化を第1図に示す。
(CuCl2)を含浸担持して吸着剤を調製した。この吸着
剤を用い、実施例1と同様の条件で出口NOx濃度を測定
した。このNOx濃度の経時変化を第1図に示す。
同図中の比較例1の曲線から明らかなように、この場合
の破過時間は49.7分であり、この吸着剤はバナジウム担
持酸化チタンより成る吸着剤(実施例1)と同等の性能
を有することが判かる。
の破過時間は49.7分であり、この吸着剤はバナジウム担
持酸化チタンより成る吸着剤(実施例1)と同等の性能
を有することが判かる。
比較例2 実施例1で調製した担体を吸着剤として用い、入口NOx
濃度を4.49ppmとする点以外は実施例1と同様の条件で
出口NOx濃度を測定した。NOx濃度の経時変化を第1図に
示す。
濃度を4.49ppmとする点以外は実施例1と同様の条件で
出口NOx濃度を測定した。NOx濃度の経時変化を第1図に
示す。
同図中の比較例2の曲線から明らかなように、この場合
の破過時間は72.3分であり、酸化チタン担のみでも低濃
度のNOxが効率よく吸着されることが判る。
の破過時間は72.3分であり、酸化チタン担のみでも低濃
度のNOxが効率よく吸着されることが判る。
比較例3〜7 実施例1で調製した担体(比較例3)、チタン酸スラリ
ー(TiO2含有量:約30重量%)を空気中にて450℃で5
時間焼成して得た担体(比表面積:112.7m2/g)(比較例
4)、チタン酸スラリーを空気中にて500℃で5時間焼
成して得た担体(比表面積:82.0m2/g)(比較例5)、
市販の酸化チタン担体(触媒化成、比表面積:144.4m2/
g)(比較例6)および市販の酸化チタン担体(仏ロー
ヌ・プーラン社、比表面積:71.0m2/g)をそれぞれ14〜2
0メッシュに破砕篩分して吸着剤を得た。この吸着剤10.
0cm3を内径22mmのステンレス製反応管に充填し、実施例
1と同様の方法で出口NOx濃度を測定した。このNOx濃度
の経時変化を第2図に示す。
ー(TiO2含有量:約30重量%)を空気中にて450℃で5
時間焼成して得た担体(比表面積:112.7m2/g)(比較例
4)、チタン酸スラリーを空気中にて500℃で5時間焼
成して得た担体(比表面積:82.0m2/g)(比較例5)、
市販の酸化チタン担体(触媒化成、比表面積:144.4m2/
g)(比較例6)および市販の酸化チタン担体(仏ロー
ヌ・プーラン社、比表面積:71.0m2/g)をそれぞれ14〜2
0メッシュに破砕篩分して吸着剤を得た。この吸着剤10.
0cm3を内径22mmのステンレス製反応管に充填し、実施例
1と同様の方法で出口NOx濃度を測定した。このNOx濃度
の経時変化を第2図に示す。
同図に見られるとおり、酸化チタン担体の調製方法によ
り、NOx吸着性に差異が認められるが、いずれの酸化チ
タン担体より成る吸着剤もNOxを吸着することが判る。
り、NOx吸着性に差異が認められるが、いずれの酸化チ
タン担体より成る吸着剤もNOxを吸着することが判る。
ただし後に述べる理由により、バナジウムを担持しない
TiO2担持のみの吸着剤では、NH3を含むガスでの再生が
充分に行なえず、これら吸着剤は実用に供することがで
きない。
TiO2担持のみの吸着剤では、NH3を含むガスでの再生が
充分に行なえず、これら吸着剤は実用に供することがで
きない。
実施例2〜6 担体として比較例3、4、6および7で用いたものを用
いる以外は実施例1と同じ方法により担体にバナジウム
を担持して成る調製物(それぞれ実施例2、3、4およ
び5)、およびチタン酸スラリー(TiO2含有量:約30重
量%)100部とチタニアゾル(TiO2含有量:約30重量
%)40部を混練しながら蒸発乾固し、乾固物をさらに空
気中にて450℃で25.5時間焼成して得た担体(比表面積:
163.3m2/g)を用いる以外は実施例1と同じ方法により
担体にバナジウムを担持して成る調製物(実施例6)
を、それぞれ14〜20メッシュに破砕篩分して吸着剤を得
た。
いる以外は実施例1と同じ方法により担体にバナジウム
を担持して成る調製物(それぞれ実施例2、3、4およ
び5)、およびチタン酸スラリー(TiO2含有量:約30重
量%)100部とチタニアゾル(TiO2含有量:約30重量
%)40部を混練しながら蒸発乾固し、乾固物をさらに空
気中にて450℃で25.5時間焼成して得た担体(比表面積:
163.3m2/g)を用いる以外は実施例1と同じ方法により
担体にバナジウムを担持して成る調製物(実施例6)
を、それぞれ14〜20メッシュに破砕篩分して吸着剤を得
た。
この吸着剤10.0cm3を内径22mmのステンレス製反応管に
充填し、実施例1と同様の方法で出口NOx濃度を測定し
た。このNOx濃度の経時変化を第3図に示す。
充填し、実施例1と同様の方法で出口NOx濃度を測定し
た。このNOx濃度の経時変化を第3図に示す。
同図に見られるとおり、担体である酸化チタンの調製方
法により、NOx吸着性に差異が認められるが、いずれの
吸着剤もNOxを吸着することが判る。
法により、NOx吸着性に差異が認められるが、いずれの
吸着剤もNOxを吸着することが判る。
また、酸化チタンにバナジウムを担持した吸着剤は、後
に述べるように、いずれも200℃以上で充分な脱硝活性
を有し、NH3を含むガスによる再生が可能である。
に述べるように、いずれも200℃以上で充分な脱硝活性
を有し、NH3を含むガスによる再生が可能である。
実施例7および比較例8 実施例7では実施例1で用いた吸着剤10.0cm3を内径22m
mのステンレス製反応管に充填し、ガス組成:10.5ppm NO
+12.0ppm NH3+60ppm H2O+残り空気の反応ガス(5Nl/
min)を流通させ、反応温度を変動させながら反応管の
入口および出口NOx濃度を測定し、反応温度に対応する
脱硝率=((入口NOx濃度−出口NOx濃度)/入口NOx濃
度)×100%を求めた。
mのステンレス製反応管に充填し、ガス組成:10.5ppm NO
+12.0ppm NH3+60ppm H2O+残り空気の反応ガス(5Nl/
min)を流通させ、反応温度を変動させながら反応管の
入口および出口NOx濃度を測定し、反応温度に対応する
脱硝率=((入口NOx濃度−出口NOx濃度)/入口NOx濃
度)×100%を求めた。
比較例8では、比較例2の吸着剤(実施例1で用いたバ
ナジウム担持前の担体)を用いる以外、実施例7と同じ
方法で反応管の入口および出口NOx濃度を測定した。
ナジウム担持前の担体)を用いる以外、実施例7と同じ
方法で反応管の入口および出口NOx濃度を測定した。
実施例7と比較例8の反応温度と脱硝率の関係を第4図
に示す。
に示す。
同図に見られるとおり、酸化チタンのみの吸着剤はほと
んど脱硝活性を示さない。これに対して酸化チタンにバ
ナジウムを担持して成る吸着剤は、200℃以上で脱硝率9
0%以上を示し、高い脱硝活性を有することが判る。
んど脱硝活性を示さない。これに対して酸化チタンにバ
ナジウムを担持して成る吸着剤は、200℃以上で脱硝率9
0%以上を示し、高い脱硝活性を有することが判る。
実施例8 実施例1で用いた担体(チタン酸スラリーを400℃で5
時間焼成して得た担体)を8〜14メッシュに破砕篩分し
た後、所定濃度のメタバナジン酸アンモニウム水溶液に
室温で16時間浸漬し、これを水洗ついで乾燥後、さらに
400℃で1時間焼成して、バナジウム担持量の異なる吸
着剤を調製した。
時間焼成して得た担体)を8〜14メッシュに破砕篩分し
た後、所定濃度のメタバナジン酸アンモニウム水溶液に
室温で16時間浸漬し、これを水洗ついで乾燥後、さらに
400℃で1時間焼成して、バナジウム担持量の異なる吸
着剤を調製した。
これらの吸着剤10.0cm3を内径22mmのステンレス製反応
管に充填し、ガス組成:10.5ppm NO+12.0ppm NH3+50〜
70ppm H2O+残り空気の反応ガスを反応管に流通させ(5
Nl/min)、225℃での脱硝率を測定した。
管に充填し、ガス組成:10.5ppm NO+12.0ppm NH3+50〜
70ppm H2O+残り空気の反応ガスを反応管に流通させ(5
Nl/min)、225℃での脱硝率を測定した。
バナジウム担持量と225℃での脱硝率の関係を第5図に
示す。
示す。
同図に見られるとおり、バナジウム担持量が増加するに
つれて脱硝率が高くなるが、バナジウム担持量約3wt%
以上では脱硝率はほぼ一定になることが判る。
つれて脱硝率が高くなるが、バナジウム担持量約3wt%
以上では脱硝率はほぼ一定になることが判る。
第1図から第3図までは時間と破過率の関係を示すグラ
フ、第4図は反応温度と脱硝率の関係を示すグラフ、第
5図はバナジウム担持量と脱硝率の関係を示すグラフ、
第6図は従来の吸着剤について反応温度と脱硝率の関係
を示すグラフである。
フ、第4図は反応温度と脱硝率の関係を示すグラフ、第
5図はバナジウム担持量と脱硝率の関係を示すグラフ、
第6図は従来の吸着剤について反応温度と脱硝率の関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 高延 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 福寿 厚 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 小林 秀次 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】アナターゼ型の酸化チタンより成る担体に
バナジウムが担持されていることを特徴とする、低濃度
窒素酸化物の吸着除去剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2340627A JPH0798150B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2340627A JPH0798150B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04200741A JPH04200741A (ja) | 1992-07-21 |
JPH0798150B2 true JPH0798150B2 (ja) | 1995-10-25 |
Family
ID=18338788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2340627A Expired - Fee Related JPH0798150B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0798150B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3352494B2 (ja) | 1993-03-25 | 2002-12-03 | 三井鉱山株式会社 | 窒素酸化物分解触媒及びそれを用いた脱硝方法 |
CN113769534B (zh) * | 2021-10-18 | 2023-04-25 | 美埃(中国)环境科技股份有限公司 | 去除空气中一氧化氮和二氧化氮气体的活性炭改性方法 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP2340627A patent/JPH0798150B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04200741A (ja) | 1992-07-21 |
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