JPH0791236B2 - 芳香族カーボネート類の連続的製造法 - Google Patents
芳香族カーボネート類の連続的製造法Info
- Publication number
- JPH0791236B2 JPH0791236B2 JP2408068A JP40806890A JPH0791236B2 JP H0791236 B2 JPH0791236 B2 JP H0791236B2 JP 2408068 A JP2408068 A JP 2408068A JP 40806890 A JP40806890 A JP 40806890A JP H0791236 B2 JPH0791236 B2 JP H0791236B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族カーボネート類の
連続的製造法に関するものである。さらに詳しくは、ジ
アルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反
応させて、アルキルアリールカーボネート、ジアリール
カーボネート又はこれらの混合物から成る芳香族カーボ
ネート類を効率よく連続的に製造する方法に関するもの
である。
連続的製造法に関するものである。さらに詳しくは、ジ
アルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反
応させて、アルキルアリールカーボネート、ジアリール
カーボネート又はこれらの混合物から成る芳香族カーボ
ネート類を効率よく連続的に製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロ
キシ化合物とを反応させて、アルキルアリールカーボネ
ート、ジアリールカーボネート又はこれらの混合物から
成る芳香族カーボネート類が得られることはよく知られ
ている。例えば、ジアルキルカーボネートとして化1で
表わされる化合物を用い
キシ化合物とを反応させて、アルキルアリールカーボネ
ート、ジアリールカーボネート又はこれらの混合物から
成る芳香族カーボネート類が得られることはよく知られ
ている。例えば、ジアルキルカーボネートとして化1で
表わされる化合物を用い
【0003】
【化1】
【0004】芳香族ヒドロキシ化合物として、ArOH
(Arは1価の芳香族基)で表わされる芳香族モノヒド
ロキシ化合物を用いた場合、その反応は化2で表わされ
る。
(Arは1価の芳香族基)で表わされる芳香族モノヒド
ロキシ化合物を用いた場合、その反応は化2で表わされ
る。
【0005】
【化2】
【0006】ところが、これらの反応はいずれも平衡反
応であって、しかもその平衡が極端に原系に偏っている
ことに加えて、反応速度が遅いことから、芳香族カーボ
ネート類をこの方法で工業的に製造するのは多大の困難
を伴っていた。これを改良するためにいくつかの提案が
なされているが、その大部分は、反応速度を高めるため
の触媒開発に関するものである。このような触媒として
は、例えば、遷移金属ハライド等のルイス酸又はルイス
酸を生成させる化合物類〔特開昭51−105032号
公報、特開昭56−123948号公報、特開昭56−
123949号公報(西独特許公開公報第252841
2号、英国特許第1499530号明細書、米国特許第
4182726号明細書)〕、有機スズアルコキシドや
有機スズオキシド類等のスズ化合物〔特開昭54−48
733号公報(西独特許公開公報第2736062
号)、特開昭54−63023号公報、特開昭60−1
69444号公報(米国特許第4554110号明細
書)、特開昭60−169445号公報(米国特許第4
552704号明細書)、特開昭62−277645号
公報、特開平1−265063号公報〕、アルカリ金属
又はアルカリ土類金属の塩類及びアルコキシド類(特開
昭56−25138号公報)、鉛化合物類(特開昭57
−176932号公報)、銅、鉄、ジルコニウム等の金
属の錯体類(特開昭57−183745号公報)、チタ
ン酸エステル類〔特開昭58−185536号公報(米
国特許第4410464号明細書)〕、ルイス酸とプロ
トン酸の混合物〔特開昭60−173016号公報(米
国特許第4609501号明細書)〕、Sc,Mo,M
n,Bi,Te等の化合物類(特開平1−265064
号公報)、酢酸第2鉄(特開昭61−172852号公
報)等が提案されている。
応であって、しかもその平衡が極端に原系に偏っている
ことに加えて、反応速度が遅いことから、芳香族カーボ
ネート類をこの方法で工業的に製造するのは多大の困難
を伴っていた。これを改良するためにいくつかの提案が
なされているが、その大部分は、反応速度を高めるため
の触媒開発に関するものである。このような触媒として
は、例えば、遷移金属ハライド等のルイス酸又はルイス
酸を生成させる化合物類〔特開昭51−105032号
公報、特開昭56−123948号公報、特開昭56−
123949号公報(西独特許公開公報第252841
2号、英国特許第1499530号明細書、米国特許第
4182726号明細書)〕、有機スズアルコキシドや
有機スズオキシド類等のスズ化合物〔特開昭54−48
733号公報(西独特許公開公報第2736062
号)、特開昭54−63023号公報、特開昭60−1
69444号公報(米国特許第4554110号明細
書)、特開昭60−169445号公報(米国特許第4
552704号明細書)、特開昭62−277645号
公報、特開平1−265063号公報〕、アルカリ金属
又はアルカリ土類金属の塩類及びアルコキシド類(特開
昭56−25138号公報)、鉛化合物類(特開昭57
−176932号公報)、銅、鉄、ジルコニウム等の金
属の錯体類(特開昭57−183745号公報)、チタ
ン酸エステル類〔特開昭58−185536号公報(米
国特許第4410464号明細書)〕、ルイス酸とプロ
トン酸の混合物〔特開昭60−173016号公報(米
国特許第4609501号明細書)〕、Sc,Mo,M
n,Bi,Te等の化合物類(特開平1−265064
号公報)、酢酸第2鉄(特開昭61−172852号公
報)等が提案されている。
【0007】これらの反応における芳香族カーボネート
類の収率を向上させるための他の試みは、平衡をできる
だけ生成系側にずらせるようにするものである。このよ
うな方法としては、例えば、ジメチルカーボネートとフ
ェノールとの反応において、副生してくるメタノールを
共沸形成剤と共に共沸によって、留去する方法〔特開昭
54−48732号公報(西独特許公開公報第2736
063号、米国特許第4252737号明細書)、特開
昭61−291545号公報〕、副生してくるメタノー
ルをモレキュラーシーブで吸着させて除去する方法〔特
開昭58−185536号公報(米国特許第41046
4号明細書)〕が提案されている。
類の収率を向上させるための他の試みは、平衡をできる
だけ生成系側にずらせるようにするものである。このよ
うな方法としては、例えば、ジメチルカーボネートとフ
ェノールとの反応において、副生してくるメタノールを
共沸形成剤と共に共沸によって、留去する方法〔特開昭
54−48732号公報(西独特許公開公報第2736
063号、米国特許第4252737号明細書)、特開
昭61−291545号公報〕、副生してくるメタノー
ルをモレキュラーシーブで吸着させて除去する方法〔特
開昭58−185536号公報(米国特許第41046
4号明細書)〕が提案されている。
【0008】また、これまでに提案されている発明の中
で好ましい反応方式として、反応によって副生してくる
アルコール類を、原料あるいは生成物あるいは共存させ
ている溶媒類から、分離して留去するために、反応器の
上部に蒸留や分留機能を有する塔類を付加した装置を用
いることも知られている〔特開昭56−123948号
公報(米国特許第4182726号明細書)の実施例、
特開昭56−25138号公報の実施例、特開昭60−
169444号公報、(米国特許第4554110号明
細書)の実施例、特開昭60−169445号公報(米
国特許第4552704号明細書)の実施例、特開昭6
0−173016号公報(米国特許第4609501号
明細書)の実施例、特開昭61−172852号公報の
実施例、特開昭61−291545号公報の実施例、特
開昭62−277345号公報の実施例〕。
で好ましい反応方式として、反応によって副生してくる
アルコール類を、原料あるいは生成物あるいは共存させ
ている溶媒類から、分離して留去するために、反応器の
上部に蒸留や分留機能を有する塔類を付加した装置を用
いることも知られている〔特開昭56−123948号
公報(米国特許第4182726号明細書)の実施例、
特開昭56−25138号公報の実施例、特開昭60−
169444号公報、(米国特許第4554110号明
細書)の実施例、特開昭60−169445号公報(米
国特許第4552704号明細書)の実施例、特開昭6
0−173016号公報(米国特許第4609501号
明細書)の実施例、特開昭61−172852号公報の
実施例、特開昭61−291545号公報の実施例、特
開昭62−277345号公報の実施例〕。
【0009】しかしながら、これらの方法においては、
いずれの場合もその反応は触媒の存在する反応器中のみ
で進行していることは明らかである。そして反応器の上
部に設けられた蒸留塔部分は、反応器中で生成したアル
コール類を、反応器中に存在する他の成分と分離するた
めにのみ使用されていることも明らかである。このこと
は特開昭61−291545号公報に詳述されており、
これによれば、例えば、「このような反応には通常、反
応器に蒸留塔を付加した反応蒸留を用い塔底部の反応器
で反応を行いながら、塔頂部より生成する炭酸エステル
より沸点の低いメタノールを留去する反応蒸留法が採用
される」(同明細書第1頁右欄第12行〜第17行)と
記載されている。
いずれの場合もその反応は触媒の存在する反応器中のみ
で進行していることは明らかである。そして反応器の上
部に設けられた蒸留塔部分は、反応器中で生成したアル
コール類を、反応器中に存在する他の成分と分離するた
めにのみ使用されていることも明らかである。このこと
は特開昭61−291545号公報に詳述されており、
これによれば、例えば、「このような反応には通常、反
応器に蒸留塔を付加した反応蒸留を用い塔底部の反応器
で反応を行いながら、塔頂部より生成する炭酸エステル
より沸点の低いメタノールを留去する反応蒸留法が採用
される」(同明細書第1頁右欄第12行〜第17行)と
記載されている。
【0010】すなわち、先行のこれらの方法における反
応蒸留とは、反応をさせる部分と蒸留をする部分とが別
々に存在する装置を用いて、蒸留塔部分で蒸留のみを行
い反応は全く行わせないことを特徴とする方法である。
このようにこれらの方法においては反応は反応器中の液
相中で行われるが、副生する低沸点アルコール類が気液
界面を経て液相から気相に抜き出されることによっては
じめて反応の平衡が生成系側にずれ、反応が進行するこ
とになる。
応蒸留とは、反応をさせる部分と蒸留をする部分とが別
々に存在する装置を用いて、蒸留塔部分で蒸留のみを行
い反応は全く行わせないことを特徴とする方法である。
このようにこれらの方法においては反応は反応器中の液
相中で行われるが、副生する低沸点アルコール類が気液
界面を経て液相から気相に抜き出されることによっては
じめて反応の平衡が生成系側にずれ、反応が進行するこ
とになる。
【0011】しかしながら、これらの方法で使用されて
いる反応器は槽型のものであり、気液界面積が反応器の
断面積程度の小さいものであることから、反応が非常に
遅いことも知られており、例えば、特開昭61−291
545号公報の実施例や特開昭54−48732号公報
及び特開昭54−48733号公報の実施例において
は、バッチ式反応で8〜45時間もの長時間をかけて反
応している。このような長時間をかけた方法では、原料
や中間体の副反応だけでなく、生成した芳香族カーボネ
ート類の副反応が起こりやすくなり、選択率の低下を招
くことになる。
いる反応器は槽型のものであり、気液界面積が反応器の
断面積程度の小さいものであることから、反応が非常に
遅いことも知られており、例えば、特開昭61−291
545号公報の実施例や特開昭54−48732号公報
及び特開昭54−48733号公報の実施例において
は、バッチ式反応で8〜45時間もの長時間をかけて反
応している。このような長時間をかけた方法では、原料
や中間体の副反応だけでなく、生成した芳香族カーボネ
ート類の副反応が起こりやすくなり、選択率の低下を招
くことになる。
【0012】さらに、反応を行なう部分と蒸留を行う部
分とが別々に存在する装置を用いるこれまでの反応蒸留
といわれる方法では、特開昭61−291545号公報
(第3頁左下欄第4行〜第9行)にも記載されているよ
うに「反応蒸留操作は回分式でも連続式でも可能である
が、炭酸ジメチルをフェノールでエステル交換する様な
場合は、その反応速度が遅いため連続式で行なうと大き
な設備を必要とするので回分式に行なう方が好まし
い。」とされており、事実、これまでに提案されている
前述の特許の実施例の全てにおいては、ジアルキルカー
ボネートと芳香族ヒドロキシ化合物から成る原料化合物
の少なくとも一方(通常は、高沸点化合物である芳香族
ヒドロキシ化合物)と、触媒をはじめに反応器に仕込ん
だままで反応させるバッチ方式である。従って、原料化
合物を連続的に供給し、生成物を連続的に抜き出す連続
反応方式については、これまで全く開示されていなかっ
た。
分とが別々に存在する装置を用いるこれまでの反応蒸留
といわれる方法では、特開昭61−291545号公報
(第3頁左下欄第4行〜第9行)にも記載されているよ
うに「反応蒸留操作は回分式でも連続式でも可能である
が、炭酸ジメチルをフェノールでエステル交換する様な
場合は、その反応速度が遅いため連続式で行なうと大き
な設備を必要とするので回分式に行なう方が好まし
い。」とされており、事実、これまでに提案されている
前述の特許の実施例の全てにおいては、ジアルキルカー
ボネートと芳香族ヒドロキシ化合物から成る原料化合物
の少なくとも一方(通常は、高沸点化合物である芳香族
ヒドロキシ化合物)と、触媒をはじめに反応器に仕込ん
だままで反応させるバッチ方式である。従って、原料化
合物を連続的に供給し、生成物を連続的に抜き出す連続
反応方式については、これまで全く開示されていなかっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このよう
な、これまでに提案されている方法が有している欠点が
なく、芳香族カーボネート類を高い反応速度かつ高選択
率で連続的に製造する方法を提供することを目的として
なされたものである。
な、これまでに提案されている方法が有している欠点が
なく、芳香族カーボネート類を高い反応速度かつ高選択
率で連続的に製造する方法を提供することを目的として
なされたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、触媒の存
在下でジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合
物からジアリールカーボネートを製造するに当り、連続
多段蒸留塔内部で反応させる反応蒸留方式が前記の目的
を容易に達成できる優れた方法であることを見出し、そ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
在下でジアルキルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合
物からジアリールカーボネートを製造するに当り、連続
多段蒸留塔内部で反応させる反応蒸留方式が前記の目的
を容易に達成できる優れた方法であることを見出し、そ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明は触媒の存在下にジアル
キルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応さ
せて、アルキルアリールカーボネート又はジアリールカ
ーボネート又はこれらの混合物から成る芳香族カーボネ
ート類を製造するに当たり、原料化合物である該ジアル
キルカーボネート及び該芳香族ヒドロキシ化合物を、連
続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該蒸留塔内で該触媒
と該原料化合物を接触させることによって反応させなが
ら、副生する脂肪族アルコールを蒸留によってガス状で
連続的に抜き出し、生成した該芳香族カーボネート類を
塔下部より液状で連続的に抜き出すことを特徴とする芳
香族カーボネート類の連続的製造法を提供するものであ
る。
キルカーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応さ
せて、アルキルアリールカーボネート又はジアリールカ
ーボネート又はこれらの混合物から成る芳香族カーボネ
ート類を製造するに当たり、原料化合物である該ジアル
キルカーボネート及び該芳香族ヒドロキシ化合物を、連
続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該蒸留塔内で該触媒
と該原料化合物を接触させることによって反応させなが
ら、副生する脂肪族アルコールを蒸留によってガス状で
連続的に抜き出し、生成した該芳香族カーボネート類を
塔下部より液状で連続的に抜き出すことを特徴とする芳
香族カーボネート類の連続的製造法を提供するものであ
る。
【0016】本発明で原料化合物として用いられている
ジアルキルカーボネートとは、化3で表わされるもので
ある。
ジアルキルカーボネートとは、化3で表わされるもので
ある。
【0017】
【化3】 (R1,R2はアルキル基、脂環族基、アラールキル基
を表わし、R1とR2はそれぞれ同じものであってもよ
いし、異なってもよいし、R1とR2は環を構成する成
分であってもよい。)
を表わし、R1とR2はそれぞれ同じものであってもよ
いし、異なってもよいし、R1とR2は環を構成する成
分であってもよい。)
【0018】このような、R1、R2としては例えばメ
チル、エチル、プロピル(各異性体)、アリル、ブチル
(各異性体)、ブテニル(各異性体)、ペンチル(各異
性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性
体),オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デ
シル(各異性体)、シクロヘキシルメチル等のアルキル
基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル等の脂環族基;ベンジ
ル、フェネチル(各異性体)、フェニルプロピル(各異
性体)、フェニルブチル(各異性体)、メチルベンジル
(各異性体)等のアラールキル基が挙げられる。なお、
これらのアルキル基、脂環族基、アラールキル基におい
て、他の置換基、例えば低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、シアノ基、ハロゲンで置換されていてもよいし、
不飽和結合を有してもよい。
チル、エチル、プロピル(各異性体)、アリル、ブチル
(各異性体)、ブテニル(各異性体)、ペンチル(各異
性体)、ヘキシル(各異性体)、ヘプチル(各異性
体),オクチル(各異性体)、ノニル(各異性体)、デ
シル(各異性体)、シクロヘキシルメチル等のアルキル
基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル等の脂環族基;ベンジ
ル、フェネチル(各異性体)、フェニルプロピル(各異
性体)、フェニルブチル(各異性体)、メチルベンジル
(各異性体)等のアラールキル基が挙げられる。なお、
これらのアルキル基、脂環族基、アラールキル基におい
て、他の置換基、例えば低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、シアノ基、ハロゲンで置換されていてもよいし、
不飽和結合を有してもよい。
【0019】このようなR1、R2を有するジアルキル
カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート
(各異性体)、ジアリルカーボネート、ジブテニルカー
ボネート(各異性体)、ジブチルカーボネート(各異性
体)、ジペンチルカーボネート(各異性体)、ジヘキシ
ルカーボネート(各異性体)、ジヘプチルカーボネート
(各異性体)、ジオクチルカーボネート(各異性体)ジ
ノニルカーボネート(各異性体)、ジデシルカーボネー
ト(各異性体)、ジシクロペンチルカーボネート、ジシ
クロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネ
ート、ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネ
ート(各異性体)、ジ(フェニルプロピル)カーボネー
ト(各異性体)、ジ(フェニルブチル)カーボネート
(各異性体)、ジ(クロロベンジル)カーボネート(各
異性体)、ジ(メトキシベンジル)カーボネート(各異
性体)、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メト
キシエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(クロロエ
チル)カーボネート(各異性体)、ジ(ジアノエチル)
カーボネート(各異性体)、メチルエチルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート(各異性体)、メチル
ブチルカーボネート(各異性体)、エチルプロピルカー
ボネート(各異性体)、エチルブチルカーボネート(各
異性体)、ジベンジルカーボネート、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等が用いられる。
カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート
(各異性体)、ジアリルカーボネート、ジブテニルカー
ボネート(各異性体)、ジブチルカーボネート(各異性
体)、ジペンチルカーボネート(各異性体)、ジヘキシ
ルカーボネート(各異性体)、ジヘプチルカーボネート
(各異性体)、ジオクチルカーボネート(各異性体)ジ
ノニルカーボネート(各異性体)、ジデシルカーボネー
ト(各異性体)、ジシクロペンチルカーボネート、ジシ
クロヘキシルカーボネート、ジシクロヘプチルカーボネ
ート、ジベンジルカーボネート、ジフェネチルカーボネ
ート(各異性体)、ジ(フェニルプロピル)カーボネー
ト(各異性体)、ジ(フェニルブチル)カーボネート
(各異性体)、ジ(クロロベンジル)カーボネート(各
異性体)、ジ(メトキシベンジル)カーボネート(各異
性体)、ジ(メトキシメチル)カーボネート、ジ(メト
キシエチル)カーボネート(各異性体)、ジ(クロロエ
チル)カーボネート(各異性体)、ジ(ジアノエチル)
カーボネート(各異性体)、メチルエチルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート(各異性体)、メチル
ブチルカーボネート(各異性体)、エチルプロピルカー
ボネート(各異性体)、エチルブチルカーボネート(各
異性体)、ジベンジルカーボネート、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等が用いられる。
【0020】これらのジアルキルカーボネートの中で、
本発明において好ましく用いられるのは、R1、R2が
それぞれ炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキル
カーボネートであり、特に好ましいのはジメチルカーボ
ネートである。本発明で用いられる原料化合物である芳
香族ヒドロキシ化合物とは、一般式 Ar1CH (2) (Ar1は一価の芳香族基を表わす。)で表わされるも
のであって、芳香族基に直接ヒドロキシ基が結合してい
るものであれば、どのようなものであってもよい。この
ようなAr1としては、例えば、フェニル、トリル(各
異性体)、キシリル(各異性体)、トリメチルフェニル
(各異性体)、テトラメチルフェニル(各異性体)、エ
チルフェニル(各異性体)、プロピルフェニル(各異性
体)、ブチルフェニル(各異性体)、ジエチルフェニル
(各異性体)、メチルエチルフェニル(各異性体)、ペ
ンチルフェニル(各異性体)、ヘキシルフェニル(各異
性体)、シクロヘキシルフェニル(各異性体)等の、フ
ェニル基及び各種アルキルフェニル基類;メトキシフェ
ニル(各異性体)、エトキシフェニル(各異性体)、ブ
トキシフェニル(各異性体)等の各種アルコキシフェニ
ル基類;フルオロフェニル(各異性体)、クロロフェニ
ル(各異性体)、ブロモフェニル(各異性体)、クロロ
(メチル)フェニル(各異性体)、ジクロロフェニル
(各異性体)等の各種ハロゲン化フェニル基類;化4で
示される各種置換フェニル基類;ナフチル(各異性
体)、メチルナフチル(各異性体)、ジメチルナフチル
(各異性体)、クロロナフチル(各異性体)、メトキシ
ナフチル(各異性体)、シアノナフチル(各異性体)等
のナフチル基及び各種置換ナフチル基類;ピリジン(各
異性体)、クマリル(各異性体)、キノリル(各異性
体)、メチルピリジル(各異性体)、クロルピリジル
(各異性体)、メチルクマリル(各異性体)、メチルキ
ノリル(各異性体)等の置換及び無置換の各種ヘテロ芳
香族基類等が挙げられる。
本発明において好ましく用いられるのは、R1、R2が
それぞれ炭素数4以下のアルキル基からなるジアルキル
カーボネートであり、特に好ましいのはジメチルカーボ
ネートである。本発明で用いられる原料化合物である芳
香族ヒドロキシ化合物とは、一般式 Ar1CH (2) (Ar1は一価の芳香族基を表わす。)で表わされるも
のであって、芳香族基に直接ヒドロキシ基が結合してい
るものであれば、どのようなものであってもよい。この
ようなAr1としては、例えば、フェニル、トリル(各
異性体)、キシリル(各異性体)、トリメチルフェニル
(各異性体)、テトラメチルフェニル(各異性体)、エ
チルフェニル(各異性体)、プロピルフェニル(各異性
体)、ブチルフェニル(各異性体)、ジエチルフェニル
(各異性体)、メチルエチルフェニル(各異性体)、ペ
ンチルフェニル(各異性体)、ヘキシルフェニル(各異
性体)、シクロヘキシルフェニル(各異性体)等の、フ
ェニル基及び各種アルキルフェニル基類;メトキシフェ
ニル(各異性体)、エトキシフェニル(各異性体)、ブ
トキシフェニル(各異性体)等の各種アルコキシフェニ
ル基類;フルオロフェニル(各異性体)、クロロフェニ
ル(各異性体)、ブロモフェニル(各異性体)、クロロ
(メチル)フェニル(各異性体)、ジクロロフェニル
(各異性体)等の各種ハロゲン化フェニル基類;化4で
示される各種置換フェニル基類;ナフチル(各異性
体)、メチルナフチル(各異性体)、ジメチルナフチル
(各異性体)、クロロナフチル(各異性体)、メトキシ
ナフチル(各異性体)、シアノナフチル(各異性体)等
のナフチル基及び各種置換ナフチル基類;ピリジン(各
異性体)、クマリル(各異性体)、キノリル(各異性
体)、メチルピリジル(各異性体)、クロルピリジル
(各異性体)、メチルクマリル(各異性体)、メチルキ
ノリル(各異性体)等の置換及び無置換の各種ヘテロ芳
香族基類等が挙げられる。
【0021】
【化4】 〔ただし、Aは単なる結合、又は−O−、−S−、−C
O−、−SO2−等の2価の基、又は 等のアルキレン基又は置換アルキレン基(ここでR4、
R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、低級アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基であ
って、場合により、ハロゲン原子、アルコキシ基で置換
されていてもよい。)、又は などのシクロアルキレン基(ここでkは3〜11の整数
であって、水素原子は低級アルキル基、アリール基、ハ
ロゲン原子等で置換されていてもよい。)を表わし、ま
た芳香環は低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステ
ル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、シアノ基
等の置換基によって置換されていてもよい。〕
O−、−SO2−等の2価の基、又は 等のアルキレン基又は置換アルキレン基(ここでR4、
R5、R6、R7はそれぞれ水素原子、低級アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基であ
って、場合により、ハロゲン原子、アルコキシ基で置換
されていてもよい。)、又は などのシクロアルキレン基(ここでkは3〜11の整数
であって、水素原子は低級アルキル基、アリール基、ハ
ロゲン原子等で置換されていてもよい。)を表わし、ま
た芳香環は低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステ
ル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ハロゲン、シアノ基
等の置換基によって置換されていてもよい。〕
【0022】このようなAr1を有する芳香族ヒドロキ
シ化合物としては、例えば、フェノール;クレゾール
(各異性体)、キシレノール(各異性体)、トリメチル
フェノール(各異性体)、テトラメチルフェノール(各
異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフ
ェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性
体)、ジエチルフェノール(各異性体)、メチルエチル
フェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール
(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メ
チルブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノー
ル(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、シ
クロヘキシルフェノール(各異性体)等の各種アルキル
フェノール類;メトキシフェノール(各異性体)、エト
キシフェノール(各異性体)等の各種アルコキシフェノ
ール類;化5で表わされる各種置換フェノール類;ナフ
トール(各異性体)及び各種置換ナフトール類;ヒドロ
キシピリジン(各異性体)、ヒドロキシクマリン(各異
性体)、ヒドロキシキノリン(各異性体)等のヘテロ芳
香族ヒドロキシ化合物類等が用いられる。
シ化合物としては、例えば、フェノール;クレゾール
(各異性体)、キシレノール(各異性体)、トリメチル
フェノール(各異性体)、テトラメチルフェノール(各
異性体)、エチルフェノール(各異性体)、プロピルフ
ェノール(各異性体)、ブチルフェノール(各異性
体)、ジエチルフェノール(各異性体)、メチルエチル
フェノール(各異性体)、メチルプロピルフェノール
(各異性体)、ジプロピルフェノール(各異性体)、メ
チルブチルフェノール(各異性体)、ペンチルフェノー
ル(各異性体)、ヘキシルフェノール(各異性体)、シ
クロヘキシルフェノール(各異性体)等の各種アルキル
フェノール類;メトキシフェノール(各異性体)、エト
キシフェノール(各異性体)等の各種アルコキシフェノ
ール類;化5で表わされる各種置換フェノール類;ナフ
トール(各異性体)及び各種置換ナフトール類;ヒドロ
キシピリジン(各異性体)、ヒドロキシクマリン(各異
性体)、ヒドロキシキノリン(各異性体)等のヘテロ芳
香族ヒドロキシ化合物類等が用いられる。
【0023】
【化5】 (Aは前記の通り。)
【0024】なお、ヒドロキシル基を2個有する芳香族
ジヒドロキシ化合物、例えばハイドロキノン、レゾルシ
ン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキ
シアントラセン及びそれらのアルキル置換のヒドロキシ
化合物類;化6で示される芳香族ジヒドロキシ化合物類
等も用いることができる。
ジヒドロキシ化合物、例えばハイドロキノン、レゾルシ
ン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキ
シアントラセン及びそれらのアルキル置換のヒドロキシ
化合物類;化6で示される芳香族ジヒドロキシ化合物類
等も用いることができる。
【0025】
【化6】 (ただし、Aは前記の通りで、芳香環は低級アルキル
基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、シアノ
基等の置換基によって置換されていてもよい。)
基、低級アルコキシ基、エステル基、ニトロ基、シアノ
基等の置換基によって置換されていてもよい。)
【0026】これらの芳香族ヒドロキシ化合物の中で、
本発明において好ましく用いられるのは、Ar1が炭素
数6〜10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロキシ化
合物であり、特に好ましいのはフェノールである。ま
た、本発明で言うアルキルアリールカーボネートとは、
前記式(1)で表わされるジアルキルカーボネートの1
つのアルキル基が、芳香族基に置換されたもので、化7
で表わされるものである。
本発明において好ましく用いられるのは、Ar1が炭素
数6〜10の芳香族基からなる芳香族モノヒドロキシ化
合物であり、特に好ましいのはフェノールである。ま
た、本発明で言うアルキルアリールカーボネートとは、
前記式(1)で表わされるジアルキルカーボネートの1
つのアルキル基が、芳香族基に置換されたもので、化7
で表わされるものである。
【0027】
【化7】 (R3は、R1又はR2であり、R1,R2,Ar1は
前記の通り。)
前記の通り。)
【0028】また、芳香族ヒドロキシ化合物がヒドロキ
シル基を2個有する芳香族ジヒドロキシ化合物 Ar2(OH)2 (4) の場合には、化8で表わされるものもアルキルカーボネ
ートに含まれる。
シル基を2個有する芳香族ジヒドロキシ化合物 Ar2(OH)2 (4) の場合には、化8で表わされるものもアルキルカーボネ
ートに含まれる。
【0029】
【化8】 (R3は前記の通りで、Ar2はAr1と同じ骨格を有
する2価の芳香族基を表わす。また、mは1又は2を表
わす。)
する2価の芳香族基を表わす。また、mは1又は2を表
わす。)
【0030】このようなアルキルアリールカーボネート
としては例えば、メチルフェニルカーボネート、エチル
フェニルカーボネート、プロピルフェニルカーボネート
(各異性体)、アリルフェニルカーボネート、ブチルフ
ェニルカーボネート(各異性体)、ペンチルフェニルカ
ーボネート(各異性体)、ヘキシルフェニルカーボネー
ト(各異性体)、ヘプチルフェニルカーボネート(各異
性体)、オクチルトリルカーボネート(各異性体)、ノ
ニル(エチルフェニル)カーボネート(各異性体)、デ
シル(ブチルフェニル)カーボネート(各異性体)、メ
チルトリルカーボネート(各異性体)、エチルトリルカ
ーボネート(各異性体)、プロピルトリルカーボネート
(各異性体)、ブチルトリルカーボネート(各異性
体)、アリルトリルカーボネート(各異性体)、メチル
キシリルカーボネート(各異性体)、メチル(トリルメ
チルフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル(ク
ロロフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル(ニ
トロフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル(メ
トキシフェニル)カーボネート(各異性体)、メチルク
ミルカーボネート(各異性体)、メチル(ナフチル)カ
ーボネート(各異性体)、メチル(ピリジル)カーボネ
ート(各異性体)、エチルクミルカーボネート(各異性
体)、メチル(ベンゾイルフェニル)カーボネート(各
異性体)、エチルキシリルカーボネート(各異性体)、
ベンジルキシリルカーボネート、メチル(ヒドロキシフ
ェニル)カーボネート(各異性体)、エチル(ヒドロキ
シフェニル)カーボネート(各異性体)、メトキシカル
ボニルオキシビフェニル(各異性体)、メチル(ヒドロ
キシビフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル2
−(ヒドロキシフェニル)プロピルフェニルカーボネー
ト(各異性体)、エチル2−(ヒドロキシフェニル)プ
ロピルフェニルカーボネート(各異性体)等が挙げられ
る。
としては例えば、メチルフェニルカーボネート、エチル
フェニルカーボネート、プロピルフェニルカーボネート
(各異性体)、アリルフェニルカーボネート、ブチルフ
ェニルカーボネート(各異性体)、ペンチルフェニルカ
ーボネート(各異性体)、ヘキシルフェニルカーボネー
ト(各異性体)、ヘプチルフェニルカーボネート(各異
性体)、オクチルトリルカーボネート(各異性体)、ノ
ニル(エチルフェニル)カーボネート(各異性体)、デ
シル(ブチルフェニル)カーボネート(各異性体)、メ
チルトリルカーボネート(各異性体)、エチルトリルカ
ーボネート(各異性体)、プロピルトリルカーボネート
(各異性体)、ブチルトリルカーボネート(各異性
体)、アリルトリルカーボネート(各異性体)、メチル
キシリルカーボネート(各異性体)、メチル(トリルメ
チルフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル(ク
ロロフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル(ニ
トロフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル(メ
トキシフェニル)カーボネート(各異性体)、メチルク
ミルカーボネート(各異性体)、メチル(ナフチル)カ
ーボネート(各異性体)、メチル(ピリジル)カーボネ
ート(各異性体)、エチルクミルカーボネート(各異性
体)、メチル(ベンゾイルフェニル)カーボネート(各
異性体)、エチルキシリルカーボネート(各異性体)、
ベンジルキシリルカーボネート、メチル(ヒドロキシフ
ェニル)カーボネート(各異性体)、エチル(ヒドロキ
シフェニル)カーボネート(各異性体)、メトキシカル
ボニルオキシビフェニル(各異性体)、メチル(ヒドロ
キシビフェニル)カーボネート(各異性体)、メチル2
−(ヒドロキシフェニル)プロピルフェニルカーボネー
ト(各異性体)、エチル2−(ヒドロキシフェニル)プ
ロピルフェニルカーボネート(各異性体)等が挙げられ
る。
【0031】また、本発明でいうジアリールカーボネー
トとは、ジアルキルカーボネートの2つのアルキル基が
芳香族基によって置換されたものであり、化9で表わさ
れるものである。
トとは、ジアルキルカーボネートの2つのアルキル基が
芳香族基によって置換されたものであり、化9で表わさ
れるものである。
【0032】
【化9】 (Ar1,Ar2,mは前記の通りで、Ar3はAr1
で説明したのと同様の芳香族基を表わし、Ar4はAr
2で説明したのと同様の2価の芳香族基を表わす。また
nは1又は2を表わす。)
で説明したのと同様の芳香族基を表わし、Ar4はAr
2で説明したのと同様の2価の芳香族基を表わす。また
nは1又は2を表わす。)
【0033】このようなジアリールカーボネートとして
は、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネ
ート(各異性体)、フェニルトリルカーボネート(各異
性体)、ジ(エチルフェニル)カーボネート(各異性
体)、フェニル(エチルフェニル)カーボネート(各異
性体)、ジナフチルカーボネート(各異性体)、ジ(ヒ
ドロキシフェニル)カーボネート(各異性体)、ジ〔2
−(ヒドロキシフェニルプロピル)フェニル〕カーボネ
ート(各異性体)等が挙げられる。
は、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネ
ート(各異性体)、フェニルトリルカーボネート(各異
性体)、ジ(エチルフェニル)カーボネート(各異性
体)、フェニル(エチルフェニル)カーボネート(各異
性体)、ジナフチルカーボネート(各異性体)、ジ(ヒ
ドロキシフェニル)カーボネート(各異性体)、ジ〔2
−(ヒドロキシフェニルプロピル)フェニル〕カーボネ
ート(各異性体)等が挙げられる。
【0034】本発明においては、生成する脂肪族アルコ
ールをガス状で抜き出し、生成する芳香族カーボネート
類を液状で塔下部より抜き出す。従って、本発明では、
ジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物
は、生成する脂肪族アルコールの沸点が生成物である芳
香族カーボネート類の沸点より低くなるような組み合わ
せで使用される。
ールをガス状で抜き出し、生成する芳香族カーボネート
類を液状で塔下部より抜き出す。従って、本発明では、
ジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキシ化合物
は、生成する脂肪族アルコールの沸点が生成物である芳
香族カーボネート類の沸点より低くなるような組み合わ
せで使用される。
【0035】このような好ましい組合せとしては、式
(1)で表わされるジアルキルカーボネートと式(2)
又は式(4)で表わされる芳香族ヒドロキシ化合物にお
いて、R1及びR2が炭素数1〜4のアルキル基であ
り、Ar1又はAr2が炭素数6〜10の芳香族基であ
る場合があげられる。特に好ましい組合せは、ジアルキ
ルカーボネートがジメチルカーボネートであり、芳香族
ヒドロキシ化合物がフェノールの場合である。この場
合、生成するアルキルアリールカーボネートはメチルフ
ェニルカーボネートであり、シアリールカーボネートは
ジフェニルカーボネートである。
(1)で表わされるジアルキルカーボネートと式(2)
又は式(4)で表わされる芳香族ヒドロキシ化合物にお
いて、R1及びR2が炭素数1〜4のアルキル基であ
り、Ar1又はAr2が炭素数6〜10の芳香族基であ
る場合があげられる。特に好ましい組合せは、ジアルキ
ルカーボネートがジメチルカーボネートであり、芳香族
ヒドロキシ化合物がフェノールの場合である。この場
合、生成するアルキルアリールカーボネートはメチルフ
ェニルカーボネートであり、シアリールカーボネートは
ジフェニルカーボネートである。
【0036】本発明で使用される触媒は、ジアルキルカ
ーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物との反応によりア
ルキルアリルカーボネート又はジアリールカーボネート
又はこれらの混合物からなる芳香族カーボネート類を製
造し得るものであればいかなるものでも使用することが
できる。例えば、 (鉛化合物) PbO,PbO2,Pb3O4等の酸化鉛類;PbS,
Pb2S等の硫化鉛類;Pb(OH)2,Pb2O
2(OH)2等の水酸化鉛類;Na2PbO2,K2P
bO2,NaHPbO2,KHPbO2等の亜ナマリ酸
塩類;Na2PbO3,Na2H2PbO4,K2Pb
O3,K2〔Pb(OH)6〕,K4PbO4,Ca2
PbO4,CaPbO3等の鉛酸塩類;PbCO3,2
PbCO3・Pb(OH)2等の鉛の炭酸塩及びその塩
基性類;Pb(OCOCH3)2,Pb(OCOC
H3)4,Pb(OCOCH3)2・PbO・3H2O
等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;Bu4
Pb,Ph4Pb,Bu3PbC1,Ph3PbBr,
Ph3Pb(又はPh6Pb2),Bu3PbOH,P
h3PbO等の有機鉛化合物類(Buはブチル基、Ph
はフェニル基を示す);Pb(OCH3)2,(CH3
O)Pb(OPh),Pb(OPh)2等のアルコキシ
鉛類、アリールオキシ鉛類;Pb−Na,Pb−Ca,
Pb−Ba,Pb−Sn,Pb−Sb等の鉛の合金類;
ホウエン鉱、センアエン鉱等の鉛鉱物類、及びこれらの
鉛化合物の水和物; (銅族金属の化合物) CuCl,CuCl2,CuBr,CuBr2,Cu
I,CuI2,Cu(OAc)2,Cu(aca
c)2,オレフイン酸銅,Bu2Cu,(CH3O)2
Cu,AgNO3,AgBr,ピクリン酸銀,AgC6
H6CIO4Ag(プルパレン)3NO3,〔AuC≡
C−C(CH3)3〕n〔Cu(C7H8)Cl〕4等
の銅族金属の塩及び錯体(acacはアセチルアセトン
キレート配位子を表す); (アルカリ金属の錯体) Li(acac),LiN(C4H9)2等のアルカリ
金属の錯体; (亜鉛の錯体) Zn(acac)2等の亜鉛の錯体; (カドミウムの錯体) Cd(acac)2等のカドミウムの錯体; (鉄族金属の化合物) Fe(C10H8)(CO)5,Fe(CO)5,Fe
(C4H6)(CO)3CO(メシチレン)2(PEt
2Ph)2,CoC5F6(CO)7,Ni−π−C5
H5NO、フェロセン等の鉄族金属の錯体; (ジルコニウム錯体) Zr(acac)4,ジルコノセン等の等のジルコニウ
ムの錯体; (ルイス酸類化合物) AlX3,TiX3,TiX4,VOX3,VX5,Z
nX2,FeX3,SnX4(ここでXはハロゲン、ア
セトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基である)
等のルイス酸及びルイス酸を発生する遷移金属化合物; (有機スズ化合物) (CH3)3SnOCOCH3,(C2H5)3SnO
COC6H5,Bu3SnOCOCH3,Ph3SnO
COCH3,Bu2Sn(OCOCH3)2,Bu
2(OCOC11H23)2,Ph3SnOCH3,(C2
H5)3SnOPh,Bu2Sn(OCH3)2,Bu
2Sn(OC2H5)2,Bu2Sn(OPh)2,P
h2Sn(OCH3)2,(C2H5)3SnOH,P
h3SnOH,Bu2SnO,(C8H17)2SnO,
Bu2SnCl2,BuSnO(OH)等の有機スズ化
合物; (固体触媒) シリカ、アルミナ、チタニア、シリカチタニア、酸化亜
鉛、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、ゼオライト、希
土類の酸化物等の固体触媒;これらの固体触媒の表面酸
点をシリル化などの方法により修飾したもの; 等が用いられる。
ーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物との反応によりア
ルキルアリルカーボネート又はジアリールカーボネート
又はこれらの混合物からなる芳香族カーボネート類を製
造し得るものであればいかなるものでも使用することが
できる。例えば、 (鉛化合物) PbO,PbO2,Pb3O4等の酸化鉛類;PbS,
Pb2S等の硫化鉛類;Pb(OH)2,Pb2O
2(OH)2等の水酸化鉛類;Na2PbO2,K2P
bO2,NaHPbO2,KHPbO2等の亜ナマリ酸
塩類;Na2PbO3,Na2H2PbO4,K2Pb
O3,K2〔Pb(OH)6〕,K4PbO4,Ca2
PbO4,CaPbO3等の鉛酸塩類;PbCO3,2
PbCO3・Pb(OH)2等の鉛の炭酸塩及びその塩
基性類;Pb(OCOCH3)2,Pb(OCOC
H3)4,Pb(OCOCH3)2・PbO・3H2O
等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;Bu4
Pb,Ph4Pb,Bu3PbC1,Ph3PbBr,
Ph3Pb(又はPh6Pb2),Bu3PbOH,P
h3PbO等の有機鉛化合物類(Buはブチル基、Ph
はフェニル基を示す);Pb(OCH3)2,(CH3
O)Pb(OPh),Pb(OPh)2等のアルコキシ
鉛類、アリールオキシ鉛類;Pb−Na,Pb−Ca,
Pb−Ba,Pb−Sn,Pb−Sb等の鉛の合金類;
ホウエン鉱、センアエン鉱等の鉛鉱物類、及びこれらの
鉛化合物の水和物; (銅族金属の化合物) CuCl,CuCl2,CuBr,CuBr2,Cu
I,CuI2,Cu(OAc)2,Cu(aca
c)2,オレフイン酸銅,Bu2Cu,(CH3O)2
Cu,AgNO3,AgBr,ピクリン酸銀,AgC6
H6CIO4Ag(プルパレン)3NO3,〔AuC≡
C−C(CH3)3〕n〔Cu(C7H8)Cl〕4等
の銅族金属の塩及び錯体(acacはアセチルアセトン
キレート配位子を表す); (アルカリ金属の錯体) Li(acac),LiN(C4H9)2等のアルカリ
金属の錯体; (亜鉛の錯体) Zn(acac)2等の亜鉛の錯体; (カドミウムの錯体) Cd(acac)2等のカドミウムの錯体; (鉄族金属の化合物) Fe(C10H8)(CO)5,Fe(CO)5,Fe
(C4H6)(CO)3CO(メシチレン)2(PEt
2Ph)2,CoC5F6(CO)7,Ni−π−C5
H5NO、フェロセン等の鉄族金属の錯体; (ジルコニウム錯体) Zr(acac)4,ジルコノセン等の等のジルコニウ
ムの錯体; (ルイス酸類化合物) AlX3,TiX3,TiX4,VOX3,VX5,Z
nX2,FeX3,SnX4(ここでXはハロゲン、ア
セトキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基である)
等のルイス酸及びルイス酸を発生する遷移金属化合物; (有機スズ化合物) (CH3)3SnOCOCH3,(C2H5)3SnO
COC6H5,Bu3SnOCOCH3,Ph3SnO
COCH3,Bu2Sn(OCOCH3)2,Bu
2(OCOC11H23)2,Ph3SnOCH3,(C2
H5)3SnOPh,Bu2Sn(OCH3)2,Bu
2Sn(OC2H5)2,Bu2Sn(OPh)2,P
h2Sn(OCH3)2,(C2H5)3SnOH,P
h3SnOH,Bu2SnO,(C8H17)2SnO,
Bu2SnCl2,BuSnO(OH)等の有機スズ化
合物; (固体触媒) シリカ、アルミナ、チタニア、シリカチタニア、酸化亜
鉛、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、ゼオライト、希
土類の酸化物等の固体触媒;これらの固体触媒の表面酸
点をシリル化などの方法により修飾したもの; 等が用いられる。
【0037】これらの触媒は、反応条件において反応液
に溶解し得るものであっても、溶解し得ないものであっ
てもよい。また、これらの触媒は、反応に不活性な化合
物や担体と混合したり、あるいはこれらに担体させて使
用することもできる。もちろん、これらの触媒成分が反
応系中に存在する有機化合物、例えば、脂肪族アルコー
ル類、芳香族ヒドロキシ化合物類、アルキルアリールカ
ーボネート類、ジアリールカーボネート類、ジアルキル
カーボネート類等と反応したものであっても良いし、反
応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであっ
てもよい。
に溶解し得るものであっても、溶解し得ないものであっ
てもよい。また、これらの触媒は、反応に不活性な化合
物や担体と混合したり、あるいはこれらに担体させて使
用することもできる。もちろん、これらの触媒成分が反
応系中に存在する有機化合物、例えば、脂肪族アルコー
ル類、芳香族ヒドロキシ化合物類、アルキルアリールカ
ーボネート類、ジアリールカーボネート類、ジアルキル
カーボネート類等と反応したものであっても良いし、反
応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものであっ
てもよい。
【0038】これらの触媒の中で特に好ましく用いられ
るのは、PbO,PbO2,Pb3O4等の酸化鉛類;
Pb(OH)2,Pb2O2(OH)2等の水酸化鉛
類;PbCO3,2PbCO3・Pb(OH)2等の鉛
の炭酸塩及びその塩基性塩類;Pb(OCH3)2,
(CH3O)Pb(OPh),Pb(OPh)2等のア
ルコキシ鉛類;アリールオキシ鉛類等の鉛化合物であ
り、さらにはこれらの鉛化合物が反応系中に存在する有
機化合物と反応したもの、あるいはこれらの鉛化合物が
反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものも好
ましく用いられる。
るのは、PbO,PbO2,Pb3O4等の酸化鉛類;
Pb(OH)2,Pb2O2(OH)2等の水酸化鉛
類;PbCO3,2PbCO3・Pb(OH)2等の鉛
の炭酸塩及びその塩基性塩類;Pb(OCH3)2,
(CH3O)Pb(OPh),Pb(OPh)2等のア
ルコキシ鉛類;アリールオキシ鉛類等の鉛化合物であ
り、さらにはこれらの鉛化合物が反応系中に存在する有
機化合物と反応したもの、あるいはこれらの鉛化合物が
反応に先立って原料や生成物で加熱処理されたものも好
ましく用いられる。
【0039】本発明で用いられる連続多段蒸留塔とは、
蒸留の段数が2段以上を有する蒸留塔であって、連続蒸
留が可能なものであるならばどのようなものであっても
よい(本発明でいう蒸留塔の段数とは、棚段塔の場合に
は、その棚段の数を表わし、充填塔式その他の蒸留塔に
ついては理論段数を表わす。)。このような連続立段蒸
留塔としては、例えば泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バル
ブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔式の
ものや、ラシヒリング、レッシングリング、ボールリン
グ、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソン
パッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スル
ザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した
充填塔式のものなど、通常、連続式の多段蒸留塔として
用いられるものならばどのようなものでも使用すること
ができる。さらには、棚段部分と充填物の充填された部
分とを合わせ持つ蒸留塔も好ましく用いられる。また、
固体触媒を用いる場合、この固体触媒を充填物の一部又
は全部とする充填塔式蒸留塔も好ましく用いられる。
蒸留の段数が2段以上を有する蒸留塔であって、連続蒸
留が可能なものであるならばどのようなものであっても
よい(本発明でいう蒸留塔の段数とは、棚段塔の場合に
は、その棚段の数を表わし、充填塔式その他の蒸留塔に
ついては理論段数を表わす。)。このような連続立段蒸
留塔としては、例えば泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バル
ブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔式の
ものや、ラシヒリング、レッシングリング、ボールリン
グ、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソン
パッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スル
ザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した
充填塔式のものなど、通常、連続式の多段蒸留塔として
用いられるものならばどのようなものでも使用すること
ができる。さらには、棚段部分と充填物の充填された部
分とを合わせ持つ蒸留塔も好ましく用いられる。また、
固体触媒を用いる場合、この固体触媒を充填物の一部又
は全部とする充填塔式蒸留塔も好ましく用いられる。
【0040】本発明の反応は通常、液相中で行われ、例
えばジアルキルカーボネートとして対称型ジアルキルカ
ーボネート(R1=R2)を用い、芳香族ヒドロキシ化
合物として芳香族モノヒドロキシ化合物を用いる場合、
次のような化9で表わされるような平衡反応である。
えばジアルキルカーボネートとして対称型ジアルキルカ
ーボネート(R1=R2)を用い、芳香族ヒドロキシ化
合物として芳香族モノヒドロキシ化合物を用いる場合、
次のような化9で表わされるような平衡反応である。
【0041】
【化10】
【0042】本発明の方法は、これらの反応を触媒の存
在する連続多段蒸溜塔内において行わせ、さらにより好
ましくは触媒の存在する複数段において行わせると同時
に、反応によって生成してくる低沸点生成物を蒸溜によ
って反応系から分離させる反応蒸留塔方式を用いること
を特徴としており、この方法によって初めて高収率・高
選択率で芳香族カーボネートを連続的に製造できるよう
になった。
在する連続多段蒸溜塔内において行わせ、さらにより好
ましくは触媒の存在する複数段において行わせると同時
に、反応によって生成してくる低沸点生成物を蒸溜によ
って反応系から分離させる反応蒸留塔方式を用いること
を特徴としており、この方法によって初めて高収率・高
選択率で芳香族カーボネートを連続的に製造できるよう
になった。
【0043】本発明の方法が従来の方法と比べて反応速
度が高く収率(又は生産性)及び選択率を飛躍的に向上
させている正確な理由は明らかではないが次のようなこ
とが推定される。前記一般式(I)、(II)で表わさ
れる本発明の反応は、いずれも平衡反応であって、しか
もその平衡はいずれも極端に原系に偏っている。従っ
て、いずれの反応においても、反応率を高めるために
は、反応によって生成する低沸点生成物である副生成物
(通常、脂肪族アルコール)を反応液中からできるだけ
速く除去する必要がある。
度が高く収率(又は生産性)及び選択率を飛躍的に向上
させている正確な理由は明らかではないが次のようなこ
とが推定される。前記一般式(I)、(II)で表わさ
れる本発明の反応は、いずれも平衡反応であって、しか
もその平衡はいずれも極端に原系に偏っている。従っ
て、いずれの反応においても、反応率を高めるために
は、反応によって生成する低沸点生成物である副生成物
(通常、脂肪族アルコール)を反応液中からできるだけ
速く除去する必要がある。
【0044】しかしながら、先行技術に記載されている
ような、蒸留塔を上部に設置した反応釜を用いる反応方
式ではどうしても反応速度を上げることができなかっ
た。この理由は、反応の場が触媒の存在する反応釜の部
分にのみ限定されているだけでなく反応によって生成し
た低沸点生成物を反応釜部の液中から気相に蒸発させる
ための気液界面積が小さいためである。
ような、蒸留塔を上部に設置した反応釜を用いる反応方
式ではどうしても反応速度を上げることができなかっ
た。この理由は、反応の場が触媒の存在する反応釜の部
分にのみ限定されているだけでなく反応によって生成し
た低沸点生成物を反応釜部の液中から気相に蒸発させる
ための気液界面積が小さいためである。
【0045】これに対して本発明の方法においては、連
続多段蒸留塔内の広い範囲に触媒を存在させており、こ
の気液界面席の非常に大きい広い領域で反応を進行させ
ることができる。この領域内では、供給した反応液は、
下方から上昇してくる蒸気と気液接触を繰り返し、蒸留
を行いつつ、反応しながら流下していく。この時、低沸
点生成物は反応液から蒸気相へ蒸発していく。
続多段蒸留塔内の広い範囲に触媒を存在させており、こ
の気液界面席の非常に大きい広い領域で反応を進行させ
ることができる。この領域内では、供給した反応液は、
下方から上昇してくる蒸気と気液接触を繰り返し、蒸留
を行いつつ、反応しながら流下していく。この時、低沸
点生成物は反応液から蒸気相へ蒸発していく。
【0046】その結果、連続多段蒸留塔内部での各成分
は濃度分布を有することになり、通常高沸点生成物であ
るアルキルアリールカーボネート及び/又はジアリール
カーボネートの液中での濃度は、触媒が存在している最
も高い段部から塔下部にいくに従って、次第に増加する
分布をもち、一方、通常、低沸点生成物である脂肪族ア
ルコールの液中での濃度は塔上部から塔下部にいくに従
って次第に減少する分布をもっており、塔下部付近では
その液中濃度を非常に低くすることが可能である。ま
た、蒸気相では塔下部から塔上部にいくに従って脂肪族
アルコールの濃度が次第に増加する分布を持っている。
は濃度分布を有することになり、通常高沸点生成物であ
るアルキルアリールカーボネート及び/又はジアリール
カーボネートの液中での濃度は、触媒が存在している最
も高い段部から塔下部にいくに従って、次第に増加する
分布をもち、一方、通常、低沸点生成物である脂肪族ア
ルコールの液中での濃度は塔上部から塔下部にいくに従
って次第に減少する分布をもっており、塔下部付近では
その液中濃度を非常に低くすることが可能である。ま
た、蒸気相では塔下部から塔上部にいくに従って脂肪族
アルコールの濃度が次第に増加する分布を持っている。
【0047】本発明では、このように連続多段蒸留塔内
において、これらの反応が進行しているが、この反応領
域の任意の位置を考えると、反応液は反応の結果、平衡
組成に近づいた状態であり、蒸気相も反応液に対して気
液平衡状態に近づいた組成であると考えられる。従っ
て、反応液がこの位置に留まる場合には反応はこれ以上
進行しないが、実際には、反応液は流下することによ
り、低沸点の反応生成物濃度より低い蒸気相と気液接触
を行うことによりさらに反応を進行させて、反応液中の
高沸点生成物である芳香族カーボネート類の濃度をさら
に高くすることができる。
において、これらの反応が進行しているが、この反応領
域の任意の位置を考えると、反応液は反応の結果、平衡
組成に近づいた状態であり、蒸気相も反応液に対して気
液平衡状態に近づいた組成であると考えられる。従っ
て、反応液がこの位置に留まる場合には反応はこれ以上
進行しないが、実際には、反応液は流下することによ
り、低沸点の反応生成物濃度より低い蒸気相と気液接触
を行うことによりさらに反応を進行させて、反応液中の
高沸点生成物である芳香族カーボネート類の濃度をさら
に高くすることができる。
【0048】蒸留塔を上部に設置した反応釜中で反応さ
せる従来の方法は、反応を反応釜中でのみ進行させるも
のであり、蒸留塔は単に反応釜中の気液界面から気相に
出てきた低沸点生成物蒸気と低沸点原料化合物蒸気とを
分離し、低沸点原料化合物を液状で流下させて反応釜に
戻すための役割を担っているに過ぎない。従って、本発
明の方法が従来の方法に比較して優れた効果を有するの
は、主として次の点に起因するものと考えられる。 反応釜を用いる反応形式と比べて、気液界面積を非
常に大きくすることができ、その結果、副生成物である
低沸点生成物の蒸気相への物質移動が容易である。 連続多段蒸留塔内の反応液は、下方から上昇してく
る蒸気と液相接触を繰り返しつつ、反応しながら流下し
ていく。従って、連続式でありながら原料化合物の反応
率を高くすることができる(反応釜を用いる従来の反応
方法で、目的とする芳香族カーボネートを連続的に抜き
出す連続式では、原料化合物の反応率を上げることは困
難であり、事実これまでに連続的に実施する方法は全く
提案されていない。この方法で反応率を上げるためには
回分式で長時間反応させる必要がある)。 連続多段蒸留塔を上昇する蒸気は上昇するに伴っ
て、下降する液と気液接触を繰り返しながら上昇してい
く。従って、蒸気の持つ熱エネルギーが有効に活用され
る。 本発明においては、連続多段蒸留塔内に触媒を存在させ
ることが必須であり、より好ましくは連続多段蒸留塔内
の2段以上の複数段に触媒を存在させることである。
せる従来の方法は、反応を反応釜中でのみ進行させるも
のであり、蒸留塔は単に反応釜中の気液界面から気相に
出てきた低沸点生成物蒸気と低沸点原料化合物蒸気とを
分離し、低沸点原料化合物を液状で流下させて反応釜に
戻すための役割を担っているに過ぎない。従って、本発
明の方法が従来の方法に比較して優れた効果を有するの
は、主として次の点に起因するものと考えられる。 反応釜を用いる反応形式と比べて、気液界面積を非
常に大きくすることができ、その結果、副生成物である
低沸点生成物の蒸気相への物質移動が容易である。 連続多段蒸留塔内の反応液は、下方から上昇してく
る蒸気と液相接触を繰り返しつつ、反応しながら流下し
ていく。従って、連続式でありながら原料化合物の反応
率を高くすることができる(反応釜を用いる従来の反応
方法で、目的とする芳香族カーボネートを連続的に抜き
出す連続式では、原料化合物の反応率を上げることは困
難であり、事実これまでに連続的に実施する方法は全く
提案されていない。この方法で反応率を上げるためには
回分式で長時間反応させる必要がある)。 連続多段蒸留塔を上昇する蒸気は上昇するに伴っ
て、下降する液と気液接触を繰り返しながら上昇してい
く。従って、蒸気の持つ熱エネルギーが有効に活用され
る。 本発明においては、連続多段蒸留塔内に触媒を存在させ
ることが必須であり、より好ましくは連続多段蒸留塔内
の2段以上の複数段に触媒を存在させることである。
【0049】このような連続多段蒸留塔内に触媒を存在
させる方法はどのような方法であってもよいが、例え
ば、反応条件下で反応液に溶解するような均一系触媒の
場合、該蒸留塔に連続的に触媒を供給することにより、
反応系に触媒を存在させることもできるし、あるいは反
応条件下で反応液に溶解しないような不均一系触媒の場
合、該蒸気塔内に固体触媒を配置することにより、反応
系に触媒を存在させることもできるし、これらを併用し
た方法であってもよい。
させる方法はどのような方法であってもよいが、例え
ば、反応条件下で反応液に溶解するような均一系触媒の
場合、該蒸留塔に連続的に触媒を供給することにより、
反応系に触媒を存在させることもできるし、あるいは反
応条件下で反応液に溶解しないような不均一系触媒の場
合、該蒸気塔内に固体触媒を配置することにより、反応
系に触媒を存在させることもできるし、これらを併用し
た方法であってもよい。
【0050】均一触媒を該蒸溜塔に供給する場合には、
原料であるジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキ
シ化合物のいずれか又は両方に混合して原料の供給と同
時に供給してもよいし、原料の供給位置とは異なる段に
してもよい。また、塔底から少くとも1段以上の段を有
する位置であればどのような位置に触媒を供給してもよ
い。しかし、該蒸留塔内で実際に反応が進行するのは、
通常、触媒が供給される位置から下の領域であることか
ら、塔頂から原料供給位置までの間の領域に触媒を供給
することが好ましい。また、不均一系の固体触媒を用い
る場合、その触媒は該蒸留塔内の任意の位置に必要量充
填することができ、この触媒の存在する層の理論段が少
くとも1段以上あればよく、好ましくは少くとも2段以
上あればよい。
原料であるジアルキルカーボネート及び芳香族ヒドロキ
シ化合物のいずれか又は両方に混合して原料の供給と同
時に供給してもよいし、原料の供給位置とは異なる段に
してもよい。また、塔底から少くとも1段以上の段を有
する位置であればどのような位置に触媒を供給してもよ
い。しかし、該蒸留塔内で実際に反応が進行するのは、
通常、触媒が供給される位置から下の領域であることか
ら、塔頂から原料供給位置までの間の領域に触媒を供給
することが好ましい。また、不均一系の固体触媒を用い
る場合、その触媒は該蒸留塔内の任意の位置に必要量充
填することができ、この触媒の存在する層の理論段が少
くとも1段以上あればよく、好ましくは少くとも2段以
上あればよい。
【0051】この固体触媒は蒸留塔の充填物としての効
果も有している。該蒸留塔内で触媒が存在しない領域で
は、反応生成物の濃縮等の通常の蒸留塔としての機能の
みを果たすことになる。本発明の方法は、ジアルキルカ
ーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを連続多段蒸留
塔に連続的に供給し、該蒸留塔内において、触媒の存在
下に反応を行わせると同時に反応によって生成する低沸
点生成物である脂肪族アルコールを蒸留によって該蒸留
塔の上部からガス状で連続的に抜き出し、高沸点生成物
である芳香族カーボネートを該蒸留塔の下部から液状で
連続的に抜き出すことによって、芳香族カーボネート類
を連続的に製造することを特徴としているものである。
果も有している。該蒸留塔内で触媒が存在しない領域で
は、反応生成物の濃縮等の通常の蒸留塔としての機能の
みを果たすことになる。本発明の方法は、ジアルキルカ
ーボネートと芳香族ヒドロキシ化合物とを連続多段蒸留
塔に連続的に供給し、該蒸留塔内において、触媒の存在
下に反応を行わせると同時に反応によって生成する低沸
点生成物である脂肪族アルコールを蒸留によって該蒸留
塔の上部からガス状で連続的に抜き出し、高沸点生成物
である芳香族カーボネートを該蒸留塔の下部から液状で
連続的に抜き出すことによって、芳香族カーボネート類
を連続的に製造することを特徴としているものである。
【0052】該ジアルキルカーボネートと該芳香族ヒド
ロキシ化合物を連続多段蒸留塔に連続的に供給する方法
については、特別な限定はなく、それらが該蒸留塔の少
くとも1段以上、好ましくは2段以上の領域において、
触媒と接触させることができるような供給方法であれ
ば、どのような方法であってもよい。すなわち、該ジア
ルキルカーボネートと該芳香族ヒドロキシ化合物は連続
多段蒸留塔の上記の条件を満たす段に必要な数の導入口
から連続的に供給することができ、また該出発物質と該
反応物質とは該蒸留塔の同じ段に導入されてもよいし、
それぞれ別の段に導入されてもよい。
ロキシ化合物を連続多段蒸留塔に連続的に供給する方法
については、特別な限定はなく、それらが該蒸留塔の少
くとも1段以上、好ましくは2段以上の領域において、
触媒と接触させることができるような供給方法であれ
ば、どのような方法であってもよい。すなわち、該ジア
ルキルカーボネートと該芳香族ヒドロキシ化合物は連続
多段蒸留塔の上記の条件を満たす段に必要な数の導入口
から連続的に供給することができ、また該出発物質と該
反応物質とは該蒸留塔の同じ段に導入されてもよいし、
それぞれ別の段に導入されてもよい。
【0053】また、該ジアルキルカーボネートと該芳香
族ヒドロキシ化合物は液状、ガス状又は液とガスとの混
合物として連続的に供給される。このように該ジアルキ
ルカーボネートと該芳香族ヒドロキシ化合物を連続多段
蒸留塔に連続的に供給する以外に、付加的にガス状の該
ジアルキルカーボネート及び/又は該芳香族ヒドロキシ
化合物を該蒸留塔の下部から断続的又は連続的に供給す
ることも好ましい方法である。
族ヒドロキシ化合物は液状、ガス状又は液とガスとの混
合物として連続的に供給される。このように該ジアルキ
ルカーボネートと該芳香族ヒドロキシ化合物を連続多段
蒸留塔に連続的に供給する以外に、付加的にガス状の該
ジアルキルカーボネート及び/又は該芳香族ヒドロキシ
化合物を該蒸留塔の下部から断続的又は連続的に供給す
ることも好ましい方法である。
【0054】該ジアルキルカーボネートと該芳香族ヒド
ロキシ化合物から成る原料のうち、より高沸点の原料を
触媒の存在する段よりも上部の段に液状又は気液混合状
態で該蒸留塔に連続的に供給し、より低沸点の原料をガ
ス状で該蒸留塔の下部から連続的に供給する方法も好ま
しい方法である。この場合、上部より供給する高沸点原
料中に、低沸点原料が含まれていても、もちろん構わな
い。
ロキシ化合物から成る原料のうち、より高沸点の原料を
触媒の存在する段よりも上部の段に液状又は気液混合状
態で該蒸留塔に連続的に供給し、より低沸点の原料をガ
ス状で該蒸留塔の下部から連続的に供給する方法も好ま
しい方法である。この場合、上部より供給する高沸点原
料中に、低沸点原料が含まれていても、もちろん構わな
い。
【0055】これらの供給原料中に、生成物である脂肪
族アルコール、アルキルアリールカーボネート、及びジ
アリールカーボネート等が含まれていてもよいが、本反
応は可逆反応であるため、これらの生成物の濃度があま
り高い場合には原料の反応率を低下させるため好ましく
ない。連続多段蒸留塔に供給するジアルキルカーボネー
トと芳香族ヒドロキシ化合物との量比は、触媒の種類及
び量、並びに反応条件によっても変わり得るが、通常、
供給原料中の該ジアルキルカーボネートに対して該芳香
族ヒドロキシ化合物はモル比で0.01〜1000倍の
範囲で供給するのが好ましい。
族アルコール、アルキルアリールカーボネート、及びジ
アリールカーボネート等が含まれていてもよいが、本反
応は可逆反応であるため、これらの生成物の濃度があま
り高い場合には原料の反応率を低下させるため好ましく
ない。連続多段蒸留塔に供給するジアルキルカーボネー
トと芳香族ヒドロキシ化合物との量比は、触媒の種類及
び量、並びに反応条件によっても変わり得るが、通常、
供給原料中の該ジアルキルカーボネートに対して該芳香
族ヒドロキシ化合物はモル比で0.01〜1000倍の
範囲で供給するのが好ましい。
【0056】本発明においては、連続多段蒸留塔内での
反応より低沸点生成物である脂肪族アルコールはガス状
で該蒸留塔より連続的に抜き出される。この場合、ガス
状抜き出し物は脂肪族アルコール単独でもよいし、原料
化合物との混合物であってもよいし、また高沸点生成物
を少量含んでいてもよい。連続多段蒸留塔から、低沸点
生成物を含むガス状物質を抜き出す抜き出し口は、塔底
以外の任意の位置に設けることができるが、蒸気相中の
低沸点生成物の濃度は、通常、塔の上部にいくに従って
増加している。従って、原料供給位置から塔頂の間又は
塔頂部にガス状物質の抜き出し口を設けることが好まし
く、塔頂部に設けることがさらに好ましい。このように
して抜き出されたガス状成分を、冷却等によって液状に
し、その一部を該蒸留塔の上部に戻す、いわゆる還流操
作を行ってもよい。この還流操作によって還流比を増加
させると、低沸点生成物の蒸気相への蒸留効率が高くな
るため、抜き出すガス成分中の低沸点生成物濃度を増加
させることができる。しかしながら、あまり還流比を増
加させると必要な熱エネルギーが大きくなるので好まし
くない。従って、還流比は、通常0〜20が用いられ、
好ましくは、0〜10が用いられる。
反応より低沸点生成物である脂肪族アルコールはガス状
で該蒸留塔より連続的に抜き出される。この場合、ガス
状抜き出し物は脂肪族アルコール単独でもよいし、原料
化合物との混合物であってもよいし、また高沸点生成物
を少量含んでいてもよい。連続多段蒸留塔から、低沸点
生成物を含むガス状物質を抜き出す抜き出し口は、塔底
以外の任意の位置に設けることができるが、蒸気相中の
低沸点生成物の濃度は、通常、塔の上部にいくに従って
増加している。従って、原料供給位置から塔頂の間又は
塔頂部にガス状物質の抜き出し口を設けることが好まし
く、塔頂部に設けることがさらに好ましい。このように
して抜き出されたガス状成分を、冷却等によって液状に
し、その一部を該蒸留塔の上部に戻す、いわゆる還流操
作を行ってもよい。この還流操作によって還流比を増加
させると、低沸点生成物の蒸気相への蒸留効率が高くな
るため、抜き出すガス成分中の低沸点生成物濃度を増加
させることができる。しかしながら、あまり還流比を増
加させると必要な熱エネルギーが大きくなるので好まし
くない。従って、還流比は、通常0〜20が用いられ、
好ましくは、0〜10が用いられる。
【0057】本発明のによって生成する芳香族カーボネ
ート類は高沸点生成物として連続多段蒸留塔の下部より
液状で連続的に抜き出される。この場合、液状抜き出し
物は高沸点生成物単独でもよいし、原料化合物との混合
物であってもよいし、また低沸点生成物を少量含んでい
てもよい。反応条件下において反応液に溶解し得る高沸
点の触媒を用いる場合は、この液状抜き出し物中に該触
媒も含まれる。高沸点生成物を含む液状物質を連続多段
蒸留塔から抜き出す抜き出し口は、塔下部に設けられ、
特に好ましくは塔低部に設けられる。このように抜き出
された液状物質は、その一部をボイラーで加熱すること
によって、ガス状又は気液混合物の状態で該蒸留塔の下
部に戻してもよい。
ート類は高沸点生成物として連続多段蒸留塔の下部より
液状で連続的に抜き出される。この場合、液状抜き出し
物は高沸点生成物単独でもよいし、原料化合物との混合
物であってもよいし、また低沸点生成物を少量含んでい
てもよい。反応条件下において反応液に溶解し得る高沸
点の触媒を用いる場合は、この液状抜き出し物中に該触
媒も含まれる。高沸点生成物を含む液状物質を連続多段
蒸留塔から抜き出す抜き出し口は、塔下部に設けられ、
特に好ましくは塔低部に設けられる。このように抜き出
された液状物質は、その一部をボイラーで加熱すること
によって、ガス状又は気液混合物の状態で該蒸留塔の下
部に戻してもよい。
【0058】本発明で用いられる触媒の量は、使用する
触媒の種類、連続多段蒸留塔の種類、ジアルキルカーボ
ネート及び芳香族ヒドロキシ化合物の種類やその量比、
反応温度並びに反応圧力等の反応条件の違い等によって
も異なるが、触媒を連続多段蒸留塔の反応域に連続的に
供給する場合には、供給原料であるジアルキルカーボネ
ート及び芳香族ヒドロキシ化合物の合計重量に対する割
合で表わして、通常0.0001〜50重量%で使用さ
れる。また固体触媒を連続多段蒸留塔内に設置して使用
する場合には、該蒸留塔の空塔容積に対して、0.01
〜75体積%の触媒量が好ましく用いられる。
触媒の種類、連続多段蒸留塔の種類、ジアルキルカーボ
ネート及び芳香族ヒドロキシ化合物の種類やその量比、
反応温度並びに反応圧力等の反応条件の違い等によって
も異なるが、触媒を連続多段蒸留塔の反応域に連続的に
供給する場合には、供給原料であるジアルキルカーボネ
ート及び芳香族ヒドロキシ化合物の合計重量に対する割
合で表わして、通常0.0001〜50重量%で使用さ
れる。また固体触媒を連続多段蒸留塔内に設置して使用
する場合には、該蒸留塔の空塔容積に対して、0.01
〜75体積%の触媒量が好ましく用いられる。
【0059】本発明においては、反応は触媒の存在する
連続多段蒸留塔内において起こるため、生成する反応生
成物の量は、通常、該蒸留塔内のホールドアップ液量に
依存している。つまり、同じ塔高、同じ塔径の蒸留塔を
用いる場合にはホールドアップ液量の多い蒸留塔が反応
液の滞留時間即ち反応時間を比較的長くすることができ
るという意味において好ましい。
連続多段蒸留塔内において起こるため、生成する反応生
成物の量は、通常、該蒸留塔内のホールドアップ液量に
依存している。つまり、同じ塔高、同じ塔径の蒸留塔を
用いる場合にはホールドアップ液量の多い蒸留塔が反応
液の滞留時間即ち反応時間を比較的長くすることができ
るという意味において好ましい。
【0060】しかしながら、ホールドアップ液量があま
りに多い場合には、滞留時間が長くなるために副反応が
進行したり、フラッディングが起こりやすくなる。従っ
て、本発明に用いる蒸留塔のホールドアップ液量は蒸留
条件や蒸留塔の種類によっても変わり得るが、連続多段
蒸留塔の空塔容積に対するホールドアップ液量の容積比
で表現して、通常、0.005〜0.75で行われる。
りに多い場合には、滞留時間が長くなるために副反応が
進行したり、フラッディングが起こりやすくなる。従っ
て、本発明に用いる蒸留塔のホールドアップ液量は蒸留
条件や蒸留塔の種類によっても変わり得るが、連続多段
蒸留塔の空塔容積に対するホールドアップ液量の容積比
で表現して、通常、0.005〜0.75で行われる。
【0061】また、本発明において、連続多段蒸留塔内
での反応液の平均滞留時間は、反応条件や多段連続蒸留
塔の種類や内部構造(例えば棚段や充填物の種類)によ
っても異なるが、通常0.001〜50時間、好ましく
は0.01〜10時間、より好ましくは0.05〜5時
間である。反応温度は、連続多段蒸留塔内の温度であ
り、用いる原料化合物であるジアルキルカーボネート及
び芳香族ヒドロキシ化合物の種類によって異なるが、通
常50〜350℃、好ましくは100〜280℃の範囲
で行われる。また反応圧力は、用いる原料化合物の種類
や反応温度などにより異なるが、減圧、常圧、加圧のい
ずれであってもよく、通常0.1mmHg〜200kg
/cm2の範囲で行われる。
での反応液の平均滞留時間は、反応条件や多段連続蒸留
塔の種類や内部構造(例えば棚段や充填物の種類)によ
っても異なるが、通常0.001〜50時間、好ましく
は0.01〜10時間、より好ましくは0.05〜5時
間である。反応温度は、連続多段蒸留塔内の温度であ
り、用いる原料化合物であるジアルキルカーボネート及
び芳香族ヒドロキシ化合物の種類によって異なるが、通
常50〜350℃、好ましくは100〜280℃の範囲
で行われる。また反応圧力は、用いる原料化合物の種類
や反応温度などにより異なるが、減圧、常圧、加圧のい
ずれであってもよく、通常0.1mmHg〜200kg
/cm2の範囲で行われる。
【0062】本発明においては、必ずしも溶媒を使用す
る必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当
な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類、ハロゲン変脂肪族炭化水素類、
ハロゲン芳香族炭化水素類等を反応溶媒として用いるこ
とができる。また、反応に不活性な物質として窒素、ヘ
リウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させて
もよいし、生成する低沸点副生成物の留去を加速する目
的で連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反
応に不活性な低融点有機化合物をガス状で導入してもよ
い。
る必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当
な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類、ハロゲン変脂肪族炭化水素類、
ハロゲン芳香族炭化水素類等を反応溶媒として用いるこ
とができる。また、反応に不活性な物質として窒素、ヘ
リウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させて
もよいし、生成する低沸点副生成物の留去を加速する目
的で連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反
応に不活性な低融点有機化合物をガス状で導入してもよ
い。
【0063】本発明を具体的に説明するため以下に反応
装置を例示するが、本発明を何ら限定するものではな
い。例えば、図1に示すように、ジアルキルカーボネー
ト及び芳香族ヒドロキシ化合物からなる原料混合物を導
入管(2)より予熱器(5)を経て、リボイラー(1
0)及びコンデンサー(13)を備えた連続多段蒸留塔
(1)へ連続的に導入し、塔底液をリボイラー(10)
により加熱することにより、反応及び蒸留を行わせる。
連続多段蒸留塔内部で触媒の存在下に生成した高沸点生
成物である芳香族カーボネート類を含む液状成分は、塔
下部より導管(19)を経て塔底液として連続的に抜き
出される。また、反応副生成物である低沸点生成物を含
む気相成分は、導管(12)から塔頂ガスとして連続的
に抜き出され、コンデンサー(13)で凝縮された後、
塔頂部として導管(16)から連続的に抜き出される。
塔頂液の一部を導入管(15)から、連続多段蒸留塔の
上部に還流させることもできる。
装置を例示するが、本発明を何ら限定するものではな
い。例えば、図1に示すように、ジアルキルカーボネー
ト及び芳香族ヒドロキシ化合物からなる原料混合物を導
入管(2)より予熱器(5)を経て、リボイラー(1
0)及びコンデンサー(13)を備えた連続多段蒸留塔
(1)へ連続的に導入し、塔底液をリボイラー(10)
により加熱することにより、反応及び蒸留を行わせる。
連続多段蒸留塔内部で触媒の存在下に生成した高沸点生
成物である芳香族カーボネート類を含む液状成分は、塔
下部より導管(19)を経て塔底液として連続的に抜き
出される。また、反応副生成物である低沸点生成物を含
む気相成分は、導管(12)から塔頂ガスとして連続的
に抜き出され、コンデンサー(13)で凝縮された後、
塔頂部として導管(16)から連続的に抜き出される。
塔頂液の一部を導入管(15)から、連続多段蒸留塔の
上部に還流させることもできる。
【0064】また、図2に示すように、ジアルキルカー
ボネートと芳香族ヒドロキシ化合物からなる原料混合物
を導入管(2)より予熱器(5)を経て、連続多段蒸留
塔(1)へ連続的に導入し、同時に、原料化合物のいず
れかで、より低沸点の化合物を導入管(7)より導入し
て蒸発器(9)で気化させた後、連続多段蒸留塔(1)
の下部より連続的に導入することにより、反応及び蒸留
を行わせる。連続多段蒸留塔内部で触媒の存在下に生成
した高沸点生成物である芳香族カーボネートを含む液状
成分は塔下部より導管(19)から塔底液として連続的
に抜き出される。また反応副生成物である低沸点生成物
を含む気相成分は導管(12)から塔頂ガスとして連続
的に抜き出され、コンデンサー(13)で凝縮された
後、導管(16)から塔頂液として連続的に抜き出され
る。
ボネートと芳香族ヒドロキシ化合物からなる原料混合物
を導入管(2)より予熱器(5)を経て、連続多段蒸留
塔(1)へ連続的に導入し、同時に、原料化合物のいず
れかで、より低沸点の化合物を導入管(7)より導入し
て蒸発器(9)で気化させた後、連続多段蒸留塔(1)
の下部より連続的に導入することにより、反応及び蒸留
を行わせる。連続多段蒸留塔内部で触媒の存在下に生成
した高沸点生成物である芳香族カーボネートを含む液状
成分は塔下部より導管(19)から塔底液として連続的
に抜き出される。また反応副生成物である低沸点生成物
を含む気相成分は導管(12)から塔頂ガスとして連続
的に抜き出され、コンデンサー(13)で凝縮された
後、導管(16)から塔頂液として連続的に抜き出され
る。
【0065】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。触媒濃度はICP〔高周波誘導結合型プラズマ
発光分析計(セイコウ電子社製)〕を用いて分析した。
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。触媒濃度はICP〔高周波誘導結合型プラズマ
発光分析計(セイコウ電子社製)〕を用いて分析した。
【0066】
【実施例1】図1に示されるような、充填物としてステ
ンレス製のディクソンパッキング(6mmφ)を充填し
た。塔高4m、塔径3インチの充填塔からなる連続多段
蒸留塔の塔頂から1mの位置へジメチルカーボネート、
フェノール及び触媒から成る混合物を導入管(2)から
予熱器(5)を経て該蒸留塔(1)内に、液状で連続的
に供給した。反応蒸留に必要な熱量は塔下部液をリボイ
ラーで加熱することにより供給した。反応条件を表1に
示す。反応の結果、該蒸留塔の塔底(18)から導管
(8)及び(19)を経て触媒成分及び反応生成物であ
るメチルフェニルカーボネート及びジフェニルカーボネ
ートを含む液を得た。反応の結果を表2に示す。また、
この反応液中にはメチルフェニルカーボネートの副反応
(脱炭酸反応)によって生成したと考えられるアニソー
ルが0.02重量%含まれていた。この結果はフェノー
ル基準のアニソールの選択率が0.8%であることを示
している。また塔頂(17)に設けられた導管(12)
から留出するガスを凝縮器(13)で凝縮させた。凝縮
液の一部を導管(15)を経て該蒸留塔(1)に還流さ
せ、残りを導管(16)から抜き出した。この凝縮液か
ら低沸点反応生成物であるメタノールが得られた。
ンレス製のディクソンパッキング(6mmφ)を充填し
た。塔高4m、塔径3インチの充填塔からなる連続多段
蒸留塔の塔頂から1mの位置へジメチルカーボネート、
フェノール及び触媒から成る混合物を導入管(2)から
予熱器(5)を経て該蒸留塔(1)内に、液状で連続的
に供給した。反応蒸留に必要な熱量は塔下部液をリボイ
ラーで加熱することにより供給した。反応条件を表1に
示す。反応の結果、該蒸留塔の塔底(18)から導管
(8)及び(19)を経て触媒成分及び反応生成物であ
るメチルフェニルカーボネート及びジフェニルカーボネ
ートを含む液を得た。反応の結果を表2に示す。また、
この反応液中にはメチルフェニルカーボネートの副反応
(脱炭酸反応)によって生成したと考えられるアニソー
ルが0.02重量%含まれていた。この結果はフェノー
ル基準のアニソールの選択率が0.8%であることを示
している。また塔頂(17)に設けられた導管(12)
から留出するガスを凝縮器(13)で凝縮させた。凝縮
液の一部を導管(15)を経て該蒸留塔(1)に還流さ
せ、残りを導管(16)から抜き出した。この凝縮液か
ら低沸点反応生成物であるメタノールが得られた。
【0067】反応条件を表1に、反応結果を表2に示
す。
す。
【0068】
【比較例1】図3に示される塔高1m、塔径1インチの
蒸留塔(63)〔ステンレス製のディクソンパッキング
(6mmφ)を充填したもの〕と撹拌機(71)を備え
た、容量15リットルのオートクレーブ型の反応釜(6
2)へ、実施例1で用いたのと同一組成の液12.6k
gを導管(61)から仕込んだ。撹拌しながら反応釜
(62)を電気炉(70)を用いて加熱しながら液温が
204℃で一定となるようにして反応を行った。蒸留塔
(63)の塔頂(69)から留出するガスは導管(6
4)を経て凝縮器(65)で凝縮された、凝縮液の一部
を導管(67)を経て還流させ、残りを導管(68)か
ら2.1kg/hrの速度で連続的に抜きだした。還流
比は0.8であった。凝縮液が4.2kg抜き出された
時点で、反応釜(62)を冷却し、反応液を導管(7
2)から抜き出したところ、その重量は8.4kgであ
った。本比較例における仕込液量と釜部に残った液量の
比は、実施例1における導入管(2)からの供給量と導
管(19)からの塔底液抜き出し量の比と同じであっ
た。
蒸留塔(63)〔ステンレス製のディクソンパッキング
(6mmφ)を充填したもの〕と撹拌機(71)を備え
た、容量15リットルのオートクレーブ型の反応釜(6
2)へ、実施例1で用いたのと同一組成の液12.6k
gを導管(61)から仕込んだ。撹拌しながら反応釜
(62)を電気炉(70)を用いて加熱しながら液温が
204℃で一定となるようにして反応を行った。蒸留塔
(63)の塔頂(69)から留出するガスは導管(6
4)を経て凝縮器(65)で凝縮された、凝縮液の一部
を導管(67)を経て還流させ、残りを導管(68)か
ら2.1kg/hrの速度で連続的に抜きだした。還流
比は0.8であった。凝縮液が4.2kg抜き出された
時点で、反応釜(62)を冷却し、反応液を導管(7
2)から抜き出したところ、その重量は8.4kgであ
った。本比較例における仕込液量と釜部に残った液量の
比は、実施例1における導入管(2)からの供給量と導
管(19)からの塔底液抜き出し量の比と同じであっ
た。
【0069】また、ガス成分を凝縮した留出液の留出速
度も同じであった。分析の結果、反応液中にはメチルフ
ェニルカーボネートが1.8重量%、ジフェニルカーボ
ネートが0.01重量%、アニソールが0.07重量%
含まれていた。1時間当り、反応液は1kg当りの芳香
族カーボネートの生成量は、メチルフェニルカーボネー
トが9g/kg・hrで、ジフェニルカーボネートが
0.05g/kg・hrであった。フェノール基準の芳
香族カーボネートの選択率はメチルフェニルカーボネー
トが94%、ジフェニルカーボネートが1%であった。
また副生アニソールのフェノール基準の選択率は5%で
あった。同様な反応を4時間行った結果では、副生アニ
ソールの選択率は7%になっていた。
度も同じであった。分析の結果、反応液中にはメチルフ
ェニルカーボネートが1.8重量%、ジフェニルカーボ
ネートが0.01重量%、アニソールが0.07重量%
含まれていた。1時間当り、反応液は1kg当りの芳香
族カーボネートの生成量は、メチルフェニルカーボネー
トが9g/kg・hrで、ジフェニルカーボネートが
0.05g/kg・hrであった。フェノール基準の芳
香族カーボネートの選択率はメチルフェニルカーボネー
トが94%、ジフェニルカーボネートが1%であった。
また副生アニソールのフェノール基準の選択率は5%で
あった。同様な反応を4時間行った結果では、副生アニ
ソールの選択率は7%になっていた。
【0070】実施例1の結果は、メチルフェニルカーボ
ネートの生成量が34g/kg・hr(選択率97%)
でありジフェニルカーボネートの生成量が0.5g/k
g・hr(選択率2%)であり、副生アニソールの選択
率が0.8%(経時的に変化せず一定)であることか
ら、単に蒸留塔を上部に設置したバッチ式の反応釜を用
いる方法(比較例1)に比べて、本発明の方法は芳香族
カーボネートを高い反応速度で高収率(単位時間当りの
生産量が高い)、高選択率で、しかも連続的に製造でき
る優れた方法であることがわかる。
ネートの生成量が34g/kg・hr(選択率97%)
でありジフェニルカーボネートの生成量が0.5g/k
g・hr(選択率2%)であり、副生アニソールの選択
率が0.8%(経時的に変化せず一定)であることか
ら、単に蒸留塔を上部に設置したバッチ式の反応釜を用
いる方法(比較例1)に比べて、本発明の方法は芳香族
カーボネートを高い反応速度で高収率(単位時間当りの
生産量が高い)、高選択率で、しかも連続的に製造でき
る優れた方法であることがわかる。
【0071】
【実施例2〜4】実施例1と同一の装置を用い、表1に
示す反応条件で実験を行った。結果を表2に示す。
示す反応条件で実験を行った。結果を表2に示す。
【0072】
【実施例5】図2に示されるような、充填物としてステ
ンレス製のディクソンパッキング(6mmφ)を充填し
た、塔高4m、塔径3インチの充填塔から成る連続多段
蒸留塔(1)の塔頂から1mの位置へジメチルカーボネ
ート、フェノール及び触媒から成る混合物を導入管
(2)から予熱器(5)を経て該蒸留塔(1)内に液状
で連続的に供給し、フェノールを含むジメチルカーボネ
ートを導入管(7)から導入し、蒸発器(9)を経てガ
ス状で該蒸留塔(1)の塔底部へ供給した。反応条件を
表2に示す。反応の結果、該蒸留塔の塔底からは、反応
生成物であるメチルフェニルカーボネート及びジフェニ
ルカーボネートを含む液を得た。また、塔頂から留出す
るガスを凝縮器(13)で凝縮して得た液体から低沸点
生成物であるメタノールが得られた。結果を表3及び表
4に示す。
ンレス製のディクソンパッキング(6mmφ)を充填し
た、塔高4m、塔径3インチの充填塔から成る連続多段
蒸留塔(1)の塔頂から1mの位置へジメチルカーボネ
ート、フェノール及び触媒から成る混合物を導入管
(2)から予熱器(5)を経て該蒸留塔(1)内に液状
で連続的に供給し、フェノールを含むジメチルカーボネ
ートを導入管(7)から導入し、蒸発器(9)を経てガ
ス状で該蒸留塔(1)の塔底部へ供給した。反応条件を
表2に示す。反応の結果、該蒸留塔の塔底からは、反応
生成物であるメチルフェニルカーボネート及びジフェニ
ルカーボネートを含む液を得た。また、塔頂から留出す
るガスを凝縮器(13)で凝縮して得た液体から低沸点
生成物であるメタノールが得られた。結果を表3及び表
4に示す。
【0073】
【実施例6〜9】実施例5で用いたのと同一の装置を用
い、表3に示す反応条件で反応を行った。結果を表4に
示す。
い、表3に示す反応条件で反応を行った。結果を表4に
示す。
【0074】
【実施例10】連続多段蒸留塔として充填塔の代わり
に、段数20のシーブトレイを装着した塔高6m、塔径
10インチの棚段塔を用い、塔頂から0.5mの位置へ
供給し、表3に示す反応条件で反応を行う他は実施例5
と同様に反応を行った。結果を表4に示す。
に、段数20のシーブトレイを装着した塔高6m、塔径
10インチの棚段塔を用い、塔頂から0.5mの位置へ
供給し、表3に示す反応条件で反応を行う他は実施例5
と同様に反応を行った。結果を表4に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】なお、表中の記号は以下の意味をもつもの
であり、芳香族カーボネートの生成量、及び選択率は下
記の(注)に従って表わしてある。 DMC :ジメチルカーボネート DEC :ジエチルカーボネート PhOH :フェノール Pb(OPh)2 :ジフェノキシ鉛 Ti(OPh)4 :テトラフェノキシチタン Bu2 SnO :ジブチルスズオキシド MPC :メチルフェニルカーボネート MTC :メチルトリルカーボネート EPC :エチルフェニルカーボネート DPC :ジフェニルカーボネート DTC :ジトリルカーボネート wt% :重量% (注)芳香族カーボネートの生成量は1時間当り、塔底
液1kg当りのg数で表した。
であり、芳香族カーボネートの生成量、及び選択率は下
記の(注)に従って表わしてある。 DMC :ジメチルカーボネート DEC :ジエチルカーボネート PhOH :フェノール Pb(OPh)2 :ジフェノキシ鉛 Ti(OPh)4 :テトラフェノキシチタン Bu2 SnO :ジブチルスズオキシド MPC :メチルフェニルカーボネート MTC :メチルトリルカーボネート EPC :エチルフェニルカーボネート DPC :ジフェニルカーボネート DTC :ジトリルカーボネート wt% :重量% (注)芳香族カーボネートの生成量は1時間当り、塔底
液1kg当りのg数で表した。
【0080】芳香族カーボネートの選択率は原料の芳香
族ヒドロキシ化合物基準である。
族ヒドロキシ化合物基準である。
【0081】
【発明の効果】本発明の方法により、ジアルキルカーボ
ネートと芳香族ヒドロキシ化合物を原料として、アルキ
ルカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの
混合物からなる芳香族カーボネート類を連続的に高収
率、高選択率で得ることができる。
ネートと芳香族ヒドロキシ化合物を原料として、アルキ
ルカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれらの
混合物からなる芳香族カーボネート類を連続的に高収
率、高選択率で得ることができる。
【図1】本発明を実施するためのプロセス例の概略図で
ある。
ある。
【図2】本発明を実施するためのプロセス例の概略図で
ある。
ある。
【図3】比較例1で用いた反応装置の概略図である。
1 連続多段蒸留塔 2、7、15 導入管 5 予熱器 8、12、16、19 導管 9 蒸発器 10 リボイラー 13 凝縮器 17 塔頂 18 塔底 61、67 導入管 62 反応釜 63 蒸留塔 64、68、72 導管 65 凝縮器 69 塔頂 70 電気炉 71 撹拌器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/122 27/125 27/232 27/236 29/06 31/02 101 31/04 31/12 31/20 31/22 C07B 61/00 300
Claims (3)
- 【請求項1】触媒の存在下にジアルキルカーボネートと
芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて、アルキルアリ
ールカーボネート、ジアリールカーボネート又はこれら
の混合物から成る芳香族カーボネート類を製造するに当
たり、原料化合物である該ジアルキルカーボネート及び
該芳香族ヒドロキシ化合物を、連続多段蒸留塔内に連続
的に供給し、該蒸留塔内で該触媒と該原料化合物を接触
させることによって反応させながら、副生する脂肪族ア
ルコールを蒸留によってガス状で連続的に抜き出し、生
成した該芳香族カーボネート類を塔下部より液状で連続
的に抜き出すことを特徴とする芳香族カーボネート類の
連続的製造法。 - 【請求項2】均一系触媒を連続多段蒸留塔に連続的に供
給することにより触媒を存在させる、請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】触媒が固体触媒であり、連続多段蒸留塔内
部に固体触媒を配置することにより触媒を存在させる、
請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2408068A JPH0791236B2 (ja) | 1989-12-28 | 1990-12-27 | 芳香族カーボネート類の連続的製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-338179 | 1989-12-28 | ||
JP33817989 | 1989-12-28 | ||
JP2408068A JPH0791236B2 (ja) | 1989-12-28 | 1990-12-27 | 芳香族カーボネート類の連続的製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03291257A JPH03291257A (ja) | 1991-12-20 |
JPH0791236B2 true JPH0791236B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=26576026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2408068A Expired - Lifetime JPH0791236B2 (ja) | 1989-12-28 | 1990-12-27 | 芳香族カーボネート類の連続的製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0791236B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1337503A2 (en) | 2000-11-15 | 2003-08-27 | General Electric Company | Method for the continuous production of aromatic carbonates |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3898246B2 (ja) | 1995-12-18 | 2007-03-28 | 日本ジーイープラスチックス株式会社 | 芳香族カーボネートの製造方法 |
JP3846926B2 (ja) | 1995-12-27 | 2006-11-15 | 日本ジーイープラスチックス株式会社 | 芳香族カーボネートの連続的製造方法 |
US5731453A (en) * | 1996-03-12 | 1998-03-24 | Ube Industries, Ltd. | Process for producing a diaryl carbonate |
JP2922848B2 (ja) * | 1996-06-14 | 1999-07-26 | 株式会社日本触媒 | 芳香族炭酸エステルの製造方法 |
US5834615A (en) * | 1996-09-27 | 1998-11-10 | Ube Industries, Ltd. | Process for producing diaryl carbonate |
US5922827A (en) * | 1996-09-27 | 1999-07-13 | Ube Industries, Ltd. | Process for producing a polycarbonate |
JP2000191596A (ja) | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Ge Plastics Japan Ltd | 芳香族カ―ボネ―トの製造方法 |
JP2001064235A (ja) * | 1999-08-27 | 2001-03-13 | Chiyoda Corp | ジアリールカーボネートの製造方法 |
JP2001348364A (ja) * | 2000-06-06 | 2001-12-18 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 芳香族カーボネートの製造方法 |
CA2560032A1 (en) | 2004-06-17 | 2005-12-29 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Process for producing an aromatic carbonate |
BRPI0513320B1 (pt) | 2004-07-13 | 2015-11-24 | Asahi Kasei Chemicals Corp | processo para a produção de um carbonato aromático, e, coluna de destilação contínua de estágios múltiplos para realizar a reação e a destilação |
CN101006045B (zh) | 2004-08-25 | 2010-12-01 | 旭化成化学株式会社 | 高纯度碳酸二苯酯的工业制备方法 |
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