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JPH0785085B2 - フイブロネクチン測定試薬 - Google Patents

フイブロネクチン測定試薬

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JPH0785085B2
JPH0785085B2 JP62102057A JP10205787A JPH0785085B2 JP H0785085 B2 JPH0785085 B2 JP H0785085B2 JP 62102057 A JP62102057 A JP 62102057A JP 10205787 A JP10205787 A JP 10205787A JP H0785085 B2 JPH0785085 B2 JP H0785085B2
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JP
Japan
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JP62102057A
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文嗣 日野
政彦 片山
京子 林屋
弘子 横田
薫 片山
郁之進 加藤
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寳酒造株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なフイブロネクチンの測定試薬に関するも
のであり、更に詳しくは非フラグメント化フイブロネク
チン及び/又はフラグメント化フイブロネクチンの新規
な測定試薬に関する。
〔従来の技術〕
近年、ガンとフイブロネクチン(以下、FNと略記する)
の関連が注目されている。FNは細胞表面及び血液中にあ
り、分子量44万の糖蛋白質であり細胞接着、移動、分
化、増殖、ガン化、転移、創傷、治癒、炎症などに関与
している。1974年ヤマダ(Yamada)ら〔プロシーデイン
グズ オブ ナシヨナル アカデミー オブ サイエン
シーズ オブ ザ USA(Proc.Nat.Acad.Sci.USA)等71
巻、第3492頁(1974)〕により、細胞がガン化すると細
胞表面の糖蛋白であるFNが消失あるいは減少することが
見出された。しかしながら、ある種のガンでは、血清中
のFN濃度は上昇し、同時にFNのフラグメント化が起つて
いることが指摘されている〔キヤンサーリサーチ(Canc
er Res.)第39巻、第4341頁(1979)〕。更に、ガン化
した細胞がFN分解活性を有する酵素を生産することが示
されている〔セル(Cell)、第48巻、第193頁)(198
7)〕。
また、本発明者らは、大腸ガンにおいて、モノクローナ
ル抗体を用いて検討した結果、正常細胞に比べFNの生産
が増加していることを示した(特願昭61−307760号)。
以上のことからFNが何らかの系でガンの発生、増殖と関
連を持つていることが推定される。
一方、FNと他の疾患の関連については、肺疾患、肝疾
患、大腸疾患、感染症、膠原病、腎疾患、糖尿病、甲状
腺疾患、皮膚疾患、DIC、シヨツク等多数の研究がなさ
れている。しかしながら、これらの研究においては、フ
ラグメント化FN(以下fFNと略記する)と非フラグメン
ト化FN(以下nFNと略記する)を区別することなく全体
量として測定しており、特にFNを大量に含む血中の濃度
の測定においては、その測定意義は不明な点が多々あつ
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上の様な理由からFNの新規な測定試薬が望まれてい
た。本発明の目的はfFN量とnFN量を区別して高感度で精
度の高い測定が可能な新規な測定試薬を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明を概説すれば本発明はフイブロネクチン測定試薬
に関する発明であつて、被検試料中のFN4、FN9で認識さ
れず、FN10又はFN30で認識されるフラグメントを含有す
るフラグメント化フイブロネクチンを測定する試薬にお
いて、当該フラグメントを認識するが抗原認識部位を異
にする抗体を構成成分とすることを特徴とする。
本発明者らは、先にFNに対する結合ドメインの明確な新
規なモノクローナル抗体を得たこと(特願昭61−308311
号)、しかも、このモノクローナル抗体を用いて摘出組
織の組織切片及び細胞を染色すると正常細胞・組織に比
べ明らかに強く染色され、FN量がヒトガン検出のマーカ
ーとなることを見出し、ヒトガンの新たな検出方法を開
発した(特願明61−307760号)。
本発明者らは更に鋭意検討を重ねFNに対するドメイン特
異な抗体を用いることで、fFN量とnFN量を区別して定量
する測定試薬を開発した。更にガン患者の尿中に正常人
には認められないfFNが大量に出現することを発見し、
本発明による新規FN測定試薬を用いることでガンの診断
が可能であることを確認し、本発明を完成するに至つ
た。
なお本明細書において、ドメインとは抗原認識部位を意
味する。
本発明におけるFNに対するドメイン特異抗体を得るため
のヒトnFNは例えばヒト血しようから、それ自体公知の
方法により、例えばゲル過、イオン交換クロマトグラ
フイー、アフイニテイークロマトグラフイー等の方法を
単独で又は組合せて用いて分離精製することにより取得
することができる〔アンナーレス オブ ザ ニユーヨ
ーク アカデミー オブ サイエンス(Ann.N.Y.Acad.S
ci)、第312号、第256頁(1978)〕。また、ヒトfFNは
例えば上記の方法によつて取得したヒトnFNを、それ自
体公知の方法により例えばサーモリシン、トリプシン、
スロンビン、プラスミン、キモトリプシン等のプロテア
ーゼを単独で又は組合せて用いて限定分解又は完全分解
し、種々の分離方法、例えばゲル過、イオン交換クロ
マトグラフイー、アフイニテイークロマトグラフイー等
の方法を用いて分離精製することにより取得することが
できる〔ジヤーナル オブ バイオロジカル ケミスト
リー(J.Biol.Chem.)第260巻、第5105頁(1985)〕。
また、例えば肺ガン、胃ガン、結腸ガン、乳ガン、膵ガ
ンなどのガン患者の尿を原料として精製、回収すること
も可能である。更に、近年ヒトFNの全アミノ酸配列が決
定されたことにより特異フラグメントのアミノ酸配列を
有する合成ペプチドも用いられる。
一方、ヒトFNに対するドメイン特異抗体は、例えば上記
のヒトfFNを抗原として、ヒト以外のホ乳動物、例え
ば、モルモツト、ウサギ、ラツト、マウス、ヤギなどの
抗体産生能のある動物を用い通常の方法に従つて免疫し
た後、採血して抗血清を得、更に抗体を分離する。抗体
を得るに当つては例えば上述のヒトfFN0.1〜1mgを生理
食塩水0.1〜5mlに溶解し、これに同量のコンプリート・
フロイント・アジユバントを加え、充分乳化した後、用
いるホ乳動物、例えばウサギやマウス等の皮下又は皮内
に注射し、1〜3週間ごとに数回注射して免疫させる。
その後、最終免疫の日より1定期間後、採血しヒトfFN
に対する抗体を含有する抗血清を得る。
またこの場合に用いる動物としては、抗体生産能のある
動物であればいずれを用いてもよく、大量の抗体を得る
には大型動物を用いるのが好ましく、通常はウサギ、ヤ
ギを用いるが、何ら限定されるものではない。更にこれ
らの動物から得られた抗ヒトfFN抗体を含有する抗血清
から抗ヒトfFN抗体を得るには通常用いられる抗体の精
製手段の方法によつて、行えるもので例えば、抗血清を
硫安分画し、次いでイオン交換クロマトグラフイー、あ
るいはゲル過によつて精製採取すれば良い。更に抗純
度に精製するにはヒトfFNを固定化した不溶化担体を基
材として用いるアフイニテイークロマトグラフイーにて
吸着し、次いで溶出を起つて得ればよい。更に別法とし
てはヒトfFNを抗原として免疫させたヒト以外のホ乳動
物の脾細胞とミエローマ細胞とを用いて融合させ、この
融合細胞からヒトfFNに対するモノクローナル抗体産生
細胞を分離し、この融合細胞を用いる抗ヒトfFNモノク
ローナル抗体を製造する方法があり、特にホ乳動物とし
てマウスを用いる方法がよく利用されている〔ネーチヤ
ー(Nature)第256巻、第495頁(1975)〕。以上のよう
にしてヒトFNに対するドメイン特異抗体が得られる。
一方上記のヒトnFNを抗原としてヒトFNに対するドメイ
ン特異抗体を得ることもできる。
すなわちヒトnFNを抗原として免疫をしたヒト以外のホ
乳動物の脾細胞とミエローマ細胞とを用いて融合させ、
この融合細胞からヒトnFNに対するモノクローナル抗体
を生産するクローンを分離する。このようにして得られ
たモノクローナル抗体はヒトFNのある特異ドメインのみ
と反応するドメイン特異抗体である。動物としてはマウ
スがよく用いられ本発明者らは既に結合ドメインが明ら
かな抗ヒトFNモノクローナル抗体に関し、提案した(特
願昭61−308311号)。
以上のようにして得られたヒトFNに対するドメイン特異
抗体を用いることで従来の抗ヒトFNポリクローナル抗体
では不可能であつたnFNとfFNの判別定量が可能となる。
第1図はフイブロネクチンの構造とフイブロネクチンを
サーモリシンで消化した特に生じるフラグメントを表し
た模式図である。すなわち第1図に示したFNの典型的フ
ラグメントであるIとVIに特異的な抗体を組合せればnF
Nのみの量を測定でき、また例えばフラグメントIVのみ
に特異的な抗体を組合せればnFNとfFNの合計量を測定で
き、したがつてnFN量をnFNとfFNの合計量から引けばfFN
量を求めることができ、更に、fFN量のnFNとfFNの合計
量に対する比からFNの分解率もわかる。これらの効果は
FNに対するドメイン特異抗体を用いて始めて達成される
ことであり、特にモノクローナル抗体が有効であり従来
のドメイン特異性のはつきりしないポリクローナル抗体
のみを用いた場合はこのようにnFNとfFNを識別して測定
することは不可能であつた。このようなFNに対するドメ
イン特異抗体を用いた測定法としては、従来この分野で
よく知られた免疫測定法すなわち、酵素免疫測定法、ラ
ジオイムノアツセイ免疫比濁法、ラテツクス凝集法、赤
血球凝集法、SRID法(免疫拡散法)等が用いられる。中
でも酵素免疫測定法が、感度、簡便さ等において最も実
用的である。すなわち抗ヒトFNドメイン特異抗体をポリ
スチレンビーズ、ガラスビーズ、ポリスチレンマイクロ
タイタープレートなどの不溶性担体で処理して、これら
の担体に共有結合又は物理的に吸着させて抗ヒトFNドメ
イン特異抗体の結合した不溶化抗体を得る。一方で抗ヒ
トFNドメイン特異抗体に従来公知の方法を用いて酵素標
識を行う。例えば、使用する酵素に最適な化合物(例え
ばβ−ガラクトシダーゼに対しm−マレイミドエステ
ル、ペルオキシダーゼに対し過ヨウ素酸)、次いで抗体
をこの反応物に結合させて酵素標識抗ヒトFNドメイン特
異抗体を得る。
このようにして得られた、抗ヒトFNドメイン特異抗体結
合担体(不溶性抗体)と酵素標識抗ヒトFNドメイン特異
抗体(標識抗体)を用い、尿中fFN及び尿中nFNを測定し
たところ、健常人に比べ、ガン患者尿では、fFNが特異
的に上昇することが判明し、ガンの診断に有用であるこ
とが示された。
〔実施例〕
以下に実施例を示し本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 nFN及びfFNのEIA法による定量 (1) 先に本発明者らが提示した(特願昭61−308311
号)抗ヒトFNモノクローナル抗体生産ハイブリドーマFN
4、FN9、FN10、及びFN30株を、あらかじめプリステン処
理したBalb/Cマウス腹腔内に約2×107個/匹注射し、
腹水腫瘍を作らせ、10日後に腹水を採取した。該腹水を
常法に従い硫安分画、イオン交換クロマトグラフイーに
よりIgG画分を回収し、抗ヒトFNモノクローナル抗体を
得た。なお、各モノクローナル抗体のフラグメント特異
性を表1に示す。
(2) 上記(1)で得た抗ヒトFNドメイン特異抗体FN
4及びFN30を各々1mgを含有する0.1Mリン酸バツフアー
(pH8.0)20mlにポリスチレンボール(積水化学社製、
粒径6.35mm)100粒を加え、5℃で16時間、37℃で1時
間反応させ、抗体をビーズに固定化させた。ビーズは生
理食塩水で充分洗浄後、1%牛血清アルブミン(BS
A)、0.05%アジ化ナトリウム、0.9%NaClを含む10mMリ
ン酸バツフアー(pH7.4)に浸漬し、5℃で−晩放置
し、抗ヒトFNドメイン特異抗体結合ビーズを得た。
(3) 上記(1)で得られた抗ヒトFNドメイン抗体FN
9及びFN10に各々ペルオキシダーゼ(ベーリンガー−マ
ンハイム社製)をナカネ(Nakane)らの方法〔ジヤーナ
ル オブ ヒストケミストリー アンド シトケミスト
リー(J.Histochem.Cytochem.)第22巻、第1084頁(197
4)〕によつて結合させ、標識抗体を得た。すなわち10m
gのペルオキシダーゼを2mlの精製水に溶かし、0.1M過ヨ
ウ素酸カリウムを0.2ml加える。室温で20分反応させた
後1mM酢酸バツフアー(PH4.0)に対し4℃で一晩透析す
る。これに0.2M炭酸バツフアー(pH9.5)を加えpHを9
〜9.5に調整する。一方、抗ヒトFNドメイン特異抗体2mg
を1.5mlのリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)に溶かし、10
mM炭酸バツフアー(pH9.5)に対し、一晩4℃で透析し
ておき、これを上記の過ヨウ素酸処理したペルオキシダ
ーゼと混合し、室温で2時間反応させた後、水素化ホウ
素ナトリウム(4mg/ml)を0.1ml添加し、4℃で2時間
反応後、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)で平衡化した
ウルトロゲルAcA22(LKB社製)を用いゲル過により分
画した。ペルオキシダーゼ活性と抗体活性の一致する画
分を集め、メルチオレートナトリウムを終濃度0.001%
となるよう添加し、4℃で保存した。
(4) 抗ヒトFNポリクローナル抗体 抗ヒトFNポリクローナル抗体(医学生物学研究所製)を
用い上記(2)、(3)と同様の方法により不溶化抗体
及び標識抗体を得た。
(5) ヒトnFN及びヒトfFNの製造 ヒトnFNはヒト血しよう由来のFN(フナコシ社製)を用
いた。一方、ヒトfFNはボルシ(Borsi)らの方法〔アナ
リチカル バイオケミストリー(Anal.Biochem.)第155
巻、第335頁(1986)〕により製造した。すなわち500mg
のヒト血しよう由来FN(フナコシ社製)を52mMトリス
(Tris)−HCl(pH7.6、0.5mM EDTA、50mM NaCl、2.5mM
CaCl2を含む)500ml中でサーモリシン(シグマ社製)
を終濃度5μg/mlとなるように添加し、4時間22℃で消
化した。EDTAを終濃度が5mMとなるように添加し、反応
を停止させた。この反応物及びnFNをSDS−ポリアクリル
アミド電気泳動により、nFNにはfFNが含まれていないこ
と及びサーモリシン消化物にはnFNが含まれておらず、
6種にフラグメント化されていることを確認した。
なお、蛋白量は280nmの吸光度より吸光係数 〔モセツソン(Mosesson)らジヤーナル オブ バイオ
ロジカル ケミストリー第245巻、第5728頁(1970)〕
を用いて算出した。
(6) nFN及びfFNの測定 EIAは以下のようにして行つた。検体200μをチユーブ
に入れ、不溶化抗体ビーズをチユーブの中に1つずつ入
れ37℃で1時間第1インキユベーシヨンを行う。次にビ
ーズを、3mlの生理食塩水で3回洗い、標識抗体液(300
倍希釈)200μをビーズの入つたチユーブに入れ、37
℃で1時間第2インキユベーシヨンを行う。次にビーズ
を3mlの生理食塩水で3回洗い、ビーズを別のチユーブ
に移し、これに発色試薬300μ(o−フエニレンジア
ミン1mg/ml、H2O2の0.01%、0.1Mクエン酸バツフアーpH
5.0に溶解したもの)を加え、37℃で30分間反応させ、1
NH2SO4の1mlを加え反応を停止させた。波長492nmの吸光
度を測定した。上記(5)で得たnFN及びfFNを本方法で
測定した結果を表2に示す。その結果、FN4とFN9の組合
せ、すなわちフラグメントIとフラグメントVIを認識す
るドメイン特異抗体の組合せではnFNは測定できるがfFN
は全く測定できないことが示された。また、ポリクロー
ナル抗体同志の組合せでは、検出感度が悪いことが示さ
れた。
更に、nFNとfFNを適当量混合したモデル検体を作成し、
nFNとfFNの分別定量及び検体中FNの分解率を算出した。
なお、検量線は上記実施例を用いた結果を表3に示すが
FN30とFN10の組合せではnFNとfFNの合計量が求められ、
FN4とFN9の組合せでは、nFNのみの量が求められ、フラ
グメント化率を下記の式によつて求めることが可能であ
ることが示され、nFNとfFNの分別定量が可能となつた。
実施例2 ガン患者由来尿中FNの測定 (1) ブロツト・イムノアツセイ法による検出 健常人10例、ガン患者10例の早朝尿を採取し、各々10ml
を精製水に対し4℃で一晩透析した後凍結乾燥させた、
該乾燥物を、10mMリン酸バツフアー(pH7.2)0.1mlに溶
かし、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付し、
次に分画された蛋白をウエスタンブロツト法によりニト
ロセルロース膜上に電気的に移す。ニトロセルロース膜
上に吸着した蛋白を1次抗体として種々の抗ヒトFNドメ
イン特異抗体及び抗ヒトFNポリクローナル抗体を用い2
次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗マウスIg抗体及び
ペルオキシダーゼ標識抗ラビツトIg抗体(共にアマシヤ
ム社製)の発色液として、1mg/mlの4−クロロ−1−ナ
フトール及び0.01%のH2O2を含む0.1Mリン酸バツフアー
(pH6.5)を用い酵素免疫染色法により検出した。結果
を表4に示すが健常人においては、どの一次抗体を用い
ても分子量220KのnFNのバンドしか検出されず、5K〜200
KのfFNは検出できなかつた。一方抗ヒトFNドメイン特異
抗体(FN4、FN9、FN10、FN30)を用いた場合、220KのnF
Nのバンドと共に5K〜200Kに存在するfFNがガン患者にの
み明確に求められ、抗ヒトFNポリクローナル抗体を用い
た場合よりも良い検出率を示した。以上の結果より、ガ
ン患者の尿中には健常人には出現しないfFNが明らかに
存在することが示され、抗ヒトFNドメイン特異抗体によ
つて感度よく検出されることが明らかとなつた。
(2) サンドイツチEIA法による測定 健常人10例、ガン患者10例の早朝尿を採取し、実施例1
と同様に検体中のFN量を測定した。また、同時に尿中の
クレアチニン量を市販のキツト(クレアチニンテストワ
コー:和光純薬工業社製)を用いて測定し、尿量を補正
するため、クレアチニン量に対するFN量の比(FNμg/g
・Cr)で表した。
第2図は、不溶化抗体にFN30を標識抗体にFN10を用いた
場合、第3図は不溶化抗体にFN4を標識抗体にFN9を用い
た場合、第4図は共にポリクローナル抗体を用いた場
合、第5図は検体中のFNの分解率について比較した場合
を示す各グラフである。なお、縦軸はFN量(μg/g・C
r)あるいはフラグメント化率(%)を示す。その結
果、FN30とFN10の組合せにおいて、ガン患者の尿中FN量
は健常人に比べ明らかに高い値を示し、特に転移の認め
られた症例(図中白丸)は異常高値を示した。一方、FN
4とFN9の組合せ、すなわちnFN量は健常人とガン患者と
では明確な差は認められなかつた。更にポリクローナル
抗体を組合せた場合は、健常人に比べガン患者では高値
を示すがFN−30とFN10の組合せに比べその差は少なかつ
た。また、検体中のFNのフラグメント化率を求めると健
常人では15〜85%と広く分布していたがガン患者では、
約90%以上となつた。以上の結果より、ガン患者の尿中
には、フラグメント化されたFNが大量に出現することが
明らかとなり、これを測定することでガンの診断中でも
転移活性の診断が可能であることが示された。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明した通り、本発明により検体中のfFNとn
FNを分別測定可能な測定試薬が提供された。本発明の測
定試験により、ガン診断、FNのフラグメント化率の測定
が可能となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はフイブロネクチンの構造とフイブロネクチンを
サーモリシンで消化した時に生じるフラグメントを表し
た模式図、第2図はFN30抗体とFN10抗体を用いて、第3
図はFN4抗体とFN9抗体を用いて、第4図はポリクローナ
ル抗体を用いて、各々健常人とガン患者の尿中FN量を測
定した時の結果を示すグラフ、第5図は健常人とガン患
者の尿中FNのフラグメント化率を計算した結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 弘子 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内 (72)発明者 片山 薫 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−79455(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検試料中のFN4、FN9で認識されず、FN10
    又はFN30で認識されるフラグメントを含有するフラグメ
    ント化フイブロネクチンを測定する試薬において、当該
    フラグメントを認識するが抗原認識部位を異にする抗体
    を構成成分とすることを特徴とするフイブロネクチン測
    定試薬。
JP62102057A 1986-12-26 1987-04-27 フイブロネクチン測定試薬 Expired - Fee Related JPH0785085B2 (ja)

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DE19873743402 DE3743402C2 (de) 1986-12-26 1987-12-21 Verfahren zur Krebsdiagnose beim Menschen

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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